日中戦争の動機と大義は防共だった - 近衛文麿の「東亜新秩序」声明






以上の歴史的事実と背景を鑑み、昭和国家の顕著で濃密なイデオロギー特性を見つめ直したとき、古館伊知郎の言う「日本が戦争して負けた相手は共産党ではなく国民党の中国だ」という歴史認識(歪曲)が、どれだけバカげた妄想であり愚論であるかが理解できるはずだ。真実はその正反対ではないか。昭和国家の大陸工作の眼目は防共であり、反共イデオロギーを基軸とした政策と軍略で一貫していて、満州の侵略支配の目的の一つはそこを対ソ戦争の戦略拠点にすることだった。日中戦争で日本軍が戦った相手は、まさしく中国大陸の共産党勢力だったのだ。

by yoniumuhibi
| 2015-09-09 23:30
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Comments(6)

「古館伊知郎の『蛇口』デマゴギー―――局長会と全逓は抗議と提訴を」御ブログの以前の記事から皇国史観を検索中、2005年8月12日の記事タイトルを目にしました。実に丸10年以上、変節なきご指摘を続けておられるのだと敬服。さきほどTV東京系、池上彰の戦争法案断固推進特番を誤って目にしたため、冒頭引用させていただいたタイトルが鮮烈に映り。
おかしな話ですが今回の記事、文章の下の挿絵「共産インター防衛に協力」「日獨防共協定」の新聞タイトルに目を奪われました。無論、文章の方で貴下ご教授頂いているわけですが、戦後生まれの吾身からすると新聞タイトルの実物にぎょっとさせられました。
テレ朝ホールディングスが売上高2764億7300万円、経常利益167億1200万円(2015年3月連結)、朝日新聞が売上高、約4700億円、経常利益約173億円(2012年12月)。零細自営業の吾身からすれば財閥のような。復員兵だった小学校教諭がしきりと戦争の根源、財閥解体と教壇で叫ばれていたことを思い返します。生家に電話さえない時代。
今回の記事に頷き、映画「人間の條件」先月の「レッドクロス」を思い浮かべながら、三井や三菱、住友が束になっても叶わない大財閥のことを考えさせられました。それゆえ探していた以前の記事での皇国史観。安倍により、政権への献上により、軍需産業として返り咲いた大財閥。探していた過去の貴下ご教授は大和の膨張、熊野でのジェノサイド、青森への逃避といったようなことについて述べられたものでしたが、見つけられず(前に読んだ記憶が)。防共に固執を続けた昭和天皇なき今、右翼は何を大義に据えるのかと。結局は昭和と同じ道を辿るのかと。左翼業界が内輪揉めの間、御名御璽で開戦、国民は戦果に沸き返るのかと。とりとめのない文章で恐縮です。ブログを続けておられることに深く御礼申し上げます。
おかしな話ですが今回の記事、文章の下の挿絵「共産インター防衛に協力」「日獨防共協定」の新聞タイトルに目を奪われました。無論、文章の方で貴下ご教授頂いているわけですが、戦後生まれの吾身からすると新聞タイトルの実物にぎょっとさせられました。
テレ朝ホールディングスが売上高2764億7300万円、経常利益167億1200万円(2015年3月連結)、朝日新聞が売上高、約4700億円、経常利益約173億円(2012年12月)。零細自営業の吾身からすれば財閥のような。復員兵だった小学校教諭がしきりと戦争の根源、財閥解体と教壇で叫ばれていたことを思い返します。生家に電話さえない時代。
今回の記事に頷き、映画「人間の條件」先月の「レッドクロス」を思い浮かべながら、三井や三菱、住友が束になっても叶わない大財閥のことを考えさせられました。それゆえ探していた以前の記事での皇国史観。安倍により、政権への献上により、軍需産業として返り咲いた大財閥。探していた過去の貴下ご教授は大和の膨張、熊野でのジェノサイド、青森への逃避といったようなことについて述べられたものでしたが、見つけられず(前に読んだ記憶が)。防共に固執を続けた昭和天皇なき今、右翼は何を大義に据えるのかと。結局は昭和と同じ道を辿るのかと。左翼業界が内輪揉めの間、御名御璽で開戦、国民は戦果に沸き返るのかと。とりとめのない文章で恐縮です。ブログを続けておられることに深く御礼申し上げます。
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中国脅威論をがなり立てる者たちは、只目前の、現在の中国しか見ていませんよね。そのため中国について語る言葉は、常に敵対心、猜疑心、恐怖心、蔑視等の引き攣った思いからスタートする。弁護士を名乗る者も、報道の場にいる者も。おかしいと思います。そんな感情を自分たちに抱かせている原因は、いつ、誰によって作られたのか。もとはと言えば、おぞましい侵略へと突っ走った日本の指導者達のせいではないか。ほんの数十年前の日中間の歴史的事実を素直に辿ってみればわかることなのに…。
主様は随分前から「対中国」の日本の論調のおかしさ(左右揃っての偏狂)を御指摘されていましたが、自省の機転なく膨張を続けた結果がこの現状。左右仲良く史実無視の中国叩きが法案賛成派の体力をつけていく。因果です。
主様は随分前から「対中国」の日本の論調のおかしさ(左右揃っての偏狂)を御指摘されていましたが、自省の機転なく膨張を続けた結果がこの現状。左右仲良く史実無視の中国叩きが法案賛成派の体力をつけていく。因果です。

