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三位一体 - GDPの長期低迷、賃金の削減と抑制、内部留保の絶倫増殖

c0315619_11362541.png日本のGDPを2倍にして、所得と税収を増やし、社会保障費の財源を作ろう。そのことは十分可能だ。GDPが2倍になった経済では、所得も税収も2倍になっていて、公的年金基金の保険料収入も倍増している。日本経済の規模を1千兆円にすることを目標にして、日本国民の力でそれを達成すればよい。英国やフランスなどEU諸国は20年間でGDPを2倍に伸ばしていて、韓国は3.6倍の規模に伸ばしている。他の国ができていることを日本ができないはずはない。左翼学者たちは、口を揃えて「右肩上がりの時代は終わった」「経済成長は悪だ」と言い、われわれの思考から経済成長の選択肢を排除してきた。日本国民は左翼学者のドグマにマインドコントロールされ、経済成長という正しい問題解決を発想することを阻まれてきた。だが、実際には、隠された領域で日本経済は逞しく右肩上がりの価値の生産と増殖を続けていて、目も眩むばかりの富の山を築いている。日本の労働者と中小企業は旺盛で堅実な生産力を数字で証明していた。内部留保と配当金とタックスヘイブンマネーである。マルクス経済学では特別剰余価値と呼ぶ。 



c0315619_11523676.png内部留保の増殖は、現在、年50兆円の規模に及ぼうとして、少なく見積もっても年40兆円を下らない。ケイマン諸島に貯めている資本家の隠匿マネーは、年8兆円ほどの伸びで増えている。配当金はどうかというと、現在は年20兆円の規模で推移している。配当金のデータは財務省の法人企業統計で示されていて、2015年が22兆2106億円、2016年が20兆802億円、2017年が23兆3182億円となっている。2009年は12兆2851億円、2010年は10兆3574億円だったので、10年間で倍増していることが分かる。アベノミクスは配当金総額を倍増させていて、資本家にとっては画期的な大成功をもたらせた政策だった。資本家にとってアベノミクスは金の卵を産む鶏であり、資本家の「日本経済」は空前のバブル景気に沸いている。左翼学者の貧相な言葉とは裏腹に、そこで年率10%近い右肩上がりの高度成長がダイナミックに続いている。内部留保と配当金とタックスヘイブンマネーと、三つを合わせて年70兆円の特別剰余価値が積み上がって増殖している。

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この半分を資本会計から外し、ダイレクトに、あるいは政府予算の回路を通じて、労働者と中小企業に回し、また社会保障の手当に回せば、日本の経済成長は資本家だけのものではなくなり、国民経済全体の成長となる。年4%から5%の名目GDPの伸びとなり、試算上、12年後の2031年にGDP1千兆円超えを達成する。必要なのは「所得倍増計画」と「高度経済成長」なのであり、経済を拡大して国民が豊かになることである。それを可能にするシステムに戻すことである。竹中政策以前の、80年代の日本の経済社会のシステム(資本法制・労働法制)に戻ることだ。国民経済を脱貧困・脱ネオリベ・脱緊縮させ、所得と税収を2倍にすることだ。


c0315619_11364363.png最近、マスコミ報道で、主要先進国の中で日本だけが異常に賃金が下がっている事実が紹介されている。4月18日放送の「報道1930」で焦点が当てられ、ネットで大きな反響を呼んだ。1997年と2017年の時給(労賃)を比較して、英国は87%、米国は76%、フランスは66%、ドイツは55%上がっているのに、何と日本だけが-9%と20年前よりも下がっているのだ。この数字は衝撃的なものである。と同時に、われわれには実感として納得できるものでもある。森永卓郎が『年収300万円時代を生き抜く経済学』を出したのが16年前の2003年だが、本の副題に「給料半減が現実化する社会」の言葉があった。当時は正社員サラリーマンの年収が600万円が普通だったから、森永卓郎のこの予言に誰もが恐怖したのだ。現在、年収300万円など普通の相場で誰も驚くことはない。ユニクロ着て鍋をすすれば凌げる水準だ。10年前の選挙のとき、あの鳩山マニフェストの目玉が時給千円だったこと、われわれはよく覚えている。その目標は未だ達成されず、今度の選挙でも野党が公約で主張している。森永卓郎によれば、日本の最低賃金は先進国の4割の水準なのだと言う。

