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中西進との約束を破って名前を出した安倍晋三 - 「令和」の好感度のため

中西進との約束を破って名前を出した安倍晋三 - 「令和」の好感度のため_c0315619_16222113.png「令和」の考案者が中西進であることをマスコミはすぐに流した。2日には各紙が書き、NHKが夜のニュースで詳しく伝えた。決定した「令和」の考案者だけではなく、他の5候補が何であったかも、さらには「万和」と「万保」の提案者が石川忠久であったことまで流した。 2日の朝日の1面記事では、「複数の政府関係者への取材で明らかになった」と書いている。1日の有識者会議では、出席者の携帯電話を取り上げ、トイレまで政府職員が同行して監視をし、官房長官の発表が終わるまで別室に監禁という徹底した情報管制を敷きながら、翌日になった途端に、極秘であるはずの情報が次から次へと漏らされて行った。3月25日の菅義偉の会見では、新元号公表後も委嘱者の名は明かさないと言い、本人たちが「氏名の秘匿を希望していることに加え、明らかにすれば誰がどのような元号の候補を考案したかが詮索され適当ではない」と断言している。平成のときと同じように、考案者も落選候補もすぐには開示されず、暫く伏せられたままになるかと思っていたので、このリークは意外だった。当然のことだが、リークは安倍晋三が差配しており、計画的に行ったものだ。



中西進との約束を破って名前を出した安倍晋三 - 「令和」の好感度のため_c0315619_13235422.pngなぜ間髪を置かずリークしたかというと、「令和」への世間の好感度を上げるためで、3日に布石したマスコミ世論調査の発表が控えていたからである。「令和」への評価を尋ねる世論調査は即時に始動、共同と読売の調査は1日と2日にかけて行われていた。官邸は新元号発表と同時の世論調査を周到に仕込んでいた。それは、高い支持・好感のスコアを出すためであり、圧倒的な数字を瞬時に証拠として示し、国民の大多数が「令和」を歓迎したという既成事実を一気に固めるためである。国民の大多数が新元号を歓迎したという「事実」は、その新元号を策定した内閣の成功を意味し、同じ世論調査に付随する内閣支持率の数字に反映する流れになる。当然のことだが、この改元は政治であり政局だから、政治の実行者の安倍晋三は入念に戦略を考えて準備をする。プランを組む。スコアをマキシマムに叩き出すためには、「令和」についてとにかく好感度を上げる材料となる情報を出しまくることが枢要で、「令和」に対するネガティブな所見や論評を素早く抑え込むことが肝心だ。命令の「令」の字が元号化されたことは、安倍晋三にとっても心配な要素だっただろう。

中西進との約束を破って名前を出した安倍晋三 - 「令和」の好感度のため_c0315619_16224822.png実際、1日にすぐに石破茂のコメントが上がり、「違和感がある。『令』の字の意味について国民が納得してもらえるよう説明する努力をしなければならない」という批判が出された。私も同じだったが、石破茂も、命令の「令」の字に不具合を感じ、国民の中で評価が分かれると観測したのだろう。さらに、1日夜のAbemaNewsと2日朝のモーニングショーに出演した本郷和人が、「令和」について専門家の立場から否定的な見解を示し、(1)「令」は論語の「巧言令色鮮し仁」の「令」であること、(2)中世の人に読ませると『人に命令して仲良くさせる』という意味になることを挙げ、積極的な評点が与えられないと解説した。むしろ他の5候補の方が適当であると発言した。1日夜までの時点では、「令和」に対する評判は五分五分で、ネットの意見を一瞥するかぎり、批判的な見方が半数だったように思われる。ざっくり言えば、反安倍派が本郷和人と同じ理由で駄目出しを言い、親安倍派(ネット右翼)がそれに対して擁護論を返すという構図だった。1日夜までのネットの反応では、賛否が半々に分かれていた。中西進の名前を出したのは、こうした状況への対策だったと思われる。

中西進との約束を破って名前を出した安倍晋三 - 「令和」の好感度のため_c0315619_16225901.png中西進は、文化勲章を受章した万葉集研究の泰斗であり、また「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動」の賛同者の一人であり、国民の誰もが敬意を表し、そして親しみを覚える賢人であり碩学である。安倍晋三が国書出典に妄執する意向をマスコミに撒かせ、国文学の専門家を考案者に含めると報道されたとき、われわれはそこに日本会議系の毒々しい右翼学者を想像し、不安と嫌悪の念に苛まれたものだ。が、中西進の名前が登場して、それらの疑念や憂鬱はすぐに吹き飛んでしまい、気分を一新して「令和」に肯定的に向き合う態度となった。「令」の字から受けた悪い印象も相対化されてしまった。政治的立場の左右を越えて、広く愛される学者が考案者だったという情報の開示が、「令和」の表象を変え、支持する世論を高める決定打となったことは疑いない。最初から中西進の名前を2日に漏らす算段で官邸が動いていたのか、それとも、1日の反響が悪すぎるので(石破・本郷など)急遽手を打ったのか、どちらかは不明だが、このリークは政治的に抜群の威力と効果を発揮し、7割を越える世論が「令和」支持という戦果を安倍晋三にもたらした。内閣支持率は9ポイントもハネ上がった。

