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ジェンダー・多様性の争点への民意 - なぜ野党の女性候補はこれほど少ないのか

ジェンダー・多様性の争点への民意 - なぜ野党の女性候補はこれほど少ないのか_c0315619_15433607.png今回の選挙結果の特徴の一つとして、ジェンダーやLGBTなど多様性の問題を前面に掲げた政党の敗北が挙げられている。具体的には立憲民主党と共産党だ。二党は今回の選挙でこの問題を争点に据え、自民党との差別化を図り、自らの先進性と優越性を積極的に訴える戦略に出ていた。共産党が訴えた四つの柱の一つが「ジェンダー平等の実現」であり、志位和夫がテレビに出る度に必ずこの論点が強調された。立憲民主党の枝野幸男も同様で、最初に総選挙に向けた政策アピールのフリップを抱えて登場したとき、そこで提示されたのは - 入管問題とかLGBTとか - まさに多様性に関わる政策カタログであり、この点こそが自民党と立憲民主党を分ける決定的なポイントであると訴求していた。リベラル野党は、この問題がクローズアップされ、選挙の争点になることで、確実に票にプラス効果があると想定したのだろう。そう考えるのも無理はない。マスコミは、選挙期間中もずっと多様性(≒SDGs)のキャンペーンを張り続け、多様性主義を国民に刷り込む思想工作に注力していた。



ジェンダー・多様性の争点への民意 - なぜ野党の女性候補はこれほど少ないのか_c0315619_15344517.pngだが、投票結果は野党の思惑とは裏腹に、多様性政策に対して消極的な自民党の勝利となった。ジェンダー、マイノリティ、LGBT、、の多様性政策にコミットする有権者は、この民意に大いに意外で不満だろう。私の感想はそうではない。日本の国民の多数はこの方面にコンサバであり、上からの多様性主義の怒濤の洗脳教育に十分納得しておらず、なお慎重な意識を保持しているように見受けられる。性や家族のあり方をめぐる価値観において、表面的にはその「正論」の意義を認めながら、本音ではなお保守的で懐疑的な態度のままなのであり、一票を投じて社会制度を変革するまでの必要を感じてないのだろう。おそらく、それは60代以上の高齢女性層も同じで、決してジェンダー主義の論理と思潮に心から賛同してはいない。むしろ齟齬と違和感を感じ、躊躇を覚えているはずだ。ジェンダー主義の理念を肯定したなら、専業主婦として人生を築いてきた高齢女性たちは、自らの存在を否定されることになる。この四半世紀の日本を直視し、豊かさから貧しさへ墜ちて行った過程を鑑みるとき、マチュアな世代は今の先鋭で過激な「新常識」には頷けない。


ジェンダー・多様性の争点への民意 - なぜ野党の女性候補はこれほど少ないのか_c0315619_15323819.png年代別にどの政策を最も重視したかという出口調査結果を日テレが出している。それによると、「ジェンダー平等の推進」と答えた割合は10代で最も高く、20代も高く、年齢が高くなるほど重視されない。なぜこのような結果になるか、理由は簡単で、学校教育で毎日洗脳されているからである。この帯グラフの意味は実は深刻で、10代20代が格差・貧困問題について知識と関心を持っておらず、平和問題についても無頓着である事実が示唆されている。高校や大学の教室で、毎日毎日ジェンダー主義の説教を受けていて、頭の中がジェンダーとLGBTに染まり、格差貧困の矛盾(彼ら自身の深刻な人生の問題であるはずの)には目が向いてない。上野千鶴子や小熊英二の子分たちの社会学の教義が詰め込まれ、その知識で関心が出来上がっている。彼らは、文科省の指導要領どおりの思考回路で社会や政治を判断するため、「ジェンダー平等の推進」が争点だと答えるのである。けれども、滑稽なことに、彼らは投票には行かない。「ジェンダー平等」が第一だと口では言いながら、投票には行かない。真剣に政策の意義を感じてないからだ。単なる洗脳の結果が回答されているだけだ。


