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集団的自衛権の政局 - 窮余の策の解散総選挙と閣議決定の正統性

c0315619_15502215.jpg今週号の週刊ポストが、集団的自衛権の是非を問う解散総選挙の可能性について記事を書いている。マスコミでは、まだこの観測を大きく取り上げる報道はなく、その現実的可能性を考えている者は、この時点では少数にとどまるだろう。記憶では、安倍晋三が5/15に官邸会見で集団的自衛権の方針演説をやった直後、国内で最も極右のBSフジの番組に自民党の議員が出演し、解散を仄めかす場面があった。が、その後の報道では特に話題になる場面がなく、安倍晋三が飼育している番組キャスターや政治評論家の口から、解散の観測気球が上げられるという瞬間がない。後藤謙次や田崎史郎の出番となっていない。この2人や岸井成格がテレビで観測を口走り始めると、「永田町で解散風が吹き始めた」状況になる。今のところ、解散風は風速2メートル程度の「軽風」の段階にすぎず、この週刊ポストの記事やBSフジでの自民党議員の発言は、いわゆるブラフであり、安倍晋三が手を回した公明党への牽制の政治だ。現時点では、解散観測のジャブは、安倍晋三が公明党と自民党内への脅迫に使う「奥の手」のちらつかせである。だが、私自身は、解散は十分にあり得るのではないかと予想している。政局の動向を鑑み、安倍晋三の立場に立って考えたとき、この「伝家の宝刀」を抜く以外に、集団的自衛権の解釈改憲を実現する方策があるだろうか。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-28 23:30 | Comments(2)

PC遠隔操作事件の教訓 - 「直接的で決定的な物的証拠」の陥穽と逆説

c0315619_15401041.jpg片山祐輔の事件について、一部で、自分が冤罪に巻き込まれる可能性を考えろという意見が出回っている。自己正当化の言い訳に余念のない擁護派の主張は、弁護団や江川紹子は冤罪廃絶のために尽力したのであり、市民は彼らの貢献に感謝すべきで、批判する理由はないというものだ。私は、この詭弁の説教には肯首できない。普通に暮らしている市民は、言われるように警察の誤認逮捕で冤罪に巻き込まれる可能性もあるが、同時に、片山祐輔のような愉快犯によって標的にされ、ウィルスを仕込まれてPCを乗っ取られ、身に覚えのない「脅迫」や「殺害予告」の実行犯に仕立て上げられることもある。どちらも深刻なリスクだ。もし、この事件が今回のような方向に展開せず、江川紹子らの運動が実って無罪判決となり、検察が控訴断念に追い込まれ、片山祐輔が悠然と娑婆に出て活動する事態になっていれば、必ずこの男は次の犯行に出ただろうし、この種のプログラムの改作に精を出し、誰かを毒牙にかけ、新たな被害者を生んでいたことだろう。そのときは、最早、誰も真犯人が片山祐輔だとは疑わない。片山祐輔があのまま無罪放免になっていたら、一体どんな恐ろしいことになっていたことか。確かに冤罪は忌まわしい権力犯罪で、冤罪を防ぐ制度に日本の司法を変える必要がある。だが、市民の敵は冤罪だけではない。市民の利益の立場から比較衡量したときに、冤罪の恐怖だけが一方的に喧伝される議論は正しくない。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-26 23:30 | Comments(5)

片山祐輔による江川紹子への性的侮辱 - 信頼関係がなかった被告人と弁護団

c0315619_14525766.jpg片山祐輔が5/16に送ったメールの全文がネット上に公開されている。最初に落合洋司が公開して注目されたが、関係者に配慮した省略が多くあり、不完全なものだった。伏字のない完全版は、片山祐輔がメールを送った一人である矢野さとるによって詳細な解析情報とともに上げられた。メールの送付先は全部で25件。うち20件がテレビ局や新聞社など報道関係であり、1件は弁護士の落合洋司、残り4件が個人で、その中に矢野さとるが含まれている。メールのタイトルにこう書かれていた。「皇居にロケット砲を撃ち込んで明仁美智子を始末する 地下鉄霞が関駅でサリン散布する 大野勝則裁判官と唐沢貴洋弁護士と狩魔冥検事を上九一色村製AK47で射殺する 聖路加病院爆破するお茶の水小学校で小女子喰う悠仁を去勢して天皇制断絶 江川紹子の閉経マンkにVXガス注射してポアする ドコモショップ稚内店に牛五十頭突っ込ます」。メールの件名としては異常に長くて文字数も多いが、書かれている内容も悍ましく猟奇的だ。句読点もなく改行もなく接着された長い文字列は、分解すると7件の犯行予告が詰め込まれている。どの脅迫の片言も不気味で凶悪なものだが、誰もが特に注目するのは、6件目の「江川紹子の閉経マンkにVXガス注射してポアする」の衝撃の文言だろう。片山祐輔は、自身を無罪放免に導くべく尽力してくれていた恩人の江川紹子に、こんな驚愕のメールで脅迫していた。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-22 23:30 | Comments(15)

佐藤博史の蹉跌と江川紹子の敗北 - 片山祐輔を盲信した擁護派の失態

c0315619_1651827.jpg片山祐輔は、5/19に行方をくらませた後、都内の公園で自殺を図ったがベルトが切れて失敗したとか、死に場所を探して高尾山の山中を彷徨したとか言っている。その言葉を擁護派の面々はその言葉を鵜呑みにしている。だが、これは嘘だ。もし本当に片山祐輔がベルトを木にかけ、首つり自殺を試みる行動に出ていたなら、至近距離で監視している捜査官がただちに制止に飛び出したことだろう。もし、本当に公園を徘徊していたのなら、その様子を高精細ビデオカメラで撮影している。今回、警察は片山祐輔を一度も見失ったことはなく、常に四六時中監視下に置いていて、新聞報道にあるように、そこには膨大な人員が投入されている。すなわち、マスコミが「失踪」を報じた後も、ずっと尾行して行状を追跡していたのであり、本人に気づかれない位置と距離から始終を録画していたのだ。警察も、弁護士も、最も恐れていたのは本人の自殺である。弁護士は、5/19の夜9時半に本人から電話がかかってきたと言っているが、私の推測は、本人がまず母親に連絡し、母親が警察と弁護士に連絡し、本人の携帯の電源が入っている状態が確認されたのではないかということである。警察が、弁護士に、本人に電話して説得することを勧めたのだろう。本人の自殺を防ぎ逃亡を止めさせることが、5/19の警察と弁護士の共通の至上命題で、おそらく当夜、両者は連携して対応している。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-21 23:30 | Comments(13)

