素直に喜べないノーベル賞 - 暴論の誹りを承知で敢えて違和感を言う






中国人観光客の大人の女性が北海道で失踪すると、テレビが毎日警察のアップデートを流して全国民に情報提供を呼びかけたが、座間で殺された高校生の失踪は全然問題にならなかった。日本人が日本人への関心を失っている。

by yoniumuhibi
| 2017-12-12 23:30
|
Comments(6)

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サーロ節子さんの拡張高い言葉たちに感動しました。英語の演説でしたが、頭のなかで日本語に直して理解しても、そこに核廃絶に関する美しい日本語の感性が溢れていて、思わず涙しそうになりました。「きょう、この会場で皆さまには、広島と長崎で死を遂げた全ての人々の存在を感じてほしいと思います。雲霞(うんか)のような二十数万の魂を身の回りに感じていただきたいのです。一人一人に名前があったのです。誰かから愛されていたのです。彼らの死は、無駄ではなかったと確認しましょう」朝日のインタヴューは日本語でしたが、かの女が美しい日本語でなにより海外に移住された被爆者の一人が、世界に強い影響力を持つノーベル平和賞の舞台で堂々と語られたことに、おなじ海外移民として強い共感を覚えました。サーロ節子さんは移民二世だそうですが、驚くほど多くの被爆者の方たちが被爆後海外に移住されてしまったことは、日本国内で被爆者に対するなんらかの差別があった故ではないかと考えます。
お説のように I CAN ではなく、サーロ節子や谷口稜曄のような被爆者の方々が平和賞を直接受賞すべきだというご意見にはまったく同感です。10年ほど前に国連前広場で谷口稜曄氏にお会いしたことがありますが、実に毅然とした老紳士で、長く大きい痛みがそのまま彼の人格の深みになっていて、何者よりも『核廃絶』への強い意志(彼だけでなく人類全体の意志)に深く繋がる存在であると感じました。
I CANの理事をされているピースボートの川崎哲氏には、この5月にコロンビア大学での『核廃絶条約』のための会議でお会いして意見交換しました。このときも広島/長崎の被爆者の方々とご一緒でした。ピースボートの理事はI CANの理事ということで自動的に平和賞受賞メンバーに決まったようですが、彼はその瞬間から「今回の受賞の主役は、ピースボートでいっしょに活動を続けてきたおおぜいの被爆者の方たちで、かれらのための受賞である」と理事たちを説得してまわり、上のサーロ節子さんの演説、ほかの被爆者の方々の出席に及んだということです。(…続)
お説のように I CAN ではなく、サーロ節子や谷口稜曄のような被爆者の方々が平和賞を直接受賞すべきだというご意見にはまったく同感です。10年ほど前に国連前広場で谷口稜曄氏にお会いしたことがありますが、実に毅然とした老紳士で、長く大きい痛みがそのまま彼の人格の深みになっていて、何者よりも『核廃絶』への強い意志(彼だけでなく人類全体の意志)に深く繋がる存在であると感じました。
I CANの理事をされているピースボートの川崎哲氏には、この5月にコロンビア大学での『核廃絶条約』のための会議でお会いして意見交換しました。このときも広島/長崎の被爆者の方々とご一緒でした。ピースボートの理事はI CANの理事ということで自動的に平和賞受賞メンバーに決まったようですが、彼はその瞬間から「今回の受賞の主役は、ピースボートでいっしょに活動を続けてきたおおぜいの被爆者の方たちで、かれらのための受賞である」と理事たちを説得してまわり、上のサーロ節子さんの演説、ほかの被爆者の方々の出席に及んだということです。(…続)
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続)もうひとつ、カズオ・イシグロの文学賞受賞についての意見。
世に倦む氏とは過去に村上春樹の大ファンとして、文学賞で盛り上がったことがありますが、私自身は春樹の大ファンであるとともにイシグロの深すぎる物語の大ファンでもあります。私自身は数冊の著書を読んだだけですが、それぞれがまったく異空間にある深い深い物語であると感じます。どれも発想がかけ離れていて。同じ著者とは感じられないほどですが、まだの方はぜひ彼の本の複数册をお読みになることをお勧めします。春樹ファンをやめるつもりはまったくありませんが、人類の未来、戦争、差別への深い洞察という意味では、あるいは春樹を越えているのでは、と感じることも多々あります。今年の文学賞は実に正当な選択であると感じています。
ふたりは朋友であり、村上春樹はイシグロのために2010年に『カズオ・イシグロのような同時代作家を持つこと』という総合的絶賛の文章を書いています。春樹はプリンストン教授として東部に数年いたけれども、イシグロの方は幼少期からイギリスに育ち、もはや日本人とはいえないかもしれないが、上記のサーロ節子さんのように、日本人の感性を決して失っていない日本生まれの異国人ということで、大きな近親感を感じています。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1457570641023720&set=a.263704340410362.57302.100003123951098&type=3&theater
世に倦む氏とは過去に村上春樹の大ファンとして、文学賞で盛り上がったことがありますが、私自身は春樹の大ファンであるとともにイシグロの深すぎる物語の大ファンでもあります。私自身は数冊の著書を読んだだけですが、それぞれがまったく異空間にある深い深い物語であると感じます。どれも発想がかけ離れていて。同じ著者とは感じられないほどですが、まだの方はぜひ彼の本の複数册をお読みになることをお勧めします。春樹ファンをやめるつもりはまったくありませんが、人類の未来、戦争、差別への深い洞察という意味では、あるいは春樹を越えているのでは、と感じることも多々あります。今年の文学賞は実に正当な選択であると感じています。
ふたりは朋友であり、村上春樹はイシグロのために2010年に『カズオ・イシグロのような同時代作家を持つこと』という総合的絶賛の文章を書いています。春樹はプリンストン教授として東部に数年いたけれども、イシグロの方は幼少期からイギリスに育ち、もはや日本人とはいえないかもしれないが、上記のサーロ節子さんのように、日本人の感性を決して失っていない日本生まれの異国人ということで、大きな近親感を感じています。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1457570641023720&set=a.263704340410362.57302.100003123951098&type=3&theater

