徴用工問題のヒステリー - 嫌韓ショービニズムで染まった国内世論

c0315619_12561440.jpg先週10日に文在寅の新年会見があり、徴用工問題で日本政府を批判する発言があって以降、日本国内のテレビでは文在寅叩きと嫌韓キャンペーン一色になっている。三連休のテレビもそれで塗り潰されていたが、連休が明けた後も、BSフジのプライムニュースやBS日テレの番組で毎夜のように文在寅バッシングが続いている。問題を冷静に受け止めて中立の報道に努めているテレビ局は皆無で、公平で適切な解説を述べているコメンテーターは一人もいない。文字どおり、文在寅を憎悪し排撃するファナティックなショービニズムで日本中が沸騰しており、手が付けられない発狂状況になっている。10日の文在寅のコメントは、徴用工問題についての韓国大法院の判断を是認し、日韓の歴史問題に対して傲慢な態度に徹する日本政府を批判したもので、韓国大統領が示した所感として不当なものではない。日本のリベラルな立場の市民が聞いて十分に納得できるものだろう。平和的で友好的な日韓関係を望み、そして歴史問題に謙虚な日本のリベラルな市民の感覚からすれば、今回の直言はむしろ代弁として積極的に肯ける性格のものである。

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# by yoniumuhibi | 2019-01-16 23:30 | Comments(2)

2019年の朝鮮半島と米中新冷戦 - アメリカは常に『敵』を求めている

c0315619_15300063.jpg今年はどんな年になるのか。昨年の今頃を振り返ると、米朝の対立が緊張の極に達していて、一触即発の戦争の危機を迎えていた。そうした中、私は、11月に中間選挙を控えたトランプは、むしろ北朝鮮との融和路線に舵を切って人気取りに出るのではないかと予想、新宿の喫茶店で初めて対談した天木氏にそう語ったことを覚えている。結局、事態はその方向へと進展し、2月の平昌五輪を経て、4月の板門店での南北会談、6月のシンガポールでの米朝会談と続いて行った。緊張緩和が進み、北朝鮮の非核化と米朝和平の実現を期待する空気感に溢れた。1年前、米朝融和を予想した私は、同時に、それはテンポラリーなもので、11月の中間選挙が終われば、米国は再び北朝鮮と対立を激化させる態度に戻るだろうという悲観論も述べていた。基本的にその見方は今も変わっていない。トランプ政権で安全保障政策を担当する補佐官のボルトンは、生粋の極右ネオコンで、非核化はリビア方式以外になく、非核化とはイコール北朝鮮の体制崩壊だという信念と欲望を持っている。今年は米国で選挙がなく、ストレートに布石を打って戦略を遂行できる。

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# by yoniumuhibi | 2019-01-09 23:30 | Comments(1)

リベラルからソシアルへ - 2019年、時代の底流

c0315619_13451801.jpg平成の30年間(1989-2018)はどんな時代だったのか。今、テレビでそれが語られている。私なりに言えば、この30年間はリベラリズムの時代だった。そして、アメリカが絶頂の時代だった。30年前から25年前、書店の店頭は「解体脱構築」の大ブームで、いわゆる現代思想が一世風靡した時代だったが、その中でも特に脚光を浴びて思想世界で台頭していたのがジョン・ロールズとハンナ・アーレントの二人だった。アーレントについては、丸山真男が『戦中と戦後の間』のあとがきで言及しており、名著『全体主義の起源』全3巻は政治学を学ぶ者の必読文献とされていたから、いわば親近感のようなものがあったが、ロールズは大学時代に特に講義を受けた記憶がなく、あの『正義論』が急に学界と論壇で持て囃され、猫も杓子も「ロールズ、ロールズ」と言い始めた思想状況の出現については、何か唐突な感じがして、奇異に思ったことを覚えている。その後、時を経て、ロールズとアーレントは、まさに揺るぎもしない現代社会科学の二大巨頭の地位を占めるに至った。今の大学生には、あるいはアカデミーで研究職を得ようとする者にとっては、マストの思想的存在になっている。

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# by yoniumuhibi | 2019-01-07 23:30 | Comments(2)

皇室の言論の自由 - 天皇誕生日の会見は新しい時代への布石

c0315619_14223147.jpg23日の天皇陛下の会見は、16分間の「お言葉」を読み上げる長いものだった。平成最後の誕生日会見であり、思いの詰まった原稿が準備されるのは当然かもしれないが、私自身は少し意外に感じた。というのは、2年前にあの生前退位の「お言葉」があり、それは安倍政権にとってクーデター的な意味を伴った政治の一撃であり、以来、安倍官邸は宮内庁を通じて皇室への監視と警戒を強め、両陛下が自由に発言するのを禁じ、政府とは異なる独立した見解や意向をマスコミに伝えることを徹底的に封じ込めてきた。両陛下もまた、2年前の生前退位のあと、やり過ぎを感じて自重したのか、世間の注目を惹く発言をすることを意識的に控えるようになった。10月20日は平成最後の皇后誕生日だったが、それほど目立った発言はなく、淡々とした心境が綴られていて、ここにも政府への忖度があるのだろうかと感じさせられた。4か月後には二人揃って退位となる。皇后陛下もそのときは間違いなく30年間を振り返った重い総括を残すだろうし、その言葉は国民にとっての大きな期待でもある。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-25 23:30 | Comments(0)