集団的自衛権の政局で野党がやるべきこと - 共・社・生は党首会談を

c0315619_1728148.jpg安倍晋三が集団的自衛権の行使容認の政府方針を会見で発表した2日後、5/17の朝日の1面に、創価学会が解釈改憲に反対する見解を示した記事が出た。今週から始まる自公協議に大きな影響を及ぼすだろうとある。週末のテレビ報道とネットの議論は、この話題で持ちきりとなった。これは朝日の取材に学会が文書で回答したもので、この後、学会は広報室コメントを発表、マスコミ各社が記事を上げた。創価学会がこのような国の重要な政策問題に意見を出し、賛否の立場を明らかにするのは異例のことだ。しかも、自公協議がまだ始まらない出発点の時期に、安倍晋三が集団的自衛権の解釈改憲の政局に打って出た直後に、出鼻を挫くように反論を上げ、公明党に釘を刺したことは、実に大きな政治的事件と言える。公明党の組織全体に衝撃が走り、連立離脱も一つの選択肢として考えざるを得なくなった。安倍晋三は、マスコミの飼育記者に解散風を吹かせ、公明党をブラフで脅す作戦に出ていたが、こうして学会が態度を明確にしたことで、俄に解散が現実味を帯びる政局の空気感となった。週末のテレビ討論では、石破茂は解散を臭わす発言を捲き、維新とみんなの2党は涎を垂らして連立組み替えにハアハアする様子を見せていた。いずれにせよ、半年後にはこの政局は決着している。解釈改憲が閣議決定されて安倍晋三が勝利するか、それとも先送りされるか、11月には結果は出ている。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-19 23:30 | Comments(3)

安倍晋三による集団的自衛権行使の政府方針発表 - 脱力と神経衰弱

c0315619_1725729.jpg昨日(5/15)、安倍晋三による集団的自衛権の行使容認の政府方針の発表会見があり、今日の朝日の紙面はその関連記事で埋め尽くされている。2面、3面、4面、7面、8面、9-11面に法制懇報告書の全文、16面の社説、38面、39面。記事の内容は、この解釈改憲の政府方針に反対する立場からのものだ。社説は正論で、安倍晋三の会見に対する反論として当を得たものだ。私の方は、今回も政局論の角度からこの問題を考えたい。この法制墾の報告書は昨年中に提出を予定していたものだ。それが今年4月に延期され、さらに5月に延ばされていた。その理由は、公明が合意に応じず、ずっと慎重論を崩さなかったからで、閣議決定の目処が立たなかったためである。今回、いわば見切り発車のような形で、集団的自衛権の行使を合憲化する政府方針の発表に出た。これは、安倍晋三にとっては少なからずリスクを伴う行動だ。客観的には狂暴なファシストの暴走だが、安倍晋三に即して言えば、リスクを取ってしてルビコンを渡った政治である。なぜなら、こうして大きく出た以上、必ず公明に態度を変えさせなくてはならず、秋までに閣議決定の果実を得なくてはいけない。もし、10月になっても公明が折れず、集団的自衛権の行使を前提にした関連の改正諸法案を国会に提出できず、年を越してしまうと、この政治戦の勝負は安倍晋三の負けであり、集団的自衛権行使は「死に体」の状態となる。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-16 23:30 | Comments(11)

若山照彦への裏切りと科学研究への虐待 - 小保方晴子の異常心理

c0315619_12565889.jpg家の中を探したら、週刊文春の3/27号があった。3/14の理研の中間報告の後に出され、巷で大いに話題になった号で、小保方晴子の事件について大型の特集記事が掲載されている。メインの記事タイトルが「売らんかな」の動機が丸出しの下劣なもので、そのためジャーナリズムの所産として評価されてないし、どうしても軽侮の視線で見てしまうが、あらためて読み返すと、やはり一読の価値のある内容で、フットワークよく取材して書いている。この記事で上げられた一つ一つの指摘が、例えば、笹井芳樹の「ケビン・コスナー」と「僕のシンデレラ」云々の問題が、今でもしっかり人々の脳裏に残っていて、事件全体のイメージを形作る重要な契機になっている。無名のフリーの記者の仕事だろうが、体当たりで関係者を直撃して証言を取った職業人の根性は見上げたものだ。この問題が社会を揺るがす事件に発展して2か月経ったが、経緯の中で、今では貴重で重要な二次資料となり、この事件を考える上での古典史料とすらなっていることに気づく。この号、小保方晴子事件が最終的に解決するまで、ゴミ箱には捨てられない。記事の冒頭、理研で小保方晴子の元同僚だったという「A氏」が登場し、こう言っている。「いつか小保方さんは国民の前で真実を語らねばならない日が来るでしょう。そこで彼女は、間違いなく涙を流すはず。でも、私はその涙を信じません。彼女に騙されてはいけません」(P.22)。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-14 23:30 | Comments(48)

