無司法状態の日本 - 検察の超不作為、堀田力に騙されて頷く膳場貴子

c0315619_15561993.jpg3月26日(月)に天木直人氏と対談したとき、私は、「今週中に佐川逮捕と強制捜査と麻生辞任があるでしょう」と予想を述べた。もう2週間以上前のことになる。佐川宣寿の証人喚問の前日だった。結局、甘すぎた見通しは大外れとなり、政局予想を間違って面目丸潰れの格好になっている。今さら弁解を言うのは見苦しいが、佐川喚問の前の週(3/19-3/23)は大阪地検のリークがマスコミに溢れていて、喚問と同時に任意聴取に着手、さらに強制捜査の準備万端とどの新聞も書き、検察の捜査始動が予告されて国民の間で期待が高まっていた。当時を振り返ると、検察は明らかにしびれを切らしていて、延々と先延ばしにされた佐川喚問を我慢して待っている様子に見え、国会での「通過儀礼」が終わるのを待ち構えているように窺われた。ただ、一抹の不安もあり、27日が期末の4日前であるため、検察組織の事務的な都合上、期を跨いだ後に延期する可能性もあり、そうするとまた遅れるかなという懸念が頭に浮かんでいて、さては安倍晋三はそれを狙って喚問をここまで長引かせたかなとも想像していた。



c0315619_18162474.jpg結局、検察はピクリとも動かないまま2週間以上が経っている。あれだけ大がかりに検察がマスコミに連日リークをしながら、鰻の蒲焼きの臭いを嗅がせるだけで、実際の捜査に動かないということは以前はなかった。検察リークは捜査の予告であり、犯人の指名と犯罪手口の暴露であり、立件の中身の説明で、国民に検察がレゾンデートルを証明する機会でもあった。今回の検察の不作為は私には信じられない。異常事態は4月に入った現在も続いていて、「トラック何千台も使ってごみ撤去したと言ってくれ」と財務省職員が森友学園に口裏合わせを求めていた問題が、4日にNHKのニュースでスクープされた。しかも、この報道について、太田充は9日の国会答弁で事実だと認めて謝罪している。口裏合わせのやりとりはメールで行われて、大阪地検特捜部がそれを握っている。つまり、これは8億円値引きの背任を裏づける証拠であり、背任を隠蔽しようとして揉み消し工作した証拠が残っていて、背任を行った財務省自身がそれを認めているという事実だ。どうして検察は背任を行った財務省幹部(迫田英典・中尾睦・武内良樹)を逮捕しないのだろう。ここが全く理解できない。

c0315619_15565880.jpg犯罪を行った財務省自身が国会の場で犯行を自白しているのに、どうして実行犯が逮捕されないのか。リークはさらに続き、口裏合わせを働きかけたのは、佐川宣寿の指示だったと近畿財務局の職員が証言していると、9日に日テレが報道した。口裏合わせの真相の暴露だが、これも大阪地検特捜部がリークしている。検察はいつからリークが本業になったのだろう。捜査はしない。が、事件の真相はこうですよと、調べ上げた中身をマスコミに流して伝える。そうすることで国民の歓心を買っていて、国民の前で「いい子」を演じている。リーク屋だ。ずっとこのまま、森友問題についてはリークだけを続け、リークの山を築いて幕引きするつもりなのだろうか。現時点で検察を批判している人間は一人もいない。だが、真実を言えば、森友問題がいつまで経っても解決に向かわず、一年経っても同じところをぐるぐる回り続けているのは、検察が権力を行使して捜査をしないからである。検察が解決に乗り出さず、マスコミと国会に任せているから、いつまで経っても同じ事の繰り返しなのであり、安倍晋三が逃げては新聞がスクープし、世論が盛り上がっては飽きて沈静化しを繰り返すのだ。

