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五輪延期を機に緊急事態宣言から都市封鎖へ – 持ちこたえられなくなった隠蔽

五輪延期を機に緊急事態宣言から都市封鎖へ – 持ちこたえられなくなった隠蔽_c0315619_13471059.png他の国では懸命に検査して感染者を見つけているのに、なぜ日本だけが検査を抑えているのか。それは、感染者の数を増やしたくなかったからだ。安倍晋三も国会で、検査数を増やせば感染者の絶対数は増えると答弁していた。感染者の数を増やしたくない動機は、幾つかあるけれど、最も大きいのは、東京五輪への影響を考えて安倍晋三が最初に方針を出したという点にある。その基本方針が現在までずっと続き、御用学者や右翼やマスコミによって擁護され、さまざまな正当化の理由づけがされ、批判を受けつつ日本ではまかり通ってきた。その結果、数字の上では日本は他国と比べて感染者が少ない国となっている。だが、欧米で感染が劇的に広がり、とても7月に五輪を開催できる状況ではなくなって、東京五輪は延期の方向で調整される展開になった。ということは、検査を抑えて感染者数を無理に低く見せる必要はなくなったということだ。



五輪延期を機に緊急事態宣言から都市封鎖へ – 持ちこたえられなくなった隠蔽_c0315619_13464991.pngおそらく、近日中に特措法に基づく緊急事態宣言が安倍晋三の口から発表されるだろう。それに続いて、東京など都市圏で封鎖(ロックダウン・外出制限)が発動されるだろう。東京五輪の問題が半ば片づいたから、無理に感染実態を化粧して見せる必要はなくなる。封鎖発令に向けた布石として、今週からはデイリーの感染者数の急増が続き、近々の緊急事態入りを徐々に納得せしめて行くものと思われる。また、今週は封鎖による混乱を想定して対処の手を打つための準備期間となり、医療や物資流通等、行政と業界の裏側で計画が立てられるはずだ。特に東京は、いわば緊縛から解放された自由な立場になり、隠蔽していた感染者数(検査数)を増やして実情を都民に知らしめるに違いない。3月19日の専門家会議の「オーバーシュート」そのものが、大衆に向けた予告機会であり、緊急事態宣言に向けた地均しの意味を持っていたと言える。


五輪延期を機に緊急事態宣言から都市封鎖へ – 持ちこたえられなくなった隠蔽_c0315619_13494101.png感染対策について日本政府が何をしようとしているのか、誰が采配しているのかも含めてよく分からない。私から見れば、日本は、集団免疫の放置方針を基本にしつつ、まずはとにかく東京五輪の7月開催が優先で、そのため徹底的に感染実態を隠蔽することを推進、肝心な医療手当て等は自治体に丸投げして閑却してきた感が強い。政府には危機感がなく、対策のコンセプトが寸毫もない。政府やマスコミに危機感がない理由は、皆が安倍晋三の方を向いて仕事しているからであり、安倍晋三に気に入られるよう忖度することしか関心がないからだ。政府=専門家会議には、国民を守るための対策のコンセプトはないが、この感染症のシナリオは持っていた。私には、最初から全ての流れが一つのシナリオに沿って順に進行しているように見え、「瀬戸際」だの、「クラスター」だの、「オーバーシュート」だのの空疎な言葉を発信し、その言語を刷り込んで「説明」を信じ込ませる形で、着々とシナリオを運んでいるように見える。


そのシナリオとタイムテーブルに沿って、発表する感染者数が予め設定されていて、計画どおりに数が出るよう検査数を揃え(抑制し)てきたように見える。厚労省発表の感染者数と死者数は、意図的で操作的なプログラムされた数字であり、市中感染の発生ベースをそのまま反映させた統計値ではない。人為的な数字が並べられつつ、それを自然な発生ベースだとスリ替えて議論するトリックが行われている。専門家会議は、自ら作為的に数字を細工しながら、「この発生状況からはこう言える」と、勝手な現象分析を行い、それを政策の前提となる知見にしているのだ。日本の感染者数と死者数は中国以上に信用できない。それは、森友や加計の公文書改竄と同類であり、安倍晋三の私欲と専横に奉仕するために官僚が偽造した偽データに他ならない。


