フランスにおける階級闘争の勝利 - 国民的争議で最賃月20万円

c0315619_15470556.jpg3週間に及ぶ大規模デモの後、テレビ演説に立ったマクロンは、(1)最低賃金を1か月100ユーロ増額すること、(2)年金生活者への増税を一部撤回すること、(3)残業代を非課税にすること、(4)経営者に対して従業員に年末賞与を提供するよう政府が求めることを表明した。まさに絵に描いたようなデモ側の勝利であり、フランスにおける階級闘争の勝利の図と言っていい。私は、ここまでマクロンが譲歩するとは思わなかった。4日の世論調査で支持率が23%にまで落ちたマクロンは、ここで妥協しないと政権維持は困難と判断したのだろう。この発表を受け、11日の世論調査では、デモ収束を望む声が54%となり、以前のように国民の圧倒的多数がデモを支持という状況から変化が起きた。だが、燃料税値上げと並んで最も争点となっていたところの富裕税については、マクロンは富裕税復活の要求を拒否。それに「黄色いベスト」側は反発、デモ継続の姿勢を示している。同じ11日の世論調査では、運動を理解するという声も64%に上っていて、デモが収束するかどうかは見通せない。一つ言えるのは、マクロンが今回の懐柔策に出なければ、確実に年内退陣に追い込まれたということだ。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-12 23:30 | Comments(2)

何を守りたいのだろう - 「多文化共生」の美名の下で進める新自由主義

c0315619_14292566.jpg11月29日の朝日新聞に、「この国は、何を守りたいのだろう。」という一文から始まる小熊英二の記事が載っていた。移民法(=入管法改悪)に関連しての論評であり、基本的に移民政策の推進を擁護する立場からの意見である。巷でよく言われているところの、日本は国際化が遅れたガラパゴスだとか、外国人から見て制度が不透明で不具合だから改善しろという主張であり、異文化の外国人と共生するカナダのような国をめざせという一般論が述べられている。現在の左翼リベラルの基本的な考え方であり、今度の移民法(=入管法改悪)の政局報道においてマスコミが一貫して示してきた姿勢と同じである。外国人労働者問題についての現在の日本の「常識」といってもいいだろう。だが、その記事を見ながら、私は逆に、脱構築主義の学者や論者たちは何を守りたいのだろうという疑問を素朴に覚えた。それは、特に労働組合や左翼政党に面と向かって発したい質問だ。君たちは何を守りたいのか。日本の労働者を守るのが日本共産党ではないのか。単純労働の外国人が大量に流入すれば、当然ながら国内の賃金は下がる。ただでさえ劣悪な労働環境がさらに悪化する。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-10 23:30 | Comments(1)

人手不足は日本人で補え - 「君たちはどう生きるか」プロジェクトの提案

c0315619_15335281.jpg今年も日本の電機メーカーで大規模なリストラがあり、NEC3000人、富士通5000人、東芝7000人の人員削減が発表された。年末まで間もなくだから、今頃が首切りの大詰めの時期だろう。NECでは11月末までに2170人が希望退職に応募したとある。嘗てのエクセレント・カンパニーが見るも無惨な状態にある。3社のリストラを合計すると1万5000人。来年、新しい在留資格である「特定技能」で受け入れる人数が、政府の試算で4万7000人となっていて、数的には3社のリストラ分でその3割を補うことができる。人手不足だと言うのなら、余剰人員が現実にいるのだから、国内の労働力を移動して活用すればいいではないか。それが私の持論である。その方が国民経済にとって合理的で、国民と政府の負担も最小で済み、日本社会の健全性を保つ上でベターな選択であるはずだが、こうした主張をする者が少ない。今や、リストラは業績の悪い製造業大手だけでなく、業績絶好調で内部留保を溜め込みまくっているメガバンクにも波が及んでいて、みずほFGが1万9000人、三井住友が4000人、三菱UFJが9500人を削減するという報道があった。3社合計で3万2000人。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-07 23:30 | Comments(1)

AIがホワイトカラーの労働をリプレイスする - その意味を考える

c0315619_13534596.jpg最近、AI・ロボットの技術進化と人間労働の問題について考えることが多い。10月に放送されたNHKの「マネーワールド」第2集で、新井紀子が説明したAIの未来像に啓発を受けたことと、最近の外国人労働者の議論が契機になっている。できれば、新井紀子と井上智洋と3人で語り合う機会を持てればいいなと思ったりする。まず、最初に外食店舗とコンビニ・スーパーの無人化から想像を始めよう。20年後、間違いなくマクドナルドのハンバーガー店は自動化していて、カウンターでの販売対応も、キッチンでの調理配膳も、機械がオペレーションをこなしているに違いない。店舗に常駐する人間は、システム監視とトラブル対応を担当する店長一人だけになっているはずだ。Macだけでなく、KFCも同様だろう。もともと、この種のアメリカンファストフードのビジネスというのは、全工程をアルバイトの単純労働者ができるようにマニュアル化されていて、すなわちAI・ロボットにとって親近性が高いというか、代替を試みることが簡単な労働現場だと言える。米国の外食だけかと思いきや、日本の外食もスタイルは同じなので、吉野屋や丸亀製麺天丼てんやもすぐにAI・ロボット化を追求するだろう。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-05 23:30 | Comments(0)

