人気ブログランキング | 話題のタグを見る

秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三

秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_16154445.png政治番組に出演した長妻昭が、「総理は隙あらばいつでも解散しようとタイミングを狙っている」と発言していた。巷では解散総選挙は東京五輪が終わった秋以降という観測が支配的だが、実際にはこの長妻昭の見方が正しい。結論から言って、秋以降の年内解散などあり得ないと断言してよい。根拠を説明しよう。ポイントは、(1)党則改正の党大会と(2)米大統領選の2点である。党則改正の問題については何度か述べてきたが、この点に着目した政局論や総選挙日程の予測分析が皆無なのが不思議でならない。四選を目論む安倍晋三にとって何より頭を悩ませている難題が、四選を可能にする党内手続きの処理、すなわち党則改正を首尾よく果たすことで、この基本的事実を正しく了解する必要がある。この関門を突破しなければ、任期は21年9月で自動的に終了するのだ。党則の改定は、最高機関である党大会で行う。緊急の場合、両院議員総会を開いて党大会の議決に代えることができる。



秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_15573683.png党大会は毎年1回開かれると党則で決まっていて、昨年は2月10日に開催された。今年は3月8日と早くから決まっている。総裁任期を3選に延ばす決定をした2017年の党大会は、3月5日に行われている。総裁選の1年半前に早々と党則を改正し、布石を打って盤石に既成事実を固めていた。おそらく安倍晋三は、昨年秋か新年冒頭の解散総選挙を考えていて、そこで圧勝し、3月8日の党大会に臨む思惑だったのだろう。一部週刊誌が報じているように、2月総選挙の芽も残っているが、現時点でそれはほぼ不可能な状況であり、このままだと安倍晋三は手ぶらで3月8日の党大会に臨む推移になる。3月8日の党大会では党則改定は議題に上がらない。1月末から2月の国会は、補正予算が審議される場となるが、実際には「桜を見る会」や「IR疑獄」の追及の舞台となり、予算委で安倍晋三が激しく攻め込まれる修羅場が予想される。週刊誌の爆弾報道もあるだろう。


秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_16315396.png3月は本予算審議で、再び安倍晋三が予算委の席で集中砲火を浴びる図が想定され、野党とマスコミによる疑惑追及の攻勢で支持率は下落することが確実だ。4月に入り、ここから国会後半戦となり、安倍晋三は予算委から逃亡できる身となって一息つき、支持率を回復させたいところだが、今年はここに厄介な問題が控えている。習近平の国賓来日だ。日程の詳細は決まってないが、「桜の咲く頃」とされていて4月上旬が予定されている。マスコミは国賓来日に反対の姿勢に傾斜していて、国内では右翼も左翼も習近平国賓来日に抗議する声が強い。ここに香港情勢が絡まって、都内で大きなデモが行われる可能性もある。岩田明子のような親安倍系マスコミは、安倍晋三と習近平の蜜月ぶりを演出し、二人の蜜月が日本の国益であるように宣伝するだろうが、欧米のマスコミはこの図をネガティブに論評し、それをTBSやテレ朝が拾って安倍批判の材料として活用、拡散する展開になるだろう。


普通に考えて、習近平国賓来日は安倍晋三の支持率にプラスの影響にならない。物議を醸してマイナスの効果になる。国際社会から叩かれ、安倍政権の立場を悪くする方向に作用する。そして、4月19日に立皇嗣の礼があり、同21日に宮中饗宴の儀がある。4月下旬はこの皇室日程のため選挙はできない。4月は上旬に習近平来日があり、下旬に皇室行事があり、解散総選挙のタイミングを得ることができない。


秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_16050287.pngさて、東京五輪が終わって秋以降の解散を狙えるかどうかを検討しよう。経験から予想すれば、通常国会での疑惑追及でさんざん痛めつけられた安倍晋三の支持率も、真夏の五輪の熱中と感動で忘れ去られ、気分が入れ替わり、例によって元の高い支持率に反転するものと考えられる。夏から秋の台風災害も国民の関心を政局から逸らす方向に導く。政界記者たちが解散総選挙の時期を秋以降と想定するのは、常識論としては正しく説得的だ。だが、ここで見落としている要素がある。それは11月3日投票の米大統領選だ。9月から10月の時期、米大統領選は佳境に入り、連日、世界中のテレビで選挙戦の様子が伝えられ、詳しく情勢分析され、専門家が解説し、日本人の視線も米本土の動向に釘付けになる。4年前と同じ、あるいはもっと甚だしく、日本人は米大統領選劇場の熱心な観客になる。そのとき、一般国民よりも釘付けになり、拘束させられるのは、安倍晋三と日本政府なのだ。


秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_16065650.pngこの時期、安倍晋三と官邸官僚は待機して米大統領選を注視しなくてはいけないのであり、トランプからの注文や要請に臨機応変で対処しなくてはいけないのである。深夜の緊急電話会談も何度か入るだろう。日本政府は属国政府であり、安倍晋三は現地代官の身の上である。トランプは通商も外交も安全保障も自分の選挙のために使う。私物化して自分本位に利用する。日米FTAはまだ終わっておらず、第2弾が虎視眈々と準備されていて、日本側が妥協してトランプに「成果」を献上する幕が控えられている。在日米軍駐留経費の増額(4倍)の問題もある。日本叩きは米大統領選の票にプラスになる。米国の有権者は日本叩きや日本屈服に溜飲を下げて沸く。歓呼する。トランプは容赦なく日本叩きの音量を上げ、安倍晋三に土下座させて貢ぎ物を約束させ、獲物を自慢する筋書きを演出するだろう。日本はサーバントであり、ご主人の米国が大統領選たけなわなのに、勝手に自分の都合で政権の懸かった総選挙などできない。


秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_16114464.png官邸と外務省・防衛省・経産省にとっては、米大統領選の本番が日米外交の重要局面であり、現職大統領のトランプから直接に、矢継ぎ早にディールの要求が飛んできて、こうしろああしろ、文句はないな、選挙後に合意締結だぞと詰められる、緊張の正念場なのだ。米大統領選は、米国の国内政治の問題ではないのである。そんなときに、言わばのんびりと、属国の政権が宗主国を無視して解散総選挙などやれるわけがない。トランプにとっては、安倍晋三と日本政府は自分の選挙戦勝利をアシストする配下であり、自陣営の手駒である。最も下等クラスの選挙スタッフだ。選挙が終われば、トランプが勝った場合は、トランプが選挙戦で要求した諸項目の調整が始まる。トランプが負けた場合は、日米関係の既定事項は白紙に戻り、何もかも一から組み立て直さなくてはならない。新しい大統領の方針を確認することから始めなくてはいけない。これまた解散総選挙どころではないのだ。今年の秋以降は米大統領選が主役であり、安倍晋三に自由はない。


秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_17432692.png秋以降の安倍政権の資源は、米大統領選でトランプに貢献するために使われる。したがって、結局のところ、秋から年末にかけて解散総選挙を挙行する余裕はなく、米大統領選を見守ることで時間を費やし、年を越してしまうことになる。米大統領選と並行して解散総選挙を遂行するという、そのような器用なことは誰にもできない。年を越えれば、9月の総裁選まで最早時間はなく、無理やり、強引に四選のために総選挙を強行する形になってしまう。この選択は党内から拒否されるだろう。その時点で(今から1年後だが)、安倍内閣の支持率が50%を維持できているとは考えにくい。ここまで引っ張ってしまったら、もう四選は諦めて、院政に活路を見出すしかない。それらを考えると、四選のための解散総選挙は、今年2月3月にやるか、5月6月にやるか、その二つしかないのだ。五輪後は不可能である。安倍晋三に内在して考えれば、高い支持率を維持できていて、時間を削り取られる前に勝負に出る方が具合がよく、すなわち2月3月こそが最もよい時機の選択ということになる。



秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_16163058.png
秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_16165649.png
秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_16170901.png
秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_16302873.png
秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_16303992.png
秋以降の解散総選挙が不可能である理由 – 時間を削られる安倍晋三_c0315619_16305038.png

by yoniumuhibi | 2020-01-22 23:30 | Comments(0)


メールと過去ログ

Twitter

最新のコメント

今こそ「テニスコートの誓..
by 印藤和寛 at 09:18
総裁選で石破さんを倒すた..
by 人情味。 at 09:29
もし山上容疑者が安倍元首..
by 人情味。 at 21:23
杉田水脈なる人物は論評に..
by 住田 at 10:51
あれは15年程前..
by ムラッチー at 11:27
悪夢のような安倍政治から..
by 成田 at 13:03
ハーバード大学で比較宗教..
by まりも at 23:59
重ねて失礼いたします。 ..
by アン at 17:48
安倍晋三のいない世界は大..
by アン at 13:16
今まで、宗教2世の問題に..
by さかき at 10:31

以前の記事

2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月

記事ランキング