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誹謗中傷と党派性 - TW社ははすみとしこのアカウント凍結を

誹謗中傷と党派性 - TW社ははすみとしこのアカウント凍結を_c0315619_12533494.png伊藤詩織がはすみとしこの漫画投稿を提訴した件について。木村花の気の毒な事件が起き、それを機に政府や政党がネットの誹謗中傷対策に本腰を上げ、SNS規制の法制化に乗り出した時期であり、タイミングを計っての絶妙の動きだと思われる。典型的なセカンドレイプであり、悪質で卑劣きわまる名誉毀損であり、裁判所は満額の損害賠償を命ずるべきだと思う。この提訴に対して、何を錯乱したのか、はすみとしこは件の中傷漫画を自身ツイッターのヘッダーに掲げるという暴挙に出て、呆れかえる開き直りの態度で応じ返した。許せない行為だ。まず最初に、この名誉毀損は提訴で損害賠償を争うだけでなく、警察に被害届を出して刑事告訴する案件ではないか。刑法230条の名誉毀損罪が成立し適用される深刻な事案だろう。これが名誉毀損にならなければ何が名誉毀損になるだろうという、典型的な犯罪事実である。



誹謗中傷と党派性 - TW社ははすみとしこのアカウント凍結を_c0315619_12580410.png伊藤詩織と弁護団がはすみとしこにも法的措置をとるという話は、たしか以前から発せられていたが、名誉毀損での告訴には未だ及んでいない。判断と思惑があってのことだろう。それと、やや不思議に思うのは、ツイッターのルールに基づいた「報告」によって、はすみとしこのアカウントを凍結に追い込むことができるはずだということで、そうした措置を選ぶことはしないのだろうか。普通に常識で考えれば、一発でアウトになる誹謗中傷であり嫌がらせ行為である。法務省の人権侵害の被害相談はしたのだろうか。今回の提訴に至るまで、原告側で入念に戦略を練った様子が窺われるが、会見の後、4日以上もはすみとしこのヘッダーで中傷漫画が発信される状態が続いている。ツイッター社は民間企業であり、ツイッターは会員制の商用サービスである。ルールの管理運用はTW社の全権と責任である。その立場と論理(タテマエ)を使えば、TW社ははすみとしこのアカウントを簡単に凍結できる。


誹謗中傷と党派性 - TW社ははすみとしこのアカウント凍結を_c0315619_12583299.png木村花の事件を受けて5月27日にSNS業界団体が緊急声明を出し、「他人への嫌がらせ、個人に対する名誉毀損や侮辱などを意図したコンテンツの投稿を禁止し」と明言し、誹謗中傷投稿への取締り強化を誓った以上、このはすみとしこの中傷漫画を放置するという判断と選択はあり得ない。まずは、原告側はTW社のルールを使った抵抗と反撃を試みるべきで、その次に刑事告訴、そして民事訴訟という順番に進むのが妥当な正義実現と権利回復の方法だと思われる。もし、TW社がはすみとしこのアカウントを凍結したとなれば、それはまた、伊藤詩織の民事訴訟にとってプラスの材料になるものだ。どうやら、今回、伊藤詩織側は、はすみとしこの誹謗中傷漫画そのものを問題にし標的にしているというよりも、それをリツイートし拡散させた右翼の政治運動を問題にし、それを抑止するところに目標を置いている印象を受ける。伊藤詩織のはすみとしこへの怒りよりも、何か、左翼による右翼への対抗という組織的な要素と注力を感じ取るのは私だけだろうか。


