人気ブログランキング | 話題のタグを見る

石原慎太郎の「支那(中国)と戦争して勝つ」暴言 - 右翼が中国と戦争する理由

石原慎太郎の「支那(中国)と戦争して勝つ」暴言 - 右翼が中国と戦争する理由_c0315619_15124590.jpg1ヶ月以上前のことだが、石原慎太郎が週刊現代の誌上で、今の野望は何か、と聞かれて「支那(中国)と戦争して勝つこと」と答えている。22人の議員を擁する次世代の党の事実上の党首が、こう明言している。昔なら大きなニュースになり、政局の騒動になるところだが、今は全くマスコミの話題にならない。石原慎太郎ら右翼の過激発言に、国民の感性が麻痺して常態化しているためであり、マスコミの記者や論者そのものが右傾化して、こうした暴言を異常視しなくなったからでもある。むしろ、こうした事実に注目して警戒の声を上げる者の方が、「左翼」のレッテルを貼られて不当視される世の中になった。実際のところ、この種の問題を取り上げて正面から批判する論陣を張っても、ブログにはアクセスが集まらず、市民の関心が低いことを痛感させられる。右翼批判の主張は共感されない。右翼化に警鐘を鳴らす記事は好まれない。時代が右翼の価値観(イデオロギー)を社会の座標軸の中心に持ってきていて、人々がそろそろと、その「中心」の立ち位置に移動している。それが社会のマジョリティの思想性だから、誰もがその現実を認めざるを得ず、抗えず、皆と一緒に右翼を「中立」だと観念するのである。自己の政治認識の基準を変える。メジャーメントを変えてしまえば、改宗(転向)すれば、右翼は右翼でなくなる。「中立」へと表象変化する。そして、これまで中立だったものが「左翼」になる。辛坊治郎が「中立」になり、関口宏が「左翼」になる。

More
# by yoniumuhibi | 2014-09-22 23:30 | Comments(7)

丸山真男のファシズムの定義 - 正しい概念と認識で現実を直視しよう

丸山真男のファシズムの定義 - 正しい概念と認識で現実を直視しよう_c0315619_13253765.jpg前回の記事で、今の時代環境こそがファシズムだと書いた。現在がファシズムの時代の真っ只中で、次に来るのが戦争だと。ファシズムはこれから来るのではなく、もうすでに来ていて、次に来るのはファシズムではなく戦争だと、そう書いた。この時代認識が正しいかどうか、それを判断するためにはファシズムの語の意味を再確認する必要がある。ファシズムという言葉を、私は決して無闇に使っているわけではない。私の場合、ファシズムの意味も、イデオロギーの語意も、右翼の語法も、すべて丸山政治学の概念に依拠している。丸山真男が先生であり、それが正しい言葉の使い方だと心得ている。そのことを先に申し上げ、ファシズムの定義について説明の作業を試みたい。最初に広辞苑から。手元の第二版にはこう書いている。「①狭義では、イタリアのファシスト党の運動、及び同党が権力を握っていた時期の政治的理念及びその体制。②広義では、イタリア・ファシズムと共通の本質をもつ傾向・運動・支配体制。第一次大戦後、世界の資本主義体制が危機に陥ってから、多くの資本主義国に出現(イタリア・ドイツ・日本・スペイン・南米諸国・東欧諸国など)。全体主義的或いは権威主義的で、対外的には侵略政策をとることを特色とし、また一党専制の形をとり、国粋的思想を宣伝する」(P.1912)。これが辞書でのファシズムの語義であり、一般の通念だが、結論を言うと、この定義は正しくない。丸山真男の与えた定義とは違う。

More
# by yoniumuhibi | 2014-09-18 23:30 | Comments(3)

朝日新聞の屈服 - 安倍晋三による調略、集団リンチと内部工作員の揺動

朝日新聞の屈服 - 安倍晋三による調略、集団リンチと内部工作員の揺動_c0315619_15562084.jpg週末のマスコミ報道も「朝日叩き」が中心だった。「朝日叩き」に対する懸念や反発の声も、ネットの中で一部ながら出始めている。1週間前、池上彰に対する批判の記事を書いていたときは、まさか9/11に朝日の社長の謝罪会見するとは思わなかった。あれほど呆気なく全面降伏して、右翼媒体による袋叩きと吊し上げの前で惨めに平身低頭するとは思わなかった。私は、この国のファシズム化の計測について他の者より敏感で、客観状況を正確に捕捉していている自信があり、したがって誰よりも早く、一般の者が聞けば「オオカミ少年」的な誇張に聞こえる悲鳴警告を発していたつもりだったが、どうやら事態は私が思っていたよりも速く進行している。次に何が起きるか分からない。朝日が陥落した。安倍晋三の前に屈服した。これ以降、もはや政権を正面から批判する記事や社説は書けないだろう。安倍晋三と右翼に抵抗する言論の拠点が崩れた。顔面を思いっきり殴られて、前歯と鼻骨を叩き折られた。面相はもう元に戻らない。何度も紹介しているF2の『ヒトラー 権力掌握への道』を見て欲しい。1930年代半ば、ナチス支持に傾斜しながらも、ドイツ国民はあのような戦争に巻き込まれるとは思っていないのである。空襲され、占領され、国を二つに割られ、ソ連兵にレイプされという悪夢を予想していない。戦争になる。ファシズムの次は戦争だ。中国と戦争を始める。全面戦争になり、総力戦となり、核戦争になる。 

