加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 - 侵略戦争の歴史認識の欠如





前回の記事で、加藤陽子の説明にはイデオロギーの歴史認識に問題があると書いた。具体的に気になった個所を挙げよう。第4章に汪兆銘についての記述がある。こんなことを書いている。



その本文は奈辺にあるかというと、戦後日本の知的指導者である丸山真男の学問と思想になるだろう。丸山真男は1947年の『科学としての政治学』の中で、戦前の政治史の中には政治学が拾い上げて範疇化する意味のあるものは何も無かったと切り捨て、戦前と戦後の断絶を説き、戦前日本のリセットを言い、拒絶と止揚を学者たちに呼びかけた。しかるに、今の御厨貴だの北岡伸一だの三谷太一郎だの板野潤治だのは何なのだろうか。断絶も何もなく、緊張感なく、戦前日本と現代日本は一続きの延長上に肯定的に捉えられ、同じ政府と国民がずっと続いているかの如く概念処理している。戦前にはまともな政党政治があり、二大政党制がよく機能していたという言い草だ。昭和は遠くなりにけり。溜息をつくばかりだ。










by yoniumuhibi
| 2020-10-14 23:30
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Comments(4)

私は、日中戦争は笠原十九司、日本軍は吉田裕、天皇は山田朗、慰安婦は吉見義明、朝鮮侵略は中塚明を選ぶので、加藤さんの本(1冊読んだ記憶はある)を今後も読む事はないと思いますが、加藤さんが任命されないとなると、後任は百田しかいないのでは? 加藤さんのWIKIを見ると東大の師匠が伊藤隆でしょ。「つくる会」だもの。
以前内海愛子さんのBC級戦犯の勉強会に行った時、さぞかし右翼やネトウヨからの嫌がらせが酷いのだろうと思って伺ったら、「あの人達は全然問題ないけど、同業者が酷くて」と言われていたのが印象的でした。
ちょっと逸れますが、坂本義和〜藤原帰一〜三浦瑠麗という師弟関係ってある意味戦後日本を象徴する系譜だと。坂本義和の平和への強い意志が藤原帰一を経由すると三浦瑠麗になるという。坂本さんは年齢的に戦場体験はないが香港(だったと思う)での日本兵による現地住民に対する日常的な虐待を目撃している。残念ながら伝言ゲームなら真逆の答えになり、三代目が家を潰すの諺通りになってるのが今の日本でしょう。鍵を握る藤原帰一と私は同じ年。反中国感情や戦争被害者ナショナリズムしか生なかった私達の世代の責任は大きいと痛感しています。
以前内海愛子さんのBC級戦犯の勉強会に行った時、さぞかし右翼やネトウヨからの嫌がらせが酷いのだろうと思って伺ったら、「あの人達は全然問題ないけど、同業者が酷くて」と言われていたのが印象的でした。
ちょっと逸れますが、坂本義和〜藤原帰一〜三浦瑠麗という師弟関係ってある意味戦後日本を象徴する系譜だと。坂本義和の平和への強い意志が藤原帰一を経由すると三浦瑠麗になるという。坂本さんは年齢的に戦場体験はないが香港(だったと思う)での日本兵による現地住民に対する日常的な虐待を目撃している。残念ながら伝言ゲームなら真逆の答えになり、三代目が家を潰すの諺通りになってるのが今の日本でしょう。鍵を握る藤原帰一と私は同じ年。反中国感情や戦争被害者ナショナリズムしか生なかった私達の世代の責任は大きいと痛感しています。
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実証主義をうたう伊藤隆氏の弟子ですから、リベラルであろうとしても限界があるかと思います。「歴史を相対化することで・・」とのこと。
https://kangaeruhito.jp/article/974
https://kangaeruhito.jp/article/974

本を批判的に読まなくてはいけない、知識を積み重ねて、疑問を持ちながら、読まなくてはいけない。そういう初心を思い起こしました。
東大の先生というだけでは中身が保証されていないのはもちろんですが、近年それがひどくなっているのを感じます。
東大の先生というだけでは中身が保証されていないのはもちろんですが、近年それがひどくなっているのを感じます。

「あなたはすばらしい人生の物語を持っている」「日本と世界のために非常に多くのことをするだろう」とトランプ大統領は菅政権発足に当たり期待を寄せた。
「日本と世界のために非常に多くのことをするだろう」が気になりました。何をすることを期待されてるのかな?と。
一番してはいけないことは中国との戦ですね。第二次世界大戦のとき、日本兵は中国へ行ってその庶民の命を奪っている。だからその反対の状況が日本で生じても文句はいえない…。
黒人が、白昼警官によって殺されているアメリカは難しい状態ですね。憎しみが大手を振って歩いている。そんな国をまとめる方法の一つは、外で主義の違う国と戦うこと、その時は白人、黒人、その他の人種の人も同じアメリカ人になれるから。
共和党トランプ大統領だけでなく、民主党バイデン氏も決心してしまう方法かもしれない、などと私は思ったりです。(どうか杞憂でありますように祈ります)
数日前美容院で、いつもカットしてもらっている男性美容師の人が「中国は悪い」と言った。川柳が趣味なのでネットを見ていたら「中国は嫌い」と詠んだ句がありました。以前にはそんなの無かったのに…。
日本と中国の庶民の日々の平和を守るよう、戦争を避ける知恵を働かせ、考えるのが人間として本当の賢さ、知性だと私は思います。
「日本と世界のために非常に多くのことをするだろう」が気になりました。何をすることを期待されてるのかな?と。
一番してはいけないことは中国との戦ですね。第二次世界大戦のとき、日本兵は中国へ行ってその庶民の命を奪っている。だからその反対の状況が日本で生じても文句はいえない…。
黒人が、白昼警官によって殺されているアメリカは難しい状態ですね。憎しみが大手を振って歩いている。そんな国をまとめる方法の一つは、外で主義の違う国と戦うこと、その時は白人、黒人、その他の人種の人も同じアメリカ人になれるから。
共和党トランプ大統領だけでなく、民主党バイデン氏も決心してしまう方法かもしれない、などと私は思ったりです。(どうか杞憂でありますように祈ります)
数日前美容院で、いつもカットしてもらっている男性美容師の人が「中国は悪い」と言った。川柳が趣味なのでネットを見ていたら「中国は嫌い」と詠んだ句がありました。以前にはそんなの無かったのに…。
日本と中国の庶民の日々の平和を守るよう、戦争を避ける知恵を働かせ、考えるのが人間として本当の賢さ、知性だと私は思います。
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