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中国との戦争へ日本丸が碇を上げて出航 -5月23日の日米首脳会談

中国との戦争へ日本丸が碇を上げて出航 -5月23日の日米首脳会談_c0315619_15452841.png昨日(5/23)行われた日米首脳会談について。正直、テレビ報道を見ながら目眩と悪寒を覚える。中国との戦争へ向けた軍事体制の整備が着々と進み、後戻りできる回路や余地を隙間なく塞がれた環境になった。国民の誰もが戦争から逃げ出すことができなくなり、黙って戦争に追従して行くしかない状況が固まった。中国に対する日本人一般の関係性は、最早、憎悪というような感情的なものではなくなり、戦争を前提にした、腹の据わった、予定的で不可避的な性質のものになっている。中国との戦争とそれへの準備過程が、国民一人一人にとって当然の将来像になっている。

中国との戦争に反対や抵抗の声が上がらない。反発の叫びや忌避の呻きがどこからも耳に入って来ない。報道1930で五百旗頭真と松原耕二が、これまでは戦後の平和主義でやってきたが、これからは軍事力をつけて国を守る時代なのだと言っていた。ウクライナ戦争が始まって以降の3か月で、この主張が前にせり出し、すっかり観念が定着し、専守防衛や憲法9条の理念がスポイルされてしまった。五百旗頭真と同じ主張をする者しかテレビに出ず、国民全体の意識が切り替わった感がある。10年前なら自民党のタカ派の政策でしかなかったものが、国民の共通認識になっている。




中国との戦争へ日本丸が碇を上げて出航 -5月23日の日米首脳会談_c0315619_15521446.png今は開戦本番の何年前なのだろう。5年前か、3年前か。たしか昨年、米太平洋軍前司令官が「6年以内に台湾有事」と発言して騒ぎになったとき、森本敏が、「僕はもっと早く起きると思う」とテレビで言った。今度のIPEFの立ち上げは一つのマイルストーンである。ロードマップは続く。ウクライナ情勢のために東アジアの戦略工作は一時停止していたが、次のキーステップは台湾内部の工作と揺動であり、独立運動の仕込みと展開だろう。合わせてEU各国幹部の訪台が続く。デービッドソンが米議会公聴会で「6年以内」と発言したのは昨年3月だから、現時点ではもう5年を切った時間軸になる。

世界の注目が集まったこの首脳外交を踏み台に、国内では軍事予算の大幅増が推進される。日本は現在でも世界第5位の軍事大国で、フランスや英国を凌ぐ軍事力ランキングにあるのに、この軍事大国がさらに2倍の軍事費を投入して増強を図ると言う。狂気の沙汰だ。ちなみに問題になって対照されているドイツは13位で、ブラジルやトルコやエジプト以下の軍事力なのだ。おそらく、南西諸島から九州、北海道と、そこらじゅうに中距離核ミサイルの基地を建設し、宇宙とサイバー分野の装備に湯水の如くカネを注ぎ込むのだろう。注ぎ込んでも、実際は自衛隊の自前の軍事力にはならず、アメリカの利益に回収され、米軍が都合よく活用するだけだろうが。


中国との戦争へ日本丸が碇を上げて出航 -5月23日の日米首脳会談_c0315619_15542810.png日本は社会保障も教育も予算が足りず、そこを増額することが急務なのに、それを差し置いて軍事費を2倍にすると言う。軍事費はカットして社会保障と教育に回さないといけないのに、また後回しにされてしまう。タイミング的にちょうど「骨太の方針」の季節で、来年度予算の基本方針が決まる時期だ。今回のイベントをこの日程で組んで賑々しく宣伝することで、来年度予算の骨格を決めた。また、7月の参院選の与党公約の主題も固めた。参院選でこの軍事戦略と予算がオーソライズされる。戦前の軍国主義そのものだ。日本人の稼いだお金も、エネルギーも、何もかも中国との戦争に注ぎ込まれる。

