立憲主義の学説史を探索する - 青版の岩波新書にはその語がない







韓国とか米国から日本に留学している学生に、おそらく「立憲主義」は完全に同じ意味で通用しないはずだ。彼らには、現実政治を批判する理念語として立憲主義を言い回す習慣や作法はないだろう。であれば、携帯電話と同じく、ガラパゴス化の運命は免れないのではないかという懸念を持たざるを得ない。

by yoniumuhibi
| 2015-05-14 23:30
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Comments(6)

寡聞にて立憲主義には深くは立ち入らないでおこうと思うが、そもそも法律の上位法としての憲法を考える時にもし憲法が国民を縛らないのならば違憲の立法もしくは違法行為が容認されうるのではないかという疑問が湧く。また、たとえば御ブログが書かれていた「職場に憲法を」のような標語の化石化と現在の多くの労働者が置かれている過酷な労働環境との因果を思料せずにはいられないのである。およそ法の支配が行き届いた国ならば法律もまた国を縛るものであり日本であれば国権の最高機関も法律に基いて運営されるわけで憲法だけが特別国を縛るための特殊な法のような位置付けにはかなり違和感を覚える。実際のところ改憲勢力が現行の日本国憲法を煙たがるのは改正に手間のかかる法律の上位法且つその中に彼らの価値観と対立する条項があるからなのである。だから憲法が文面上変化しなければ独りでに国を縛ってくれるかのような怠惰な意識でいてはならないと思う。憲法を現実に照らさず形而上学的な議論の材料においてのみ語ることは実務において違憲の立法を容認することになりかねない。そして実際にそのような立法解釈を許してきているのではないか。それを防ぐには国民が憲法を守ることに大いなる意味があるように思う。すなわち憲法を守ることで意識し現実感のあるものとして認識する機会を持つ。そのことが違憲改憲の動きに対して感覚を鋭敏にするのではないか。守らなくて良いものはやがて意識しなくなり忘れていくものだろう。憲法12条の「国民の不断の努力」とはまさしくこのようなことを言うのではないか。このことは丸山真男氏の言う民主主義は完了しない、永久に革命していかなければならないということとも深く通じると自分は感じる。民主主義を逆行させようとする勢力は常に逆の運動をし続けるのだ。相手はコツコツと働き蟻の如く頑張るのである。民主主義を求める側もギリギリスになってはいけない。自分は「脱構築」について詳しくないが御ブログで知る限り、そして現実と照らす限りリベラルの高名な方々に慢心とキリギリス化があったのではないかと思料する。リベラルが優勢の時代にあっても右翼の人たちというのは常に「亡国」の危機意識があり「諸君」がブレて妥協していくようなことはなかったように思う。
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2013年4月3日、同11日の記事を拝読し、やっと「立憲主義」への貴下(ブログ主様)のこだわりが呑み込めました。不躾、お詫びします。ご指摘の通り、私の年代だと学生時代「立憲君主制」を習った記憶はあるのですが、立憲主義は聞いたことがなく、ピンときませんでした。憲法は私たちが作った私たちが守らなければならない私たちの最高のルールと教えられ、信じてきました。。恥を承知で申し上げれば―――立憲主義は聞いたことないけど、それでいいんじゃないの―――くらいの受け止めでした。勉強になります。子細な話ですがここ数年、いえ十数年でしょうか。新卒入社の総合職が、役所の方針に異議を唱えないのが不思議でした。私なんぞ、役所なんて机叩いて喧嘩するところと思っているのですが。若い子たちは不思議と役所と喧嘩するという姿勢が皆無。役所がそう言うのであれば、仕方ないと恭順。役所と喧嘩するとき、根本は憲法なのですが、それは役人にそれを守れみたいな話ではなく、私たちの憲法では、こう定めているでしょ、という意味での抗議です。憲法違反の条例や通達なんてゴロゴロしてますから。イラクでの邦人人質事件のときでもそうでしたが、ほぼ政府は絶対であり、政府に迷惑掛けちゃいけないみたいな。今の今まで、子供同士で遊んでないから、ああなんだろうなくらいに思っていました。貴下の記事により、憲法学の変節を知り、若い子たちの考えがわかりました。自らも自覚ないまま「価値」という言葉を連発していたと思います。反省。2013年4月の記事は福音の手引きでした。