c0315619_15573277.jpg3月31日(土)のTBS報道特集を見ていると、膳場貴子が堀田力にインタビューする場面があり、そこで堀田力が次のようなことを言っていた。「検察、検察と言われても、まず真相解明するのは国会ですよ、国会が特別委員会を作って真相解明するのが先です」と。この言葉に対して、膳場貴子はふんふんそうですねと相槌を打って頷いていた。検察の不作為の正当化の弁。見ながら、これが今回の問題の本質と構図だと私は直観した。検察はやる気がないのだ。少なくとも、検察の上層部は最初から安倍晋三のポチで、真面目に捜査する意思はないのである。国会では埒が開かないから国民は検察に期待しているのではないか。与党のトップは安倍晋三である。安倍政権が崩れたら、与党の3分の2議席など選挙ですぐに吹っ飛ぶ。二階俊博は安倍晋三がポストに据えた幹事長であり、その任務は、いかにも党が官邸とは距離感を持って国民寄りに立っているかのようにフリを見せ、安倍晋三との間で多少の緊張感があるようなポーズをし、擬態を演じ、国民の気分を慰撫し、国民の期待を自民党に繋ぎ止めるところにある。タヌキの芝居をするのが二階俊博の仕事で、演技上手の二階俊博は巧く国民を騙すのに成功している。

c0315619_15571539.jpgそもそも、安倍晋三が総理総裁でなければ、二階俊博はただの人であり、幹事長ポストなど拾える身でないことは当然だ。二階俊博の老獪で巧妙な立ち回りによって、小僧の福山哲郎がまんまと欺されて翻弄され、佐川喚問の日程を延々と引き延ばされ、国民が飽きて退屈を感じるところまで時間稼ぎされた。堀田力は、森友問題が解決へと進展しない責任は、検察ではなく国会にあると言う。堀田力も二階俊博以上の古狸で、この口上は安倍晋三を庇護する政治目的の詭弁である。膳場貴子はそこで同意してはならず、反論しなくてはいけなかった。国会が動きようがない状態で固まっているから検察の出番なのではないですかと。いったい幾つ告発を受理したまま寝かせて塩漬けにしているのですかと。背任の容疑が明白で証拠も上がっているのに検察が捜査を始めないのはなぜですかと。国会には捜査権はありませんよと。聴取したり逮捕したり起訴したり、国会議員はできませんよと。それは検察の仕事でしょうがと。そのための三権分立でしょうと。どうして膳場貴子はそう言い返さなかったのだろう。なぜ、堀田力の見え見えの姑息な言い抜けを認めて頷き、それを番組の結論にしたのだろう。中立を偽装した堀田力のタヌキ芝居を看破できなかったのだろう。

c0315619_15574777.jpg最近の膳場貴子には首を傾げることが多い。特に今回の森友問題についての報道特集での姿勢は奇妙で、3年前の安保法制のときにNEWS23で安倍政権とガチンコ対決していた当時とは雰囲気が違っている。4月8日の「重大ニュース」の特集番組(金賢姫のパート)での態度も怪しく見えた。3月17日放送のTBS報道特集では、三宅弘と対談インタビューして、この問題を公文書管理システムの問題にし、官僚の心構えの問題にしていた。この問題を公文書管理法の不備の問題にし、官僚の忖度の物語に回収し、再発防止策へと収斂させるのは、安倍晋三の幕引きの戦略である。テレビ報道が、この問題を公文書管理の問題にして三宅弘に喋らせ、官僚の忖度をキーワードにして総括するのは、権力犯罪の本質を覆い隠すための情報工作に他ならない。したがって、ジャーナリズムの本分を自覚し、権力の監視に注力しているはずのTBS報道特集が、プライムニュースと同じ形で、官邸を代弁した編集と論調で事件の説明をするのは、怠慢や過失でなければ裏切りということになるだろう。意地悪な言い方をすれば、このところの膳場貴子は、安倍政権と対峙する緊張感が緩んでいて、東大閥のお花畑のお姫様で満足しきっているかのように見える。

