安倍晋三が4選に踏み出し – しばき隊による常軌を逸した山本太郎叩き
9日の記者会見で、安倍晋三は改憲への意欲を示し、解散総選挙を断行することに躊躇はないと語った。この発言は、4選出馬の事実上の意向表明と受け止められる。総選挙で大勝して、4選への道を敷き固め、改憲を確実に実現するという意思が示されている。時を合わせて、麻生太郎が文藝春秋のインタビューに発言を載せ、改憲を実現するために安倍4選が必要だという主張を明らかにした。二人の発言は示し合わせた政治だろう。麻生太郎が安倍4選への支持を明言するのは、今回が初めてのことである。党内をこの方向で固めようという思惑からの一手であり、ポスト安倍を消すべく態度を明確にした。前の記事で、麻生太郎は二股の立場だと述べたが、ここへ来て、岸田文雄を神輿に担いでゴッドファーザーに収まるポスト安倍の選択を捨て、安倍4選すなわち永久副総理の方向へと舵を切った。日本会議の同志の安倍晋三と共に、悲願の改憲を断行するためだ。
前回、自民党の党則改正のタイムリミットについて指摘し、そこから解散総選挙のタイミングを割り出す観測を述べた。総裁選3選のときは、1年半前の2017年3月の党大会で早々と改正を決定している。この前例を4選にも踏襲させると、総裁選の1年半前は来年3月となる。来年前半、総選挙圧勝もなく、党則改正もなく、そのまま五輪を迎える進行になれば、五輪花道論は世間の動かぬ常識になり、すなわち、総裁選まで1年を切った時点からの、4選を目指した解散総選挙は政局的に難しい状況になるだろう。立皇嗣の礼が4月19日に予定されている。この皇室行事は選挙日程から外さないといけないから、解散総選挙は3月までに行われる公算が大きい。安倍晋三が、9日の会見で、解散総選挙について語った件(くだり)で、なぜか立皇嗣の礼に触れていて、ある種の暗示と布石、あるいはその効果を狙った陽動作戦の情報工作が読み取れる。
文藝春秋のインタビューで、麻生太郎は口汚い表現で石破茂を貶めていて、石破茂への強烈な敵意を表している。ポスト安倍のレースで、現在、一番人気となっている石破茂に対する牽制と挑発であり、石破茂への政権交代は絶対に阻止するぞと、安倍晋三を代弁して、党内と保守界隈に向けて宣言を発している。石破茂が首相に就任したら、検察が長い冬眠から覚めて動き始め、安倍晋三夫妻の手が後ろに回る可能性がある。森友事件での財務省内の公文書改竄と暗黒の隠蔽工作について、麻生太郎の関与(指揮命令)が明らかになる事態も起きかねない。安倍晋三にとって、世論調査の懸念材料は、内閣支持率よりもポスト安倍の数字なのだ。JNNの最新の世論調査では、人気投票で石破茂が24%(前回21%)となり、安倍晋三は12%(前回19%)となった。マスコミは今後も世論調査でポスト安倍の人気レースを続けていく。安倍晋三にとって、敵は野党ではなく石破茂であり、だからこそ総選挙での圧勝が早期に必須なのである。
目を野党の側に転じよう。10日配信の産経の記事が興味深い。野党が有楽町で「桜を見る会」追及の気勢を上げ、幹部が集合して壇上に並んだが、「立ち止まる人は少なかった」と説明がある。この件はテレビのニュースでも報道されたが、立ち止まった人数が分かる映像は出なかった。どうやら、NHK(NW9)の「街の声」で拾われていたように、この問題への国民の関心や怒りはそれほど強くない。というか、関心と怒りを持続させ増幅させる材料(ネタ・新情報)の発掘と暴露が、野党側において継続的・効果的にできていない。腰折れしている。弾が続いていない。だから、こうしたフェイドアウトの流れに傾いているのだ。そのことを証明するように、最新のNHKの世論調査では、内閣支持率は2%しか下落せず、攻勢をかけたはずの立憲民主党と共産党は逆に支持率を落とすという意外な結果に終わっていた。厳しい批評になるが、野党の追及が不十分で、国民の期待に応えられてないのである。ジャーナリズムの方も不作で熱がなかった。
他方、ネットの野党政局の地平を眺めると、相変わらず、しばき隊による山本太郎叩きの怒濤が凄まじく、石垣のり子の「事故」の騒動などを炎上の薪にくべつつ、盛り上がる一方の情勢にある。前に述べたとおり、しばき隊によるれいわ新選組叩きには二つの目的が看取できる。一つは、ネットの左翼界隈でしばき隊のヘゲモニーを固守することであり、権勢を保持することである。従来同様、ネットの中での暴力支配を続ける権力を保つべく、新参者でショバを荒らすれいわ支持組を排除しないといけない。しばき隊にとってのれいわ支持組は、嘗ての路上での「へサヨ」と同じ駆逐すべき政敵の存在だ。しばき隊はセクトであり、セクトの本能と生理に従って常に行動する。しばき隊は暴力集団であり、街の暴力団と同じようにショバの利権を動機に抗争する。もう一つの目的は、来る衆院選での共産党の比例票を守ることであり、共産党の比例票がれいわに流れるのを防ぐべく、山本太郎を失墜させ排撃するプロパガンダを徹底することである。左派浮動票をれいわではなく共産党に回収することだ。
