SEALDsの偶像崇拝と左翼のカルト化 - しばき隊に叩かれた朝日新聞





現在のSEALDs信仰の心理的正体は、安保法廃止の政治戦に負けた左翼リベラルが、敗北の真因 - 戦略の誤りや政党の見きわめの誤り - を正しく探ろうとせず、運動の意味を強引に肯定しようとする動機からの観念倒錯の結果だと言えよう。そして、しばき隊が肯定されているのは、かわいい聖天使のSEALDsを肯定しているから、その延長線上の判断と感情に基づいている。本来、SEALDsはしばき隊に育てられた弟分にすぎず、反安倍の政治運動のモメンタムを作る実力もなく、ただのデモの飾りの木偶人形で、むしろ、反安保の政治の流れの足を引っ張る原因となった存在だった。翌年の参院選に道具利用しようとする野党の党利党略が媒介した疑似シンボルだった。左翼リベラルのSEALDs信仰は、今後、二つの契機によって相対化され、熱が冷めていくだろう。ひとつは、民進党の野党共闘路線の解消であり、もう一つは、大阪地裁でのしばき隊リンチ事件の訴訟の判決である。この二つの問題の帰趨によって、現在、朝日の4面で特集されているSEALDs神話は意味を失う。野党共闘が破綻したときは、SEALDsの政治的成果は何もなかったことになる。裁判でしばき隊が敗訴した場合、しばき隊の派生品としてのSEALDsの生い立ちが検証され、しばき隊学者と朝日新聞が作った物語は不当だったという世評になり、SEALDsの意義が過大評価されていたという「歴史修正」に及ぶだろう。

by yoniumuhibi
| 2016-08-23 23:30
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Comments(2)

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この記事を読解するうえで、「朝日新聞」が連載した「街頭政治ーーSEALDsが残したもの」の第4回(8月21日朝刊掲載)は示唆に富むと思えます。記事の大見出しは「『市民連合』野党共闘に結実」です。その中に次のようなくだりがあります。2015年10月16日、野党の代表者と市民団体の代表者が集まった会合の場で諏訪原健氏が次のように訴えたとのことです。「野鳥共闘に私たちをうまく使ってください。」私はこの発言に野党共闘プラス市民連合なるものの実態が凝縮されていると感じました。要するに市民連合は野党各党から自立した市民主体の団体として活動する力量も意思もなかったのです。彼らにとって、活動を始めて1年も経たない自分たちがマスコミの寵児とされたのを追い風に、野党共闘の接着剤となることに意欲を燃やしていたのです。この意味で、市民連合にとって、野党共闘はそれが成立したことで半ば目的を達成していたと言っても過言ではなかったのです。野党共闘は「手段」ではなく、半ば「自己目的」だったのです。ですから、「手段の有効性」に関する事前の検討にも事後の検証にも大きな関心はもともとなかったのです。
さらに、上の「朝日新聞」記事によると、11月19日、12月9日と3回にわたって、民進、共産両党の幹部と諏訪原氏らが水面下で接触したほか、年が明けた2016年1月27日、中野晃一、山口二郎が野田佳彦と面会し、岡田代表が進める野党共闘に従う旨の確約を得たと記しています。
それなら、SEALDs、学者の会、ママの会、総じて「市民連合」は若者、学者、母親の間にどれほど裾野を持った集団なのでしょうか? 彼らに市民連合を自称できる基盤が果たしてあったのか? 野党幹部が彼らと水面下で交渉を重ね、彼らを「渡りに船」と接着剤に使って「野党共闘」にこぎつけた実態が浮かび上がってきます。その意味で、「朝日」記事は、野党共闘が、出自において不透明で民主主義的プロセスを欠いていたことを裏づける情報になっていると思えます。
わずか1年余りの活動で、これからが正念場というところで解散する市民団体をかくも賛美するマスコミは魔訶不思議な世界です。大きな課題が残ったままという理由で活動を続けるSEALDs琉球に熱い視線を注ぐのならわかりますが。
さらに、上の「朝日新聞」記事によると、11月19日、12月9日と3回にわたって、民進、共産両党の幹部と諏訪原氏らが水面下で接触したほか、年が明けた2016年1月27日、中野晃一、山口二郎が野田佳彦と面会し、岡田代表が進める野党共闘に従う旨の確約を得たと記しています。
それなら、SEALDs、学者の会、ママの会、総じて「市民連合」は若者、学者、母親の間にどれほど裾野を持った集団なのでしょうか? 彼らに市民連合を自称できる基盤が果たしてあったのか? 野党幹部が彼らと水面下で交渉を重ね、彼らを「渡りに船」と接着剤に使って「野党共闘」にこぎつけた実態が浮かび上がってきます。その意味で、「朝日」記事は、野党共闘が、出自において不透明で民主主義的プロセスを欠いていたことを裏づける情報になっていると思えます。
わずか1年余りの活動で、これからが正念場というところで解散する市民団体をかくも賛美するマスコミは魔訶不思議な世界です。大きな課題が残ったままという理由で活動を続けるSEALDs琉球に熱い視線を注ぐのならわかりますが。
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