誹謗中傷と党派性 - TW社ははすみとしこのアカウント凍結を_c0315619_12540994.png今回の提訴は、2018年の「ネトウヨ春のBAN祭り」や同じ年の「余命三年」の騒動の延長線上に位置づけられた、左翼側の大がかりな対ネット右翼掃討作戦の一環の感があり、その性格は否めず、むしろフォーカスされているのはそちらの方で、非常に政治的色彩が濃厚な提訴となっている。報道されている記事を見ると、荻上チキが5人のリサーチチームを作り、ネット右翼による伊藤詩織への誹謗中傷ツイートを調査し、ヤフーコメントなども含めて70万件の投稿を3か月かけてチェックしたとある。組織的な動きが展開されていることが分かる。伊藤詩織の提訴があった翌日の9日、雨宮処凛らが「SNSにおける労働問題・社会運動に対するヘイト攻撃に対抗するネットワーク」を立ち上げていて、こちらは全くマスコミ報道に取り上げられなかったが、伊藤詩織の提訴- 荻上チキがチームで関わる - と連動した動きだと思われる。内田樹も賛同人の一人に入っていて、伊藤詩織も賛同人に加わっている。


誹謗中傷と党派性 - TW社ははすみとしこのアカウント凍結を_c0315619_12541713.pngが、荻上チキらの言い分には、誹謗中傷している加害者は右翼(ネトウヨ)だけという決めつけがあるようで、自分たちは普遍的な正義だという「確信」に基づいて行動している。実際には、左翼に属するしばき隊の誹謗中傷は右翼以上に苛烈で、トラブルと被害を多く起こし、しばき隊活動家のアカウントがルール違反で凍結されている。「BAN」されているのは右翼だけではない。荻上チキの話を聞いて思うのは、もし右翼側が本気になってリサーチチームを編成し、しばき隊左翼の誹謗中傷ツイートを点検し始めたら、その資金量や運動員の数からして、はるかに多くの成果を上げるだろうということだ。現在でも、左翼側は、TW社の運営が偏っているためにしばき隊活動家ばかりが凍結対象になり、右翼の誹謗中傷が放置されていると言い続けているが、実際のところは、左翼側がまともに通報する努力をしていないだけで、TW社は通報を機械的にアルゴリズムで処理しているだけというのが真相である。右翼の方が手抜きせず通報している。


誹謗中傷と党派性 - TW社ははすみとしこのアカウント凍結を_c0315619_12590652.png最近、またしばき隊からの誹謗中傷が多い。①「shinzi」というアカウントのプロフィールを見ると、「ANTIFA、No Nukes」と書いている。②「HIKO_chan!」というアカウントを見ると、「名古屋の何を食べても肥らないANTIFA。生クリーム率が高いカウンター」とある。③「高タンパクは理想」というアカウントは、「ANTIFA 肉球新党」と自己紹介がある。同様なアカウントと誹謗中傷ツイートが多数ある。この者たちは、フォローしている仲間が私を誹謗中傷しているのを見て、相槌を打つように、仲間と挨拶を交わすように、私に対して誹謗中傷ツイートを発していて、これは集団の適応行動なのであり、政治敵(レイシスト)に対する一斉攻撃なのだ。しばき隊は私のことをレイシストと認定していて、どのような罵倒や侮辱や中傷も正当化されると考えている。こういうレッテル貼りと暴力行為がしばき隊によって左翼に導入され、もうかれこれ8年以上が経ち、すっかり左翼の作法として定着した。


誹謗中傷と党派性 - TW社ははすみとしこのアカウント凍結を_c0315619_12591938.png右翼側(ネトウヨ)の誹謗中傷が一向に已まないのは、左翼が同じことをやっていて、行為が相対化されているからであり、行為が悪であるという一般的認識が確立されないからだ。昔の左翼はこのような下劣な誹謗中傷や暴力を政治の手段として位置づけることはしなかった。そのため、左翼と右翼の間には知性と倫理に隔絶した水準差があり、右翼の側が常に低位に立ち、低位ということは劣位・劣勢を意味していた。絶対的で前提的な差異であり、右翼と左翼を境する壁だった。それを取っ払ったのがしばき隊で、そのしばき隊を共産党がオーソライズしたため、現在、右翼と左翼と間には倫理的に上下の関係はない。右翼による左翼の卑しめの言葉どおりに左翼が身を合わせ、倫理的に劣位の存在となり、気軽に誹謗中傷の言葉を吐く集団となった。「ヘイト」の語を憎悪の投げつけと直訳的に解釈すれば、匿名左翼が日常的に右翼に行っている攻撃語もヘイトであって、それが絡め取られて凍結処分が頻発している。右翼からすれば、昭和天皇を焼く映像を芸術作品として陳列・訴求する行為も、ヘイトの範疇になるだろう。


