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ひなた在宅クリニックが往診した55歳の男性はなぜ入院できなかったのか

ひなた在宅クリニックが往診した55歳の男性はなぜ入院できなかったのか_c0315619_14492915.pngひなた在宅クリニックの医師が往診していた、55歳のコロナ男性患者が死亡した事件に衝撃が広がった。23日の報ステと24日のモーニングショーで報道され、24日は一日中この話題でツイッター空間が騒然とした。男性は糖尿病の基礎疾患を持っていて、自宅でインスリンの注射を打っていた。20日に往診したときの映像では、血中酸素飽和度が89で脈拍数が147。玉川徹の話では、脈拍数が1分間に147というのは、100メートルを全力疾走した後の数値だと言う。20日夕方、一度は入院先が決まって救急車に入ったところ、途中で病院側から受け入れを断る連絡が入り、八方手を尽くしながらどこも搬送先がなく、結局、自宅に戻るしかなくなった。翌21日に別の病院に入ったが、23日に男性は死亡する。遺族の許可があり、テレ朝の迫真の報道となった。23日、小池百合子と田村憲久が、コロナの病床体制を拡充する対策について二人で会見し、カメラの前で小池百合子がヘラヘラ笑う場面があった。最近の小池百合子は絶好調で、庶民が自宅で苦しんで死ぬ中、まるでコロナ禍を愉しんでいるように見える。 



ひなた在宅クリニックが往診した55歳の男性はなぜ入院できなかったのか_c0315619_14494928.png病院名等の具体的な情報はないが、この男性が翌21日に搬送されたのは、いわゆる看取り入院だと思われる。看取り入院なら病院はOKを出すのだと、ひなた在宅クリニック山王の田代和馬が21日放送のTBS報道特集で証言していた。すぐ死ぬ患者は入院を受け入れる。死亡診断するだけで、病床がすぐ空くから。治療して延命できる患者は受け入れない。病床を長い期間塞ぐから。それが今のコロナ医療の厳しい現実である。死ぬことが確実な患者を受け入れるのは、そうすることで、自宅療養中死亡者の事実発生を防ぐことができ、マスコミに発表する必要がなくて済み、行政の責任を逃れられるからである。自宅療養中死亡者のカウントを減らせるからであり、国と自治体の姑息で卑劣なエクスキューズ処理の行政措置だ。この55歳の男性が、もし20日中に当該病院に運び込まれていたなら、最終結果はどうあれ、何日間か懸命の治療が続けられていたに違いない。あの意識の具合からすれば、20日中に入院して人工呼吸器を装着し、ICUで治療していればおそらく助かっていただろう。


ひなた在宅クリニックが往診した55歳の男性はなぜ入院できなかったのか_c0315619_15021427.pngここで思い出されるのは、8月20日に開かれた都のモニタリング会議での猪口正孝の発言で、マスコミの前で都の重症病床の現状をこう述べている。「すでに重症患者の増加により、ICU等の人工呼吸器やエクモが使用できる病床が不足し始めており、事態はより深刻になってきております」。この発言をテレビで聞いて、怪訝に感じたのは私だけではないだろう。今は重症病床が「不足し始めた」段階なのだ。完全に塞がって満杯になった状態ではないのだ。猪口正孝は東京都医師会副会長の立場であり、都のコロナ病床を把握統括する専門家の任にある。性格的にも尾身茂のようなタヌキではなく、腹芸で立ち回る政治家には見えない。数字を細工してウソの報告をする男ではないだろう。その猪口正孝が、重症病床は「不足し始めた」段階だと言明している。表現的には、まだ若干の余裕があると解釈できる説明だ。NHKの資料を見ると、8月18日時点で、重症対応病床数1207に対して重症者数1077となっていて、89%が埋まっている。逼迫が極まっているけれど、それでも130床の空きがある。


ひなた在宅クリニックが往診した55歳の男性はなぜ入院できなかったのか_c0315619_14515460.pngこの感染爆発の局面にあって、重症病床に130床も空きがあるのは東京都だけであり、さすがに東京都の医療体制のキャパの大きさを思い知らされる。他自治体とは規模と水準が違う。猪口正孝の判断の楽観的トーンも、このキャパとベースが根拠になっているものと推測される。しかし、であれば、なぜあの55歳の男性は入院できなかったのだろう。8月18日時点で、東京都の全体のコロナ入院者数は3779で、病床数は6406、病床占有率は59%となっている。あの55歳の男性も、18日の時点では重症ではなく中等症だった。自宅療養に置かれて訪問医師の往診で対応するのではなく、病院に入っていれば、数週間の治療で助かっていたはずだ。現在、東京都には自宅療養と入院調整中が合わせて3万5000人いる。医療体制はオーバーフローしている。当然、入院できずに自宅で重症化し重篤になり死亡する者も出てくる。だが、それでもなぜか病床には空きがあり、誰かが特別に選別されて待機なく貴重な病床に割り込んでいるのだ。都の重症病床全体の1207床に入れる「権利」を持った者と、そこに入れない者の二つに分けられている。それが真実だ。


