一粒の麦もし死なずば - 「粘土板管理」の風刺から知る普遍的真理

c0315619_14080266.jpg読売新聞が、昨日(13日)の夕刊1面で、自殺した近畿財務局職員がメモを残していて、本省の指示で文書の改竄を強いられた旨が書かれていたと報道した。NHKも7時のニュースで、本省理財局の職員が担当者に文書の改竄を指示するメールを出していたと報じた。NHKが言う「担当者」とは、自殺した職員のことだろう。このNHKのニュースは、検察からのリークを窺わせていて、今回の文書偽造事件の犯行の人間関係を示唆している。昨日13日の時点で、読売とNHKがここまで報道し、事件が犯罪であり、証拠が残っていて、捜査が進んでいるという事実が確定された。現時点で、照準は佐川宣寿に合わされていて、①証人喚問、②検察による聴取と逮捕、③麻生辞任へと続く今後の進行が見通されている。あらためて、職員の自殺は大きかった。その衝撃の大きさを痛感する。朝日の報道だけでは、事態がここまで進展することはなかった。私が天木氏と対談した8日の時点では、事態は膠着状態にあり、水面下で微妙な綱引きが続いていて、右翼がネットで朝日のデマだガセだと騒いでいる状況にあった。朝日は続報を出さず、「動かざること山の如し」で、「閑かなること林の如し」だった。

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# by yoniumuhibi | 2018-03-14 23:30 | Comments(2)

オーウェル的な政府文書の組織的改竄 -「虚偽公文書作成」の権力犯罪

c0315619_14252899.jpg昨日(12日)、財務省が森友文書の改竄について調査結果を報告した。提出された資料は全78ページ。14件の決済文書で310ヵ所の改竄が行われており、予想していたよりもずっと規模が大きく、組織的な改竄だった事実に驚かされる。10日前の2日に朝日が暴露報道したときは、2件の決裁文書の「書き換え」が指摘されただけで、まさかこれほど徹底的な改竄が行われているとは想像もしていなかった。佐川宣寿が辞任発表した翌日の10日、夜9時のテレ朝の報道番組(サタステ)を見ていたら、財務省前から中継があり、理財局のある3階だけに照明が皓々と灯り、中で週明けの報告書のために作業が続いていると説明されていた。ずいぶん仕事が大がかりだなという印象を受けたが、壮絶な改竄をやった分、それを国民に白状する資料も壮絶な量になったと言える。すぐに連想したのは、オーウェルの『1984年』の冒頭の描写で、真理省の職員のウィンストンが政府の記録文書を書き換えて、元の文書を焼却する作業の場面である。あれがウィンストンの日常業務だった。今回の森友文書の改竄は、決してバッチ処理で短期に行われたものではない。

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# by yoniumuhibi | 2018-03-13 23:30 | Comments(2)

公文書偽造から背任の本丸へ - 麻生辞任の次は昭恵喚問が焦点に

c0315619_13542038.jpg佐川宣寿が辞表を出した翌々日、毎日新聞は1面トップに「財務省書き換え、佐川氏指示」の見出しを打った。10日の記事中では次のように報じて読者を驚かせている。「特捜部は今後、国会の情勢を踏まえながら、佐川氏への事情聴取を検討するとみられる」「特捜部が受理したのは、国と学園側の交渉記録を廃棄したとする公用文書毀棄容疑や、文書廃棄により背任の証拠を隠したとする証拠隠滅容疑」。相当に前がかりの筆致で、検察が佐川宣寿への捜査を始めるのではないかという観測を書いている。ここまで強気に傾いた見方は、これまでのマスコミ報道では一度も示されたことがなかった。「事情聴取を検討するとみられる」という曖昧な表現だから、具体的な動きが確認されているというわけではないが、一応は毎日の記者が検察筋を取材して、感触を窺った上で可能性を推測したものだろう。真正文書の存在が判明したことで、改竄(書き換え)の事実が明らかになった。そうなると、誰が何のために改竄したのかという説明がされなくてはならず、改竄行為の法的意味と責任が問題となる。改竄を指示したとされる佐川宣寿は、すでに公用文書毀棄の容疑で告発を受けていて、特捜部は告発を受理している。

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# by yoniumuhibi | 2018-03-12 23:30 | Comments(2)

南北合意の衝撃 - 瞬速で決まった南北首脳会談と核放棄の意思表明

c0315619_15204097.jpg昨夜(6日)、北朝鮮を訪問した韓国代表団の報告があり、画期的な成果が発表された。プライムニュースの画面上に速報のテロップが入り、その後、記者会見する鄭義溶の映像と韓国語を同時通訳する音声が流れたが、その内容があまりに予想を超えるものだったため、テレビの前で小躍りしてしまった。韓国の人々もさぞ昂奮したことだろう。大統領府で代表団の報告を聞く文在寅の静止画が出たが、表情に満面の笑みが浮かんでいた。その隣では康京和が快心の首尾を噛みしめていた。韓国の外交が、15年前の北朝鮮核危機に直面した当時の、盧武鉉政権初期のスピードとパフォーマンスを取り戻している。あのとき、韓国の外交はこんなに水準が高いのかと刮目させられ、溜飲を下げた記憶があるけれど、その頃の優秀さと切れ味を復活させている。今、世界中の関心が韓国に集中し、大胆で鮮烈な平和外交に拍手が送られていて、人一倍プライドが高い韓国国民は、この世界からの注目と賞賛に鼻高々の気分だろう。CIAの手先となって文在寅叩きに躍起になっていた保守マスコミ(朝鮮、東亜、中央)も、ここは沈黙を余儀なくされ、政権の手腕と民族の一歩を評価せざるを得ない。