正規・非正規・外国人の三階層の固定化 - 労働法制が解体された2018年

c0315619_13583394.jpg昨日(11/29)、報ステで韓国の雇用許可制が特集され、仁川の企業で働くベトナム人労働者の姿が紹介された。ハノイ近郊にあるバクザン市の外国語研修機関では、昨年、日本で働くために日本語を学ぶ若者よりも韓国で働くために韓国語を学ぶ若者の数が上回り、出稼ぎ先として韓国に人気が集まっているという報告がされていた。似たような報道は11日にTBSの報道特集でもあったが、TBSとテレ朝が、移民政策への転換を必死に後押しするキャンペーンを張っている。二つの番組の特集とも、「外国人に選ばれる国」になるよう、韓国を見倣って早く法整備せよというメッセージを発信する内容であり、国民世論を移民政策への賛同に導こうする刷り込みだ。政府を代行して、TBSと報ステが熱心に世論工作をやっている。韓国の人たちは、この報ステの映像を見てどのような感想を持っただろう。福島大学の佐野孝治のレポートによれば、就労ビザで韓国に在留している外国人労働者の数は、2017年3月の時点で57.5万人に上っていて、そのうち52.6万人が単純労働者であり、雇用許可制が成功裏に進捗し、効果を上げる形で単純労働者が増えている。だが、その一方で、韓国の若年層の失業率は2017年8月の統計で9.4%となっている。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-30 23:30 | Comments(2)

ゴーン逮捕で移民法スピンに成功 - 日本をカースト構造にする移民政策

c0315619_13032967.jpg日産のゴーン逮捕の後、マスコミはこの事件の報道一色になり、外国人労働者の問題はすっかり脇役に追いやられた。朝日新聞の朝刊を見ると、逮捕翌日の20日以降、27日の今日まで8日間、1面トップはゴーンの記事が掲載されている。8日連続の1面トップは珍しい。今回、朝日は逮捕前に検察からリークを受け、羽田空港での逮捕時の様子を独占で撮影させてもらうという特別扱いを受けた。その見返りで、おそらく検察との間での約束だろうが、小出しリークを1面トップに刷るという措置に及んでいるのだろう。無論、検察と朝日にそれをさせているのは官邸で、移民法(=入管法改正)を世間の関心から隠すためである。いわゆるスピンの政治だ。ゴーン逮捕はかなりの荒業に違いなく。フランス政府との外交問題にも発展しかねない問題であり、こんな重大な決定を特捜部長や検事総長の小役人が独断で出せるわけがない。菅義偉にお伺いを立て、杉田和博と北村滋と谷内正太郎が長官室に寄って車座で相談し、安倍晋三の差配で逮捕が行われている。そのタイミングを周到に移民法の政局に合わせた。先週は、法案が委員会で審議入りする最も重要な局面だった。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-27 23:30 | Comments(1)

四島返還を不毛なナショナリズムだと貶める山口二郎の売国言説

c0315619_14442812.jpg山口二郎が18日の東京新聞のコラムに北方領土問題について書いている。「私は、四島一括返還という従来の方針には懐疑的だった」と言い、さらに「『未解決の領土問題』は、実体的な国益にかかわるものではなく、国民の間にナショナリズムを高めるための便利な道具である」と言っている。山口二郎によれば、四島返還を求めることは不毛なナショナリズムであり、政治家が国民の期待に応えてロシアに四島返還を求めることは、ナショナリズムを煽って操る愚劣な政策であるらしい。そして、「安倍首相が、この便利な道具を放棄し、現実的、合理的に国境線の画定を行うというのは、一つの見識である」と言い、四島返還を放棄して二島返還に舵を切った安倍晋三の今回の「決断」を高く評価してやっている。山口二郎の見解では、根室海峡に斜めUの字の湾曲した国境線を引くことが、現実的で合理的な問題解決のあり方となる。山口二郎が従来から四島返還に懐疑的で、二島手打ちを支持している立場だとは知らなかった。山口二郎の過去の北方領土論を発掘して検証する必要があるだろう。このコラムの発言と矛盾する証拠が発見され、山口二郎の無責任さが露呈するに違いない。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-21 23:30 | Comments(2)