中西進との約束を破って名前を出した安倍晋三 - 「令和」の好感度のため_c0315619_16231203.png中西進自身は、まさか発表翌日に名前を出されるとは思っていなかっただろう。中西進と接触していた内閣の担当者は、菅義偉が事前にコミットしていたとおり、考案者も他候補も表には出さないと確約していたはずで、それは中西進の希望でもあり、政府のコンフィデンシャルを信じていただろう。寝耳に水の背信だったに違いない。前回の記事が5chの右翼雀に好評のようなので、さらに興趣のある話題を提供したいが、今回の「令和」の発表と報道リークについては、安倍晋三と菅義偉の間で若干の齟齬があったように推測される。平成時の従来の方式を踏襲しようとする菅義偉と、何が何でも出しゃばって自らの存在感を目立たせ、とにかく世論調査の結果(爆上げ)に繋げたい安倍晋三と、二人の間に隙間感が漂った気配を否定できない。菅義偉の方は事前に報道にコミットしたとおり、中西進の名前は出さず、中西進との約束を守る方針だったのだろう。安倍晋三の方は、最初に額縁を掲げてカメラに収まり、永遠にその絵が再現され記憶される役を横取りしたかったに違いない。中西進の名前を出したのは安倍晋三だ。5候補を丸出しにしたのも、石川忠久の名前を出したのも安倍晋三だ。

中西進との約束を破って名前を出した安倍晋三 - 「令和」の好感度のため_c0315619_16232663.png繰り返すが、発表即日(1日)のネットの反応は、後に出る世論調査と違って「令和」に対して賛否が半々だった。一方、テレビはそうではなかった。礼賛一色の狂乱状態だった。安倍晋三が岩田明子と生出演した
NHKのNW9では、桑子真帆による「令和」へのハシャギぶりが尋常ではなかった。隣に岩田明子の目が光っていて、現在、岩田明子はNHK会長同然の人事権を握る女帝だから、下っ端の桑子真帆は甲高い声で熱狂する演技をせざるを得なかったのだろう。それにしても異常な光景で、朝鮮中央放送の絵だったと言うしかない。けれども、それに輪をかけて酷かったのは、その後に続いた報ステの徳永有美である。あれには驚かされた。初めて官邸の会見に臨席し、「令和」の発表に立ち合った感想を、徳永有美はこう言った。「談話を終えて会場を後にしようとした安倍さんが、もう一度『令和』の額縁のところに戻ってきて、感慨深げにじーっと『令和』を見つめている姿を見て、ああ、安倍さんこんなに『令和』に深い思いを込めているんだなあと、そう感動しました」と、こう言いのけたのである。台本だろう。この台本を読み上げるため、徳永有美は官邸に出席する仕込みをしたのだ。

この徳永有美の凄絶なコメントで、3日に出る共同と読売の世論調査は決まったも同然だった。報ステの徳永有美がこう言えば、これで決まりで、怒濤の奔流が抵抗する諸雑音を押し流して消してしまう。テレビの前で歯噛みしつつそう思ったが、
果たしてそのとおりになった。


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by yoniumuhibi | 2019-04-09 23:30 | Comments(1)
Commented by Q at 2019-04-10 09:36 x
おっしゃるように、当初はマスコミが騒ぐほどに国民の関心は高くはなかったようです。
http://news.livedoor.com/article/detail/16257478/
を見ると、読売の調査は、4月1~2日ですね。

「好感を持っているか」という質問に対して、
 「非常に持っている」33%
 「多少は持っている」29%
 「なじみにくい感じを持っている」31%
と、回答は1/3ずつに割れています。

よく考えれば、3択で好感2つ、反感1つというのは誘導的な選択肢で、
先の沖縄の住民投票の自民案を思い出します。
「多少は好感」を「どちらでもない」に近いと考えると、
テレビの熱狂報道や、新橋での号外の奪い合いに比べて、国民は騒いでいなかったともいえます。

他にも、「5月1日に元号が変わることで、日本の社会の雰囲気は変わると思うか」の質問もあり、
こちらは2択で、「変わらない」64%、「変わる」31%です。
これもマスコミの奉祝ムードとは異なります。

不都合な調査結果に、読売は見出しで「“「令和」に好感”6割を上回る」と繕いましたが、
「「令和」積極的好感3割どまり 改元でも「雰囲気変わらない」64%」
のような、政権の嫌がる見出しだって作れてしまうところでした(読売がするわけないですが)。


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