人気ブログランキング | 話題のタグを見る

野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ

野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_14111824.pngクルーズ船の感染者のうち、人工呼吸器を使用したり集中治療室に入ったりしている人が4人いるという報道が出た。これによって、「(新型コロナウィルスは)感染しても通常の風邪などの重度でない症状にとどまります」と記していた厚労省の2/8の所見が破綻した。また、クルーズ船での作業に当たった検疫官1名の感染も確認された。中国以外の国で検疫官が感染した例は初で、世界とWHOに衝撃を与えているだろう。日本政府がこのウィルスの感染力を侮り、リスクを軽視していたため、かかる重大な過失が起きたと言わざるを得ない。そして遂に、外務省が中国全土の在留邦人に一時帰国を呼びかける進行となった。おそらく、今週中に日本で初の死者が出るだろう。クルーズ船の問題は容易ならざる事態に陥り、国際問題となって刻々の動きに世界から注目が集まるはずだ。これから2週間ほどは日本中がこの感染症の問題で一色となる。



野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_14150153.png野党に提案したいが、国会予算委での質疑は新型コロナウィルスの問題に集中したらどうだろう。テレビの報道番組を見ていると、国会で野党が北村誠吾を追及している絵が出ていて、内閣府が公文書を白塗りで国会に提出した問題が紛糾しているらしい。重要な問題に違いないが、新型コロナウィルスのニュースを見た後に流されると、何とも場違いな感じがして、野党は何をやっているのだろうという気分にさせられる。政府与党を攻めて国民世論を動かす成果を導いておらず、逆効果になっている。野党にとってマイナスだろう。この件は「桜を見る会」の追及から派生した問題で、野党側は国会開会前に戦略を立てて、国民の非難をこの急所に集めようと考えていたに違いないが、状況が変わり、現在の焦眉の課題から乖離していて、国民の眼からは無駄な騒動に映る。むしろ北村誠吾を巧妙に囮に使い、「大臣クビ獲り」に夢中になる野党の姿を戯画化して演出する政権側の手練手管が透けて見える。


野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_14174945.png共産党の田村智子が、昨年4月9日に参院内閣委員会で質問に立ち、国家公務員の定数削減による国立感染症研究所の機能の「弱体化」について追及していた。安倍政権の方針によって国立感染症研の予算と人員が一律に削減され、10年前より3分の1(20億円)も予算が削られ、職員の数も減らされている問題の告発である。国民の現在の関心からは驚愕すべき事実であり、安倍政権に批判が向かわざるを得ない問題だろう。ネットの一部では話題になったが、マスコミは取り上げておらず、大きな論点になっていない。あまりに予言的で意味の重い質問と言える。発言部分を抜粋しよう。「(田村智子)国家公務員の定員削減について、過労死水準の時間外労働が常態化し、非正規の職員が増大していることなど、私も繰り返し指摘をしてまいりました。しかし、定員削減は止まらず、二〇一五年度からの五年間、毎年二%、計一〇%の定員削減目標が各省に課せられています。(略)具体的な問題を指摘いたします」。


野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_14235604.png「国立感染症研究所は、感染症や病原体に対する国の対策、対応の中核を担う機関です。感染症の基礎研究及び応用研究、ワクチンの開発から検査、国家検定、国内外における感染症流行状況の調査、監視など、我が国の感染症研究や危機管理を行っています。実際に感染症が発生すれば、地方衛生研究所と一緒に実動部隊としても行動いたします。致死性の感染症のパンデミックが起きた場合は、職員や研究者は国家公務員として危機対応に当たるわけです。これはアメリカでいいますと、CDC、疾病予防管理センター、NIH、国立衛生研究所、FDA、食品医薬品局の三つの機関の役割を我が国では国立感染研が一手に担っているということになります。このように、国の安全保障の一翼を担う機関ですから、独法化の対象にはならずに国の直轄機関として維持されています。(略)私、実は二〇一三年、厚生労働委員会で感染研の体制について質問いたしました。(略)当時の研究者は三百十二人です。ところが今年度の定員は三百六人です。これはどういうことなんでしょうか」。