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# by yoniumuhibi | 2018-03-07 23:30 | Comments(8)

麻生太郎の辞任が焦点 - 朝日新聞が暴露した森友公文書偽造事件

c0315619_15482753.jpg朝日新聞がスクープした森友文書の書き換え事件。これは正しく公文書偽造事件と呼ぶべきだ。一部に捏造と呼んだり、改変と呼んだり、何やらお茶を濁しているケースが多いが、法律に偽造という概念があり、問題が刑法に違反する犯罪であることは間違いないのだから、奥歯にモノが挟まったような言い方はせず、公文書偽造事件として正しく定義すべきで、政治家も、マスコミも、この言葉で認識と表現を統一すべきだろう。また、偽の文書を渡されて被害を受けた野党は東京地検に告訴すべきで、刑事事件であることを国民に明らかにするべきだ。事件が発覚した2日、東京新聞記者の望月衣塑子はツイッターで公文書等毀棄罪に当たると述べたが、この指摘は見当外れで誤っている。公文書毀棄というのは文書を物理的に破壊する行為のことで、文書を破って棄てたり、ハードディスクを破壊して電磁記録の読み取りを不可能にすることを意味する。今回の場合はそうではなく、官庁の真正な決済文書を改竄して虚偽の文書を作成し行使した行為であり、刑法156条の「虚偽公文書作成等」の罪が該当する。刑法では一括して「文書偽造の罪」と範疇づけており、この事件は法律の概念規定に即して議論するべきだ。

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# by yoniumuhibi | 2018-03-05 23:30 | Comments(4)

米朝対話の開始が確実に - 焦った日本は北朝鮮に「雑談の対話」を懇請

c0315619_16043428.jpg米朝対話のプロセスは確実に始動した。ここへ来て、梯子を外された格好の安倍晋三が急にバタバタしている姿が看て取れる。25日夜、NHKのクロ現に岩田明子が出演して奇妙な特集を放送していたが、狼狽えて右往左往しながら、懸命にアリバイ工作して世論操作に腐心している官邸の様子が透けて見え、テレビの前で苦笑させられた。番組では、ペンスが来日した7日に、安倍晋三はペンスから北朝鮮代表団との会談を知らされていたと釈明していたが、これは後付けの作り話だろう。知らされてなかったはずだ。安倍晋三がそれを知ったのは、14日夜のトランプとの電話会談のときで、安倍晋三は驚いて真っ青になったはずだ。米国が公表したのは20日。会談は米朝両国のNo.2同士によるもの(準首脳会談)だから、極秘会談などという形式はあり得ない。実現すれば必ずステートメントが発表されていた。通常、こうした外交が破談になる場合は、ステートメントの文言の詰めで合意できなかった場合が多い。普通に考えられるのは、北朝鮮側が欲張ってきて、キャンセルを前提に米国側に無理難題を要求したということだ。北朝鮮のいつもの行動パターンと言える。

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# by yoniumuhibi | 2018-02-28 23:30 | Comments(1)

北朝鮮がようやく「米国と対話の用意がある」と発言 - 米朝対話へ

c0315619_13460454.jpg昨日(25日)、平昌五輪閉会式に出席する北朝鮮の金英哲が文在寅と会談、「米朝対話の用意がある」と発言し、マスコミが報道するところとなった。トランプ政権になって北朝鮮核危機が緊迫化して以降、北朝鮮の側から「米国と対話の用意」の発言が出たのは初めてのことだ。これまで、米国の側は何度も「対話の用意がある」と合図を送ってきた。最も鮮烈に記憶に残っているのは、12月12日にティラーソンが発した、「前提条件なしで北朝鮮と会合する準備ができている」「とにかく会ってみよう。北朝鮮が望むなら天気の話をすることもできる」という言葉だ。この柔軟な姿勢には驚かされたが、公式の場での表明であり、明らかに北朝鮮に向けてメッセージが発信されていた。その後も、マティスペンスなど米政府の高官から「対話の用意」の発言が相次ぎ、現在に至っていて、米国が北朝鮮からの前向きな返事を待っている状況が窺い知れた。これまで北朝鮮はその誘いに応じず、ずっと威嚇と挑発の声明のみを米国に返していたが、今回、初めて対話に応じる旨の意思表示を発したわけで、このことの意味はきわめて大きい。

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# by yoniumuhibi | 2018-02-26 23:30 | Comments(0)

北朝鮮の核保有の意味と目的をスリ替える右翼論者の言説工作

c0315619_16181878.jpgペンスの訪韓時に北朝鮮側と会談する予定があった経緯が、20日の米国の報道で明らかになった。衝撃のニュースだ。韓国政府も会談の設定に協力し、会談場所として青瓦台が準備されていた。直前の2時間前にキャンセルされたという米側の説明が事実であれば、金与正と文在寅が昼食を共にしていた頃に中止の通告があったことになる。2月10日の金与正は一日中マスコミに追いかけられて、時々刻々一挙一動がカメラに捉えられたが、そういえば、青瓦台での昼食会の後、KTXで江陵に戻ってエンジ色の上着に着替え、韓国首相らとの晩餐会に出席するまでの間、午後の1-2時間は空白の時間帯があったことが分かる。極秘会談とはいえ、米朝の国家のNo.2同士が会談する段取りになっていた。10日の世界のマスコミはソウルの金与正とペンスの動きを密着して追跡していて、ペンスは青瓦台に移動しなくてはいけないわけで、この会談が外に漏れないわけがない。電撃会談として情報が伝わり、世界を震撼させていただろう。