大本営の設置 -「統合作戦室」の出所は第4次アーミテージ・レポート

c0315619_15593727.jpg中谷元が毎夜のようにテレビで熱弁を振るっている「統合作戦室」の設置。12月7日の日経の記事にはこう説明がある。「(自公WTの)会合で政府は新たに『統合作戦室(仮称)』の新設を検討すると説明した。宇宙やサイバーなど新たな領域の重要性が増していることを踏まえ、陸海空を一元的に運用する体制を整える。自衛隊トップの統合幕僚長の負担を軽減する狙いもある」。この「統合作戦室」が、実際に新防衛大綱の中でどう書かれているか調べると、「5.自衛隊の体制等」の中に次の記述があった。「あらゆる分野で陸海空自衛隊の統合を一層推進するため、自衛隊全体の効果的な能力発揮を迅速に実現し得る効率的な部隊運用態勢や新たな領域に係る態勢を統合幕僚監部において強化するとともに、将来的な統合運用の在り方について検討する。また、各自衛隊間の相互協力の観点を踏まえた警備及び被害復旧に係る態勢を構築するなど、各自衛隊の要員の柔軟な活用を図る」とある。これを見ると、中谷元や森本敏がテレビで威勢よく宣伝し強調しているのとは違って、やや抑制的なトーンになっている。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-21 23:30 | Comments(3)

新防衛大綱と対中戦争 - いつの間にか軍事大国になっていた日本

c0315619_15220128.jpg昨日(18日)、新しい防衛大綱と中期防が閣議決定され、朝日の1面トップ記事になっている。2面に解説、7面に要旨が掲載され、14面の社説もこの件について書いている。今日の紙面は新防衛大綱が主役の編集だ。東京新聞(中日新聞)の社説もこの問題が取り上げられている。昨夜(17日)、NHKのニュースはこの問題を報道し、野党からの批判や華春瑩報道官の会見での反発の様子も簡単に紹介していたが、意外なことに、報ステでは一言もこの問題に触れなかった。驚くべきことではあるが、もう慣れてしまって驚かない。さらに意外なのは、ネットで左翼が一言も話題にしていないことで、閑としている。ネットの左翼方面は、今、辺野古の工事中止を嘆願する署名運動に熱中していて、署名に消極的な者をしばき隊が見つけて糾弾するといういつもの光景が続いている。防衛大綱・中期防のニュースに不安と懸念を示している者など一人もいない。この問題についての言葉がない。不思議なことだ。9条改憲に反対している左翼は、今回の防衛大綱と中期防について、そしてそのマスコミの報道姿勢について、危機感を覚えないのだろうか。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-19 23:30 | Comments(3)

辺野古の土砂投入 - 面妖で不自然なNHK-NW9の「街の声」

c0315619_13562236.jpg9月30日の沖縄県知事選の直後、天木直人氏と対談した際、私は、安倍晋三は辺野古への土砂投入は来年まで延期するのではないかという見通しを述べた。玉城デニーの得票が過去最高で、予想を超えた圧勝となり、沖縄の民意が決定的に反映された結果となったため、そうした楽観的な見方を自然に持った。だが、天木氏の方は、安倍晋三の立場に立ったとき、ここで先送りしたら土砂投入の機会は永久に失われ、辺野古の政治で安倍晋三は敗北することになるから、必ず年内投入を決行するに違いないと厳しい判断を返してきた。結局、天木氏の予想の方が当たった。官邸が年内土砂投入の方針をマスコミに出したのは、選挙から1か月ほど経った時点だっただろうか。選挙結果が出た後、私も天木氏も、玉城デニーはすぐに米国に飛べと催促した。スクラッチでいいから、即座にDCとNYに飛び、CNNやNYTのインタビューを受け、渡米後の刻一刻の試行錯誤を米日のマスコミに撮らせよと要請した。スクラッチ開発とは、IT用語で「ゼロから始める」という意味で、前提なし、予備環境なしの開発手法のことを言う。そうやって政治を作り、関心を集中させるよう訴えた。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-17 23:30 | Comments(1)

フランスにおける階級闘争の勝利 - 国民的争議で最賃月20万円

c0315619_15470556.jpg3週間に及ぶ大規模デモの後、テレビ演説に立ったマクロンは、(1)最低賃金を1か月100ユーロ増額すること、(2)年金生活者への増税を一部撤回すること、(3)残業代を非課税にすること、(4)経営者に対して従業員に年末賞与を提供するよう政府が求めることを表明した。まさに絵に描いたようなデモ側の勝利であり、フランスにおける階級闘争の勝利の図と言っていい。私は、ここまでマクロンが譲歩するとは思わなかった。4日の世論調査で支持率が23%にまで落ちたマクロンは、ここで妥協しないと政権維持は困難と判断したのだろう。この発表を受け、11日の世論調査では、デモ収束を望む声が54%となり、以前のように国民の圧倒的多数がデモを支持という状況から変化が起きた。だが、燃料税値上げと並んで最も争点となっていたところの富裕税については、マクロンは富裕税復活の要求を拒否。それに「黄色いベスト」側は反発、デモ継続の姿勢を示している。同じ11日の世論調査では、運動を理解するという声も64%に上っていて、デモが収束するかどうかは見通せない。一つ言えるのは、マクロンが今回の懐柔策に出なければ、確実に年内退陣に追い込まれたということだ。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-12 23:30 | Comments(4)