小保方擁護の朝日新聞の暴論記事 - テレビ屋が煽る「STAP細胞」幻想

c0315619_13161025.jpg「STAP細胞」の事件をめぐって、朝日と毎日が対照的な態度を示している。あまりに酷いと思われるのは、5/9の朝日(2面)の記事だ。前日に理研の会見があり、小保方晴子の不服申立を却下して「再調査せず」の結論を出した翌日の報道だが、鍛冶信太郎の署名で次のように書いている。「また、調査委は違う実験の画像を使ったことを捏造と判断したが、物的証拠を示せていない」。この一文の断定には呆れる。ネットの中の無知で無責任な匿名の小保方擁護派でも、これほど粗雑で的外れな暴論を吐いている例はない。この記者の頭の中はどうなっているのだろう。捏造の物的証拠は、まさにあの「テラトーマ画像」ではないか。あの3枚の画像が、博士論文で使われたものであり、今回の「実験」の成果を証明するものでなかったから捏造になるのである。それが捏造ではなく、単なる取り違えのミスだったというのが、小保方晴子側の釈明だが、その言い訳に合理性がないことは、理研の報告書の中で十全に論破されている。この朝日の記者は、理研の報告書を読んだ上で言っているのだろうか。「物的証拠」とはどういう意味なのか。この場合、捏造なのか、単純ミスなのか、それを最もよく証明する証拠資料は、生データが保管されているはずの小保方晴子のPCのハードディスクである。小保方晴子はPCを提出していない。なぜ提出しないのか。提出したら捏造が決定的にバレるからだ。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-12 23:30 | Comments(6)

6月に崩壊する「STAP細胞」共同幻想 - 小保方晴子と若山照彦の死闘

c0315619_15162034.jpg一昨日(5/8)、理研の会見があり、小保方晴子から出されていた不服申立が 却下された。この2日ほど、またマスコミとネットが小保方問題でざわめく様相になっている。まず最初に、理研の「再調査せず」の決定を歓迎したい。正直なところ、どうなるか不安視していた。弱気になって日和るのではないかと心配だった。あまり長引くので、弁護士側と裏取引しているのではないかという疑念も過ぎっていた。「再調査せず」の結論を出すことは、理研にとって少なからずリスクを伴う決断で、勇気を要する行動だったと言える。世論は小保方晴子支持が多数であり、ワイドショーは大衆の俗情に阿って理研叩きの姿勢に徹している。小保方晴子への同情論が横溢する状況だ。そうした逆風の中で小保方晴子に厳罰の処分を下せば、訴訟となったとき、理研側が必ず勝つという保証はない。負けた場合の痛手は大きく、内部で逡巡する声もあっただろう。現に、改革委の岸輝雄などは結論が早すぎると 批判している。裁判を怖がらず、世間の俗論に迎合せず、敢然と闘う方針を貫いた態度は評価してよいことだ。科学には科学の大義があり、科学者の規律と倫理がある。科学の世界のルールがある。それを理研が蔑ろにしなかったことに安堵した。三木秀夫の狙いは、理研に動揺と混乱を起こさせ、和解を申し出るよう仕向けることだった。ここで理研が屈すれば、科学の世界を支えるルールの柱が折られていた。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-10 23:30 | Comments(30)

日米同盟と新型大国関係 - リプレイスされる東アジアの安全保障体制

c0315619_15551927.jpg昨夜(5/7)、白井聡がBSフジの番組に出演して、「永続敗戦論」の話をしていた。この議論そのものの検討は別の機会にするとして、その「永続敗戦」のレジームはそろそろ終焉に近づいていると私は感じている。政治の現実感覚として、米国従属体制からの解放という課題意識は、私の場合、以前の気分と比較してリアルで第一義的なものでなくなりつつある。それと入れ替わって大きな関心となって念頭にあるのは、中国との戦争というテーマである。米国従属体制の社会科学的考察とか、そこから脱出し自立する展望とか、そこに新自由主義の問題を入れて未来を考えるとか、そうした、言わば積極的な政策論の概念的思考へ、正直なところ、今は動機づけられることがない。エンカレッジされない。無遠慮に白井聡の「永続敗戦論」に対する不満を言えば、差し迫った日中戦争の危機がダイナミックに導出されていない点ということになるだろうか。別の言葉で反論を返せば、そのようにスタティックにモデルを析出した「永続敗戦」の体制と構造は、あと10年もせずに崩壊し消滅する運命になるだろうと、そういうシニカルな感想になる。無論、それは、日本人が対米自立の理想的な社会を実現するという意味ではない。破滅的な将来予想だ。今、目の前に白井聡がいて対論していると仮想して、語りかける感覚で、さしあたり、今回は日米同盟と新型大国関係について述べよう。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-08 23:30 | Comments(3)

集団的自衛権の政局 - 安倍晋三と石破茂の間で暗闘が始まっている

c0315619_1550645.jpg集団的自衛権の問題をめぐって、どうやら安倍晋三と石破茂の間で小さな権力闘争が起きている。明確な断言はできないが、微かな感触が新聞記事の行間から探られる。昨日(5/5)、朝日の3面に、集団的自衛権の行使容認を反映させた関連法の改正について、来春以降に先送りするという石破茂の見解を伝えた記事があった。石破茂がボストンで同行記者団に、「統一地方選で集団的自衛権が争点になるような政治日程にしてはいけない」と言い、関連法の先送りを報道させている。マスコミに書かせて既成事実にした。これに合わせる形で、安倍晋三がリスボンで、憲法解釈を変更する閣議決定の時期について、「与党で一致していくことが重要なので、場合によっては時間を要することもある」と語っている。つまり、公明に配慮して閣議決定の時期を遅らせる意向を示した。今国会会期中と執拗に言っていた閣議決定の日程が、安倍晋三の口から先送りが明言された。一見すると、二人の発言は平仄が合っていて、示し合わせて地球の裏側の別々の地から同じことを発信している。だが、ここで注視しなくてはいけないのは、5/2の朝日1面の記事だ。これは安倍晋三が書かせたもので、集団的自衛権の政局の主導権を握るための強硬論のぶち上げだった。5月中に「政府方針」をまとめて会見で発表する、6/22の会期末までに閣議決定する、という当初戦略の念押しのブラフである。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-06 23:30 | Comments(13)