野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_14274355.pngこれはまさに、今、国会でやってもらいたい質問であり、加藤勝信と安倍晋三から答弁を聴きたい問題だ。中継されれば国民はテレビに釘付けになるだろう。嘗て、吉井英勝が、地震や津波による福島第一原発の炉心溶融と水素爆発の危険性を指摘した予言的な質問をしていて、歴史に残る金字塔の国会質問として高く評価されている。吉井英勝の質問は2006年2月のことで、福島第一原発の事故の4年前のことだった。この当時は、世間は誰も原発事故の危険性など考えておらず、地震と津波でメルトダウンが起きるなど思っていなかった。寺島実郎が原発立国計画を堂々を垂れていた頃だ。そして、共産党議員の数は今より少なく、質疑の持ち時間も少なかった。知識人吉井英勝の先見の明に脱帽させられる。国会議員の質問というのは、そのときマスコミで目立って世間で評価される時事の爆弾投下も大事だが、こうして、数年後数十年後に予言的意味を持って歴史に残る警鐘こそ、本当に価値ある質問なのだろう。


野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_14325237.png今回の田村智子の質問もそれに匹敵する。価値が光る。この質問で発した懸念がいま的中し、感染症禍への国民的な不安と動揺が現実のものになっている。この田村智子の質問を基軸にして、田村智子を再び先頭に立てて、野党は政府批判の論陣を組み立て直し、国会審議で主導権を握り直す策を講じるべきである。そして、この新型コロナウィルス対策についてこうするべきだという提案を示すべきだ。国民はそれを聴きたい。野党が活躍する舞台はある。まず、現在の最大の課題であり焦点であるPCR検査の能力と体制の問題について、マスコミからは要領を得た情報を得ることができない。専門家と称する御用学者は1日1400件しか検体検査ができないとテレビで言い、それに対して科学に無知な番組司会者は生放送で突っ込むことをしない。元厚労相の田村憲久は1日1万4000件のPCR検査の体制があると言っている。どちらが本当なのか。前者が事実なら、中国と比べてかくも貧弱なのは何故なのか。


野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_14474684.pngこのPCR検査の問題については、野党議員が国会で質問して、政府から責任ある正確な回答を受け取るしかない。安倍晋三と政府に忖度するマスコミは、何もまともな調査報道をしない。中国は1日3000人以上の感染者増加を確認してWHOに報告している。中国でどのような検査体制が敷かれているか、どんな検査キットが使われているかも重要点であり、国民が知りたいポイントだ。中国科学院とコンタクトのある野党が、実像を調べて報告することができるのではないか。クルーズ船の乗員乗客をどうすべきかについて、野党から何か提言があったという話を聞かない。自分が政権を担当していて、この問題に直面したらどうするのか。安倍政権と同じなのか、違うのか。黙って見ているだけなのか。クルーズ船の対処については、全員を検査すべきという意見と、全員検査の必要はないという意見に分かれている。良心的な学者や医師は全員検査を主張し、御用学者が「手間がかかる」と政府を擁護している。野党はどちらなのか。無責任に様子見するのではなく、立場と方策を明確にコミットしたらどうか。


野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_14472059.png野党に提案したいが、良心的な専門家たちを取り込んで、政府に対して建設的な対策を提起する有識者の合議体を作ることだ。専門家たちもそうした場を必要と感じているだろうし、実際に最前線で実務を担う厚労省の平職員たちや患者に接する保健医療関係者たちが、そうしたチームの存在を必要と感じているだろう。安倍官邸は何もしない。頼りにならない。ひたすら感染症の威力と被害を過小評価し、検査を絞り、不作為に徹し、見かけの「感染者数」を少なくすることに必死になっているだけだ。気に掛けているのは景気だけであり、企業の儲けだけである。矛盾は現場にしわ寄せされ押しつけられる。このままだと、クルーズ船で感染した検疫職員のように、市中の病院で診察に当たった医師や看護師が感染することになるだろう。国内の感染症専門家の良識派を集め、分析で政府をリードし、対案でリードし、政府と国民を引っ張って行く本格的なタスクフォースを作ればいい。緊急臨時の法制度と予算案を纏め、医師会とWHOのエンドースを受ければいい。それができれば、国民は野党の政権担当能力を認めるだろう。支持率も上がるだろう。

