拉致家族会への幻想と忖度 - 安倍内閣の支持率が下がらない理由

c0315619_13423718.jpg歴史的な米朝首脳会談が行われた翌日、13日に河野洋平が都内で講演し、「植民地問題の処理もできていない国に、ただ(拉致被害者を)帰せ、帰せと言っても問題は解決しない。国と国の関係を正して、帰してもらうという手順を踏まざるを得ない」と述べた。拉致問題の解決のためには、まず国交正常化が必要であり、過去の植民地支配への反省が大切だと言っている。この勇気ある発言を支持し、価値のあるステイツマンの政治行動だと評価したい。これこそが正論だ。われわれが即くべき対北朝鮮の正しい方針だ。平和憲法と村山談話の精神に則った本来の外交論だ。河野洋平の中には95年の村山談話が生きている。現在、与党どころか野党も含めて、永田町の政治家において完全に死に果て、両陛下のみに看取されるところの、村山談話の思想的神髄が健在のままだ。河野洋平の勇気に感動を覚える。誰もここまで言おうとしない。共産党でさえ、拉致被害者家族会に忖度して、この正論を口にしようとしない。河野洋平こそ、今の日本の政治のリーダーになるべき人物だと思う。

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# by yoniumuhibi | 2018-06-19 23:30 | Comments(2)

安倍晋三のフェイク報道の政治 - トランプは拉致問題を提起していない

c0315619_12370155.jpg12日の歴史的な米朝首脳会談のあと、先週、国内では拉致問題についての動きがあり、報道の中心になった。まず、13日午後に萩生田光一が、米朝会談でトランプが拉致問題を提起した際、金正恩が「拉致問題は解決済み」とは言わなかったという情報を流した。12日夜の日米電話協議でトランプから説明されたというのがソースで、安倍晋三が萩生田光一を使って流させたものだ。そして、14日早朝に産経が、金正恩が安倍晋三と会ってもよいとトランプに伝えたと報道した。産経の記事では、「複数の政府関係者が明らかにした」とあり、「12日中に米政府から複数のルートで日本政府に伝達された」と書かれている。同じ14日早朝、読売は、日朝両政府関係者が複数回にわたって水面下で交渉し、安倍晋三が8月にも平壌を訪問する可能性があるという記事を書いている。その14日、安倍晋三と拉致被害者家族会との会談が官邸で行われ、夜のテレビ報道はこの問題一色となり、俄然、「日朝首脳会談」と「拉致問題解決」の気運が高まる状況となった。

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# by yoniumuhibi | 2018-06-18 23:30 | Comments(1)

米韓合同軍事演習の中止を歓迎する - トランプの決断に拍手

c0315619_12085391.jpg朝日新聞を中心として、日本のマスコミは、今回の米朝合意に対して、非核化の中身がないとか、具体性がないとか、共同声明にCVIDの文言が入ってないとを論い、歴史的意義を否定する論調で染まっている。だが、その主張は間違っている。きわめて一面的で不当な評価と認識だ。記者会見の席でトランプは、米韓合同軍事演習を中止すると発表した。きわめて重大な米国政府の決定だ。これほど具体的で決定的な中身があるだろうか。米韓合同軍事演習が中止されることで、朝鮮半島の平和は確かなものになる。米朝間で戦争が勃発する危険性はきわめて小さくなる。米朝和平に向けての大きな前進の一歩であり、画期的な決断だと評価し歓迎するのが当然だ。初めての首脳会談が実現したからこそ、トップ同士の会談だったからこそ、トランプはこの決断を下して金正恩の前で約束した。素晴らしいことであり、画期的な成果だと言っていい。ところが朝日新聞は、リベラルの良識を代表するクォリティペーパーだと言われながら、この米韓軍事演習の中止に対してネガティブな論評で紙面を埋め、世論を中止反対へ誘導しているのだ。

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# by yoniumuhibi | 2018-06-15 23:30 | Comments(4)

歴史的米朝首脳会談の成功を祝す - 最終版でゲームを制した北朝鮮

c0315619_12533242.jpg歴史的な米朝首脳会談は成功を収めた。昨日(12日)はずっとテレビで進行を見守った。文在寅は「世界史的な出来事で、平和を願う世界の人々にとっての進歩だ」と歓迎し、「果敢に新しい変化を選択した2人の指導者の勇気と決断に高い賛辞を贈ります」とコメントを発している。私の感想も同じだ。中国外交部も「今回の会談とその成果は、朝鮮半島の非核化と平和と繁栄の実現という目標に向けた正確かつ重要な一歩だ」「米朝の指導者の政治的決断を高く称賛する」と声明を発表している。この所感も私と同じだ。私はずっと、6月12日の合意はアバウトなものになるだろうと述べてきた。アバウトな合意でいいと論じてきた。「アバウトな合意」という表現を使い、12日の米朝会談の行方と着地を予想してきた。今回の「包括的合意」は、その見通しがピタリと的中したという感があり、何から何まで予想したとおりに進み、期待したとおりの図が実現した米朝外交に昂奮と満足の気分を押さえられない。だが、日本や米国のマスコミは、この歴史的会談の意義を卑しめ、ネガティブキャンペーンに躍起になっている。

