党首討論は廃止せよ - 二大政党制を前提にした役立たずな英国模倣

c0315619_16003259.jpg党首討論は不要である。昔はこのようなものはなかった。国会にこの制度が導入されたのは、1999年に国会審議活性化法が成立し、国家基本政策委員会が設置されたときからで、その経緯は衆議院のHP内で詳しく説明されている。英国議会の「クエスチョンタイム」を日本の国会で模倣しようというのが動機で始まった。小沢一郎が仕掛け人であることは誰もが周知の事実で、要するに「政治改革」のムーブメントの仕上げ段階で導入され運用が始まった制度である。「政治改革」の以前はこんなものは存在しなかった。英国議会の運営方式の模倣だから、当然、二大政党制が前提になっている。英国の議会の絵を見ても分かるとおり、そもそも議場が二つに分かれて二党が向き合って正面対峙する設計になっていて、二党(与野党)の党首が代表として論戦を演ずるという仕組みになっている。英連邦圏以外の国では行われていないようで、他の国では見たこともない。ドイツではやっていない。いかにも猿真似風の制度で、山口二郎と小沢一郎の臭いがぷんぷんする制度だ。



c0315619_16004659.jpg読者の皆様にお尋ねしたいが、日本の国会で最も質の高い討論を提供する党首は誰だろうか。言うまでもなく志位和夫である。党首だけでなく議員の質疑においても、最も重要な政策を選び、最も中身のある国会討論をやるのは共産党の議員で、共産党が国会の存在意義を支え、日本の民主主義の最低水準を維持していると言っても過言ではない。日本の政治をよく知る外国人特派員の記者も、そう思っているだろう。そこでよく考えていただきたいのだが、党首討論というのは、そもそも、自民党と民主党の二大政党の党首によって行われる図が基本理念だった。党首討論の制度だけでなく、小選挙区制という選挙制度そのものが、日本の政治を二大政党制に改造するための制度である。「政治改革」なるものは、社会党を解体して消滅させ、共産党を排除する政治運動であり、共産党を役立たずで不要のものとする政治思想だった。旗を振ったイデオローグが山口二郎で、現場でオペレーションしたのが小沢一郎である。共産党の質疑が最も優秀で、政府行政と与党政策の批判の議論として的を射ていたことは、「政治改革」の以前からずっと同じだった。

c0315619_16005715.jpg昔と比べれば、共産党の議員もすっかり質が落ちた感は否めず、不破哲三や正森成二が縦横無尽に弁論を詰めて、政府委員の官僚 - これまた今と比べればとんでもなく真面目で優秀なエリート局長たちだったが - を論破し立ち往生させていた往事がとても懐かしい。が、それでもなお、劣化しきった国会の中で共産党の質疑には救われる気分がする。昔から、日本の国会論戦の質を支えてきたのは共産党で、日本の議会の民主主義の内実と成果を担保してきたのは共産党だった。その共産党の存在意義を頭から否定し、院内から排除しようとしたのが「政治改革」で、そもそも党首討論を導入しようとしたとき、共産党の党首が立つ場面は理念として想定されていない。「政治改革」で導入した諸制度がどれほど矛盾していて、そもそも現実とはそぐわないバカげたもので、日本の政治を劣化させる方向にしか機能しなかったかということがよく分かる。山口二郎と小沢一郎の「政治改革」は、今こそ全否定して清算すればよいのであり、誤謬を確定して歴史的思想的に止揚するべきときなのだ。衆院は中選挙区制に戻し、政党助成金は廃止すればよいのだ。

c0315619_16011097.jpg前回、立憲民主党の支持率が傾向的に下落している事実を指摘した。が、あまりこの点に注目する者がいない。9月に安倍晋三が3選するのは確実と見られるが、1年後の参院選でまた敗北するのではないかという危機感や焦燥感が反安倍の側にない。本来、党首討論がどうとかモリカケがどうとか言う前に、どうすれば安倍政権を倒せるかを考えるべきで、来年の参院選でどうやって勝つかを考えるべきなのだろう。時間がなくなれば何もできなくなる。今のままだと、3年前に「野党共闘」が勝った9選挙区の地方県で安倍自民が勝つ公算が高い。そのことは、新潟県知事選の結果から十分に予想できる。したがって、安倍晋三が3選する秋以降は、安倍自民の優勢という情勢の下で選挙までの時間が流れる進行になる。それはまた、立憲民主党の支持率が低迷し、10%の線を割った状態が続く図を意味する。こうなると、必ず、安倍自民と「野党共闘」の間の地平を狙う右の勢力が現れ、マスコミで「第3極」を売り出す展開になる。仮に、来年の参院選が同日選となる可能性が高まったりしたときは、間違いなくこの勢力の動きが興るだろうし、そこに改憲の問題が絡むだろう。

c0315619_16012225.jpg現在の反安倍勢力の主軸である「野党共闘」は、基本的に3年前に組まれた戦略である。普通に考えれば、時間が流れたのだから、立憲民主党と共産党との間で共闘態勢が深まり、政権構想が具体的に固まり、国政選挙だけでなく統一地方選や首長選でも共闘するという図が出来上がってもよいはずだ。左翼左派リベラルの方面からは、そういう声が絶えず上がっている。だが、立憲民主党のスタンスは分かりにくく、何をめざしているのか見えにくい。26日の記事で、枝野幸男が野党再編を否定し、「私が代表である限り、他党と政策調整をして、組織的な合併をすることはない」と述べたという報道があった。このことは、結党以来、枝野幸男が一貫して言い続けていることで、立憲民主党が支持率を維持できている要因でもある。だが、私はこの言葉を信用していない。なぜなら、「政治改革」で生まれた旧民主党は、昨年の総選挙の前にも離合集散をやったし、2年前の参院選の前にも離合集散をやり、選挙の前後に必ず看板のかけ替えをやっているからだ。民進党という政党名は1年しか続かなかった。前原誠司の希望の党も1年保たなかった。

同じ政治家たちが、何度も政党名を変えて、「二大政党による政権交代システム」をめざして右往左往する。


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by yoniumuhibi | 2018-06-28 23:30 | Comments(1)
Commented by 私は黙らない at 2018-07-03 06:28 x
沖縄だけが、まっとうな言論の最後の砦になっているような気がしています。翁長知事のスピーチはこんなにも心に響くのに、枝野さんら、永田町の先生方の演説には、なぜかそこまで感動できない。なぜだろう。安倍と対峙させて討論するのに一番ふさわしいのは、志位さんもそうだけど、翁長さんじゃないかと思う。
最後の砦の沖縄をアベイズムから守らなきゃいけない。翁長知事の病状が大変心配です。沖縄県知事までアベイズムに侵されたら、もう、私たち反撃のきっかけさえ失ってしまう。
W杯の熱狂の陰にかくれて、働き方改革法案をコソコソ通し、羽生の横でにやけるこの男を、いつまでふてぶてしくのさばらせておくつもりか。今、何とかしないと、後できっと大変後悔することになる。その時じゃ、もう手遅れなのではないか。


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