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サーロー節子さんのスピーチ、素晴らしかったですね。ここまで来るのに日本の被爆者の方々が壮絶な闘いを続けてこられたことを考えると、たしかに平和賞はそれらの方々皆の共同受賞にしてはとも思います。
しかしカズオ・イシグロは「誰も知らない作家」などではありません!
日本でも海外文学ファンの間ではつとに知られる、その経歴も含めて異色の存在感を放つ存在ではないでしょうか?
恥ずかしながらそういう私も、知ったのは映画「日の名残り」(アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソンと、英国の演技派俳優揃いの名作・ヒット作ですので、宜しければぜひご一見を)からで、第二次大戦前後、親ドイツの没落し行く英国大貴族というアンビバレントな存在を軸に、その華麗な邸宅のディテールを緻密に描きながら、同時に人間存在の儚さ、矛盾をあぶり出したすごい作品の原作者クレジットに、日本人の名前を見出した時はびっくりしました。
しかしそれは私の不勉強で、英国最高の文学賞であるブッカー賞を取り、とうに何度も来日し、ノーベル賞受賞者である大江健三郎氏と対談などもしている。
独特の登場人物と物語の舞台は、日本や英国のような、そうでもないような曖昧さと同時に、どうにも忘れられなくなるリアリティを持って読者の心に住みついてしまう。多くのファンがいるのも納得しました。
日米開戦前夜の上海、クローン人間が合法化された英国、住民がすぐに記憶をなくしてしまう古代ブリテン…彼の物語は非現実的な大仰な形をとりながら、私たちの社会のリアルをぞっとするほど克明に描いているような、もはや「社会」などというものを超えて、人間存在そのものに触れているような、つまり、私たちみんなの物語である、と感じさせる大きさと深さがあります。
彼自身が語るように、根底に、日本人としての感性があり、しかし後天的に獲得した英語で考え、書くという、言語と作家の今日的あり方も含め、受賞は納得感があります。
私はそんな偉そうに語れる文学ファンでもなく、単に数冊読んで感動したというだけのものですが…。春樹ファンではないので、ごめんなさい…。
でも、イシグロ氏と村上氏は親しい友人だそうですよ。私見ですがイシグロ氏の「充たされざるもの」の世界観には村上氏の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を思い出しました。よろしければ、手にとってご覧になっては。失礼いたしました。
しかしカズオ・イシグロは「誰も知らない作家」などではありません!
日本でも海外文学ファンの間ではつとに知られる、その経歴も含めて異色の存在感を放つ存在ではないでしょうか?
恥ずかしながらそういう私も、知ったのは映画「日の名残り」(アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソンと、英国の演技派俳優揃いの名作・ヒット作ですので、宜しければぜひご一見を)からで、第二次大戦前後、親ドイツの没落し行く英国大貴族というアンビバレントな存在を軸に、その華麗な邸宅のディテールを緻密に描きながら、同時に人間存在の儚さ、矛盾をあぶり出したすごい作品の原作者クレジットに、日本人の名前を見出した時はびっくりしました。
しかしそれは私の不勉強で、英国最高の文学賞であるブッカー賞を取り、とうに何度も来日し、ノーベル賞受賞者である大江健三郎氏と対談などもしている。
独特の登場人物と物語の舞台は、日本や英国のような、そうでもないような曖昧さと同時に、どうにも忘れられなくなるリアリティを持って読者の心に住みついてしまう。多くのファンがいるのも納得しました。
日米開戦前夜の上海、クローン人間が合法化された英国、住民がすぐに記憶をなくしてしまう古代ブリテン…彼の物語は非現実的な大仰な形をとりながら、私たちの社会のリアルをぞっとするほど克明に描いているような、もはや「社会」などというものを超えて、人間存在そのものに触れているような、つまり、私たちみんなの物語である、と感じさせる大きさと深さがあります。
彼自身が語るように、根底に、日本人としての感性があり、しかし後天的に獲得した英語で考え、書くという、言語と作家の今日的あり方も含め、受賞は納得感があります。
私はそんな偉そうに語れる文学ファンでもなく、単に数冊読んで感動したというだけのものですが…。春樹ファンではないので、ごめんなさい…。
でも、イシグロ氏と村上氏は親しい友人だそうですよ。私見ですがイシグロ氏の「充たされざるもの」の世界観には村上氏の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を思い出しました。よろしければ、手にとってご覧になっては。失礼いたしました。