無頼のしばき隊が左翼世界で地位を維持できている理由は、一にも二にも共産党が後ろ盾になっているからであり、共産党が彼らを友好市民団体としてオーソライズし、エンドースしているからである。その条件が失われたら、しばき隊はただの(「反差別」を看板にした)ゴロツキ集団でしかない。したがって、現在の一心同体の関係において、共産党の勢力の浮沈はしばき隊の浮沈と同義であり、共産党の勢力後退はしばき隊の左翼内での影響力低下に直結する。共産党にとって、しばき隊は、言わば党の機動部隊全体の編成の中の、重要な実力ある支隊であり、精鋭部隊と呼んでよい武闘派の軍隊である。ネットと路上の活動で大きな恩恵を得ている。嘗ての民青同盟の位置がしばき隊にリプレイスされていると言っても過言ではない。共産党の比例票を守ることは、しばき隊の神聖なミッションであり、自己の生息と安寧のためにも譲れない問題だ。共産党の比例票がれいわに奪われて減ることは、彼らが錦の御旗として掲げる「3.11以後の社会運動」の挫折と没落を意味する。とまれ、いずれにせよ、しばき隊の常軌を逸したれいわ叩きは、親安倍の右翼側から見たとき、左翼リベラルの中の内ゲバでしかなく、自分たちには好都合な、嘲笑しながら高見の見物をするところの、選挙を前にしての敵陣営の仲間割れの抗争でしかない。右翼でも左翼でもない中立の立場から見ても、無益で利己的な主導権争いの攻撃でしかない。
有楽町での野党の「桜を見る会」追及の街宣集会が、やや熱気に乏しかったのと対照的に、山本太郎による最近の各地での街宣は、相変わらず大規模な群衆を集めている。寒い中を大勢の人々が立ちんぼして山本太郎の演説に耳を傾けている。夏の参院選時の街宣の絵と変わらない。マスコミ報道では、れいわ新選組の話題はほとんどなく、何やら障害者の利益代表のミニ政党の如き扱いで、世論調査の政党支持率も端数だが、なぜか、街宣には多くの市民が集まって夏の参院選の空間が再現されている。この現実は、しばき隊にとっては脅威だろう。さて、山本太郎の戦略は何なのか、何を考えているのか、独自に検討と考察を加えたいが、残念ながら紙幅が尽きたので次回にしよう。






by yoniumuhibi
| 2019-12-11 23:30
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Comments(4)
安倍の「私の手で憲法改正を」は、右翼への単なるガス抜き的アピールではなく、四選への宣言だったわけですね。麻生とも気脈を通じている、と。二週間ほど前までは、ポスト安倍で動き出し、もう四選はないものだと、少し楽観していたものですが、そうではないのですか。
桜を見る会でも、結局、倒閣はできないのは、もうモリカケで十分経験済みでしたよね。
それにしても、山本太郎と新選組(NEW SELECTION PARTY)に期待されますね。
引き続き、精力的な分析を拝読いたします。新しい選択を!
桜を見る会でも、結局、倒閣はできないのは、もうモリカケで十分経験済みでしたよね。
それにしても、山本太郎と新選組(NEW SELECTION PARTY)に期待されますね。
引き続き、精力的な分析を拝読いたします。新しい選択を!
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私は逆に、今回れいわ支持者が執拗に石垣さんを叩くのが理解できない。高橋洋一なんて「主義主張以前に人としてどーよ」でしょ。ま、確かに小林よしのりをありがたがっている立民がと言うのはあるが、国家戦略特区に関する森裕子事前質問の件でも卑劣な事をやってる。元官僚で専門知識が豊富と言うが、あの程度の官僚経験者でもっとまともな人は他に沢山いるだろうと、普通は思う。「竹中平蔵ろくでもない」コールしてたのに、高橋は講師でお招き⁉︎ 石垣議員がああいうTWしたのも当然だと思う。れいわ100人擁立、玉石混淆になるんだろうが、弱者の代弁者を貫けるのかどうか。
できれば、映画『ジョーカー』の批評を書いてもらいたいのですが?