解釈改憲をめぐる政治状況 - 岸井成格の旋回と辺見庸の左翼批判

c0315619_175671.jpg集団的自衛権の問題について、今回、私は専らそれを政局論として論じている。憲法論や政策論の視角から記事を書いていない。なぜなら、もうこれまで十分に論じてきたからであり、何か付け加える必要のある論点などないからだ。自民が、この解釈改憲の強行の正当化のために、砂川事件の最高裁判決を持ち出してきたことなど、全く噴飯で話にならない。真面目に反論する価値などない。かと言って、いわゆる護憲派の左翼陣営の一人になって正統の論を張ろうという気も起こらない。その理由はいろいろあるが、今年の憲法をめぐる議論の状況を見るかぎり、マスコミの世論調査も含めて、護憲派の方が優勢になっているからであり、天邪鬼が身上の私としては、多勢に与して声を張り上げるモチベーションが起きないことがある。今年は、NHKや日経の世論調査で護憲派が急速に拡大している。日経の世論調査では、調査を始めた2004年以降、初めての出来事として護憲と改憲が同率で並んだ。昨年はダブルスコアで改憲が多数で、改憲が過去最高の比率であったにもかかわらずである。世論が護憲の方向にシフトしていることは疑いない。その現状について、安倍晋三の解釈改憲の暴走に危機感を感じ始めたからとか、チェックを求めるバランス感覚の発動だとか、解説や分析はさまざまにできる。だが、私はそうした評論をする気になれない。この世論の変化と傾向を無邪気に歓迎する気にもなれない。 

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# by yoniumuhibi | 2014-05-05 23:30 | Comments(3)

憲法記念日に考える集団的自衛権の政局の行方 - 世論と公明

c0315619_16571161.jpg今年の憲法記念日は、集団的自衛権をめぐる改憲問題で論議が高まっている。昨日(5/2)の朝日の1面トップに、今月中旬に北岡伸一の安保法制懇が報告書を提出した後、安倍晋三が行使容認の「政府方針」を発表、今国会中に閣議決定を目指すという記事が出ていた。官邸リークを朝日が書いた記事で、読み方には注意と分析が必要となる。これは、集団的自衛権については妥協せず計画どおりに断行するという安倍晋三の執念を示したもので、特に公明と自民の慎重派にあらためて強い意思を伝えた念押しの政治だ。集団的自衛権については、4/2の夜、幹事長の石破茂が、公明との調整の難航を理由に閣議決定の先送りを安倍晋三に提案していた。また、4/22にアーミテージが石破茂と会談、「急ぐ必要はない」と言い、日米防衛ガイドライン再改訂も年末の納期に拘らなくていいというサジェスチョンを与えていた。こうした状況の中で、先送りの観測が広がり始めたため、官邸が新聞記者を使ってそれを打ち消す情報を流し、強気のスケジュールを示したのである。閣議決定の前に、これを「政府方針」の形にして、5月中に記者会見で発表する。公明との調整が完全につく前に、行使容認の「政府方針」をまとめ、テレビ会見で直接発表し、国民に支持を問うという進行が想定されている。公明が合意をする前に、フライングで既成事実を固めようという思惑だ。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-03 23:30 | Comments(1)

セウォル号の事故によせて - 韓国の船長逃亡と日本のSPEEDI隠し

c0315619_1630187.jpgセウォル号の事故で、韓国の社会がひどく傷つき動揺している。その様子が、昨夜(4/30)のNHKのニュースで紹介されていた。韓国の人々はとてもプライドが高く、その分、失敗や失態のときに大きく傷つき、それを自虐的な表現や態度であらわす性向を持っている。「三流国家」という新聞の論調もそうだろう。韓国らしいなと思って見ながら、その韓国社会の傷つき方に、何か、一つの救いと言うか、社会全体の精神の純粋さのようなものを感じ、そこに考え入ってしまう。官僚主義でボロボロになった行政、無責任で何も有効な対処ができない救助当局、拝金主義の窮極と倫理の崩壊、格差社会の不条理。その犠牲になって海に沈んだ子どもたち。韓国の人々は、自分がどうすることもできなかった無力感に苛まれ、このような社会や国家に至ったことの絶望感に打ちひしがれている。丸山真男が「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」で残した言葉、「そうした心の傷つき自体が人間の尊厳の楯の反面をなしている」という「精神の弁証法」(岩波文庫P.321)の話を思い出す。「自分の弱さが過ちを犯させたことを正面から見つめ、その苦しさに耐える思いの中から、新たな自信を汲み出して行く生き方」(同 P.322)の意義を丸山真男は説いた。韓国の人々が、絶望の中から社会のあり方を根本的に反省し、人の生命と安全が最重視される社会へと改造することを期待したい。その「革命」に希望を見出したい。 

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# by yoniumuhibi | 2014-05-01 23:30 | Comments(5)

米国とフィリピンの新軍事協定 - 米軍の駐留経費を負担するのは誰か

c0315619_1423994.jpg朝日の昨日(4/29)の1面トップに、米国とフィリピンが新しい軍事協定に調印した記事が載っている。米国は、海洋進出する中国を牽制するべく、フィリピンに再駐留する決定をした。新協定の骨子を見ると、(1)比軍合意の下、米軍による比軍施設の利用が可能、(2)米軍滞在のための施設建設も比軍敷地内で可能、(3)米軍の派遣場所、規模、頻度は別途協議、などの項目が並んでいる。22年前の1992年にフィリピンから完全撤退した米軍が、再び戻って部隊を駐留させることになった。報道では、海軍のスービック基地と空軍のクラーク基地が拠点として重視されているとある。1986年の民主化革命の後、フィリピンは米軍の撤去一掃を実現し、憲法に外国軍駐留禁止の条項まで書き入れたのに、今回の新協定は何とも残念な事態だ。1995年、沖縄で米兵による少女暴行事件が起きたとき、20年前だが、当時のマスコミは今よりずっと健全で、久米宏のニュースステーションが撤退後の米軍基地跡地の再利用を特集報道していたことがあった。両基地ともにフィリピン政府によって経済特区に指定され、再開発事業が興され、海外からの企業進出を呼び込んで投資と雇用の拡大を実現してきた。沖縄もこうやって発展が可能なのだと、フィリピンを見倣うべきだと、当時のテレ朝やTBSの報道番組はフィリピンを取材してメッセージしていた。時間が経つと何もかも変わる。悪い方向に。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-30 23:30 | Comments(1)