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# by yoniumuhibi | 2018-02-23 23:30 | Comments(0)

9条を守る意思と信念のない左翼リベラル - 護憲派から逃げる左翼業界

c0315619_15035501.jpg憲法9条の問題について、先日の対談の中で天木直人氏が言った、「簡単に議論に応じてはいけない」という言葉が脳裏に残っている。この主張は、少し聞くと誤解しやすくて、例えば、自公が安保法案を国会に提出してきたとき、野党は審議に応じずボイコットすればいいという単純な戦術選択の文脈で語られてしまう。そして、それでは野党がマスコミに叩かれて完敗するだけではないかという受け止めと反論になる。敵前逃亡とか思考停止という悪い意味で解されやすく、頷いて肯定するには躊躇しがちになる主張だ。やはり正々堂々と反対の論陣を張り、与党側の - 安保法制なり9条改正なりの - 問題点を中身に立ち入って指摘し、国民の前で論戦を挑んで賛否を決してゆくのが政治の正攻法なのだろうと、そういう判断に傾きがちだ。だが、よく考えると、この主張にはもっと含蓄深い意味があり、この改憲論議の中でわれわれが見失っている思想的態度の問題が孕まれている点に気づく。具体的に言うと、あの山尾志桜里と交際男性の弁護士が提起してきた9条改憲論は、果たしてまともに議論する価値があるものなのかということだ。森を見ずに木を見れば、それなりに精密に論理を工夫した改憲言説だということは分かる。だが、果たしてあの「立憲的改憲論」なるものは、2年後に形が残っている憲法論なのだろうか。

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# by yoniumuhibi | 2018-02-21 23:30 | Comments(7)

北朝鮮との戦争は海自の臨検から始まる - 米朝戦争ではなく日朝戦争

c0315619_15364832.jpg準備されている戦争は、米朝戦争ではなく日朝戦争なのではないか。ここ数日、急にそのように悲観するようになった。年明け以降、私は北朝鮮情勢については楽観的な見方が強くなり、米朝の軍事衝突は起こらないという判断に傾いていた。それには根拠がある。まず、東アジア・太平洋担当の国務次官補代行のスーザン・ソーントンが、15日の議会公聴会で「『鼻血作戦』は存在しない」と明言している。危機を煽る一方の日本のマスコミは報道しないけれど、このDCの事実は大きい。ソーントンは中国との協調重視の立場をとるハト派の外交官で、ティラーソンがずっと後押ししてきた人物だ。日本国内では、情報長官のコーツが13日に議会で証言した「決断の時は近づいている」という物騒な表現に注目が集まり、米国による先制攻撃が必至であるような報道で埋め尽くされているが、米国の動きは決して主戦論一色で染まっているわけではない。むしろ、対話に向けて北朝鮮に探りを入れている政府高官の発言が相次いでいる点に気づく。12日にはペンスが韓国からの帰路の機中で「北朝鮮が望むのならば、我々は対話する」と述べ、発言はニュースとして広く伝わった。18日にはティラーソンが「北朝鮮が対話の用意ができたと言うのを待っている」と発言している。

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# by yoniumuhibi | 2018-02-20 23:30 | Comments(1)

金与正を侮辱し悪罵し人格否定する日本のマスコミ - 右翼の焦り

c0315619_15030279.jpg日本のマスコミ報道の金与正バッシングが凄まじい。無理やり悪女に仕立てて口汚く叩いている。昨夜(15日)のプライムニュースでは櫻井よしこが出演し、金与正を「死臭の漂う女」と言って貶めていた。ある程度の罵倒は予想していたが、そこまでの悪口は非常識に過ぎるのではないか。三浦瑠麗の「スリーパーセル」の発言もそうだが、日本のマスコミ空間で、北朝鮮に対する誹謗中傷なら何を言っても構わないという風潮が蔓延している。北朝鮮に関わる存在を全否定して攻撃するための粗探しや虐待の言説に拍車がかかっている。まさにリンチそのものだ。若い女性が国際政治の大舞台で孤独に頑張っている姿を見て、個人として、もう少し内在的な視線を送ることはできないものか。少し視点を変えて公正に金与正を見てやれば、彼女はいつ金正恩に殺されてもおかしくない人物だ。この重要な外交でヘマをやった場合、韓国側との交渉過程で、あるいは宿舎での挙動で、少しでも兄に不信を買う態度を疑われて怪しまれた場合、即、告発され粛清されておかしくない立場にある。事実上のNo.2で白頭の血統という地位と身分であるからこそ、平壌での本人は常に危険な境遇に置かれているのであり、その緊張と精神的重圧は想像を絶するものがある。

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# by yoniumuhibi | 2018-02-16 23:30 | Comments(3)

