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嫌韓ファシズムの元凶は野党だ - 立憲民主を批判しない共産も同罪

嫌韓ファシズムの元凶は野党だ -  立憲民主を批判しない共産も同罪_c0315619_12374232.png先週(9/1)のTBSサンジャポでの壇蜜の発言が気になった。通常なら、テレビでの政治発言の影響を気にして、控えめなスタンスを心掛け、事務所から睨まれないよう、タレント生命が危うくならないようにお茶濁しのコメントに徹する壇蜜が、この日は口汚い過激な言葉で文在寅を罵倒していた。強烈な文在寅叩きの口上を並べて太田光を歓ばせていた。政治発言においては、事務所と番組の意向を忖度し、テレビ局の思惑と視聴者の期待に上手に合わせつつ、慎重に言葉を選んで個性を出すのが壇蜜の身上だ。一般のマスコミ右翼論者と異なり、多少ともライト・リベラルでニュートラルな芸能人表象の壇蜜が、毒々しい悪意を文在寅に叩きつけ、火を吐くような嫌韓の嘲罵で生放送の意見を終始させたのを見て、テレビの前で些か狼狽させられた。壇蜜は、なぜこのような極端で凄絶な文在寅叩きのプロパガンダを吠えたのだろう。



嫌韓ファシズムの元凶は野党だ -  立憲民主を批判しない共産も同罪_c0315619_12404011.png無論、番組と事務所の意向に沿って役割演技したからだが、視聴者が壇蜜に期待するライト・リベラル(light liberal)で穏健な立場性というイメージに対して、今回、壇蜜が全く配慮する必要がなく、その前提を破り、むしろ視聴者が唖然とするほど強硬な口調で文在寅に罵倒を浴びせたことについては、理由と背景を考えなければならないだろう。答えは簡単で、国内に文在寅を擁護する政治勢力がないからである。また、本人の生き残りのためだ。立憲民主党がこの問題で政府と立場を一致させていて、韓国政府を厳しく批判しているからで、いわば右から左まで文在寅叩きで一色に染まっているからだ。芸能人が韓国側を擁護する足場がない。あの関口宏が文在寅叩きの急先鋒になっている。もし誰かタレントが文在寅を支持する発言をしたら、その者は二度とテレビの仕事をもらえなくなるだろう。壇蜜は関口宏を見て右へ倣えしたのに違いない。


嫌韓ファシズムの元凶は野党だ -  立憲民主を批判しない共産も同罪_c0315619_12442732.pngGSOMIA破棄の決定が出た後、立憲民主党は逢坂誠二の名前で声明を出し、「決して容認できるものではない」とか「今回の決定は極めて遺憾であると断ぜざるを得ない」と言っている。上から目線が顕著な表現だ。また、党国際局長の亀井亜紀子は、「両国政府の合意を韓国が破り、信頼関係を損ねたことは残念だ、という見解をこれまで来日した韓国議員団には伝えており、政府と異なるわけではありません」と平然と言っている。要するに安倍政権と同じなのであり、この問題についての認識と対応に差がなく、韓国側が一方的に不当だと糾弾しているのだ。徴用工問題については日韓請求権協定で解決済みだと言っていて、補償は韓国側の責任だと断じている。立憲民主党の左には共産党しかなく、そんな位置にタレントが立つのは完全に無謀な自殺行為だ。芸能界で静かに仕事にありつきたい壇蜜が、立憲民主党より左の異端に身を置けるわけがない。


嫌韓ファシズムの元凶は野党だ -  立憲民主を批判しない共産も同罪_c0315619_13100853.png立憲民主がどういう理念の党かということは、この韓国問題がまさにリトマス試験紙の役割を果たしていて、党の反動的本質を照らし出している。基本理念は自民党と同じであり、外交と安全保障の政策において自民党と差はない。問題なのは、むしろ、外交と安保で自民党と根本的に対立しているはずの共産党が、「野党共闘」の手前、立憲民主に忖度し、この問題で立場を濁していて、文在寅叩きの空気に結果的に同調していることだ。もし、共産党が元徴用工の人権を尊重する態度を明確にし、日韓請求権協定の神聖化と不可侵から離れた本来の立場に立つなら、立憲民主党の姿勢を鋭く批判しなくてはいけないだろう。徴用工問題と日韓請求権協定について、立憲民主党の主張が正しいのか、文在寅の主張が正しいのか、どちらが正しいのか。科学の党の共産党はどういう判断なのだ。「韓国に100%の理があり、日本に100%の非がある」とする浅井基文に、賛成なのか反対なのか。


