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緊急事態宣言へのバックラッシュ - 医療者の立場を代弁しない寺嶋毅の世論工作

緊急事態宣言へのバックラッシュ - 医療者の立場を代弁しない寺嶋毅の世論工作_c0315619_13495886.png緊急事態宣言を求める声がトーンダウンしている。23日の中川俊男の会見では、「政府が今緊急事態宣言を出したとしても、第一波の時のような効果は期待できないかもしれない」と言い、政府に対して強い措置を要求するのではなく、国民に向かってより強い緊張感を持つことを要請した。この態度とメッセージは政府や小池百合子と同じ方向性のものである。感染拡大阻止の問題解決の責任と義務を国民の側に向けている。21日の会見では、中川俊男は「国が先頭に立って移動制限や、行動制限を政策として掲げていかなければ、ダメではないかと私は思っている」と言い、政府を批判して政府に対策を求める姿勢を示していたが、その主張を後退させてしまった。今は、すべてが一丸となって菅義偉と小池百合子に緊急事態宣言の発出を要求し、世論を押し出し、政府に決断を迫っていかなくてはならない局面なのだが、その急先鋒に立つべき中川俊夫が腰砕けになった感がある。政府側からの切り崩し攻勢が凄まじく、医師会に脅迫と圧力がかかっているのだろう。



緊急事態宣言へのバックラッシュ - 医療者の立場を代弁しない寺嶋毅の世論工作_c0315619_13501623.png緊急事態宣言を出しても効果が薄いという言説は、ここに来て急にマスコミで台頭し浸透していて、その筆頭格の論者が寺嶋毅だ。松本哲哉と並んで、最近のテレビで最も露出度の多い「解説者」である。24日のモーニングショーでも、緊急事態宣言を出しても街の人出は減らないと断言し、政策発動としての緊急事態宣言の意義を否定していた。この男はどうやら政治的に右翼の立場の可能性があり、「中立の専門家」を偽装して政府側が意図する世論工作を請け負っている印象が強い。政府に批判的だった岡田晴恵の出番が減り、代わって寺嶋毅と松本哲哉が出ずっぱりの図になったが、その「人事異動」によって、マスコミ言論空間から社会に発されるコロナへの危機感と緊張感が薄れ、焦眉喫緊の対策を政府に求める世論が形成されにくくなっている。寺嶋毅によって政府批判の勢いが阻害され、緊急事態宣言を求める国民世論の奔流が屈折させられている。病棟で重症高齢者を看ている看護師たちは、脳天気で政府寄りに偏向し、現場感覚から乖離した寺嶋毅の発言をどう感じているだろうか。


緊急事態宣言へのバックラッシュ - 医療者の立場を代弁しない寺嶋毅の世論工作_c0315619_13503918.pngたしかに、4月と同じ緊急事態宣言を出しても、若者が街に流れる動きを止めることは難しいだろう。その指摘は一理ある。第一波のときと異なり、ウィルスは弱毒化して致死率が減少し、とりわけ若年層は重症化しにくいという事実が明確になっているからだ。その経験則が一般了解として定着し、若年層のコロナへの警戒感を薄れさせ、無頓着な街歩きを制止できなくなっている。けれども、だからと言って、緊急事態宣言は効果が疑問だなどと、この局面で医師の寺嶋毅が評論家的な言辞をテレビで垂れてよいのだろうか。あまりに無責任でかつ反動的なコメントではないか。医師である以上、現場でコロナ患者を診ている医師や看護師の代弁をしなくてはならないはずで、医療を崩壊から守る責任を負ってテレビに出演しているはずだ。現場の悲鳴と要求をストレートに伝えているのは、日本病院協会会長の相澤孝夫と東京都医師会会長の尾崎治夫である。医師の身分で「感染症専門家」としてテレビで「解説」している者が、相澤孝夫や尾崎治夫と声を一つに合わせられないのはどうしてだろうか。


