助けることができた7日の真備町 - 救助の不作為を徹底する国家

c0315619_16060866.jpg昨夜(11日)のNHKのニュースで分かったことは、7日午前の時点で、真備町では、洪水が家の中に侵入して水嵩が増して来つつ、まだみんな生きていたという事実だ。溺死したのは午後に入ってからだった。7日早朝から自衛隊が現場に集結し展開して、大規模な救助活動に当たっていれば、7日の正午までに多くの住民を救出することができたと考えられる。NHKの報道によると、妻が夫を介護しながら平屋の家で暮らしていた80代の夫婦が犠牲になったが、妻は7日午前10時57分、近所の家の者に電話をかけ、「水があがってきているので、役場に救助に来ていただくようにお願いできませんか」と懇願の留守電を入れていた。このとき、真備町支所も、市消防(119番)も、電話が繋がらなくなっていて、やむをえずそうしていたのだろう。妻は次男とも連絡をとっていて、朝早くの時点では、「水は来ていないから大丈夫」と言っていた。が、午後1時すぎ、「水が胸の高さまで来ている」と切迫した状況を伝えていた。報道記事には続きがないが、おそらく親子は最後まで電話で会話を続けていたのだろう。



c0315619_16055641.jpg夫婦が水死したのは午後3時だと関係者の話がある。関係者というのは警察(玉島署)のことで、検死結果が伝えられたものだ。もう一つ、家に居残ろうとした父親を息子が説得して避難させた例があり、この川辺地区で撮られた緊迫の映像は、NHKと民放で翌8日から何度も繰り返し放送された。午前10時の時点で、水位が玄関にまで来ていて床下浸水だったことが分かる。そこから30分後、床上浸水となって家の中まで水が入っていた。この映像記録は証拠として貴重である。現時点で50名以上の犠牲者が出ている真備町の洪水被害について、私はずっと、7日朝から自衛隊が救助活動していれば、多くの命が救われたはずだと意見してきた。それに対して、安倍支持の右翼が大挙して罵倒と難癖をリプライし、私の主張を無効化させようとして悪態をついてきた。その反論の一つに、現地は7日午前が最も雨が激しくて自衛隊の救助活動など無理だったというデマがある。息子が父親を説得して脱出に成功した動画を見ても、雨は土砂降りではなく小降りで、だからこそ二人は無事に自動車で避難できた。

c0315619_16054171.jpg右翼はあらん限りのデマを吐き、ウソを拡散し、私のツイートに言い掛かりをつけて噛みつき、真備町での自衛隊の不作為を揉み消そうと躍起になっている。この匿名右翼たちは、職業的にプロパガンダに従事しているネット工作員なのだろうか。爆笑させられる右翼の反論として、当時は雨が強すぎて自衛隊がヘリを飛ばせなかったのだという言い訳がある。実際には、7日、新聞社はヘリを飛ばして上空から現場を空撮していた。共同通信の7日の映像を見ると、中国管区警察局岡山県情報通信部が現地に入って撮影した動画が提供され挿入されている。これは午前中に撮った資料で、この情報を元にして7日午後からの警察と消防の救助活動が始まり、屋根の上で手を振って助けを待つ住民を救って行ったのだろう。大規模災害での警察の対応は、県警本部ではなく管区警察局が主力になっている。すなわち7日午前の真備町の環境条件については、警察が任務できるのだから、自衛隊が活動できないということはないと断言できよう。そもそも、最も苛酷な自然条件でも職務するのが自衛隊で、それができるのが自衛隊ではないか。

c0315619_16061932.jpg雨が強いから活動できませんとか、悪天候なのでヘリを飛ばせませんとか、休日早朝の勤務は勘弁して下さいとか、そんなことを言っていて国防の任務が務まるわけがない。国民の命を守るなど不可能だ。どんな自然条件であっても、深夜であろうが未明であろうが関係なく、命令された任務を全うできるよう、自衛隊員は日々訓練を受けている。国民の命を守る神聖な使命を負う自衛隊にとって、5日から7日こそが有事だった。7日が作戦本番の日だった。7日にミッションを遂行しなければならなかった。気象庁が5日に異例の会見を二度行って警戒を発した段階で、6日以降に何が起きるか、自衛隊は予測ができたはずだ。これまで何度も大雨災害を経験し、救助活動を積み重ねてきた専門機関たる自衛隊は、6日以降どこで何が起きるかを予測し、有事発生に備えて待機していたはずだ。警察や消防と情報を共有し、自分たちの出番だと心得ていたはずだ。危険な災害現場に飛び込んで行く決意と準備ができていたはずだ。おそらく、派遣要請後に実務を担う陸自普通科連隊の内部では、そうした士気が高まった状態にあっただろう。