三浦瑠麗の騒動と古川勝久の「北朝鮮制裁法」 - 戦争の地固め

c0315619_17150083.jpg先週、国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネル元委員の古川勝久が、テレビに出て「北朝鮮制裁法」の説法をしているのを見た。どの局の何の番組だったか、よく覚えていない。BSフジのプライムニュースではなく、夜10時台のBSの番組だった覚えがある。最近、テレ朝の報ステが粗悪で、内容がNHKのNW9と同一で、ワイドショー以下の水準に劣化しているため、途中でリモコンに手を伸ばしてBSの1ch、4ch、7chなどを移動し徘徊するようになった。それらのどれも不満で、見続けているのが面倒になり、途中で飽きて切り上げるのだが、その中のどれかで古川勝久がその議論をしているのに出くわした。風貌からして異様で、テレビ向けの一般様式ではない。その容姿で敢えて堂々とテレビに登場する意図や背景について何事か不穏なものを想像させる怪人だが、プロフィールを確認すると、やはりと納得させられる不吉な情報が並んでいた。今は、この男(北朝鮮)とか、小泉悠(ロシア)とか、小原凡司(中国)とか、不吉系オールスターズが、マスコミで外交安保を解説する中立標準の専門家だ。戦前日本そのもの。身の毛もよだつ光景。もし、90年代前半に生きている日本人をタイムマシンで連れてきてテレビを見せたら、彼は何と言うだろう。久米宏や筑紫哲也の報道に毎晩接し、河野談話や村山談話を横目で見ながら普通に暮らしている日本人を、この環境に置いたらどんな反応を示すだろう。

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# by yoniumuhibi | 2018-02-14 23:30 | Comments(3)

不当な政治利用かどうかはIOCが判断することだ - 血は水よりも濃い

c0315619_16344509.jpg血は水よりも濃い。北朝鮮が遮断していた板門店の南北直通電話の回線が再開され、連絡が繋がったという報道があったのが1月3日だった。古いWindows XP の画面の上に電話のアイコンが表示され、韓国側の担当者がPCの画面を見ながら受話器を握っていた。そこからわずか1か月。あっと言う間に準南北首脳会談がソウルで実現する運びとなった。北朝鮮は、最高会議委員長(国家元首)の金永南と金正恩の実妹で特使の金与正を代表団として五輪開会式に派遣、翌日、青瓦台で3時間にわたる会談が和気藹々とした雰囲気の中で行われた。2泊3日の代表団の滞在中、文在寅夫妻はつきっきりの対応に努め、9日の各国首脳レセプションと五輪開会式、10日の大統領府での会談と昼食会、さらに江陵での晩餐会と女子アイスホッケーの試合観戦、11日の三池淵管弦楽団のソウル公演の観覧と、ずっと一行に密着してもてなし続けている。幾度も金与正と文在寅の映像がテレビで流れ、平昌五輪のニュースは金与正を主役にした南北融和外交の時々刻々で一色となった。全く予想していなかった事態だ。最初に板門店の38度線が北側から踏み越えられ、「青筋」の異名をとる李善権が「平和の家」に入ったのが1月9日である。

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# by yoniumuhibi | 2018-02-12 23:30 | Comments(2)

天木直人氏との対談 - 「安倍首相に憲法9条を改憲させてはいけない」

c0315619_15280342.jpg元外交官の天木直人氏と対談する機会をいただき、都内で1時間ほど撮影して動画を配信することになった。初めての経験だ。天木氏と私とは共通点が二つある。一つは、憲法9条に強くコミットする政治的立場にあることで、憲法9条を基軸に据えた日本の政治と外交でなくてはならないという信念と主張を持っていることである。天木氏は新党憲法9条という政党まで立ち上げて活動されている。ここまで強烈に憲法9条にコミットし、憲法9条の価値と意味を訴えている論者は他にいないだろう。この点は、9条改憲の政局が進行している今日の状況を鑑みたとき、特に注目され刮目されるべき事実だと思われる。憲法9条が変えられようとしている現実政治への危機感から、私たちは対談の席を持つことになった。その冒頭でも申し上げたが、天木氏はいわゆる左翼とか左派の世界に身を置く人ではない。左の地平にオリジナルのバックグラウンドを持った人ではなく、左の論壇業界にキャリアとネットワークを持つ人ではない。いわば純粋の霞ヶ関の元エリートというか、外務官僚としての人生を歩んで来た経歴の人だ。敢えて単純な表現を試みれば、ニュートラルなリベラルのステイツマンであり、イデオロギーフリーな良心的で職人気質を持った日本国の外交官という表象が妥当だろう。

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# by yoniumuhibi | 2018-02-09 23:30 | Comments(10)

9条改憲と安全保障について - 二つの言説に対する反論

c0315619_15092416.jpg昨夜(30日)、NHKのニュースで9条改憲についての安倍晋三の国会答弁を報道していた。2項を残して3項で自衛隊を明記する持論を語り、委員会席に座っている2項削除論の石破茂に向かって鞘当てする映像を流していた。さらに、高村正彦がどこか国会外で喋っている絵を映し、2項削除では公明党の賛同が得られないから、公明党に合意させるために3項追加を自民党の正式案にするのだと補足までさせた。安倍晋三の意向に即した、あからさまな世論工作の報道だ。今国会の中心テーマが9条改憲の問題であることは言うまでもない。が、本来、この政治争点は、9条を変えるか変えないか、9条を変えていいのかどうかという根本問題が基本であるはずなのに、マスコミは、2項削除か2項維持かという選択に仕立てている。9条を変えて自衛隊を明記することについては、もう既に決まったことのように報じ、国民的な了解が得られているかの如く問題を説明している。安倍案か石破案か、どちらなのかという政治構図にし、幅広い国民の合意を得られるのは安倍案だと宣伝している。3月の自民党大会に向けて、石破案と安倍案の二つの改憲案が競い合うので、レースの行方を注目しようという報道になっている。9条改憲を前提にした、9条改憲を既成事実化する偏向報道だ。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-31 23:30 | Comments(10)