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# by yoniumuhibi | 2018-06-13 23:30 | Comments(7)

新潟県知事選の敗因は「野党共闘」 - 争点を与野党対決にした失敗

c0315619_14522053.jpg注目された新潟県知事選は、接戦ながら3万7千票差で自公候補の花角英世が勝利した。事前にマスコミが情勢調査した報道のとおりの結果となった。2年前の2016年に行われた知事選では、同じ構図での戦いで、野党が推薦した米山隆一が6万3千票差で勝っている。また、同じ2年前の参院選でも、やはりほぼ同じ構図の選挙となり、「野党共闘」の森裕子が2万票差で制していた。新潟は「野党共闘」の象徴のような県であり、全県で1人を選出する選挙では必ず与野党対決の図になり、接戦になりながら野党が制するというイメージのある県だったが、今回は与党側が勝った。選挙結果について様々な分析がされているけれど、私は「野党共闘」こそが最大の敗因だったと結論する。与党対野党の対決に持って行き、与党を選ぶか野党を選ぶか選択を迫ったところに戦略設計のミスがあったと断定する。なぜなら、与党以上に野党の人気がないからだ。野党を選ぶという積極的な動機づけは無理なのだ。与野党対決を争点に据えるのではなく、脱原発を争点にして、無党派色を前面に押し出した選挙にするべきだった。

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# by yoniumuhibi | 2018-06-11 23:30 | Comments(2)

しばき隊についての若干の考察 - 右翼が宣伝利用する悪性素材

c0315619_12522553.jpgしばき隊について気づいたことがある。最近、ネット右翼がしばき隊に言及する頻度が非常に多くなっている事実だ。有名無名のネット右翼が言論を投擲する場は、2ch(5ch)とツイッターだが、その両方で、しばき隊を叩く政治憎悪の発言の比重が増えている。ネット右翼が日常的に反復して行う左翼ヘイトの発信において、しばき隊が定番のトピックスになっている。関心が高い。例えば、15年ほど前の風景を思い出すと、当時はツイッターはなく2chが主な言論環境だったが、ネット右翼が精力的に情宣工作に励んでいたのは、南京大虐殺は幻だとか、従軍慰安婦は嘘だとか、コミンテルンの陰謀がどうとか、そうした歴史問題の荒唐無稽なデマゴギーだった。ネット右翼はそれを繰り返し繰り返し書き込み、2chのスレを埋め、溢れさせ、ネット言論の全体を支配して一般市民を強力に洗脳して行った。そこには同時に卑劣な民族差別の要素があり、土井たか子や福島瑞穂や菅直人を朝鮮人だと罵り、勝手に朝鮮名を付けて、これが本名だなどとデマを撒く悪質な手法も織り込まれていた。

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# by yoniumuhibi | 2018-06-08 23:30 | Comments(3)

国内政治への雑感 - 枯渇し消耗する言論、安倍批判の言葉の無力化

c0315619_14063231.jpgこのところ、北朝鮮の非核化外交ばかり夢中になってフォーカスし、分析と予測を試みてきた。国内の政治については関心を持てない。何かを論じようとしても端緒を掴むことができない。国内の政治について論じることができないから、論じることが容易な北朝鮮問題の考察に神経を集中させていたという事情もある。米朝外交の方は、そこにまだ希望の光があるから、それを見守っている世界の人々と一緒に成功を応援する気分になることができる。マスコミ報道が欠落させている視点や論点を掘り出し、それを独自に提起する作業に知的な満足感を覚えられる。だが、国内政治の方は全く取りつく島がないのだ。目の前のテレビで見せられる現実に対して言葉を発することができない。いったい何を言えばいいのだろう。安倍晋三の政治に対しては、5年半の間、あらゆる言葉を動員して批判をしつくしてきた。それは誰もが同じだろう。だが、批判の努力が実を結ぶことがなく、時間の進行は安倍晋三の独裁と暴政を強め、支持者を増やして行くだけで、そうなると、批判の言葉を発するのが難しくなる。

