英国のEU離脱の衝撃 - 移民問題を過小評価するマスコミの論評







今、来年のフランス大統領選とドイツ総選挙が焦点だと言われている。私は、その前の3月に行われるオランダの選挙も重要だと注目する。浜規子の表現を借用するなら、オランダは海洋国家の側面が強い。歴史的にフリーハンドの自由貿易で成り立ってきた国で、その意味で国民のアイデンティティの性格は独仏と同じではなく、大陸の支配より海洋の覇権を求める英国に類似していると言えるだろう。EUの前身であるEC6か国の一角であり、EUの根幹をなす国の一つであるオランダ王国が離脱に走れば、その影響の大きさは計り知れないものがある。

by yoniumuhibi
| 2016-06-27 23:30
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Comments(10)

離脱を選んだ英国人を上から目線で切り捨てる論評ばかりの日本のマスコミにはうんざりしていましたので、こちらの記事で少し溜飲が下がりました。
個人的にはウェールズで離脱派が勝ったことが意外でした。スコットランドや北アイルランドでも離脱に投票した人の数は決して少なくありません。
反EU感情はそこまで広範に行き渡っているんだなと感じました。
グローバル資本に牛耳られている世界で、圧倒的な経済格差がある域内での移動の自由は生活を脅かす脅威でしかありません。実際に怠け者でもなんでもなく一生懸命働いてきた英国の労働者で、経済的に苦労している人を一人でも知っていたら、移民への脅威をレイシズムや感情論として切り捨てるなんてできないと思うんすけどね。1741万という数の投票を軽視するのは傲慢すぎます。
個人的にはウェールズで離脱派が勝ったことが意外でした。スコットランドや北アイルランドでも離脱に投票した人の数は決して少なくありません。
反EU感情はそこまで広範に行き渡っているんだなと感じました。
グローバル資本に牛耳られている世界で、圧倒的な経済格差がある域内での移動の自由は生活を脅かす脅威でしかありません。実際に怠け者でもなんでもなく一生懸命働いてきた英国の労働者で、経済的に苦労している人を一人でも知っていたら、移民への脅威をレイシズムや感情論として切り捨てるなんてできないと思うんすけどね。1741万という数の投票を軽視するのは傲慢すぎます。
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離脱の結果は当然だと。学者先生方は庶民の気持ちがわからなすぎ、トランプ旋風甘く見過ぎですよ。うちの義母は今は在米ですが、独や仏は好きではない、気持ちはUSAやCommonwealthに繋がっているイギリス人。「City」とは無関係インテリと違ってサイクス・ピコなんて思い浮かばない庶民の代表、最も離脱を支持した層の1人です。この10年話題はいつもロンドンで家が買えない、知人の息子は今だに無職、数十年ぶりに生家を訪ねたらインド人が住んでいたと、、、自分の知っているロンドンが激変して行く事に対する不安と不満。で、止めは繰り返されるテロ、投票前のオーランドでのテロはアメリカでの事とは言え又イギリスでも起こりうる。移動の自由たって、庶民はどこへ引っ越す?EUの恩恵って?金持ちは巨額の富をタックスヘイブンに、でしょ。別に大英帝国へのノスタルジアなんて大袈裟な物ではなく、安心して地下鉄に乗れて、年金で十分賄える生活、同じ文化を共有できる人達と暮らしたいって、、、これは偏狭なナショナリストなんでしょうかね?

田中さんが評価する大塚久雄にならっていえば、中・東欧諸国は、国民経済の成熟以前にグローバリゼーションの流れにのみこまれました。また世界システム論の用語、「中心と周縁」でいえば、全欧州の周縁の枠組みにくみこまれました。しかし弁証法の相互浸透の論理が示すのは、周縁からの逆襲により、中心自体が変容を余儀なくされることで、今回、中心の一つが、枠組みを離脱することを決めました。
また今回、保守主義と進歩主義という対立軸とは異なる、ローカリズムとグローバリズムという対立軸があらわれました。かつてのナショナリズムとインターナショナリズムは、保守と進歩に比較的対応していましたが、ローカルとグローバルは対応しているとはいえない。今回、英国保守党は政党の体をなしていませんでしたが、英国労働党はさらに、その流れにひきさかれかねない印象です。
また今回、保守主義と進歩主義という対立軸とは異なる、ローカリズムとグローバリズムという対立軸があらわれました。かつてのナショナリズムとインターナショナリズムは、保守と進歩に比較的対応していましたが、ローカルとグローバルは対応しているとはいえない。今回、英国保守党は政党の体をなしていませんでしたが、英国労働党はさらに、その流れにひきさかれかねない印象です。

