グレアム・アリソン『米中戦争前夜』 - 米ソ冷戦時代への郷愁と強引な戦略構図化


中国を抑制してアメリカの経済的利益を守るためには、アメリカには経済戦争をする覚悟が必要であるように、中国のような現実および潜在の敵に信憑性のある抑止力をかけるには、常に核戦争を選択肢に入れておく必要がある(P.280)。
MAD(相互確証破壊)の制約下では、どちらの国も核戦争に勝つことができない。しかし逆説的なことに、どちらも、負けるリスクを冒してでも、いざとなったら核戦争をする気があるという意思を示す必要がある。さもなければ、競争から脱落するだけだ。(略)したがって重大な国益と価値観を守るためには、その指導者が破滅のリスクを冒す覚悟が必要だ(P.179)。
MAD(相互確証破壊)の制約下では、どちらの国も核戦争に勝つことができない。しかし逆説的なことに、どちらも、負けるリスクを冒してでも、いざとなったら核戦争をする気があるという意思を示す必要がある。さもなければ、競争から脱落するだけだ。(略)したがって重大な国益と価値観を守るためには、その指導者が破滅のリスクを冒す覚悟が必要だ(P.179)。



中国を分断し現体制を混乱させる戦略として、チベットと台湾の独立も支持してはどうか。そんなことをすれば、中国が暴力的な反応を示すのは間違いない。しかしこの選択肢を排除すれば、独立運動を支持するアメリカの伝統をないがしろにし、みずからの影響力を排除することになる(P.199)。
アメリカは冷戦時代、ソ連政府とそのイデオロギー的基盤に打撃を与える工作を、公然とあるいは極秘で行ったではないか。現代の政策当局者たちはこの手法を大いに活用して、中国で政変が起きるよう促すことができる。(略)冷戦中に東ヨーロッパ諸国やソ連でやったように、中国の反体制グループを支援・奨励してもいい。(略)極端な選択肢としては、米軍が分離独立勢力を密かに訓練し支援する、という選択肢もある。(略)中国国内を分裂させ政府を国内の安定維持に忙殺させれば、対外的にアメリカの優位に挑戦するのを抑止するか、少なくとも大幅に遅らせられるかもしれない(P.300)。

次回の稿で批判を書く。






by yoniumuhibi
| 2021-02-01 23:30
|
Comments(1)

自民党の3人が党本部のエレベーターホールみたいなとこで記者の質問に答えていたが、廊下に立たされてるこどもみたいでうけました。
公明党の山口さん、貴殿も以前に書かれていたが、今回も仕事が的確。(今回は幹部候補生の処分、神奈川6区に誰も立てないという決断だから、山口さん一人の仕事ではないだろうけど)
朝、議員辞職と報じさせて、流れを作った。菅がgotoで緩めまくった空気を、goto開始前くらいの水準に戻す、そういう社会への波及効果もあるだろう。策略家、軍の大将として、能力を感じる。コロナ特措法に結局賛成した立憲とはえらい違いだ。
銀座3議員は、奈良の人は無所属で出ても当選して自民党に復党しそうだ。大阪の人もいるが、大阪自民にとっては、府議会の議席も貴重だから簡単に府議会議員を鞍替えさせるわけにもいかない。秋までには選挙があるし、この時点で離党ってのは結構大変のようですね。
公明党の山口さん、貴殿も以前に書かれていたが、今回も仕事が的確。(今回は幹部候補生の処分、神奈川6区に誰も立てないという決断だから、山口さん一人の仕事ではないだろうけど)
朝、議員辞職と報じさせて、流れを作った。菅がgotoで緩めまくった空気を、goto開始前くらいの水準に戻す、そういう社会への波及効果もあるだろう。策略家、軍の大将として、能力を感じる。コロナ特措法に結局賛成した立憲とはえらい違いだ。
銀座3議員は、奈良の人は無所属で出ても当選して自民党に復党しそうだ。大阪の人もいるが、大阪自民にとっては、府議会の議席も貴重だから簡単に府議会議員を鞍替えさせるわけにもいかない。秋までには選挙があるし、この時点で離党ってのは結構大変のようですね。
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