尖閣有事の警戒を弛緩させるリベラル系の「安心理論」と米国依存症

c0315619_12451654.jpg日米首脳会談でオバマが尖閣への安保条約適用をコミットした問題について、いわゆるリベラル系はそれを過小評価する論を一斉に上げている。孫崎享や田岡俊治などがそうだ。このコミットがあったからと言って、尖閣での武力衝突の可能性が大きくなったわけではなく、また、米軍が中国軍と即戦闘を始めるということにはならないと言っている。寺島実郎などもこの意見だろう。これらの面々は、従来からずっとこの基調の主張を続けていて、米国は中国と親密で良好な関係を維持することを望んでいるのだから、尖閣などのために中国と戦争する気などさらさらないと言い続けている。かかるリベラル系の言説と論陣は、尖閣での国防の危機を唱えて対中国ナショナリズムを煽り、日米同盟強化と中国撃退を言い散らしている右翼のプロパガンダに対しては、一つの対抗言論となっていて、過熱する右翼系の中国打倒論に冷や水をかける一つの説得力となっている点は間違いない。また、この認識が、全く根拠のないものではなく、米国のリベラル系の意思や展望とも平仄の合ったもので、米国の中のリベラルが、右翼日本と心中して米国が中国との戦争に巻き込まれる事態を懸念していることも事実だろう。孫崎享や寺島実郎の日米関係論や米中関係論は、米国のリベラル派の思惑の代弁でもある。しかし、彼らの「慎重な見方」は、現実の認識において必ずしもリアルとは言えず、主観的願望を投影した「安心理論」になっている点も否めない。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-29 23:30 | Comments(8)

最悪の結果となったオバマ訪日 - 日中戦争突入へ後顧の憂いなし

c0315619_17592349.jpg昨夜(4/24)、日米首脳会談の結果を伝えて論評する内容が、NHKとテレ朝ではあまりに違っていて、そのことに驚かされた。NHKのニュースでは、オバマが尖閣に安保5条を適用することを明言した事実が大きく打ち出され、また、集団的自衛権の行使容認を歓迎したことも強調され、「満額回答」が宣伝される奉祝報道になっていた。例の岩田明子が登場して、中国を軍事的に牽制するメッセージを米国の大統領の発言として引き出すことに成功した安倍晋三の成果を、日本の成果として賛美する説明で終始していた。一方のテレ朝の方は、ワシントン支局長の新堀仁子が解説として出演、NHKとは逆に、オバマが安倍晋三に対して中国との間で緊張を高めないよう釘を刺した点に焦点が当てられた。NHKのニュースでは、この部分は省略されていて、報ステを見ながら、オバマの安倍晋三への警告がかなり厳しく率直な中味であったことを知らされた。朝日の2面にオバマの発言が書かれている。「対話や信頼醸成の取り組みがなく、事態の悪化を見続けることは大きな過ちだということも安倍首相に伝えた」。また、「私は安倍首相に、事態を平和的に解決し、挑発的行動を取ってはならないと強調した」という発言があったという記事もある。オバマの日中関係をめぐる発言は、明らかに二面性があったわけだが、どちらに光を当てて強調するかで報道は全く異なってくる。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-25 23:30 | Comments(6)

小保方晴子事件の思想構造 - 日本人の「再魔術化」を考える仮説

c0315619_1874950.jpg記事のコメント欄に次の真摯な問題提起があった。「この事件がもし高度成長期に起こったならば、人々の反応はもっと違ったものになっていたと思います。こんな宗教のように『Oさん可哀想』を呪文のようにとなえることはなかったでしょう。ブログ筆者さんがおっしゃるように『再魔術化』が起こっているのだと私も思います。どうして『再魔術化』が起こってしまったのか。私は本当に知りたいです。今のままだと日本は、日本人は駄目になってしまうと思うからです」。このコメントを読んで、しばらくの時間、心が固まって立ち竦む感じになった。この意見に私も同感だ。そして、この問いにどう答えようかと息を詰めて考えた。小保方晴子の事件を追いながら、思い浮かぶことが幾つかあった。命を賭けてソフィストと闘い、知の意味を説いて残したソクラテスの倫理思想。法律と科学の知識が縦横に駆使された、全盛期の立花隆の鋭いジャーナリズム。「白い巨塔」「運命の人」の作品で山崎豊子が描いた、骨太で透徹した社会ドラマと人間の真実。ノスタルジーとして、欠乏と不足として、対置すべき珠玉の契機として、象徴的に想起される。そこからさらに、連想はどんどん弾みをつけて滑走し、関連を暗喩する新しいモメントが思考に立ち現れ、この問題の本質的意味を解く着想(仮説)へと繋がっていく。今日は3点、新しい論点を書きたい。第一は、振り込め詐欺であり、第二は、「人にやさしい」社会であり、第三は、光市母子殺害事件である。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-23 23:30 | Comments(27)

「STAP細胞」から「STAP現象」へ - 定義を改竄する理研のアルケミー

c0315619_16305047.jpg当初、笹井芳樹についてはシロだと確信していた。笹井芳樹が捏造に関与しているという疑いは抱いていなかった。その理由は、不正に手を染める動機が考えられないからであり、功なり名遂げて科学世界の雲上人となり、いずれ文化勲章も首にぶら下げる身の笹井芳樹が、そのような人生を棒に振るリスクを冒すとは思えなかったからである。心証が変化したのは、4/16の会見を見てからだ。言い逃れと他者への責任の押しつけに終始した醜い口上を聞き、そして、小保方晴子と共に「STAP」論文のNature採択に狂奔した2013年の姿を想像し、さらにそこから、今年2月の疑惑発覚後の二人の不審な行動を訝ると、本人も何らか改竄や捏造にタッチしていたのではないかという疑念を拭い去れない。大隅典子の反論記事は、笹井芳樹が「STAP細胞」の存在を合理化する根拠の3点全てに対して、真っ向から疑義を唱えて反駁し、「STAP細胞」そのものが捏造の産物ではないかとする見解を示している。もし仮に、大隅典子の記事のコメントが指摘するように、ライブセルイメージングの観察と解析のプロセスで、そこに操作や偽装が入っていたなら、笹井芳樹の関与は免れないことになるだろう。笹井芳樹には不正の動機がないと思った。だが、よく考えれば動機はあるのだ。それは、後から、下から這い上がってきて、自分を追い越した山中伸弥へのリベンジの執念である。人間の欲はどこまでも深く、男の嫉妬は凄烈だ。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-22 23:30 | Comments(3)