「反日」と「愛国」の言葉 - NHKスペシャル「赤報隊事件」を見ながら

c0315619_16062796.jpg「インターネット上には赤報隊が繰り返し用いた『反日』という言葉が飛び交っている。意見や立場の異なる相手にレッテルを貼り、排除する際に使われている」。28日に放送されたNHKの赤報隊特集番組の結語で、伊東敏恵の渾身のナレーションが響いた。この言葉は重い。勇気を出してよく言ってくれたと思う。スタッフに拍手を送りたい。今や「反日」という語はそこら中に溢れていて、市民社会の言論空間の普通語になっており、われわれは感覚をすっかり麻痺させられている。テレビの番組でも「反日」という言葉は当たり前のように使われ、例えば、池上彰のニュース解説番組でも頻繁に登場する。韓国や中国の立場や主張を「反日」と決めつけて批判する議論は、池上彰が毎晩やっていて、そのため、一般国民にとってその言語と言説は標準的な観念になっている。「反日」批判のイデオロギーは、書店の店頭に横溢し、テレビを通じて茶の間に散布され、インターネット上に氾濫し、もう誰もその言語に接して違和感や抵抗感を覚えない状況になってしまった。昨年、韓国の大統領選に出た野党候補の文在寅に対して、関口宏がサンデーモーニングで「反日政治家」だと決めつけて揶揄する場面まであった。だが、本当は、「反日」は普通語ではないのだ。市民社会で普通に使われる言葉ではなく、右翼が使う特別な政治言語なのである。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-29 23:30 | Comments(2)

毎日新聞の裏切り工作 - 三択方式に仕様変更された9条世論調査の怪

c0315619_17043199.jpg憲法改正の政治戦で、安倍晋三がマスコミを使って布石を打ってきた。巧妙に先手を取られた感がする。世論調査で攻勢を仕掛けてきた異変にお気づきだろうか。具体的に説明しよう。まず、1月3日の東京新聞の世論調査を見てみよう。9条改正について「必要がある」が41.2%、「必要はない」が53.0%の結果になっている。改憲の国会論議について「急ぐべきだ」が28.8%、「急ぐ必要はない」が67.2%とある。この記事が今年初めて見た憲法に関する世論調査であり、東京新聞の数字だからこんなものかと思いつつ、一方、今年は憲法の決戦の年だという覚悟で緊張していたため、新年にマスコミが出す憲法関連の報道が気になっており、この数字を見て安堵を覚えたものだった。幸先のよいスタートを切ったという感想を抱いた。ところが、そこから3週間後の産経の世論調査を見ると、全く逆の結果が出ている。「国会は憲法改正に向けた議論を活発化させるべきか」の質問に対して、67.2%が「思う」と答え、「思わない」の29.6%を大幅に上回っている。産経が出す世論調査だからということで、数字そのものは割り引いて考えてよいだろうが、右からこうした一撃が出たことで、3日の東京新聞の楽観的な世論報道は相殺され、正月のお屠蘇気分は吹き飛ばされてしまった。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-24 23:30 | Comments(2)

日本で過小評価されすぎている米国と北朝鮮の和平合意の可能性

c0315619_16022915.jpg北朝鮮と米国との緊張について、少し見落としている点があるように思われる。和平に転ぶ可能性について、日本国内ではあまりにその見方が少なすぎるのではないか。この点は私自身も反省しないといけないが、トランプの北朝鮮政策について、攻撃論一辺倒の観測に偏りすぎていたと思う。マスコミの論調に影響されたためだ。最も重要なポイントは何かというと、11月の中間選挙に勝つため、トランプは北朝鮮をどうすればよいかという問題設定である。従来、私も含めて、支持率が低く苦戦が予想されているトランプが、ロシア疑惑を受けた劣勢を挽回するべく、北朝鮮に軍事攻撃を始めるのではないかという悲観論にとらわれる思考が強かった。米国民の関心を北朝鮮との戦争に向け、米国内の空気を変え、戦果を勝ち誇って選挙に臨むという想定である。トランプが北朝鮮問題を自らの政権維持に活用していることは明らかで、国内での政治的立場を有利にするべく北朝鮮問題をカードにして使っている。が、ということは、よく考えれば、米朝が直接交渉で何らか合意して、北朝鮮が核とミサイルの挑発をやめるという結果が得られれば、それは成果になり、トランプが中間選挙で国民にアピールする材料になることを意味する。米国民は評価するはずだ。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-22 23:30 | Comments(1)

リベラル文化人は朝鮮戦争を目の前になぜ沈黙し傍観しているのか

c0315619_16544607.jpg慰安婦問題の新方針について、ようやく健全な議論がマスコミに出て、北原みのりが2年前の日韓合意を批判する見方を週刊誌上で示している。今回、政府とマスコミが一色に染まって韓国政府を糾弾する図はファシズムそのものだが、それに異を唱えて抵抗する論者が皆無なのは、自称リベラルの著名文化人たちが、2年前に迂闊に日韓合意を歓迎し賛同するコメントを残してしまっているからだ。自己批判する勇気がないから、韓国挺身隊と文在寅政権を悪者にし、安倍晋三と同調し、今回の件は黙って知らんぷりして、影に隠れたまま問題の関心が薄れてゆくのを待っているのである。あの日韓合意が問題解決にならないこと、一歩前進でも何でもないこと、問題をより複雑で厄介なものにするエラッタ外交であることは、正常な知性と倫理観をもって判断すればすぐに分かることだった。あの合意がすぐに破綻することが、どうして彼らに察知できなかったのだろう。あの合意をエンドースすることが、安倍晋三に与する誤った行為であるということが、なぜ彼らに理解できなかったのか。リベラルを自称する文化人たちから、今の左翼リベラルから、村山談話の精神がすっかり消えてしまっている。フェミがどうのこうのではなく、村山談話の忘却と違背が問題なのだ。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-19 23:30 | Comments(3)