何を守りたいのだろう - 「多文化共生」の美名の下で進める新自由主義

c0315619_14292566.jpg11月29日の朝日新聞に、「この国は、何を守りたいのだろう。」という一文から始まる小熊英二の記事が載っていた。移民法(=入管法改悪)に関連しての論評であり、基本的に移民政策の推進を擁護する立場からの意見である。巷でよく言われているところの、日本は国際化が遅れたガラパゴスだとか、外国人から見て制度が不透明で不具合だから改善しろという主張であり、異文化の外国人と共生するカナダのような国をめざせという一般論が述べられている。現在の左翼リベラルの基本的な考え方であり、今度の移民法(=入管法改悪)の政局報道においてマスコミが一貫して示してきた姿勢と同じである。外国人労働者問題についての現在の日本の「常識」といってもいいだろう。だが、その記事を見ながら、私は逆に、脱構築主義の学者や論者たちは何を守りたいのだろうという疑問を素朴に覚えた。それは、特に労働組合や左翼政党に面と向かって発したい質問だ。君たちは何を守りたいのか。日本の労働者を守るのが日本共産党ではないのか。単純労働の外国人が大量に流入すれば、当然ながら国内の賃金は下がる。ただでさえ劣悪な労働環境がさらに悪化する。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-10 23:30 | Comments(1)

人手不足は日本人で補え - 「君たちはどう生きるか」プロジェクトの提案

c0315619_15335281.jpg今年も日本の電機メーカーで大規模なリストラがあり、NEC3000人、富士通5000人、東芝7000人の人員削減が発表された。年末まで間もなくだから、今頃が首切りの大詰めの時期だろう。NECでは11月末までに2170人が希望退職に応募したとある。嘗てのエクセレント・カンパニーが見るも無惨な状態にある。3社のリストラを合計すると1万5000人。来年、新しい在留資格である「特定技能」で受け入れる人数が、政府の試算で4万7000人となっていて、数的には3社のリストラ分でその3割を補うことができる。人手不足だと言うのなら、余剰人員が現実にいるのだから、国内の労働力を移動して活用すればいいではないか。それが私の持論である。その方が国民経済にとって合理的で、国民と政府の負担も最小で済み、日本社会の健全性を保つ上でベターな選択であるはずだが、こうした主張をする者が少ない。今や、リストラは業績の悪い製造業大手だけでなく、業績絶好調で内部留保を溜め込みまくっているメガバンクにも波が及んでいて、みずほFGが1万9000人、三井住友が4000人、三菱UFJが9500人を削減するという報道があった。3社合計で3万2000人。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-07 23:30 | Comments(1)

AIがホワイトカラーの労働をリプレイスする - その意味を考える

c0315619_13534596.jpg最近、AI・ロボットの技術進化と人間労働の問題について考えることが多い。10月に放送されたNHKの「マネーワールド」第2集で、新井紀子が説明したAIの未来像に啓発を受けたことと、最近の外国人労働者の議論が契機になっている。できれば、新井紀子と井上智洋と3人で語り合う機会を持てればいいなと思ったりする。まず、最初に外食店舗とコンビニ・スーパーの無人化から想像を始めよう。20年後、間違いなくマクドナルドのハンバーガー店は自動化していて、カウンターでの販売対応も、キッチンでの調理配膳も、機械がオペレーションをこなしているに違いない。店舗に常駐する人間は、システム監視とトラブル対応を担当する店長一人だけになっているはずだ。Macだけでなく、KFCも同様だろう。もともと、この種のアメリカンファストフードのビジネスというのは、全工程をアルバイトの単純労働者ができるようにマニュアル化されていて、すなわちAI・ロボットにとって親近性が高いというか、代替を試みることが簡単な労働現場だと言える。米国の外食だけかと思いきや、日本の外食もスタイルは同じなので、吉野屋や丸亀製麺天丼てんやもすぐにAI・ロボット化を追求するだろう。

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# by yoniumuhibi | 2018-12-05 23:30 | Comments(0)

