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志位和夫の「ウィズコロナ」批判 – 正鵠を射た率直な指摘と暴露

志位和夫の「ウィズコロナ」批判 – 正鵠を射た率直な指摘と暴露_c0315619_14435311.png昨日(2日)のツイッターで、志位和夫が「ウィズコロナ」の言葉について批判を上げていた。「政府が『ウィズコロナ』という言葉を安易に使うべきでない。『共生』できないウイルスもある。新型コロナウイルスは、封じ込めなければならないものです」と言っている。重要な指摘であり、正論であり、志位和夫らしい純粋な主張だと同感する。「ウィズコロナ」という言葉がどこから発生したのか確定できないが、記憶では、小池百合子が5月末の会見で「ウィズコロナ宣言」を発表し、フリップを掲げてプレゼンテーションしたときから、マスコミで頻用され、人口に膾炙されて世間に定着したように思われる。最初に耳にしたときは、多少の違和感を覚えたし、その中身は志位和夫が述べているとおりである。「ウィズコロナ」の語には、コロナと共生するという意味があり、殺滅し根絶することが難しいコロナの存在を容認し、それと巧く付き合っていくほかなく、コロナの悪影響を最小限度に抑えながら社会を運営していくしかないという方針と姿勢が示されている。



志位和夫の「ウィズコロナ」批判 – 正鵠を射た率直な指摘と暴露_c0315619_14440629.pngこの言葉を国民が受け入れて常識化され、政府がこの語に拠って政策を立案し決定することは、やはり志位和夫が危惧するように、コロナ対策を不当に消極的な方向へ導く影響を及ぼすだろう。行政の不作為を曖昧にして正当化する言説 - すなわちイデオロギー装置 - として作用するはずだ。社会の成員の一定数がコロナに感染するのは仕方ないとか、感染した高齢者の一定割合が重症化して死亡するのはやむを得ないとか、社会や行政ができることには限度があるといったような、政府に都合のいい認識を強め、諦観的意識を深め、行政の手抜きに対する国民の批判を抑制させる機能を果たすだろう。具体的な問題としては、小池百合子は東京都で全くPCR検査を拡充させようとしない。クオモがNY州で実行して成功した政策を学んで採り入れようと動かない。世田谷区で保坂展人と児玉龍彦が始めた「社会的検査」は、本来は都知事が率先して遂行しなくてはいけない取り組みだ。が、小池百合子の念頭にはその必要感はなく、会見で言うのは(学校長が生徒に垂れる如き)一般論の行動指導のみである。


志位和夫の「ウィズコロナ」批判 – 正鵠を射た率直な指摘と暴露_c0315619_14441872.png「ウィズコロナ」の言説は、コロナに対抗し克服しようとする人間の意思力と挑戦心を弱め、その可能性を狭めて考える態度を人間に植え付ける。前回、感染防止を徹底しつつ経済のV字回復を実現した中国を取り上げたが、中国人の目からは、日本の「ウィズコロナ」の言説とコロナ対策の現状はどう見えることだろう。あまりにも消極的で、コロナに対して妥協的・宥和的で、最初からコロナに陣地を譲り渡している惰弱な精神的態度に映るのではないだろうか。また、それを行政のトップが上から説教して人民に刷り込む言説行為は、行政が自らの責任と課題から逃げ、不作為を巧く隠して失点をゴマカそうとする詐術に見えるだろう。少なくとも、中国の対策には「ウィズコロナ」の要素や気配がない。北京市で少しでも感染の広がりがあれば、1100万人を一気にPCR検査して掃討してしまう。市中からコロナを消滅させることを目標にして行政(市書記・市党委)は課題に取り組む。コロナに対しては常に科学的に対峙して、ペストや天然痘に対処するようにコロナと戦っている。それは韓国も類似である。


志位和夫の「ウィズコロナ」批判 – 正鵠を射た率直な指摘と暴露_c0315619_14443251.pngだが、私が志位和夫と同じ言挙げに出ないのは理由があり、「ウィズコロナ」論に一分の理を認める部分があるからだ。それは、端的に言えば、たとえ今回のコロナについてはワクチン開発の成功によって科学の力で一掃し克服できたとしても、何年かすれば、また新たな猛毒の新ウィルスが登場し、世界をパンデミックの恐怖に包むのではないかと想像するからである。来年、ワクチンの福音と救済があるとしよう。東京五輪開催は無理だろうが、2021年中にはコロナの恐怖から解放された日本に戻るとしよう。が、2024年に新ウィルスが出現し、2025年の大阪万博を潰す事態になったらどうだろうか。人類を脅かす感染症は、エイズ、エボラ、SARS、MARS、COVID-19と次々と発生している。その様相は、地球温暖化による大型台風や線状降水帯とよく似ている。明らかに、コロナは人類に牙を剥いて襲撃する地球環境のフォースであり、自然と人間との関係のバランス(アンバランス)の中で生まれたデーモンだ。仮にコロナが制圧されたとしても、地球環境は次の強力なフォースを送り込むに違いない。そう悲観する。