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c0315619_11370901.png大事なことは、この賃金の低迷低下が日本のGDPの低迷萎縮と繋がっているという科学的事実である。その因果関係を認識として確定することだ。なぜか日本ではそれができない。賃金の縮減とGDPの衰弱が相関関係にあること、賃金の削減と抑制がGDPを長期に地を這わせている原因であること、その元凶であることの共通理解が得られていない。件の報道1930でも、キャスターの松原耕二が最後のコメントで、どうやったらGDPの成長を追い求めることなく賃金を上げることができるか考える必要がある、などと頓珍漢な提言で締める幕があった。頭の中に、戦後日本の高度成長は悪であるという強い固定観念があり、その繰り返しはよくないという信仰(妄執)があるため、そういう誤った発想になるのである。脱構築のドグマが観念的に先行して、正しい経済の認識と思考ができないのだ。事実は全く違う。労働者の賃金を増やし、中小企業の利益を増やせば、内需が拡大して経済全体が伸びる。内需とは基本的に個人消費のことであり、個人消費の拡大のためには所得を増大させるしかない。EU諸国並みに賃金を上げれば、GDPは否応なく伸びてゆく。

c0315619_11374934.pngあらためて言うが、賃金とGDPは正の相関関係にあるのである。GDPを伸ばさずに賃金を上げようなど、論理矛盾も甚だしく、論外な経済無知の妄言ではないか。だが、松原耕二と同じ愚論を左翼は言う。左翼の常識(誤謬)はそこにある。田中優子、小熊英二、上野千鶴子、本田由紀、内田樹らにたっぷり洗脳され、とにかく何が何でも経済成長だけは罪悪で禁忌だと狂信している左翼は、GDPを拡大させない前提で社会政策を言い、何かアクロバティックなウルトラCの方策を探し、結局そんなものはないから、「薄く広く分かち合い」で落ち着く。消費税を上げて行政が貧困の手当しろという間抜けな政策論で終わる。ユニクロ着て鍋をつついて清貧しろという精神論の説教で止まり、結果的に、なお一層、経済全体を拒食症的な緊縮方向に導く。消費抑制の消極志向の人生観を植え付ける。そこに、待ってましたとばかりネオリベ(竹中平蔵)が登場して自助努力を宣教し、自己責任論で国民を感化させるのである。左の脱構築は、右のネオリベと異なる主張を言っているようで、実はネオリベ政策を合理化する作用を果たしているのであり、竹中主義を左から補完しているのだ。

三位一体。①GDPの長期低迷と、②賃金の削減・抑制と、③内部留保の猛烈な増殖、この三つは三位一体であり、生きものである経済の生体現象として一つのものであり、経済が病気になっている姿に他ならない。身体である経済が病気になっている。それは精神が病気になっているからだ。心が病んでいるからだ。脱構築主義の言説を信じて騙されてしまっているからだ。経済成長できないと思い込んでいるからだ。経済成長に歪んだ偏見があるからだ。経済成長した戦後日本の経験とシステムを憎悪し否定しているからだ。心の病を治さないといけない。 

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by yoniumuhibi | 2019-06-19 23:30 | Comments(3)
Commented by 愛知 at 2019-06-20 04:34 x
現在の東京都の最低賃金額は985円である。この賃金で1日8時間、1か月21日労働しても、月収約16万5000円、年収約198万円にしかならない。これではその労働者が生活を維持することは困難であり、いわんや家族を形成することは一層困難である。―――これは一昨日(6月17日)に発表された「最低賃金額の大幅な引き上げを求める会長声明」の冒頭部分。以下、それでは生活保護費よりも低いと続き、最低賃金額の引き上げによって経営に影響を受ける中小企業への支援策の実施を求めて締め。これでは読んでいて、まるで「寄こせ、寄こせ」という印象にも。貴下ご指摘のような海外との比較、GDPとの関連の指摘がなければ(弁護士会には無理かもしれませんが)。「三位一体であり、生きものである経済の生体の現象として一つのものであり、経済が病気になっている姿に他ならない。」―――ご教授に感謝。
Commented by 愛知 at 2019-06-20 07:35 x
補足・会長声明は東京弁護士会です。
Commented by NY金魚 at 2019-06-20 11:07 x
なるほど、やはりMMTの提唱者=ケルトン教授の示された日本のGDBの最近年度の急増の表は、内部留保などの増殖を含めた額で、まったく間違いではなかったわけですね。
『だが、実際には、隠された領域で日本経済は逞しく右肩上がりの価値の生産と増殖を続けていて、目も眩むばかりの富の山を築いている。日本の労働者と中小企業は旺盛で堅実な生産力を数字で証明していた。内部留保と配当金とタックスヘイブンマネーである。マルクス経済学では特別剰余価値と呼ぶ。』 
なんと慇懃無礼な、アベ政権(タケナカ)らしいやり方でありましょうや!
7月に来日が予定されているバーニー・サンダースの経済参謀=ケルトン教授の英語講演によって、英語に弱い日本国民に、このインチキが告発されることを期待して止みません。


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