アニメ映画の『君の名は。』や『世界の片隅で』の批評も説得力があって良かったのですが、
『ジョーカー』は、そういった映画以上に大事な問題を含んでいると思われます。
トランプ大統領やトランプ大統領に類似した為政者が世界中で誕生する大衆的バックボーンや
格差社会について言語化してもらいたいです。
人選は先生以外あり得ません。どうか是非その気になってください!(笑)
映画評論もしている社会学者の宮台真司氏はこの映画について
「堕天使アーサーも、天使ブルースも、
愛と正義、法と正義、人命と正義が両立しないと知っている。
二人は社会をマジガチで生きられない天使族だ。
だが、天使はおためごかしの社会を支える幻想を守ろうとし、堕天使は破壊しようとする」とコメントしています。
先生も先生の切り口で是非どうぞ!
アニメ映画の『君の名は。』や『世界の片隅で』の批評も説得力があって良かったのですが、
『ジョーカー』は、そういった映画以上に大事な問題を含んでいると思われます。
トランプ大統領やトランプ大統領に類似した為政者が世界中で誕生する大衆的バックボーンや
格差社会について言語化してもらいたいです。
人選は先生以外あり得ません。どうか是非その気になってください!(笑)
映画評論もしている社会学者の宮台真司氏はこの映画について
「堕天使アーサーも、天使ブルースも、
愛と正義、法と正義、人命と正義が両立しないと知っている。
二人は社会をマジガチで生きられない天使族だ。
だが、天使はおためごかしの社会を支える幻想を守ろうとし、堕天使は破壊しようとする」とコメントしています。
先生も先生の切り口で是非どうぞ!
クリスマスの飾りつけをする頃ですが、お祝い処か、私にとっては、クリスマスイブにあたる、1948年12月24日が日本の属国化記念日として頭に浮かんできます。この日が、戦後日本の属国化政治の出発点となったと考えるからです。
クリスマスのどさくさに紛れて、進駐軍のGHQは巣鴨刑務所より 岸信介、笹川良一 そして児玉誉士夫の3名を出所させ、政財界に復帰させました。裁判にかけられて無罪放免となったわけではなく、戦犯リストから説明もなく消されて出所となったわけです。
岸信介は囚人服を着たまま、佐藤栄作の事務所に着き、背広に着替えた後、”今日から、皆、民主主義だ” と一声を発したのは良く知られています。笹川良一は競艇(賭博)の独占権をGHQより与えられ、日本財団を築くに至っています。児玉誉士夫はヤクザと政界を繋ぐFixerとして、ロッキード事件まで活動が続きました。
上記の三名以外にも、戦後のどさくさに紛れて私腹を肥やした連中が日本の戦後政治の基盤を作り、その子孫が現在でも腐った日本の政界の中核を抑えているのが実情です。そもそも、政治は汚いものと言う事は政治家が一番良く知っているはず、自分の子供を政治家に仕立てあげるような連中は、既に腐りきった親だと思います。
端的に言うと、国民の自覚が高まり、”世襲制度” ”世襲政治家” を嫌う体質が育たねば、我が祖国、日本は腐り続けるというのが私の結論です。
クリスマスのどさくさに紛れて、進駐軍のGHQは巣鴨刑務所より 岸信介、笹川良一 そして児玉誉士夫の3名を出所させ、政財界に復帰させました。裁判にかけられて無罪放免となったわけではなく、戦犯リストから説明もなく消されて出所となったわけです。
岸信介は囚人服を着たまま、佐藤栄作の事務所に着き、背広に着替えた後、”今日から、皆、民主主義だ” と一声を発したのは良く知られています。笹川良一は競艇(賭博)の独占権をGHQより与えられ、日本財団を築くに至っています。児玉誉士夫はヤクザと政界を繋ぐFixerとして、ロッキード事件まで活動が続きました。
上記の三名以外にも、戦後のどさくさに紛れて私腹を肥やした連中が日本の戦後政治の基盤を作り、その子孫が現在でも腐った日本の政界の中核を抑えているのが実情です。そもそも、政治は汚いものと言う事は政治家が一番良く知っているはず、自分の子供を政治家に仕立てあげるような連中は、既に腐りきった親だと思います。
端的に言うと、国民の自覚が高まり、”世襲制度” ”世襲政治家” を嫌う体質が育たねば、我が祖国、日本は腐り続けるというのが私の結論です。

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