平成天皇が訪韓して元慰安婦に言葉を - それが最終的で不可逆的な解決

c0315619_15170655.jpg吉見義明は、岩波新書『従軍慰安婦』(1995年)の結語において、慰安婦問題の解決のため日本政府が行うべき措置として次の六項目を挙げている。(1)政府所管資料の全面公開、(2)戦争犯罪を行ったことの承認と謝罪、(3)責任者を処罰してこなかったことの責任の承認、(4)被害者のリハビリテーションの実行、(5)被害者の名誉回復と個人賠償、(6)慰安婦問題についての歴史教育・人権教育の実施、記念碑と資料センターの設置(P.233-234)。それから15年後、今から8年前の2010年に出版された岩波ブックレット『日本軍「慰安婦」制度とは何か』では、以下の六項目を挙げている。中身は少し異同があるが、基本的な骨格は同じだ。(1)「軍の関与の下に」という主語を曖昧にした表現をやめ、加害の主体が日本軍(日本国家)であることを明確に認めること、(2)戦争犯罪の法的責任を正しく認めること、(3)賠償金を日本政府が拠出すること、(4)政府と公的機関が保有する関連資料をすべて公開し、真相究明を行い、歴史教育・人権教育・平和教育を奨励し、記念館を設置すること、(5)被害者の医療的ケアをすること、(6)官房長官談話ではなく閣議決定を経た首相声明を出し、国会でも決議すること、「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律」を成立させること(P.61-63)。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-17 23:30 | Comments(4)

看過できぬ関口宏の嫌韓バイアス - 新方針を袋叩きにする日本マスコミ

c0315619_15114643.jpg14日放送のサンデーモーニングで、慰安婦問題の日韓合意を見直す文在寅政権の新方針が取り上げられていた。予想以上に激しい口調で袋叩きにしていて、見ながら憂鬱な気分にさせられた。コメンテーターの論評に入る前から、司会の関口宏が轟然と非難の口火を切って韓国側の「蒸し返し」を攻撃する扇動を始めたため、続く田中秀征らが韓国政府への罵倒を過熱させるという展開になった。国内の報道番組の中では最もリベラル側に位置するとされるこの番組で、リベラルの代名詞のような関口宏が韓国側を口をきわめて叩くのだから、この件の世論調査で韓国側の姿勢を肯定的に受け止める日本人が絶無なのも頷ける。14日に発表された読売の世論調査では、新方針に「納得できない」と回答した割合が86%に上っている。これは要するに、2年前の日韓合意を歓迎し賛同する者がこれだけいることを意味する。その現実が信じられない。2年前の日韓合意というのは、金をくれてやるからこの問題を蒸し返すのはやめろ、大使館前の慰安婦像をさっさと撤去しろ、という日本政府の要求を、韓国政府がオバマ政権に強請されて合意してしまったという代物だ。吉見義明が喝破しているとおり、問題の解決にはならない中身のものである。破綻と白紙化は時間の問題だった。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-15 23:30 | Comments(7)

文在寅政権の新方針を支持する - 歴史問題の外交解決には倫理が必須

c0315619_17174825.jpg昨日(10日)、文在寅の新年の会見の場で、2年前に日本と結んだ慰安婦合意について、「間違った結び目は解かねばならない」と発言、問題解決のためには日本側からの「心からの謝罪が必要」だと表明した。また、「日本が真実を認め、被害者の女性たちに心を尽くして謝罪し、それを教訓に再発しないよう国際社会と努力するとき、元慰安婦も日本を許すことができるだろう。それが完全な解決だ」と語った。これが正論だと思う。私は、この韓国大統領の発言を支持する。2年前、2015年の年末、突然この合意が発表されたとき、私は「慰安婦問題の日韓合意は破綻する - 倫理的主体を欠いた歴史外交は成就しない」と題した記事を上げたが、果たして予想したとおりの展開になった。合意の破綻は見えていた。そもそも、この合意には正式な共同文書がない。日韓の外相の記者発表文があるだけで、しかも別々に発表した内容を並べているだけだ。本来、これほど重要な二国間問題について交渉した合意を発表するなら、首脳会談を開催した上で共同声明を出す形式が当然だっただろう。重要な問題であるにもかかわらず、両国外相が個別に報道文だけを残したということが、この合意の軽さ、コミットの浅さを物語っていて、両国政府の本気度のなさを示唆している。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-11 23:30 | Comments(6)

