リベラル文化人は朝鮮戦争を目の前になぜ沈黙し傍観しているのか

c0315619_16544607.jpg慰安婦問題の新方針について、ようやく健全な議論がマスコミに出て、北原みのりが2年前の日韓合意を批判する見方を週刊誌上で示している。今回、政府とマスコミが一色に染まって韓国政府を糾弾する図はファシズムそのものだが、それに異を唱えて抵抗する論者が皆無なのは、自称リベラルの著名文化人たちが、2年前に迂闊に日韓合意を歓迎し賛同するコメントを残してしまっているからだ。自己批判する勇気がないから、韓国挺身隊と文在寅政権を悪者にし、安倍晋三と同調し、今回の件は黙って知らんぷりして、影に隠れたまま問題の関心が薄れてゆくのを待っているのである。あの日韓合意が問題解決にならないこと、一歩前進でも何でもないこと、問題をより複雑で厄介なものにするエラッタ外交であることは、正常な知性と倫理観をもって判断すればすぐに分かることだった。あの合意がすぐに破綻することが、どうして彼らに察知できなかったのだろう。あの合意をエンドースすることが、安倍晋三に与する誤った行為であるということが、なぜ彼らに理解できなかったのか。リベラルを自称する文化人たちから、今の左翼リベラルから、村山談話の精神がすっかり消えてしまっている。フェミがどうのこうのではなく、村山談話の忘却と違背が問題なのだ。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-19 23:30 | Comments(3)

平成天皇が訪韓して元慰安婦に言葉を - それが最終的で不可逆的な解決

c0315619_15170655.jpg吉見義明は、岩波新書『従軍慰安婦』(1995年)の結語において、慰安婦問題の解決のため日本政府が行うべき措置として次の六項目を挙げている。(1)政府所管資料の全面公開、(2)戦争犯罪を行ったことの承認と謝罪、(3)責任者を処罰してこなかったことの責任の承認、(4)被害者のリハビリテーションの実行、(5)被害者の名誉回復と個人賠償、(6)慰安婦問題についての歴史教育・人権教育の実施、記念碑と資料センターの設置(P.233-234)。それから15年後、今から8年前の2010年に出版された岩波ブックレット『日本軍「慰安婦」制度とは何か』では、以下の六項目を挙げている。中身は少し異同があるが、基本的な骨格は同じだ。(1)「軍の関与の下に」という主語を曖昧にした表現をやめ、加害の主体が日本軍(日本国家)であることを明確に認めること、(2)戦争犯罪の法的責任を正しく認めること、(3)賠償金を日本政府が拠出すること、(4)政府と公的機関が保有する関連資料をすべて公開し、真相究明を行い、歴史教育・人権教育・平和教育を奨励し、記念館を設置すること、(5)被害者の医療的ケアをすること、(6)官房長官談話ではなく閣議決定を経た首相声明を出し、国会でも決議すること、「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律」を成立させること(P.61-63)。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-17 23:30 | Comments(4)

看過できぬ関口宏の嫌韓バイアス - 新方針を袋叩きにする日本マスコミ

c0315619_15114643.jpg14日放送のサンデーモーニングで、慰安婦問題の日韓合意を見直す文在寅政権の新方針が取り上げられていた。予想以上に激しい口調で袋叩きにしていて、見ながら憂鬱な気分にさせられた。コメンテーターの論評に入る前から、司会の関口宏が轟然と非難の口火を切って韓国側の「蒸し返し」を攻撃する扇動を始めたため、続く田中秀征らが韓国政府への罵倒を過熱させるという展開になった。国内の報道番組の中では最もリベラル側に位置するとされるこの番組で、リベラルの代名詞のような関口宏が韓国側を口をきわめて叩くのだから、この件の世論調査で韓国側の姿勢を肯定的に受け止める日本人が絶無なのも頷ける。14日に発表された読売の世論調査では、新方針に「納得できない」と回答した割合が86%に上っている。これは要するに、2年前の日韓合意を歓迎し賛同する者がこれだけいることを意味する。その現実が信じられない。2年前の日韓合意というのは、金をくれてやるからこの問題を蒸し返すのはやめろ、大使館前の慰安婦像をさっさと撤去しろ、という日本政府の要求を、韓国政府がオバマ政権に強請されて合意してしまったという代物だ。吉見義明が喝破しているとおり、問題の解決にはならない中身のものである。破綻と白紙化は時間の問題だった。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-15 23:30 | Comments(7)

文在寅政権の新方針を支持する - 歴史問題の外交解決には倫理が必須

c0315619_17174825.jpg昨日(10日)、文在寅の新年の会見の場で、2年前に日本と結んだ慰安婦合意について、「間違った結び目は解かねばならない」と発言、問題解決のためには日本側からの「心からの謝罪が必要」だと表明した。また、「日本が真実を認め、被害者の女性たちに心を尽くして謝罪し、それを教訓に再発しないよう国際社会と努力するとき、元慰安婦も日本を許すことができるだろう。それが完全な解決だ」と語った。これが正論だと思う。私は、この韓国大統領の発言を支持する。2年前、2015年の年末、突然この合意が発表されたとき、私は「慰安婦問題の日韓合意は破綻する - 倫理的主体を欠いた歴史外交は成就しない」と題した記事を上げたが、果たして予想したとおりの展開になった。合意の破綻は見えていた。そもそも、この合意には正式な共同文書がない。日韓の外相の記者発表文があるだけで、しかも別々に発表した内容を並べているだけだ。本来、これほど重要な二国間問題について交渉した合意を発表するなら、首脳会談を開催した上で共同声明を出す形式が当然だっただろう。重要な問題であるにもかかわらず、両国外相が個別に報道文だけを残したということが、この合意の軽さ、コミットの浅さを物語っていて、両国政府の本気度のなさを示唆している。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-11 23:30 | Comments(6)