孫崎享の『日本の国境問題』と東郷和彦の『日本の領土問題』を読む

c0315619_15265092.jpgスターリンの亡霊が日本地図上に呪わしく復活し、永久不滅に刻み込まれるような、そんな国境線を認めてはいけない。日本人が地図を見るたびに憂鬱になるような、そんなグロテスクな国境線を持ってはいけない。売国とは、「私利私欲、あるいは思想信条の為に国、国民に対し不利益な行為を行う事」という意味である。安倍晋三の今回の二島返還の手打ちと、それをマスコミで賛美・擁護している東郷和彦や鈴木宗男や後藤謙次の言論は、まさしく売国の所業そのものだ。昨夕(11/18)、日テレのバンキシャの中で、旧島民が鈴木宗男に詰め寄り、話が違うじゃないかと抗議する場面が出ていた。四島返還が要求ではなかったのかと憤激していた。当然の反応だろう。平和条約を結ぶということは、その条約の中で主権の線引きを具体的に記すということである。「二島先行」などという言葉のトリックに騙されてはいけないのであり、そのような時間差を置いた主権確定などあり得ない。決着は一度の機会だ。国後と択捉の主権がロシアにあることを日本が認め、条約に書き込めば、その法的権利を覆すことは二度とできない。戦争でしか取り戻せず、あの湾曲した歪な国境線が固定化される。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-19 23:30 | Comments(0)

二島返還で手打ちの暴挙 - 自画像の損壊、戦後日本の外交の否定

c0315619_14140828.jpg14日にシンガポールで行われた日ロ首脳会談で、北方領土問題について安倍晋三が提案を出し、「1956年の日ソ共同宣言を基礎として交渉する」ことが合意され発表された。歯舞群島と色丹島の二島返還で平和条約を締結するという、いわゆる「二島先行」論である。従来の政府の基本方針である四島一括返還を転換し、二島返還で手を打って国境の線引きをすることになった。マスコミは東郷和彦を画面と紙面に出し、この安倍晋三の「決断」を絶賛し、祝賀ムードを煽っている。後藤謙次も、木村太郎も、安倍晋三の「決断」を賛美し、「今回を逃せば平和条約は永久に締結できなかった」「ラストチャンス」などと言って褒めちぎっている。安倍晋三から小遣いをもらっているのだろうか。最初にこの点は明確にしておく必要があると思うが、日本側が歯舞・色丹の二島返還に譲歩するのなら、いつでも、誰でも、ロシアは日本と平和条約を締結できるし、これまでも締結できた。二島返還は、ロシア側のマキシマムの要求ラインであり、日本側のゼロラインである。ロシア国民は驚いているだろうし、プーチンの外交手腕に舌を巻いているだろう。よくこんな完璧な決着に持ち込めたものだと。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-17 23:30 | Comments(2)

人手不足への対策案 - 200万人の引きこもりの再生とAIの活用を

c0315619_15251195.jpg移民政策に反対し、外国人労働者の拡大に反対する以上、人手不足を解決する対案を提出しないといけない。そのことを述べる前に、日本がなぜ外国人労働者にとって魅力的な労働市場でないのか、マスコミが触れてない要因を言う必要があるように思う。例えば、韓国と比べて、日本の労働市場がなぜ魅力の点で劣るのか、マスコミは韓国の雇用許可制の充実と優越を挙げ、行政が責任をもって外国人労働者に対応している点を指摘、日本の奴隷制同然の劣悪きわまる技能実習制度と比較する。その点はたしかにそのとおりだろう。だが、おそらく加えてもう一つ、経済的な理由があって、それは為替の問題ではないかと思われる。ウォンの対円為替レートは2012年から2018年の間に140%も騰がっていて、ウォンの通貨価値が相対的に高くなっている。2012年に1ドル80円だった円は、2015年には1ドル120円に落ちてしまった。ウォンはドルとリンクして推移している。一方、アベノミクスは徹底的な円安誘導政策だった。日本企業の好景気も、外国人観光客の爆発的増加も、円安によって媒介されている。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-15 23:30 | Comments(0)

入管法改正に反対する - 移民政策を美化・宣伝しすぎるマスコミ

c0315619_12515507.jpg昨日(12日)NHKが発表した世論調査では、外国人受け入れを拡大することについて、「賛成」が27%、「反対」が30%の結果となっていた。また、今の国会で法案を成立させるべきかの問いに対して、「成立させるべき」が9%、「成立を急ぐ必要はない」が62%となり、慎重意見が多くなっている。10月初旬に毎日新聞が行った同じ世論調査では、外国人受け入れを拡大する政府の方針に対して、「賛成」が47%で「反対」が32%という比率になっていた。また、一週間前の11月初旬に共同通信が行った世論調査でも、「賛成」が51.3%で「反対」が39.5%となっていて、賛成の声が上回っていた。読売など他の調査でも同様である。明らかに一週間前までは、国民の世論は移民法(=入管法改正)に賛成が多数で、反対論は少なかった。様子が変わったのは、8日(木)に野党が外国人技能実習生の合同ヒアリングを行い、その苛酷な労働実態を明らかにしてからで、生々しい人権侵害の諸事例が告発され、世間の注目を浴びて世論の流れが変わった。野党のファインプレーと言える。国民は悲惨な映像を見ることで、日本の外国人技能実習制度がどのような現実であるかを認識した。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-13 23:30 | Comments(6)

