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選挙のシンボルとハイライト - 改憲3分の2阻止の功労者は山本太郎

選挙のシンボルとハイライト - 改憲3分の2阻止の功労者は山本太郎_c0315619_13172449.png今回の参院選の焦点は、改憲勢力が3分の2を維持するかどうかにあった。結果は4議席足りないという数字になり、民意は安倍改憲を望んでないという結論になった。選挙の前から、世論調査を引き合いに出しながら安倍改憲を牽制していたマスコミは、「予定調和」で終わった選挙結果に満足げに総括を並べている。だが、改憲3分の2をわずか4議席下回ったという事実は、よく考えてみれば薄氷なのであり、もう少しで3分の2に達していた。共同や読売の情勢報道では、中盤以降、自民の勢いが増す観測が続き、自民が60議席以上を取る悪夢が現実化する悲観的空気が漂っていた。もし、岩手・宮城・秋田・山形の東北4県を自民に取られていれば、安倍晋三は目標の85議席を手にし、21日夜の会見で「改憲の民意は示された」と満面の笑みを垂れていたに違いない。翌日以降のマスコミ報道は、改憲扇動の政局日程一色で塗り潰されていただろう。今週のBSの政治番組は、井上達夫や山尾志桜里が吠える図柄で埋まっていたはずだ。それを阻止してくれた東北4県の有権者に心から感謝したい。



選挙のシンボルとハイライト - 改憲3分の2阻止の功労者は山本太郎_c0315619_13173878.pngかろうじて激戦の1人区を制し、安倍晋三の野望を挫くことができた要因は何だろう。私は、終盤の山本太郎の活躍が大きかったのではないかと思う。特に投票4日前、17日夜の仙台駅前で演じた石垣のり子とのコラボ街宣の効果と影響が大きく、全国の、特に東北の1人区の最終盤の激闘で野党陣営を奮い立たせる決定的な一撃となったのではないか。他もそうだが、東北4県の勝敗も最後の最後までもつれていた。抜きつ抜かれつの競り合いが続いていた。よく言われるように、選挙は最後の最後まで諦めず戦い抜いた方が勝つ。そのためには、モラルを高める決定打となるイベントが終盤に必要だ。だからこそ、接戦の選挙戦では大物や人気者が必ず現地に入るのであり、絵が作られて陣営を強力に鼓舞するのである。運動員にエネルギーとパワーを注入し、選挙区の有権者に優勢の確信を発信するのだ。参謀たるスタッフは必ずこの絵を作り、プロモーションをオーガナイズしないといけない。だが、今回、いわゆる野党陣営には集票のシンボルとなるキャラクターが無かった。


選挙のシンボルとハイライト - 改憲3分の2阻止の功労者は山本太郎_c0315619_13192908.png1人区の選挙区の与党側は、当然、安倍晋三がシンボルであり、安倍晋三を中心として集票力のある自民党のマスコットキャラクター(小泉や菅など)がサブセットで配置される布陣となる。野党の場合、サブセット(枝野や志位)の存在はあるが、中核となるシンボルキャラクターを欠いていた。シンボルが不在の戦闘集団だったと言える。そのとき、例えば、枝野幸男と志位和夫が、二人揃って終盤に1人区を行脚し、ツーショット(候補者とスリーショット)で各地の街頭に立つキャラバンを組んでいれば、それはシンボルとして機能していたかもしれない。だが、終盤、二人は複数区の自党の候補者の応援に貼り付き、肝心の1人区はほったらかしていた。1人区を自民に奪われれば、改憲3分の2を押さえられる窮地なのに、1人区で鍔迫り合いの死闘が演じられているのに、そんなことはお構いなしに、党の論理と予定に従って、大阪と東京を往復し、地方に足を運ばなかった。山本太郎が救世主となった。山本太郎が野党勢力のシンボルの役割を代行し、東北各県を回り、仙台駅で巨大なモメンタムを作って勝利を固めた。