健全な資本主義とは何か - 古田大輔の反共思想と米国の若者との彼我

c0315619_16340716.jpg昨年末のブログ記事で、大塚久雄を復権させようという提案を試みた。現時点で反響は皆無だけれど、我ながら面白い問題提起だと内心で自賛する気分でいる。誰もこれまで発想せず指摘したことのない死角であり、大袈裟に言えば、コロンブスの卵になり得るキーポイント(思想的鉱脈)の発見ではないか。無論、この力業に着手するには若さとエネルギーが要るし、首尾よく成功させるためには経済学と経済史の知識が要る。力の衰えたロートルの専門外の人間が、アイディアと目算だけでなし得る事業ではない。だが、丸山真男や吉野源三郎がこうして復活し、戦後民主主義が生き返った現実を見れば、悔恨共同体の知識人の筆頭格であり、戦後社会科学を主導する二本柱の一つであった大塚久雄が、再び甦って口を開き、われわれに向かって熱い息吹を放つ図を想像しておかしくない。われわれが再び、大塚久雄の中産層の説諭を聴き、健全な資本主義の理念について耳を傾け、その政策論に頷く日が来ておかしくない。大塚久雄のマルクスとウェーバーの基礎理論は、まさに、戦後日本に健全な資本主義を建設するための基本設計の思想であり、その政策論と主体性(人格類型論)を社会に提供するアーキテクチャーのセオリーだった。

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# by yoniumuhibi | 2018-01-09 23:30 | Comments(3)

民進党(民主党)が終わった2017年 - 反安倍側は対抗戦略の一新を

c0315619_16435047.jpg一昨日(26日)、第2次安倍政権から5年というニュースをテレビが流していた。5連勝した国政選挙の絵が順番に並べられ、NHKもテレ朝の報ステも同じように安倍一強を強調する報道になっていた。支持率が50%もあるのだから、そういう報道になるのはやむを得ない。2年前、安保法制の政治戦を切り抜けて支持率を戻した後、安倍晋三はテレビ関係者への報復に出て、政権に批判的だった古館伊知郎・岸井成格・国谷裕子の3人を降板させる仕置きをやった。テレビはすっかり牙を抜かれ、安倍晋三に媚びて礼賛する番組ばかりになったが、今年の衆院選の圧勝を経て、さらに朝鮮中央テレビ的な放送私物化の度を増した感がある。見ながら思ったことは、次に選挙をやっても安倍晋三が勝つだろうということだった。多くの視聴者が、親安倍でも、反安倍でも、同じ感想を抱いたのではないか。再来年の夏には参院選がある。あと1年半後だ。あっと言う間に来る。1年半後に安倍政権が続いていたとして、それに対抗できる有力な勢力が存在しているだろうか。選挙で安倍自公に勝てる野党側の環境が準備されているだろうか。素人目にも、それは全く期待できないことが分かる。むしろ逆に、既成野党の方はさらに力を弱め、国民の支持を失って行く方向に向かうだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-28 23:30 | Comments(4)

2018年の政治 - ペジー事件とリニア疑惑、改憲と総裁選、北朝鮮

c0315619_17480375.jpg来年の政治の見通しを考えてみよう。気になるニュースが目に入っていて、それはスパコン開発のペジー社をめぐる助成金詐欺事件だ。昨日25日、社長の斉藤元章ら2名が起訴された。容疑は、経産省所管のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施した助成金事業で、虚偽の報告書を提出して4億3100万円を詐取したというものだ。逮捕されたのが12月5日で、このときは大きなニュースとしてテレビ報道で取り上げられた。テレビでは逮捕後に特に続報されず注目されてないが、週刊新潮が20日発売の最新号で記事を書いていて、その題は「『安倍・麻生』ベッタリ記者の『欠陥スパコン』に公金100億円!!」というものだ。「ベッタリ記者」というのは山口敬之のことである。起訴前に検察がマスコミにリークを始めており、不正に受給した金額は、NEDOからの総額35億2400万円に加えて、文科省所管のJST(科学技術振興機構)から52億円があり、総額で100億円の巨額になると報道されている。取り調べが進んでいて、おそらく他の公金詐取分も追起訴されるだろう。日刊ゲンダイの12月7日の記事を見ると「経産省関係者」なる者が登場し、「受給した税金は総額で100億円以上になるのではないか」と言っている。早くも逮捕の時点で、霞ヶ関では事件の全体像と捜査の先行きを見通した観測が流れていて興味深い。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-26 23:30 | Comments(1)

大塚久雄を復権させよう - われわれの目指すべきは一億総中流社会だ

c0315619_15221461.jpg今年は、新年のときに立てた目標を何も実現できないまま終わった。計画への着手はすべて来年以降に持ち越しとなった。政治を変える、政治を変える動きを作るという点では、何もできず、敗北に終わるしかない「野党共闘」を黙って見ているだけだった。ただ、何も成果がなかったかというとそうでもないように思われる。負け惜しみを、強がりを言っているように聞こえるかもしれないが、一つ成果なり実績なりを上げると、左翼リベラルの中での「新9条」の見方が変わってきた現実がある。昨年までは、「新9条」論は左翼世界のデフォルトと言ってもいいほどの地位と威勢を持っていた。何と言っても、東京新聞の佐藤圭が中心になって主導し、しばき隊とSEALDsが賛同・推進し、朝日新聞が論壇紙面でキャンペーンした政治言説だから、左翼世界のメインストリームに位置する政論だったと言っていい。昨年から今年前半までの空気感では、左翼世界は、2項を削除して自衛隊を明記せよという「新9条」 の方向性でほぼ固まりつつあった。この動きに対して、一昨年の時点から、私は激しく批判を展開して論陣を張ってきたが、今、ようやく功を奏してきたというか、イデオロギー戦の戦場で敵を後退させることができたという感覚と自信を得ている。「新9条」論、すなわち左からの9条改憲論は、支持を失って退潮を始めた。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-23 23:30 | Comments(1)

