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鈴木エイトの身辺が心配だ - 彗星の如く現れた精良なジャーナリズム

鈴木エイトの身辺が心配だ - 彗星の如く現れた精良なジャーナリズム_c0315619_16124716.png先週(7/17-23)、統一教会と安倍晋三、統一教会と自民党との関係を追及する世論と気運が大きく盛り上がった。殊勲は鈴木エイトのジャーナリズムである。見事だ。7月16日の日刊ゲンダイに、鈴木エイトが取材して作成した「統一教会と関係のある国会議員」の記事が出て、先週はこの問題が世間の関心と注目の中心になり、22日の報道1930、23日のTBS報道特集で取り上げられる進行となる。二つの番組の特集とも、佳作の中身に仕上がっていたが、その品質と水準を導いた立役者で原作者は鈴木エイトだ。

素晴らしい。安倍晋三の暗殺事件の核心が統一教会との関係にあること、自民党が統一教会とズブズブの関係にあり、それが山上徹也の犯行の背景として重要であること、その事実を、われわれはマスコミにストレートに指摘して欲しかったし、根拠となる情報材料を取材し提供して欲しかった。が、マスコミは核心から逃げ、本質から目を逸らし、真実を隠蔽する言説ばかりを撒いていた。安倍晋三と統一教会は無関係だとする「結論」を強調し、犯人は一方的な思い込みで安倍晋三を標的にしたのだという「事件像」を固めてきた。




鈴木エイトの身辺が心配だ - 彗星の如く現れた精良なジャーナリズム_c0315619_16131015.pngその情報工作によって、安倍晋三と統一教会を分離させ、両者の事件における因果関係を否定する観念を植えつけてきた。そのことによって、この事件を自ら招いた安倍晋三の責任の了解(=教会の広告塔の役割 → 犯人の動機の合理性 → 自業自得・因果応報の認識)を否定し、安倍晋三の神聖化に傷をつけないよう防衛し、国葬を支持する世論を醸成してきた。かかる奸計に対して一撃を入れ、真実を示す決定的証拠を示したのが鈴木エイトのジャーナリズムであり、事件をめぐるマスコミと世間の空気を一変させた。

22日の報道1930は、全体の構成もよく、要点をよく整理した内容だったが、ハイライトは、安倍晋三と統一教会との関係を証示する内部文書の暴露であり、選挙で安倍晋三が統一教会票の割り振りを直接に指揮し、安倍晋三の要請下で統一教会が選挙運動していた事実をスクープした点である。2013年の参院選時の教会内部文書が発掘され提示されただけでなく、青山繁晴が告発していた「統一教会票の割り振り」を仕切っていた「派閥の長」が、安倍晋三であると後藤謙次が断定する見せ場まで登場した。見どころ満載で膝を打つ80分間だった。


鈴木エイトの身辺が心配だ - 彗星の如く現れた精良なジャーナリズム_c0315619_16161016.png翌23日のTBS報道特集は、前日の報道1930で暴露した内部文書の黒塗り部分を取り除き、2013年の参院選で安倍晋三が統一教会に応援させた議員が、比例区の北村経夫であることを明らかにした。文書には「首相からじきじきこの方を後援してほしいと依頼があり」と明記され、「この選挙で北村候補を当選させることができるかどうか、組織の死活問題です」と記述がある。また別の文書では、北村経夫が福岡県の統一教会の教会で集会を開く予定が印刷されていた。明確な物的証拠だ。安倍晋三が統一教会に選挙応援を直接依頼していた。

安倍晋三は、党総裁任期中7年間6度の国政選挙において、特定候補への選挙応援を統一教会に要請し、また、当落線上にある候補を押し上げるべく統一教会に票の割り振りを差配していた。後藤謙次の説明では、統一教会票というのは決して数は多くないが、きわめて堅実で使い勝手がよく、比例区当落線上の候補を抜け出させる上で有効な組織票なのだと言う。安倍晋三はそのようにして統一教会票を駆使し、自民党比例議席の数を乗せて選挙に勝っていた。安倍晋三が、統一教会日本支部とサシで選挙の相談をし、緻密に票の支援を受けていた実態が浮き彫りとなった。驚愕の事実だ。