五輪延期を機に緊急事態宣言から都市封鎖へ – 持ちこたえられなくなった隠蔽_c0315619_13512252.png専門家会議は最近になって、先週から、クラスター以外のところで感染経路を追えないケースが出てきたと強調している。だが、この説明は得心できない。東京などは、最初から、2月の時点から、感覚的には半分以上の感染者が、感染経路不明と発表されてきた。記憶を辿れば、東京で感染経路が明らかにされてきたのは、屋形船と、牧田総合病院と、佼成病院くらいではなかったか。集団感染の現場の固有名詞がニュースで明らかにされたのは、2月の僅かのケースで、後は東京の感染者の経路は報道から捨象された。2月末から焦点は北海道に移り、東京での新たな感染者の数も減る。その間、ポツリポツリと発生した感染者について、東京都が念入りに周辺を検査してクラスターを探索した気配はなく、また、相談センターに殺到するサスペクト(症状を疑う者)からの電話は片っ端から拒絶していた。日本の場合はすべてが管理されていて、感染者は政府が選ぶように計画的に出している。シナリオに沿って数字を出している。


五輪延期を機に緊急事態宣言から都市封鎖へ – 持ちこたえられなくなった隠蔽_c0315619_13545805.png専門家会議が「クラスター」の語を喧伝し始めたのが3月初で、そこから、大都市のPCR検査は既存クラスターに関係し接触が疑われる者ばかりが対象になり、症状を疑う一般市民からの相談はますます排除される進行になる。専門家会議の説明では、日本には15のクラスターが存在するという話だった。常識で考えて、その程度で済んでいるはずがなく、感染経路を追えないとされる個々の感染者の周辺にウィルス保持者がいなかったはずがない。2月の段階から、首都圏や大阪では感染が蔓延し、岡田晴恵の指摘どおり1万人の感染者ベースに広がっていたと見てよい。韓国の2月末の感染者数が3150人だから、中国からの入国者が多かった日本に2月末で1万人の感染者がいたとして何の不思議もない。2月中、日本は何も感染防止の対策を施さなかった。検査しなかった。市中に蔓延した感染の勢いを、休校と自粛の発令で押さえたのが3月前半の経過である。


五輪延期を機に緊急事態宣言から都市封鎖へ – 持ちこたえられなくなった隠蔽_c0315619_14010197.png3月中旬からは中東や欧州から帰国した感染者が目立つようになったが、それは、そこだけにPCR検査を集中しているからそうなるのであり、2月に蔓延した市中感染が完全に消えたとは考えられない。テレビで専門家会議の押谷仁が、「もう持ちこたえられない」とか言っているが、あれは、感染者の拡大抑止を持ちこたえられないのではなくて、感染者の隠蔽を持ちこたえられなくなったという意味だろう。これまで「ただの肺炎死」で処理していた隠蔽工作が難しくなり、感染者も死者も増やさざるを得なくなったという意味に違いない。日本は、検査も隔離も何もやらず、マスクや防護服の増産手当をすることもなく、国民に犠牲を引き受けさせる形でこの感染症禍を凌ごうとしているのであり、国家はレッセフェールを貫き、集団免疫でやりすごす路線を選択している。その放置政策を合理化し、あれこれと理屈にならない理屈を並べ、日本の対策は正しいと合理化しているのが専門家会議だ。


普通に考えて、日本の感染程度がシンガポール並みの低さなら、日本で都市封鎖や医療崩壊など起こるはずがないではないか。欺瞞が破綻しつつあるのである。東京の都市封鎖は間近と考えてよい。首都圏の病床は満杯になり、重症者が病院から溢れ、湖北省・ロンバルディア州的な過酷な状況になるだろう。検査と隔離を正しく行って、医療崩壊も起こさなかった韓国は、この感染症禍を克服した模範国となり、世界から賞賛されることになるだろう。