誹謗中傷と党派性 - TW社ははすみとしこのアカウント凍結を_c0315619_12593552.png別に、ガンジーのような非暴力主義の抵抗運動に徹せよだとか、イエスのように左頬を殴られたら右頬を差し出せなどと言うつもりはないが、政治的対抗の中で説得力で勝ち、多数の支持を得ようとすれば、倫理的な高さが証明されなければいけない。70年代に社会党・解同が共産党に負けたのは、解同の暴力と利権が原因であり、社会党が暴力に依存したことが原因だった。自分たちのリンチや嫌がらせには目を瞑り、相手側のヘイトや誹謗中傷ばかり批判しても、世間大衆は納得しないだろう。はすみとしこの6月10日のツイートを見ると、「昨日とある会合へ行ったら、名だたる保守言論界の先生方が、『大丈夫?』『何か手伝える事はない?』とお声をかけて下さった」と書いている。櫻井よしこだろうか。右翼側で反撃の準備が組まれているという意味であり、その示唆であり、こうした政治的バックがあるから、はすみとしこは堂々と開き直って件のヘッダーを掲げ続けられるのだ。集団の中にいて、集団に庇われているから誹謗中傷が自在にできる。右翼も左翼も同じだ。普通の人間が、党派性をよりどころにして、暴力の戦場の兵隊になっている。


展望を言うなら、右翼のネットの暴力・誹謗中傷については司直に任せればよい。ツイッター社や警察・法務省の処置に任せればよい。左翼の暴力・誹謗中傷についてはそうはいかない。問題は簡単ではなく、当局の制度的対応では解決できない。左翼の暴力・誹謗中傷については、倫理を再建する必要がある。個々の、そして司令塔である共産党の倫理的態度を元に戻す必要がある。そのためこそ、しばき隊を殲滅し、しばき隊的要素を根絶する必要がある。80年代、90年代、00年代、30年間、日本の左翼世界から暴力の契機は消えていた。暴力を手段にせず、暴力を正当化しなかった。その桃源郷へ戻る必要がある。周知のとおり、しばき隊はもともと右翼から派生し転成したもので、右翼の病原菌が左翼に侵入し感染が広がったものだ。清算して消毒すればいい。



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by yoniumuhibi | 2020-06-12 23:30 | Comments(1)
Commented by らくだ at 2020-06-13 05:34 x
「誹謗中傷対策」に右とか左とかそんなこと関係なく、「悪いことは悪い!」の単純な問題なのに、ズブズブと関係しているというのが日本の現在であり、それが本質的問題の解決をより遠ざけている、ということに暗澹としている者です。はすみとしこの事件なんて、イデオロギー以前に人として怒りを感じていい案件なのですが。
野間氏に関しては、左翼だの対レイシズムだの以前に、あの傲岸不遜な言動・振る舞いがどうにも受け付けがたいと前々から思っておりました。あの御仁、大義があれば何をしてもいいのだという典型的な人間で、お里が知れるといった所感を抱いております。
それと2年前の「ネトウヨ春のBAN祭り」ですが、あれは政治的な行動でもなんでもなくて、5チャンネルの「なんでも実況J」の住民が「余命騒動」で狼狽えるネット右翼を面白がったことから始まり、それに左翼が便乗した、というのが実態です。あの「なんJ」、今では予てから反日的傾向の強かった「嫌儲」板以上に現在では反日色が増しており、事あるごとに日本人を「ジャップ」呼ばわりし、日本は遅れたな国だ何をやらせても駄目な国だと連呼しているようです。
長々とすみません。あーだこーだいう人間のことなど気にせず、正義を貫いて来ましょう! これからも読みに来ます。


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