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フランスの中華思想と移民政策の挫折 - 武士道とイスラムの正義

フランスの中華思想と移民政策の挫折 - 武士道とイスラムの正義_c0315619_1619894.jpg今日(1/14)の朝日の2面記事を見ると、シャルリー・エブドが襲撃後の特別号で掲載するムハンマドの風刺画について、米欧の新聞各社が転載を見送ったことが報じられている。米ニューヨーク・タイムズは、「侮辱と風刺の間には境界がある」という判断を示し、イスラム教徒への配慮を重視する決定をした。朝日も、ニューヨーク・タイムズに倣ったのか、掲載を見送っているという自社の姿勢を説明している。現在のところ、この事件に対する日本国内の認識と反応は、迷いながらも良識的なところに落ち着いている感があり、"JE SUIS CHARLIE"を支持する声は多数派になっていない。テレ朝とTBSの報道が世論をよく説得していることと、多神教を奉じる日本人の精神的特性が反映した結果だろう。国内のマスコミで、"JE SUIS CHARLIE"の立場に同一化し、事件を「ペンへの暴力」として強調し、言論・表現の自由を「普遍的価値」として執拗に礼賛しているのは、見たところNHKの大越健介ぐらいのものだ。管見では、報ステに登場した内藤正典の説明が、この事件への言論として最も当を得たものであり、市民を理解と納得に導いて正論になっているように窺える。複雑な問題を簡潔に整理し、真相をよく射抜いている。イスラムとは何か、ヨーロッパとイスラムとの関係をどう考えるべきか、それを考える上で最も示唆に富む知見が、内藤正典の指摘に集約されている。



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フランスの中華思想と移民政策の挫折 - 武士道とイスラムの正義_c0315619_17154096.jpg

by yoniumuhibi | 2015-01-14 23:30 | Comments(8)
Commented by sumiyakist at 2015-01-14 20:15
イスラムについて語るほどの知識はありませんが、イスラム(思想)が武士道に近似しているということは、以前に井筒俊彦氏の著作で読んで納得した記憶があります。

Je suis charli の街頭至る所での大合唱に続いて、フランス国会でのラ・マルセイエーズの合唱、首相の「テロとの戦争宣言」。フランス共和制、フランス民衆エートスの限界を見た気がしてます。「フランス中華思想」ね。なるほどと、同意します。サルトル、ボーボワールいませばどういう発言をしたでしょうね。


Commented by 長坂 at 2015-01-14 23:18 x
もし私がシャルリー・エブドの漫画家でユーモアのつもりで「ようこそアウシュヴィッツへ」「この貨車の乗り心地は最高」とかヒトラーを讃える漫画を描き(2008年には反ユダヤ的なコラムを書いた画家は首になったそうですが)、熱狂的なシオニストに殺されたら、果たして100万人が抗議してくれるでしょうか、私の言論の自由という権利のために。「自業自得」「殺されて当然」「地獄に堕ちろ」ですよ。
2011年にノルウェー労働党の(イスラム教徒を受け入れる)移民政策に反対する極右が77人を殺害したけれど、今回の様にヨーロッパが団結する事はなかったし、犯人が白人だとテロリストと言うより、精神障害者の犯行と言う事らしいです。
こんなに矛盾だらけで、「私はシャルリー」はとても言えない。
Commented by Columbites at 2015-01-15 16:39 x
「フランス中華思想」とは言い得て妙です.長坂氏の切り返しもお見事.「フランスでは涜神が革命以来の伝統」というのは,信仰など「人の心の中のアンタッチャブルな部分」の存在を一切認めないという,ある種の原理主義にほかなりません.私は「原理主義」を押しつけられるのはまっぴらです(当然,市場原理主義にも鳥肌が立ちます).
Commented by てんてん at 2015-01-15 21:30 x
「今、フランスで(シャルリー・エブドへの批判を)発言すれば、『テロリストに与する』と受けとめられ、袋だたきに遭うだろう。」
何が表現の自由だ!
彼らの言う「自由」の底が知れる。
さっきNHKのニュースで、フランスで
「シャルリ・クリバーリの気分だ」とネットで発信した
コメディアンが「テロを容認する発言だ」として
事情聴取されている、との報道があった。
彼はアフリカ系の容貌をしていた。

フランス人たちの言う『自由』とは人種や民族によって
使い分けられるものらしい。
Commented by if at 2015-01-16 00:39 x
今、フランスはいまだかつてないほど不自由でないと感じます。フランスがファッショの国であるなどと、これまで考えたことはありませんでした。
フランス人は個人主義だから1つにまとまらないとも思っていました。
これまでのフランスのイメージが大きく崩れて愕然としています。フランス文学とフランス映画を愛してきた者として、暗澹たる思いです。
思えば、ジャンヌ・ダルクが現れたとき、フランスは実際は二派に分かれていて、ジャンヌ・ダルクはすべてのフランス人に支持されていたのではなかったこと、それがナポレオン時代にフランス建国の英雄として、すべてのフランス人がジャンヌ・ダルクを支持していたかのようになったこと、彼女は近代の統一国家の軍国主義の時代に必要な英雄としてよみがえさせられたのであり(中世の時代には統一国家という考えが希薄だった)、日本でもジャンヌ・ダルクは軍国少女として紹介されていたことを思い出します。
第二次大戦中も、フランスはナチスに協力していたのに、戦後はあたかもフランス人全体がレジスタンスであるかのようにふるまい、しかし、最近になって、フランスがナチスの協力者だったという事実を見つめる文学や映画がたくさん出てきたところだったのですが。
Commented by 斜里チャチャ at 2015-01-16 21:57 x
>私は全く逆で、「何て勇気のない男なのだろう」と呆れる。
>大衆に袋叩きされるのが恐くて知識人がつとまるのか。
>戦争の危機や「文明の衝突」こそを恐れなくてはならないので
>あって、知識人の言論とは常に体を張ったものでなくてはいけない