c0315619_15580955.jpg動員人数が限られた抗議デモをやるなら、官邸前でやるより検察庁前でやった方が効果的ではないかと私は思う。それと、一つの提案だが、国会の審議で政府に質問する野党議員は、法務省の上級幹部を呼び、この事件の法律論をディベートしたらどうだろう。正直、安倍晋三や太田充の答弁は飽きた。私の認識では、この問題は財務省の行政の範疇を超えている。犯罪が行われているのに、検察当局が捜査に動かない無法状態こそが問題ではないのか。法務省の事務次官や刑事局長は、司法試験に合格して司法修習生になり、検事になって現場でキャリアを積んだ者たちだろう。この国の刑事司法のプロでありエリートだ。法務官僚は検察官ではないけれど、法務省は「法秩序の維持」を任務とする役所であり、法務省の根拠法である法務省設置法にそう明記されている。法秩序が維持されてないではないか。この事件は、刑法247条違反の背任ではないのか。公文書改竄や口裏合わせは、背任の証拠隠滅であり、刑法104条違反ではないのか。その証拠が続々と上がってマスコミで報道され、当の財務省幹部が証拠を認めている。それをマスコミに情報提供しているのは大阪検察庁だ。毎日毎日、大阪地検はリークを出しながら捜査はしない。「法秩序の維持」とは、犯罪についてリークをすることなのか。

無政府状態という言葉があるけれど、今の日本は無司法状態、無司法国家と言うしかない。司法機関が司法の仕事をしていない。「検察の不作為」という言葉で言い表すには、もう度が超えすぎている。中国や北朝鮮と同じだ。

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by yoniumuhibi | 2018-04-11 23:30 | Comments(2)
Commented by 七平 at 2018-04-12 03:18 x
ここまで動かぬ証拠が浮上しているにも拘わらず、司法が動かない状態には私も憤りを感じていますが、少なくとも国会での質疑応答の様子が編集されずにYou Tubeに上がっています。 ひと昔前なら、政府が的外れな応答を続け、時間延ばしで逃げ切れたでしょうが、今回は無理だと思います。状況は明らかに変わっています。 日本にいる外国からの特派員も、Mass Media も 日本の真実に対する尊敬の念や民主主義の成熟度を見極める為に、一連の虚偽、隠蔽の事実に関し報道を続けると思います。万が一、安倍政権の幕引きが成功すれば、それは世界に対し日本を笑い者国家、”嘘つき日本” にしてしまいます。 

武力に訴えず、朴大統領の弾劾を国会で決議し、司法が引き継いで実刑を下した、お隣の韓国と日本の比較がなされる事は避けられません。もし日本の国会、国民が安倍政権を罰せ無い場合は、欧米諸国は、韓国をアジアの中で最も民主化の進んだ国と位置付けると思います。 

Commented by 信貴明 at 2018-04-14 08:34 x
安倍信者が出演する関西ローカルTV番組でも佐川氏の起訴が話題になっていました。しかし、最初から佐川氏と官邸で話ができていると見ました。佐川氏は起訴されず、どこかに天下ると。あれだけ麻生財務大臣から「佐川が、佐川が」と一手に罪を被されていながら、証人喚問では「政治家の関与がなかった」と証言。私はこの時点で、推測が核心に変わりました。「話はできている」と。
郵政不正事件、西松事件、陸山会事件のときも検察は自民党が利する方向で動いていると思いましたし、今回もそう。泥棒が警察も兼任すると泥棒は捕まらない。マスコミも上っ面の報道はしても、核心には迫りません。証拠隠滅の恐れも逃亡の恐れのない籠池夫妻だけを勾留し、保釈を却下しながら、証拠隠滅改ざんの恐れのある役人の自由にさせている時点で法治国家としてのプライドを捨てたということでしょ。
もう民主国家としての一線を越えましたね。やはり民主主義は国民が守らないと、国民がアホでは維持できません。実際、国民はどれだけ危機感を感じているのか、暗澹たる思いになります。


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