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口数が少なくなった米国 - 分断の果て、ミリシアとANTIFAによる内戦の危機

口数が少なくなった米国 - 分断の果て、ミリシアとANTIFAによる内戦の危機_c0315619_11194279.png27日のサンデーモーニングで米国大統領選が取り上げられ、その中で、右派民兵組織ミリシアの存在と活動が紹介されていた。BLMやANTIFAなど左派の運動に対するカウンターの「自警団」を任じた組織で、武装して日常的に軍事訓練を続けている。先月、ウィスコンシン州でデモ隊に銃を発砲して2人を射殺した17歳の白人少年も、ミリシアに所属する過激な右翼だった。今のところ、日本で彼らに関心を向けて取材したのはTBSだけだが、11月以降はミリシアが報道の主役に躍り出る展開になるかもしれない。投票結果が縺れて揉めて、その最悪の延長で米国内が準内戦的な争乱状態に陥るのではないかと、ツイッターで述べてきたが、TBSの報道はその予感をまた一つ確信に近づける材料となった。悲観的な情勢認識ではあるけれど、現在、この視角からの分析があまりに少なく、専門家の議論が少なすぎるように思われる。見たくないものに蓋をして目を逸らしている。



口数が少なくなった米国 - 分断の果て、ミリシアとANTIFAによる内戦の危機_c0315619_11200334.png米大統領選は特異なシステムで、州ごとの選挙人の数を奪い合う方式なので、今回の場合、幾つかの接戦州をどちらが取るかで勝負が決まる仕組みになっている。そこが焦点になっている。そして現状、世論調査が占うところでは票の行方は僅差で、例えば、当日の開票でトランプが僅かにリードして勝利宣言し、遅れて開票される郵便投票を加えた集計ではバイデンが逆転で勝利し、そのとき、トランプが郵便投票に難癖をつけて敗北宣言しないのではと囁かれている。実際、ワシントンポストは、結果判明まで一週間以上かかると言っている。トランプは郵便投票を「不正の温床」だと攻撃していて、敗北した場合は連邦最高裁への訴訟に持ち込む構えにあり、敗北宣言して大統領の座を移譲することを否定しているため、混乱と騒動の事態は必至だ。しかも、コロナ禍のため、密を避けるべく、今回は有権者が郵便投票を選ぶ行動に出ていて、非常に厄介な状況になっている。一部の州では、郵便投票の申請が前回の16倍に増えているとある。


口数が少なくなった米国 - 分断の果て、ミリシアとANTIFAによる内戦の危機_c0315619_11213419.png投票集計が縺れ、結果判明が大きな混乱に陥り、最高裁判断に持ち込まれる等の場合のシナリオを、すでにトランプは戦略的に組んでいて、プログラムを周到に仕込んでいるのではないか。嘗てのマッカーシズムのような「運動」を起動させ、ANTIFA狩りを敢行するのではないか。そのための武闘集団がミリシアであり、非合法化されたANTIFAをミリシアが襲撃し、大規模な流血の争乱を発生させるのではないかと危惧する。そうした想像が浮かぶ。トランプが反共戦争を仕掛けるのではないか。襲撃され弾圧されれば、ANTIFA側も自衛のため強硬手段に出るだろうし、「やられたらやり返す」報復の連鎖が始まるに違いない。シャーロッツビルの衝突が素手ではなく銃撃戦で行われる悪夢。左翼側も右翼側も、先鋭な部分は半ば内戦を想定し準備していて、いつでも臨戦態勢に移行可能なように看て取れる。米国の分断は、そこまで煮詰まっていて、可燃性のガスが充満していて、腕力(暴力)で物理的にかたを付けるしかないという空気感が漂う。


口数が少なくなった米国 - 分断の果て、ミリシアとANTIFAによる内戦の危機_c0315619_11382860.pngまともに考えて、今の時点でトランプの支持率が半数近くもあって、バイデンと拮抗しているということ自体が理解不能なパラレルワールドの現実であり、言葉のあてがいようもない米国の疾患の重症度を物語っている。単にコロナ対策の失敗や無能や不正だけではない。トランプの行動は、日々、米国の国益を毀損していて、米国の威信を失墜させ国力を消耗させている。米国の将来の可能性を奪い潰している。国際的な地位と評価を急激に落としている。米国民がトランプを支持し、再選させようとすることは、まぎれもない自殺自滅行為だ。米国のイヌである日本のNHKがそう報道し論評しているのだから、間違いのない事実だと確定できるだろう。4年前のトランプ旋風の現象は、それなりに内在的な理解を及ぼすことができ、白人中間層没落と地域社会崩壊の環境下での、複雑骨折した判断と心理の内奥を汲み取ることができた。だが、そこから4年経ったのであり、トランプ政治の何たるかは嫌というほど分かったはずだ。最低限の理性と常識があるなら学習効果が出てもよいではないか。


