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死者数を少なくするのが日本の対策の重点目標ではなかったのか

さらにコロナの死亡者数に注目してデータを調べた。ソースはワールドメーターである。
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死者数を少なくするのが日本の対策の重点目標ではなかったのか_c0315619_14272916.png前回は、アジア大洋州地域の諸国と比較して日本の死者数の多さや致死率の高さを確認したが、今回は欧米諸国と比較してみた。グラフから分かるとおり、日本の致死率は決して低いとは言えない。日本は5.2%、米国は5.8%、スイスが6.2%で、ほぼ同水準で並んでいる。ちなみに中国は5.9%だった。ドイツの4.7%よりも高い事実が判明した。日本は欧米諸国と比較して人口当たりの感染者数も死者数も少ないが、致死率、すなわち感染者が死亡する割合は高いのである。2月から3月の頃は、ワイドショーの議論で頻繁に致死率が指標として取り上げられ、武漢・中国の致死率が焦点となっていた。この感染症の致死率の一般値に関心が集まり、日本は中国と違って医療体制が整備され、医療技術の水準も高いから、致死率は中国よりも低くなるだろうと論じられていた。流行の中心が米国に移ったときも、皆保険制度がない米国では、致死率は日本より高くなるだろうと言われていた。


死者数を少なくするのが日本の対策の重点目標ではなかったのか_c0315619_14330276.png豈図らんや、日本の致死率は中国と米国と同じ結果になっているではないか。世界の平均と比べて、日本は感染者の中の重症者の率が高く、死亡者の率が高いのである。それが日本のコロナ禍実態の特徴だ。ここで思い出すべきは、2月から3月にかけて政府と専門家会議が何を言っていたかである。日本の重点方針は、いかに死者数を少なくするかであった。いかに感染者の重症化を防ぎ、死亡者数を少なくするか、それを目的としたコロナ対策が看板として掲げられ、その趣旨が繰り返し強調されていた。命を守ることが日本の第一目標のはずで、専門家会議の公約のはずだったはずだ。果たして、目的は実現されたと言えるのか。もし、その目標が達成されていなかったとなれば、日本の対策は失敗したということになる。数値が示すところは、残念ながら、致死率が高く、特にアジア大洋州地域の国の中では抜きん出て高い事実を否めない。トルコの2倍、イスラエルの3倍、ロシアの5倍の致死率なのである。


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死者数を少なくするのが日本の対策の重点目標ではなかったのか_c0315619_14351851.png今、日本とほぼ同じ感染者数を出している国にイスラエルがある。28日時点の感染者数は16.872人で 日本は16.683人である。死者数を比較すると、イスラエルは284人で日本は867人。日本の3分の1だ。アルゼンチンやアフガニスタンも、日本と近い感染者数を出しているが、日本の半分とか3分の1の死者数しか出していない。アルゼンチンやアフガニスタンが日本よりも医療の先進国だとは考えられず、救命医療の点で日本よりも水準が上ということはあり得ない。やはり日本の致死率の高さは看過できない問題であり、重症者と死亡者を少なくするという目標を掲げ、国民に公約しながら、なぜこのような結果になっているのかが厳しく問われる必要があるだろう。単位人口当たりの死者数では、日本はアジア太平洋諸国の中で突出して多く、異常に多くの犠牲者を出してしまった国である。重症者と死者数を抑えるという点では、韓国や中国や豪州やNZの方がはるかに成功しており、日本は明らかに失敗している。


死者数を少なくするのが日本の対策の重点目標ではなかったのか_c0315619_14422666.pngその理由と原因については、いずれ分析と結論が出るだろうが、日本がPCR検査を抑制してきたことが決定的に影響している。日本の場合、検査で陽性になる患者(感染者)の中で、すでに重症化した患者の割合が高く、軽症段階で検査で拾われてないのだ。積極的に検査をせず、重症化した時点で検査して感染者にカウントするため、必然的に致死率の数字が高くなる。それが致死率の数字の種明かしである。だが、そのことは、結局のところ、感染者数と死者数の全体を増加させる弊害を招いていて、アジア太平洋諸国で日本の単位人口当たりの死者数が多くなる要因となっている。日本の場合、他の国が検査で把握している軽症者が把握されていない。実際の感染者数はもっとずっと多い。重症者や死亡者は把握されるから数が計上される。そして、日本の特徴である致死率の高さとなる。だが、単位人口当たりの死者数は他の国より多い。それは、検査して早めに隔離するという対策を採らず、軽症の感染者を市中に放置して連鎖・拡大を止めなかったからである。