日本の大陸侵攻策の根幹が「防共」であったというご指摘はうなずけます.卑近な例ですが,昭和4年生まれの私の親父など,当時の軍国少年が夢中になった海野十三のSF小説(ジェット推進の飛行機や,真空管で動く美女アンドロイドが出てくる!)には,日本の敵役として必ず共産主義者やコミンテルンの親玉が登場します.これなど,少年文学の背後にも官製の「防共」が眼を光らせていたことを示す傍証でしょう.
経験者の話を聞いたり,図書館に足を運んで当時の書籍や新聞のアーカイブに直接目を通せば,誰でも自分なりの歴史検証はできるはずです.昨今,原典や一次データを自分でろくに調べずに歴史を語る風潮が蔓延しています.それが日本人の歴史認識の破綻を招いてるように思えてなりません.
経験者の話を聞いたり,図書館に足を運んで当時の書籍や新聞のアーカイブに直接目を通せば,誰でも自分なりの歴史検証はできるはずです.昨今,原典や一次データを自分でろくに調べずに歴史を語る風潮が蔓延しています.それが日本人の歴史認識の破綻を招いてるように思えてなりません.
記事とは少し飛躍するのですが、司馬遼太郎の旅行記「長安から北京へ」のなかに、日本に勝利した中共(PRC)共産党委員会が中国の各地を回り、土地の人と日本帝国主義の意味について話し合ったという下りがあります。以前の金魚ブログ1の『座禅と火薬 — 蔡國強展 (3) 爆発に学ぶ』に引用したものですが、出来たばかりの共産党政権に当時の日本がいかに救われたか、立証していると思うので、長い引用を試みます。時代は流れたとはいえ、こんなにふところの深いPRCを古館以下、アベ、ネトウヨが中共悪玉論を吹きかけている理由がわかりません。先に言っておきますが、かく言う僕は在日中国人などではありません。清和源氏の家系図を持つ日本人です。(これはちょっと余計か)
—1949年、日本の敗戦の4年後、中共軍は南京に入城し、蒋介石国府総統は上海から台湾に飛び、10月には中華人民共和国の成立が宣言された。この騒然としたなかで、しかるべき委員会の委員が各地を訪ね、土地の人びとと話し合って、日本帝国主義の意味について話し合ったという。
この教育に3年の歳月がかけられた。その間、日本人の旅行については入国ヴィザが出されなかった。当時もしヴィザが出されて日本人が中国を旅すればおそらく無事に帰れなかったに相違いない。
—1949年、日本の敗戦の4年後、中共軍は南京に入城し、蒋介石国府総統は上海から台湾に飛び、10月には中華人民共和国の成立が宣言された。この騒然としたなかで、しかるべき委員会の委員が各地を訪ね、土地の人びとと話し合って、日本帝国主義の意味について話し合ったという。
この教育に3年の歳月がかけられた。その間、日本人の旅行については入国ヴィザが出されなかった。当時もしヴィザが出されて日本人が中国を旅すればおそらく無事に帰れなかったに相違いない。
続き… —この教育の内容は、悪いのは日本帝国主義、軍国主義であって、日本の国の人民や日本国を憎むな、ということであったという。どの土地でも決まって質問が出た。「日本民族に対しては憎むべきではないということはわかったが、しかしその軍隊や兵隊を憎んでもいいのではないか」ということであったが、教育担当 者は「それも憎むべきではない。かれらは軍国主義に駆り出されてきただけである」と前掲の言葉をくりかえした。質問者が「では、私の血族の非戦闘員は、何 もしていないのに、兵隊に殺された。直接殺したその兵隊に対しては憎んでもいいだろう」というと、教育担当者は「それも憎むべきではない」という。日本の 軍隊が来れば中国人としては女子供でもこれと戦う権利があり、だから戦っただけだが、日本の兵士の側からみれば非戦闘員にさえ敵に見えた。だから殺した。兵士の恐怖が殺させたと考えていい、と言った。
