佐川宣寿の証人喚問 - 安倍晋三を守るグロテスクで強情なイヌ官僚

c0315619_16343726.jpg佐川宣寿の証人喚問があった。テレビで生中継があり、NHKも民放も全局が放送していたが、不愉快で辟易とさせられる問答が続いていた。午前も、午後も、共産党議員が追及した数分間だけがまともな場面であり、そのときだけ国民を代弁した追及がなされ、残りは不満と苛立ちだけを感じさせられる時間が流れて終わった。共産党の質問時間はやけに短かった。午後の衆院の宮本岳志などは、これから追及の本番かと期待が高まったときに持ち時間の6分が終わり、拍子抜けさせられた。ふてぶてしく開き直る佐川宣寿が主役の、国民と国会をバカにした偽証と証言拒否のオンパレード。佐川劇場。自らの虚偽答弁を最後まで認めようとせず、昨年の国会で「確認した」と答弁したのは文書保存期間1年未満の細則のことだったと、宮本岳志に対して強情に言い張った絵には絶句させられた。こんな男のこんな立ち回りを許してはいけない。市民は佐川宣寿を議院証言法違反で告発すべきで、偽証罪で懲役刑に服せしめるべきだ。そうでなければ、国会証人喚問など何の意味もない制度になるし、国会の国政調査権は有名無実のものになってしまう。



c0315619_16353670.jpg昨年も、ブログの記事で佐川宣寿を糾弾したけれど、こういう種類の官僚の答弁を聞いたことがない。国会中継を長く見てきた者は同じ感想だろうし、この男の態度と言動を見聞きして動揺を覚えたことだろう。単なる違和感ではなく、もっと大きな衝撃と断絶を感じ、その意味と真相に思いを廻らせたはずだ。官僚のイメージが乱暴に壊された。ファシズムの時代の官僚。これまでの日本の政治現場には登場しなかった新しい類型。安倍晋三に仕える安倍政治の官僚。そんな観想を持ち、この男が私と同じ年だということを考え、40年前の東大経済学部の講座や教育を思い浮かべ、この男の40年の時間の積み重ねを想像した。この男が東大を卒業して入省した1982年は、丸山真男が『「君たちはどう生きるか」をめぐる回想』を「世界」に発表した翌年である。佐川宣寿の異様に攻撃的で独善的な形相や気質を見ると、それを常人と受け止めるのは私には難しい。特異な個性という表現も適当ではなく、やはり何かに憑かれた狂人としか見えず、精神異常という言葉(表象づけ)で理解するところに着地する。ファシズムの狂気の時代の官僚。従来の戦後日本の官僚像を壊べく出現したグロテスクで凶悪なキャラクター。

c0315619_16360941.jpg決裁文書の改竄(偽造)を指示したのは誰なのか。そんなことは簡単で、菅義偉に決まっている。官房長官の指示はなかったという証言はウソだ。虚偽公文書作成は刑法156条違反の犯罪である。このような大それた犯罪行為を、一介の局長の身分の官僚が一人で実行できるはずがないではないか。3月14日の朝日1面には、改竄に菅義偉が関与したことを窺わせる記事が載っていて、その夜の報ステでも同じ問題が報道されたが、映像は実に生々しいものだった。昨年2月下旬の官房長官会見のとき、菅義偉が、森友学園の土地取得疑惑を記者に質問され、財務省の決裁文書は30年保存で情報開示されるから、開示請求して確認すればいいじゃないかと答えているのである。いわば、結果的に「語るに落ちる」証拠映像が示された。昨年5月に国会議員に情報開示したとき、政府側はそれを真っ黒に塗った「海苔弁」で提出していない。改竄後の虚偽文書を周到に公開していたのである。「海苔弁」で出せば怪しまれ、マスコミと野党に騒がれるから、スミを塗ってない文書(虚偽文書)を出し、それを本物だと偽って国民と国会を騙していたのだ。

c0315619_16362048.jpg具体的な改竄作業を統括して部下に逐一指示を出し、虚偽文書を作成させていた責任者は佐川宣寿に違いないが、そんな重大な指示を一官僚が独断で出せるはずがない。当然、佐川宣寿と菅義偉の間で協議(謀計)がされていて、官房長官の菅義偉が指示している。現在、野党とマスコミは今井尚哉の名前を上げ、官邸で文書改竄を指示した張本人だと指弾しているが、一首相秘書官に過ぎない官僚上がりの官邸スタッフが、単独で、財務大臣も飛び越え、事務次官も官房長も飛び越え、案件を担当する局長に文書改竄の命令など出せるはずがない。もし、そんな指示が今井尚哉から来たら、佐川宣寿は直ちに「それは官房長官のご指示ですね」と念を押すだろうし、菅義偉の指示で間違いないか官房長に問い合わせして確認をとるだろう。この指示と行動のラインには官房長を必ず噛ませる。今回、具体的にどういう共謀だったかは不明だが、この文書偽造の共謀共犯には菅義偉と今井尚哉と官房長と佐川宣寿の4人が絡み、犯行を指示した責任者は菅義偉である。麻生太郎は指示はしていないが、当然のことながら文書偽造の承認をしている。省トップだから。