正規・非正規・外国人の三階層の固定化 - 労働法制が解体された2018年

c0315619_13583394.jpg昨日(11/29)、報ステで韓国の雇用許可制が特集され、仁川の企業で働くベトナム人労働者の姿が紹介された。ハノイ近郊にあるバクザン市の外国語研修機関では、昨年、日本で働くために日本語を学ぶ若者よりも韓国で働くために韓国語を学ぶ若者の数が上回り、出稼ぎ先として韓国に人気が集まっているという報告がされていた。似たような報道は11日にTBSの報道特集でもあったが、TBSとテレ朝が、移民政策への転換を必死に後押しするキャンペーンを張っている。二つの番組の特集とも、「外国人に選ばれる国」になるよう、韓国を見倣って早く法整備せよというメッセージを発信する内容であり、国民世論を移民政策への賛同に導こうする刷り込みだ。政府を代行して、TBSと報ステが熱心に世論工作をやっている。韓国の人たちは、この報ステの映像を見てどのような感想を持っただろう。福島大学の佐野孝治のレポートによれば、就労ビザで韓国に在留している外国人労働者の数は、2017年3月の時点で57.5万人に上っていて、そのうち52.6万人が単純労働者であり、雇用許可制が成功裏に進捗し、効果を上げる形で単純労働者が増えている。だが、その一方で、韓国の若年層の失業率は2017年8月の統計で9.4%となっている。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-30 23:30 | Comments(2)

ゴーン逮捕で移民法スピンに成功 - 日本をカースト構造にする移民政策

c0315619_13032967.jpg日産のゴーン逮捕の後、マスコミはこの事件の報道一色になり、外国人労働者の問題はすっかり脇役に追いやられた。朝日新聞の朝刊を見ると、逮捕翌日の20日以降、27日の今日まで8日間、1面トップはゴーンの記事が掲載されている。8日連続の1面トップは珍しい。今回、朝日は逮捕前に検察からリークを受け、羽田空港での逮捕時の様子を独占で撮影させてもらうという特別扱いを受けた。その見返りで、おそらく検察との間での約束だろうが、小出しリークを1面トップに刷るという措置に及んでいるのだろう。無論、検察と朝日にそれをさせているのは官邸で、移民法(=入管法改正)を世間の関心から隠すためである。いわゆるスピンの政治だ。ゴーン逮捕はかなりの荒業に違いなく。フランス政府との外交問題にも発展しかねない問題であり、こんな重大な決定を特捜部長や検事総長の小役人が独断で出せるわけがない。菅義偉にお伺いを立て、杉田和博と北村滋と谷内正太郎が長官室に寄って車座で相談し、安倍晋三の差配で逮捕が行われている。そのタイミングを周到に移民法の政局に合わせた。先週は、法案が委員会で審議入りする最も重要な局面だった。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-27 23:30 | Comments(1)

四島返還を不毛なナショナリズムだと貶める山口二郎の売国言説

c0315619_14442812.jpg山口二郎が18日の東京新聞のコラムに北方領土問題について書いている。「私は、四島一括返還という従来の方針には懐疑的だった」と言い、さらに「『未解決の領土問題』は、実体的な国益にかかわるものではなく、国民の間にナショナリズムを高めるための便利な道具である」と言っている。山口二郎によれば、四島返還を求めることは不毛なナショナリズムであり、政治家が国民の期待に応えてロシアに四島返還を求めることは、ナショナリズムを煽って操る愚劣な政策であるらしい。そして、「安倍首相が、この便利な道具を放棄し、現実的、合理的に国境線の画定を行うというのは、一つの見識である」と言い、四島返還を放棄して二島返還に舵を切った安倍晋三の今回の「決断」を高く評価してやっている。山口二郎の見解では、根室海峡に斜めUの字の湾曲した国境線を引くことが、現実的で合理的な問題解決のあり方となる。山口二郎が従来から四島返還に懐疑的で、二島手打ちを支持している立場だとは知らなかった。山口二郎の過去の北方領土論を発掘して検証する必要があるだろう。このコラムの発言と矛盾する証拠が発見され、山口二郎の無責任さが露呈するに違いない。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-21 23:30 | Comments(2)

孫崎享の『日本の国境問題』と東郷和彦の『日本の領土問題』を読む

c0315619_15265092.jpgスターリンの亡霊が日本地図上に呪わしく復活し、永久不滅に刻み込まれるような、そんな国境線を認めてはいけない。日本人が地図を見るたびに憂鬱になるような、そんなグロテスクな国境線を持ってはいけない。売国とは、「私利私欲、あるいは思想信条の為に国、国民に対し不利益な行為を行う事」という意味である。安倍晋三の今回の二島返還の手打ちと、それをマスコミで賛美・擁護している東郷和彦や鈴木宗男や後藤謙次の言論は、まさしく売国の所業そのものだ。昨夕(11/18)、日テレのバンキシャの中で、旧島民が鈴木宗男に詰め寄り、話が違うじゃないかと抗議する場面が出ていた。四島返還が要求ではなかったのかと憤激していた。当然の反応だろう。平和条約を結ぶということは、その条約の中で主権の線引きを具体的に記すということである。「二島先行」などという言葉のトリックに騙されてはいけないのであり、そのような時間差を置いた主権確定などあり得ない。決着は一度の機会だ。国後と択捉の主権がロシアにあることを日本が認め、条約に書き込めば、その法的権利を覆すことは二度とできない。戦争でしか取り戻せず、あの湾曲した歪な国境線が固定化される。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-19 23:30 | Comments(0)

