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不愉快な気分になる津田大介と東浩紀の動画 – 三者の出来レース

c0315619_15483703.pngあいちトリエンナーレの問題は、今度さらに揉めて混乱が続く展開になるだろう。最初に結論と立場を言えば、今回の政府による補助金不交付には反対だ。河島伸子が言っているように、全額ではなく瑕疵のあった分だけを減額する措置が適当だったと考える。だが、問題の本質はこういう次元にあるのではない。左翼やマスコミが単純に構図化して批判するような、公権力による表現の自由への介入と圧力という位相へと、一方的に問題を収斂して口を尖らせるのは、今回の事件の本質を見誤らせる付和雷同の議論だろう。早い話、津田大介を芸術監督に起用しなければ、このような問題は生じなかったのである。朝日と左翼は、公権力による表現の自由の侵害という側面を殊更に強調し、また右翼の脅迫や政権の右翼性を前面に押し立て、それを批判する世論を興し、津田大介の責任を曖昧にして救出しようとしている。



c0315619_14593046.png私には、報道されている全てが醜悪な出来レースに見える。9月25日に県の検証委が中間報告を出し、翌26日にすぐに萩生田光一が補助金不交付を発表した経緯を見れば、大村秀章が8月から水面下で政府側と調整していたことが容易に窺える。中間報告の文面も、補助金不交付も、内々に互いに事前に意思疎通して了解していたことで、両者の間に齟齬はないのである。大村秀章が大袈裟に「訴訟する」と息巻いて見せているのは、まさに狸芝居の演技であり、裁判の決着まで互いに見通しての口上だろう。大村秀章との間でコトの展開を打ち合わせて決めたのは、萩生田光一や菅儀偉ではなく柴山昌彦である。大村秀章は政府批判の狸芝居をすることで、マスコミや左翼からの批判を逸らし、責任を頬被りして時間を稼ぐことができる。無論、津田大介とも秘密裡に接触しているはずで、中間報告での津田批判の文言や「厳重注意」も出来レースだろう。


c0315619_14594168.png安倍政権と大村秀章と津田大介、この三者が欲しい獲物を得るべく動いた結果が、25日の中間報告と26日の補助金不交付の政治であり、「表現の自由への権力の介入」は汚い内実を隠すための綺麗ごとの口実だ。大村秀章と津田大介が欲して求めたのは、自己の地位を守る保身と責任の曖昧化である。安倍政権が欲して求めたのは、左翼的な文化イベントには補助金が出ないぞという既成事実作りであり、地方公共団体と芸術家たちの自粛である。三者とも、まんまと獲物をせしめた、ように見える。山本一郎は、県検証委の中間報告について「責任を津田さん一人におっかぶせて幕引きを図る」図だと言っているが、その見方は当たっていない。検証委が津田大介の責任を本気で追及するのであれば、芸術監督の辞任を求めて当然だろう。その要求を避けているのは、津田大介の責任を詰めれば大村秀章も責任を取らされるからである。


c0315619_15030864.png大村秀章の責任を回避するため、津田大介には一見厳しい口調で糾弾しているようで、実は大甘の免責で済ましているのだ。だから、津田大介は芸術監督のままであり、痛くも痒くもなく、これで禊(謹慎期間)は終わったとばかり、再び前に出張ってきて政府批判の気炎を上げているのである。欺瞞的で狡猾な三者の政治相関図であり、三者の利害調整と結託だと思う。この事件の本質は何なのか。もう一度、津田大介と東浩紀が対談する動画を確認しなければならない。この「宣伝放送」と銘打たれた4月の動画こそ、今回のあいちトリエンナーレの本質を示す材料であり、企画の趣旨が世間にメッセージされたものだからだ。この映像の中で、東浩紀は酒を飲んで喋っている。そして、津田大介が「表現の不自由展」こそが自分が拘った企画だと明言している。さらに、昭和天皇の写真を燃やす作品が含まれていることを示唆している。示唆であり宣伝であり、これが目玉だと言わんばかりだ。


c0315619_15142383.pngこうした津田大介の企画や宣伝を捉えて、検証委中間報告は、「ジャーナリストとしての個人的野心を芸術監督としての責務より優先させ」「学芸業務の最高責任者としてふさわしくない行動や言動、情報発信を行った」と断罪している。私から見れば、この行動はジャーナリズムとさえ呼べない。単なる火遊びであり、悪質な政治趣味であり、軽薄で悪趣味な政治活動を、芸術の名を借り、公金を使って、東浩紀と大村秀章と一緒に遊び半分でやったにすぎない。世の中と愛知県を舐めている。津田大介がやったことは、芸術祭を利用した右翼への幼稚な挑発であり、俗に「炎上マーケティング」と呼ばれる手法の実践である。最初から騒動を起こすことが目的であって、右翼がネットで騒ぎ、電凸や街宣で襲来する事態を想定している。想定というより、それを歓迎し扇動している。マスコミが取り上げる政治問題になることを企図している。


c0315619_15225801.png津田大介(と東浩紀)にとってはこれこそが目的であり、右翼のカウンター(電凸・脅迫)を大量に調達することが企画の成功だった。擾乱と紛糾の拡大こそが芸術監督としての勲章であり、芸術祭の知名度を上げる達成だったのだ。問題の本質と事件の原点はここにあり、津田大介の動機がここにある。そして、狙いどおりに右翼が反発して芸術祭は炎上した。現場の関係者は、芸術とは程遠い次元の苦痛と対応を強いられる羽目になった。芸術祭の主催者である知事の大村秀章が、津田大介の企画趣旨を知ってなかったはずがない。どこかの報道で、昭和天皇の写真焼却映像を「勝手に(津田に)持ち込まれた」と証言していたが、そんな釈明が通るわけがない。どこかで内部告発と真相暴露があるだろう。津田大介の芸術監督就任において、大村秀章のエンドースがあったのは確実で、その突飛な趣旨(炎上)を面白がって買ったからこそ津田大介に仕切りを任せたのだ。


