人気ブログランキング |

なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き

なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13481806.png先週、マスコミとネットで、なぜ安倍晋三の支持率が下がらないのかという議論があった。その議論の中で看過されている点が幾つかあると思われるので、整理して列挙しておきたい。第一は、テレビの露出の問題である。第二は、皇室利用と韓国叩きの問題である。第三は、正常性バイアスの問題である。管見では、これらの論点について指摘している議論はなかった。テレビの露出の問題は、シンプルだが決定的な問題で、誰もが見落としている根幹の問題だろう。テレビに政治家が出る映像というのは、商品のCMの放送と同じである。企業は自社製品の宣伝と拡販のために巨額の費用を投じて電通にCM制作を依頼する。安倍晋三ほどテレビに出まくり、テレビで活発に広告宣伝を繰り返している政治家はない。毎晩毎晩、見たくもない安倍晋三の顔がテレビに割り込んでくる。安倍晋三の顔ばかりが出て、他の政治家の顔は出ない。枝野幸男の顔などほとんど出ない。



なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13592281.pngテレビに出れば誰もが人気者になれる。だから誰もが競ってテレビに出演しようとする。けんみんショーで紹介された店は客で埋まる。テレビが人気者を生み出し、売り出していて、露出する頻度と時間量が出演者(タレント・論者)の世間での人気の基準と評価を決めている。夜のNHKのニュースに出てくるのは常に安倍晋三で、安倍晋三のCMが流されているのと同じだ。安倍政権を正面から批判するテレビの人間は、次々と干されて消えて行った。国谷裕子、古館伊知郎、岸井成格。そして、代わってNHKの報道を仕切っているのが岩田明子で、まるで北朝鮮中央テレビの李春姬と同じ役だ。岩田明子の露出はどんどん増えている。テレビの報道は公平中立が原則であり、一般国民にとって価値観のメジャーメントがそこで提供される。テレビは教育機関(洗脳機関)である。そこでどれほど安倍晋三を持ち上げる映像と言説が流れていて、それが増えていることか。


なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_14150716.pngテレビが安倍晋三の人気(支持率)を支えている。支持の凋落を防いでいる。テレビが絶えず安倍晋三の宣伝を刷り込んでいる。安倍晋三はテレビを占有している。テレビの放映権を独占し、公共の電波を私物にして利用している。自己への賛美と翼賛以外の報道を許さない。基本的な事実だが、このことを再認識する必要があり、3年前や6年前のテレビの言論環境と比較分析して、変化の実態を確認する必要があるだろう。年を追う毎に程度が甚だしくなり、中国や北朝鮮のテレビ報道のあり方と同じになっていて、われわれは感覚が麻痺して慣れて行ってしまっている。久米宏や筑紫哲也がテレビ報道を担っていた当時を忘れ、現在の独裁国家のテレビに順応してしまっている。マスコミは権力機関である。司法権力と同じように、マスコミ権力が完全に安倍晋三の恣意的支配の道具になっていること、年々歳々それが強化されていることを、支持率の問題を論じる際は前提に置かなくてはいけない。


なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13491873.png二番目に注意を促したいのは皇室と韓国という要因である。この点に着目する議論がない。安倍晋三の支持率は、今年になって特に高い状態で推移している。昨年の支持率の動態を見たとき、平均して支持・不支持が40%で拮抗しており、本年とは様相が異なっている。安倍晋三の支持率がなぜ高止まりしているかを現時点で論じるとき、アベノミクスが原因だとか、野党の多弱が原因だとかを言うのは、思考停止の発想と言わざるを得ない。天皇の代替わりを巧妙に利用し、政権支持率に回収したマヌーバーも大きいが、今年は何と言っても韓国問題が大きく影響した。まず、われわれが考えるべきは、今年の安倍支持率が異常に高い現実である。本来なら7年目の政権がこれほど支持率が高くなることはなく、もっと低くなっているのが自然で、この時期に、なぜ支持率が下がらないのかなどと議論しているということはないのだ。昨年と同じ状況で、支持・不支持が拮抗ならば、こんな議論や設問はなかった。


なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13553795.png令和の新元号から始まって、1年間の皇室行事をすべて自分の私有物にして支配統制し、テレビで政権宣伝に活用しまくることがなければ、安倍晋三の支持率は、支持と不支持が拮抗する昨年のバランスが今年も継続していただろう。もし、韓国の徴用工問題が昨年末に起きず、マスコミが韓国叩きの熱狂報道にシフトしなければ、内閣支持率は不支持の方が高くなり、安倍晋三の権力は緩やかなレイムダックへと進行したものと推測される。皇室行事の宣伝回収で支持率の下落を食い止め、ファナティックな韓国叩きの扇動で支持率を上げている。勘づくべきことは、安倍晋三の支持率というのは永久不変の構造的な基盤がもたらしているのではないということで、一生懸命にアヒルの水かきをして、毎度毎度、支持率を高める装置を開発しているという真相だ。パーマネントな法則性によるのではなく、テンポラリーな要因の不断の継起が、安倍晋三の高支持率の秘密なのである。


なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13502167.png2017年は北朝鮮だった。安倍晋三の側に即して言えば、必死で努力して次々に手を打っているから、何とか長期政権の停滞を食い止め、再活性化させるギアチェンジに成功しているのである。今年の支持率の中身は、何と言っても韓国叩きであり、韓国に対する国民の憎悪感情の高揚と沸騰だった。韓国憎悪で支持率を稼いだ。外に敵を作り、国民の意識を外敵への攻撃に仕向け、国内を一色に染め、敵への憤怒を自己への支持に回収する手法。7月の参院選に勝てた理由も、韓国叩きが大きく寄与している。半導体3品目の輸出規制、ホワイト国リストからの除外、これらの経済制裁は7月の参院選の直前に発動されたものであり、選挙の争点にするべく安倍晋三が狙って打ち上げた政策だった。目論見どおりに国民の反響と支持を得、嫌韓ナショナリズムが燃焼する空気の中で安倍晋三は選挙に勝利する。今年の安倍晋三の高支持率の原因を探るなら、絶対に韓国叩きの要件を外すことはできない。


なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13505409.png最後に三番目の正常性バイアスの問題を提起しよう。7年間の安倍長期政権が続く中で、その批判者であり対抗勢力である左翼リベラルは、すっかり感性が鈍ってしまい、独裁権力への正確な認識を見失っている。例えば、具体的な錯誤として、沢尻エリカの逮捕を「桜を見る会」のスピン工作だと見抜けず、正しく批判できなかった問題がある。それをスピン工作だと看破した者は僅かで、そしてあろうことか、その者たちに対して、右翼だけでなく左翼が「陰謀論」のレッテルを貼って袋叩きにするという光景が現出した。「陰謀論」叩きに夢中になっている左翼は、検察も警察も官僚も、30年前の日本と同じニュートラルな精密機械の歯車だと観念していて、フラットに職務を遂行しているものだと錯覚している。日本の国家権力の内実がどれほど変容し、独裁者に奉仕する機構に作り変えられているかを正視できていない。そのため、安倍晋三の独裁権力に対する監視が緩くなり、危機感が小さくなり、批判の声が弱くなるのである。


なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13523835.png政権の支持率を左右するのは、何と言ってもテレビの論調である。朝昼のワイドショーと夜の報道番組の議論に他ならない。安倍晋三は、今後も窮地に陥ったときは、北村滋と中村格が非常時用に準備しているスピン案件を武器に使うだろう。スピンの刑事ローンチを発動して煙幕を張るだろう。そのたびに、左翼リベラル(しばき隊とそのシンパ)は、右翼と連携して「陰謀論」撲滅キャンペーンを展開し、スピン批判の言論を左から封殺する動きに出る。警察も検察も正常なのだと言い、捜査は安倍官邸の権力とは無関係だと強調し、妄想(「陰謀論」)を垂れ流すのはやめろと言う。こうなれば、期せずして左側からガードしてもらえ、安倍晋三の独裁権力は安泰で、謀略が謀略として世論に浮上して強く糾弾されることがない。左翼が反「陰謀論」の言説と立場に拘泥し、思考の病弊にとらわれ、権力の動きに対して鋭敏な観察ができなくなっている。そのことが、安倍批判の言論攻勢を弱める要因となっている。


なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13530878.png
なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13534227.png
なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13534639.png
なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13540073.png
なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13541583.png
なぜ安倍政権の支持率は下がらないのか - 電波の独占、皇室利用と韓国叩き_c0315619_13542049.png

by yoniumuhibi | 2019-11-25 23:30 | Comments(5)
Commented by 手塚治虫ファン。人間を愛するおじさん。 at 2019-11-25 20:48 x
昨日は高知県と香港の選挙がありました。どちらも私と切っても切れない強い思いのある地域です。
香港は中国政府と香港市民がお互いに握手できる関係であって欲しいです。
学生が行っているカラー革命は蒋介石の高笑いが聞こえてくるので与することはできませんが、
正直、習近平国家主席は岸信介首相のように強硬的な手段に出すぎています。
胡錦濤・温家宝という池田勇人・大平正芳チームのようにソフトな立場でしかも中間層を厚くする約束をすれば、
中国への信頼感がよりぐっと多くなります。

田中先生の出身である高知県知事選は残念な結果になりました。社会民主党系列の県会議員さんや村木女史が出れば、
結果は変わっていたと私も思います。

私は過去2回高知県へ旅行したことがあります。

これは私の独断ですが、西日本の人は自分の利益にならないことに対してはドライな対応をとる傾向がありますが、
高知県の人達に関しては、相手のステータスに対して一切態度を変えることなく、フェアに付き合ってくれる方々であると確信します。
高知へ旅行しました時、初めてのお客の私に対して、とても暖かくもてなしてくださいました。
とにかく、お酒を良く呑まれる。私もたくさん呑みました。とても楽しかったです。

ローマ教皇様が日本に来られたことをとてもありがたく思います。これからも日本で暮らしていこうという思いに弾みがつきます。
Commented by 愛知 at 2019-11-26 00:34 x
新聞やNHKニュースは(中略)安倍首相が絡む不祥事や閣僚の辞任、政策の大きな失敗などを詳細かつ批判的に報じている。こうした姿勢に大きな変化はない。ところがこうした「硬派メディア」のメッセージが、今の時代、国民にどれだけ伝わっているのであろうか・・・リンクを貼られた薬師寺克行氏の記事にぎょっとして。NEWS7で「安倍首相のおかげで国際社会における日本のステータスは過去にない高さに」と仰った五百籏頭眞氏との共著や『岡本行夫 現場主義を貫いた外交官』という著作まで。ボケの始まりかと思ったものの、私より僅かに6歳年上。貴下ご指摘の通り―――日本の国家権力の内実がどれほど変容し、独裁者に奉仕する機構に作り変えられているかを正視できていない―――のでしょう。

NHKスペシャルの大作『日本人はなぜ戦争へと向かったのか』(2011年、5回シリーズ)は、非自民政権ゆえ制作、放送できたのだという思いが。特に魅かれたのは第3回、戦時の日本にメディアがもたらした影響、その知られざる側面を、新たな研究と新資料に基づいて探ると謳われた『 "熱狂” はこうして作られた』。検索したらDVD5枚組も。そのうち、ひっそりと販売中止でしょうか。