オカシオコルテスは希望だ - 台頭する米国社会主義のシンボル

c0315619_14155534.jpg米中間選挙は、投票率が過去50年で最高となる50%近くになると言われていて、有権者の関心の高さが際立った選挙だった。しかし、大統領選の60%に比べれば、それでも10%以上低い水準に止まっている。2年前の大統領選では4600万人が期日前投票を行ったが、今回は3500万人だった。これほど世界中が注目し、全米が昂奮して熱中した選挙なのに、有権者の2人に1人しか投票所に足を運んでおらず、半分が棄権してしまっている。トランプを信認するか否かを判断して意思を示す大事な政治機会であり、民主・共和両党が必死で票を掘り起こし、マスコミもネットも執拗に投票を呼びかけながら、半分の有権者は投票をボイコットした。この事実の意味を考えることも重要だろう。私はマイケル・ムーアの言葉をヒントに次のように考える。彼は映画の中でこう説いていた。リベラルの方が多数派なのだ。米国はリベラルの国なのだ。多くの数字を並べて例証しながら、保守の方が少数派で、絶対数としてはリベラルの方が圧倒していると強調していた。私の認識はマイケル・ムーアと同じで、問題は、今の二大政党制が多くの人々をカバーできない欠陥にあるのだと思っている。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-09 23:30 | Comments(0)

トランプの独裁権力強化となった中間選挙 - トランプ主義の米国

c0315619_12433137.jpg米中間選挙の結果について、ほとんどのマスコミが、下院で民主党が過半数を制したことを理由に、「トランプ政権に打撃」と報じている。私はこの見方に同意しない。逆だと思う。トランプと支持者は、今回の選挙戦とその結果に大いに満足しているはずだし、自らの政治力に自信と確信を深めたことだろう。終盤のトランプの巻き返しは凄まじかった。上院の議席に狙いを絞った戦略も効を奏した。実のところ、私は上院も民主党が過半数を奪うのではないかと予想していて、予想を外すとカッコ悪いので黙っていたけれど、投票率の高さは批判票として反映されると思っていた。その予想は見事に外れ、事前の世論調査どおりに収まった。民主党の大勝を想定した根拠は、町山智浩の説明と同じで、2年前に本選でサンダース票がトランプに流れたというような事態が今回は起きないからである。それと、さすがに2年もトランプ政治を見続ければ、米国民も正気を取り戻して冷静な判断を下すだろうという期待もあった。だから、選挙戦終盤のトランプの巻き返しは意外だったし、トランプ主義のムーブメントの恐るべき力を思い知った。まさにマイケル・ムーアが言うとおり、米国でファシズムが台頭している。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-08 23:30 | Comments(1)

『そろそろ左派は<経済>を語ろう』 - ブレイディみかこの序文

c0315619_14111063.jpg『そろそろ左派は<経済>を語ろう』の序文で、ブレイディみかこが次のように言っている。「政治制度としての民主主義がある程度確立されたとしても、経済的不平等が存在すれば、民主主義は不完全である。その経済的なデモクラシーの圧倒的な遅れこそが、トランプ現象やブレグジット、欧州での極右政党の台頭に繋がっているとすれば、いま左派の最優先課題が経済であることは明確である。これが欧州の左派の共通認識だ」(P.7-8)。この共通認識が日本の左派に欠落しているとブレイディみかこは批判するのだが、最初に割り込んで論評と解説を入れさせてもらうと、経済的不平等の存在が民主主義を不完全なものにするという認識は、まさしく大塚久雄の持論であって、講座派が強調していた社会科学の命題に他ならない。そして、この思想が高度成長の政策を進める上で基本にあったし、遡って、GHQの戦後改革(農地解放・財閥解体・労働三法)の断行において指針となっていたものである。民政局が推進した戦後改革の設計主任はE.H.ノーマンで、講座派系の知識人であること、あらためて言うまでもない。後にマッカーシズム禍に追い詰められ、1957年にカイロで自殺した。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-02 23:30 | Comments(4)

マルクスと日本人 - 『きけ わだつみのこえ』と『君たちはどう生きるか』

c0315619_14051097.jpg日本で改造社版のマルクス・エンゲルス全集が出たのが1927年で、世界初であり、ドイツやソ連に先駆けてのことだった。マルクス・エンゲルス全集が最も多く販売され、多数の読者を持った国は日本で、ソ連よりも多くの部数が出ていた事実は確認しておく必要がある。私が育った町は人口1万人の片田舎で、商圏人口も3万人程度しかなく、本屋はたった一軒しかなかったが、店の奥の棚に堂々と大月のマルクス・エンゲルス全集が鎮座していた。現在の日本の風景として、どれほど小さな町の書店でも、店の奥に「人間革命」の全集が並んでいるのを見るが、それと似た市場の事情だったと考えればいい。文庫本も種類多く並んでいた。同じタイトルのマルクスの古典が2社、3社から翻訳されて、あんな小さな田舎町の本屋で売られていた。70年代前半、高度経済成長の恩恵が地方まで波及し、町で一軒の本屋が新築新装した頃の記憶だが、どんな辺境の山奥に住む者でも、文理問わずインテリを自認する者にマルクスの知識は必須で、各自が独自に、そして熱心にマルクスの理論研究をやっていた。大都会では次々と革新自治体が誕生していて、国立大学の中はマルクス研究者ばかりだった。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-29 23:30 | Comments(2)

