米韓合同軍事演習の中止を歓迎する - トランプの決断に拍手

c0315619_12085391.jpg朝日新聞を中心として、日本のマスコミは、今回の米朝合意に対して、非核化の中身がないとか、具体性がないとか、共同声明にCVIDの文言が入ってないとを論い、歴史的意義を否定する論調で染まっている。だが、その主張は間違っている。きわめて一面的で不当な評価と認識だ。記者会見の席でトランプは、米韓合同軍事演習を中止すると発表した。きわめて重大な米国政府の決定だ。これほど具体的で決定的な中身があるだろうか。米韓合同軍事演習が中止されることで、朝鮮半島の平和は確かなものになる。米朝間で戦争が勃発する危険性はきわめて小さくなる。米朝和平に向けての大きな前進の一歩であり、画期的な決断だと評価し歓迎するのが当然だ。初めての首脳会談が実現したからこそ、トップ同士の会談だったからこそ、トランプはこの決断を下して金正恩の前で約束した。素晴らしいことであり、画期的な成果だと言っていい。ところが朝日新聞は、リベラルの良識を代表するクォリティペーパーだと言われながら、この米韓軍事演習の中止に対してネガティブな論評で紙面を埋め、世論を中止反対へ誘導しているのだ。



c0315619_12090341.jpg朝日新聞は、まさに日米同盟の機関紙のような役割を果たしていて、日米同盟でメシを食う者たちの利害を代弁し、日米同盟体制が保全されるように日本と韓国の世論の刷り込み工作を行っている。朝日は、米韓合同軍事演習が続いた方がいいとでも言うのだろうか。日本のマスコミは万事がこの調子で、歴史的会談のあと、公共の電波を使ってこの会談の意義の貶めに躍起になっている。そこで登場してトランプ叩きに血眼になっている論者たちは、この2月以降ずっと、口々に、北朝鮮は核放棄するはずがないとか、米朝交渉は決裂するだろうとか、米国は軍事オプションを選ぶだろうとか、最大限の圧力を継続することが最善だと言い続けた者たちである。米朝外交の分析を誤り、自らの主観と願望を投影し、世論をミスリードさせてきた者たちだ。彼らがまた勢いを取り戻し、米朝合意を卑しめ、トランプを攻撃しまくっている。眼前の絵は、まさに、大統領の権力さえ奪い取る軍産複合体の正体をわれわれに教え、ジャパンハンドラーズが日本のマスコミや政府と一体になって報道を支配している現実を教えるものだ。

c0315619_12091560.jpg北朝鮮の非核化のプロセスはすでに始まっている。トランプがコミットした米韓合同演習の中止と引き換えに、金正恩はICBMのエンジン開発のテストサイトを毀却することを約束し実行に移している。これはまさに、行動対行動の原則で北朝鮮が米朝合意を守っている事実の証左であり、北朝鮮が言うところの「段階的非核化」の遂行の姿そのものだろう。こうして一歩一歩積み上げ、信頼関係を構築すればいいのであり、その先にCVIDとCVIGが完成されて米朝国交正常化が果たされる理想の未来がある。天木氏が指摘していたように、首脳会談の共同声明文書に署名したあと、トランプは単独の記者会見をやるという異例の行動に出て、しかも長時間にわたって虚心坦懐に今回の外交を説明することをやった。このことは、北朝鮮の非核化についてトランプが全責任を引き受けるという決意と覚悟を世界に示したもので、この外交事業のオーナーシップを世界に表明したものだ。「時間が足りなかった」というトランプの言葉は正直なもので、CVIDを詰めるということも、CVIGを詰めるということも並大抵なことではない。

c0315619_12092774.jpg前から言っているとおり、この外交のトランプの動機は11月の中間選挙にあり、有権者から支持率と票を得るところに眼目がある。北朝鮮非核化を成功させ、国内から称賛されるところにある。したがって、トランプは、今回の合意で不十分だとマスコミから批判されれば、非核化のアチーブメントが一般に評価されるまで、すなわち北朝鮮がCVIDを受諾したとマスコミが納得するまで、遮二無二北朝鮮との外交交渉に努力するだろう。それは、裏返せば、米国がCVIG(体制保証)の中身を詰めて北朝鮮に提示し、CVIGの具体的なプログラムが合意され発動するという意味に他ならない。トランプが率直に語ったとおり、金正恩の非核化の意思は確固たるもので、米国に強制されて非核化を進めるのではなく、自ら主体的にそれを行う長期戦略が立てられ、非核化への国家の行動が始まっている。米国がCVIGを用意すれば、CVIDとCVIGが正式に取引され、理想的な結論に至ることは、12日にシンガポールから交渉の内実を書いた牧野愛博の記事を見ても明らかだ。米国が不可侵条約の締結を決断して提示すればそれは成る。

c0315619_12094220.jpg期待を集めた第一回目の会談が「アバウトな合意」になり、具体性に欠けた点でマスコミから不評を買ったことは、私から見れば、むしろよかったと言える。この不足や不満によって、トランプは交渉にさらに情熱的に取り組む姿勢になるだろうし、CVIDの合意を得るべく対価(CVIG)を提出するインテンションに傾き、米朝交渉が実務ベースで軌道に乗って溝が埋まってゆく展開になるだろう。トランプはゲームの好きな男で、負けず嫌いな性格が強い男だ。トランプの意欲が倍加されたという点で、初回の合意が抽象的なものに止まったという結果はよかった。北朝鮮非核化の外交は、一から十までトランプの外交事業であると言っていい。トランプは成功に賭けていて、合衆国大統領の権力のリソースを外交の成就のため投入することになる。そうした責任的環境になった。最早、トランプは北朝鮮との和平外交を放り投げることはできない。11月まで全力でCVIDの詰めに猛進することになり、ポンペイオをこの交渉に突っ込ませることになる。そうした現実を直視するなら、今の日米韓のマスコミのネガティブキャンペーンがどれほど愚かなことか。