ジェンダー・多様性の争点への民意 - なぜ野党の女性候補はこれほど少ないのか_c0315619_15330419.png今回、驚かされたのは、衆院選の立候補者の女性比率が低い事実だった。立憲民主党は18.3%。共産党は35.4%。ジェンダーを争点にして公約で打ち出す二党は、もっとずっと多く女性を並べ、半分は女性候補にするだろうと予想していた。そうすることで世間から注目を集め、華やかな絵で評判を取る作戦に出ると考えていた。豈図らんや、その図は出現しなかった。なぜこんなに比率が低くなったのだろう。理由は、女性候補を並べたくても人材がいないからだ。有能な女性候補を多く発掘し、候補者リストにずらり並べれば、それだけでその政党の選挙の形勢は前提的に有利になる。マスコミが密着報道し、積極的に評価し、背中を後押ししてくれるからである。多様性主義の旗を振っているマスコミのお眼鏡に適い、多様性をエバンジェリズムするマスコミの採点で優等生になれるからだ。だから、どの政党も必死で女性候補探しをやり、一人でも多く女性候補を揃えようと懸命だっただろう。だが、その結果が、立憲民主党18.3%なのだ。人材を掘り出せないのである。政党は精力的に公募をかけているけれど、期待するような適材が手を挙げて来ないのだ。どういう真相と事情なのか。


ジェンダー・多様性の争点への民意 - なぜ野党の女性候補はこれほど少ないのか_c0315619_15331765.png推論を述べよう。格差社会が大きく影響している。中産階級がぶ厚く健全に実在した嘗ての時代は、こうした払底の事態にはならなかった。政党が国政選挙で候補を並べるとなると、責任政党を自負して政権交代を狙う立憲民主党などは、どうしても、ピカピカの華麗な肩書きを持った若い人材をリストアップする。米国大学留学とか、霞ヶ関や大手金融外資とか、弁護士とか大学教授とか、見栄えのいい金の卵を探し、世間体のいいプロフィールが載せられる人材を絞り込む選考作業になる。選挙は世俗の大衆から票を集めるお祭りイベントだから、肩書きのピカピカ度や写真のルックスは重要な要素だ。畢竟、それは上級の若い人材の選抜ということになる。ところが、現在、そういう条件で若い女性候補を探そうとすると、山口真由のような浮薄な右翼ネオリベ範疇しかスクィーズされない。この範疇は、豊田真由子のように自民党の候補となる予備軍である。格差に反対する左派政党にコミットする思想信条の持ち主ではない。彼女たちは、自民党の登竜門の前で待機しているのだけれど、そこは非常に狭き門で競争がきわめて激しく厳しい。東大・財務省で女優並みの美貌でも容易にお鉢が回って来ない。


ジェンダー・多様性の争点への民意 - なぜ野党の女性候補はこれほど少ないのか_c0315619_15332969.pngなぜなら、自民党の議席は世襲貴族の現職が占めて充満しているからである。各県各選挙区の地盤毎に代々の血縁門閥が恰も封建社会的に盤踞し、山口真由的な上級エリートキャラでも入り込む隙間がない。格差社会がここまで進むと、立憲民主党は若い女性候補のリクルートとハイアリングに苦労するのではないか。と、その実務の困難さを勝手に想像する。ピカピカ系の上級エリートは政策思想の面で折り合わない。だが、その下を探すと、候補者としての社会的地位と経歴の一般水準(学歴・職歴・資格・結婚など)を満足させる適当な人材が見つからないのだ。その部分が怪しくなったり、保守マスコミに粗探しされて不具合になりそうな、つまりは身体検査不合格の範疇に行き当たるのである。不具合になる傾向や蓋然性は、男性よりも女性の方がやはり高くなりがちだろう。女性の方が非正規が多く、若い女性の方が社会の矛盾と弊害を多く引き受けさせられているのだから。若い女性に分配が薄いから、地位や立場を築いて経歴を装飾するに至ることが難しく、識見や能力を磨いて実力を養うことが難しい。格差社会が鉄板のように構造的に固まり、野党側に供給されるべき若い女性人材の育成が阻害されている。