—質問者はさらに、日本兵が食料を強奪し、女を強姦した。これは軍国主義とは無縁だから憎んでもいいのではないか、と問うと「それも憎むべきではない」と教育担当者は言った。戦いが進むと心もすさむために、餓えれば食糧を奪い、女に悪いこともする、だからそういうことをした人も憎むべきではない、とい う。
「それでは職業軍人だけは、憎んでいいのではないか」というと、教育担当者はそれも憎むな、という。その理由はかれら日本人の職業軍人は、軍人になることが日本とアジアの平和のために役立つことだという教育をうけ、自分もそう信じてきた、かれらを憎む理由はない、と言った。以来3年でほぼこの考え方を各地方に徹底させ、そのあとはじめて日本人に入国ヴィザを出すようになったという。
司馬氏は上海での滞在中たえずこのことを考え、以上のことは本当だろうと思うようになった。中国においては人民に対する原理の教育が問題の枝葉にまでおよんでおり、いかなる現象といえども原理とは無縁でな く、また無縁たらしめぬように巨大なエネルギーが払われている。「まことに中国人というのは思想的民族であると思わざるをえない」。このあとの司馬氏の中国滞在中のできごとが、すべてこのことに符合する。(引用以上)
—質問者はさらに、日本兵が食料を強奪し、女を強姦した。これは軍国主義とは無縁だから憎んでもいいのではないか、と問うと「それも憎むべきではない」と教育担当者は言った。戦いが進むと心もすさむために、餓えれば食糧を奪い、女に悪いこともする、だからそういうことをした人も憎むべきではない、とい う。
「それでは職業軍人だけは、憎んでいいのではないか」というと、教育担当者はそれも憎むな、という。その理由はかれら日本人の職業軍人は、軍人になることが日本とアジアの平和のために役立つことだという教育をうけ、自分もそう信じてきた、かれらを憎む理由はない、と言った。以来3年でほぼこの考え方を各地方に徹底させ、そのあとはじめて日本人に入国ヴィザを出すようになったという。
司馬氏は上海での滞在中たえずこのことを考え、以上のことは本当だろうと思うようになった。中国においては人民に対する原理の教育が問題の枝葉にまでおよんでおり、いかなる現象といえども原理とは無縁でな く、また無縁たらしめぬように巨大なエネルギーが払われている。「まことに中国人というのは思想的民族であると思わざるをえない」。このあとの司馬氏の中国滞在中のできごとが、すべてこのことに符合する。(引用以上)

「落日燃ゆ」やら「悲劇の宰相」唯一の文官だの平和に尽力だの。このイメージ、「はぁ~?」です。上海陥落後、行け行けドンドンの世論に迎合するかのような強硬路線。中国にとっては"Notorious Hirota Principles"で侵略の後押し。南京大虐殺で軍に厳重注意も逆ギレされ、閣議に提起せず。軍人の前では借りて来た猫プラス事なかれ主義。1938年には慎重論もあるのに、自ら日支交渉打ち切り宣言。近衛の「爾後国民政府を対手とせず、、」へと続く。って結局、欧米生活を経験した"リベラル"なエリート外交官も根底にあるのは中国蔑視か。
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