『君たちはどう生きるか』と格差・貧困問題に対する日本人の態度

c0315619_14320911.jpg生活保護費削減の問題は、あいかわらずテレビ報道で取り上げられない。19日に議員会館で抗議集会が開かれているが、テレビ撮影は入ってなかったようだ。新聞記者は来ている。主催者はテレビ局に取材要請をしたのだろうか。集会には共産党と立憲民主党の議員が参加している。立憲民主党の議員の名前は載っていない。立憲民主党と枝野幸男のツイッターを確認したところ、やはり生活保護費の問題について一言もコメントを発していなかった。厚労省が「1割削減」を発表して2週間経つが、野党が目立った反対行動を起こしておらず、マスコミの関心が著しく低い。昨日(20日)になって、ようやく日弁連が「生活保護基準について一切の引下げを行わないよう求める会長声明」を出したが、記者会見を開いておらず、マスコミも記事にしていない。立憲民主党がこの問題に対して無視と沈黙を続けるのは異常だが、そうした立憲民主党の姿勢に対して、しばき隊や左翼界隈が何も言わず、黙認したまま素通りしているのも理解に苦しむ欺瞞的な光景に映る。普通であれば、例えば森友加計問題のときの民進党のように、党本部に官僚を呼びつけ、マスコミにカメラを回させ、糾弾する絵を夜のテレビで撒かせて人気取りをするものだ。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-21 23:30 | Comments(4)

テレビが生活保護費削減の問題を報道しない - 有識者が声を上げない

c0315619_13531336.jpg生活保護費削減の件、厚労省が12月8日に発表(リーク)して10日以上経つのに、テレビ報道が一向にこの問題に焦点を当てない。17日放送のサンデーモーニングでも寸毫も触れられなかった。他の番組は無視しても、この番組だけは取り上げるだろうと期待していたので、裏切られた気分で暗鬱にさせられる。先々週から先週にかけて、テレビが毎日騒いでいたのは、年収850万円以上の会社員が増税になるという税制の問題だった。毎日毎日、同じ話題を同じパネルで長々と説明し、後藤謙次が、昔は自民党の税調が強かったが今は官邸が税制を仕切っているなどと、どうでもいいくだらない政界漫談を垂れて「解説」に代えていた。平日夜に生活保護の問題を取り上げるなら、報ステしかないだろうと思い、テレビの前で待っている。が、いつまで経っても放送されない。パンダの話と貴乃花の話で埋め、自民党の憲法改正案に少し触れて、残りは北朝鮮の話で流し、今年は納めにするのだろうか。生活保護費の問題は、憲法25条に関わる問題だ。国が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」が切り下げられようとしている。国民生活にとってきわめて重要な問題なのに、テレビ報道の関係者が故意に目を背けている。異常な風景と言うしかない。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-19 23:30 | Comments(2)

敵基地攻撃能力から核武装へ - 安倍晋三の前に屈服して沈黙のマスコミ

c0315619_16473905.jpg射程900キロ超の長距離巡航ミサイルの導入を防衛省が決め、来年度予算で調査費を計上した件が報道され、マスコミで少しだけ話題になっている。これは敵基地攻撃能力の保有であり、自衛隊の専守防衛の逸脱ではないかと懸念を示す声が、ほんの少しだけ微かに聞こえる。具体的な装備の内容は、F35Aに搭載する射程900キロのミサイルで、現在の自衛隊機のミサイルの射程の5倍を超える距離になり、北朝鮮の大部分と中国の沿岸部が攻撃範囲に入ることになる。小野寺五典は、これはあくまで日本を防衛するための装備で、敵基地攻撃を目的としておらず、専守防衛に反するものではない、と言っていて、懸念を打ち消す発言をしている。報ステの後藤謙次は、議論が少なすぎるとコメントしていた。国会で議論がなく政府の説明が不十分だと後藤謙次は言いたいのだろうが、国会で議論がないのなら、どうしてマスコミがこの問題を詳しく特集して問題提起しないのだろうと、テレビの前で苛立つ気分を押さえられない。明らかに、今回の措置は敵基地攻撃能力保有の第一歩であり、改憲保守側の長年の悲願であった政治目標の達成であり、自衛隊の専守防衛という国家原則の破壊なのに、その恐ろしい政治的意味についての指摘と警鐘がない。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-14 23:30 | Comments(6)