マルクスと日本人 - 世界一の右翼大国、世界一のマルクス大国

c0315619_13124146.jpg前回の記事で、イプソスというマーケティング・リサーチの会社が行ったところの、社会主義の理念と価値に対する評価をグローバルに尋ねた意識調査を紹介した。世界28カ国を対象に調査した結果、社会主義を肯定すると答えた割合の平均は50%で、新興国が50%台前半、先進国が40%台後半という結果になっている。28カ国の中で極端に数字の低い国があり、21%という例外的な値を出した日本である。私は常々、日本は世界一の右翼大国であるというツイートを発して、その警告的表現を目にする者に覚醒を試みているが、その指摘が決して不当なものではなく、われわれ自身の客観的な真実であることが証明された統計データと言えよう。大規模市民デモで左派政権を樹立したお隣の韓国では、社会主義への肯定度は48%で、ほぼ平均並みの位置であり、日本はその半分以下しかない。資本主義の総本山の国である米国よりも低く、世界の中で突出した反共国家であると認めてよい。日本では社会主義の思想が異端化されている。公共空間の中で絶対悪の表象となっていて、デフォルトで排斥され、禁忌の扱いの存在になっている。だから、生活保護の水準を切り下げられても不満が出ない。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-25 23:30 | Comments(1)

マルクス生誕200年 - 世界での社会主義の意識調査結果と日本

c0315619_14015605.jpg今年はマルクス生誕200年の年で、一昨日(21日)は専修大学で「カール・マルクス、その現代的意義を問う」と題されたシンポジウムが催された。五つの分科会が企画され、各4時間の報告と討論が行われていて、それぞれ内容豊かな議論がされていたことが窺われる。12月には法政大学でも国際シンポジウムが開かれるらしい。欧州各国でも記念事業が行われ、出版物のラッシュが続いていると伝えられている。昨年、米国の意識調査に関する記事があり、米国の若者の4割が米国の経済システムを変えるべきだと考えていて、社会主義・共産主義を肯定的に受け止めている割合が半数近くに上っている事実に接して驚かされた。マルクスに対して32%が好意的だという数字が出ている。この調査はVCMHという機関によるものだ。それと重なるものとして、2016年にハーバード大学政治研究所が行った調査があり、18-29歳の若者3183人に質問して回答を得たところ、51%が「もう資本主義は支持しない」と答え、「資本主義を支持する」の42%を上回る結果が出たとある。社会主義を支持すると答えた者が33%もいたらしく、この数字にも驚かされる。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-23 23:30 | Comments(0)

NHK「マネー・ワールド」第3回 - ミャンマーの農村金融禍に絶句

c0315619_15124073.jpg14日に放送されたNHK「マネー・ワールド」第3回は、とても衝撃的な内容だった。今回の番組の事実上のプロデューサーは水野和夫で、世界のマネーの現実がどうなっているかを「借金」という切り口で見せ、いま世界中の国と企業と個人が膨大な借金を抱え、その借金が経済成長に有効に機能せず、限界に行き当たっている現状を説明していた。水野和夫はこの現実を持論である「資本主義の終焉」論に惹きつけて解説、借入金が成長を促して発展を遂げてきた資本主義のシステムの破綻だと結論を置いていた。特に注目させられたのは、個人の借金の部で描かれたタイとミャンマーの事例である。10年間で1.7倍の経済成長を遂げた新興国のタイに、世界中からマネーが流れ込み、個人相手の消費者金融が活況を呈している。金利は28%という暴利で、借りた者はすぐに返せなくなって多重債務者となり、現在、タイでは7人に1人が返済困難の状況に陥るという深刻な事態になっていた。そのタイの消費者金融市場の4割のシェアを日本のサラ金業者が占めていて、プロミスやアイフルやアコムやイオンなどが大活躍を演じている。


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# by yoniumuhibi | 2018-10-17 23:30 | Comments(6)

米国経済のディレンマ - 株暴落を導く高金利と中国制裁の二政策

c0315619_14094904.jpg昨日(11日)のNHKの7時のニュースは、米日の株安とバリ島ヌサドゥアのG20でのラガルドの会見映像を流し、米中貿易戦争を懸念するコメントを伝えていた。一昨日(10日)のブログ記事に書いた冒頭部の記述が、株価暴落という事件の発生を経て、そのままNHKのニュースになった感じがする。NHKの報道は、今回の株安について、①米国の長期金利の上昇と、②米中貿易摩擦の二つが原因だと端的に説明した。そのとおりだ。米国の株価高騰が一本調子で推移してきた背景も簡単に触れたが、できればもう少し具体的な数字を挙げ、トランプが大統領選に当選した2年前の11月時点のダウが1万8000ドルで、今月3日につけた最高値が2万6828ドルで、2年間で50%も騰がっている事実を指摘してもらいたかった。トランプバブルの現実である。米国の景気が好調で、失業率も48年ぶりの低い数字を記録し、実体経済が順風満帆であることは間違いない。だが、それでも2年間で株価が50%も騰がるのは異常で、実体経済を反映していないバブル現象であることは歴然だ。だからこそ、景気が過熱気味だとして、FRBは政策金利を引き上げ続けてきたのである。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-12 23:30 | Comments(0)