ひなた在宅クリニックが往診した55歳の男性はなぜ入院できなかったのか_c0315619_14522388.pngひなた在宅クリニックの映像を見ていて、一つの共通点に気づく。どの患者も、家族も、いわゆる富裕層ではないという事実だ。先週(8/15-21)一週間は、ひなた在宅クリニックの田代和馬がマスコミ報道の主役だった。沖縄の母親が上京した39歳の男性のケースは、NHKも、テレ朝(報ステ)も、TBSも横一列で報道した記憶がある。先週の報ステは、自宅療養患者の実態報道に熱心で、小さな子どもがいる都内の3人家族全員が感染し、父親が重症化した過酷な現場を取材した。21日のTBS報道特集は、ひなた在宅クリニックの映像だったが、一人暮らしの80代の男性が冷酷に切り捨てられる始終を放送した。おそらく、あの患者はもう生きていない。最期の1日だけどこかに看取り入院となって、静かに息を引き取ったに違いない。あの80代の孤独な男性は、自宅療養中死亡者にカウントされてないはずだ。いずれにせよ、登場するすべての患者が、粗末で質素なアパートやマンション暮らしであり、生活感が漂っていて、見ていて切ない気分にさせられた。臨海部の豪奢なタワマンとか、敷地の広い一戸建てとかの住人が登場しないのが、今回の訪問ドクターが往診する自宅療養中コロナ患者の特徴だ。


ひなた在宅クリニックが往診した55歳の男性はなぜ入院できなかったのか_c0315619_15030648.pngコロナの地雷原は誰でも踏む可能性がある。誰でも感染し発症し重症化する恐れがある。保健所に電話しても自宅療養を指示され、そのまま放置され、病院で入院治療してもらえる幸運は得られないだろう。カネ(資産)とコネ(人脈)のない庶民は、パルスオキシメーターを指に挟んで自宅で苦悶する運命にならざるを得ない。あの55歳の男性のように、それなりに働いて健康保険料を払い、日本の保健医療制度を支えてきたつもりだけれど、病床の恩恵を蒙る立場には到底なれそうにない。もしも地雷原を踏む不運な一人になり、症状が悪化して訪問ドクターの往診観察を受ける身になったときは、私も時々刻々の撮影を了解し、死んだときに録画を報道の材料にしてもらおうと思う。生きた証を残し、みんなに見てもらいたい。昨夜(24日)、菅義偉が官邸で会見し、「自宅療養者への体制作り」をすると述べた。それを聞いてピンと来た。「自宅療養者への体制作り」をするとは、ひなた在宅クリニックのような告発をテレビの電波に載せない態勢を固めるという意味だ。テレビ局のネジを巻くという意味だ。24日夜の報ステには、田代和馬のレポートはなかった。25日朝のモーニングショーにも。おそらく、今後オンエアは絶えて無いだろう。


報道から消されるだろう。マスコミ報道に出なければ、それは存在しないのと同じだ。世間の怒りが沸き起こることもなく、世論調査の内閣支持率に悪影響を及ぼすこともない。
 


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by yoniumuhibi | 2021-08-25 23:30 | Comments(3)
Commented by ああ 人の声 とにかく人の声 at 2021-08-26 18:22 x
憲法改定に触れなければ、弱者切り捨てをしても
国民からは決定的な怒りを買うことはないだろうという
ある種の甘えを小池百合子さんからは感じますね。

橋本龍太郎さんの2年半の政策は新自由主義であったにも
関わらず、小泉さんと比べてもそこまで批判されていないことに着目した可能性はあります。

友人の一人は調布市から岡山市へ移住しました。これ以上感染の危機に脅えたくない、との理由からでした。

菅さん、あなたに声が届きますように。
Commented by コスモス at 2021-08-26 23:14 x
疫病神、菅がワクチンワクチンと言いだしてからは、こりゃだめだと思っていた。貴SNSで書かれたように、いずれ日本もイスラエルやアメリカの後を追う。
そして疫病神、菅による無策の末の自然免疫路線って、ブラジルのボルソナロ大統領が一時言っていて頓挫したのと同じではないか。自然免疫路線をとるということは、日本には公衆衛生学が存在しないと言うことになる。戦犯の尾身、岡部、押谷(最近隠れている)、この3人がやっている学問というのは何をやっているのか。

プーチン大統領が、ワクチンを打っていないからといって解雇してはならない、と言っておられる。ロシアの方がアメリカよりはるかに「自由」で「自己決定権」がある。
札幌の保健所が調査して、透析患者はコロナにかかると死亡率が高い、透析患者にはワクチンは非常に効果があるということだった。すぐれた調査研究である。持病がある方と、希望者だけワクチンを接種すればよかったのではないか?疫病神菅によってひたすら接種率をあげてきたここ半年の間、副反応で1000人以上の方が亡くなられた。
モデルナは異常があったことをきちんと報告するだけ良心的で、ファイザーだって極端に出来が悪いロットが存在するようだ。厚労省の副反応に関するデータを見ると、特定ロットの死亡率が高いことがわかる。
Commented by アン at 2021-08-27 14:44 x
自衛隊機3機に政府専用機まで飛ばしたが、日本大使館員は全員英軍機で退出済、日本に協力したアフガニスタン人はパキスタンまでくれば本人だけ乗せてあげる、そんな話をSNSで見た。対象者がいなくて、自衛隊機はからのまま帰ってくるのかもしれない。
韓国は、韓国に協力したアフガニスタン人を家族含めて仁川まですでに連れて行って、いわゆる難民ではなく、特別な国民として迎え入れるのだという。
横浜市長選で負けた後、急遽23日月曜日に派遣を決めたのだし、まるで準備もできていなくて、そもそも救出の意思もなく、ただアフガニスタンまで飛ばせばそれでよかったのではないか?菅のやることなど、そんなものだ。

横浜市民は、菅は横浜で負けたら横浜には絶対にワクチンを送らない、そういう嫌がらせをするやつだと言っていた。絶対に自分からはやめない、とも言っていた。


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