緊急事態宣言へのバックラッシュ - 医療者の立場を代弁しない寺嶋毅の世論工作_c0315619_13505638.png前回、乃木坂46起用やテレビ公共事業の提案を挙げたのは、すなわち、経験則を通じての若年層のコロナ恐怖感の希薄化という問題に対して、何か有効な手だてはないかを考えた試論である。最早、恐がらせるだけでは若年層中年層は動かない。行動変容を媒介する威力にならない。緊急事態宣言の発動には、それに付随して、若年層中年層を足止めさせるためのプラスアルファのインセンティブが要る。プロモーションの策が要る。ということで、何かないかと知恵をひねった。このような形で、政府が本腰を入れたプレゼントを公共事業で与えないと、20代ー50代の行動変容は政策的に実現できないのではないか。一部に、若者はテレビを見ないから効果は出ないという意見もあるかもしれないが、それは俗説であり、一面的な見方である。例えば、テレ朝のミュージックステーションなどは年寄りには無縁な番組だ。TBSドラマの『半沢直樹』も、視聴者の中心層は20代-50代であって高齢者ではなかろう。若年層のテレビ離れは、魅力的なコンテンツがないからそうなっているだけであって、コンテンツが揃えばテレビ人気は回復する。


緊急事態宣言へのバックラッシュ - 医療者の立場を代弁しない寺嶋毅の世論工作_c0315619_13554570.png政府と小池百合子とマスコミによるバックラッシュが吹き荒れ、年内の緊急事態宣言は可能性が見えなくなった。無論、コロナは政局に忖度しないのであり、どれほど政治的なバックラッシュが効を奏しても、自然科学現象であるウィルスの伝播には影響を及ぼさない。年末年始の巷は、実際には阿鼻叫喚の修羅場になるだろう。急病や怪我で119番に電話しても、簡単に救急車を手配してもらえなかったり、仮に出動しても受け入れ先の病院がなく、長時間たらい回しにされ、最後は自宅に帰される地獄になるかもしれない。コロナを発病しても、ホテル療養が難しいどころか、PCR検査もしてもらえず自宅待機が続く惨事になるかもしれない。否、おそらく、現在NHKで告知しているところの、各自治体の電話相談センターなるものは、何度電話しても繋がらず話し中という、第1波のときと同じ医療途絶状態になるのではないか。高熱と肺炎で自宅で苦しむコロナ患者が、おそらく大量に出るだろう。患者が隔離されないから家庭内感染はさらに広がる。一週間後に訪れるこの事態は、誰もが想像するところであり、回避できると楽観する者は少ないだろう。


緊急事態宣言へのバックラッシュ - 医療者の立場を代弁しない寺嶋毅の世論工作_c0315619_14144155.png仮にそうなったとき、果たしてテレビは報道するだろうか。いま心配なのは、年末年始の検査が十分に行われるかであり、感染者が正しく捕捉され、感染者数が正しく発表されるかという点である。年末年始を口実に検査を手抜きするのではないか。それに応じてマスコミも報道を怠慢するのではないか。国民の不安と関心はコロナにあり、感染状況の正確な情報発信を求めているのに、テレビは恒例のお笑いルーティンで埋め、お笑いタレントと振り袖の局アナが悪ふざけしてはしゃぎ回る正月番組を垂れ流すのではないか。コロナで地獄と化した巷には目もくれず、新年を祝賀する浮薄で騒々しい空間に塗り固めるのではないかと危惧される。菅義偉と小池百合子は、その方向へ持って行こうと目論んでいるだろう。検査数を絞っての陽性者数を出して、新規感染者の増加ペースは落ち着いているなどと言い出しそうだ。危機感がなく、また保守的イデオロギーに洗脳された若年層は、そうした政府と小池百合子とマスコミの策謀に加担し、医師会の悲鳴と警鐘は杞憂だったなどと言うかもしれない。マスコミが報道しなければ、事実は隠蔽され捨象される。