笹井芳樹の「STAP細胞」捏造の関与疑惑 - 大隅典子の告発から

c0315619_14453118.jpg週末、「STAP細胞」の問題を考えながら、あらためて4/4の山中伸弥の国会答弁に意味深い内実があることを思い知らされた。山中伸弥はこう言っている。「僕たちは(ノートを)出さない人は、『不正をしていると見なします』と言明しています」。この発言は、婉曲的ながら、小保方晴子の「STAP細胞」研究が十分に信用できないものだということを示唆しつつ、指導者の立場からの教育論に変換し、理系の学生や研究者たちに自然科学の正規の方法を諭したものだ。この話を聞いたとき、私だけでなく誰もがそうだろうが、後者の意味にアクセントが置かれていると感じた。科学教育の一般論が説かれ、この事件の教訓として念押しされていると受け取った。だが、笹井芳樹の会見を聞き、2013年のNature論文について内情を知り及んでくると、山中伸弥のこの言葉が、単なる科学教育の訓範を垂れたものではなく、もっと鋭く深い含意があったことが察せられてくる。われわれは、小保方晴子の実験ノートの問題について、それをかなり善意に解釈してしまっていたようだ。本人が未熟で、記録の要領や定則をよく心得ず、実験そのものも粗雑だったため、結果的にノートに中味がなく散漫になったのだろうと、そう安易に理解していた。しかし、どうやらそれは誤解なのだ。山中伸弥の言葉のとおり、小保方晴子は不正を意識し、不正を隠蔽するために故意にノートを杜撰な態様にしていたのである。オーディットの目を眩ますため。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-21 23:30 | Comments(18)

笹井芳樹の陥穽 - Nature論文リバイズを「企画」した責任者は誰なのか

c0315619_17931.jpg昨日(4/16)、午後3時から笹井芳樹の会見があった。3時間以上の長丁場の会見で、見ているうちに頭がパンクしそうになり、すっかり疲労困憊してしまった。4/9の小保方晴子の会見時のグロテスクな狂躁と較べると、今回は記者の質問にまともなものが多く、問題の真相に切り込み、笹井芳樹の責任を追及し、「STAP細胞」の虚偽を暴こうとする営為が感じられ、そのことに安堵させられた。特に、医療ジャーナルと日経サイエンスの2人の女性記者の質疑が印象的で、この2人にもっと長い時間が与えられれば、「STAP細胞」の破綻がよく露呈される顛末と効果になっただろう。この2人は科学ジャーナリストの知性として合格だ。医療ジャーナルの記者には不正を糺して真実を究明しようとする熱意があった。日経サイエンスの記者は冷静で論理的に追い詰めていた。いいコンビだ。もう一つ、少なからず溜飲を下げさせられたのはNHKの7時のニュースである。冒頭から二つ目の話題としてこの件が出た。その中味の評価ではなくて、よくあの生放送までの短時間でポイントを整理し、こういう会見だったと要旨を纏め、原稿を書き、批評を加え、映像を編集してニュースのパッケージに仕上げたものだと、その早業に感心させられたのである。プロの技能に驚嘆させられる。会見が終了したのは午後6時過ぎだった。わずか1時間足らずで、あのように見事に情報処理して報道したのだ。恐るべし、NHKの力業。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-17 23:30 | Comments(32)

親の顔が見てみたい - 脱構築教育の最高傑作としての小保方晴子

c0315619_1729916.jpg長く生きていると、世の中というのはどんどん変わる。10年、20年経つと、社会の外形や風景は同じでも内実は相当に変容してしまっている。まして、30年、40年経つと、変質していない方がおかしいのだ。日本国憲法はある。条文は何も変わってない。しかし、憲法の実態というか、この国の法制度の中味は大きく変わり、国防と治安法制の現実を見れば、そしてまたNHKやマスコミの報道を見れば、この国が日本国憲法が生きていない国であることは一目瞭然だ。むしろ、エリートとして国家や組織の要職にある者たちは、両陛下を除き、現行憲法を真っ向から否定し、憲法の理念とは正反対の思想を担いで生きている人々だ。この国には<裏の憲法>が生きている。<裏の憲法>が各実定法を制定させ、教育や外交や他の行政を方向づけ、マスコミの報道と言論を拘束している。30-40年前は、不完全ながら憲法が生きている国だった。憲法の理想と精神を支える人たちが、多くの現場にいて、若い私たちを見守り育ててくれていた。30-40年前と較べて、地上に生きる人の内面がすっかり変わり、価値観が変わり、嘗ての常識が常識でなくなっている。そのことを、今回の小保方事件は痛感させられる。昔であれば、かかる不正事件の発覚後、これほどの同情論が噴出することはなく、擁護派が多数を占めるということはなかった。小保方晴子がヒロインとして世間の支持と共感を集めるという社会現象は考えられなかった。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-15 23:30 | Comments(22)

「不服申立書」の詭弁 - 法曹家の使命と倫理に背く小保方晴子弁護団

c0315619_162336.jpg会見の前日(4/8)に小保方晴子が理研に提出した「不服申立書」について吟味したい。毎日が、入手した全20枚の文書をネットに公開している。テキストではなくFAXの写しだが、全文を読むことができる。この「不服申立書」について、TWで4/9にこう書いた。「弁護士が入念に書いている。たいした代物だが、一言で言って、こういう詭弁の正当化はよくない。青少年の教育にきわめて悪影響だ。学生がこういう詭弁のテクニックを覚えてしまう。やめてくれと言いたい。社会正義を守るのが弁護士なのに」。小保方晴子の事件の本質をソクラテスの問題だと捉えるのは、そこにまさに詭弁の契機が大きく幅を利かせているからだ。この事件の主役は詭弁である。ソフィスト主義の科学への侵害だ。小保方晴子を擁護する側の主張というのは、錯誤による感情論に塗れながら、同時にグロテスクな詭弁に充ち満ちている点を特徴としている。最初に、ネットの辞書で「詭弁」の言葉の意味を確認しよう。「(1)道理に合わないことを強引に正当化しようとする弁論。こじつけ。(2)《sophism》論理学で、外見・形式をもっともらしく見せかけた虚偽の論法」。もう少し詳しい説明を見ると、こう記述されている。「『詭弁』の概念がいつごろ誕生したのかは明白ではないが、それが飛躍的に発展したのは古代ギリシャの時代であった。この時代は、弁舌に長じた哲学者達を多く輩出し、『詭弁家』とも称される『ソフィスト』の存在を生んだ」。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-14 23:30 | Comments(21)

