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停戦和平に流れる欧州の世論 - 士気低下はロ軍もウ軍もどっちもどっち

停戦和平に流れる欧州の世論 - 士気低下はロ軍もウ軍もどっちもどっち_c0315619_16590570.png6/19、フランスの総選挙でマクロンの与党が大敗し、過半数を割る結果となった。大物の閣僚が次々と落選、左派連合と極右が議席を伸ばしている。原因はウクライナ戦争による物価高で、庶民の不満がストレートに票に反映されたと説明されている。実は欧州もインフレなのだ。アメリカのインフレと利上げばかり注目されているが、ユーロ圏の5月のインフレ率は過去最高の8.1%に達していて、食料品とエネルギーの高騰が国民生活を直撃している。そろそろ黄色いベストの登場かなと予想していたら、その前に議会選挙で与党が惨敗した。

マスコミ報道の論調では、マクロンのロシアに対する日和見的な態度が批判されている。日本のマスコミは西側大本営のタカ派の代表格だから、目を怒らせて独仏伊の対ロ和平派を叩く報道と解説に終始している。ゼレンスキーおよび英米側と一体になっている。が、マクロンがプーチンに宥和的な発言をしていたのは、目前に選挙が控えていたからで、国内の世論を意識した政治だったのだ。フランス国民は、NATOが戦争を長引かせることに反対で、停戦を進めて穀物とエネルギーの問題を解決しろと要求しているのである。


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# by yoniumuhibi | 2022-06-20 23:30 | Comments(0)

構造不況に入るアメリカ経済 ー 長く続いた神話の終焉と常識の転換

構造不況に入るアメリカ経済 ー 長く続いた神話の終焉と常識の転換_c0315619_16064813.pngダウ平均が1年5か月ぶりに3万ドルを割った。FOMCでの0.75%の利上げ決定(6/16)に影響された市場の反応である。1994年以来27年ぶりの大幅利上げを受けて、市場の弱気がいちだんと加速する趨勢となった。NASDAQは4.08%も下落し、昨年秋の最高値から35%も価値を失った。7月にダウが3万ドル台に戻す状況は難しいだろう。トレンドを単純に延長して占えば、8月には2万ドル割れを迎えている。パウエルはFOMC後の会見で、7月も0.75%の利上げがあると予告しており、夏の市場は悲観論一色となるのは確実だ。

パウエルの発言を要約した記事によれば、FRBは2022-24年の各年末の政策金利を3.4%→3.8%→3.4%と設定している。つまり、今年よりも来年の政策金利が高くなっていて、インフレ収束が年内に終わらず、来年以降も課題と格闘が続くという厳しい見通しが立てられている。アメリカのインフレは厄介で、簡単に退治できるものではないのだ。6月のCPI(消費者物価指数)も未だ上昇中という計測があり、何人かの専門家の予測では、インフレ率はさらに悪化して9%に達するという見方も示されている。7月の利上げは0.75%では生ぬるいという声も出ている。


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# by yoniumuhibi | 2022-06-17 23:30 | Comments(0)

バブル崩壊と複合インフレ ー アメリカのインフレを導いた三つの要因

バブル崩壊と複合インフレ ー アメリカのインフレを導いた三つの要因_c0315619_16344112.png注目のFOMCを前にして、週明けの6/13、ダウ平均は876ドル下げて1年4か月ぶりの安値水準である3万516ドルをつけた。年初来最安値。FOMCで利上げが発表されれば、その上げ幅の何如にかかわらず、NY株価は下落の勢いに弾みがつくだろう。FRBのパウエルは「物価安定回復には若干痛みが伴う」と発言、株価下落と景気抑制はやむなしの姿勢を示している。チャートを確認すると、ダウは年初1/3に史上最高値の3万6585ドルを記録していて、そこから半年で6000ドルも大幅に下げている。

米金融市場の不調と弱気を端的に示しているのは、ダウよりもハイテク株中心のNASDAQ総合指数の下落であり、6/13は▲4.68%も下げて10.809ポイントとなった。最高値は昨年11/22の1万6212ポイントであり、約半年で3分の2の値にまで急降下している。ここからさらに下がる。インフレの克服は厄介で、金融当局の政策手段は利上げと通貨供給量の縮小(QT)だが、そうした金融引き締め策は景気抑制策でもあり、企業の投資や個人の消費にブレーキをかける効果となる。アメリカでは早くもリセッションの声が上がっている。


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# by yoniumuhibi | 2022-06-14 23:30 | Comments(0)

「認知戦」対策の恐怖 - 言論の自由、思想・良心の自由の剥奪と弾圧

「認知戦」対策の恐怖 - 言論の自由、思想・良心の自由の剥奪と弾圧_c0315619_17114334.png先々週(5/26)の衆院予算委の質疑で、自民党の小野寺五典が出る幕があった。安全保障関係の質問で1時間を費やしている。夜のNHK-NW9でも放送されていた。中身は、小野寺五典が報道1930やプライムニュースで毎度のように繰り返しているタカ派の政策主張で、それを国会の場で岸田文雄に肯定・応諾させ、具体的に政府の法制や予算に施策化するステップの政治が行われていた。その中で、聞きながら恐怖と戦慄を覚えたのが「認知戦」の話であり、それに対する取り締まりの要請と対処である。

「認知戦」とは聞き慣れない言葉だが、軍部プロパガンダ番組化した報道1930やプライムニュースでは頻繁に使われ、出演者の間では注釈なしに普通に飛び交っている。要するに、SNSなどで中国側が日本の世論を中国寄りに傾ける工作を仕掛けてきて、巧みに日本人を洗脳してくるから、それを監視し、摘発し、処罰する必要があるという「安全保障」の政策論だ。答弁に立った岸田文雄は、この小野寺五典の主張を了とし、年内に策定する国家安全保障戦略の中の課題として検討すると回答した。


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# by yoniumuhibi | 2022-06-08 23:30 | Comments(4)

人権監察官リュドミラ・デニソワの捏造と解任 - プロパガンダはどっちもどっち

人権監察官リュドミラ・デニソワの捏造と解任 - プロパガンダはどっちもどっち_c0315619_15104680.pngウクライナの人権監察官リュドミラ・デニソワに、ロシア兵による女性暴行の戦争犯罪を根拠なく捏造した疑惑が浮かび、ウクライナ最高会議によって解任された。重要な事件の発生であり、俄に注目が集まっている。リュドミラ・デニソワの役職を英文で見ると、Ombudsman for Human Rights とか、Commissioner for Human Rights の表記紹介されている。ウクライナは伝統的な統治機構の様式を継承していて、立法府たる議会を「最高会議」(ヴェルホーヴナ・ラーダ)と呼んでいる。そこから類推して、

デニソワの役職の了解も Ombudsman よりも Commissioner を採った方が妥当だろう。この Commissioner はコミッサール(政治委員)の意味だ。議会によって任命された監察官であり、だから解任も議会によってなされた。現在62歳。経歴を調べると、白海に面したロシア北極圏の辺境アルハンゲリスクの出身で、幼稚園の先生からキャリアをスタートさせている。いわば田舎出の成り上がり者だが、新天地ウクライナに移ってから頭角を現し、トントン拍子で出世。クリミア自治共和国の政府閣僚を務め、オレンジ革命からマイダン革命にかけてのウクライナ政界で有力者になる。


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# by yoniumuhibi | 2022-06-06 23:30 | Comments(3)


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