「私たち一人一人が日本国憲法を守らなければならない」というのは私たちが義務教育を通して教わってきた基本です.「立憲主義」の言説は,極めて好意的に解釈すれば「方便」と捉えられなくもありませんが,やはり邪道は邪道です.基本的に国民一人一人が遵守の義務を負っていることは自明です.
それと同時に,公職にある者が国の最高法規である日本国憲法に対して侮辱行為を働いた場合には,当然ながら重い懲戒処分を科し,公職から追放するのが法治国家の筋というものでしょう.
それと同時に,公職にある者が国の最高法規である日本国憲法に対して侮辱行為を働いた場合には,当然ながら重い懲戒処分を科し,公職から追放するのが法治国家の筋というものでしょう.
ベトナム戦争の海兵隊員で、多くの人を殺してしまったネルソンさんの憲法第9条観がYouTubeに上がっています。
NNNドキュメント「9条を抱きしめて~元米海兵隊員が語る戦争と平和~」
https://www.youtube.com/watch?v=GId88oUqLEY&feature=youtu.be
ぜひ最後まで見てください。(42分)
◆ 最後部書き出し=ネルソンさん:日本国憲法を読んだのは1996年。第9条は、いかなる核兵器よりも強力であり、いかなる国のいかなる軍隊よりも強力なのです。日本の子どもたちの顔に、とてもすばらしく美しくかけがえのないものが私には見えます。子どもたちの表情から、戦争を知らないことがわかるのです。それこそが9条のもつちからです。
◆ 日本のみなさんは憲法に9条のあることの幸せに気づくべきだと思います。ほとんどの国の子どもたちが、戦争を知っています。アメリカの私の子どもたちは戦争を知っています。イギリス、イタリア、フランス、オーストラリア、中国、韓国の子どもたちは、みんな戦争を知っています。しかしここ日本では戦争を知りません。憲法第9条が、戦争の悲惨さ、恐怖や苦しみから、みなさんを救ってきたからです。
◆ ご存知のように多くの政治家が憲法から第9条を消し去ろうと躍起になっています。断じてそれを許してはなりません。みなさんとみなさんの子どもたちは、これまで憲法第9条に守られてきました。今度はみなさんが第9条を守るために立ち上がり、声をあげなくてはなりません。第9条は日本人にのみ大切なのではありません。地球に住むすべての人間にとって大切なものなのです。
アメリカにも9条があってほしい。地球上のすべての国に9条があってほしい。世界平和は、アメリカからや、国連からや、ヨーロッパからはじまるものではありません。
世界平和は、ここから、この部屋から、私たちひとりひとりからはじまるのです。
NNNドキュメント「9条を抱きしめて~元米海兵隊員が語る戦争と平和~」
https://www.youtube.com/watch?v=GId88oUqLEY&feature=youtu.be
ぜひ最後まで見てください。(42分)
◆ 最後部書き出し=ネルソンさん:日本国憲法を読んだのは1996年。第9条は、いかなる核兵器よりも強力であり、いかなる国のいかなる軍隊よりも強力なのです。日本の子どもたちの顔に、とてもすばらしく美しくかけがえのないものが私には見えます。子どもたちの表情から、戦争を知らないことがわかるのです。それこそが9条のもつちからです。
◆ 日本のみなさんは憲法に9条のあることの幸せに気づくべきだと思います。ほとんどの国の子どもたちが、戦争を知っています。アメリカの私の子どもたちは戦争を知っています。イギリス、イタリア、フランス、オーストラリア、中国、韓国の子どもたちは、みんな戦争を知っています。しかしここ日本では戦争を知りません。憲法第9条が、戦争の悲惨さ、恐怖や苦しみから、みなさんを救ってきたからです。
◆ ご存知のように多くの政治家が憲法から第9条を消し去ろうと躍起になっています。断じてそれを許してはなりません。みなさんとみなさんの子どもたちは、これまで憲法第9条に守られてきました。今度はみなさんが第9条を守るために立ち上がり、声をあげなくてはなりません。第9条は日本人にのみ大切なのではありません。地球に住むすべての人間にとって大切なものなのです。
アメリカにも9条があってほしい。地球上のすべての国に9条があってほしい。世界平和は、アメリカからや、国連からや、ヨーロッパからはじまるものではありません。
世界平和は、ここから、この部屋から、私たちひとりひとりからはじまるのです。