小保方晴子とSTAP細胞の破綻 - 科学の正論に戻り始めたマスコミ

c0315619_1783286.jpg馬脚をあらわしたというか、語るに落ちたというか、墓穴を掘ったというか、命取りになることを小保方晴子は昨日(4/9)の会見で喋ってしまった。それは、「STAP細胞の作製に200回以上成功した」という発言だ。今、本人は、この言葉の始末をどうするか、どう辻褄を合わせるか、狼狽して思案している最中だろう。横にいた弁護士は、しまったと臍を噛んだに違いない。会見後、ネットの中は「200回以上作製」の問題に沸いた。夜のテレビも、この問題に焦点を当てた報道になり、結果的に、STAP細胞の存在に疑惑が深まる方向となった。これまで、「STAP細胞の存在」という命題をキーにして、理研を叩き、小保方晴子を擁護してきたマスコミは、この「200回以上成功」を問題視して、逆に小保方晴子を批判する姿勢に大きく転じた。誰もが、「200回以上成功した」の話を聞き、これは眉唾だと直感したことだろう。関心と期待が集まっていた「STAP細胞の存在」は、その信憑性が大きく揺らぎ、結果として、研究者としての小保方晴子の信頼性が崩れる事態となった。テレ朝(報ステ)以外の局は、小保方擁護の姿勢から微かに離れ始めた。テレビ局の中では、NHKが客観的に問題を報道している。NHKは、九大の中山敬一(日本分子生物学会副理事長)による厳しいコメントを紹介、小保方晴子を一刀両断にして、局の解説と見解として視聴者に示した。科学の世界の正論が、マスコミの表舞台にようやく登場するようになった。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-10 23:30 | Comments(75)

「いじめ問題」に化けた小保方事件 - 西崎文子の愚論と山中伸弥の正論

c0315619_17215261.jpg小保方擁護論の怒濤の洪水に驚く。不正を不正として直視せず、不正の事実を認識せず、脱構築的なメンタリティーに流れて、軽率に擁護の論陣を張る者ばかりが群れ踊っている。これらの殆どは、小保方晴子の不正についての真相情報を自ら確認せず、改竄の中味に無知なまま、気分に任せて、主観的に擬似的な「弱者擁護」に与している連中だ。異常を嘆くしかない。マスコミ関係者は、科学の知識がなく、事件の概要を正確に説明できないため、感情論と興味本位の上滑りの進行に任せ、結局のところ、理研叩きの論調にシフトし、理研を叩くことで結果的に小保方晴子を庇護する報道になっている。「マスコミが小保方晴子をバッシングしている」などという主張は、根拠のないフィクションで、フレーズ化されたデマですらあり、実際は、マスコミは理研を叩いて小保方晴子の擁護に回っている。大衆の俗情心理に迎合している。こうして、そのマスコミの空気に乗せられて、小保方擁護派ばかりが無闇に増殖する状況になった。研究不正の問題はどこかへ消えてしまった。多数となりつつある擁護派にとっての「小保方問題」とは、すなわち、「小保方さんを理研とマスコミと世間がいじめる」問題となって、もはや構図が変質してしまっている。「研究不正」の問題ではなく、「弱い者いじめ」の問題にすり替わった。理性を欠く大衆がそこに意識を集中させ、口角泡を飛ばして議論に熱中している。今、叩かれる対象になっているのは、理研と小保方批判派だ。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-08 23:30 | Comments(19)

小保方晴子事件とソクラテス - ソフィストによる不正の相対化

c0315619_15494066.jpg小保方晴子の事件を追いながら、不意にソクラテスが思い浮かんだ。今、この問題はテレビのワイドショーで下品に弄くって遊ぶネタになり、タブロイド紙やスポーツ紙や週刊誌が大衆の興味を低劣に擽って売る醜聞になり、研究不正を糺して教訓を得る問題ではなくなっている。アカデミーのあり方を問う問題として議論されない。だが、本来はそうではなく、日本の教育の病状が問われ、科学とは何か、学術研究とは何か、研究者とは何か、それはどうあるべきかが省みられなくてはいけない重大問題なのだろう。今、与えられるべきは、文教科学の指導者の言葉なのだ。戦後の文部大臣、例えば天野貞祐などがいれば、何か言っただろうし、南原繁や矢内原忠雄がいれば、必ず何かを語ったに違いない。否、湯川秀樹や朝永振一郎が生きていれば、何も言わずに見過ごしているはずはないのだ。賢人の科学者は多くいて、指導的立場の権威や碩学も少なくないのに、ここで肝心な言葉が出て来ない。痴呆なテレビタレントと同列の俗流文化人たちが放つ、無意味な理研叩きと無責任な小保方擁護論でマスコミの論調が染まっている。アカデミーで生息する者たちの危機感の無さに呆れ、絶望させられる。科学者の理性が、世俗を説得し、倫理の大切さを覚醒させるという契機がない。小保方批判を通じて、社会と教育のあり方を問い、アカデミーに反省を促すという場面がない。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-07 23:30 | Comments(3)