素直に喜べないノーベル賞 - 暴論の誹りを承知で敢えて違和感を言う

c0315619_17115809.jpg昨夜(12/11)の報ステでは、ノーベル平和賞の授賞式で演説したサーロー節子が大きく取り上げられ、オスロでの単独インタビューの映像が紹介された。今日の朝日には13面に講演の全文が載り、39面に会場を取材した関連記事が載っている。1面には「核兵器は必要悪ではなく絶対悪」だというサーロー節子の言葉が見出しで載り、16面の社説もこの問題を書いている。サーロー節子のスピーチはとても感動的で、そして歴史的なものであり、文科省が後で何らか教材にするかなとも思ったが、NHKがニュースで全く取り上げずに無視したことを考えると、政府の姿勢が窺え、安倍政権では無理だろうなとも悲観する。昨夜放送されたインタビューでは、核兵器廃絶がどれほど遠い理想だと言われても、そこへ一歩一歩近づくことができるのであり、現実を変えて行くことができるのだから、それを信じて一人一人が努力することが大切なのだと視聴者を励ましていた。力強い訴えであり、そして、丸山真男の「現実主義の陥穽」のロジックを思い起こさせる真理の主張で、聞く者の心に勇気と律動を与える言葉だった。サーロー節子のことはこれまで全く知らなかった。突然、登場した感がある。90年代になって突然出て来たベアテ・シロタのようだ。救世主が出現したように感じる。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-12 23:30 | Comments(6)

親友を庇って官憲から守った思想犯の吉野源三郎 - 古在由重の証言

c0315619_18090008.jpg吉野源三郎が、『君たちはどう生きるか』を出す6年前、治安維持法違反で逮捕された経歴の持ち主であることについては、12月2日の朝日の天声人語でも簡単に触れていた。丸山真男は「回想」の中で次のように書いている。「吉野さんには、私の場合などとは比較に絶するような特高体験があります。吉野さんが取調べの際に、まったくのフィクションを供述用に『創作』してまで、親友に特高の手がのびるのをくいとめた、という話は(略)、私は古在(由重)さんから直接うかがって感動しました。(略)けれども、それほど毅然としていた吉野さんでさえ、はじめ陸軍少尉として軍法会議にかけられたときには、どこまで自分がこの試練に耐えられるかに深刻に悩まれたようです」(岩波文庫 P.323)。吉野源三郎は、東京帝大を卒業した後、1925年(26歳)に陸軍の近衛野砲兵連隊に一年志願兵として入隊している。一年後に除隊したが、予備役だったため、1931年(32歳)に逮捕されたとき、通常の刑事司法手続きではなく軍法会議にかけられ、1年半の間、陸軍刑務所(現在の渋谷公会堂付近)に収監された。沖縄の米兵が性的暴行事件を起こすと軍法会議にかけられて判決を受ける。憲法9条が改正され軍法会議が設置されると、こうした戦前の日常が復活し、予備役は裁判所ではなく軍事法廷で裁かれる点を留意すべきだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-07 23:30 | Comments(1)

池上彰や斉藤孝が『君たちはどう生きるか』の宣伝に便乗する欺瞞

c0315619_16374505.jpg12月2日の朝日の天声人語に『君たちはどう生きるか』のことが書かれている。朝日は11月3日の社説でもこの本を取り上げていた。マガジンハウスが出したマンガ本は、現在100万部の売れ行きとなっていて、この本の人気は社会現象になっている。私は前の記事で、本がブームになっている割にマスコミで話題になってないと書いたが、その認識は間違っていたようで、TBSの「王様のブランチ」(11/18)やNHKの「おはよう日本」(11/26)などのテレビ番組で紹介されていて、それが宣伝効果となってさらに販売部数を伸ばしているようだ。私がどうしてこの本のブームについてマスコミ報道の不足や無視を感じたかというと、日頃接しているテレビ番組である、NW9、クロ現、報ステ、サンデーモーニング等々に取り上げられてなかったからで、きっと官邸の監視統制の目が光っていて、報復を恐れて避けているのだろうと疑っていた。どうやらそれは邪推だったようで、いずれこれらの番組でも特集されるに違いない。だが、今のこの本のブームと出版マスコミ業界の便乗と喧伝には、私は率直なところ首を傾げてしまう。池上彰とか斉藤孝とか掘江貴文とか、この戦後民主主義の古典とは真逆の陣営に属するところの、まさに敵の思想の猛者である俗物たちが、ぞろぞろと登場して囃し立てている風景は異様で我慢できない。

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# by yoniumuhibi | 2017-12-05 23:30 | Comments(2)

補遺 - マルクスの「生産関係」と「交通形態」、平田清明の「交通」論

c0315619_12565865.jpgマルクスの生産関係の概念は、所有と階級の契機を含んだタテの社会関係の意味を持つ。吉野源三郎が『君たちはどう生きるか』で論じている「生産関係」は、平面的なヨコの繋がりで、商品の中に凝縮された社会的分業の総体を意味している。が、丸山真男は「回想」での解説において、これぞ「資本論入門」の極意であり、見事な説明の表現であると絶賛していて、「生産関係」の概念の異同については特に触れていない。それはなぜだろうと考え、前回のような仮説を立ててみた。その仮説にたどりつく前に想起したことは、もともとマルクスの生産関係の概念が、あの史的唯物論の公式 - 『経済学批判』の序言に示された「導きの糸」 - として完成する前には動揺と変遷を遂げており、「交通形態」という言葉が使われた時期もあったという理論史の事実だった。初期の『ドイツ・イデオロギー』では、「交通形態」という語が頻出し、そして同時に「所有形態」という語も登場する。国民文庫版の訳者である真下信一が、序文で次のように解説している。「マルクスとエンゲルスによって仕上げられた理論の若干の基礎概念をあらわすために、『ドイツ・イデオロギー』のなかでつかわれた用語は、その後彼ら自身によって、それらの新しい概念の内容をもっと精確にあらわす別の用語に取り換えられた」(P.11)。


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# by yoniumuhibi | 2017-11-30 23:30 | Comments(1)