嫌韓ファシズムの元凶は野党だ -  立憲民主を批判しない共産も同罪_c0315619_13105245.png共産党は今すぐ、この問題で立憲民主党への 忖度をやめないといけない。そうしないと、日本国内にこの問題で安倍晋三に対抗する世論を興すことができず、嫌韓で一色になったファシズムの状況を変えることができない。共産党はプロだから分かっているだろうが、文在寅への憎悪をマスコミが激しく煽れば煽るほど、安倍政権の支持率は自動的に上がる政治の生理現象となる。安倍政権の支持率が上がれば、安倍晋三の秋国会での改憲策動はスムーズな環境となり、憲法審査会での主導権を握られる展開となる。9条改憲を支持する世論も高まる。読売と日経で58%という安倍晋三の高支持率は、マスコミの韓国叩きの扇動が媒介しているのであり、この政治に歯止めをかけないと一気に改憲へと持って行かれてしまう。その情勢を理解しているはずの左翼に、なぜこれほど危機感がないのだろう。なぜ、マスコミのグロテスクな文在寅叩きを放置容認しているのか。「どっちもどっち」論で座視を決め込んでいるのか。


嫌韓ファシズムの元凶は野党だ -  立憲民主を批判しない共産も同罪_c0315619_13015326.png韓国側の言い分が正しいとする論理と根拠は、すでに浅井基文によって提供されている。明快で説得的な国際政治学のセオリーであり、理論武装として十分である。韓国国民にとっての日韓請求権協定は、われわれにとっての日米地位協定であり、すなわち、不平等な国家関係の押しつけと人権軽視の象徴なのであって、止揚の地平が求められていることを理解すべきである。95年の村山談話の精神に即けば、韓国国民が「65年体制」と呼んで忌み嫌う日韓請求権協定に拘泥すべきではなく、ここは日本側が譲歩を決断して、元徴用工の救済に踏み出せばよいのだ。ドイツのポーランドへの謝罪外交を見倣えばよい。2010年に菅談話を発表して、その認識を継承しているはずの立憲民主党が、今回の問題で極右安倍政権と方針を同じくしている点は腑に落ちない。韓国側が提案している「1+1+α」に乗るべきで、経団連の説得に動くべきだ。何より、経済戦争のために無用な被害を受け、損失を出して苦しんでいる地方や企業のために、大胆な旋回を決意すべきである。


嫌韓ファシズムの元凶は野党だ -  立憲民主を批判しない共産も同罪_c0315619_13184942.pngよく考えてみれば、韓国の元徴用工は、あの戦争の被害者であり犠牲者ではないか。われわれは8月になると、『火垂るの墓』や『この世界の片隅に』に落涙して神妙な気分になる。戦争の犠牲者に寄り添い、その傷みを自らのものとして微かに追体験する。戦争への反省を若干ながら誓う倫理的な生きものになる。一年のうちで一瞬だけだが、戦争の被害者に内在して平和主義者になる。平成天皇夫妻は、その態度がとても深くて誠実さが際立っていた。その思いや眼差しを、韓国の元徴用工や元慰安婦にも送ることができないだろうか。同じように、日本国家が起こした戦争のために人生を奪われ、国家暴力によって人権を踏みにじられた者たちなのだ。庶民の弱者なのだ。なぜ、われわれは、日韓請求権協定と元徴用工について、岸信介や佐藤栄作や安倍晋三と同じ視線で判断しなくてはならないのだろうか。日韓請求権協定の経緯を直視し、正確に検証すれば、そこに瑕疵があり、不満が残り、未解決の権利救済が残っていることは明らかだ。