死者数を少なくするのが日本の対策の重点目標ではなかったのか_c0315619_14443462.png2月3月の頃、よく言われたのは、軽症者は構わないから重症になる前の人を見つけて下さい、重症になる患者にだけPCR検査を受けさせて下さいという話だった。この言説は、専門家会議やその系列の御用学者だけでなく、政府・専門家会議を批判する岡田晴恵でさえ堂々と力説していたものだ。重症になる人にだけ絞ってPCR検査を、と、玉川徹ですら言っていた。私はこの主張が全く納得できず、その欺瞞と倒錯に苛立ちを覚えて仕方なかった。さも、最初から軽症者と重症者が別個に独立に存在するような口ぶりで、軽症者は無視してよいのだと言い、医療(検査)の対象にする必要はないと言いのけていた。全くの欺瞞と虚構だ。重症になる前は軽症ではないか。家で4日間無理やり我慢させられている間に、軽症が重症になるのではないか。岡田晴恵や玉川徹がそう言っていたため、自宅で重症化する患者が続出し、たらい回しにされ、病院に担ぎ込まれたときは手遅れになっていたのだ。検査をまともにやったアジア大洋州の他の国々では、基本的にこういうケースはないのである。


死者数を少なくするのが日本の対策の重点目標ではなかったのか_c0315619_15274031.pngどこの国も必死になってPCR検査をやり、PCR検査の数を増やすことによって感染者を発見、隔離し、市中の感染連鎖を止めることを遮二無二やってきた。富める国も、貧しい国も、大きな国も、小さな国も、アジアの国も、ヨーロッパの国も、財政に余裕がある国もない国も、国民の命を守るため、各国政府は一心不乱にPCR検査を増やし重ねてきた。世界中がそうしている中で、PCR検査の意義を否定し、歪曲し、意図的に軽症の感染者を放置し、医療を提供せず家庭に押し込め、そして、放置(と虐待)を「対策」だと称し、誤った説教を刷り込んで国民を騙してきた国などどこにもない。今週、西村康稔の国会答弁を聞いていたら、倉林明子の質問に対して、PCR検査の目標数は掲げないと言い、PCR検査の目標を高く掲げて実際に検査を増やしたら、感染者数も多くなるのでそれはしないと言っていた。相変わらず、2月3月の頃のままの姿勢と状態が続いている。何も反省しておらず、何も変わってない。政府・専門家会議にとって、PCR検査を抑制した「日本モデル」は成功なのだ。

呆れるしかない。

 
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by yoniumuhibi | 2020-05-29 23:30 | Comments(3)
Commented by 岳飛 at 2020-05-30 00:11 x
致死率が高いのは要するにPCR検査をやってないからなのですが、軽症または無症状が暗数になっているからではないかと。
PCRをやればやるほど、軽症無症状を掘り起こすとともに偽陽性までも増えていくので結果致死率は下がります。
Commented by 日本はコロナ死が多い at 2020-05-30 22:15 x
すばらしい指摘だ。いつもながら、ブログ主さんの着眼点と分析には驚かされる。

仕事として高給をもらって、記事を書いたり、番組作ったりしている自称ジャーナリストには、なぜこれができないのか?
3択
A、能力がないので出来ない。
B、出来るけど損だからやらない。
C、やったけど潰されて出せない。

どれが正解でも、救いがない。

緊急事態洗顔が解除され、5/30現在、北九州市や東京都で、増加傾向となった。
あたりまえだ。
日本国民が、自粛したから感染者が減ったのだ。
安倍政権は、口だけで、実際には何も対策をしていないのだ。
だから、自粛をやめたら、感染はまた拡大する。
安倍政権のままだと、ずっと自粛し続ける以外には、コロナが防げない。
Commented by 達巷党人 at 2020-06-03 01:29 x
日本では少ししか報道されていないようですが,武漢では約990万人にPCR検査を行い,その結果が出ました。
武漢で当初感染爆発が起こった時,急遽数千床の臨時病院を建造してそのスピードに驚かされましたが,今回も不可能と思われたことを実行しました。
この事実を日本で直視している者はほとんどいないと思われ,つくづくすっかり日本と中国は別世界になったと思わされます。

http://www.hubei.gov.cn/zhuanti/2020/dqssl/qwtb/202006/t20200602_2376060.shtml  の翻訳を下に示します。
武漢の集中的PCR検査結果の通知:確定病例は発見されず
時間:2020-06-02 16:32 ソース:湖北日報
6月2日,湖北省の新型肺炎感染状況制御指揮部は第104回の記者会見を開いた。そこで湖北日報の記者が得た情報によると,5月14日0時から6月1日24時までに,武漢市は集中的に9899828人にPCR検査を行い,確定病例は発見されておらず,無症状感染者300人を検出し,検出率は1万人あたり0.303人であった。濃厚接触者1174名を追跡し,そのPCR検査結果はすべて陰性であり,無症状感染者と濃厚接触者に対しては,ともに医学隔離観察を行った。
中華予防医学会社会医学分会主任委員・華中科技大学同済医学院公共衛生学院教授の盧祖洵によると,今回の集中的なPCR検査結果は,現在武漢市で無症状感染者が全人口に占める割合は極めて低く,無症状感染者が他者に感染させる状況は発見されていない。


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