二島返還で手打ちの暴挙 - 自画像の損壊、戦後日本の外交の否定

c0315619_14140828.jpg14日にシンガポールで行われた日ロ首脳会談で、北方領土問題について安倍晋三が提案を出し、「1956年の日ソ共同宣言を基礎として交渉する」ことが合意され発表された。歯舞群島と色丹島の二島返還で平和条約を締結するという、いわゆる「二島先行」論である。従来の政府の基本方針である四島一括返還を転換し、二島返還で手を打って国境の線引きをすることになった。マスコミは東郷和彦を画面と紙面に出し、この安倍晋三の「決断」を絶賛し、祝賀ムードを煽っている。後藤謙次も、木村太郎も、安倍晋三の「決断」を賛美し、「今回を逃せば平和条約は永久に締結できなかった」「ラストチャンス」などと言って褒めちぎっている。安倍晋三から小遣いをもらっているのだろうか。最初にこの点は明確にしておく必要があると思うが、日本側が歯舞・色丹の二島返還に譲歩するのなら、いつでも、誰でも、ロシアは日本と平和条約を締結できるし、これまでも締結できた。二島返還は、ロシア側のマキシマムの要求ラインであり、日本側のゼロラインである。ロシア国民は驚いているだろうし、プーチンの外交手腕に舌を巻いているだろう。よくこんな完璧な決着に持ち込めたものだと。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-17 23:30 | Comments(2)

人手不足への対策案 - 200万人の引きこもりの再生とAIの活用を

c0315619_15251195.jpg移民政策に反対し、外国人労働者の拡大に反対する以上、人手不足を解決する対案を提出しないといけない。そのことを述べる前に、日本がなぜ外国人労働者にとって魅力的な労働市場でないのか、マスコミが触れてない要因を言う必要があるように思う。例えば、韓国と比べて、日本の労働市場がなぜ魅力の点で劣るのか、マスコミは韓国の雇用許可制の充実と優越を挙げ、行政が責任をもって外国人労働者に対応している点を指摘、日本の奴隷制同然の劣悪きわまる技能実習制度と比較する。その点はたしかにそのとおりだろう。だが、おそらく加えてもう一つ、経済的な理由があって、それは為替の問題ではないかと思われる。ウォンの対円為替レートは2012年から2018年の間に140%も騰がっていて、ウォンの通貨価値が相対的に高くなっている。2012年に1ドル80円だった円は、2015年には1ドル120円に落ちてしまった。ウォンはドルとリンクして推移している。一方、アベノミクスは徹底的な円安誘導政策だった。日本企業の好景気も、外国人観光客の爆発的増加も、円安によって媒介されている。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-15 23:30 | Comments(0)

入管法改正に反対する - 移民政策を美化・宣伝しすぎるマスコミ

c0315619_12515507.jpg昨日(12日)NHKが発表した世論調査では、外国人受け入れを拡大することについて、「賛成」が27%、「反対」が30%の結果となっていた。また、今の国会で法案を成立させるべきかの問いに対して、「成立させるべき」が9%、「成立を急ぐ必要はない」が62%となり、慎重意見が多くなっている。10月初旬に毎日新聞が行った同じ世論調査では、外国人受け入れを拡大する政府の方針に対して、「賛成」が47%で「反対」が32%という比率になっていた。また、一週間前の11月初旬に共同通信が行った世論調査でも、「賛成」が51.3%で「反対」が39.5%となっていて、賛成の声が上回っていた。読売など他の調査でも同様である。明らかに一週間前までは、国民の世論は移民法(=入管法改正)に賛成が多数で、反対論は少なかった。様子が変わったのは、8日(木)に野党が外国人技能実習生の合同ヒアリングを行い、その苛酷な労働実態を明らかにしてからで、生々しい人権侵害の諸事例が告発され、世間の注目を浴びて世論の流れが変わった。野党のファインプレーと言える。国民は悲惨な映像を見ることで、日本の外国人技能実習制度がどのような現実であるかを認識した。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-13 23:30 | Comments(6)

オカシオコルテスは希望だ - 台頭する米国社会主義のシンボル

c0315619_14155534.jpg米中間選挙は、投票率が過去50年で最高となる50%近くになると言われていて、有権者の関心の高さが際立った選挙だった。しかし、大統領選の60%に比べれば、それでも10%以上低い水準に止まっている。2年前の大統領選では4600万人が期日前投票を行ったが、今回は3500万人だった。これほど世界中が注目し、全米が昂奮して熱中した選挙なのに、有権者の2人に1人しか投票所に足を運んでおらず、半分が棄権してしまっている。トランプを信認するか否かを判断して意思を示す大事な政治機会であり、民主・共和両党が必死で票を掘り起こし、マスコミもネットも執拗に投票を呼びかけながら、半分の有権者は投票をボイコットした。この事実の意味を考えることも重要だろう。私はマイケル・ムーアの言葉をヒントに次のように考える。彼は映画の中でこう説いていた。リベラルの方が多数派なのだ。米国はリベラルの国なのだ。多くの数字を並べて例証しながら、保守の方が少数派で、絶対数としてはリベラルの方が圧倒していると強調していた。私の認識はマイケル・ムーアと同じで、問題は、今の二大政党制が多くの人々をカバーできない欠陥にあるのだと思っている。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-09 23:30 | Comments(0)

