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ブルージャパン疑惑の違法性 - 収支報告書虚偽記載と業務上背任

ブルージャパン疑惑の違法性 - 収支報告書虚偽記載と業務上背任_c0315619_14550903.png昨日(1/12)、幹事長の西村智奈美が会見し、注目の集まるCLPとブルージャパンの問題で発言があった。CLPに関する部分はマスコミで報道されたとおりである。ブルージャパンについては「特定業者との個別の取引内容の公表は控える」と門前払いする対応で返した。「個別の問題については回答を差し控える」。どこかでよく聞いた台詞である。菅義偉の官房長官定例会見のコメント、安倍晋三の国会質疑での答弁、耳にタコができるほどこのワンパターンの拒絶フレーズを聞かされ、われわれは歯噛みして地団駄踏まされた。

その都度、立憲民主党など野党は「説明責任を果たしてない」と批判して世論に訴え、「回答になってない」と憤激して国会審議の中断や拒否に及んだ。「個別の問題については回答を差し控える」という対応形式と論法が、責任ある政治家の態度として認められてよいのか、素通りを許してよいのかという倫理的な本質論が提起され、民主主義を根本から破壊する悪弊として深刻に問題視された。森友、加計、桜を見る会、黒川定年延長、学術会議、等々、幾度も幾度も。




ブルージャパン疑惑の違法性 - 収支報告書虚偽記載と業務上背任_c0315619_15275302.pngブルージャパン問題について、ネットの中では「違法性がない」という認識が広がっている。左翼だけでなく右翼まで同じ声を上げていて、右翼の法律論の無知と短絡とナイーブに苦笑させられる。この 寛大な 見解と姿勢には頷けないので反論したい。前回、ブルージャパン問題が法的に抵触する疑義について次のように簡単に持論を述べた。

年3.4億円、4年計9億円の支出金額に相応する対価として妥当なものか、その点は検証して確認する必要がある。何と言っても支出したのは政党助成金であり、国民の税金なのだから。もしも、納品され提供されたコンテンツやサービスにおいて、それが対価として著しく不合理で低品質で貧弱僅量だと認められた場合は、政治資金収支報告書の虚偽記載が問われ、あるいは党執行部の業務上背任が疑われるところとなるのではないか。


ブルージャパン疑惑の違法性 - 収支報告書虚偽記載と業務上背任_c0315619_15272550.png政治資金規正法には罰則規定があり、第25条の第2項を見ると、「報告書又はこれに併せて提出すべき書面に虚偽の記入をした者」に対して「五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金に処する」とある。政治資金収支報告書の虚偽記載には刑事罰が適用される。前回紹介した令和2年度の立憲民主党からブルージャパンへの支出一覧は、総務省が公開している資料を右翼が丹念に拾って纏めたものだが、ここで計上されている「広報業務」の「動画コンテンツ」とか「企画実施」とかが、果たして年3.4億円の価値内容を正しく伴うものなのかという問題である。

3.4億円の対価として妥当なものでなく、法外で過大な価額であり、すなわち、支出に別の目的と意味が存在した場合は、契約そのものが異常で不正であり、収支報告書に虚偽が記載されたことになる。ブルージャパンに特別な利益を供与するために支出したことになり、「広報業務」の名目は隠れ蓑で、報告書の記載内容は国民を欺いたペテンになる。政党助成金を使って別目的(寄附)でブルージャパンに資金を流したことになる。


ブルージャパン疑惑の違法性 - 収支報告書虚偽記載と業務上背任_c0315619_15092974.pngこれと類似した疑惑が、価額の大きさを逆にしたケースで発覚したのが、安倍晋三の桜を見る会の前夜祭パーティをめぐる問題であり、ホテルニューオータニの見積明細が問われた収支報告書虚偽記載の件である。この件では、宴会の単価と費用はもっと多額だったのではないかという嫌疑がかけられ、また、公費を使って選挙区の有権者に利益提供した買収事件ではないかと追及され紛糾した。状況証拠から判断すれば、安倍晋三事務所の報告書虚偽記載は明らかであり、ニューオータニと腹合わせした悪質な犯罪であることは疑いない。

