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平和攻勢のカウンター戦略を - 中国外交への提案(尖閣、中印国境、南シナ海)

平和攻勢のカウンター戦略を - 中国外交への提案(尖閣、中印国境、南シナ海)_c0315619_15061921.png易経に曰く。窮すれば変ず、変ずれば通ず、通ずれば久し。今のままでは中国は国際社会から排除され、孤立化させられ、日米同盟との戦争に引き摺り込まれる。アメリカは戦略に長けた国であり、今回の対中冷戦戦略は非常に精密で、エクセレントで、有効で、スピードも速く、アメリカの長所がよく出ている。中国がこの計謀と破滅の罠から脱出するためには、中国が自ら戦略を持ち、平和攻勢のカウンターをかけて国際政治の主導権を握り、米国が構築する包囲網を切り崩す必要がある。現状の中国の米国への反論や抵抗は、単に強がりを言っているだけにしか聞こえず、国内向けのアピールの意味しかない。客観的に国際社会で支持を調達できていない。中国に必要なのは「窮則変、変則通」の柔軟な発想と態度であり、国際社会に対してパースエイシブな外交戦略の立案である。アメリカを上回るエクセレンスと剛毅な胆力が必要だ。ここで言う国際社会とは、まずもって東南アジアの国々であり、中東や東欧や中南米の国々のことに他ならない。具体論を述べよう。



平和攻勢のカウンター戦略を - 中国外交への提案(尖閣、中印国境、南シナ海)_c0315619_15053954.pngまず日本との関係。尖閣については、現在行っている公船の領海侵入活動を止めることだ。これは意味がない。この活動が始まったのは、12年の尖閣国有化を契機とするもので、中国側の目的は日本の尖閣の実効支配を切り崩すところにあった。時間をかけて実効支配のバランスを崩し、中国側の実効支配の既成事実を作り、増やし、いずれは完全な領土支配を実現しようとする思惑だ。だが、これは意味がない。現状、尖閣への中国公船侵入は日本側に日米同盟強化の口実を与えているだけで、中国に対する日本国民の憎悪感情をつのらせ、日米同盟への支持と依存を強める結果にしか導いていない。無意味で迷惑で不愉快な嫌がらせであり、日本国民を中国との戦争に駆り立てる一方だ。尖閣問題の解決について、12年以前の原状に戻すことを中国側が目標にするなら、それは日本の尖閣の実効支配を認めた立場に即くことであるのだから、したがって、あくまで話し合いでの解決姿勢を示すことが必要かつ妥当で、公船侵入という挑発的で物理的な示威行動は不要である。逆効果になって関係悪化をエスカレートさせているだけだ。


平和攻勢のカウンター戦略を - 中国外交への提案(尖閣、中印国境、南シナ海)_c0315619_15054951.png中国からすれば、紛争の原因を先に作ったのが日本側だから(棚上げ否定、石原慎太郎と野田佳彦の国有化)という理由で、公船侵入の実力行使を正当化してきたわけだが、もうその論理や立場は意味がない。8年の間に状況は変わり、日米同盟と中国との戦争前夜の情勢となった。尖閣は台湾有事の添え物のような位置づけになった。尖閣は日中の二国間の外交問題ではなく、アメリカが日本を台湾有事に引き込むための道具の存在になっている。日中二国間外交の懸案事項ではなく、東アジア大戦争の焦眉の要衝となった。アメリカがここまで軍事的に尖閣に関与してきた以上、中国は日本を相手に尖閣の領土主張の牽制活動などしていても意味がない。中国は方針を変えるべきで、従来の路線を棄てるべきである。尖閣についての領土主張は、台湾と一緒になって歴史認識の分野を主に行うべきで、その方が効果がある。人文アカデミーを主役にして、台湾とタッグを組み、日本の言論世界を説得する方法に切り換えるべきで、中国・台湾 vs 日本という多対一の構図を作るのが適当だ。公船派遣を中止あるいは漸次的に縮小し、その理由は敢えて説明する必要はない。領土主張は維持し、日本には交渉と妥協を求めよ。