トランプの独裁権力強化となった中間選挙 - トランプ主義の米国

c0315619_12433137.jpg米中間選挙の結果について、ほとんどのマスコミが、下院で民主党が過半数を制したことを理由に、「トランプ政権に打撃」と報じている。私はこの見方に同意しない。逆だと思う。トランプと支持者は、今回の選挙戦とその結果に大いに満足しているはずだし、自らの政治力に自信と確信を深めたことだろう。終盤のトランプの巻き返しは凄まじかった。上院の議席に狙いを絞った戦略も効を奏した。実のところ、私は上院も民主党が過半数を奪うのではないかと予想していて、予想を外すとカッコ悪いので黙っていたけれど、投票率の高さは批判票として反映されると思っていた。その予想は見事に外れ、事前の世論調査どおりに収まった。民主党の大勝を想定した根拠は、町山智浩の説明と同じで、2年前に本選でサンダース票がトランプに流れたというような事態が今回は起きないからである。それと、さすがに2年もトランプ政治を見続ければ、米国民も正気を取り戻して冷静な判断を下すだろうという期待もあった。だから、選挙戦終盤のトランプの巻き返しは意外だったし、トランプ主義のムーブメントの恐るべき力を思い知った。まさにマイケル・ムーアが言うとおり、米国でファシズムが台頭している。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-08 23:30 | Comments(1)

『そろそろ左派は<経済>を語ろう』 - ブレイディみかこの序文

c0315619_14111063.jpg『そろそろ左派は<経済>を語ろう』の序文で、ブレイディみかこが次のように言っている。「政治制度としての民主主義がある程度確立されたとしても、経済的不平等が存在すれば、民主主義は不完全である。その経済的なデモクラシーの圧倒的な遅れこそが、トランプ現象やブレグジット、欧州での極右政党の台頭に繋がっているとすれば、いま左派の最優先課題が経済であることは明確である。これが欧州の左派の共通認識だ」(P.7-8)。この共通認識が日本の左派に欠落しているとブレイディみかこは批判するのだが、最初に割り込んで論評と解説を入れさせてもらうと、経済的不平等の存在が民主主義を不完全なものにするという認識は、まさしく大塚久雄の持論であって、講座派が強調していた社会科学の命題に他ならない。そして、この思想が高度成長の政策を進める上で基本にあったし、遡って、GHQの戦後改革(農地解放・財閥解体・労働三法)の断行において指針となっていたものである。民政局が推進した戦後改革の設計主任はE.H.ノーマンで、講座派系の知識人であること、あらためて言うまでもない。後にマッカーシズム禍に追い詰められ、1957年にカイロで自殺した。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-02 23:30 | Comments(4)

マルクスと日本人 - 『きけ わだつみのこえ』と『君たちはどう生きるか』

c0315619_14051097.jpg日本で改造社版のマルクス・エンゲルス全集が出たのが1927年で、世界初であり、ドイツやソ連に先駆けてのことだった。マルクス・エンゲルス全集が最も多く販売され、多数の読者を持った国は日本で、ソ連よりも多くの部数が出ていた事実は確認しておく必要がある。私が育った町は人口1万人の片田舎で、商圏人口も3万人程度しかなく、本屋はたった一軒しかなかったが、店の奥の棚に堂々と大月のマルクス・エンゲルス全集が鎮座していた。現在の日本の風景として、どれほど小さな町の書店でも、店の奥に「人間革命」の全集が並んでいるのを見るが、それと似た市場の事情だったと考えればいい。文庫本も種類多く並んでいた。同じタイトルのマルクスの古典が2社、3社から翻訳されて、あんな小さな田舎町の本屋で売られていた。70年代前半、高度経済成長の恩恵が地方まで波及し、町で一軒の本屋が新築新装した頃の記憶だが、どんな辺境の山奥に住む者でも、文理問わずインテリを自認する者にマルクスの知識は必須で、各自が独自に、そして熱心にマルクスの理論研究をやっていた。大都会では次々と革新自治体が誕生していて、国立大学の中はマルクス研究者ばかりだった。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-29 23:30 | Comments(2)

マルクスと日本人 - 世界一の右翼大国、世界一のマルクス大国

c0315619_13124146.jpg前回の記事で、イプソスというマーケティング・リサーチの会社が行ったところの、社会主義の理念と価値に対する評価をグローバルに尋ねた意識調査を紹介した。世界28カ国を対象に調査した結果、社会主義を肯定すると答えた割合の平均は50%で、新興国が50%台前半、先進国が40%台後半という結果になっている。28カ国の中で極端に数字の低い国があり、21%という例外的な値を出した日本である。私は常々、日本は世界一の右翼大国であるというツイートを発して、その警告的表現を目にする者に覚醒を試みているが、その指摘が決して不当なものではなく、われわれ自身の客観的な真実であることが証明された統計データと言えよう。大規模市民デモで左派政権を樹立したお隣の韓国では、社会主義への肯定度は48%で、ほぼ平均並みの位置であり、日本はその半分以下しかない。資本主義の総本山の国である米国よりも低く、世界の中で突出した反共国家であると認めてよい。日本では社会主義の思想が異端化されている。公共空間の中で絶対悪の表象となっていて、デフォルトで排斥され、禁忌の扱いの存在になっている。だから、生活保護の水準を切り下げられても不満が出ない。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-25 23:30 | Comments(1)

