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ロシアへの譲歩を遠慮と言うテレビ - 安倍晋三の北方領土外交とは何か

ロシアへの譲歩を遠慮と言うテレビ - 安倍晋三の北方領土外交とは何か_c0315619_15014281.jpg17日のサンデーモーニングで北方領土の問題が取り上げられていました。国会の質疑応答で、安倍晋三が「固有の領土」の言葉を避けたり、「不法占拠」を認めない答弁をしている場面を報じていましたが、そのとき関口宏が、「ロシアに遠慮しているんでしょうか」とコメントした場面がありました。違和感を覚えました。ロシアは、四島全てが第二次大戦の結果、ロシア(ソ連)領になったものだと主張していて、そのロシアと交渉中なので、ロシアを刺激しないように慎重に配慮して、国会の発言では「固有の領土」と「不法占拠」の表現を使わないように努めているという話です。この態度は今の日本政府の立場であることは間違いありませんが、それをテレビ報道がそのまま被せるような口調で、「遠慮している」などという言葉を使って感想を述べていいのでしょうか。これは忖度ではありませんか。ロシアに遠慮の姿勢を見せることで、何か日本側に得になる外交結果があるのでしょうか。関口弘は、二島返還でも構わないと思っているのでしょうか。国後と択捉を放棄することが売国外交だとは思わないのでしょうか。この報道で「遠慮」という言葉は適切ではありません。安倍晋三と河野太郎は遠慮しているのではなく譲歩しているのです。



ロシアへの譲歩を遠慮と言うテレビ - 安倍晋三の北方領土外交とは何か_c0315619_15015796.jpg日本政府がロシアに示しているのは、遠慮ではなく譲歩です。しかも、何の利益もない一方的な譲歩です。動機としてあるのは、平和条約を結んで功績を残したいという浅薄な野心と、これを7月の選挙の目玉にしたいという直近の政権運営上の欲望です。せいぜい大義名分としてあるのは、高齢化した旧島民が生きているうちに領土問題を解決して平和条約を結ぶという目的でしょう。が、これは宣伝用の口実です。いかにも尤もな言い分に聞こえますが、実際には鈴木宗男が暴露しているように、根室の旧島民の集会の実態というのはほとんど動員で、返還運動は形骸化し利権化してしまっていて、政府・自民党が右と言えば右、左と言えば左という中身のない空疎な運動にしか見えません。一日も早い平和条約の締結をという要求が、どこまで本物なのでしょう。今回、安倍晋三が平和条約を結んでしまえば、国後と択捉は永久に返ってきませんが、それでも旧島民は平気なのでしょうか。それが返還運動の要求実現になるのでしょうか。血税3000億円を付けて国後と択捉を割譲することが、北方領土問題が解決するハッピーエンドになるのでしょうか。譲歩と遠慮とは違います。関口宏の語り方は欺瞞でしょう。

ロシアへの譲歩を遠慮と言うテレビ - 安倍晋三の北方領土外交とは何か_c0315619_15021597.jpg重要なことは、日本政府の国会答弁や新聞での「北方領土の日」の政府広報が、外交上のエビデンスとして残り、譲歩の既成事実を作っていることです。政府閣僚の国会での答弁は、内密に行われている - 実際には鈴木宗男や岩田明子にリークさせていますが - 日ロ交渉で、明確に二島返還の方針にシフトしていることを示しています。その譲歩を国民に理解させ納得させるべく、「不法占拠」と「固有の領土」言葉を使うことを拒否しています。それを政府の新基準にしています。外交方針を四島から二島に転換しています。まともな説明もなしに。日本側が自ら作っている譲歩の既成事実が、今後のロシアとの交渉に影響しないということは考えられません。もし仮に、プーチンと安倍晋三との間で平和条約が決着しなかったとしても、そして新しい指導者同士で仕切り直しとなったとしても、ロシア側にとってのゼロベースは二島返還であり、「不法占拠」も「固有の領土」も事実上撤回した日本政府の立場が交渉の前提ということになります。実際に譲歩の政治をしましたから。交渉の対象範囲を四島に戻すことは至難の業で、ロシア側によっぽどの事態が発生しないかぎり、四島での交渉を再起動するのは不可能でしょう。