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by yoniumuhibi | 2020-03-23 23:30 | Comments(4)
Commented by pikchdan_y70 at 2020-03-23 22:32
一人ひとりが感染しない努力をしましょう!マスクは未だに供給されないのですから。
Commented by 七平 at 2020-03-24 05:56 x
田中さんの記事の最後にある予想的中です。半日遅れでNYTが関連記事をCovid-19抑え込み成功例として掲載。 WHOが韓国の対応を褒めたたえ、フランスやスウェーデンの首相が文大統領に直接電話を入れ、知識の伝達を依頼したとの事です。記事へのリンクを記しておきます。 https://www.nytimes.com/2020/03/23/world/asia/coronavirus-south-korea-flatten-curve.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage
一月の末に中国の研究チームは Covid-19 の遺伝子(m-RNA)のSequence (配列)を解析し発表、世界と共有。 そのSequence を基に各国のCDCやRoche の様な製薬会社が一斉にPCR検査キット開発に乗り出しました。 PCRキット作成のカギとなるPrimerの設定、キット製造競争が始まったわけですが、韓国は欧米列強と肩を並べ自らのPCR検査キットを開発、日産能力100,000を保持するに至っているとNYTの記事は報じています。
韓国叩きに明け暮れる現政権やネトウヨには面白くないニュースでしょうが、本件における韓国のAchievement は世界が認める所であり、日本も隣国、アジアの同胞諸国として賞賛すべき事だと思います。 
一方、何とも情けない安倍政権は、自国民の人命を二の次に回し、オリンピック開催や、感染研/厚労省のデータ独占を目指す縄張り争いの影で、事実を隠蔽、自らを窮地に陥れたと言えます。自らの検査キットも無く、大量検査体制もありません。繰り替えして言いますが、世界は透明になりつつあり、いくら羊のような日本国民を騙せても、世界を騙す事はできません。 
国民が目を覚まし、麻生、安倍から河野、、、、、、、橋本、小泉に至る全ての世襲議員を一掃せねば、永田町は肥え壺のごとく、悪臭を放ち続けると思います。
Commented by カプリコン at 2020-03-24 20:57 x
文科省が提示した新学期からの学校再開の指針は『〈1〉換気の悪い密閉空間〈2〉人の密集〈3〉近距離での会話や発声――の3条件が同時に重なる場の徹底的な回避を求めた。具体的な取り組みとして、▽毎朝の検温と風邪症状の確認▽マスク着用▽教室のこまめな換気――などを例示した。』とあります。

結局、現場に丸投げです。岩手県ではまだ感染者がいません。県のホームページを見ると検査を受けた方は36名しかいません。その方々が全て陰性だということだけの話です。本当はどうなのかは神のみぞ知るのだと思います。岩手県でも今回の感染症に対してそれなりの備えはしていますが、まだ、他県に比べると逼迫感がありません。市町村教育委員会の対応もまちまちです。春休み中に1週間ほどの登校日を設けている学校もあれば、全く登校日を設けない学校もあります。でも、たくさんの不安を抱えながら、4月の始業式をどの学校も迎えます。

この指針を守るようにと示され、上意下達で末端まで当たり前のように「やれ!」と伝えられます。理不尽でも、これがこの国の仕組みだと本当に痛感させられています。
この指針の通りにするのであれば、せめて35人学級にし、各学校にマスクやアルコール消毒液の無償配布をすることくらい行って欲しいです。毎朝の検温や風邪症状の確認、マスクの全員着用なんて、徹底しようとしたら1時間以上かかるんじゃないですか。
子供たちに会える新学期はとても待ち遠しいのですが、2月末に比べると明らかに日本全国で感染者が増えているので、とても心配です。

記事の通り、テレビを見ていると、東京都の感染者が増えていますね。今日見た夕方のニュースの中でクラスターって言葉、使っていませんでした。もう集団ではなく、あちらこちらで感染している方が増えているんですね。クラスターって言葉『クラスター爆弾』を連想させるのでとても嫌でした。疫学上で使われる言葉のようですが、この言葉で一括りにされた感染された方々の気持ちを考えて報道しているのでしょうか。思いやりが感じられません。

先進国がやっている対策がこの国では何一つできていません。右横のツイッターの日本の致死率を見たら、震えてきました。
Commented by 隠居4年目 at 2020-03-24 23:36 x
おそらく、隠蔽から露呈へ変更でしょう。
欧州のデータに準じて操作。場合によっては幾何級数的な増加に。そして強権発動。アベはウズウズしているだろう。


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