『君たちはどう生きるか』における「生産関係」の問題について

c0315619_12465271.jpg『君たちはどう生きるか』の中の「生産関係」について、一点、指摘をしておきたい。この言葉は、作品全体の中できわめて重要なキーワードで、主人公が「コペル君」というニックネームを持った理由と密接に関係している。その物語の経緯については、あらためて紹介する必要もないだろう。コペル君が発見して名づけた「人間分子の関係 編み目の法則」の直観と報告が、おじさんによって概念的に整理され、それが経済学の「生産関係」であり、社会科学で一般的に使われている術語であることが説明される。丸山真男は付録の「回想」でこう書いている。「コペル君が小さい頭で、いかにも幼いコペル君にふさわしい推論を積みかさねて『法則』に到達する過程が、すこしも『大人』の立場からの投影という印象を与えず、きわめて自然に描かれているのにも感心しますが、おじさんがこの手紙を承けて、そこから一方ではコペル君をはげましつつ、他方で『人間分子の法則』の足りないところを補いながら、それを『生産関係』の説明まで持ってゆくところに読みすすんで私は思わず唸りました。これはまさしく『資本論入門』ではないか。(略)資本論の入門書は、どんなによくできていても、資本論の入門書であるかぎりにおいてどうしても資本論の構成をいわば不動の前提として、それをできるだけ平明な表現に書き直すことに落ち着きます」(P.312-313)。

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# by yoniumuhibi | 2017-11-28 23:30 | Comments(1)

『君たちはどう生きるか』のブーム - 若者にはこう読んでもらいたい

c0315619_14332614.jpg吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』がマンガ化され、ベストセラーになっている。amazonの総合ランキングで1位になっていて、岩波文庫のオリジナルの方も文庫のランキングで上位に入っている。先日、宮崎駿が新しいアニメの題名を「君たちはどう生きるか」にすると発表したことも、このブームに拍車をかける一因となった。若者の間での宮崎駿の影響力は圧倒的だ。ただ、出版の世界で大きなトレンドになっているほどには、マスコミがこの状況を話題にしていない。テレビの報道番組で本が紹介される機会に接しない。やや奇妙な感じがするし、安倍晋三と菅義偉が統括支配する世界だから不思議ではないなと思い直したりもする。この古典は、日本の戦後の教育の根幹に位置する作品だ。戦後民主主義を担う精神のカーネルを養成するべく、中学生になる子どもに読ませてきた教育書で、倫理を学ぶ物語である。われわれの世代において、子どもの頃、この本は空気のようなもので、周囲には「おじさん」のような教師が少なからずいて、われわれにコペル君のような精神的成長を促していた。私もその教育過程の通過儀礼を受けた一人だけれど、当時、この本に特に大きく影響を受けたという実感はない。なぜなら、周囲の環境が、学校も、マスコミも、悉く「君たちはどう生きるか」的であり、吉野源三郎の思想を基調とし骨格とした倫理的空間だったから。

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# by yoniumuhibi | 2017-11-25 23:30 | Comments(3)

山口二郎による護憲派の罵倒 - 不当に貶められてきた護憲の立場

c0315619_16160794.jpg前回、山口二郎が2004年に日本政治学会で発表した基調報告の一部を紹介した。その中で、山口二郎は社民党(社会党)の護憲の主張を罵倒し、共産党については存在の価値のない政党だと斬り捨てていることが確認された。山口二郎のこの20年間の言論を見ると、護憲の立場に対する悪罵と侮辱に徹し、憲法9条を守れと唱えてきた社会党や戦後民主主義に対する軽蔑と排斥で一貫していることが分かる。一つ一つ検証して証拠を挙げよう。手元に2004年刊の岩波新書『戦後政治の崩壊』がある。その冒頭、こう書いている。「2003年秋の総選挙では(略)土井たか子が敗北の責任をとって社民党党首を退いた。(略)土井の挫折は、憲法第九条をめぐる帰依と怨念の両面の風化を意味している。『頑固に護憲』を貫いた土井は、九条に対する信仰を体現した政治家であった。戦後憲法ができて間もない五十年代、左派社会党の指導者が『青年よ、銃を取るな』と叫べば、平和を求める国民から澎湃たる支持が沸きあがった。ところが、実際に青年が銃を持って海外に出動している今、社民党は見る影もなく衰弱している。護憲というメッセージが国民に対する訴求力を失ったことは明白である」(P.ⅰ-ⅲ)。「もはや憲法は政治家がおのれの信念をかけて論ずべき崇高なテーマではなくなった」(P.ⅳ)。

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# by yoniumuhibi | 2017-11-22 23:30 | Comments(2)

共産党を排除した山口二郎 - 「政治改革」とは何だったのか

c0315619_17100184.jpg11月17日の朝日新聞オピニオン面に「ロシア革命100年」と題した不破哲三のインタビューが載った。その中でこんなことを言っている。「80年に一部の野党が『共産党を除く』という原則を唐突に打ち立てました。(略)共産党排除という異様な政治体制が34年続きました。それ以前はマスコミでも、ひとつの政党として自然体で見られてきました」。この事実認識は具体的にどういう中身を指しているのだろうか。もし、「34年続きました」という指摘が現在も進行中であるという意味なら、「80年」は83年ということになり、「80年」ではなく「80年代」とするのが正確だったという説明になる。もし言葉どおりに「34年続きました」の起点が1980年であるなら、その共産党排除の政治体制は2014年で終了したという捉え方になる。2015年夏に安保法制の政治戦があり、それを契機に「野党共闘」の政治が始まる経過があるので、不破哲三はその文脈で時間軸を整理しているのかもしれない。80年に共産党を排除した「一部の野党」とはどの政党を指すのだろうか。社会党だろうか。確かなことは、この時期に自民党政権に対抗する野党の共闘態勢のあり方が変わり、社共の革新統一戦線が崩壊し、社公民路線にリプレイスされたということである。不破哲三はその事実を言っているように聞こえる。

