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文明の衝突の年明け - ヨーロッパとイスラムの矛盾の再生産構造

文明の衝突の年明け - ヨーロッパとイスラムの矛盾の再生産構造_c0315619_1547492.jpgパリでのテロ事件に抗議するプラカードに、"JE SUIS CHARLIE"と書かれている。片仮名で発音を表記すると、ジュ・スィ・シャルリ。"JE SUIS" は"I AM"。ケネディの1963年の "Ich bin ein Berliner" の演説を想起させる。"Je"の子音の "J" はフランス語独特の音韻で、口をすぼめて舌を丸め、舌の奥から「ジュッ」と発音する。若い頃、ヤクルト・ジョワのCMでテーマ曲を歌った小柳ルミ子が、「喜び」を意味する"Joie"の "J" を正確に発音していた。念のため付言しておくと、YouTubeに上がっている映像は当初のものとは別で、フランス語の正しい発音をやめ、日本語の「ジョア」に変えてしまった普及版であり、残念ながらこの説明の証拠にはならない。今回のテロ事件は、被害の規模はNYの911テロと較べてずっと小さいけれど、フランス国内での衝撃はそれに匹敵するものに違いなく、その意味と影響は計り知れないほど大きい。事件の報道に接しながら、自然に連想と思考が導かれるキーワードは、17年前のハンティントンの「文明の衝突」だ。この事件は、起きるべくして起きた感があり、内部で沸々と滾っていたヨーロッパとイスラムの矛盾が、マグマが噴火するように現象形態化した帰結のように映る。イスラム国に渡った戦闘員が、欧州に還流してテロを惹き起こすのではないかという心配は、昨年からずっと警告されていた。新年早々、忌まわしい出来事が起きた。不吉な2015年の幕開けを告げるように。



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文明の衝突の年明け - ヨーロッパとイスラムの矛盾の再生産構造_c0315619_1548297.jpg

by yoniumuhibi | 2015-01-09 23:30 | Comments(7)
Commented by 長坂 at 2015-01-09 22:37 x
表向きは「表現の自由を守れ」だけど実は「貧しく無教養で肌の黒い異教徒は要らない」では?知り合いに妻白人のフランス人、夫旧植民地出身の黒人のカップルがいました。奥さんが言ってました、フランスに比べたらアメリカは天国。ご主人は就職の際、電話でオッケーでも面接に行くと必ず断られ、アパート借りるのも本当に大変だったと。
シャルリー・エブドはカトリックも大統領も風刺しているらしい。マジョリティーの白人には笑い話で痛くも痒くもないかもしれないが、マイノリティーのイスラム教徒にとっては差別や偏見を助長し、それこそヘイトクライムの犠牲になり兼ねないもの。「言論の自由」という錦の御旗を掲げれば何でもありなのか。学校でいじめられ、バカにされ、カラシニコフで復讐の悪の連鎖。この責任の一端はフランス人自身に、、、もちろんだからと言って殺されて良いはずは無いが。

Commented by 三木申造 at 2015-01-10 16:35 x
ニュウヨークの9月と比較、なる程そうだったか。かつての三角貿易時代の奴隷と異なって、現代の「移民」は運賃自腹である。荷主は輸送中の奴隷の健康に気をつけなくてもよくなった。本人が荷主だし…。かつて強制力で無理強いしたものが、今じゃ自分から自費で来るのは現地に強烈な「奴隷発送人」が支配して強烈な発送社会制度を形造ったからだ。
パレスチナ問題とはこうして見ると何であったのか。「アラブの春」、シリア内戦介入による大混乱に目を向けよーその通りだ。一戦争で一社会を破壊し改造しながら、とうとう外国も変えてしまう。それに呼応するタマがいる悲劇、というかリクルートされて今、世界に高く売り出されているんだろうが。

イラク、シリアとウクライナとロシアと CHARLIE … 民族感情と対立感情をあおるのがうま杉!人が殺されてる。火を着ける奥義の実践と再生産かと欧州人の正義の帰趨を瞠目して観察しているアジア人も多いに違いない、朝鮮・韓国・日本・中国。着火場たらしめられんか?

