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トランプを逮捕・収監せよ – アメリカの分断と人種差別を科学的に解決する方法

トランプを逮捕・収監せよ – アメリカの分断と人種差別を科学的に解決する方法_c0315619_14052839.pngデーブ・スペクターが8日のテレビ番組の中で、「7000万人近くがトランプに入れた。トランプ支持者を軽く見ない方がいい。彼らの中にある潜在的な不満とか、求めていることや価値観が違うということは受け止める必要がある」と発言している。私はこの意見に同感する立場で、真剣に検討するべき問題提起だと考える。トランプ支持者の白人層に対して安易に人種差別主義のレッテルを貼って不当視し、無意味な存在として切り捨てるのではなく、価値判断自由を旨とするウェーバー的な態度と方法をもって、彼らのアイデンティティ・ポリティックスの内実を科学的に分析し、それを発展的に止揚する合理的な政策を措くべきだと思う。そして、それが可能だと思う。ただし、それは、トランプ主義者と化したトランプ支持者に忖度するとか、妥協的に寄り添って宥和的に接するということを意味しない。勇気をもって対峙し、科学的な課題解決に挑戦し、外科手術の方法でトランプ主義のイデオロギーと基礎過程(土台)の条件を解体するということである。



トランプを逮捕・収監せよ – アメリカの分断と人種差別を科学的に解決する方法_c0315619_13293119.pngブルーステートとレッドステートの二つの国の分断と対立という構図は、記憶を辿ればずっと前から、ジョン・ケリーと現職のジョージ・ブッシュが争った2004年の大統領選のときから言われていたことだった。カナダと合併させたブルーステートを United States of Canada と呼び、レッドステートを JesusLand と呼んで地図を色塗りした風刺画が出回って本質を照射していた。当時、レッドステート(ブッシュ共和党)の反動政治に耐えられなくなったリベラルの市民層が、続々とカナダ国籍を取得して脱出、移住するという動きも起きていた。レッドステートの人間類型は、無知で粗野で頑迷で、視野狭窄で無作法でバッドセンスで、反知性的で自己中心的なイメージだったが、16年の間にそれがさらに過激で強固な保守色を増し、トランプをシンボルにして政治結集する狂気の群衆の様相を呈している。あの当時は、人種差別や移民排除の言論はまだタブーで、キッチントークの範疇に収まっていたけれど、「英雄」トランプが出現してパンドラの箱の蓋が開けられ、米国人の内面を拘束する倫理秩序が破壊されて野蛮全開の世界と化した。


トランプを逮捕・収監せよ – アメリカの分断と人種差別を科学的に解決する方法_c0315619_13291619.pngこの4年間にトランプが排除され追放されなかったことは、私には異常な出来事だと映る。軍人も、重鎮政治家も、影響力のあるはずの者が誰もトランプを排除できなかった。脱税あるいは不正経理は、4年前のときから言われていた疑惑で、トランプが何やら大量の書類を積み上げて並べ、これが「潔白の証拠」だと茶番劇を演じていた場面を思い出す。程度の低い日本とは違って、高度な民主主義と市民社会が達成されているはずの米国で、誰もその後を追及することができなかった。セクハラも酷かった。どうして被害者女性の告発が生きず、揉み消しにされ、泣き寝入りさせられ、何事もなかったかの如く済まされるのか。制度的にも通念的にも最先端のジェンダー主義の環境が整っているはずの米国で、あの酷い性犯罪醜聞が司法的に見逃しされ、被害者の名誉と人権が蹂躙されるのか、全くもって理解不能だった。ある日、天木さんと喫茶店で話していて、あんなことやったら、日本だったら首相は即クビですよと言っていたのを覚えている。そのとおりだ。ジェンダー主義が途上国の日本でも即失脚なのに、なぜ米国では容認されるのか。


トランプを逮捕・収監せよ – アメリカの分断と人種差別を科学的に解決する方法_c0315619_13302431.png他にもいろいろ不道理はあるが、いちばん理解できなかったのは、移民政策に抗議したイルハン・オマルやオカシオコルテスら4人の女性議員に対して、「国へ帰れ」というツイートを発した事件の問題だ。これは、米国のルールとコモンセンスにおいて絶対に許されない人種差別の罪業で、やった人間は徹底糾弾されて社会的地位を奪われる窮極の舌禍のはずだった。トランプは「米国が嫌いなら国を出て行っても構わない。彼女らは間違いなく社会主義者だ」と公然と侮辱し、議会からの追及も特に受けず、大規模デモもなく、泰然自若のままだった。結局、トランプと米国は、世界が見守る中でこの驚愕の蛮行を既成事実化した。批難と呵責を受けないものにした。日本で、安倍晋三や菅義偉が、例えば、政権の政策を批判する蓮舫や白眞勲に対して、「日本が嫌いなら国を出て行っても構わない」と、匿名右翼がネットに書き込む卑劣な暴言を言い放ったらどうなるだろうか。只では済まない。米国で、いわゆるポリティカル・コレクトネスなるものが、いかに表面的な言説であり、内面の倫理に碇づけられないテクニカル・タームのコードであるかを思い知らされた瞬間だった。