平和攻勢のカウンター戦略を - 中国外交への提案(尖閣、中印国境、南シナ海)_c0315619_15102831.png次に中印の領土問題。これは重要だ。これこそが肝だ。昨年6月、カシミールのラダックで双方の軍事衝突があり、インド軍側に20人の死者が出たと報道されている。この紛争での45年ぶりの死者発生。また、今年2月には西部のシッキムの国境地帯でも衝突が起き、両軍に負傷者が出ている。詳しい事情や経緯はよく分からない。が、この中印軍事衝突の結果、インドはクアッド(日米豪印戦略対話)の枠組に正式に参加、中国包囲網の有力な一翼を形成する進行となり、3月に初の四か国首脳会談を開催するに至った。中国の国際的孤立化がいちだんと鮮明になり、中国をイデオロギー攻撃するアメリカの「正義」が有効に響く環境となった。日本とアメリカが唱える「自由で開かれたインド太平洋」のフレーズは、インドが対中包囲網に加わったことで現実的意味を帯び、モメンタムを作り出してアジア全域に説得力を及ぼす趨勢となっている。それまではインドは中国と一緒にBRICSの連合体を運営し、OECD諸国とは一線を画する態度をとっていた。あくまで独立中立の新興国の雄の立場だった。昨年、BRICS首脳会議は開かれず、今年も未定のままになっている。中印軍事衝突の影響はきわめて重大だろう。


平和攻勢のカウンター戦略を - 中国外交への提案(尖閣、中印国境、南シナ海)_c0315619_15454008.png昨年、香港問題と中印衝突の二つによって、中国は国際的な立場と威信を大いに損ね失う事態となった。コロナ防疫面での得点を相殺して余りある。中国外交の決定的失敗だ。中印国境紛争にCIAがどのように工作しているのかは知らない。が、もし絡んでいるとすれば、これは大きな「お手柄」だろう。中国は中印関係を元の原状に回復する必要がある。雨降って地固まる(不打不相識)で、これを契機に逆に一気に中印の領土問題を解決することを提案したい。その外交の手本にできるのは、ロシアとの国境問題で採ったシンプルな解決方法である。紛争地の面積を等分に分割して合意すること。この決断によって中ロは長年の(そして長大な)国境問題を解決し、現在の蜜月関係の前提を作った。ロシアとの国境問題が未解決なままだったら、今の中国の国際的地位はなかっただろう。英知であれば模倣すればよい。インドは大国だ。米国と「競争」して覇を競う宿命を考えたとき、インドとの関係は絶対に壊せない。インドにはどこまでも譲歩すればよく、インドに譲歩して中国に損はない。アメリカとの「競争」を中国が制するためには、インドをアメリカの陣営に置いてはいけない。インドが中立に戻ればクアッドは空中分解する。決断せよ。


平和攻勢のカウンター戦略を - 中国外交への提案(尖閣、中印国境、南シナ海)_c0315619_15460834.png三つ目の提案は南シナ海問題。何をなすべきかと言うと、フィリピンとベトナムとそれぞれ二国間協議し、紛争島嶼についてやはり大幅に妥協して合意することだ。具体的な詳細は言わない。原則、全面譲歩でいいだろう。重要なのは、フィリピンおよびベトナムと領海区域を合意することであり、この地域にアメリカが口出ししないようにすることだ。南シナ海を「関係国で相互に信頼し合った友好の海」にすることである。フィリピンとバイ、ベトナムとバイで協議をし、領海線を合意した地図を確定すること、その上で、フィリピン・ベトナム・マレーシア・ブルネイ・シンガポール・インドネシアの6か国と合議体を作り、16年の国際司法裁判所の判決と認定に即したところの南シナ海の国際ルールを決めて行けばよい。このプラットフォームを基礎にして、ゆくゆくは、パラオやミクロネシア連邦やナウルが加入する大きな構想へ繋げる展望を開けばよいだろう。南シナ海の島嶼でフィリピンやベトナムを相手に揉め事を起こし、暴力で威嚇するのは馬鹿げたことだ。くだらない。無意味きわまる。フィリピンの大統領にドゥテルテが就いている今が中国にとってチャンスであり、ここをCIAにカラー革命で転覆されたら中国はさらに窮地に追い込まれる。