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# by yoniumuhibi | 2018-05-31 23:30 | Comments(7)

トランプの曲芸軽業外交 - タクティックスの奏功で北朝鮮を譲歩へ

c0315619_15333739.jpg昨日(27日)午前、文在寅が二度目の南北首脳会談の結果を記者会見していたとき、放送中のNHKのスタジオに速報が入った。トランプがホワイトハウスの記者団に米朝首脳会談について語り、6月12日に開催されることを期待する旨の発言をしたことが伝えられた。一時はどうなるかと沈痛な気分に落ち込んだが、これでようやくというか、急転直下というか、5月24日の会談中止発表の前に戻った。こうして後から経過を振り返り、Wertfreiheit(価値判断自由)な態度で冷静に考察すると、トランプが絶妙のタクティックスを演じ、この外交の主導権を握ったことが分かる。先週前半まで押せ押せだった北朝鮮にとって、24日の突然の中止決定は意表を衝かれた衝撃の展開で、すぐに金桂冠が取り成しの談話を出し、対話継続の意思を明らかにした。トランプの前で平身低頭となる妥協的姿勢を見せた。トランプの24日の中止声明は、崔善姫がペンスを「間抜け」と非難した直後に出されたが、タイミングを捉えた一瞬の切り返しで、米国が主導権を握り返して北朝鮮を譲歩に追い込み、妥結に向けて交渉を前に進めるための博打だったと言える。

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# by yoniumuhibi | 2018-05-28 23:30 | Comments(3)

米朝首脳会談の中止 - 北朝鮮は「米国なき非核化外交」へ向かう

c0315619_15061840.jpgトランプが金正恩に宛てた書簡を公表し、6月12日に予定されていたシンガポールでの米朝首脳会談を中止すると通告した。事態はなお流動的だが、非常に残念な展開になってしまった。これに対して、北朝鮮は金桂冠が声明を出し、「極めて遺憾」と言いつつ、「北朝鮮としては問題解決のため、いつ、いかなる形ででも直接会談する意向があることをあらためて米側に伝える」と言って、態度を柔和に転換させている。ここには挑発的な言動はなく、北朝鮮の真意が伝えられていて、水面下での交渉を継続させ、米朝会談を実現させたいという意向が滲んでいる。なぜこのような展開になったのか。3月まで遡って経過全体を捉え直して言えば、トランプ外交の拙速が招いた破綻と言える。トランプは功を焦って米朝会談の実施をあまりにも急ぎすぎ、準備なしに早期のゴールを設定してしまった。中間選挙のためのアクロバティックな外交だったため、その歪みと無理が噴出してしまった。鄭義溶ら韓国代表団が訪米し、金正恩が非核化の決意があり、米朝首脳会談を希望していると伝えたとき、トランプはその場で即座に米朝会談を応諾し、ホワイトハウスの庭でそのことを鄭義溶に発表させた。

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# by yoniumuhibi | 2018-05-25 23:30 | Comments(2)

チキンゲームに勝利した北朝鮮 - 米朝交渉の政局でボルトン失脚

c0315619_16290573.jpg先週18日、トランプが記者会見で北朝鮮への体制保証を初めて明言、非核化した場合には「強固な保護(protection)を得るだろう」と述べた。さらに「我々は『リビア方式』の適用を考えてない」とも言った。週末のテレビ報道でその場面が何度も流れたが、会見の場にはボルトンが陪席していて、カメラがボルトンの表情を捉え、ボルトンが赤恥をかいて失脚した政治演出になっている。明らかに、トランプが北朝鮮に対して妥協のメッセージを送っていて、北朝鮮の要求を受け入れて「ボルトン外し」に応じた格好だ。「リビア方式」など論外だと私も論じたし、右翼の手嶋龍一とケント・ギルバートでさえ「リアルではない」とプライムニュースで評しているのを耳にしたが、果たしてそのとおりの結果となった。北朝鮮の非核化が完全に実現するまで何も対価を与えるなというのが、2月からの日本のマスコミの論調であり、朝日新聞すらそうした論説で一貫していて、右も左も日本中が「リビア方式」を肯定し期待する空気だったが、ここへ来てすっかり様子が変わってきた。

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# by yoniumuhibi | 2018-05-21 23:30 | Comments(2)