c0315619_15201680.png現状、朝日を始めとするマスコミと左翼が、対立の構図を安倍政権と芸術関係者・一般国民の間に線引きし、表現の自由(憲法の人権)の問題に仕立てているため、大村秀章の過失責任も見えにくくなっている。河村たかしとの関係で相対的に積極表象化され、世論からは免罪される位置に置かれている。だが、大村秀章は炎上事件を招いた共犯であり、責任を免れることはできない。大村秀章には、なぜ津田大介の監督就任を承認したのか、その理由を正直に説明し、県民と関係者に迷惑をかけた責任を取らせる必要がある。今回、左翼は津田大介を擁護することで、どんどん状況的に不利になり、安倍政権側に労せずして大きな果実(弾圧を正当化できる前例)を与えているように見える。自分たちの自由を狭める自滅的方向へ走っている。表現の自由が無制限であるわけがないし、自由の行使は常に社会的責任が伴うものだ。津田大介が展示した諸作品が、現代アートとして美的価値を持つものとは私は思わない。


c0315619_15485901.png50年後に再認識され評価される、岡本太郎の「太陽の塔」的な、普遍的価値を持つ前衛作品だとも思わない。あいちトリエンナーレという、愛知県民の財産であり誇りであり、公金を含めた巨費が投下された、格調高い、ハイブランドな、芸術家にとって目標となる、わが国最大級の国際芸術祭に陳列する作品として適当と言えず、むしろ知的レベルの低い、悪意を感じさせる、政治的悪趣味の物件群としか思えない。東浩紀の下卑たアルコールの臭気が漂う、侮辱されて不愉快な気分に駆られる諸オブジェだ。あの展示、あの宣伝、あのコンセプトで、愛知県民は本当に楽しめるだろうか。
納得や共感や啓発の感想を得るだろうか。娯楽と教養のニーズを満足させ、本格的な芸術を鑑賞して学んだ気分になれるだろうか。疑問だ。慰安婦像や昭和天皇の写真を燃やす映像も、作家にすれば渾身の創作品なのだろうし、それに芸術的価値を認める者も少なくないだろう。だが、それを展示する場所としてあいちトリエンナーレが相応しかったがどうかは疑問だ。


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by yoniumuhibi | 2019-09-27 23:30 | Comments(4)
Commented by ムラッチー at 2019-09-27 19:38 x

 こんにちは、田中先生。久しぶりの書きこみです。
右も左も、「火遊び」がしたい連中が多いと言うことですかね。
今回のトリエンナーレの狂騒は、「損したのは納税者だけ」と
言うことですかね。
愛知県の大村知事は比較的マトモな人物と思っていましたが・・・
こう言う背景があったのですね。

ところで、田中先生は映画「主戦場」(ミキ・デザキ監督)に
ついてどう思われますか?
Commented by ぺんぐいん at 2019-09-27 22:19 x
うっかりTwitter左翼世論に乗せられて津田さんを擁護してきたけど・・・。やはり今回の展示会はただの悪ふざけだ。炎上目的で慰安婦像や左翼思想を使わないでほしい。

Commented by 愛知 at 2019-09-27 22:27 x
「津田大介は昔から嫌いなんだけど」そう話し乍ら「表現の不自由展・その後」の展示を含む愛知トリエンナーレの会場に行ったのが8月2日。お誘い頂いたのは、藝大卒の親友。8月3日、NHKが菅義偉の不快感を報じたのが13時。同日、展示中止が決まるよりも2時間以上も前の15時、NHKは展示中止を報道。私自身は政治以上に芸術には疎いため、論じることは無理ですが、2日の時点で会場内でまで嫌がらせをしているチンピラ右翼が排除されないのか疑問でした(少女像付近には私服と思しき警察官多数)。

展示再開を求めるデモに2回参加しましたが、9月22には、日本第一党の集会の脇を2回も通るコース。デモと集会では届け先が違っているから(名古屋中警察署/名古屋中土木事務所)とも思いましたが、それにしては、いつものデモより警察官の数が多くて。デモと集会の間には二重三重の警察官の壁が。

貴下ご紹介の「宣伝放送」に呆れました。酒臭い二人は、デモには顔も見せず。愛知県の検証委員会副座長、上山信一氏は、大阪維新の会政策特別顧問、愛知県政策顧問、東京都特別顧問という渡り。津田大介あたりの老後のモデルでしょうか。大村知事も自民党愛知県支部連合会会長、日本維新の会顧問等を歴任。

「国へ還れ」(ヘイト)「土へ還れ」(カウンター)という東京・大阪のような、大昔の一蓮托生総会屋ビジネスに愛知が至らぬよう祈るばかりです。

名古屋にはボランティアが運営の「戦争と平和の資料館・ピース愛知」も。「表現の不自由展・その後」と同じような常設がありますが、こちらは中高生で賑わっていますので、ご紹介させて頂きます。
Commented by 宇津木洋 at 2019-09-28 13:40 x
いつも的確な考察を提示してくださり有り難く拝読しております。今回の「あいちトリエンナーレ」についても解説により事の次第がよく分かりました。私は、政府が作り出している嫌韓により慰安婦像のことが問題にされているとばかり思っていました。表面的なものしか見えていませんでした。結局、政府に都合の良い結末に終わり、損をしたのは、真っ当な芸術家です。公序良俗に反しない限り表現の自由に検閲を行うことは許されません。民主主義の根幹を為すこの原則だけは守っていかなければならないと思います。


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