c0315619_16062942.jpg真相を言えば、最高司令官の安倍晋三が、今回の大雨災害の救助に自衛隊を出そうとしなかったのである。極力、自衛隊を出さないよう、緊急出動させないよう、国民の命を守って救う活動をしないよう、不作為に徹するよう指導したのだ。組織の人間は上を見て仕事する。上が何を考えているか忖度して行動する。最高司令官は、5日夜は「赤坂自民亭」の酒宴に興じ、6日夜は大田弘子らと公邸で深酒に酔っていた。7日朝、被害が深刻に広がる中、アリバイ工作のテレビ撮りのための関係閣僚会議に15分間だけ出て、午前中にさっさと私邸に帰ってお昼寝してしまう進行になる。災害対策本部は設置されず、安倍晋三と政府には危機感や緊張感が微塵もなかった。それを報道するNHKも、キャスターや記者に緊迫感はまるでなく、淡々と原稿を読み上げ、空疎な中継をリレーして画面を埋めていた。みんな安倍晋三を見て働いていた。独裁者の思惑に沿って動いた。安倍晋三が11日から外遊に行きたくて、そのため、この災害をなるべく小さな問題に扱っていて、政府やマスコミが対応する出来事として小さな意味づけにしようと努めていることは明白だった。

c0315619_16063983.jpg右翼は渾身のデマと罵りを言い、自衛隊の災害派遣には都道府県知事の要請が必要で、それがないのにどうして自衛隊が出動できるのだと食ってかかり、今回の不作為を正当化する世論工作に注力した。安倍晋三を擁護するため、なりふり構わずデマを拡散して攻勢をかけた。だが、この主張は左翼の機転によって即時に反駁され、自衛隊法の規定により、緊急を要する場合は要請がなくても防衛大臣が救援のため派遣できる事実が明らかにされた。すなわち、逆に、7日に真備町に部隊を派遣しなかった防衛省の判断と責任が問われるリバースの政治展開となる。防衛省の本音を代わりに言うなら、最高司令官様が私邸でくつろぎ、パリ外遊に備えて静養している政治局面に、勝手に騒いで災害救助の命令など下に出せるかというところだろう。防衛省・自衛隊の幹部たちは理解している。災害救助と自衛隊についての安倍晋三のポリシーとプリンシプルを熟知している。それに違背すれば、追放されるか左遷される。安倍晋三は、嘗てのようには自衛隊に災害救助はやらせないのだ。自衛隊には(中国・北朝鮮と)戦争だけやらせるのであり、軍隊としてだけの自衛隊に改造し、純粋に完成させようとするのが安倍晋三の真意に他ならない。

c0315619_16065020.jpg安倍晋三がそのように自衛隊を改造していることに、私が気づいたのは4年前の広島の集中豪雨災害のときだった。あのとき、土砂崩れの被害が広がる中、安倍晋三は山梨の別荘に戻ってゴルフに興じるという異常をやる。自衛隊に救助命令が発動されず、初動が遅れ、しかも部隊が小規模だったため、派遣された自衛隊は一人の救助者も出すことができなかった。土砂崩れ現場の土の中から、不断不休のシャベルで生存者を掘り出すのは、自衛隊の栄光の瞬間で、国民はその救出劇を待望し、無名の英雄のお手柄に感動して喝采を送っていた。国民の自衛隊がそこにあった。4年前の広島ではそれが途絶えたのだ。私は不審に感じ、その光景の意味を考えた。安倍晋三はわざと自衛隊に待機させ、緊急出動を止め、従来のような生存者救出の成果を出させないよう指揮したのではないかと疑った。それから1か月後、御嶽山噴火が起きたとき、私は入念に防衛省・自衛隊の活動記録を調べ、安倍晋三が自衛隊に救助出動させない不作為に徹したことを確認した。ブログで検証と告発の記事を書いて問題提起した。58人が死亡したあの噴火も、安倍晋三が素早く指示を出せば、有能な自衛隊が動いてヘリで生存者を救助できていた災害だった。回避できた悲劇だった。

c0315619_16070065.jpg私は確信したのだ。災害のときに自衛隊を緊急出動させず、被災者を見殺しにするのは安倍晋三の政策信念だと。それは、社会保障政策と同じネオリベラリズムの方針から導かれた結論なのだと。弱者は勝手に死ねと言っているのだ。政府は面倒を見ないから、運が悪かったと諦めてくれ、自分の責任だと思ってくれと、そう言っているのだ。自衛隊は国民を助けに行かないのであり、自衛隊は中国と戦争するための国家の(オレと米国の)大事な軍隊だから、災害救助などで消耗させるつもりはないのだと、そう言っているのだ。その代わり、避難しろ、避難しろと煩く何度も言ってやるよ、スパコンで警報出してやるよ、だから勝手に避難して自分で命を守れよと、そう言っているのだ。政府の責任にするんじゃないぞと。だが、しかし、避難しろ、避難しろと言うけれど、足の悪い高齢者がどう避難するのだ。誰が避難所まで送り届けるのだ。介護の必要な高齢者が、避難所へ行って誰が世話するのだ。介護施設に入る余裕のない要介護の高齢者が、自宅の一階で心細く生活しているのではないのか。他人に迷惑はかけられないと。そうした災害弱者に対して、政府は、報ステは、専門家と称する者に、河川水害の意識が低いから悪いのだと自己責任論を押しつけている。

昔はこんな国ではなかった。政府も、マスコミも、自衛隊も、アカデミーも。

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by yoniumuhibi | 2018-07-12 23:30 | Comments(0)


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