鈴木エイトの身辺が心配だ - 彗星の如く現れた精良なジャーナリズム_c0315619_16245782.png報道特集では鈴木エイトが映像で出演、UPF(天宙平和連合)に寄せた安倍晋三のビデオメッセージを考察し、正鵠を射た論評を披露した。すなわち、従来は、統一教会の方が一方的に安倍晋三を支持しているように標榜し、安倍晋三の方から統一教会へのコミットはないように偽装していたのだが、実はそうではなく、両者は思想的にずっと相思相愛だったのであり、その関係を安倍晋三が隠さなくなったのがビデオメッセージの祝辞行動だと鈴木エイトは喝破する。その意義を的確に分析した。慧眼であり、秀逸な政治的洞察だ。

鈴木エイトが、ジャーナリストと政治学者の二役を一人でやっている。拍手を送りたい。マスコミ報道で、先々週から紀藤正樹と有田芳生が登壇し、統一教会のグロテスクな実態については再び批判の俎上に上がったのだけれど、安倍晋三と統一教会の関係については二人とも
怯弱に口を濁し、特に紀藤正樹は議論がその方向に及ぶのを妨害するコメントを連発している。22日の日テレのミヤネ屋で、吉川美代子が共産党を露骨に誹謗中傷するハプニングがあったけれど、私は実際に放送を目撃していたが、先に紀藤正樹が共産党の追及方針を批判する言辞を放ったことが呼び水になっていた。


鈴木エイトの身辺が心配だ - 彗星の如く現れた精良なジャーナリズム_c0315619_16251543.pngなぜだか不明だが、紀藤正樹は、統一教会と政治との関係の糾明は必要ないと言い張り、それよりも、党派を超えた被害者救済法案の策定が先だと言う。この問題で前向きな役割を視聴者が期待した紀藤正樹が、テレビ報道の現場では反動に回り、統一教会と安倍晋三との関係に議論が向かうのを阻止している。きわめて懸念される状況だったが、それに対して反撃の一矢を報いたのが鈴木エイトであり、われわれが最も欲する議論を証拠を添えて提示してくれた。圧巻の活躍に他ならず、まさに正義のヒーローの出現に見える。

鈴木エイトが言うとおり、安倍政権になって以降、統一教会の支援を受ける自民党議員が多くなるのであり、躊躇なくギブアンドテイクの関係を結んで開き直る態度が横行するのである。80年代から90年代にかけて、霊感商法と合同結婚式で世間から袋叩きに遭い、異端化されていた統一教会が、市民権を持った団体として復活するのだ。そこには、2006年の第一次安倍政権のときに公安の重点監視対象から外されるという契機があり、2015年の第二次安倍政権下で教団の名称変更が認証されるという決定があった。統一教会を凶悪な異端の立場から解き放ち、市民権を与えたのが安倍晋三である。


鈴木エイトの身辺が心配だ - 彗星の如く現れた精良なジャーナリズム_c0315619_16274805.png鈴木エイトの身が心配だ。統一教会の政治への関与について大量の資料を持っている。安倍晋三と統一教会との関係を証明する文書で未発表の「逸品」も多いだろう。マスコミに出る度に、説得的な問題解明の弁を提供するだろう。統一教会はオウム真理教と同じカルト集団である。頭を過ぎるのは、坂本弁護士一家の悲劇であり、それが再現される恐怖と不安だ。坂本弁護士が生きていれば、オウム真理教への捜査はもっと早く着手され、地下鉄サリン事件は防げたと言われている。坂本弁護士は教団にとって目の上のたんこぶの邪魔な存在だった。だから一家皆殺しにした。