移民に反対する者はレイシスト、右翼、反知性などといって切り捨てる者たちこそレイシストです。
もちろんそこに便乗する勢力はいますが、そんなものは右の活動にも左の活動にもいます。
移民政策は(政策によって変動はあるが)受け入れ可能限界を超えれば地方行政、学校、病院等の社会保障、地域社会を壊し、その影響を受けるのは地域住民です。
移民なんて関係ない富裕地域や地域社会にコミットしてない成金には、庶民の努力で紡いできた地域社会や文化など理解できないんでしょう。
ポリティカル・コレクトネスの全体主義を掲げ、労働者や地域社会を弾圧する左翼や自称庶民の味方は、革命が起これば倒される側になっているのに気づいておらず滑稽です。
もちろんそこに便乗する勢力はいますが、そんなものは右の活動にも左の活動にもいます。
移民政策は(政策によって変動はあるが)受け入れ可能限界を超えれば地方行政、学校、病院等の社会保障、地域社会を壊し、その影響を受けるのは地域住民です。
移民なんて関係ない富裕地域や地域社会にコミットしてない成金には、庶民の努力で紡いできた地域社会や文化など理解できないんでしょう。
ポリティカル・コレクトネスの全体主義を掲げ、労働者や地域社会を弾圧する左翼や自称庶民の味方は、革命が起これば倒される側になっているのに気づいておらず滑稽です。

EUの意思決定の不透明さ、それに対するイギリス人の根強い不信感について、マスコミはもう少し目を向けるべきだと思います。投票場を出てきた熟年男性が言った「EUはもはや民主的でない」という一言は、自分たちの声が届かないEUのあり方そのものについての言及だと思います。
テレビで、コメンテーターが「人類の理想であるEUがこういうことになってまことに残念」とか言っていましたが、噴飯物です。ヨーロッパの外交、安全保障を含めた統合、国家の解体がそんなに人類の夢なのでしょうか?
域内の移動の自由は、自分たちの利益を最大化するため、一ユーロでも安い労働力がほしい資本家のための便宜以外の何物でもありません。域内に存在する南北問題が大量の移民を生み出し、イギリス国内の底辺の人たちの生活を悪化させ、矛先を移民に向けるとレイシストと糾弾されるのです。レイシストという言葉は、民衆の不満を黙らせるのに実に便利な言葉だと思います。
それと、世論調査の信頼性に改めて疑問を抱いたのは私だけでしょうか。離脱優勢を報じた世論調査、ひとつでもありましたか?なぜ、ひとつもなかったのですか?世論調査は、人々の声を正確に表すものでなく、人々を「望ましい」方向へ誘導するための、方便なのですか?この問題は軽視してはいけないのではないか。
テレビで、コメンテーターが「人類の理想であるEUがこういうことになってまことに残念」とか言っていましたが、噴飯物です。ヨーロッパの外交、安全保障を含めた統合、国家の解体がそんなに人類の夢なのでしょうか?
域内の移動の自由は、自分たちの利益を最大化するため、一ユーロでも安い労働力がほしい資本家のための便宜以外の何物でもありません。域内に存在する南北問題が大量の移民を生み出し、イギリス国内の底辺の人たちの生活を悪化させ、矛先を移民に向けるとレイシストと糾弾されるのです。レイシストという言葉は、民衆の不満を黙らせるのに実に便利な言葉だと思います。
それと、世論調査の信頼性に改めて疑問を抱いたのは私だけでしょうか。離脱優勢を報じた世論調査、ひとつでもありましたか?なぜ、ひとつもなかったのですか?世論調査は、人々の声を正確に表すものでなく、人々を「望ましい」方向へ誘導するための、方便なのですか?この問題は軽視してはいけないのではないか。