緊急事態宣言へのバックラッシュ - 医療者の立場を代弁しない寺嶋毅の世論工作_c0315619_14174795.png政府と小池百合子は何を考えているのだろう。尾身茂は何を考えているのだろう。一週間後(大晦日)の感染状況と医療現場をどう予測しているのだろう。年末年始の期間に一時的に飲食店への出足が減り、会社通勤の移動と接触が止まり、その影響で感染が鈍るとか減るとかの推移はあるだろう。その数字の変化は、年明けの1月4日から15日までの間は確認されるかもしれない。だが、会社仕事が始まり、経済活動が動き出し、GoToイートが促進剤となる飲食店利用が再開され、GoToトラベルが解禁されれば、1月後半から再び感染は拡大する。第4波の山が隆起する。おそらく第3波を越える規模と勢いが予想され、そのときは確実に緊急事態宣言の幕となるだろう。仮に特措法改正をスピード可決して罰則規定で対処したとしても、それで感染者を止めることができるかどうかは不明だ。検査や医療のキャパという面からも、第4波は想像を超えた死屍累々となるに違いない。国家の危機管理を司る権力者たちが、何を考え、1月2月をどう乗りきろうと思惑しているのか、まったく読めない。コロナ禍の非常時と極限事態を利用して何かを始める計画なのだろうか。

ひたすら不気味で、不吉で、年明けからの世界の破局を予感して胸騒ぎの気分がつのる。
 


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by yoniumuhibi | 2020-12-24 23:30 | Comments(4)
Commented by 豆助 at 2020-12-25 21:56 x
ロンドンで研究室を構えていらっしゃる小野昌弘博士(京大のご出身)が、変異株についてツイッターで情報をどんどんアップデートして下さっています。小野博士のもとに日本のメディアからの取材要請もあるようですが、時間がない、ツイッターで直接流すとのこと。専門的内容ですが、ひとつおもしろかったのは、東京五輪を無観客でやるかもというニュースについて、もし東京五輪をやったら、世界各地の変異株が集まって、変異株の中で「最強」のものが世界各地に広まるきっかけになるだろう、というブラックユーモア。ウイルスの変異株については、東大の河岡先生もご指摘をされておられた。
ウイルスは変異し、情勢は悪化しますが、日本はこの動きに社会、経済、教育が全く対応できていない。菅じゃ無理。無理だから引っ込んでてくれればまだいいが、でしゃばって余計に悪くする。
経済が大事、そんなの当たり前。でもコロナ禍だからどう経済を回すかを考えなきゃけないのに、gotoにこだわる。大学院レベルの最先端の学問で対応しなきゃいけないのに、四則演算しかできない無能が「俺だって算数は出来る」とでしゃばって、めちゃくちゃにしましたね。
Commented by 豆助 at 2020-12-25 22:53 x
前述小野博士によれば、変異種の実効再生産数を考えれば、学校閉鎖までの厳しいロックダウンが望まれるとのこと。
当然、今後は国内で既存のコロナが変異種に取って代わられて、さらに別の国から別の変異種も入ってきて一番強い変異種が制圧する。
年明けの日本は暗澹たることになるだろう。特措法などの議論をしている暇はない。
日本の人って、本当に科学的に考えない。緊急事態宣言が出ていた頃は、必死にコロナ防衛していたのに、今はこどもを普通に学校に行かせて、こども同士で街に遊びに行っている。必死に受験数学は身に着けるが、科学的思考ができない。貴殿はウイルスは忖度しないと言っておられるが、科学的思考皆無の菅ではそもそも対処ができるはずがない。
Commented by すずしろ at 2020-12-26 22:52 x
今年のエリザベス女王のクリスマス・メッセージはとてもよかった。メッセージの内容に合わせたいろいろな動画や画像が、様々なエスニック、宗教的な背景の多様性を意識して構成されていて、どんな人も大事にしているということが伝わった。そして、ソーシャルディスタンスをとった医療関係者によるクリスマスソングは、キャンドルと歌声がが美しく、長引くロックダウンに不満のひつつも言いたくなる気持ちをグッとこらえて彼らに何よりも感謝しなくちゃという気持ちにさせてくれる。日本にも国民の心に届く言葉が欲しいとつくづく思った。BBCのQueen's Christmas message 2020をご覧ください。
Commented by すずしろ at 2020-12-26 22:55 x
Queen's Christmas Message 2020はこちらです。https://www.bbc.com/news/av/uk-55447416


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