ペンス・ドクトリン - 同盟国日本への対中国経済制裁協調の押しつけ

c0315619_15074972.jpg昨日(9日)、IMFが世界経済見通しを発表し、米中貿易摩擦が与える影響について試算を出した報道があった。その予測では、インパクトは2020年に米国のGDPを1.0%押し下げる結果となり、経済制裁を各国に仕掛ける米国が最も大きな打撃を受けると警告している。中国は2019年に1.6%の悪影響が及ぶが、長期的には成長率を鈍化させる効果は薄いと結論した。この発表は、明らかに4日にペンスが演説した新冷戦宣告を意識したもので、ラガルドがそれに対して異論を発したものと意味を考えられる。報告はIMFがバリ島のヌサドゥア・リゾートで開催した年次総会で出されたものだが、それに先立つ4日、ラガルドは日経新聞のインタビューで、「貿易摩擦は機会の損失」だと言い、「影響は中国だけでなく、同じ供給網を築いている近隣国にも及ぶ」と指摘、「米国でも消費者を中心に悪影響が広がる」と述べた。G20全体の協調で従来どおり安定的に世界経済の成長を図ろうとするラガルドにとって、ペンスの新冷戦宣告演説は忌まわしい衝撃だっただろう。IMFが分析し推計しているのだから、予測の数字はひとまず信用してよいと思われる。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-10 23:30 | Comments(1)

玉城デニーはDCに飛べ、間髪を置かず自己決定外交に打って出よ

c0315619_14370624.jpg沖縄県知事選に当選した玉城デニーが、初登庁して就任会見する映像が昨夜(4日)のテレビのニュースで流れていた。本日(5日)の朝日3面にも記事が載っていて、「新基地建設阻止に全身全霊で取り組む」と決意を述べている。「国際社会にも訴え、共有できる価値観を広げていきたい」「対話の窓口を、米国と政府に求めていく」と言っている。天木氏との1日の対談でも強調したが、この行動はすぐにやってもらいたいし、時間を置いてはいけない。最初が肝心だ。すぐに、来週か再来週中にもDCに飛び、NYに飛ぶべきで、まずは米国メディア(NYT、ABC、CNN)のインタビューを受けるべきだ。国務省・国防総省とのアポイントを無理に調整する必要はない。DCでのスクラッチの外交を、そのままリアルに米国メディアにドキュメンタリー取材させればよく、密着させて撮影報道させればよいのである。国務省・国防総省が冷酷に門前払いすれば、その証拠の絵をそのまま収録させればよいのだ。天木氏も新知事に外交をせよと発破をかけていたが、私も全く同感で、それは即断即行しなくてはならず、NYTの社説の影響が生暖かいうちに、最も政治的効果がある時間内に果たさなくてはいけない。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-05 23:30 | Comments(1)

改憲シフトの党人事と安倍改憲の情勢 - 煽るマスコミ、醒める公明党

c0315619_13363234.jpg改造内閣と党人事の名簿が発表され、昨日(2日)のテレビのニュースのトップで報道された。憲法改正シフトが特徴だと各マスコミが報じている。総務会長に加藤勝信、憲法改正推進本部長に下村博文、選挙対策委員長に甘利明を据えた配置を見ると、この布陣でそのまま改憲に突っ込む意思が露骨に現れていることが窺える。組閣後の安倍晋三の記者会見でも、臨時国会で改正案の提出をめざすと言い、総裁選のときに語った改憲スケジュールを再び確認した。この秋に、安倍晋三が改憲の動きを再燃させてくることは確実で、具体的な条文改正案を固めて自民党内を纏め、公明党との調整を図って合意することを目標にしているのだろう。朝日の2面記事には、選対委員長を甘利明にしたのは、国民投票を仕切らせる思惑があるからだという観測がある。そう受け取ってよいだろう。各マスコミが報じているように、2013年の参院選で安倍晋三は大勝しすぎていて、このベースを来年参院選でも維持しないと3分の2は保全できない。そのため、衆参で3分の2を得ている今、一気に改憲に突入するべしと作戦を考えるのは自然で、そういう状況判断があることを安倍側近議員が朝日の政治記者に書かせている(2面)。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-03 23:30 | Comments(1)

米中貿易戦争は米中経済戦争の緒戦 - 覇権国家交代への最後の試練

c0315619_16362176.jpgトランプが始めた米中貿易戦争について、私はずっと楽観的な見通しで報道を眺めていた。この政策の動機は、11月の中間選挙の情勢を有利にする一点にあり、2年前の大統領選挙時と同じように中国の不公正を訴えて派手な中国叩きを演じ、没落白人層の共感を掴んで集票することが目的だろうと踏んでいた。したがって、中間選挙が終われば収拾へと向かい、来年になれば米中首脳会談を経て元の関税率に戻るだろうと予想していた。だが、現在の状況を見ると、通商をめぐる米中関係の悪化が早期に収束する気配はなく、さらに対立が深刻にエスカレートしていて、とても年内に問題解決されるとは思えなくなった。トランプが中国からの輸入品の一部に高関税をかけ、今回のチキンレースを始めたとき、日米のマスコミはトランプに批判的な声を揃え、自分の足を拳銃で撃つ愚かな行為だと批判を並べていた。肯定的な見方は全くなく、米国の農業関係者や中国で事業している大企業や投資家や、物価が上昇して困る消費者から不満が上がり、すぐに政策を撤回するだろうと予測する報道が多かった。だが、半年経って様相はずいぶん違っている。チキンレースという言葉で問題が表象化されなくなった。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-27 23:30 | Comments(1)

