人気ブログランキング | 話題のタグを見る

実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言

実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_13145802.png『戦争のつくりかた』という絵本があった。たしかサンデーモーニングでも紹介された記憶がある。2004年に出版され、大きな反響を呼び、2014年に新装版が出ていて、帯文をアーサー・ビナードが書いている。この本が話題になったのは第2次安倍政権の前半の頃で、特定秘密保護法の成立(13年)、集団的自衛権の解釈変更(14年)が強行され、それに対して反対の声が高まった時期のように記憶している。2013年にはアーサー・ビナードがサンデーモーニングに出演していて、誰よりも優れた正論のコメントを発していた。諸行無常。番組はすっかり変貌した。今では反中プロパガンダ機関の急先鋒で、週に一回、休日の国民に中国憎悪を刷り込んで教育している。戦争をつくっている。反戦平和の番組が戦争扇動の番組に変わった。本のアニメが制作されて7分間の動画でネットに上がっているのでご覧いただきたい。そして、絵本の紹介をテレビで見ていた頃のご自身と、現在のご自身とを比較されたい。変化はないだろうか。絵本の主張に今も全面的に賛同できる立場だろうか。



実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_13181775.png絵本は「戦争のつくりかた」の一般論を述べている。為政者が戦争を始める過程の真実を要点化して説明し、それへの自覚と警戒とを促している。紹介されたとき、誰もがこのとおりだと思って啓蒙のメッセージに頷いただろう。今、「戦争のつくりかた」はリアルに目の前で実践されている。戦争する相手は中国である。ところが、10年前には一般論の反戦平和の啓示に呼応していた人々が、現在は全く無関心となり、戦争の兆候を感知して危機感を発信・共有し合う市民たるをやめている。戦争に積極的で協力的な国民に変身している。戦争を忌避する意識よりも中国を憎悪する感情の方が大きくなり、戦争を阻止することよりも、悪魔たる中国を破滅させる利益や喜悦の方に興味が向いてしまっている。サンデーモーニングに出演するコメンテーター自身が、そのように態度と言説を変えている。関口宏と橋谷能理子が豹変している。『戦争のつくりかた』を真面目に読み直せば、その真実に気づくはずだ。本来、今こそ反戦平和の正念場なのに、それを訴える熱量がなく、それを唱える9条的主体がいない。


実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_13235318.png昨日(7日)、「北京五輪のボイコットに反対する」とツイートを試みたが、反響や共鳴は全くなかった。同じ主張のブログ記事も先週上げ、反戦平和の論陣を張ったつもりだったが、誰からも見向きされない。ボイコットに反対する者が皆無なので、一人だけでも声を上げようと思い、「テロとの戦争」にたった一人米議会で反対したバーバラ・リーの勇気と矜持を見倣うことにした。見回したところ、北京五輪ボイコットに反対の意思を表明しているのは鳩山由紀夫だけだ。他の左翼リベラルの著名文化人は沈黙して座視している。事実上、ボイコットを肯定している。北京五輪ボイコット問題は、中国との戦争に向かう時流に抗する上で一つの重要な平和戦線の要衝のはずだ。当然、9条にコミットする者はここでボイコット反対の旗幟を鮮明にし、隊列を組んで果敢に闘争を展開する必要がある。岸田政権の中の、中国にも顔を立てようとする現実主義の契機を応援しないといけない。よしんばボイコット決定の結末に逢着したとしても、反対意見の勢力を可視的に作り、ある程度の抵抗はしたという政治の結果を残さないといけない。