健全な資本主義とは何か - 古田大輔の反共思想と米国の若者との彼我

c0315619_16340716.jpg昨年末のブログ記事で、大塚久雄を復権させようという提案を試みた。現時点で反響は皆無だけれど、我ながら面白い問題提起だと内心で自賛する気分でいる。誰もこれまで発想せず指摘したことのない死角であり、大袈裟に言えば、コロンブスの卵になり得るキーポイント(思想的鉱脈)の発見ではないか。無論、この力業に着手するには若さとエネルギーが要るし、首尾よく成功させるためには経済学と経済史の知識が要る。力の衰えたロートルの専門外の人間が、アイディアと目算だけでなし得る事業ではない。だが、丸山真男や吉野源三郎がこうして復活し、戦後民主主義が生き返った現実を見れば、悔恨共同体の知識人の筆頭格であり、戦後社会科学を主導する二本柱の一つであった大塚久雄が、再び甦って口を開き、われわれに向かって熱い息吹を放つ図を想像しておかしくない。われわれが再び、大塚久雄の中産層の説諭を聴き、健全な資本主義の理念について耳を傾け、その政策論に頷く日が来ておかしくない。大塚久雄のマルクスとウェーバーの基礎理論は、まさに、戦後日本に健全な資本主義を建設するための基本設計の思想であり、その政策論と主体性(人格類型論)を社会に提供するアーキテクチャーのセオリーだった。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-09 23:30 | Comments(3)

民進党(民主党)が終わった2017年 - 反安倍側は対抗戦略の一新を

c0315619_16435047.jpg一昨日(26日)、第2次安倍政権から5年というニュースをテレビが流していた。5連勝した国政選挙の絵が順番に並べられ、NHKもテレ朝の報ステも同じように安倍一強を強調する報道になっていた。支持率が50%もあるのだから、そういう報道になるのはやむを得ない。2年前、安保法制の政治戦を切り抜けて支持率を戻した後、安倍晋三はテレビ関係者への報復に出て、政権に批判的だった古館伊知郎・岸井成格・国谷裕子の3人を降板させる仕置きをやった。テレビはすっかり牙を抜かれ、安倍晋三に媚びて礼賛する番組ばかりになったが、今年の衆院選の圧勝を経て、さらに朝鮮中央テレビ的な放送私物化の度を増した感がある。見ながら思ったことは、次に選挙をやっても安倍晋三が勝つだろうということだった。多くの視聴者が、親安倍でも、反安倍でも、同じ感想を抱いたのではないか。再来年の夏には参院選がある。あと1年半後だ。あっと言う間に来る。1年半後に安倍政権が続いていたとして、それに対抗できる有力な勢力が存在しているだろうか。選挙で安倍自公に勝てる野党側の環境が準備されているだろうか。素人目にも、それは全く期待できないことが分かる。むしろ逆に、既成野党の方はさらに力を弱め、国民の支持を失って行く方向に向かうだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-28 23:30 | Comments(4)

2018年の政治 - ペジー事件とリニア疑惑、改憲と総裁選、北朝鮮

c0315619_17480375.jpg来年の政治の見通しを考えてみよう。気になるニュースが目に入っていて、それはスパコン開発のペジー社をめぐる助成金詐欺事件だ。昨日25日、社長の斉藤元章ら2名が起訴された。容疑は、経産省所管のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施した助成金事業で、虚偽の報告書を提出して4億3100万円を詐取したというものだ。逮捕されたのが12月5日で、このときは大きなニュースとしてテレビ報道で取り上げられた。テレビでは逮捕後に特に続報されず注目されてないが、週刊新潮が20日発売の最新号で記事を書いていて、その題は「『安倍・麻生』ベッタリ記者の『欠陥スパコン』に公金100億円!!」というものだ。「ベッタリ記者」というのは山口敬之のことである。起訴前に検察がマスコミにリークを始めており、不正に受給した金額は、NEDOからの総額35億2400万円に加えて、文科省所管のJST(科学技術振興機構)から52億円があり、総額で100億円の巨額になると報道されている。取り調べが進んでいて、おそらく他の公金詐取分も追起訴されるだろう。日刊ゲンダイの12月7日の記事を見ると「経産省関係者」なる者が登場し、「受給した税金は総額で100億円以上になるのではないか」と言っている。早くも逮捕の時点で、霞ヶ関では事件の全体像と捜査の先行きを見通した観測が流れていて興味深い。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-26 23:30 | Comments(1)

大塚久雄を復権させよう - われわれの目指すべきは一億総中流社会だ

c0315619_15221461.jpg今年は、新年のときに立てた目標を何も実現できないまま終わった。計画への着手はすべて来年以降に持ち越しとなった。政治を変える、政治を変える動きを作るという点では、何もできず、敗北に終わるしかない「野党共闘」を黙って見ているだけだった。ただ、何も成果がなかったかというとそうでもないように思われる。負け惜しみを、強がりを言っているように聞こえるかもしれないが、一つ成果なり実績なりを上げると、左翼リベラルの中での「新9条」の見方が変わってきた現実がある。昨年までは、「新9条」論は左翼世界のデフォルトと言ってもいいほどの地位と威勢を持っていた。何と言っても、東京新聞の佐藤圭が中心になって主導し、しばき隊とSEALDsが賛同・推進し、朝日新聞が論壇紙面でキャンペーンした政治言説だから、左翼世界のメインストリームに位置する政論だったと言っていい。昨年から今年前半までの空気感では、左翼世界は、2項を削除して自衛隊を明記せよという「新9条」 の方向性でほぼ固まりつつあった。この動きに対して、一昨年の時点から、私は激しく批判を展開して論陣を張ってきたが、今、ようやく功を奏してきたというか、イデオロギー戦の戦場で敵を後退させることができたという感覚と自信を得ている。「新9条」論、すなわち左からの9条改憲論は、支持を失って退潮を始めた。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-23 23:30 | Comments(1)