日本国内が軍事体制に編成替えされている。国会はすっかり脇役になり、野党は用無しになり、テレビは軍人ばかりでオキュパイされ、戦争の話ばかりが流れている。昨日(5/23)の報道1930に高橋杉雄が出演したのは、象徴的で示唆的な出来事だった。この防衛研の専門家は、ウクライナ戦争の細かな刻々の戦局情報を解説する係のはずだった。江畑謙介とか小川和久の役回りのはずだった。だが、堂々と日中・米中関係の安全保障の報道場面に登場し、佐藤正久の代役みたいなタカ派の政治的発言を飛ばしている。この日を境にして、高橋杉雄はウクライナ戦争のスペシャリストからジェネラルな政治評論家に変身・昇格した。その高橋杉雄は、何でも、日米で設置されている「拡大抑止検討委員会」に参加していると言う。


中国との戦争へ日本丸が碇を上げて出航 -5月23日の日米首脳会談_c0315619_15570996.png参加して活動はよく承知しているけれど、内容は秘密で言えないと言う。米軍基地の核の出し入れ(沖縄・佐世保・横須賀)のステイタスとか、自衛隊の核装備計画の進捗確認とか、戦時のどの局面で中国のどこを狙ってどこから攻撃するかとかを検討しているのだろう。日本もとんでもない国になった。非核三原則はどこにもない。参院選が終わり、8月の広島・長崎の慰霊の季節が終わった後、この問題の議論が本格的に始まり、日本の核武装が政府承認され、国家防衛戦略(防衛計画大綱)に落とし込まれる進行になると予想する。中距離核ミサイル基地だけでなく、潜水艦やイージス艦、ステルス戦闘機への核ミサイル搭載も盛り込むに違いない。唯一の被爆国が核武装する。

マスコミ報道に釣られて国民が戦争に前のめりになり、テレビはミリタリアン・コントロールの世界になった。佐藤正久、森本敏、河野克俊、高橋杉雄、他の防衛研諸陣笠、小原凡司、等々、防衛人脈が過剰に充満する空間となった。国民の頭の中は軍事情報ばかりで埋まり、そこに関心づけられ、誘導され、だから軍事費2倍増にも賛成するのだ。社会保障にも教育にも関心を向けず、軍事最優先という判断になっている。前の記事で「軍部主導の政治」と書いたが、まぎれもなくそうなっている。国民自身が、対中国の軍事に生きがいを見出し、戦争の勝利に飢えた狂暴な民衆になっている。時間をかけて徐々に極右親米反中の人格に作り変えられ、とうとうこの極致まで来た。もう引き返せるとは思えない。反戦非戦・善隣友好のマイルドな意識には戻れない。


中国との戦争へ日本丸が碇を上げて出航 -5月23日の日米首脳会談_c0315619_16053680.png旧日本軍の参謀キャラクターの典型として辻政信がいる。それから、憲兵・謀略軍人の妖怪として甘粕正彦がいる。どちらも名前を聞くだけで気分が悪くなるが、テレビの高橋杉雄の恐い目つきを見ながら、彼らはこういう類型だったのだろうかと想像させられる。旧日本軍の悪魔的な参謀範疇。戦争とは人を殺すことだ。戦争で人を殺すことは、榴弾砲を敵部隊に撃ち込んで歩兵を殺戮することもあるし、突撃して敵兵に小銃を掃射することもある。石井機関のような人体実験もある。だけでなく、国内の邪魔な「敵」を見つけて殺すこともある。小林多喜二みたいな「アカ・非国民」を手配・捕縛して、警察署内で私刑拷問して殺害することもある。反戦派を暴力で潰すこともある。