トランプを逮捕・収監せよ – アメリカの分断と人種差別を科学的に解決する方法_c0315619_13414315.png人種差別の悪に真に対抗する術は、勇気を出して臆せず正義を敢行することである。犠牲を伴っても、悪を悪として断罪し、正義を正義として明確にすることだ。トランプを逮捕し牢獄に入れる権力行使を、アメリカは選択し遂行するべきである。罪状ならばいくらでも数え上げることができるし、大統領の座から滑り落ちた今は、証拠を調べて押さえることも十分可能だろう。再検証の作業を始めるべきだ。司法を科学的に適用し活用することによって、アメリカの譲れない規範を取り戻し、アメリカが苦労して積み上げてきた倫理の中身と水準を回復保全することである。肌の色によって人を差別しないという合衆国の国家の鉄則を、アメリカ人の大義を、神聖な社会契約を、ここで確定し、遍く知らしめ、レッドステートの住人にも教育啓蒙し、得心させ、確信させ、アメリカ人の信念として再定置させることだ。そのためには悪を処罰する必要がある。悪のシンボルであるトランプを捕縛・断罪し、トランプ主義を根底から否定しなければならない。それが、社会科学的・政策科学的に最も合理的な方法であり、また、人類が理性の生きものとして進歩してきた道程(系統発生)の復習(個体発生)である。


トランプを逮捕・収監せよ – アメリカの分断と人種差別を科学的に解決する方法_c0315619_13541280.png果断な刑事法的な対処。それが問題解決の一つの方法である。だが、それだけでは足りない。多様性主義が最も先進的であるアメリカで、ここまで人種差別の悪弊が氾濫し充満した原因は、一にも二にも格差社会の現実があり、グローバル資本主義の構造と矛盾があることに尽きる。トランプはそこに巧く目を付けて、ヒトラーの如く利用した。レッドステートの白人層が迷い込んで陥っている人種差別や移民排斥の意識づけは、本来、心理学で言うところの代償行為に他ならない。すなわち、新自由主義のストリームが地域社会を襲い覆って衰退させ、産業と仕事が失われ、人々の定職定収と暮らしが奪われた結果、昔からの住民に不満が鬱積し、それが新参弱者への八つ当たりや逆恨みとして表出したところの、歪んだ観念や感情こそが正体である。そのことは、以前から指摘されている社会科学的説明であり、右であれ左であれ、報道や論壇でこの認識に異論を差し挟む者はいない。英国のEU離脱の国民投票の問題も、考察し解説する視座と論理は同じだった。08年にヒラリー・クリントンが大統領予備選に出馬したとき、彼女が掲げた政策スローガンが「中産階級の再建」だったこと、われわれは忘れてはいない。


トランプを逮捕・収監せよ – アメリカの分断と人種差別を科学的に解決する方法_c0315619_13585325.png新自由主義の政策と構造の弊害が、中産階級を二つに分解し、勝ち組と負け組に分け、貧富の差が甚だしい格差社会に変え、人々の生活だけでなく精神をも荒廃に導き、理性を劣化させることは、すでに言われ続けてきたことだ。それに対して、中産階級再建というテーゼを米民主党が掲げて問題解決に乗り出し、ヒラリーは口先だけだったが、サンダースが本気の潮流を作った事実も、われわれはあらためて確認し、その方向性の正しさを納得する必要がある。すなわち、レッドステートの人種差別と移民排斥の悪弊をなくすためには、中産階級再建の公共政策が断固として打ち出されなければならず、新自由主義のグリードな資本蓄積に規制が効果的にかけられなくてはならない。富裕層資本家と金融IT大資本に課税強化がされ(Tax The Rich)、徴収した富を社会保障の原資にして国民皆保険制度を敷き、学資ローンの免除と公立大学の授業料免除を実現しなければならない。要するに、社会民主主義的な諸政策が障害なく行われる必要がある。そのことによって、低所得者層と中間層の負担を減らし、家計にゆとりと蓄えを与え、中産階級の再生復活を進めることだ。左派の政策の採用と妥協なき実施である。


(1)法の正義を実現して悪のシンボルを誅滅すること、(2)左派の経済政策によって中産階級と地域コミュニティに再生の活路を開くこと、この二つの方法によってアメリカの人種差別問題は克服することができるはずだ。科学的に外科手術せよ。本来、人種の違いを認め合い、むしろ積極的に他人種・異民族の混合と共棲を称揚し、それを社会の発展の槓桿として位置づけ、その成功を自慢してきたのはアメリカである。外科手術によってトランプ主義の岩盤は解体される。もともと、開拓民の子孫である白人層というのは、シンプルで率直で善良な人々である。道徳の重要さを知る人々だ。外科手術で治って健全に戻るだろう。


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by yoniumuhibi | 2020-11-09 23:30 | Comments(0)


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