ICANの平和賞受賞、大変喜ぶべき受賞にもかかわらず、私もどこか違和感を感じていたところ、こちらのブログを読み、自らの抱いた違和感を見直すことができました。
こう言ったら語弊があるかもしれませんが、受賞者がICANでは、空調の効いた快適な空間での核廃絶活動のような感じがしたのだと思います。
昨年夏、こちらに手記を寄せられた原爆投下直後に広島市に入られた方の体験にあるような、炎天下の、生と死の混じった強烈な臭い、枯渇してゆく生への最後の叫びみたいなもの、それは今まだ残っておられる被爆者でなければ伝えられないと思います。そして、今やこの生存されている語り部のなんと貴重なことか。。。
日本の被爆者に平和賞が授与されず、ICANになったことが、ノーベル平和賞の限界なのだと思います。近年、平和賞自体、西側の政治的意図が色濃く反映されているようなので、日本の被爆者や、平和憲法に平和賞が授与されることは決してないと思います。平和賞、所詮その程度のものなのだと思います。
文学賞に関して言えば、これは、受賞よりも受賞を辞退してこそ価値があるように思います。サルトルみたいに。
文学に俗世のお墨付きは要りますか?受賞は商業上の成功にさらに寄与するかもしれませんが、それだけのことです。
こう言ったら語弊があるかもしれませんが、受賞者がICANでは、空調の効いた快適な空間での核廃絶活動のような感じがしたのだと思います。
昨年夏、こちらに手記を寄せられた原爆投下直後に広島市に入られた方の体験にあるような、炎天下の、生と死の混じった強烈な臭い、枯渇してゆく生への最後の叫びみたいなもの、それは今まだ残っておられる被爆者でなければ伝えられないと思います。そして、今やこの生存されている語り部のなんと貴重なことか。。。
日本の被爆者に平和賞が授与されず、ICANになったことが、ノーベル平和賞の限界なのだと思います。近年、平和賞自体、西側の政治的意図が色濃く反映されているようなので、日本の被爆者や、平和憲法に平和賞が授与されることは決してないと思います。平和賞、所詮その程度のものなのだと思います。
文学賞に関して言えば、これは、受賞よりも受賞を辞退してこそ価値があるように思います。サルトルみたいに。
文学に俗世のお墨付きは要りますか?受賞は商業上の成功にさらに寄与するかもしれませんが、それだけのことです。
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