実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_13334452.png誰も北京五輪ボイコットに反対する者がいない現実を確認して、予想はしていたものの脱力の気分になる。秘密保護法(13年)から安保法制(15年)にかけて、官邸前や国会前には「9条守れ」とか「戦争する国反対」とかのプラカードを掲げた左翼リベラルのデモ隊の姿があり、多くの写真がネット上に残っている。この者たちは、ツイッターでも毎日のように戦争反対と9条護憲の主張を発信、相互にRTして拡散する政治運動を精力的に行っていた。なぜ、今、沈黙するのだろう。なぜ、鳩山由紀夫と無名の私だけが孤立無援でか細く反対の声を上げているのだろう。台湾有事と自衛隊の参戦に向けて国家が疾走しているときに、不思議でならない。国会前でデモをしていた者たちは今も生きている。だが、彼らの関心が変わった。イシューとインタレストが変わった。人間が変わった。司令塔である日本共産党の変節と旋回に導かれて、彼らの主義主眼は反戦平和ではなくなっている。ジェンダー、マイノリティ、LGBT、脱炭素、多様性の価値観と目的に変わり、女性と外国人の権利が最優先に上がり、香港・ウィグルの自由化が焦眉の課題に置き換わっている。


実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14204899.png大江健三郎が、何かの機会の発言で、おそらくキューバ危機前後の冷戦の真っ只中だったと思うが、核ミサイルが頭上に降り落ちるかもしれないという現実環境の中で文学をするということができるだろうかと、そう問題提起したことがある。そう本質を論じて主体形成し、反核と平和の実践運動に立つ頼もしい知識人となった。少年期に戦争を体験し、青年期に厳しい冷戦に遭遇した者の、率直な実存的観想の言葉だろう。今、大江健三郎が直面したのと同じ現実が目の前に出現している。昨日(7日)のプライムニュースでの安倍晋三の発言を聞いた者は多いと思うが、中国との開戦に勢いよく米日の為政者が滑り出している。台湾で緊張が高まって米軍が出動する局面になれば、それは政府が重要事態宣言を発して自衛隊を(日米同盟軍の後詰めとして)派遣するときであり、そこで米軍が攻撃を受ければ、ただちにそれは存立危機事態の発生となり、集団的自衛権が行使されるのだと言った。明確に断言した。ずいぶんあけすけにべらべら喋った。おそらく、これが来年の政府の国会答弁の下敷きになるのだろう。台湾有事への安保法制適用の青写真であり、法的正当化の姿である。


実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14311038.png安倍晋三の「台湾有事=日本有事」の扇動、北京五輪の外交ボイコットの発動、民主主義サミットの開催。轟音を響かせて一連の反中攻勢のカレンダーが続く。佐藤正久によれば、年内に自民党と台湾民進党との間で2プラス2の会合を開く予定だと言う。いわゆる「武漢ウイルス」の疑惑拡散も再燃させている。その都度、中国がヒステリックな言葉で反発し、それが日本国内で増幅され、対立と憎悪のスパイラルが怒濤の勢いで拡大する。年が明ければ、クアッド首脳会議の東京開催があり、台湾を入れたポストTPPの新経済圏構想のローンチがある。2月4日の北京五輪開催日まで、これでもかと反中十字軍の作戦予定が組まれ、挑発の威力偵察のプログラムが配置されている。日本国内では、経済安保法制の骨格が固まって議論の段階となり、併せて、維新と国民民主の枢軸を主力とした改憲論議のトラックが回る進行となるだろう。経済安保法制とは戦前の国家総動員法に該当するもので、企業に戦争協力を強い、公安外事の末端たる監視任務を負わせる法制である。さらに、年後半には「敵基地攻撃能力」として沖縄への中距離■ミサイルの配備計画が具体化するだろう。


ここまで来たら、中国との戦争以外の何が先にあるのだろうか。おそらく、市ヶ谷の高級幕僚たちの中で、2、3年以内の戦争突入を想定してない者はいないだろう。今は毎日が机上演習の連続で、極秘の作戦計画をアップデートしている最中に違いない。真珠湾攻撃の前の大本営統帥部と同じだ。戦闘機零戦の存在も軍機で国民は知らなかったと言うから、現在の市ヶ谷にもそれに相応する兵器開発が蓄積配備されているかもしれない。国産の■弾頭ミサイルもその一つである可能性がある。補正予算での7700億円の軍事費計上は異常で、大量の機雷を購入するためだそうだ。台湾有事、対中戦争に備えて海上軍事力の増強を急いだ事情が察知できる。待ったなしの状況になってきた。