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# by yoniumuhibi | 2017-11-20 23:30 | Comments(4)

小選挙区制に八つ当たりして失敗の責任を転嫁する内田樹と中野晃一

c0315619_15424044.jpg14日の毎日の記事で内田樹が総選挙を総括する意見を上げている。「まず感じたのは小選挙区制という制度の不備である」と書き、小選挙区制に対する不満をぶちまけている。この主張は、投票結果が出た直後に中野晃一が言っていた。どうやら、安倍晋三が圧勝した結果に苛立っている文化人たちの間で、小選挙区制に対する批判が共通の問題意識になっているようだ。昨年、トランプが勝利した米大統領選の報道を受けて、文化人たちの間で、没落した中間層に夢を抱かせないよう上から説教を垂れようとした思想運動が起こったことを思い出す。ユニクロを着て鍋をつついて我慢せえと清貧の心構えを垂れていた。年末から正月にかけて、上野千鶴子、小熊英二、長谷部恭男、杉田敦などが、この線に沿って同じ言説をマスコミで披露した。アカデミーの世界は狭い。どこかで身内で顔を合わせて世間話をしているうちに、こういう安易で傲慢な認識と結論になったのだろう。トランプ的なポピュリズムとファシズムを阻止するためには、大衆に幻想を抱かせてはならず、中産層に復活の夢を諦めさせなくてはいけない、われわれ岩波文化人が愚かな大衆を教導して自覚を促そうと、そういう「使命感」で一致したのに違いない。今回は、安倍圧勝の総選挙を受けて小選挙区制の見直しが主題になり、年末から年始の大手紙のメインの論調になるのだろうか。

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# by yoniumuhibi | 2017-11-16 23:30 | Comments(2)

ロシア革命から100年 - 20世紀の資本主義国の庶民を守った防波堤

c0315619_15014624.jpgロシア革命と社会主義について、もう一つ論じておかないといけない問題がある。それは、20世紀にその存在があったから、われわれは幸福な人生を送ることができたという間接的意義だ。世界が二つに分かれた片方の内側は、どうしようもなく悲惨で暗鬱なもので、その住人に苦難と忍耐と絶望を強いるものだった。スターリンの恐怖支配と暗黒政治の犠牲者は2千万とも3千万人とも言われている。毛沢東とポルポトを足せばどれくらいの数に上るか分からない。ゴルバチョフが登場してすぐの末期ソ連を旅した経験があるけれど、そこで目撃した人々の疲労感と苦悩と憔悴の表情を忘れられない。ソ連の統制と欺瞞と貧窮に疲れ果て、社会主義を厭うて恨んでいた。あのとき、渓内譲は岩波新書の新刊の中で、ソ連が崩壊することはないだろうと楽観的な予想を書いていたが、現地を見た私は間もなく終焉が近いことを確信した。20世紀後半、そこに、私の人生の半分があり故郷がある。小学校社会科の教科書では世界地図は二つに色分けされ、青色と赤色に塗り分けられていた。社会主義の体制下で生きる人々は塗炭の苦しみを強いられ、われわれはそこから自由で、人生に希望の持てる時代を送ることができたけれど、真実を直視し意味を総括すれば、彼らの犠牲のおかげでわれわれは幸福な環境を与えられたと言い得る。

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# by yoniumuhibi | 2017-11-13 23:30 | Comments(3)

ロシア革命から100年 - 資本主義が続くかぎり社会主義も生き続ける

c0315619_17173669.jpg丸山真男は今から60年前、論文『「スターリン批判」における政治の論理』の中でこう言っている。「フランス革命についても、歴史学的な解釈こそ今日でっも盛んに行われているが、そうした学問的論争が直接に政治的意義を帯びた時代はとっくに過ぎ去った。フランス革命とそれにつづく干渉戦争の過程で冒された数多くの愚行や残虐をどんなに力をこめて弾劾する人々も、人権宣言の諸原則が今日文明世界の公理として通用していることを承認する(略)。ところが、ロシア革命とその諸々の連鎖反応については、残念ながら今日の世界はまだその与えた心理的ショックから回復するだけの時間的距離をもっていないようである。それは革命後四〇年というような自然的時間についていうのではない。(略)むしろ問題はロシア革命が投げかけた挑戦に対して、今日の世界が - ソヴェート同盟を中心とする社会主義世界を含めて - いまだに十分な決着を与えていないこと、従ってそこに含まれた諸々の争点が今日なお生々しい現実性を帯びてわれわれの全存在を揺るがしていることから来ている。(略)ラスキのいうロシア革命の『莫大な成果』と『莫大な代償』はいまだにひとびとの心の中に適当な平衡点を見出しえず、利害と立場と局面の衝撃とに応じて、あるいはプラス面が心理的に自乗され、あるいはマイナス面が大映しにされる」。(『現代政治の思想と行動』 旧版 P.306-307)

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# by yoniumuhibi | 2017-11-10 23:30 | Comments(5)