ロシアへの譲歩を遠慮と言うテレビ - 安倍晋三の北方領土外交とは何か_c0315619_15022877.jpg本当にどうするんだろうと思います。国会質疑で安倍晋三を揶揄したりヤジを飛ばしている旧民主党の議員たちは、自分たちが政権を取り戻したとき、ロシアと四島で交渉をやり直してくれるのでしょうか。仮に安倍晋三が二島で平和条約を締結してしまったら、それを破棄し白紙化することができるのでしょうか。その決意と覚悟はあるのでしょうか。■■ 安倍晋三の対ロ外交と北方領土交渉の全体について、マスコミ報道で語られている説明とは離れて、われわれは正しい見方をする必要があると思います。安倍晋三はプーチンと25回首脳会談をしていますが、その目的と動機は常に二つあって、一つは対中包囲網の戦略工作のためであり、もう一つは「やってる感」を見せて「外交の安倍」を演出する人気取りのためでした。北方領土のことなど当初は頭の片隅にもなく、中国を牽制する効果だけが狙いでした。その安倍晋三が北方領土問題に本気になったのは、2016年12月の長門会談のときからです。これも目的の第一は支持率のためでしたが、なぜ本腰を入れざるを得なくなったかというと、国後・択捉の経済開発に中国資本の進出が活発化する情勢になったからです。それを阻止するため、3000億円の資金を準備し、領土交渉の担当を経産省に変えました。

ロシアへの譲歩を遠慮と言うテレビ - 安倍晋三の北方領土外交とは何か_c0315619_15023982.jpg今井尚哉です。世耕弘成です。外務省は切られました。ところが、島での投資開発をどちらの法律で行うかをめぐって対立する展開となり、妥協点が見い出せず、この経産3000億円プロジェクトの計略はあっさり宙に浮いた状況になります。カネを出せば何とかなると甘く考えていた安倍晋三と経産官僚の誤算と失敗でした。2017年を通じて、この経産主導・カネ依存の対ロ外交は頓挫し、領土交渉は停滞、元の木阿弥になっていたのですが、さすがにプーチンは利口で狡猾で、2018年9月のウラジオ東方経済フォーラムで狙いすまして策を仕掛けます。アドリブの討論の場で安倍晋三に向かって、「前提なしに平和条約を結ぼう」と切り出し、年末まで待つから返事をくれと要求したのです。バカな安倍晋三は意表を衝かれ、何も言い返せず、日本は四島の帰属が前提条件だという基本的な立場を述べて応酬できませんでした。へらへら笑って黙ったまま受け流すというぶざまな図を晒しました。そこに出番とばかり登場したのが鈴木宗男チームで、ここぞ決着の時機到来と二島返還を日本の方針にする線で安倍晋三に腹を括らせたのです。外務省を切った後、外務官僚が担う実務を代役していたのが鈴木宗男でした。鈴木宗男をブレーンに据え、安倍晋三は四島返還の放棄を決断します。

ロシアへの譲歩を遠慮と言うテレビ - 安倍晋三の北方領土外交とは何か_c0315619_15025042.jpgそこから後はご承知のとおりですが、7月の選挙目当てに6月G20で大筋合意したい安倍晋三の足下を見て、ロシア側は攻勢をかけて歴史認識(条約文面)で揺さぶり、妥結条件のハードルを上げる作戦に出ています。おそらく、真の獲物はクリミア併合の承認と経済制裁の解除でしょう。客観的に見て、きわめて秀逸な対日外交で攻略しています。愚かな安倍晋三を手玉にとり、事実上、半永久的に日本に四島返還を諦めさせる既成事実固めに成功しました。70年来の歴史的なゲームに勝利しました。後は果報は寝て待てで、熟した柿が落ちるのを待つばかりという状態です。条約に調印すれば終わりです。詰めを急ぐ必要はありません。プーチンは見事に択捉と国後を手に入れました。侵略で不当に奪い取った歴史の汚名もチャラにしました。3000億円も懐に入れたも同然で、3年前に揉めたところの、どちらの法律で開発という問題もクリアにしました。国後・択捉は晴れてロシアの主権になりますから、日本に遠慮することなく中国資本(爆投資)を導入することができ、日本企業の3000億円の開発事業と競争させることができます。日中資本の棲み分けも指示できます。最早、二島に出てくる日本企業は外国企業であり、現地政府に気兼ねは要りません。規模の大きさと技術力とバックリベートだけが問題でしょう。

完敗です。それにしても、どうして日本のマスコミと国民はこの愚劣な売国外交に喝采を送っているのでしょう。二島返還(=二島割譲)を歓迎して支持する世論調査結果を出しているのでしょう。清末の中国以下です。



ロシアへの譲歩を遠慮と言うテレビ - 安倍晋三の北方領土外交とは何か_c0315619_15030214.jpg

by yoniumuhibi | 2019-02-12 23:30 | Comments(0)


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