統一教会と右翼自民党にとって、鈴木エイトは迷惑で阻碍な人物だろう。抹殺して口封じしたい相手だろう。統一教会が刺客を送る可能性もあるし、警察権力が合法的に鈴木エイトを始末するという経路もある。自民党は権力を握っている。警察庁長官は中村格だ。別件で容疑をでっち上げて、身柄を押さえて留置場に入れるという方法もある。逮捕されれば、鈴木エイトは自由に言論することはできなくなる。安倍自民党と統一教会の関係の暴露を深め、その構図を立体化して説明する活動が止まる。議員たちの「知らぬ存ぜぬ」がまかり通り、マスコミが刷り込む虚偽と欺瞞に市民社会が屈服させられる。


鈴木エイトの身辺が心配だ - 彗星の如く現れた精良なジャーナリズム_c0315619_16313292.png何があってもおかしくない。正直、とても心配だ。統一教会の立場になって考えてみよう。先週の報道1930やTBS報道特集の放送が連続すれば、世論の批判が高まり、自民党からの庇護は受けられなくなる。信者の脱会が増え、霊感商法の継続が難しくなる。布教は立ち行かなくなり、年間600億円と言われる日本からの本部への上納金は止まる。日本からの送金が枯れれば、韓国での事業全体が止まり、世界での活動も不可能となる。教団は解散に追い込まれる。今、まさに教団は剣が峰に立たされている。カルトの教団は、なりふり構わず窮地を脱する策を見つけないといけない。

自民党と右翼の立場に立ってみよう。このまま鈴木エイトの暴露が粛々と進み、報道番組の視聴率を稼ぐキーコンテンツになれば、結果として安倍晋三の評価は失墜する。「統一教会の広告塔」の表象が国民の中に定着し、汚く穢らわしい観念が不動のものとなる。そうなれば、安倍晋三の神格化を図る自民党の思惑は頓挫し、秋の改憲政局に影響する。台湾有事計画を準備中の米日の東アジア戦略が動揺する。政治が大きく変わる事態になる。多くの自民党議員にとって、また、安倍レジームで出世して栄華を謳歌するマスコミ論者にとって、それはあり得ない破滅の到来であり、絶対に阻止しなければならぬ悪夢だ。

鈴木エイトの言論を封殺したい悪魔側の動機は存在する。政治は暴力で動くとウェーバーは言う。何事もなければよいが、日本の政治世界が暴力の時代に変わった気配があり、不吉な予感をぬぐえない。ともあれ、TBSには手抜きなく深堀りの続報をお願いしたい。


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by yoniumuhibi | 2022-07-25 23:30 | Comments(4)
Commented at 2022-07-25 19:39 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ジョー at 2022-07-25 20:36 x
『ある捜査幹部は、山上容疑者について「取り調べでは理路整然と話をしている。記憶もしっかりしており、話がぶれることがない。これまでのところ、供述の裏付け捜査に支障は出ていない」と話す』
奈良県警の現場の警察官は山上さんに同情し、彼のファンになりつつあるのではないでしょうか。
くだらない記事で、山上には死刑求刑もありうるという記事がありましたが、論理が滅茶苦茶でした。
山上さんのファンは一般にも多いですね、私もその一人です。差し入れをどうやったらいいのか、ファンたちは調べています。
Commented by 成田 at 2022-07-25 21:35 x
安倍は統一教会と密接な関係だったというよりも、もはや岸信介以来一心同体だったというのが適切です。ここを突くことで無理矢理、名宰相として国葬を行おうとしている政府自民党に痛撃を与えることができます。
紀藤は被害対策弁護士に過ぎず、政治的な素養はないのが残念です。この国のジャーナリストには絶望してますけど、鈴木エイト氏の活躍には驚きました。是非安倍の暗部を詳にしていただきたいです。
安倍の統一教会との一体性が暴露されつつあるので、安倍明恵のクルマに警視庁のクルマが追突するという偽装工作に出てきました。これは統一教会報道をそらすための撹乱工作であり、内閣の指示で故意による追突だと思います。
統一教会と自民党のつながりを暴く事は岸田を窮地に追い込む事であり、解散総選挙に向けたトリガーになると信じてます。
Commented by at 2022-07-26 08:14 x
安倍晋三のメッセージは2021年じゃなかったでしたか?


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