負けず嫌いのトランプの今後に注目し期待をしたい。

・天木直人氏との対談 Vol.1「米朝首脳会談の意義と評価」 
・天木直人氏との対談 Vol.2「米朝会談のマスコミ報道を斬る」
・天木直人氏との対談 Vol.3「拉致問題と日朝首脳会談の行方」

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by yoniumuhibi | 2018-06-15 23:30 | Comments(4)
Commented by 長坂 at 2018-06-15 17:16 x
朝鮮国内向けのビデオ、いいですね。優秀で教育水準が高いから、中国語と英語をセミ公用語にして目指せシンガポールは?
あの会見で、記者がアメリカ人学生が拘束され死亡しているのに、そんな相手と交渉して平気なのかみたいな 事を聞いたらトランプが「彼の両親とはよく話した。今日は彼のためにある、彼の死を無駄にしないために今日があるんだ」と。ひぇ〜カッコいい(イランの事を聞かれたらいつものトランプに戻ってはいましたが)。私も拉致問題提起していないと思います。てか人権問題も俎上に載せてないと思う。時間の制約もあるし、朝鮮側からしたら「お前もな」だし、「価値観の相違」で済んでしまう。正直この拉致問題、被害者家族の方達どうなさりたいのか?「親達が高齢、一刻の猶予もない」だと思ったら「解決の道筋が見えるまでは簡単に動くな」だもの。
米朝は和平に向けてどんどん進んで行くのに、相変わらず イージス・アショアや会談の日にスパイ衛星6号機の打ち上げ成功、敵視政策そのまんま!
因みに李容浩外相のボルトンやポンペオを「血に飢えた戦争屋」と糾弾していたTwitter が跡形も無く消えています。テーブルで向かい合うって本当に大事。
Commented by 長坂 at 2018-06-15 20:27 x
米国民主党だけでなす、 共和党内部や支持者から批判がかなりでています。選挙の逆効果になったと全ての米国リベラルメディア、保守メディア(トランプ消極的支持)と報道していて、コア層以外からの支持を失って中間選挙で敗北してレームダック確定になったのではないかとアメリカのメディアに触れてると感じます。北朝鮮はだからこそ曖昧なのにしたのでは?
Commented by 私は黙らない at 2018-06-16 04:24 x
日本がバブルで沸いていた頃、タイのチャチャイ首相のスローガンが「戦場から市場へ」だった。戦場だったカンボジア、ラオスを市場へと転換するというもの。
唐突だが、今の北朝鮮をみていると、このスローガンが重なってみえる。米中露が足並みをそろえてすすめる朝鮮半島の非核化は、当然米朝国交回復まで視野にいれているでしょう。大義名分を失った在韓米軍、そして、もしかすると在日米軍撤退もあるかもしれない。
軍産にとっては、大変不都合な流れなのだけど、それをおしてまで和平を進めるモチベーションは一体何なのかと思う。今は、懐疑的な論調でうめつくされている日本のメディアだけれど、そのうち経済誌や経済ニュースで「北朝鮮銘柄特集」でも組む日が来るのではないかと思う。
それにしても、アメリカの保守とリベラルのねじれが可笑しい。本来、平和主義者であろうはずのリベラルが、米朝会談を積極的に叩いている。
Commented by familia at 2018-06-17 20:58 x
昨年の危機的な状況から今回の米朝会談に至るまでをおさらいすると日本のマスコミや政治家の程度の低さが浮き彫りにされる。昨年の一字漢字が「北」となったように多くの国民が戦争の危機の不安に陥った。それから一年足らずの間にこのように一気に戦争の危機が遠のいたことの有難さと事の重みがもひとつ伝わってこない。昨年の総選挙である新聞社だったかが候補者にアンケートを取った際,自民党候補者の半数ほどが,維新の会に至っては大多数が米朝の間で戦闘が起こってもやむを得ないと回答したことに驚愕した覚えがある。それをマスコミはあまり大きく取り上げない。トランプが今回の対談で今戦争になれば犠牲者が多くなりすぎると言った。今戦争が起これば多くの犠牲者が出るのはアメリカより圧倒的に我が国と韓国であることに間違いない。特に核ミサイルで攻撃を受ける一番危険性の高いのが我が国である。先の愚かな太平洋戦争で多くの犠牲者を出した我が国はまず,戦争こそが最悪の事態であると認識したのではなかったのか。A級戦犯の祖父を尊敬するような首相が長年政権を続けられるような政治状況は本当に情けなく危険だ。今回の米朝会談が実現するまでトランプは反知性主義のくだらない政治家であると思っていたし,今でも基本的にはそう評価している訳でもないが,それより程度の低い政治家にあふれている我が国の現状は本当に危機的であると改めて思った。ちなみに私は支持政党なしの無党派です。


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