野党の国会審議の戦略旋回=編成替えを促したい。

野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_15325593.png
野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_15330307.png
野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_15331160.png
野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_15514451.png
野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_15332836.png
野党は感染症対策の追及と提案を - 田村智子を陣頭に国論をリードせよ_c0315619_15333896.png

by yoniumuhibi | 2020-02-12 23:30 | Comments(2)
Commented by 愛知 at 2020-02-13 00:12
私の仕事で言えば、火災現場における焼残物の油性分析。検出限界値は、水中投入が100000、北川式検知管が5000、人体嗅覚が30~300、ガスクロマトグラフィーが10、ガスクロマトグラフ質量分析が0.3(単位はμg/g)。警察(所轄署)は未だに人体嗅覚にさえ劣る北川式検知管での計測で「油性成分は検出されなかった、よって事件性なし」と。水中投入はバケツの水に灰を投入という古典的な方式。北川式検知管は飲酒運転の呼気検査と同じ。焼毀の激しい現場の焼残物は水中投入しようが、北川式検知管で検査しようが、灯油などの油性成分は検出不能。私の場合、費用はかかっても、ガスクロマトグラフ質量分析。PCR検査は専門外ゆえ踏み込みませんが、タカラバイオのリアルタイムPCR検査など、なぜ民間の英知を結集させられないのか不思議。内閣府や厚労省に「よって事件性なし」という所轄署の片付け仕事に通底する意識があるのか。

ダイヤモンドプリンセス乗船中さんの今朝のツイート―――検疫官の方に陽性反応のニュースを見ました。問診で来られた時に、作業着に簡易マスクといった軽装だったので心配していましたが、やはり……。深夜に全客室を訪問したため、既に検疫官たちも疲労困憊の様子にも見えました。

自衛隊には化学防護服、防護車両、専門部隊までありながら、クルーズ船での応援作業は、迷彩服に普通のマスク。検疫官まで感染しているというのに。現場自衛官の命よりも、トップのための演出。

ご紹介の田村智子議員の国会質疑全文を読み、一人で拍手。総理の犯罪「桜」は重大ですが、貴下ご教授の通り、疫病対策の杜撰こそ追及すべき。「意味のない質問」にエキサイトしている場合ではないと思います。
Commented by あらん at 2020-02-14 00:37
どうしてクルーズ船の現況が国際問題になる可能性がわからないのかですが、あの方の頭の中は我々と違います。そもそも感染症のイロハも、わからないのではないでしょうか。
官僚は余計なことを言うとかえって減点される可能性があるので、今の官僚は進言などしないでしょうし、情報も上がってないでしょう。
安倍4選はなくなったでしょうね。ブログで書かれていますが、なるべくはやく解散総選挙したいようですが、当分無理です。習近平来日もいつになるのかわからない。秋篠宮の行事も延期か?
コロナウイルスが、安倍政権を終わらせてくれた、ということになるかも?
しかし、岸田だけはあり得ません。コロナウイルス対応の官僚に差し入れたものが、岸田はカップラーメンに栄養ドリンク。(SNSで、官僚から、侮蔑されてましたね)根本的に変な人間なのかな、と常識を疑いました。まともに仕事したことない人なのかもしれませんね。これでは人心掌握は無理です。


メールと過去ログ

since 2004.9.1

ご意見・ご感想




Twitter

最新のコメント

今こそ「テニスコートの誓..
by 印藤和寛 at 09:18
総裁選で石破さんを倒すた..
by 人情味。 at 09:29
もし山上容疑者が安倍元首..
by 人情味。 at 21:23
杉田水脈なる人物は論評に..
by 住田 at 10:51
盆の時期は一億総反省で過..
by 成田 at 08:07
あれは15年程前..
by ムラッチー at 11:27
悪夢のような安倍政治から..
by 成田 at 13:03
ハーバード大学で比較宗教..
by まりも at 23:59
重ねて失礼いたします。 ..
by アン at 17:48
安倍晋三のいない世界は大..
by アン at 13:16

以前の記事

2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月

記事ランキング