c0315619_16363170.jpg麻生太郎に連絡と報告をしていなければ、「オレを飛ばして勝手にやったのか」という話になる。「聞いてないぞ」という組織のフリクションになる。事は政治案件だ。官僚の仕事としてそれは絶対にない。事務次官にも報告をしている。耳に入れている。省の事務トップだから。事務次官が知らないでは済まされない。こうして組織系統の全体を共犯者にして、自分はただ上の指示に従っただけですという言い訳を作って、官僚は今回のような重大な犯罪に身を染めるのである。佐川宣寿は昨日(27日)の喚問で、この事案は国有地売却の個別案件だと繰り返し、問題を小さな行政実務に見せる演出と工作に努めたが、昨年2月に国会で追及が始まったときから、事件は巨大な政治問題となっていて、政権を揺るがす不正疑惑の騒動となっていた。改竄(公文書偽造)はその渦中に継続的・組織的に行われたもので、安倍晋三の政権を守るために行われたものであることは明白だ。その佐川宣寿のスリカエ論法を衝いて正面から反駁する野党議員がいなかったのは残念だった。昨年の2月下旬から4月にかけての文書偽造は、麻生太郎も承認しているし、事務次官も了承している。当たり前のことだ。

c0315619_16364306.jpg当たり前のことだから、これ以上、無理に国会で喚問などやる必要はない。国会での追及は、本筋である背任(国有地不当値引き)の方へ移すべきで、佐川宣寿から迫田英典へ、谷査恵子と安倍昭恵へ焦点を合わせるべきである。最近の検察の様子を見ると、先週頃から急に動きが鈍くなった気配があり、先々週までの意気軒昂だった息遣いが消えている。先々週までの検察は、毎日新聞とNHKを通じて続けざまに大きなリークを発信し、佐川喚問の後に捜査始動することを国民に予告していた。10日には毎日に早々と「佐川聴取」の見出しを打たせ、16日には同じく毎日の1面で、業者による地中ゴミの報告書が虚偽で近畿財務局側に書かされていたという決定的事実を暴露させ、そして18日にはNHKの7時のニュースで、武内良樹(当時近畿財務局長)と中尾睦(当時理財局次長)の二人が捜査対象になっていると報じさせていた。ところが、先週からリーク報道がすっかり止まり、検察の動向が不活発になっていて、今日(28日)の朝日を見ると、2面に「特捜部、聴取時期探る」と小さな記事があるだけだ。佐川宣寿の任意聴取さえいつ行うか分からないという消極的な姿勢になっている。捜査が後退した感が強い。

c0315619_16421790.jpg26日の天木氏との動画対談の折、私は、今週中にも佐川逮捕と強制捜査と麻生辞任があるだろうと予測を述べた。昨日(27日)のプライムニュースでは、どうやらこの事件の検察の捜査を仕切っている黒幕と見られる宗像紀夫(内閣官房参与)が出演し、虚偽公文書作成で佐川宣寿を罪に問うのは難しいと発言していた。その判断の根拠はよく分からないが、何やら、決裁文書の改竄が、例えば金額を変えるとかの改竄なら構成要件を充当させて罪に問えるが、添付している調書の改竄で、事案の経緯等の説明というペリフェラルな部分の改竄だから、それは虚偽公文書作成にはならないのだと言う。ずいぶん珍妙な理屈であり、取って付けたような「始めに無実ありき」の法解釈で、佐川宣寿的なアクロバティックな詭弁だが、そんな胡乱な法律論を元検事の見解として垂れていた。宗像紀夫の話では、検察は公文書偽造(決裁文書改竄)については捜査に冷淡で、むしろ背任の方に本腰を入れているのだと言う。その言葉を本気だと信じていいのかどうか分からない。捜査に前掛かりの構えを見せていた検察が、こんな月末まで着手を遅らせたのは、一重に佐川喚問を待機していたからであり、国会が動く前に司法が出しゃばるのを自制したからである。


c0315619_16371089.jpgいわば、検察にとって佐川喚問は通過儀礼であり、捜査開始のマイルストーンのはずだった。今、検察の動きが不透明になっていて、安倍晋三側の巻き返しを感じさせる不穏な状況になっている。しかし、普通に考えて、国民の敵となった佐川宣寿がこのまま無実で無事安泰という事態はとても想定できず、検察が身柄を拘置所の中に入れて外部と遮断するというのがありそうなシナリオだろう。逮捕して、その絵をセレモニー的に見せて大衆を慰撫し納得させ、その上で取り調べに時間をかけ、最終的に不起訴処分で釈放するという検察お得意の方法がある。つまり、守屋幸子と同じ社会的制裁のパターンだ。おそらく佐川宣寿もその刑罰を覚悟しているだろうし、その苦痛と苦役を引き受けるに十分な報酬(裏金)を安倍晋三側から得ていることだろう。財務省には必ずガサ入れが入る。予定されていた強制捜査が中止になるとか免除されるとは思えない。今回は財務省が組織として仕置きを受ける。国民の前で責任をとらされる惨めな図を演じる。官僚機構の失態のけじめをつけさせられる。この国特有の、「ご政道」のホメオスタシスの蘇生と回復があるはずだ。そのときは大きな報道になるだろうし、麻生辞任という政治的始末になるに違いない。私はそう予想する。