いつも乍ら、正鵠を射たタフなご教授に感謝します。
Commented by 3050 at 2019-11-26 09:58 x
11/23のTBS 情報7Daysでも鳩山元首相のスピン江作発言を一笑に付してました。ちょっとは政治に厳しそうなたけしでさえ、鳩山発言に対して批判的なスタンスだったのが残念です。なんかTBSも安倍の広報機関に成り下がった感があります。
11/25の参議院行政監視委員会での田村智子議員の桜を見る会の招待者名簿の連番についての質問もどこのテレビ局も取り上げませんでしたね(Youtubeで動画が見られます)。
Commented by 長坂 at 2019-11-26 12:08 x
ハンキョレに「安倍首相に良心を持って言ったのかを問いただしたい」と韓国の安保室長。「GSOMIA、何も譲ってない」という安倍に強い不快感を表す。「外交交渉における信義誠実違反」と強く非難している記事が出ています。日韓がいつまでも平行線なのは、もちろん日本が加害の歴史を素直に認めないからだけど、日本に蔓延するこのいやらしい善悪、価値観相対主義、選択の自由、中立(と言う結局悪に加担)、どっちもどっちが大きな原因の一つだと思います。まともな近代も経ないまま、訳の分からないポストモダン? 特に今の文政権を誕生させた韓国にとって(てか普通の先進国なら)理解不能。大嘘をつこうが、公文書を燃やそうが、人が死のうが、法よりも情みたいな空気で「三権の長」の如く振る舞う安倍を誰も止められない。「だって何が悪いかわからないんだもん!」でしょう。安倍が辞めたところで、多少毒気を薄めた別のシンゾが出てくる。教皇が説教しても、田村智子が不正を暴いても、山本太郎が泣いても、、、
Commented by sun at 2019-11-27 09:04 x
栃木小山2少女監禁事件、犯人伊藤は安倍晋太郎の金庫番の孫だそうです。新潮がネットで概要を速報していますが、なかなかの情報量です。
>>伊藤の祖父は山口の農協トップの秘書から頭角を現し、晋太郎の秘書に抜擢された。
>>伊藤の父親は医者だったが交通事故死したと、ネット記事に出ていたが実態は違う。安部晋太郎のコネで、愛知医大に入学したものの、10数年かけても医者になれず自殺した。
>>「当時、私立大学振興政策のため、自民党の代議士は各私大の担当を持っていました。晋太郎さんは71年にできた愛知医科大を受け持っており、その繋がりもあって、72年に秘書の息子が二人そこに入学します。そのうち一人が伊藤五十男の息子、(仁士容疑者の)父です。ただ、医師国家試験になかなか受からず、色々あって自殺されたと聞いています」
>> 取材によって、仁士容疑者の父は85年卒だとわかった。亡くなったのはその3年後である。入学から卒業までの13年間をどう過ごしたのか……。

東京医大の文科高官コネ入試、女性に対する入試差別とあわせて大変な問題になりましたが、政治家のコネルートが以前からあることもこれで明白です。

栃木で監禁の現場となった家は、当初は医師である父親が交通事故死したと聞きましたから、その保険金で建てたのかなと思いましたが、晋太郎の秘書をしていた祖父の援助などもあって、田舎でみすぼらしくない程度の家が建てられたのだろうと理解しました。確かに父親が死んだにしては、あまり苦労している様子がないので不思議でした。


カウンターとメール

最新のコメント

中国は、アヘン戦争後の列..
by 酒呑童子 at 15:06
米国反戦団体の日本支部長..
by 愛知 at 00:45
かの人が和解を求め、弁解..
by 愛知 at 02:28
イランで墜落したウクライ..
by 愛知 at 03:26
トランプが「お前の母ちゃ..
by 長坂 at 23:31
今回の緊急事態に対し、経..
by アラ還 at 23:19
今や米国支配態勢下で遂に..
by 手羽先まいね at 22:45
米国の国際テロを眼前にし..
by 手羽先まいね at 22:43
しばき隊的の親米改憲路線..
by 手羽先まいね at 22:41
首相自らが親イランを名乗..
by もあん at 11:27

Twitter

以前の記事

2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月

記事ランキング