志位和夫の「ウィズコロナ」批判 – 正鵠を射た率直な指摘と暴露_c0315619_14444916.png線状降水帯や大型台風や、干魃や森林火災を、人類がいま持てる科学の力で簡単に食い止めることが不可能であるように、次々と発生するパンデミック・ウィルスの脅威を、科学の力では抜本的に払拭し解決できないであろうことは、少し考えれば容易に察知し直観できることである。COVID-19がここまで破壊力の大きなパンデミックとなり、世界に破滅的な打撃を与えた所以は、世界がグローバル資本主義の経済社会空間となり、無数の人間(グローバリスト)が国境を越えて高速大量に移動接触し、要するに世界が狭く小さくなったからだ。この悪魔の感染症を封じ込めるために、世界は航空機の飛行を止めなくてはならず、外国人ビジネス客と観光客用のホテルを空っぽにすることを余儀なくされた。グローバル資本主義の繁栄を謳歌・享受して生産し消費する人間たちを、禁足させ、稼ぎと飲み食いの欲望を我慢させ、自宅に逼塞させ蟄居させることをコロナは強いた。コロナに意思があるとすれば、第二四半期のGDP年率換算値の図表こそが、コロナ(=地球環境)が望む世界だろう。それが人類へのメッセージである。


志位和夫の「ウィズコロナ」批判 – 正鵠を射た率直な指摘と暴露_c0315619_14572877.pngそうした観点と立場から、私は「ウィズコロナ」の言説を眺め見るのであり、そのため、志位和夫的な視角からのストレートな言語批判(=イデオロギー暴露)が口から出ないのである。
人間と自然との関係について、以下、雑談に脱線して恐縮だが、関口宏はなぜあのように植物や昆虫に詳しく、自然の生きものの生態を知っているのだろう。自然と人間との関係の問題を考えるとき、そこに関心の焦点が向かう。東京の都会の真ん中に生まれ育ち、裕福な家のお坊ちゃんに囲まれて少年時代を送ったはずの関口宏。私は15歳ほど離れた年下だが、田舎の山奥で育ち、周囲の環境はまさに深山幽谷と呼ぶにふさわしい土地だった。大都会の東京でも、1940年代から50年代は、子どもたちの心を育むに十分な豊かな自然環境が周囲にあり、人が自然と濃密に接して暮らしていたことが分かる。橋谷能理子は関口宏の18歳年下で、四国の高松育ちのお嬢様だが、おそらく関口宏ほどには草花や昆虫の知識はないと思われる。世代の差がある。隔絶がある。関口宏の世代の日本人は、関口宏と同程度の自然とのインタフェースを持っているに違いない。


接続面の広さと親近性の深さを持っているだろう。コネクタとバスとプロトコルを持っているだろう。したがって、私の世代よりもはるかに枕草子や徒然草や奥の細道の日本人と近いだろう。どちらがいいかと言えば、関口宏たちの方がいいに決まっている。羨ましささえ感じる。自然との十分な接触と関係がなければ、健全で豊かな人間精神は育たない。



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by yoniumuhibi | 2020-08-05 23:30 | Comments(1)
Commented by みきまりや at 2020-08-10 18:59 x
 NASAは、2030年までに人類を火星に送り込もうとしている、成功したときに、どんな考えが新しく私たちに届くことになるのだろうかなどと。
 交通、通信などの見事な発達の結果、世界は一つになろうとしているという予想は、コロナという自然の要素が入ってきたことで、地球は一つになったという印象を受けています。テレビでどこの国のニュースを見ても、市民たちが皆日本人と同じようにマスクをしていて、マスク(コロナ)が地球人ならだれでも知っている共通語に今はなっているから…。
 人が火星に立ったとき、その現実は大きくて、例えば“この地球上で、人間はどのように生きるべきか”を考えるとき、イエス・キリストとかブッダ、ムハンマドは、いまより身近な存在になっているのではないだろうかと私は思います。後戻りの、神格化ではなく、人としての親しみ尊敬が生まれているのではないかなぁと。
 厚生労働相は今月7日、英アストラゼネガ社から、新型コロナワクチン1億2千万回分供給を受けることで、同社と基本合意をしたと発表。開発が成功すれば来年1~3月に3千回分の供給があるそうですね。どうか、老人、子供たちにも優しいワクチンでありますように、祈りたい思いです。


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