嫌韓ファシズムの元凶は野党だ -  立憲民主を批判しない共産も同罪_c0315619_13161829.png先の戦争の被害者に対して、未解決の権利救済を図ろうとする動きは国内にもある。空襲の被害者に対して補償を求める運動がそうだし、原爆の被爆者が「黒い雨」の認定区域を拡大するよう国に求めた運動がそうだ。われわれは、朝鮮人元徴用工の運動についても、国境を越えて、国境を越えた市民社会(坂本義和)の論理で、内在的に接して要求を汲み取ることはできないだろうか。朝鮮人元徴用工たちも、清太や節子の兄妹と同じ不幸な人たちだと、コンパッションの目で見ることができないだろうか。彼らのことを、櫻井よしこや宮家邦彦や反町理のように、恰も日本の脅威である敵国の赤色分子を睨んで侮蔑と警戒を言うような、そういう目で見てよいのだろうか。もうこれ以上、嫌韓ファシズムの毒素を蔓延させてはならない。隣国政権への敵意を煽ってはいけない。野党は、日韓請求権協定と元徴用工問題に対する認識と判断を変えるべきである。浅井基文の理論をベースに据え直し、対韓歴史外交の政策を変更するべきだ。個人の請求権の補償・弁済に向けて、韓国政府と協力する方針を打ち出すべきだ。


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by yoniumuhibi | 2019-09-06 23:30 | Comments(4)
Commented by Runner at 2019-09-06 19:30 x
'70年代後半から始まった日本マスコミによる右傾化世論操作は米国主導の反共宣伝と連動したものだったので、冷戦構造が終わると右傾化操作もやめるのかと思いきや、今度は民族的憎悪や敵意を煽るという正真正銘の右傾化操作を始めました。

反自民票よりも自民票を取りたい枝野立民はそのためには右傾化世論に迎合すべきと考えていて、右傾化世論を変えようとは毛頭思ってないのでしょう。

マスコミが憎悪や敵意を煽り、煽られた世論に野党政治家が迎合する。
まさに、いつか来た道と同じ。
Commented by doTheOZ at 2019-09-06 21:32 x
自衛隊のPR動画に「自衛隊リクルート隊長」として出演・大活躍している壇蜜のどこがニュートラル???事務所共々とうに一線を越えてあちら側です。知性があるように装ってますが、単に金に目がない下品なタレントでしょう。
Commented by 桃太郎 at 2019-09-07 23:01 x
短信:「緊急講演会」 『 日韓関係を破壊する安倍政策 』   「 リベラル21 」より転載。
日時: 9月10日(火) 午後6時 ~9時  
場所: 港区立商工会館 2階研修室 ( 電話 03-3433-0862 )
    東京都港区海岸 1-4-28   JR浜松町駅北口から徒歩 7分
講師: 浅井基文 さん( 元広島平和研究所長 )  資料代: 500円
主催: 重慶大爆撃の被害者と連帯する会・東京
    村山談話を継承し発展させる会 ( 電話:090-8808-5000 )
Commented by 竜子 at 2019-09-09 04:34 x
先日見たこのブログの中に韓国テレビの番組のリンクがあります。https://ameblo.jp/honji-789/entry-12511461587.html 日韓請求権協定に基づく日本から韓国への経済援助で、結局は日本企業が利権を得たことを報道しています。1970年代の出来事です。
ソウル地下鉄建設での利権(車両を日本の販売価格の2倍近くで売りつけていたことなど)、化学製品やプラスチックなど日本企業から買うように仕向けていたこと、また、Posco(製鉄会社)の設立で日本で当時問題になっていた公害を韓国に引き受けさせた、といった内容です。
ソウル地下鉄問題(1971年4月着工、1974年8月営業開始)に関して、当時の朝日新聞を検索してみたのですが、1970年8月には初めて受注の報道がありました。その後、1977年の記事が大量にあり、日本商社連合(三菱商事、三井物産、丸紅、日商岩井)の不正問題が国会でも議論されたことが報じられています。これを丁寧に調べる時間がないので、ちょっとあやふやですが、端的には、当時韓国のインフラ整備などでヨーロッパ諸国と競争しなければならなかった日本は、韓国与党の人物に多額のコミッションを支払い受注を受けた。そして不当に価格水増しを行った、というものです。
結局、日韓請求権協定での日本から韓国への経済援助は日本企業を不当に太らせたとともに、当時の韓国政府、朴正煕サイドと深い関わりがある人物にも巨大な富が渡ったということです。この過去も精算する意味でも、個人の請求権に光を当てて現状打開への道を探るべきです。
どなたかにもっと詳しく検証し公表してもらいたいと思います。


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