『君たちはどう生きるか』と格差・貧困問題に対する日本人の態度

c0315619_14320911.jpg生活保護費削減の問題は、あいかわらずテレビ報道で取り上げられない。19日に議員会館で抗議集会が開かれているが、テレビ撮影は入ってなかったようだ。新聞記者は来ている。主催者はテレビ局に取材要請をしたのだろうか。集会には共産党と立憲民主党の議員が参加している。立憲民主党の議員の名前は載っていない。立憲民主党と枝野幸男のツイッターを確認したところ、やはり生活保護費の問題について一言もコメントを発していなかった。厚労省が「1割削減」を発表して2週間経つが、野党が目立った反対行動を起こしておらず、マスコミの関心が著しく低い。昨日(20日)になって、ようやく日弁連が「生活保護基準について一切の引下げを行わないよう求める会長声明」を出したが、記者会見を開いておらず、マスコミも記事にしていない。立憲民主党がこの問題に対して無視と沈黙を続けるのは異常だが、そうした立憲民主党の姿勢に対して、しばき隊や左翼界隈が何も言わず、黙認したまま素通りしているのも理解に苦しむ欺瞞的な光景に映る。普通であれば、例えば森友加計問題のときの民進党のように、党本部に官僚を呼びつけ、マスコミにカメラを回させ、糾弾する絵を夜のテレビで撒かせて人気取りをするものだ。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-21 23:30 | Comments(4)

テレビが生活保護費削減の問題を報道しない - 有識者が声を上げない

c0315619_13531336.jpg生活保護費削減の件、厚労省が12月8日に発表(リーク)して10日以上経つのに、テレビ報道が一向にこの問題に焦点を当てない。17日放送のサンデーモーニングでも寸毫も触れられなかった。他の番組は無視しても、この番組だけは取り上げるだろうと期待していたので、裏切られた気分で暗鬱にさせられる。先々週から先週にかけて、テレビが毎日騒いでいたのは、年収850万円以上の会社員が増税になるという税制の問題だった。毎日毎日、同じ話題を同じパネルで長々と説明し、後藤謙次が、昔は自民党の税調が強かったが今は官邸が税制を仕切っているなどと、どうでもいいくだらない政界漫談を垂れて「解説」に代えていた。平日夜に生活保護の問題を取り上げるなら、報ステしかないだろうと思い、テレビの前で待っている。が、いつまで経っても放送されない。パンダの話と貴乃花の話で埋め、自民党の憲法改正案に少し触れて、残りは北朝鮮の話で流し、今年は納めにするのだろうか。生活保護費の問題は、憲法25条に関わる問題だ。国が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」が切り下げられようとしている。国民生活にとってきわめて重要な問題なのに、テレビ報道の関係者が故意に目を背けている。異常な風景と言うしかない。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-19 23:30 | Comments(2)

敵基地攻撃能力から核武装へ - 安倍晋三の前に屈服して沈黙のマスコミ

c0315619_16473905.jpg射程900キロ超の長距離巡航ミサイルの導入を防衛省が決め、来年度予算で調査費を計上した件が報道され、マスコミで少しだけ話題になっている。これは敵基地攻撃能力の保有であり、自衛隊の専守防衛の逸脱ではないかと懸念を示す声が、ほんの少しだけ微かに聞こえる。具体的な装備の内容は、F35Aに搭載する射程900キロのミサイルで、現在の自衛隊機のミサイルの射程の5倍を超える距離になり、北朝鮮の大部分と中国の沿岸部が攻撃範囲に入ることになる。小野寺五典は、これはあくまで日本を防衛するための装備で、敵基地攻撃を目的としておらず、専守防衛に反するものではない、と言っていて、懸念を打ち消す発言をしている。報ステの後藤謙次は、議論が少なすぎるとコメントしていた。国会で議論がなく政府の説明が不十分だと後藤謙次は言いたいのだろうが、国会で議論がないのなら、どうしてマスコミがこの問題を詳しく特集して問題提起しないのだろうと、テレビの前で苛立つ気分を押さえられない。明らかに、今回の措置は敵基地攻撃能力保有の第一歩であり、改憲保守側の長年の悲願であった政治目標の達成であり、自衛隊の専守防衛という国家原則の破壊なのに、その恐ろしい政治的意味についての指摘と警鐘がない。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-14 23:30 | Comments(6)

素直に喜べないノーベル賞 - 暴論の誹りを承知で敢えて違和感を言う

c0315619_17115809.jpg昨夜(12/11)の報ステでは、ノーベル平和賞の授賞式で演説したサーロー節子が大きく取り上げられ、オスロでの単独インタビューの映像が紹介された。今日の朝日には13面に講演の全文が載り、39面に会場を取材した関連記事が載っている。1面には「核兵器は必要悪ではなく絶対悪」だというサーロー節子の言葉が見出しで載り、16面の社説もこの問題を書いている。サーロー節子のスピーチはとても感動的で、そして歴史的なものであり、文科省が後で何らか教材にするかなとも思ったが、NHKがニュースで全く取り上げずに無視したことを考えると、政府の姿勢が窺え、安倍政権では無理だろうなとも悲観する。昨夜放送されたインタビューでは、核兵器廃絶がどれほど遠い理想だと言われても、そこへ一歩一歩近づくことができるのであり、現実を変えて行くことができるのだから、それを信じて一人一人が努力することが大切なのだと視聴者を励ましていた。力強い訴えであり、そして、丸山真男の「現実主義の陥穽」のロジックを思い起こさせる真理の主張で、聞く者の心に勇気と律動を与える言葉だった。サーロー節子のことはこれまで全く知らなかった。突然、登場した感がある。90年代になって突然出て来たベアテ・シロタのようだ。救世主が出現したように感じる。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-12 23:30 | Comments(6)


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