文科省・理研の思惑と小保方晴子の戦略 - 「悪意」をめぐる闘争

c0315619_1437406.jpg前回の記事で、理研調査委の最終報告が、丹羽仁史について何の過失も不正への関与も認めず、責任を問うていない点に注目した。STAP細胞のプロジェクトにおいて、ラボの現場で最も小保方晴子に近く、一緒に実験をやった同僚であり、Nature論文の共著者の一人である。実験室で生データに接しているのは丹羽仁史だ。プロフィールとしては、胚性幹細胞(ES細胞)の研究を長く続けた優秀な専門家で、この分野の実験技能では国内で第一人者だと評価が高い。小保方晴子の不正が次々と発覚して世情を騒然とさせた3/12、「STAP細胞ができたという根幹は揺るがない」と理研を代表する形でマスコミに抗弁、佐々真一に、「そもそもこの人は調査される側ではないのか」と厳しく批判された経緯がある。事件を糾弾する2ch生物板では、早くから槍玉に上げられ、ES細胞を混入させたのは丹羽仁史ではないかという疑惑が向けられていた。4/1の会見での竹市雅俊の話では、それどころか、これから理研が1年かけて行う「STAP細胞の検証実験」の責任者として抜擢され、「実験成功」に向けて手腕が期待されるという顛末になっていた。今回の報告書で、笹井芳樹と若山照彦は、「データの正当性と正確性を確認しなかった」という「過失」を咎められ、「責任は重大である」と裁かれた。論文共著者でシニアの研究者という立場なら、丹羽仁史も全く同じだ。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-04 23:30 | Comments(4)

小保方晴子による反論の驚愕 - 不正への開き直りを支える二つの条件

c0315619_15542046.jpg昨日(4/1)は、午前も午後も、ずっと理研の会見の生中継を見ていた。注目の最終報告だったが、正直な感想は、徒労感だけが残ったというものである。前回、3/14の会見のときは、4時間の質疑応答に飽きなかったし、理研幹部の対応についても、それなりに頷ける部分があり、永田町や霞ヶ関の連中とは少し違うなと感じる要素があった。が、今回はそれは全くなく、時間とともに失望と疲労ばかりが重くなり、憂鬱な気分に沈み込んで行った。前回、僅かに見どころを感じたのは、調査委員長の石井俊輔とCDBセンター長の竹市雅俊だった。石井俊輔には技官のオペレーション・エクセレンスを感じて有能さを信用できたし、竹市雅俊には記者の質問に誠実に答えようとする気配が窺われ、責任ある科学者としての良識の片鱗が垣間見えた瞬間があって、今後の対応に期待を寄せる材料になっていた。今回は、竹市雅俊の態度が一変していた感が強い。前回のような、事件の責任を感じて反省している様子がまるでなく、組織防衛と自己保身に徹した醜い官僚の姿に化けていた。石井俊輔の説明も、不正疑惑に対処する論理的思考よりも政治の動機が先行していて、立場的無責任の言い訳ばかりが強調され、前回よりも格段に後退していた。中間報告から2週間、石井俊輔は何をしていたのだろう。不正行為を画像の捏造とスリカエの2点のみに限定し、文章の盗用(コピペ)を不正とせず、容認した点はとても納得できない。言語道断の手抜き審判だ。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-02 23:30 | Comments(11)

渡辺喜美と吉田嘉明の8億円事件 - 証拠暴露で違法性は決定的

c0315619_16441546.jpg前回の記事を上げた直後(3/28)、DHCの吉田嘉明が、渡辺喜美から「あと5億円ほど必要」と依頼を受けたメールが暴露された。数社のマスコミ記者がDHC本社に呼ばれて本人に取材し、携帯メールの画面を撮影、その日のうちにテレビのニュースの映像として流れた。渡辺喜美が、会見やテレビ番組への生出演で疑惑を否定した翌日のことであり、素早い動きに驚かされる。言わば、事件の共犯者が、容疑を否認する主犯に対して、核心を衝く物的証拠を突きつけた形で、これで渡辺喜美の容疑はほぼ確実になったと言えるだろう。3/27の郷原信郎の所論、すなわち渡辺喜美の違法性を問うのは困難とした主張は、その法律解釈の詭弁と牽強付会の問題以前に、現時点で全く無意味なものになった。動かぬ証拠が出たからである。同じ3/28には、都内の市民団体の代表が、渡辺喜美を公選法違反と規正法違反の容疑で地検に告発した。これも素早い動きだ。この「代表」の素性については本記事の後段で触れる。3/29には、三井環が夕刊フジの記事に登場し、「立件の可能性は十分ある。逮捕もあり得る」と指摘した。郷原信郎とは全く逆の見解だが、二人の意見の対立の間には、何と言ってもメールという物的証拠があり、ここに来て郷原信郎の勇み足は明白になったと言わざるを得ない。郷原信郎は「政治とカネ」の問題の専門家なのだが、この件では結論を急ぎすぎて失敗した。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-31 23:30 | Comments(0)

郷原信郎の詭弁 - 渡辺喜美の8億円をシロにする法律解釈の唖然

c0315619_13432548.jpg渡辺喜美の8億円の資金疑惑の問題について、郷原信郎がBlogに記事を上げている。その結論はこうだ。「報道されている事実関係を前提にすると、今回の吉田氏から渡辺代表に対する巨額の選挙資金提供の事実については、政治的、道義的責任は別として、違法行為・犯罪として立件するのは相当困難だろう」。法的に違法とすることは難しく、検察が動くことはないだろうと予想を立てている。この記事を読んだ者の多くが、落胆の気分にさせられたことだろう。現時点で、法曹家の中から、この郷原信郎の見解に反論を上げたり、異なる見方を示している例はない。しかし、誰の目から見ても、今回の渡辺喜美の事件は猪瀬直樹の問題と同じであり、猪瀬直樹が当局から捜査を受けて刑事責任を追及されているのに、渡辺喜美がそれを免れるという指摘は腑に落ちない。猪瀬直樹の5000万円が違法であるなら、渡辺喜美の8億円も違法だろう。問題の構図と性格は全く同じだ。以下、郷原信郎の論理の中味を見ながら、どのような解釈で渡辺喜美の8億円を無罪だとしているのか、それを整理し確認して、その問題点を検討してみたい。郷原信郎の論法は、この渡辺喜美の8億円の資金提供が、公職選挙法に違反するか、政治資金規正法に違反するか、という図式で組み立てられている。前者にも違反せず、後者にも抵触しなければ、この行為はシロになるという説明だ。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-28 23:30 | Comments(6)


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