それにしても邪悪で醜悪きわまりない。主人が主人ならイヌもイヌ。


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by yoniumuhibi | 2018-03-28 23:30 | Comments(5)
Commented by イヌ at 2018-03-28 21:09 x
佐川氏は、福島出身と聞いたので、素朴な答弁を、かすかに期待しましたが、無理でしたね。見た目は、犬と言うよりネズミに見えます!


Commented by 七平 at 2018-03-29 00:48 x
佐川宣寿の出鱈目答弁もさることながら、共産党以外の野党の質問の甘さ素人さには呆れました。与野党共々、日本の政治家のレベルが如何に低いかを世界に露呈していると思います。野党が次期選挙候補者を立てる時に、腕利きの元検察官、弁護士を勧誘する必要があると思います。立件民主党が枝野氏を質問者として建てなかったのも不思議なところです。

佐川宣寿が乱発、悪用した 自己負罪拒否権 (米国での5th Amendment) は米国の法廷でもよく使われます。 ”答弁者自身が返答する事によって追訴にあうので、答えられません。” の場合には、拒否権発動が許されますが、 その範囲以外、質問内容が第三者(首相夫妻、関係者、日程、等々)に関しての場合、要するに佐川宣寿が如何ような返答をしても彼自身の追訴にはつながらないわけです。従って、5thの発動は許されません。喚問を仕切っている議長も何にも解っていないわけです。 
もし、法廷で同じ喚問がなされ、佐川宣寿があそこまで自己負罪拒否権を発動すると、法廷侮辱罪に問われて当然だと考えます。
Commented by 一市民 at 2018-03-29 18:17 x
正直、検察には期待できません。
官邸は、法務・検察人事にも介入して掌握済みです。
今の法務事務次官がどのような人か、皆さんご存知でしょう。
でも!
検察内の「反安倍分子」の方々、がんばってください。
ドラマじゃないけど、「巨悪は眠らせない」、
こちらのコメント欄を通じてメッセージを送ります。
Commented by 通行人 at 2018-03-30 20:54 x
今回の事件は4年前のSTAP細胞捏造事件を思い起こさせる。

1,理屈や道理が通用しない。
小保方晴子は捏造した証拠を突き付けられても言い逃ればかり。今回、改竄前の決裁文書が出てきても安倍と麻生は「最初から出してくれればいいのに」と白々しい嘘で誤魔化す。

2,見え透いた嘘を信じる、あるいは問題視しない妄信的、頑迷な信者や責任者の存在。
捏造が露呈した初期の頃には小保方を擁護する「信者」と呼ぶべき存在が溢れていた。彼らは理屈で主張するのではなく「外国勢力の日本に対する妨害だ」と叫び、掲示板でコピペを繰り返すばかり。理研の武市氏や川合氏たちは小保方を腫物でも扱うような対応で退職を認め逃亡を手助け。
自民党ネットサポータズクラブ(ネトサポ)をはじめとする安倍信者はあらゆる詭弁、強弁で安倍たちを擁護。
「野党とマスコミがモリカケを追及するから改竄せざるを得なくなった。野党とマスコミが追及しなければ改竄せずに済んだ。よって野党とマスコミが悪い。」
「国家予算100兆からすれば8億の値引きなんて年収500万の一般家庭でいえば40円にすぎない。何が問題なのか。」
「国会がモリカケばかりで空転したまま。外交や内政の支障が出る。野党は無責任だ。」

このような頭が痛くなるような論法が跋扈。


STAP細胞捏造事件は改革委員会と理研内部の有志のおかげでかろうじて小保方晴子が理研に留まるという
最悪の事態は避けられたものの、今回は政権自身の問題のためまともな対応がなされるかは極めて怪しい。
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佐川氏証人喚問で補佐人を務める弁護士は?
http://www.news24.jp/sp/articles/2018/03/27/07388979.html
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小渕優子や甘利明の弁護を担当し不起訴にした熊田彰英が佐川の弁護を担当しているという情報は
この先の展開がとても酷いものになる事を予感させる。
検察や官邸内部、財務省にいるであろう良識や良心のある人からの内部告発に期待するしかないのだろうか。
Commented at 2018-03-31 03:27 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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