人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日銀と円の破綻 - 円の信認の内実、出口戦略が設計できない日本

日銀と円の破綻 - 円の信認の内実、出口戦略が設計できない日本_c0315619_17110256.png7月4日放送の報道1930(TBS)で金融経済の問題がテーマとなり、日本の金利引き上げというクリティカルなイシューが焦点となって議論がされた。今のわれわれにとって最も重要な問題であり、世界中が強い関心を持って注目している問題である。この番組を褒める機会は滅多にないが、久しぶりに中身のある報道内容だったと評価してよい。全体の構成と進行もよく、準備した資料もポイントを押さえていた。が、何より番組を成功させたキーの要素は、出演した藤巻健史のショッキングな解説と警醒の弁だっただろう。

録画が上がっているので、見逃した方はぜひご覧いただきたい。解説者は3人で、あとの早川英男と加谷珪一は口を濁す発言しかしなかったが、藤巻健史は
ストレートに本質を射抜く見解を発した。①日本も金利引き上げに必ず追い込まれること、②日銀保有の国債と株式の価格が下がって市場から債務超過と看做されること、③円の信認が失われて外国資本が日本市場から離れること、④日本の中央銀行である日銀が破綻すること、⑤アベノミクスは財政破綻の先送りだったこと。私もこの認識に基本的に同意だ。


More
# by yoniumuhibi | 2022-07-06 23:30 | Comments(5)

NATOとの連携に絶対反対 - リトアニア有事で存立危機事態でロシアと戦争

NATOとの連携に絶対反対 - リトアニア有事で存立危機事態でロシアと戦争_c0315619_16400181.png先週、岸田文雄がG7とNATOの首脳会議に出席。出発前の会見で、「日本の総理大臣として、初めてNATO首脳会合に出席いたします。この機会を捉えてNATOとの連携を新たなステージに引き上げたいと思っています」と決意表明した。この問題について、国内では批判はおろか議論もほとんどない。国内マスコミは、この政府の新方針に対して賛成し支持する基調の報道ばかりで埋められていて、憲法上の問題を指摘する声もなければ、軍事的な危険と脅威を言う声もない。その現実が私にはどうにも理解できず、途方に暮れる。

NATOは集団的自衛権の軍事同盟である。その敵はロシアであり、今回明確に「最大かつ直接の脅威」と定義した。NATOの仲間に加わることは、NATOの新方針を日本も共有するということであり、ロシアを敵認定して軍事的に対峙するという意味である。欧州においてNATOとロシアの間で戦端が開かれれば、自衛隊もNATO陣営の一員として参戦し、極東ロシア軍に攻撃を加えるという意味だ。今回のNATO首脳会議の決定と空気からすれば、またリトアニア情勢の緊迫からすれば、いつNATO軍とロシア軍との間で戦闘が始まってもおかしくない。


More
# by yoniumuhibi | 2022-07-04 23:30 | Comments(0)

ツイッター社による言論統制 - NHKの報道を紹介したら警告と処罰を受けた

ツイッター社による言論統制 - NHKの報道を紹介したら警告と処罰を受けた_c0315619_16454331.pngツイッター社から言論統制を受けた。初めての経験である。その経過の報告をしたい。6月26日にNHK-BS1のワールドニュースの動画を紹介した投稿を発したところ、翌27日夕刻には 引用ツイート を見られなくされた。その投稿には、ツイッター社から「センシティブな内容が含まれている可能性があるため、このツイートに警告を表示しています」のアラームが付された。アラームの記載は外からは見えないが、外部の視線からは、リンクした動画が隠され、「センシティブな内容が含まれている可能性のあるメディアです」と要注意の勧告が示されている。

アラームの下に「この警告に異議申し立てをする」という表示があり、それをクリックして「異議申し立て」を二度ほど送信したが、ツイッター社から何も応答や連絡はなく、アラームは解除されず、引用ツイートが不表示となる不具合も続いたままだ。ツイッター社から説明がないので、何が起きたのか分からないが、客観的事実としては明らかな言論統制であり、一方的で恣意的な制裁としか言いようがない。発信したツイートは、添付動画含めて、どこから見てもツイッターのルールには違反しておらず、抵触を拡大解釈する余地もない。


