オデッサの大量虐殺 - ウクライナのネオナチを隠蔽するマスコミ

果たして、ロシア側が槍玉に上げている「ウクライナのネオナチ」は、松原耕二や田中正良が言うように根拠と実体のない、無意味で問題外の雑音の類なのだろうか。まともに取り合う必要のないロシア側の誤った妄想で、言いがかりのプロパガンダなのだろうか。日本では、ウクライナのネオナチの問題は、不毛で無視すべきロシア側のナラティブだと処理されていて、客観的な認識の対象になっていない。報道からオミットされ、取材も検証もされておらず、視聴者に欠片ほどの事実も紹介されていない。

2014年5月にオデッサで起きた虐殺事件について、マスコミは一切触れることなく沈黙している。日本語 Wiki にも情報がない。最近、ウクライナに都合が悪い情報は検索で表示されないように細工されていて、Twitter や Facebook ではリンクが不可になるよう処置されているらしい。48人(57人)の親ロシア派住民がウクライナのネオナチによって殺された事件は、プーチンが侵攻の大義として掲げる「ネオナチ排除」を説明し理解する上では、きわめて重要な事実であり、したがってその主張の合理的な根拠となる材料の一つだろう。

「ウクライナの右派セクター」とは「ユーロマイダン」と呼ばれている組織らしい。これが「ネオナチ」である。市内の広場で座り込みをしていた親ロシア派住民を武装したネオナチが襲撃し、親ロシア派が労働会館に逃げ込んだところをネオナチが建物に放火して焼き殺し、また建物内に突入して惨殺したのが事件の経緯だ。当時、キエフは「マイダン革命」のクーデターが進行中で、クーデターで実権を握った(現在に繋がる)右派(欧米派)はこの事件を隠蔽し、まともに捜査も報道もしなかった疑いがある。そのためか、オデッサ虐殺事件は客観的な情報整理がされておらず、うやむやに放置されたままだ。

私は一つの仮説を持っている。ウクライナは決して反共反ソ反ロで一つに纏まっているわけではない。全員がゼレンスキーやポロシェンコと同じ思想ではない。91年の分離独立以来、国民の大半が親米右翼の民族主義に染まり、ナチス協力者のステパン・パンデラに共感してきたとは考えない。NATO加盟に反対してきた国民も多くいて、南部や東部のロシア語を話す人たちは特にそうだっただろう。ウクライナとロシアは民族的に同じだと観念する国民は多くいたはずだ。実際、2010年の大統領選挙では親ロ派のヤヌコビッチが当選している。ヤヌコビッチに投票した人たちは、きっと2014年以来、口を塞がれた状態なのだ。

日本のマスコミに登場するウクライナ人は、ロシアへの憎悪に燃えるナショナリストばかりで、西側の反ロ宣伝に都合のいい者ばかりがピックアップされている。CIAが周到にアソートメントしていると私は睨んでいる。TBSやNHKは、総動員令に応じて軍に志願する男たちの映像ばかりを流している。これも意図的なプロパガンダだ。全員がそうじゃないと思う。与謝野晶子みたいな母親と息子も中にはいるだろう。プーチンとゼレンスキーとバイデンが始めた戦争に、どうして我が子の命を差し出しさないといけないのかと、そう憤って悩んでいる親は少なくないはずだ。

19日のTBS報道特集で、ルーマニア国境の町のホテルに滞在していた若い男女が登場し、ロシアへの敵意を爆発させる絵が出たが、彼らもその集合に属するのかもしれない。国連は500万人が難民になって国外に出ると試算していたが、もっと多くなりそうだ。プーチンはそれを計算している気配が窺え、反ロ強硬派が国外に多く出れば、制圧後に抵抗するゲリラが減るという結果になる。1日15万人という早いペースで流出が続いていて、1か月で450万人も人口が減る。2か月でウクライナの人口の20%が失われる。ゲリラとなって戦う反ロ強硬派・極右民族主義者が国内から消えるという意味だ。
23日のNHKだったか、開戦直前のキエフ市民の声を拾うインタビューがあって印象深く覚えている。一人の男が、「あいつら金目当てでやってるんだ。全部知っている」と言っていた。「あいつら」とはゼレンスキーのことで、西側から金をもらってやっているのだと批判していた。そういう意見を持っているウクライナ国民も侵攻前はいた。一日も早い停戦と平和を願う。













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早速、何件か皆様からご支援をいただきました。深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
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by yoniumuhibi
| 2022-03-07 23:30
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Comments(5)