同じプラカードがキモイ、最初からどちらかに加担した内容でまかり通るのは「殺人」がされたからだ。
準備して置いて配る人物と写真配信会社、と仕掛人がいるらしい。確信的にやってるとは
犯人を知ってるのか?
Commented by ewha at 2015-01-10 19:32 x

長坂さん

私は横浜関内(その開発および住人の多くが外国人の地)の出身で、知人に在日韓国人の夫婦が数組います。彼らは幼稚園から大学まで日本の教育を受け、日本語しか話せない、日本に「骨をうずめる」立派な日本社会のメンバー、納税者です。参考までに彼らは日本企業の会社員、飲食店経営者、医師、弁護士です。

十数年前、新婚の彼らが「首都東京」で新居を探そうところ、数十件回ってやっとみつけたのが埼玉の川口や東京の足立区でした。千代田区や港区で働く彼らが、地域に住む十分な収入と経済的信用があったにもかからずです。理由は一つ、「日本国籍」ではないからです。

以前はよく、「日本社会は欧州の30年、米国の20年後を追っている」と言われました。最近、それを耳にしなくなったのは日本が彼らに追いついたからではなく、政府メディアが政策的に発さなくなったからです。その中で育った世代がつくる社会、私はそれが怖くてなりません。
Commented by if at 2015-01-11 02:03 x
私もみんなが同じ印刷物を持っているのが気になっていました。
それぞれが自分で書いた紙を持参したならわかりますが、これは仕組まれた光景だという気がします。

日本の賃貸住宅は露骨に外国籍と高齢者を排除していますね。日本人も高齢者になると、外国籍の方と同じ運命になります。もっとも、最近は古い賃貸住宅は余っているので、高齢者相談、外国籍相談、生活保護相談などの文字がたまに見られます。
Commented by てんてん at 2015-01-11 08:32 x
フランスではライシテ(政教分離政策)として公共の場での、イスラム教徒女性の頭髪を隠すスカーフやユダヤ教徒のキッパ(丸い帽子)の着用(恐らくはキリスト教徒のロザリオなども)が禁止されているそうだ。
私はこれを知って、フランスという国の『陰湿さ』『いやらしさ』『差別の根深さ』を思い暗澹とした。
イスラム女性のスカーフやブルカは、女性抑圧だとしてこれに対する批判的意見もよく聞かれるし、だからこれを禁止するフランスの政策への反対意見はイマイチ弱いけれども、一つ忘れられていることがある。
イスラム教徒にとって女性の頭髪は性的なシンボルとなっていること、したがってイスラム女性にとって頭髪を衆目にさらすのは大変恥ずかしい、ということだ。
考えて見ればわかる。
文明国でもし「女性が公共の場で『太もも』を隠すことを禁止する」という法律があればどうなるか。
セクハラ以外の何ものでもないだろう。
フランスの「公共の場でのスカーフ禁止」は政教分離を口実としたセクハラ以外の何ものでもない。
ユダヤ教徒のキッパも、キリスト教徒のロザリオも多くのひとにとって身につけなくても苦痛はない。
ただイスラム女性(と男性)だけが『性的羞恥心』という人間にとって最も耐えがたい苦痛を強いられているのです。

Commented by tamarind at 2015-01-11 15:21 x
ヨーロッパに暮らした経験がありますが、フランスの自由、平等、博愛は、日本人がイメージするようなものではまったくありません。今でも厳然とした階級社会であり、それは支配階級の論理です。自由にする権利、平等にする権利、博愛をする権利を有するとう意味です。フランスの事件の根底は、思想でもイデオロギーでもなく、生物的(動物的な)嫌悪です。生物の世界では、異なる種の遭遇は、完全な分割かどちらかの消滅で終わります。同じことです。異なる民族に真の理解などありえません。その現実を曖昧にごまかすためのものが、イデオロギーや思想です。でも、どんなに合理的に理解したつもりでも、一発の何かによってすべてが吹き飛びます。思想ではなく、生理的に好きか嫌いか、それだけです。
Commented at 2015-01-13 00:22 x
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