座間の大量殺人事件への視角 - 何の意見も反応もない社会学アカデミー

c0315619_14443049.jpg座間のアパ-トで殺害された23歳の被害者のことがテレビで報道されていた。小学校のときの写真と卒業文集が紹介され、飼育係で動物を可愛がっていたという。山梨で母親と兄と3人で暮らし、中学1年のときにトラブルがあり、家に引きこもりになった。何があったのか詳細は伝えられてないが、おそらくいじめだろうと想像される。薄幸な少女は12歳のときに引きこもりになり、10年間ずっと家にいて、母親が死んだ今年、事件に巻き込まれて犠牲になった。今週になって23歳の被害者の実名と写真がマスコミに公表され、経歴情報が公開されたことでネットでは驚きの声が上がっていた。警察はこんなことをしていいのかという声があった。無論、公開したのは被害者の兄の意思と決断によるものだ。幾つか年上のはずの兄は、天涯孤独の身になってしまった。この兄妹に同情する。そして、写真とプロフィールを出してくれてよかったと思う。兄が勇気を出して妹の素顔を教えてくれたことで、私の中で事件はかなり立体的な輪郭を整え始め、この事件をどう理解すべきかという視角が備わり始めた。意味を解読することができるようになった。まだ、誰もこの事件について本格的な考察を出していないが、私の直観を言えば、まさに日本の貧困の現実が本質的契機ということになる。

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# by yoniumuhibi | 2017-11-08 23:30 | Comments(4)

共産党はなぜ後退したのか - 敗因を分析する

c0315619_15362298.jpg今回の衆院選で最も大きく惨敗したのは共産党で、議席を21から12へとほぼ半減させる結果となった。2013年から続けてきた党勢拡大が止まり、深刻な後退の局面を迎えている。比例得票数は440万票。ネットやマスコミでは、枝野幸男の立憲民主党に風が吹き、その影響を受けて比例票を奪われたためだという見方が一般的だ。共産党の支持者からは、立憲民主党の選挙区での当選を助けるために候補者を降ろした共産党の自己犠牲は立派だという類の、何やら敗北の真因を直視することから逃避する美談工作的な自画自賛の弁も横溢している。しかし、もし選挙区での候補者を降ろすことが比例区での得票減や議席減に自動的に繋がるのであれば、そもそも共産党の「野党共闘」作戦は最初から自滅の戦略だったということになり、戦略が間違いだったという結論になるだろう。昨年の参院選では全国32の1人区で「野党共闘」を実現させたが、共産党は比例で601万票を得ている。4年前の2013年の参院選での共産党の比例票は515万票で、このときは「野党共闘」はなかった。共産党は単独で全国に候補を立てて戦っている。2016年と2013年の二つの参院選を比較して言えば、「野党共闘」のために選挙区で候補を降ろしたことが、必ずしも比例の得票減を招いた原因だとは即断できない。

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# by yoniumuhibi | 2017-10-31 23:30 | Comments(4)

立憲民主党を宏池会に喩える言説の盲点 - 「政治改革」の検証と総括を

c0315619_11340882.jpg衆院選の結果が出た後、立憲民主党を宏池会の表象に擬えて積極的に意味づけ言説が流行している。29日のTBSの番組で田中秀征が言っていたが、24日のプライムニュースで山口二郎もこの説を唱えて立憲民主党の意義を強調していた。山口二郎によれば、現在の自民党と立憲民主党の二つの対峙は、嘗ての自民党の清和会と宏池会・経世会の二つの間の対立として構図化できるもので、嘗ては派閥間対立であった保守派とリベラル派の対立が、外に出て政党間対立となったものだと了解すればよいとと言う。この比喩は床屋政談的な俗論の体裁をとっているが、図式として単純で分かりやすく、立憲民主党を支持する者は飛びついてしまいがちな説法である。山口二郎はこうした言説を操って、再び二大政党制を正当化する世論を再生しようと工作を試みている。昨年の田中角栄のブームとノスタルジーもそうだが、極右の安倍一強時代が続く中で、マイルドな保守であった宏池会・経世会への評価が高まる傾向が著しい。けれども、山口二郎の指摘には盲点と錯覚があることにお気づきだろうか。重要な問題が捨象されている。それは、70年代の日本には自民党の外側に社共勢力が対抗していた実態だ。自民党の二大派閥だけで政治をやっていたわけではない。

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# by yoniumuhibi | 2017-10-30 23:30 | Comments(3)

理念と政策の一致、筋を通すこと、数合わせ、永田町の権力ゲーム

c0315619_17023186.jpg選挙後のマスコミの世論調査が行われ、予想どおり立憲民主党が高い支持率を得ている。朝日の報道では、立憲民主党が17%、希望の党が3%となり、読売の報道では、立憲民主党が13%、希望の党が5%となった。選挙前の立憲民主党の数字が5%とか7%だったから、一気に2倍に躍進していて、国民の立憲民主党への期待の高さがあらわれている。野党第一党が支持率15%を超えたのは久しぶりのことで、民進党は長い間一桁の支持率で低迷していた。選挙の結果は自民党の圧勝で終わったが、ようやく安倍晋三と対決する野党らしい野党が出現し、枝野幸男という実力ある党首の下に一つに纏まった野党ができたことで、今後の政治に一つの光明が見いだせたような楽観的気配も漂っている。悪役となった希望の党が空中分解するのは間違いない。国民もその進行を歓迎し待望していて、前原誠司と小池百合子が破滅するドラマの顛末を年末までの娯楽の収納庫に溜め込んでいる。右も左もその感覚は一致しているから、マスコミはデフォルトで希望の党を叩いてよく、小池百合子と民進右派の面々は哀れな敗残兵役を演じざるを得ない。誰も同情しない。希望の党は世論調査の度に支持率を落とし、その分が立憲民主党の支持率に積み上がって行くだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-10-26 23:30 | Comments(4)