私もブログ主と同じように、ネオナチによる「オデッサの水晶の夜」が事態を決定的に悪化させたと思います。この間の一連の流れは、オリバー・ストーン監督の「ウクライナ・オン・ファイアー」に描かれています。マイダン革命前後の生々しい映像が見られます。
いまYouTubeを検索しましたが、数日前に視聴できたヴァージョンがなくなっていました。明らかに削除されています。
ところがだれかがニコニコ動画にアップしてくれていました。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm40134434
ロシア側の視点ですので、それを念頭に置きながら視るとよいでしょう。
いまYouTubeを検索しましたが、数日前に視聴できたヴァージョンがなくなっていました。明らかに削除されています。
ところがだれかがニコニコ動画にアップしてくれていました。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm40134434
ロシア側の視点ですので、それを念頭に置きながら視るとよいでしょう。
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まさにそのとおりで、ウクライナのロシア系住民の虐殺がそもそもの原因です。ロシア側の発表ではウクライナが核兵器や生物化学兵器を製造しようとしていたということです。
少なくともウクライナにも原因があるわけで、ロシアやプーチン大統領を悪魔化する西側の報道には怒りしか覚えません。
ゼレンスキーがネオナチと手を組んでロシア系住民の迫害やNATO加盟を策謀していたことは間違いないのです。
既に勝負あったとみるべきでゼレンスキーは一刻も早く和平に向けて舵を切るべきです。
ロシアもウクライナ全土の併合という選択は取らないでしょうが、多額の軍備をかけているので、親露派政権樹立と非武装中立化、一部領土の割譲くらいは要求すると思います。
少なくともウクライナにも原因があるわけで、ロシアやプーチン大統領を悪魔化する西側の報道には怒りしか覚えません。
ゼレンスキーがネオナチと手を組んでロシア系住民の迫害やNATO加盟を策謀していたことは間違いないのです。
既に勝負あったとみるべきでゼレンスキーは一刻も早く和平に向けて舵を切るべきです。
ロシアもウクライナ全土の併合という選択は取らないでしょうが、多額の軍備をかけているので、親露派政権樹立と非武装中立化、一部領土の割譲くらいは要求すると思います。

オバマ大統領就任時の「血塗られた就任演説」という貴下ブログを思い起こして。日本中の識者、メディアが演説に熱狂している中、貴下が指摘されたのは就任直前のイスラエルによるガザ空爆(2008年2月~2009年1月)。学校までもが空爆され、死者は子ども40人を含めて430人。まるで論説の教科書のように整理頂いた今回の記事でストンと腑に落ちました。趣旨としては同様のことを伝えたいつもりらしい方も少数見受けたものの裏付けが乏しく整理も悪く陰謀論としか感じられなくて。今月3日、91歳で他界された西村京太郎さんが「戦争は嫌だと思いますかと訊いたら、おそらく嫌だと答える人の方がが多いと思うが、例えばアメリカが一所懸命やっているのに日本だけが遊んでいちゃ悪いとか妙に見栄を張る。自分ひとりがこんなことをして、親や郷里の人たちに恥をかかせてはいけないとか。自分だけが助かるのは卑怯だとか。日本人は、卑怯者と思われるのをひどく嫌がりますからね」として日本人は戦争には向いていないと。これは2017年8月刊行の著書『十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」』(集英社新書)に関する『週プレ』のインタビューで。彼岸の西村さんに日本の騒動がどう映っているのか。無論、私もロシアの侵略にはきっぱり反対ですが、息子たちに武器を持って戦えとは言えません。詩人の中村純さんが『小さな手』の一部を3月1日に公開。「あなたは/わたしが産んだ/赤ちゃんです/兵士は/だれかが産んだ/赤ちゃんです/ころされるのは/だれかが産んだ/赤ちゃんです/陽の光に驚き/目をみはった/赤ちゃんです」

ゼレンスキーなんか、全裸で下半身でピアノ弾いてたような芸人ですよ、そんなの選んだ民主主義がつけを払わされてるだけですよ、ウクライナの人々には同情しますか、庶民はいつの時代もそうしてつけを払わされるものです。
遠い東ヨーロッパのバカげた騒動に浮かれるまえに、橋本や東国原、ひろゆきなんかを政治家、思想家扱いする国民性を問題視すべきですよ。
筆者の情報収集能力にはおそれいります。
神保哲夫や伊勢崎謙治、田中さかいも頑張ってますけど、本ブログ筆者、20年以上まえから拝見させていただいてますが、さすがです。
遠い東ヨーロッパのバカげた騒動に浮かれるまえに、橋本や東国原、ひろゆきなんかを政治家、思想家扱いする国民性を問題視すべきですよ。
筆者の情報収集能力にはおそれいります。
神保哲夫や伊勢崎謙治、田中さかいも頑張ってますけど、本ブログ筆者、20年以上まえから拝見させていただいてますが、さすがです。

私も再視聴しましたが、いくつか感想があります。
まずヤヌコビッチのお人好しというか無能さ。ネオナチ側にあれだけ仕掛けられているのに、それを見抜けず、やすやすと敵側の策略にはまってしまっています。
次に一連の「カラー革命」の驚くべき巧妙さ。情報戦を含めて、あらゆる面でロシア側を圧倒しています。
プーチンの変質。ストーン監督のインタビューに答えるプーチンはあくまでも冷静で理知的で、その一言一言に説得力があります。ところが、最近のプーチンにはその面影がありません。核による威嚇をほのめかした時点で、日本を含め全世界を敵に回すということに、なぜ思い至らなかったのか。
これから戦況がどうなるかは分かりませんが、いずれにせよプーチンの失脚は不可避だと思います。
まずヤヌコビッチのお人好しというか無能さ。ネオナチ側にあれだけ仕掛けられているのに、それを見抜けず、やすやすと敵側の策略にはまってしまっています。
次に一連の「カラー革命」の驚くべき巧妙さ。情報戦を含めて、あらゆる面でロシア側を圧倒しています。
プーチンの変質。ストーン監督のインタビューに答えるプーチンはあくまでも冷静で理知的で、その一言一言に説得力があります。ところが、最近のプーチンにはその面影がありません。核による威嚇をほのめかした時点で、日本を含め全世界を敵に回すということに、なぜ思い至らなかったのか。
これから戦況がどうなるかは分かりませんが、いずれにせよプーチンの失脚は不可避だと思います。
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