選挙のシンボルとハイライト - 改憲3分の2阻止の功労者は山本太郎_c0315619_13180573.png河北新報の22日の記事によると、石垣のり子は「無党派層の6割以上を取り込んだ」とあり、自民現職の愛知治郎は「無党派層は2割台にとどまっ」ている。無党派票を制した者が選挙に勝つ。山形選挙区の分析では、無新の芳賀道也は「無党派層の7割を確保」して、自現の大沼瑞穂に無党派票で差をつけていることが分かる。東北の人々にとって、仙台駅のペデストリアンデッキは自分の家の玄関先のような場所であり、ネット配信で目にした17日夜の街宣集会の絵は、格別な感動を覚えるものだったに違いない。特に目と鼻の先の山形の人々にとってはそうだっただろう。河北新報の解説記事は、17日夜の仙台駅の昂奮が記者の中に燻っていて、それが筆致に繋がっているような印象すら受ける。あの絵を作ってくれた仙台の人々に感謝したい。頭数となってくれた一人一人に謝辞を述べたい。あのとき、投票4日前、誰もが絵を求めていた。劣勢を挽回する絵が欲しかった。接戦1人区の無党派を揺り動かす絵が必要だった。16日の札幌と17日の仙台の山本太郎のパフォーマンスは、それをドンピシャで提供した政治と言える。人々を勇気づけた。


選挙のシンボルとハイライト - 改憲3分の2阻止の功労者は山本太郎_c0315619_13185717.png17日の仙台駅の絵がインフルーエンスの力があるのは、同志である若い二人が夢のある絵を華麗に作っていることだ。若い有権者も共感と覚醒に導いたかもしれないが、選挙によく行く年寄りこそ、この絵が欲しくてたまらなかったのであり、まさに理想の政治の情景が目の前に現れた瞬間だと言えよう。日本の年寄りは、皆、力と志のある若者に登場してもらいたいのであり、若者が躍り出て政治を変える姿を見たいのである。日本の未来を切り拓いてくれる若者の出現を希い、彼らを渾身の力で支えたいと心底願っているのだ。そういう年寄りを惹き付けた場面が、17日夜の仙台の圧巻のスペクタルだった。今回のドラマのハイライトである。かくして、全国の終盤情勢は動き、無名の野党系新人が自民現職を僅差で破り、予想外の10県で自民が取りこぼす顛末となる。マスコミは、改憲3分の2を国民は望んでなかったと言い、「予定調和」の結果の意義を強調する。しばき隊共産党は、常套句の「野党共闘」の勝利を自画自賛する。けれども、実際はそのどちらでもない。ドラマを動かしたのは山本太郎の奮闘であり、太郎現象を地方でハプンさせた人々こそ真の英雄だった。


選挙のシンボルとハイライト - 改憲3分の2阻止の功労者は山本太郎_c0315619_13221842.png北海道では、早くかられいわ新選組のボランティアが運動を始め、札幌パルコ前や札幌駅構内でプラカードを持って宣伝活動に努めていた。開拓者の子孫の北海道人らしい光景である。すぐに身軽に軽快に動く。リスクをテイクする。16日夜の札幌街宣の迫力あるパノラマも、北海道らしさを感じて鮮烈で爽快だが、山本太郎は公約でJR北海道の路線を廃止しないことを打ち出していた。人は見ないようで見ている、と思う。この公約は松尾匡の薔薇マーク政策が反映されたものだろうが、私も同感で賛成だ。北海道はもっと人口を増やさないといけない。観光インバウンドだけでなく、農業を中心とした加工産業を興し、製品出荷を倍増させ、富と繁栄を集積しないといけない。農業と公共事業で道GDPを倍増させ、北海道拓殖銀行を再建しないといけない。潰された拓銀の再建を目標に持つことだ。九州が10年かけて悲願のプロ野球球団を取り戻したように、北海道も道の中央銀行たる都銀を復活させないといけない。北海道が拓銀再建を果たしたとき、われわれ日本国民はバブル崩壊のトラウマを最終的に払拭することができ、世界に冠たる「経済の日本」の自信を取り戻すことができる。


山本太郎とれいわ新選組については、私は決して賞賛一辺倒の立場ではなく、むしろ辛辣な分析と評価を与える厳しい観察者だけれど、この選挙で改憲3分の2を阻止した最大の功労者が、山本太郎であることは、どれほど言っても言い足りることはないだろう。間違いなく選挙の主役であり、反安倍側のシンボルとなって殊勲を上げた。惨敗を覚悟させられた苦戦をよくドローに導いた。物語を作った。