ジェンダー・多様性の争点への民意 - なぜ野党の女性候補はこれほど少ないのか_c0315619_15435998.pngここで具体的なケースを出すと、例えば、ネットの有名人であるきっことか異邦人とかは、本来なら、とっくに国会に席を得て活躍していてもよさそうな才能である。ジェンダーが血相変えて言われ、何より優先する価値として煩く言われている今の時代なら、二人ともすぐに政党にハイアーされてよさそうな類型だ。なぜ匿名のまま、ネット世界で止まった異才のままなのだろう。その点を考えると、上で試論として挙げた、政党が候補者選定の要件としている伝統的で常識的な基準内容(無難できれいな毛並みと肩書き)と何らか抵触しているのではないかという憶測に行き着く。アメリカでは、NYでバーテンダーをしていたオカシオコルテスが颯爽と下院議員になった。今や米国政治を動かす重要な指導者の一人である。もし、野党が人材発掘で悩んでいるのなら、現在までの選定方法や公募方式を棚上げして、ネットの中から候補をピックアップすることを勧めたい。その理由は、ネットの言論はその人物の能力とセンスが最もよく分かる材料だからである。どれだけ弁論が鋭いか、どれだけ優秀で確かな知識を有しているか一発で分かる世界だからだ。ネットでの認知度や実績度は、米国留学とかのピカピカ経歴と十分に匹敵する与件だろう。


落選したら、またネット言論に戻ればいい。ネットと選挙(政党・国会)を往復し、力をさらにつければいい。本格的な政治指導者に成長すればいい。政党には、女性候補をネットからスカウトする手法とその定着を提案したい。公募によるセレクトの手間とコストが省ける。実力主義で透明に選出でき、縁故や情実を排することができる。
 


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by yoniumuhibi | 2021-11-11 23:30 | Comments(2)
Commented by いい時代を再生してよドラえもん at 2021-11-12 21:50 x
LGBTの方々に全く偏見はありませんし、彼らの生き方は
尊重されるべきだと思います。そのうえで、やはり
異性愛のカップルと同様に彼らも安定して暮らしに豊かさを感じられるお給料があればこそ、大切な相手と長く暮らせると確信します。低賃金で働いてもらう社会を継続するために少数派への擁護を出汁に利用するのでは、当事者からも「そりゃ違えだろ!」と怒られますね。

中国から始まった共同富裕の理念が、バイデンさんを良い意味で刺激し、そこに岸田さんが微弱ながら感じ取ったとしたら、ストレートの方もゲイの方も暮らしに困らない経済、社会を一日も早く作っていただきたいです。

1954年当時は高根の花だったテレビが、10年後には一般家庭で一家4人を養うことができて、東京五輪を自宅でテレビで見れた、奥さんは主婦で良かったし、子供も平和をちゃんと教えてくれる温かい先生に学べた。あの時代をもう一回!ほんとう頼むよ。
Commented by ほしの at 2021-11-13 14:05 x
女性候補といえば、茨城6区。自民党の女性候補(この人は医師)が日当5000円でサクラという話は領収書も出ています。加えて、この人はワクチン接種事業にも自ら「私にもワクチン接種やらせてよ」と押し掛けのような形で強力に応募して割り込んできて、お年寄りに「私は〇〇〇〇よ、よろしくね」と声をかけながら問診をしていたとか。
茨城6区はつくばで比較的高学歴層が多いところなので気になっていたのですが、すごい候補がいるものです。
この人も医系技官出身らしいですが、大坪寛子といい、変なのしかいないのかと言いたくなりますよ。


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