マルクス生誕200年 - 世界での社会主義の意識調査結果と日本

c0315619_14015605.jpg今年はマルクス生誕200年の年で、一昨日(21日)は専修大学で「カール・マルクス、その現代的意義を問う」と題されたシンポジウムが催された。五つの分科会が企画され、各4時間の報告と討論が行われていて、それぞれ内容豊かな議論がされていたことが窺われる。12月には法政大学でも国際シンポジウムが開かれるらしい。欧州各国でも記念事業が行われ、出版物のラッシュが続いていると伝えられている。昨年、米国の意識調査に関する記事があり、米国の若者の4割が米国の経済システムを変えるべきだと考えていて、社会主義・共産主義を肯定的に受け止めている割合が半数近くに上っている事実に接して驚かされた。マルクスに対して32%が好意的だという数字が出ている。この調査はVCMHという機関によるものだ。それと重なるものとして、2016年にハーバード大学政治研究所が行った調査があり、18-29歳の若者3183人に質問して回答を得たところ、51%が「もう資本主義は支持しない」と答え、「資本主義を支持する」の42%を上回る結果が出たとある。社会主義を支持すると答えた者が33%もいたらしく、この数字にも驚かされる。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-23 23:30 | Comments(0)

NHK「マネー・ワールド」第3回 - ミャンマーの農村金融禍に絶句

c0315619_15124073.jpg14日に放送されたNHK「マネー・ワールド」第3回は、とても衝撃的な内容だった。今回の番組の事実上のプロデューサーは水野和夫で、世界のマネーの現実がどうなっているかを「借金」という切り口で見せ、いま世界中の国と企業と個人が膨大な借金を抱え、その借金が経済成長に有効に機能せず、限界に行き当たっている現状を説明していた。水野和夫はこの現実を持論である「資本主義の終焉」論に惹きつけて解説、借入金が成長を促して発展を遂げてきた資本主義のシステムの破綻だと結論を置いていた。特に注目させられたのは、個人の借金の部で描かれたタイとミャンマーの事例である。10年間で1.7倍の経済成長を遂げた新興国のタイに、世界中からマネーが流れ込み、個人相手の消費者金融が活況を呈している。金利は28%という暴利で、借りた者はすぐに返せなくなって多重債務者となり、現在、タイでは7人に1人が返済困難の状況に陥るという深刻な事態になっていた。そのタイの消費者金融市場の4割のシェアを日本のサラ金業者が占めていて、プロミスやアイフルやアコムやイオンなどが大活躍を演じている。


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# by yoniumuhibi | 2018-10-17 23:30 | Comments(7)

米国経済のディレンマ - 株暴落を導く高金利と中国制裁の二政策

c0315619_14094904.jpg昨日(11日)のNHKの7時のニュースは、米日の株安とバリ島ヌサドゥアのG20でのラガルドの会見映像を流し、米中貿易戦争を懸念するコメントを伝えていた。一昨日(10日)のブログ記事に書いた冒頭部の記述が、株価暴落という事件の発生を経て、そのままNHKのニュースになった感じがする。NHKの報道は、今回の株安について、①米国の長期金利の上昇と、②米中貿易摩擦の二つが原因だと端的に説明した。そのとおりだ。米国の株価高騰が一本調子で推移してきた背景も簡単に触れたが、できればもう少し具体的な数字を挙げ、トランプが大統領選に当選した2年前の11月時点のダウが1万8000ドルで、今月3日につけた最高値が2万6828ドルで、2年間で50%も騰がっている事実を指摘してもらいたかった。トランプバブルの現実である。米国の景気が好調で、失業率も48年ぶりの低い数字を記録し、実体経済が順風満帆であることは間違いない。だが、それでも2年間で株価が50%も騰がるのは異常で、実体経済を反映していないバブル現象であることは歴然だ。だからこそ、景気が過熱気味だとして、FRBは政策金利を引き上げ続けてきたのである。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-12 23:30 | Comments(0)