中途半端だった立憲民主党の選挙 - 真の勝者は連合の神津里季生か

c0315619_13065231.jpg選挙の結果が出て、マスコミが予測したとおりの各党の議席となった。あまりにも正確に一致していて、誤差がなく、意外な結果にならなかったことに退屈さを感じてしまう。躍進した立憲民主党について言うと、枝野幸男は、もっと強くリベラル色を打ち出すべきだったし、候補者を200人以上並べて戦うべきだったと思う。改憲3分の2を阻止する目標を立て、それを争点にして国民の支持を呼び込むべきだった。そうすれば、モメンタムを起こして100議席以上を獲得できただろう。実際、民進党の県議や市議や、あるいは有志が、公示前の10月第1週に長妻昭のところへ立候補の申出を殺到させていた。枝野幸男は、せっかく爆発しかけたモメンタムを自ら潰す動きに出て、「枝野原則」なる意味不明」な方針を発表し、立候補者をわずか78人に限定してしまい、最初からこじんまりとした、そして単に民進党が継続すればいいかのような動機が丸見えの、魅力のない新党の表象にして有権者の期待を萎ませた。もっと野心的に議席獲得の挑戦に出て、女性を中心としたところの清新で有能な著名人をリクルートして候補者に並べれば、立憲民主党はこの選挙でサンダース的な革命を起こすことができていたと思われる。

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# by yoniumuhibi | 2017-10-24 23:30 | Comments(7)

前原誠司の偽計とマヌーバー - 保守二大政党制不可能の必至性

c0315619_18184984.jpg投票後に徐々に真実が明らかになるだろうが、9月26日夜の小池百合子と前原誠司と神津里季生の密談について、私はこれまで報道された内容は真実ではないと考えている。まず、本当にその場に神津里季生がいたのかどうか、その点についても訝しんでいる。神津里季生を含んだ三者の会談だったという情報は、少し時間を置いて、半日か一日後にマスコミから流された。これは、前原誠司側が、神津里季生に言い含めて了解を取った上で、既成事実にしてマスコミに撒かせた謀略工作だったのではないか。記憶では、最初の情報は二者会談で、途中から、実は神津里季生も入った三者会談という話になり、連合が民進党の希望の党への合流をエンドースしたことが世間に明らかにされた。神津里季生が入っているか入ってないかでは、28日の両院議員総会の流れが全く変わる。連合も認めたということになれば、合流に反対する者も総会で反論を上げることは難しい。27日の夜、左派議員の会合に枝野幸男が来て、前原誠司からの決定事項をメモで渡して伝える場面があり、国会から顔面蒼白で車に乗って帰る赤松広隆の表情をカメラが捉えていた。結局、左派議員は何も抵抗できず、翌日の総会は紛糾することなく、拍手での全会一致という脱力の進行で終わってしまう。

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# by yoniumuhibi | 2017-10-18 23:30 | Comments(10)

「野党乱立」が敗因ではない - 前原誠司の反共パラノイアと小池百合子の強欲

c0315619_17212951.jpg昨夜(15日)、毎日新聞の世論調査が発表され、自民党が単独で300議席を超える可能性と報道された。一方、希望の党は最大で54議席にとどまり、立憲民主党は40議席台を確保と見込まれている。この調査は15日中に集計されたものだ。朝日新聞が13日中に集計して14日に発表した数字では、希望の党は56議席と予測され、最大値は66議席となっている。毎日と朝日の差はあるが、わずか2日の時差の間に希望の最大議席数の値は12議席も減る推移になってしまった。仮に、希望の党の13日時点の議席予測を56(朝日)とし、15日時点の議席予測を54(毎日)とすると、1日に1議席ずつ減っているので、22日の投票日には48議席になるという結果が想定される。一方、立憲民主党の方はどうかというと、13日時点の比例の最大値(朝日)が33で、15日時点の比例の最大値(毎日)が35となり、2日間で2議席、すなわち1日に1議席増えている勘定になる。この傾向を単純に伸ばすと、22日には立憲民主党の比例議席は42となるという推計になる。現時点(16日)で、比例については立憲民主党が希望の党に追いついた形勢が確実で、小選挙区と合わせた全体でも希望の党を最終的に上回ると予想される。 

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# by yoniumuhibi | 2017-10-16 23:30 | Comments(7)

五たび安倍自民党圧勝の選挙 - 「野党共闘」の戦略を根底から見直そう

c0315619_16532325.jpgマスコミ各社から選挙序盤の情勢報道が出た。朝日、毎日、読売、どれも同じで、自民党が280議席ほどを取る圧勝となり、自公で300議席を超えるだろうと予想している。希望の党への追い風が止まり、逆風が吹き始め、結果的に自民党が議席を奪う形勢となった。本来、希望の党に代わって追い風を掴まなくてはいけなかったのは立憲民主党だが、枝野幸男の新党設立の言葉が事務的で、妥協的で不可解な「枝野原則」で臨み、さらに候補者も78人という期待外れのスケールだったため、モメンタムをハプンさせることがなく、台風の目になって自民党と真っ向対決する野党第一党に躍り出る展開に繋がらなかった。マスコミの現在の情勢調査では、希望の党は60議席ほど、立憲民主党は30議席ほどの見込みになっている。立憲民主党が30議席では話にならない。国民は見ないようで見ている。どれほど左翼が立憲民主党を持ち上げ、それを「立憲野党」として美化し宣伝しても、立憲民主党が希望の党の候補が立つ選挙区に候補を立てず、相争わない姿勢を見せたことで、国民は枝野幸男が裏で前原誠司と握っているのではないかという疑念を持った。その胡乱な態度は国民には魑魅魍魎に映り、結局、判官贔屓の大衆人気が爆発する現象は起こらなかった。

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# by yoniumuhibi | 2017-10-12 23:30 | Comments(7)


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