NY金魚様ご紹介の「9条を抱きしめて~元海兵隊員が語る戦争と平和」、パソコンを居間に移し家族で視聴させて頂きました。感動のあまり皆、声が出なくなりました。表現できない大きさの感動です。あえて言えば、本当に9条はノーベル賞を受賞できるものだと強烈に、また9条の有り難さを強烈に再認識させられました。ご紹介に深謝。ところで皮肉な巡り合わせですが、本日、御ブログを開いたきっかけは今朝(5/16)の日テレ系「ウェークアッププラス」。大阪都構想の住民投票前日ということで、番組冒頭、辛坊治郎氏は「放送法第4条に則り、公正に放送する」と発言。番組前半は大阪の件、後半は「国際平和支援法案」と「平和安全法整備法案」。番組の最後で伊藤聡子氏が「米国の判断が間違っていた戦争もあったし」というような発言を。それを受け最後を締めたのは日系2世のエコノミストと紹介されていた齋藤ウイリアム浩幸氏。「シンガポールの友人もドイツの友人も(日本が安保法案の成立を)早くしなければならいと言っている。」との締め。誰かしらとウィキで見たところ、71年カリフォルニア生まれ、米国国防省、米連邦捜査局など政府機関のアドバイザーとの記載。氏自身のサイトでは、米国国防省との関係など触れらていませんでしたが、日本に移ってからは2012年、総理大臣直属の国家戦略会議委員、2013年12月から内閣府本府参与に任命と。それからすれば、その締めの発言を際立たせ、恰もグローバルな意見なんだと刷り込むため、冒頭、放送法第4条を持ち出したとしか解釈ができません。テレビの影響力の大きさと法案の持つ重大な意味を考えたら、米国国防省関係者とはっきり紹介すべきです。普通に見ていると米国の日系2世、アジア、欧州も支持してるんだ、みたいな錯覚に陥ります。「9条を抱きしめて~」の中で、ネルソンさんのご遺骨が眠るお寺のご住職がネルソンさんと出会い「平和への道はない。(憲法9条を護持する日本こそ)道はここにあるんだと気付かされた。」といった意味の発言をされていたのも印象的。ネルソンさんに合掌。

NY金魚さん紹介のYoutube、私も拝見しました。視聴後、しばらく声もでませんでした。実際に戦場で人を殺した人が訴える9条は、戦争体験のない社会科の先生がいうのとは違い、大変重いです。海兵隊にリクルートされた時のネルソンさんは、ご自身を怒りに満ちていたとおっしゃっています。昨今、警察の暴力的な扱いで命を落とした黒人のケースが相次いでいますが、ネルソンさんの話に、重なって見えました。あれから50年、いったい何が変わったのだろう。
この映像、どこぞの国の為政者に見せてやりたいです。憲法を「改正」して、「普通」の国にして、「国を守る」ため、派兵をしたいのなら、まず先に、あなたの子供、あなたの孫を戦地へ送りなさい。その覚悟はあるのですか、と。
ネルソンさんの話でひとつ救いだったのは、あの頃はまだ、戦い方が人対人であったこと。だから、ネルソンさんも、戦争の悲惨さを実感し、殺人はどんな大義名分があろうとも罪であることを実感できた。ジョンダウワー氏も言っていたが、今度ドローンが対人戦の主役になったら、戦争は、「ゲーム」になってしまう。こんな恐ろしいことはない。
この映像、どこぞの国の為政者に見せてやりたいです。憲法を「改正」して、「普通」の国にして、「国を守る」ため、派兵をしたいのなら、まず先に、あなたの子供、あなたの孫を戦地へ送りなさい。その覚悟はあるのですか、と。
ネルソンさんの話でひとつ救いだったのは、あの頃はまだ、戦い方が人対人であったこと。だから、ネルソンさんも、戦争の悲惨さを実感し、殺人はどんな大義名分があろうとも罪であることを実感できた。ジョンダウワー氏も言っていたが、今度ドローンが対人戦の主役になったら、戦争は、「ゲーム」になってしまう。こんな恐ろしいことはない。
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