平和攻勢のカウンター戦略を - 中国外交への提案(尖閣、中印国境、南シナ海)_c0315619_15462246.pngフィリピンとベトナムに譲歩して、二国間協議を梃子にして問題解決すべし。譲歩すれば個別の領土問題は解決する。アメリカとの「競争」は譲歩しても解決しない。アメリカは覇権国の地位を守るために中国打倒を進めるのであり、台湾有事という名の米中戦争も戦略に組み入れている。アメリカは中国に対して妥協しない。「競争」相手である中国を、ソ連のように潰し、日本のように属国にすべく猛進撃するのみである。アメリカには中国と平和共存しようという意思はなく、徹底的に悪魔化した共産主義中国を崩壊させる狙いしかない。戦争の腹を固めたアメリカに宥和政策は通用しない。中国が潰されないようにするためには、譲歩を軸とした平和戦略で反転攻勢に出るしかなく、周辺国との領土紛争を収め、世界で過熱する反中世論を鎮めた上でアメリカと対峙するしかない。上に提案した三つを素早く実現させれば、国際政治で優位な立場を取り戻し、主導権を握ることができるだろう。「自由で開かれたインド太平洋」戦略を無力化し、クアッドを頓挫させ、中国包囲網を突破することができるだろう。香港・台湾・ウィグルについて何をなすべきかは次稿で検討するが、香港・台湾・ウィグルの問題解決のためにも、先にインドと、そしてフィリピン・ベトナムとの友好関係が確立される必要がある。

この提案は、中国が決断すれば単独で可能なことだ。簡単なことだ。迅速に動くべし。



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by yoniumuhibi | 2021-04-27 23:30 | Comments(3)
Commented by つばめ at 2021-04-28 15:43 x
中国はインドに人工呼吸器を送っています。アメリカも欧州もインドに支援を申し出ています。
ワクチンはインドに優先的に送られるとも聞きました。
Commented by アン at 2021-04-30 11:45 x
アメリカについての危惧を貴SNSで拝読しましたが、それでもアメリカは問題を解決しようと試みるだけ日本よりマシです。
日本は、菅が「やってる感」を映像で流して総選挙に臨むことしか考えていません。自衛隊にワクチン接種会場設置させるとぶちまけて、役所は大混乱。実務を自衛隊にやらせるそうですが、ワクチン接種なんてそのへんの暇な開業医にやらせればいいことで、自衛隊の医官は自衛隊病院でコロナ重症患者の治療にあたらせるべきでしょう。いずれ関東だって、今の大阪のようになります。阪大病院はついにICU30床すべてコロナ対応となりました。
阪大病院院長は「大阪府がいう『中等症の病院でも診れるじゃないか』というのは、そんなに簡単にはいかない。どうしても大学病院のベッドを差し出さないと救えない人がいる。でも、大学病院でコロナ病床を増やすには、ほかの医療を切り捨てるしかなくて、僕らはそれを順番に天秤にかけてやっている」
和歌山は仁坂知事に野尻医監が対応していますが、大阪は知事と行政職の医療福祉部部長が決めたことを、現場におろしてきて、医官が口を挟めないようですね。
実務に興味がなく今井に丸投げだった安倍の方がマシで、菅は無能なくせに自分で全部やりたがり、見当はずれなことを次々に決めているので困ります。
もとはといえば、吉村が冬に飲食店の時短を決めて実行していました。菅はこれを利用して、「大阪は時短で成果を出している。小池は何もやっていない」とぶちまけました。これが基調となり、飲食店の時短がコロナ対策のメインになってしまいました。
さらに菅は吉村をけしかけて、緊急事態宣言の解除要請をさせました。菅はとにかく緊急事態宣言をはやく解除したかったからです。大阪が今のようになったのの戦犯は、菅と吉村です。
Commented by コスモス at 2021-04-30 20:52 x
ファイザーが日本に輸出したワクチンの本数と、日本国内の在庫数が合わない、3000万本くらい誤差があると騒ぎになっている。騒いでいるのはかなり良識派の人たちなので、これは大問題になるかもしれない。
二階がマスクしないで国会に来ていたが、あいつらはもうワクチンを打ったのではないか?
河野太郎はファイザーが嘘を言っていると言い放ち、ファイザーは静かに激怒しているようだ。


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先ほどの投稿に連投になっ..
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ファイザーCEOは、菅に..
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>>菅首相はファイザー社..
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バイデン大統領はいま家族..
by jun at 08:17

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