昭和天皇の戦争責任 - 増田都子の『昭和天皇は戦争を選んだ!』






一般には、司馬遼太郎が説いているように、昭和国家は異形の国であり、奇胎であり、何かの誤りで生じた病的な突然変異のように見られている。しかし、大日本帝国憲法の国家というのは、実のところ、伊藤と山県の二人の元勲が仕切って動かした明治国家ではなく、むしろ、昭和天皇が現人神として君臨し統治し、統帥と国務を総攬(独裁)する昭和国家の方が、条文に書かれたコンセプトに忠実な姿と言えるのではないか。革命家が執権を握った明治国家の方が、大日本帝国憲法の「理念」からすれば、暫定的で、過渡的で、建設途上の国家だったと言えるのかもしれない。

by yoniumuhibi
| 2018-08-29 23:30
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Comments(2)

日本がバブル景気に沸いていた頃、私はアセアン某国にいた。同じアパートに住んでいた独身の中国人女性、私を日本人とみるなり、如何に自分の家族がヒロヒトに苦しめられたかを切々と語りだした。
それは、日本人である私を個人的に非難するものではないとわかっていても、非常に居心地が悪く、戦後生まれの私に責任はないと心のどこかで逃げていた。
年を経て、今思うに、彼女が天皇を一般名詞の「天皇」でなく、昭和天皇のファーストネームである「ヒロヒト」と呼んだのは象徴的な気がする。彼女はまぎれもなく昭和天皇個人の責任を問うていたのだと思う。どこかミステリアスな人で、どこ出身の中国人か知らないけれど、もしかしたら奉安殿への最敬礼でも強制された経験があるのかもしれない。御真影の対象個人に責任を問うのは、彼女たちにしてみれば至極当然のことなのだと思う。
「自虐史観」とは一体何だろうと思う。「自虐史観」と非難する人達の歴史認識は、一体誰のため、何のためなのだろうと思う。
アジアの人々の歴史認識に真正面から向き合わないと、日本がアジアから浮いてしまうと思う。それは日本にとっても危険なことだと思う。
それは、日本人である私を個人的に非難するものではないとわかっていても、非常に居心地が悪く、戦後生まれの私に責任はないと心のどこかで逃げていた。
年を経て、今思うに、彼女が天皇を一般名詞の「天皇」でなく、昭和天皇のファーストネームである「ヒロヒト」と呼んだのは象徴的な気がする。彼女はまぎれもなく昭和天皇個人の責任を問うていたのだと思う。どこかミステリアスな人で、どこ出身の中国人か知らないけれど、もしかしたら奉安殿への最敬礼でも強制された経験があるのかもしれない。御真影の対象個人に責任を問うのは、彼女たちにしてみれば至極当然のことなのだと思う。
「自虐史観」とは一体何だろうと思う。「自虐史観」と非難する人達の歴史認識は、一体誰のため、何のためなのだろうと思う。
アジアの人々の歴史認識に真正面から向き合わないと、日本がアジアから浮いてしまうと思う。それは日本にとっても危険なことだと思う。
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勇気ある良記事、感謝します。
日本人にとって必要な議論だと思います。
日本人にとって必要な議論だと思います。
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