おっしゃるトーリです!フランスにもそういう方まだいると思われますが、報道されません。以前ブログ主さんご紹介のフランス人のユダヤ系女教授がいってましたね 
報道・知識人の役割「インテリといのは限られた枠内を超え出たところで何かやるっていうことで生まれるのであって、国家が決めたた枠内でしかできないというのではインテリは生まれない。」
弾圧されチャウもんと言い逃れの学者・アナウンサーをバッサリ撫で斬りしてくれた彼の女史はきっと健在でしょう。

18分22秒ごろ~tps://www.youtube.com/watch?v=Vimj1ughV5o





ron-paulがエブド襲撃犯人はフェイクではないかと言っているようです。たしかに襲撃犯のとされるIDがすぐ発見されたりなんてWBCの時と似てるし、もしそうならフランス版の真珠湾かパリ版911だっちうことに。
すぐに空母派遣だとか出タラ芽出木杉です!
tp://www.ronpaultoday.com/rand-paul-and-ron-paul-are-both-wrong-about-paris-the-week-magazine/

至近距離で撃たれた警官から血が出てないとか怪しすぎ
tp://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=300186

報道の自由とは、報道の沈黙や操作と抱き合わせのシロモノであることがフランスと辺野古や、安倍報道でばれちゃいました。私のような凡人でも気づかされちゃいました。21世紀は世界で草莽蹶起が起きるでしょう。
Commented by てんてん at 2015-01-18 17:45 x
先日、ある記事で「言論の自由」が確立された時代には
『決闘』の伝統が生きていた、という話を読みました。
名誉をかけた決闘を申し込まれた人は(つまり他人を侮辱した人は)これを受けなければなりません。
この時代のジャーナリストは、だから武術(剣や射撃など)を磨いたとか。
その時代には、恐らく他人を侮辱するような記事を書くには相応の覚悟を
必要とし、当然記事を書くにも慎重を
期したことでしょう。
それこそ厳しい自己責任を背負って「言論の自由」を行使したと思います。
決闘の伝統を復活すべし、などと言おうとしているのではありません。
けれども決闘もテロも非合法の現代において、例えばシャルリー紙の記者にそれほどの覚悟と責任感があるのでしょうか。
今でも母親を侮辱された人が侮辱した人物を殺しても不問に付される国もあると聞き及びます。
人間は「プライドによって生きる動物」です。
場合によっては「命のやりとり」にさえなりかねない、取り扱いに慎重を期すべき危険物が「言論の自由」だと思います。
他人の心の拠り所を冒涜してはばからず、それを「ユーモア」だと公言する言論の徒には、この危険物を扱う覚悟や、厳しい自己管理、責任感があるとは到底おもえません。
政治権力が「命のやり取り」を禁止していることにあぐらをかいたうえで標榜される「表現の自由」の、
なんとみすぼらしく情けないことでしょう。
Commented by 梅子 at 2015-01-19 17:33 x
この事件についてローマ法王の言葉を聞いてやっと安心した。一番私の気持ちに近い。
私自分の気持ちも勢理できずもやもやしていたが、件の風刺漫画とやらを見てあまりの低劣さ下劣さに驚き呆れ、フランス人が言う「表現の自由」とやらを完全に肯定することはできなくなった。
あんなウィットの欠片もないようなもののどこを風刺と言えるだろうか。
曖昧な記憶で申し訳ないのだが、15年位前国連か何かの国際会議をたまたまテレビで見ていたとき物凄く印象に残ったことがあった。
フランスの代表の発言に続き(それがどんな発言だったか忘れた、本当に曖昧な記憶で申し訳ない)中国の代表が「あなたの国フランスはせいぜい数百年の歴史しかない国で、それに対し我が国は四千年の歴史があるのだ」と発言し、見ていた私はあまりの痛快さに笑ってしまった。そのとおりでカトリーヌ・ド・メディシスがフランスにお輿入れするまでフランスは手掴みで物を食べていたような野蛮な国でしかなかった。航海法と火薬を使った武器の発達によりヨーロッパが世界を牛耳る時代が続きアフリカやアジアやアメリカ大陸の多くを植民地にしたが、ヨーロッパ人特にフランス人はどこか勘違いしてしまったとしか思えない。フランス中華思想と読んでそんなことを考えたりした。


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