口数が少なくなった米国 - 分断の果て、ミリシアとANTIFAによる内戦の危機_c0315619_11210279.pngだが、学習効果は出ていない。世論調査で説明される構図は4年前と同じであり、米国が何も変わってないことが分かる。相変わらず、トランプ支持者が半数近くいて、トランプ離れが起きていない。この現実をどう捉えるべきだろう。今回は、4年前の朝日の金成隆一とかNHKとかのジャーナリズムの調査がなく、日本の取材陣が米国の政治世論を解析したり、深部に分け入って観察し報告することがない。全く不発であり、それも奇妙な図である。結局、4年前と何も変わっておらず、4年前のときの傾向がそのまま続いているのだろうと、そう解釈するしかない。政治的多数派たることを、半ば被害者意識を伴って自覚するようになった没落白人層は、米国の現状に不満なのであり、自らの境遇悪化やコミュニティの変容に納得していないのだ。英国のEU離脱の国民投票の政治で浮き彫りになったところの、英国の多数派である地方在住の没落中高年の保守意識 ー 嘗ての英国社会へのノスタルジー - と同じなのだ。今回の米国大統領選では、メキシコとの国境の壁問題、すなち不法移民問題が争点になっておらず、4年前のような侃々諤々の議論がされていない。


口数が少なくなった米国 - 分断の果て、ミリシアとANTIFAによる内戦の危機_c0315619_11244687.png米国がそれに慣れてしまっている。壁建設が既成事実となってしまっていて、賛成反対が固定化して動かなくなった。今回は、壁建設に代わってBLMが一つの争点になっているが、何が何だかよく分からない。トランプは明らかにBLM運動に否定的だ。ということは、トランプ支持者はBLMにコミットしていないということになり、倫理性・内面性を欠いたポリコレとして受け止めているということになる。普遍的な米国の価値なり精神として、それを公式の場で掲げ、仰ぎ、訴え、世界の(外国の)人間に準拠を促しながら、同時に、国内では大統領含めた半数近くの人間がそれをスポイルさせている。一時、コロナ対策の失敗が響いて大きく差が開いていたトランプとバイデンの支持率が、8月以降なぜか接近し始め、トランプの追い上げが言われるようになった。摩訶不思議で、何が理由なのか見当がつかないが、ハリスが民主党の副大統領候補に指名されたことが、保守白人層を刺激した影響なのかもしれない。今回はみんな黙っている。マイケル・ムーアなど左派の知識人からの声もよく聞こえてこない。言論が不活発であるということが、言論を超えた何かによる決着の到来を暗示しているように感じられる。


口数が少なくなった米国 - 分断の果て、ミリシアとANTIFAによる内戦の危機_c0315619_11224970.png嵐の前の静けさ。エイミー・バレットの憲法理論を紹介したWSJの記事が出ていて興味深い。不気味なバックラッシュであり、なるほどと思わされる。テレビのニュースで、彼女が「アメリカ憲法に忠誠を誓う」という趣旨の宣誓を行っている場面があり、その意味は何だろうと一瞬気になった。まさに、今、アメリカ憲法が問われているのであり、アメリカ憲法が転覆の危機を迎えていると私には映る。アメリカ憲法こそ、黒人奴隷制を制度保障した法的基盤であり、インディアンを虐殺して大陸から屠る蛮行を正当化した「理念」的基礎である。欺瞞と矛盾が集約された法典であり、弁証法的な次の段階への噴射と転化が求められているものに他ならない。アメリカ人の口数が少なくなっている。本来の米国とは何かが問われ、米国の均衡と安定とは何かが問われ、その解が求められながら、万人が納得できる言葉やシンボルがなくなっている。それを指し示して人々を説得できるカリスマ的リーダーがおらず、その出現も期待できなくなっている。リアルなのは、『ジョーカー』の映画が現実になったような暴動の街の絵であり、石原莞爾の最終戦争論のような狂人バノンの妄想である。


分断の果て、狂気と錯乱と自傷を抑止することができず、混乱と暴力に流れるのを止められず、自信喪失し、誰もが無口になっている。


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by yoniumuhibi | 2020-09-29 23:30 | Comments(0)


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