特高の毛利基も、辻政信や甘粕正彦と同じ範疇だ。内務官僚、軍国エリートである。日本国憲法(9条)の思想と理念が最も忌み嫌うところの、本来、戦後日本で否定されつくしたはずの人間類型。が、今のテレビを占拠しているのは、どうやら、辻政信や甘粕正彦や毛利基みたいな人間ばかりのようであり、その現役と退役系ばかりだ。軍部と特高とその系統の学者ばかりに見え、彼らが甦って跳梁跋扈している感を否めない。ひょっとしたら、いずれ多喜二みたいに殺される立場になるんじゃないだろうかと、高橋杉雄の目の光に恐怖を感じる。戦争反対や護憲論や日米同盟批判は、ほどほどにしといた方が身のためではないかと、防衛本能が頭をよぎって気弱になる。


中国との戦争へ日本丸が碇を上げて出航 -5月23日の日米首脳会談_c0315619_16063444.png左翼方面から危機感やアレルギー反応の声が聞こえてこない。反政府の論陣では威勢のよかったきっこも、内田樹も、中国との戦争準備の大行進には何の反応も示さない。大本営御用論者に右へ倣えしてプーチン叩きに血道を上げている。能弁の辺見庸も沈黙。なぜだろうか。やはり、動物本能で身の危険を感じ、多喜二のようになりたくないのだろうか。多喜二が所属していた左翼政党の幹部議員は、ゼレンスキー閣下の国会演説に直立不動で拍手喝采していたらしい。軍国右翼テロに遭った先輩の禍をよく学び、同じ失敗は繰り返すまいと用心深く立ち回っている風に見える。あと5年で中国と戦争本番と言うのだから、多喜二や山本宣治や岩田義道のように英雄的に時代に抗する姿を見せて欲しいが、その期待は無理なことのようだ。

アメリカの計画と予告では、あと5年で戦争本番に突入する。自由と民主主義の普遍的価値観を守るための戦争が始まる。日本が戦場になる。戦争が終わるまで、果たして無事に生きていられるだろうか。


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by yoniumuhibi | 2022-05-24 23:30 | Comments(2)
Commented by ムラッチー at 2022-05-24 19:59 x

今般の露・宇戦争は、いや国家間の戦争全てが私に言わせれば
「蛇蝎の争い」です。
私の様な地べたを這いずる衆生にとって、「国家」は、ファンタジー、
フィクションに過ぎません。
バカ貝の吐く夢でしかありません。

私は永田町や霞が関の住人を知りません。
日商も同友会も経団連も知った事ではありません。
それにも関わらずこの「懲りない面々」は私の生活に
大いなる影響を及ぼします。

私たちにとって、理想的な状況は「低負担・中福祉」でしょう。
現在、地球上でこの政策を志向しているのは
残念な事ですが、人民中国以外に存在しません。
人民中国が日本を管理してくれるのはいつになるのでしょうか。
官邸や国会などは蒸発させてもらって構いません。

私にとっては今の日本の統治機構は「悪」そのものですから。

ところで、レジまぐの方はお続けになるのですか?

Commented by こたつ猫 at 2022-05-24 21:34 x
50代女性です。まさか自分が生きている間に日本が戦争をするとは思っていず、今、本当に戦争が起きそうな事態を前に、現実を受け止めきれず凍り付いています。世に倦むさんの、なぜ今、野党も国民も声をあげないのか、との疑問と憤りに共感すると同時に、何もできていない自分を恥じます。私の場合は政府に睨まれるのが怖くてたまりません。捕まって拷問されて死にたくない、ただそれだけです。自民党の憲法案が通って人権が奪われて緊急事態宣言がなされれば、すぐさまネットやスマホから検挙されて拷問されるのだろうと想像して涙が出るほど怖いです。健康保険証をマイナンバーカードに統合するという方針を聞き、ワクチン拒否者は逮捕されるのかと悄然としています。

今の日本の怖さのもう一つは、共産党も含めた野党(れいわ新選組以外)がコロナワクチン問題でもウクライナ問題でも自民党に同調してしまっていることです。なぜか政治もマスコミも学者も日本中すでに翼賛体制になってしまっていて、もはや逃げ場がないような、驚きと絶望と恐怖を感じます。

勇気ある世に倦むさんの発言を尊敬いたします。


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