More
# by yoniumuhibi | 2022-06-29 23:30 | Comments(0)

逆風のMMT - 国債発行の財源策はもう無理、内部留保の国有化しかない

逆風のMMT - 国債発行の財源策はもう無理、内部留保の国有化しかない_c0315619_14472691.pngアメリカでは今回のインフレの原因をめぐって活発な論争が行われていて、特にその主役になっているのがサマーズだ。サマーズは昨年2月の時点でバイデンの1.9兆ドルの大型財政出動を批判、「われわれがこの30年で目にしなかったようなインフレ圧力を形成しかねない」と反対していた。これに対してクルーグマンとイエレンが反論、クルーグマンはサマーズの懸念を大袈裟すぎると一蹴し、イエレンは例によって雇用第一主義の立場から財政支出の意義を主張した。イエレンはいつも雇用第一。アメリカ人の雇用を何より優先して政策を決定する。

雇用の女王。こういう財務長官を持ってアメリカ国民は幸せだと思う。だが、豈図らんや、
1年経ってアメリカは40年ぶりの悪性インフレとなり、サマーズの予言が的中した結果となった。今、サマーズは鼻高々でクルーグマンは顔色ない。財政責任者のイエレンは自己批判の顛末となった。傍から眺めながら、こんな具合に生き生きと経済政策の論争が行われるアメリカの環境が羨ましい。日本では、誰も説得的なエコノミクスで政府批判を論じない。揶揄や罵倒だけだったり、野党による政局用・選挙用の与党批判の言説に止まっている。岸田インフレとか、アベノミクス批判の一般論とか。誰も科学的な予測や仮説を立てない。宮崎義一のようなマクロ分析を提示しない。

More
# by yoniumuhibi | 2022-06-27 23:30 | Comments(0)

預金封鎖の不安 - 為替対策不在の異常、ドル預金への移動と新紙幣

預金封鎖の不安 - 為替対策不在の異常、ドル預金への移動と新紙幣_c0315619_15220357.png昨日(6/21)行われた参院選前の党首討論会を聞いたが、金融政策で円安に歯止めをかけよという政策を、どの党首も言わなかった。物価高に対して、財政出動あるいは消費減税で対策することを公約に据えて訴えている。誰も為替対策について言及しない。日米の金利差が円安の原因であることを議論の場に載せず、話を逸らしている。野党含めた全党の暗黙の了解として、金利に手を付ける議論は避けるという合意があることが窺える。岸田文雄は、日本の物価高騰の原因は、60%がエネルギー価格にあり、20%が食料品価格にあると言い、そこに手当すればいいと説明した。

原因と結果を意図的に混同させた論点逸らしを言っている。問題をスリカエて口先で逃げている。円安が収まらなければ、海外から輸入する原材料は上がるばかりではないか。しかし、その本質的な矛盾を野党どころかマスコミも全く衝かない。真実は、金融政策については日本は基本的にお手上げで、金利を上げるという選択ができないのだ。だから、与党も野党も、金融政策はパス(不接触)で、見ないようにしていて、国民にも見せないように隠しているのである。金利を1%上げると歳出の国債費が4兆円増える。2%上げると8兆円増える。予算が組めなくなる。


More
# by yoniumuhibi | 2022-06-22 23:30 | Comments(2)


メールと過去ログ

since 2004.9.1

ご意見・ご感想




Twitter

最新のコメント

今こそ「テニスコートの誓..
by 印藤和寛 at 09:18
総裁選で石破さんを倒すた..
by 人情味。 at 09:29
もし山上容疑者が安倍元首..
by 人情味。 at 21:23
杉田水脈なる人物は論評に..
by 住田 at 10:51
あれは15年程前..
by ムラッチー at 11:27
悪夢のような安倍政治から..
by 成田 at 13:03
ハーバード大学で比較宗教..
by まりも at 23:59
重ねて失礼いたします。 ..
by アン at 17:48
安倍晋三のいない世界は大..
by アン at 13:16
今まで、宗教2世の問題に..
by さかき at 10:31

以前の記事

2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月

記事ランキング