四選・終身独裁に向かわざるを得ない理由 - 「ポスト安倍」不可能論

c0315619_13020375.jpg自民党総裁選で、石破茂が党員票(地方票)の45%を得た意味は小さくない。当初、安倍陣営はトリプルスコアで勝利すると豪語し、党員票でも70%を集める目算で動いていて、そのことを「情勢報道」としてマスコミの記者に書かせていた。終盤になって、党員票の55%が目標だと言い出して後藤謙次にテレビで撒かせたが、それは、実際に70%を取った場合に圧勝を演出するための作為的な布石であり、安倍陣営の工作の手口であって、彼らの票読みの反映ではない。結局、20日に蓋を開けたところ、安倍陣営の目論見が大きく外れる結果となり、「地方票の反乱」とマスコミに評される政治となった。選挙期間中、安倍晋三は討論と論戦を嫌って逃げ回り、災害を口実にして選挙戦を止め、対ロ外交を姑息に挿入してマスコミ報道の関心を散らし、ありとあらゆる汚い手を使って選挙を自分に有利に導いた。自民党の地方組織を締め上げ、地方議員や現職大臣を恫喝しただけでなく、石破茂が地方で党員集会を開けないように選挙妨害までやった。自分の勝利は確実なのに、大差圧勝の絵を作るため、自民党総裁選とは思えないような卑怯で強引な選挙手法に終始した。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-25 23:30 | Comments(1)

平壌南北首脳会談の不足感 - 金正恩は国連総会に出るべきだった

c0315619_14371114.jpg文在寅が平壌を訪問しての三度目の南北首脳会談、今日20日の朝日の社説はこう書いている。「平壌での共同宣言は、戦争の危険の除去と敵対関係の解消などをうたった。冷戦の残滓といわれた南北が対立の歴史を乗り越え、和解を深めることは歓迎すべきことだ。ただ、(略)非核化問題を棚上げしては真の改善は望めない。この前向きな機運をさらに広げ、国際社会が抱く懸念の解消に向けて努力を続ける必要がある」。この意見に私も同感だ。もう少し非核化について踏み込んだ内容が欲しかったし、期待を満足させる結果を出してもらいたかった。朝日の2面記事によれば、「文在寅韓国大統領はトランプ米大統領からの依頼を受け、米側の主張を受け入れるよう首脳会談で正恩氏を説得した」とある。非核化対象のリストと行程表の申告、それの検証という米国側の要求に妥協するよう金正恩を説得したが、金正恩は米国への不信感をぶちまけて応諾しなかったと書いている。2面記事はCIA工作員の疑いのある牧野博愛のもので、どこまで信用していいか眉唾だが、文在寅にはもう少し粘って説得し、具体的な進展を得たと認められる北朝鮮の譲歩を引き出して欲しかった。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-20 23:30 | Comments(0)

南シナ海での中国に対する「武力の威嚇」 - 反発も警戒もない世論

c0315619_14093625.jpg今日18日の朝日の1面トップには、「陸自、多国籍軍へ派遣検討」の見出しが打たれていて、シナイ半島で監視活動をする多国籍軍に陸自隊員を派遣するという記事が出ている。2015年に成立した安保法制の中の「国際連携平和安全活動」を適用するとある。国連PKOとは無関係な多国籍軍の活動に、この制度を適用して陸自を派遣するのは初めてのことで、要するに実績作りが目的らしい。昨日17日には、同じく朝日の1面トップに「海自潜水艦、南シナ海で訓練」の見出しが躍っていた。南沙諸島付近の海域で、海自の潜水艦と護衛艦が中国の潜水艦を敵として想定した軍事訓練を行い、中国を牽制したことを発表していた。二日連続で自衛隊の海外派遣が朝日の1面トップで報道されている。どちらも、決して朝日が政府に都合の悪い情報をスッパ抜いたということではなく、政府が自らマスコミに撒かせて国民に告知しているもので、いわゆる大本営発表の軍事宣伝である。朝日がそれに積極的に協力して紙面を作っていて、読者としてどうにも憂鬱な気分にさせられる。南シナ海の海自の訓練の件は、17日のNHK7時のニュース、NW9、報ステと、番組のトップで伝えられた。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-18 23:30 | Comments(1)