脱近代という思想の最も注意を要すべき「理念」の一つであった「脱国家」というイデオロギーレトリックの欺瞞が、ここに至ってようやく可視化されたということです。従前国家の抑圧性のみが注視され、国家の枠組みから自由であること、「境界」から自由になること、これがあらゆる学問分野で称揚されてきました。「EUの理念」と人が言う時、それはかつての抑圧的排他的国家主義を揚棄して新たな枠組みで人類統合を目指すという意味合いなのでしょうが、そしてそれは一面で正しいことでありながら、しかし、近代国家というものが足元の生活や人生航路を最低限保障してくれる、セーフティネットシステムでもあることをポストモダン以降の学者たちは一斉に忘却しました。進歩主義というものが人を傷つけるなら、保守主義が人を守ることもある。「新たな」対立軸というより、本来的にこれらの伝統的二項が持つそれぞれの二面性があらわになったということだと思います。自由であればいいというのは新自由主義でもあり、抑圧と包摂と排他になるかもしれないがそのかわり抱擁になるかもしれない国家主義もあります。正義は絶対ではなく悪にもなり得るとは他でもないポストモダンの価値相対主義ではなかったか。

ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。

結局、「グローバル人材」も「地球市民」も人間理性を信奉し、国境や民族特有の言語・歴史・文化を憎悪する点で同じだったというわけですよ。経済をほかに優先する唯物的態度も似通っています。
それゆえに移民・難民に警戒心を抱いた層と真摯に対話するのではなく「排外主義者」「レイシスト」呼ばわりするわけです。挙句、移民・難民の犯罪を隠蔽するわけです。
それゆえに移民・難民に警戒心を抱いた層と真摯に対話するのではなく「排外主義者」「レイシスト」呼ばわりするわけです。挙句、移民・難民の犯罪を隠蔽するわけです。

EU発足の萌芽及び理念の未来像は、日本国憲法に匹敵する理想なのではないでしょうか。
ソ連崩壊に続く東欧諸国の急速な加盟、EUをグローバルマーケットとして貪ったネオリベの問題は、EUの舵取りを誤った結果でしかなく、イングランドのEU脱退意思表示を移民、治安、経済のみで是非を言う事に危うさを感じます。
この思考ベクトルは、日本国憲法にても国民投票が為される際に、理念・理想の議論が切り捨てられ、安全とコストのトレードオフ的議論に陥る予感がするからです。
理念・理想は貨幣換算不可能、だと思います。
ソ連崩壊に続く東欧諸国の急速な加盟、EUをグローバルマーケットとして貪ったネオリベの問題は、EUの舵取りを誤った結果でしかなく、イングランドのEU脱退意思表示を移民、治安、経済のみで是非を言う事に危うさを感じます。
この思考ベクトルは、日本国憲法にても国民投票が為される際に、理念・理想の議論が切り捨てられ、安全とコストのトレードオフ的議論に陥る予感がするからです。
理念・理想は貨幣換算不可能、だと思います。

EUの理念 は正しいと考えています。
アジアでも、将来的には韓国、中国 と統合市場の創設をすべきと考えています。
市場経済は、資本家の為では無く、消費者の為のシステムでは?
当然 行政によるセーフティネットは設けるべきです。
アジアでも見受けられますが、統合市場に反対するのは、ヘイトスピーチに代表される極右か、市場経済を資本家の手先と考えている極左の人々 であると思います。
労働者として、人種、国籍 に制約を設けるべきでない
消費者として 人種、国籍により関税等の制約を設けるべきでない
と考えます。
現実的には、所得格差(≒人当たりの資本ストック格差)が小さくなった国から順次統合市場に参加するべきで、EUでは若干急いだ点は誤りでしたが、目指した方向は間違っていないと思います。
アジアでも、将来的には韓国、中国 と統合市場の創設をすべきと考えています。
市場経済は、資本家の為では無く、消費者の為のシステムでは?
当然 行政によるセーフティネットは設けるべきです。
アジアでも見受けられますが、統合市場に反対するのは、ヘイトスピーチに代表される極右か、市場経済を資本家の手先と考えている極左の人々 であると思います。
労働者として、人種、国籍 に制約を設けるべきでない
消費者として 人種、国籍により関税等の制約を設けるべきでない
と考えます。
現実的には、所得格差(≒人当たりの資本ストック格差)が小さくなった国から順次統合市場に参加するべきで、EUでは若干急いだ点は誤りでしたが、目指した方向は間違っていないと思います。
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