実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14315824.png
実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14315047.png
実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14322391.png
実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14323207.png
実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14324010.png
実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14324764.png
実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14331421.png
実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14332353.png
実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14333193.png
実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14333991.png
実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_14334820.png

by yoniumuhibi | 2021-12-08 23:30 | Comments(3)
Commented by 成田 at 2021-12-09 08:22 x
まさに御高説の通りです。膝を打ちました。
平和の祭典である北京五輪にボイコットなんてあり得ないです。モスクワ五輪ボイコットを思い出します。中国の方々が心血を注いで準備した大会に対する冒涜ですし、それはまさに戦争への道です。
新疆ウイグルやチベットに巨大な強制収容所があるだの、民族浄化してるだの、そんなのアメリカもネイティブ・アメリカンにやってきたことです。
中国は反政府的な組織や人には厳しい国です。それは中国の政治なので、他国が口出しするのは内政干渉です。
右翼の台湾有事の際の出兵も全く説得力がないです。一つの中国が世界的なコンセンサスを得ているわけです。
戦争をしたいネオリベやら軍事企業があり、そいつらの息が安倍にかかっているとみて間違いないです。

Commented by 不来庵 at 2021-12-09 19:20 x
ボイコットは悪手、政治とスポーツは別と誰かしら送るべき。西側の非難には“対話を断ち切ってはいけない”“かつて戦端をひらき国交を結び直して50年。日本の事情がある”と開き直る。中国は東京五輪に貸しを作った。日本の参加表明はその貸しを返すにあまりある。
Commented by みきまりや at 2021-12-10 20:22 x
 郷里に夫の実家があり、夫婦でときどき帰っていました。その時は夫の友人夫婦と料理屋の二階で食事を共にしたのでしたが、友人夫妻が友達の人を連れてきていて、妻に先立たれた人でお金持ちとのこと、食事は楽しく進んでいたのですが、「妻も居なくなり、二人の息子はどちらも結婚しない。自分は孫には縁のない人生だ、戦争でも起こらんだろうか、面白いのに」と発言し、私も友人の妻もびっくり「そんなことは言わないでください。この齢になったら、自分の子も人の子も皆可愛いじゃないですか!」と力説でしたが、分かってくれた様子ではなかった…。そのことを、ある掲示板で戦争がテーマになった時書き込んだのですが、突然、それまで会ったこともないようなバッシング人が現れ、私の人格を丁寧に破壊してしてゆきながら、読む者を恐怖させるようなプロバッシングを始め「私は読みませんから」と書き込むと「あなたは必ず読む」と書いてきて、異様な文章が続き、私はパソコンを閉じ、二度とその掲示板には行かなかったことがあります。後で気づいたのですが、安倍晋三にも子供がいないですね。子供の居ない夫婦の人親戚にもいますが、優しいですよ。戦争を面白いとは言わないです。
 あの時のプロバッシング屋は、安倍晋三氏には子供が居ないから、気楽に戦争を面白がると私に書かれたと思い込み、攻撃開始だったのかなと、考えたりです。今も覚えている異様な体験でした。


メールと過去ログ

最新のコメント

25年前には、 こんな..
by 前期高齢者 at 18:19
恐れていたことが現実に近..
by 愛読者 at 11:41
重ねて失礼します。 ア..
by コスモス at 21:25
今年くらいからか高等学校..
by コスモス at 21:12
吹田市では18歳と22歳..
by 伊豆うさぎ at 12:23
結局はアメリカのやりたい..
by 庵 at 20:00
 デニソワの捏造報道によ..
by 桃太郎 at 10:34
核心を突く分析,腑に落ち..
by Columbites at 18:29
ロシアのウクライナ侵攻を..
by 人情味。 at 17:43
仰る通りです。 ここま..
by 原因と結果の法則 at 09:13

Twitter

以前の記事

2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月

記事ランキング