「電力不足」の虚偽と扇動 - なぜ太陽光・風力を系統接続しないのか

c0315619_13530934.jpg今週に入って、ずっと北海道の節電と計画停電の問題がマスコミで大きく取り上げられている。NHKの7時のニュースでは、9月9日から12日まで毎日トップで扱われ、朝日新聞の9月11日と12日の紙面も1面トップで報じている。11日の1面見出しは「北海道、節電長引く恐れ」であり、12日の1面見出しは「電力、全面復旧11月以降」だった。他の新聞の1面を確認すると、やはり朝日と同じ報道になっている。要するに、北海道で電力の需給が逼迫しているから2割節電に協力せよというメッセージであり、国策に従うようマスコミが説いて回っている。北海道以外の者には、こういう事態になるから電源の確保は大事なのだぞと教訓を垂れている。素朴に疑問を呈したいが、北海道電力と経産省が説明しているところの、現在確保した350万kWの供給量の積み上げの中には太陽光と風力は入っていない。北電のHPを確認すると、2017年度の再生エネの導入量として、風力38.7万kW、太陽光132.9万kWの実績が示されていて、5年前の1.7倍に増えたと自慢している。合計すると171万kW。これを単純に350万kWに足すと521万kWになり、すなわち2割の節電は不要になる。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-13 23:30 | Comments(2)

昭和天皇の戦争責任を追及すると右翼テロに襲われるのか

c0315619_14480514.jpg最新の天木直人氏との動画対談で、昭和天皇の戦争責任の問題を取り上げさせていただいた。その中で少し気になったことがある。それは、天木氏から再三、こういうことを言うと右翼に狙われるとか、襲撃される恐れがあって危険だという反応が返ってくることで、その右翼テロのリスクに対する認識というか感性が、私と天木氏の二人の間でかなり差があることに気づく。実際に、社会的に知名度と影響力があり、選挙に立候補して街頭演説で身を晒して9条護憲を訴えようとする天木氏と、無名で無責任でノーリスクの私とでは立場が違い、客観的な危険度の水準が違う。私の方が相対的に無警戒な「平和ボケ」の油断に傾いてしまい、いわば他人の迷惑も顧みず、無神経に歯に衣を着せぬ言論の冒険ができるということなのかもしれない。が、私はそれ以上に、二人の間の年齢差によるものが大きく、昭和天皇の戦争責任の問題をタブー視する意識の介在の程度が、二人の間で異なるのではないかという気がしてならない。つまり、もっと若い世代なら、もっと右寄りの者でも、昭和天皇の戦争責任についてはあっけらかんと認める態度に出るのではないか。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-11 23:30 | Comments(4)

ブラックアウトの謎 - 停電解消の遅れは原発復権のための作為か

c0315619_12553314.jpg胆振地方で発生した震度7の地震によって、北海道全域の295万戸が停電した。北電最大の火力発電所(165万kW)である苫東厚真発電所の発電機3基が故障して停止、電力の需給バランスが崩れ、他の火力発電所が自動的に停止するブラックアウト現象が起こったため、道内全域の停電に追い込まれた。北電とマスコミはそう説明している。停止した火力発電所を再起動させるためには外部電源が必要で、水力発電を動かし、順次稼働させ、さらに本州から融通を受ける60万kWを加えて、本日7日中に290万kWまで回復させると言う。これは、5日の最大需要量である380万kWの76%の供給量であり、苫東厚真発電所の修理復旧に一週間を要するため、北電は道民に節電を要請する発表をした。北電の記者会見が行われたのは、昨日6日の午後12時すぎと午後4時である。この北電の説明とそれを鵜呑みにしているマスコミの報道は、少し腑に落ちない。どこが疑問なのかというと、素朴に、なぜ停止した他の火力発電所の再起動に1日以上の時間を要するかという点である。北電のHPを確認すると、火力発電所の一覧が載っている。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-07 23:30 | Comments(5)

杉浦重剛の裕仁皇太子への倫理教育 - 三種の神器と教育勅語

c0315619_13143956.jpg昭和天皇の思想形成において、もう一人重要な人物がいる。東宮御学問所で倫理学を進講した国粋主義者の杉浦重剛だ。学習院初等科を出て、裕仁皇太子は高輪の東宮御学問所で13歳から20歳まで教育を受けるが、このとき倫理学の講師を担当したのが杉浦重剛である。奇妙な経歴の持ち主で、理化学を学ぶべく維新政府の留学生としてロンドンに派遣されながら、神経衰弱になって明治15年に帰国、以後は国粋主義者となって三宅雪嶺などと政治言論の活動をしている。前半は夏目漱石と似ているが、後半は雲泥の生涯だ。理系の秀才がなぜ国粋主義者に化けたのかは不明だが、おそらく漱石と同様に英語の能力で悩み、東洋人への偏見と差別に遭って鬱病を発症したのだろう。国粋主義の文系闘士に転じたのはそれが動機と思われる。杉浦重剛も、三宅雪嶺も、人物を紹介する欄には真っ先に国粋主義者の文字が踊っている。その杉浦重剛がどうして裕仁皇太子の倫理教育の係に選任されたのか、誰の人選によるのか、古川隆久の本にも説明がなく謎だ。明治天皇もしくは乃木希典の遺言だったのかもしれない。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-05 23:30 | Comments(1)


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