More
# by yoniumuhibi | 2014-09-16 23:30 | Comments(12)

「朝日叩き」のファシズムの苛烈 - 拷問された後のように怯えて謝罪した社長

「朝日叩き」のファシズムの苛烈 - 拷問された後のように怯えて謝罪した社長_c0315619_1764653.jpg昨日(9/11)、「吉田調書」と「吉田証言」の二つの件で朝日の木村伊量が謝罪会見した。朝日の社長が会見に出てきて謝罪するのを見るのは初めてだ。否、朝日の社長が会見で何か喋るのを見るのも、これが初めてかもしれない。歴史的な事件と言える。朝日の問題報道と言えば、25年前のサンゴ落書き事件を想起するが、あのときも謝罪会見などはなかった。何十年か後で、日本のファシズムと戦争が顧みられるときに、一つの重大な節目として語られることになるだろう。4日前(9/8)の記事で懸念を述べたばかりだったが、予想を超えた急激な流れで謝罪に追い込まれ、社長の進退という展開にまで至った。ファシズムの時代の滑り方のスピードが実感されて恐ろしい。言うまでもなく、今回の謝罪会見は、あの池上彰の問題から惹き起こされたものだ。池上彰の騒動が起きなければ、朝日の社長が会見で謝罪という始末まで追い詰められることはなかった。左翼とリベラルが、右翼と政権による朝日叩きの尻馬に乗り、軽薄に狂躁し、朝日叩きをファッショ(facio)の政治にした結果に他ならない。水島宏明らの罪は万死に値する。今、われわれは、韓国や欧米の市民社会が日本をどういう眼差しで見ているかを想像しなくてはいけない。慰安婦問題の報道で朝日の社長が謝罪会見し、安倍晋三による朝日批判がNHKで大きく報じられている、そんな日本を海外はどう見るか。それを考えたとき、1週間前、軽々しく「朝日は池上さんに謝罪しろ」などと言えるのか。 

More
# by yoniumuhibi | 2014-09-12 23:30 | Comments(24)

「昭和天皇実録」の胡乱 - 仕組まれた発表と解説、歴史改竄の上塗り

「昭和天皇実録」の胡乱 - 仕組まれた発表と解説、歴史改竄の上塗り_c0315619_1715838.jpg一昨日(9/9)、『昭和天皇実録』についての報道があった。朝日は、1面、3面、14面(社説)、19・20・21・22面、38面、39面と9頁を使って大型特集を組んでいた。夜のテレビ報道も、錦織圭のテニスとこの話題で埋められていた。この「実録」報道に接しての感想を述べたい。マスコミ報道では、何人かの専門家が「実録」についてコメントした。保阪正康、半藤一利、古川隆久、原武久、加藤陽子などである。それらを読んだり聞いたりして、違和感というか、最初に思ったことは、果たしてこの人たちは本当に61巻1万2000頁の現物を全部読み込んだのだろうかという疑問だった。最初から最後までページを捲って目を通した上で、持論を提出しているのだろうか。研究者として責任あるコメントをマスコミで試みる以上、最低限、書かれた内容を査読していなくてはいけない。この「実録」が完成したのは8/21のことだった。9/9の報道は、それを宮内庁が公表したということである。完成から公表まで19日間しかない。わずか19日間で、1万2000頁の記録文書を完読することができるだろうか。1日に3巻632頁の分量を読まなくてはいけない。小説ならばそれも可能だろう。が、重要な歴史が記された文書である。当然、引用された資料を検証する必要が生じるし、従来の学説と比較検討する作業もある。専門家たちは、そういう作業を十分やった上で意見を述べているように聞こえるが、私はそれは信じられない。人の仕事として無理だ。

More
# by yoniumuhibi | 2014-09-11 23:30 | Comments(5)


メールと過去ログ

since 2004.9.1

ご意見・ご感想




Twitter

最新のコメント

今こそ「テニスコートの誓..
by 印藤和寛 at 09:18
総裁選で石破さんを倒すた..
by 人情味。 at 09:29
もし山上容疑者が安倍元首..
by 人情味。 at 21:23
杉田水脈なる人物は論評に..
by 住田 at 10:51
あれは15年程前..
by ムラッチー at 11:27
悪夢のような安倍政治から..
by 成田 at 13:03
ハーバード大学で比較宗教..
by まりも at 23:59
重ねて失礼いたします。 ..
by アン at 17:48
安倍晋三のいない世界は大..
by アン at 13:16
今まで、宗教2世の問題に..
by さかき at 10:31

以前の記事

2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月

記事ランキング