ペンス・ドクトリン - 同盟国日本への対中国経済制裁協調の押しつけ

c0315619_15074972.jpg昨日(9日)、IMFが世界経済見通しを発表し、米中貿易摩擦が与える影響について試算を出した報道があった。その予測では、インパクトは2020年に米国のGDPを1.0%押し下げる結果となり、経済制裁を各国に仕掛ける米国が最も大きな打撃を受けると警告している。中国は2019年に1.6%の悪影響が及ぶが、長期的には成長率を鈍化させる効果は薄いと結論した。この発表は、明らかに4日にペンスが演説した新冷戦宣告を意識したもので、ラガルドがそれに対して異論を発したものと意味を考えられる。報告はIMFがバリ島のヌサドゥア・リゾートで開催した年次総会で出されたものだが、それに先立つ4日、ラガルドは日経新聞のインタビューで、「貿易摩擦は機会の損失」だと言い、「影響は中国だけでなく、同じ供給網を築いている近隣国にも及ぶ」と指摘、「米国でも消費者を中心に悪影響が広がる」と述べた。G20全体の協調で従来どおり安定的に世界経済の成長を図ろうとするラガルドにとって、ペンスの新冷戦宣告演説は忌まわしい衝撃だっただろう。IMFが分析し推計しているのだから、予測の数字はひとまず信用してよいと思われる。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-10 23:30 | Comments(1)

玉城デニーはDCに飛べ、間髪を置かず自己決定外交に打って出よ

c0315619_14370624.jpg沖縄県知事選に当選した玉城デニーが、初登庁して就任会見する映像が昨夜(4日)のテレビのニュースで流れていた。本日(5日)の朝日3面にも記事が載っていて、「新基地建設阻止に全身全霊で取り組む」と決意を述べている。「国際社会にも訴え、共有できる価値観を広げていきたい」「対話の窓口を、米国と政府に求めていく」と言っている。天木氏との1日の対談でも強調したが、この行動はすぐにやってもらいたいし、時間を置いてはいけない。最初が肝心だ。すぐに、来週か再来週中にもDCに飛び、NYに飛ぶべきで、まずは米国メディア(NYT、ABC、CNN)のインタビューを受けるべきだ。国務省・国防総省とのアポイントを無理に調整する必要はない。DCでのスクラッチの外交を、そのままリアルに米国メディアにドキュメンタリー取材させればよく、密着させて撮影報道させればよいのである。国務省・国防総省が冷酷に門前払いすれば、その証拠の絵をそのまま収録させればよいのだ。天木氏も新知事に外交をせよと発破をかけていたが、私も全く同感で、それは即断即行しなくてはならず、NYTの社説の影響が生暖かいうちに、最も政治的効果がある時間内に果たさなくてはいけない。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-05 23:30 | Comments(1)

改憲シフトの党人事と安倍改憲の情勢 - 煽るマスコミ、醒める公明党

c0315619_13363234.jpg改造内閣と党人事の名簿が発表され、昨日(2日)のテレビのニュースのトップで報道された。憲法改正シフトが特徴だと各マスコミが報じている。総務会長に加藤勝信、憲法改正推進本部長に下村博文、選挙対策委員長に甘利明を据えた配置を見ると、この布陣でそのまま改憲に突っ込む意思が露骨に現れていることが窺える。組閣後の安倍晋三の記者会見でも、臨時国会で改正案の提出をめざすと言い、総裁選のときに語った改憲スケジュールを再び確認した。この秋に、安倍晋三が改憲の動きを再燃させてくることは確実で、具体的な条文改正案を固めて自民党内を纏め、公明党との調整を図って合意することを目標にしているのだろう。朝日の2面記事には、選対委員長を甘利明にしたのは、国民投票を仕切らせる思惑があるからだという観測がある。そう受け取ってよいだろう。各マスコミが報じているように、2013年の参院選で安倍晋三は大勝しすぎていて、このベースを来年参院選でも維持しないと3分の2は保全できない。そのため、衆参で3分の2を得ている今、一気に改憲に突入するべしと作戦を考えるのは自然で、そういう状況判断があることを安倍側近議員が朝日の政治記者に書かせている(2面)。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-03 23:30 | Comments(1)

米中貿易戦争は米中経済戦争の緒戦 - 覇権国家交代への最後の試練

c0315619_16362176.jpgトランプが始めた米中貿易戦争について、私はずっと楽観的な見通しで報道を眺めていた。この政策の動機は、11月の中間選挙の情勢を有利にする一点にあり、2年前の大統領選挙時と同じように中国の不公正を訴えて派手な中国叩きを演じ、没落白人層の共感を掴んで集票することが目的だろうと踏んでいた。したがって、中間選挙が終われば収拾へと向かい、来年になれば米中首脳会談を経て元の関税率に戻るだろうと予想していた。だが、現在の状況を見ると、通商をめぐる米中関係の悪化が早期に収束する気配はなく、さらに対立が深刻にエスカレートしていて、とても年内に問題解決されるとは思えなくなった。トランプが中国からの輸入品の一部に高関税をかけ、今回のチキンレースを始めたとき、日米のマスコミはトランプに批判的な声を揃え、自分の足を拳銃で撃つ愚かな行為だと批判を並べていた。肯定的な見方は全くなく、米国の農業関係者や中国で事業している大企業や投資家や、物価が上昇して困る消費者から不満が上がり、すぐに政策を撤回するだろうと予測する報道が多かった。だが、半年経って様相はずいぶん違っている。チキンレースという言葉で問題が表象化されなくなった。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-27 23:30 | Comments(1)


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