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by yoniumuhibi | 2019-07-24 23:30 | Comments(5)
Commented by TAKAHASHI(ISHIKAWA) at 2019-07-24 15:47
一文一文に感動して拝読しました。愚劣な安倍晋三に三分の二を取らせず、本当によかったと思います。山本太郎の東北遊説は、youtube でみな見ましたが、石垣のり子の歯切れの良さとも含め、圧巻でした。福島では(森まさこに負けたとは言え)、真摯な山本太郎に感銘を受けました。
ときに山本太郎は、「れいわ」によって、元号に宿命づけられた右翼表象を取り戻した、とも思いました。
ところで、天木直人さんが、新党憲法9条構想が全く通用しなかった、と落胆しておられます。また、共産党との公約の共通性を見いだして、感嘆されてもいます(真意ははかりかねます)。天木さんも、山本太郎と同じく、それ以上に、本気だったと私は思っています。(ただ、小林こうき氏と当初組んだのは、私には意外でした)。
他方、山本太郎に対しては批判的なようです。
天木さんは、来るべき山本内閣の外務大臣を務めるかただとおもっています。また実際、「れいわ」にはまだ具体的な外交戦略はありません。天木さんには、山本太郎への誤解をといて頂けるよう、私も願いますし、また田中様の分析や熱意にも、引き続き期待もうしあげます。
(なお、国民民主・立憲民主ともに、9条改正、消費増税、日米同盟の三つについて容認している人たちがいるわけですが、この三つの容認に立ち向かう若い人(山本太郎)と老賢人(天木さん)が、ぜひ共闘してと思っています。
あらためて、田中さまの文章に感謝します。
Commented by 長坂 at 2019-07-24 18:17
山本太郎のスピーチが聖書っぽい、教会っぽいのでちょっと調べて見たらIWJの2015年のインタビューで「僕はカトリック」と言っている。辛気臭くない、説教臭くないキリストを思い浮かべた。MMT新規国債発行は5個のパンと魚を増やして5000人に分け与えた奇跡の話、病める者貧しき者をクローズアップして自分はあなた達のためにいる、「あなたを幸せにしたい」と。金持ちとラザロだし、コリント12・6「私の力は弱いところに完全にあらわれる」だ。創価学会批判はイエスのパリサイ派批判。太郎スピーチを聞いて笑い、泣かせてもらった。一人区の勝利は救世主太郎の奇跡。今後この9人の使徒がどう福音を広められるか、信徒化しつつあるサポーターがどうなって行くのか興味深く見守りたい。上西さんの太郎新党批判や左派ポピュリズムだファシズムだも注視したい。
Commented by kikutsugi Tetsuya at 2019-07-24 23:05
TAKAHASI(ISIKAWA)さんが、一文一文に感動して拝読しましたと書いていますが、私も全く同じです。また同時にTAKAHASIさんのコメントにも同感です。天木さんのオリーブの木とれいわ新選組を注視してきました。天木さんは山本太郎を否定的に見てコメントをしていますが、ぜひ力を合わせてほしいものです。れいわと社民党と天木さんが協力できれば一番よいのではないかと期待しています。
Commented by NY金魚 at 2019-07-25 10:57
昨年秋、コロンビア大での『山本太郎のドキュメンタリー映画上映とスカイプによるQ&A』以来、太郎への熱烈なオッカケがはじまりました。二議席と政党要件を満たした結果は、太郎背水の陣の圧勝といえます。今夜はテレ朝『モーニングショ—』で太郎の顔を見ながらの夕飯でした。まずは日本の民放をネットで見ながら、乾杯! 太郎は次の衆院選に100人を擁立すると息巻いていますが、いまはもう決して不可能ではないと感じています。
国民の嫉妬/そねみ/偏見/集中攻撃/もぐらタタキ、などから、決して生まれなかった現代日本の『革命のヒーロー』が、その逆境から立ち上がるかたちで、やっと芽生えた気になっています。150年前の竜馬の存在も、不慮の暗殺から100年後に、司馬遼太郎によってやっと『発掘』されたわけですからね。
太宰治は、決して日本には現れない『英雄』をメロスという若者の疾走の物語で表現しました。メロス=太郎の活躍をなぞらえて、応援ブログを書きました。 https://nyckingyo2.exblog.jp/27684329/
太郎の出現は、16年の大統領選のバーニー・サンダースを思い起こさせます。バーニー2020のラリーにはすでに行きましたが、この二人を並列に描けないかと考えています。
もうひとつ付け加えるなら、アベと極右翼の牛耳る日本の最悪の末世状況が、英雄の出現を可能にしたということ。
革命は始まったばかりです。
Bon Voyage! TARO!
Commented by RYOSUKE SAITO at 2019-07-26 09:24
田中さん、いい記事をありがとう。私、新潟選挙区ですが、いつもは比例区は共産党でしたが、今回はれいわ新撰組でした。私の妻も同意見でした。山本太郎は前から国会の論戦で注目していたけど、参議院選の闘いぶりは見事でしたね。代議士って、国民の代理代表なのだから、こうでなくては。


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