こちらは、収支報告書の金額が実際よりも小さすぎる虚偽記載である。ブルージャパンの方は、実際よりも金額が大きすぎる虚偽記載である。あのとき、安倍晋三側は、あの単価でもホテルの宴会で出す料理として原価的に十分可能で、妥当で合理的な値段だと強引に言い張った。今回問われるのもブルージャパンの提供物の中身で、納品したコンテンツとサービスが金額と合致するかというシンプルな問題である。合致せず、著しく不合理であった場合は、収支報告書の記載は虚偽となる。


ブルージャパン疑惑の違法性 - 収支報告書虚偽記載と業務上背任_c0315619_15240006.pngそしてまた、その場合は執行部の業務上背任が問われるところとなる。組織の資金を管理する者が、自己の利益のため任務に背く行為をし、組織に財産上の損害を与えた場合、特別背任の責任が問われ処罰される。特別背任罪は企業や役所や各種法人の幹部が対象で、法律の条文が揃っている。政党の幹部がこの規定で捕捉される実定法はない。だが、特別背任の類型と要件から鑑みれば、法律論として、政党幹部も適用の例外になる理由はないだろう。

ブルージャパンに業務委託して提出・納品を受けたアウトプットが、仮に3000万円相当の市場価値であれば、3000万円の価額で契約すべきであって、3億円で発注してはならない。その不当な購買と支出を繰り返すことは、幹部として政党組織に財産上の損害を与える行為である。違法であることは明白だ。枝野幸男と福山哲郎の執行部は、17年から20年にかけて9億1800万円を広報活動の委託業務経費として支払っている。数字を一瞥すると、毎年3億5000万円程度が支出されていることが分かり、支出と契約は定常的で固定的なものだったことが分かる。


ブルージャパン疑惑の違法性 - 収支報告書虚偽記載と業務上背任_c0315619_15170464.pngオフィスの所在も不明な、公式HPもない、世間の誰も知らない小さな広告会社に、この莫大な金銭が定常的に支出されたことは、執行部とこの会社がズブズブの関係であることを示唆している。政治倫理綱領に戻り、政治資金規正法に戻ったとき、何のためにこの綱領があり、この法律があるかというと、いま疑惑されているような不正を排除するために他ならない。国民の税金たる政党助成金が正しく使われるためである。12日の西村智奈美の会見では、ブルージャパンとの取引に特に不正はなく何も問題ないという認識だったが、その釈明に納得する国民は少ないだろう。

所在不明な会社であるという事実が最初から疑惑を投げかけている。設立したばかりで何の実績もない広告会社に、なぜ博報堂と同額の発注をしたのかも不自然である。前回も書いたとおり、政治倫理綱領の倫理は特に野党に強く求められるものだ。権力を利用して不正や汚職を行うのは、通常、政府与党の側であり、それを追及するのが野党だからであり、要するに、野党はいわば警察や検察の役割を担うからだ。警察や検察が倫理不全で不正にまみれていたらその任務は負えない。


ブルージャパン疑惑の違法性 - 収支報告書虚偽記載と業務上背任_c0315619_15143990.pngそれと、いつもながらの風景だと感じ憂鬱になるのは、大衆市民たるネット雀が、道義的責任と法的責任を自ら切り分けて政治家の責任を放免する常套句に染まり、自縄自縛と武装解除に陥っている点である。この言説は政治家や権力者が大衆を騙すトリックであり、法的責任の追及から逃れる狡猾で佞悪な方便である。道義的責任はあるが法的責任はないと言い、法律解釈を詭弁で捏ね回して巧妙に法的責任の在処を消す。日本で一般的に定着した責任逃れの方法だが、社会の倫理が全面的に崩壊した現在、この詐術が当然化・常識化してしまい、詐術が詐術でなくなっている。

道義的責任の意味が不明で砂漠化しているから、この二元論を言った途端に責任は風化し消滅する。けれども、法律には必ずそれを支える倫理がある。倫理と法律はセットである。倫理が外化したものが法律で、規範が外側にシステム化されたものが法律だ。政治資金規正法も、それ以外の刑事諸法も、取り締まるべき悪が措定されており、立法目的がある。われわれは、詭弁を捏ねて悪を免責し救済するのではなく、その逆に、立法目的に沿って正しく悪を捕捉し断罪しなくてはいけない。法律は市民社会のためにある。政治家を守るためにあるのではない。


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by yoniumuhibi | 2022-01-13 23:30 | Comments(0)


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