太陽政策と受容主義の教育 - 北朝鮮が自ら変わることを信じること

c0315619_14394865.jpg中学生だった頃、クラスの中にいわゆる不良の子がいた。同級生に暴力をふるったり、放課後にシンナーを吸ったり、店で万引きしたり、手がつけられず、生徒指導の教師はずいぶん手を焼いていた。今から考えると、あの女性教師はどれほど自分の家庭生活を犠牲にして、夜遅くまで駆けずり回り、不良生徒の面倒を見ていたのかと、その苦労を想像して感慨深くさせられる。当時の学校教師は今のようなブラック職業ではなく、部活の残業地獄もなく、モンスターペアレントの理不尽な対応もなかったが、一人の生徒が闇に墜ちるのを防ぎ、更生させるために、懸命に献身的に努力していた。サラリーマンとは対極の、全人格を子どもにぶつける熱心な教育者がいた。北朝鮮の問題というのは、そういう問題だと考えることができるのではないか。教室でナイフを投げてクラスの子を脅したり、花火を教室の窓から校庭に向けて何発も発射したり、そういう悪さを繰り返してきた悪童。担任も生徒もどうしようもなく、皆から嫌われて、一日も早く処分され来なくなる日がいいやと願われている不良。

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# by yoniumuhibi | 2018-05-17 23:30 | Comments(1)

ガザの虐殺に無反応と無関心を貫く日本の左翼 - 格差とパレスチナ

c0315619_14100472.jpg14日から15日、今度はガザで62人が虐殺された。3月末には16人が殺されている。素手でデモを行っている市民に対してイスラエル軍が実弾の狙撃で次々と射殺、見せしめの集団処刑のようなことをした。信じられないのは、この惨劇に対して日本の左翼が全く無反応である点だ。誰もツイッターで騒がない。重大視しない。イスラエルを糾弾する意見が発信されない。バグダッドで自爆テロがあった程度のニュースの扱いにして済ませ、安倍晋三の加計問題がどうのとか、懲戒請求問題がどうたらとか、新潟県知事選での国民民主党との共闘がどうとかの拡散と宣伝に熱中している。東グータ地区で「化学兵器事件」が起きたときは、天地が割れんばかりにヒステリックに喚き立て、ツイートの連投に狂奔し、しばき隊各自相互にRT数を膨張させ、アサドとプーチンへの憎悪を扇動しまくったくせに、イスラエルによるガザ虐殺の蛮行には無視と沈黙を続けている。話題にせず、情報を回覧せず、知らんぷりを決め込んでいる。現時点(16日午前)で、志位和夫と福島瑞穂のTLには、この問題について何の言及もない。この異常な無関心の貫徹は何なのだろう。

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# by yoniumuhibi | 2018-05-16 23:30 | Comments(3)

習近平の努力で米朝交渉がほぼ妥結 - 破談と北崩壊を狙うCIA

c0315619_15323421.jpg昨夜(10日)、トランプがツイッターで6月12日にシンガポールで米朝会談を開催と発表した。ようやく米朝首脳会談の日程と場所が決まった。結局、文在寅が提案した板門店は却下となった。6月第3週にシンガポールで開催という情報は、今月5日に米政府筋の話として朝鮮日報にリークされていて、ボルトンらが巻き返して文在寅の役割と影響を排除した動きが示唆されていたが、果たしてそのとおりの結果となった。その記事が出た直後、今度は反CIA側が逆襲に転じ、金正恩が7日に大連に飛び、習近平がトランプに電話会談を入れ、同時並行の動きでポンペイオの平壌派遣となって、10日深夜に日程と場所の正式発表と続く。昨夜の朝鮮中央テレビは、「トランプ大統領が『新たな対案』をもって対話を通じた問題解決に関心を示し」たと報じ、9日の金正恩・ポンペイオ会談について「満足のいく合意を見た」と伝えた。金正恩が北朝鮮メディアを通じて米朝首脳会談について公に言及するのは初めてで、つまり、交渉が大筋合意に至ったことを内外に告げている。この報道の後、アンドリューズ空軍基地での人質帰国の絵が続き、トランプのツイッターとなった。

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# by yoniumuhibi | 2018-05-11 23:30 | Comments(5)

大連会談の論理 - 米朝会談を前に動かそうとする習近平とトランプ

c0315619_13145645.jpg昨日(8日)、金正恩の二度目の電撃訪中が報道された。訪中は金正恩の方から申し入れたもので、スタックしている米朝交渉を打開して前へ進めることが目的だ。3月26日に北京で中朝会談があり、次は習近平が平壌を訪問するというのが予定で、それは米朝会談が終わった後に実現するはずだった。それが突然、急遽、金正恩が大連に飛来して会談する動きになり、さらに加えて、会談の直後に習近平がトランプと電話会談するという展開になった。そして何と、この大連会談の席に、あの北米局長(外務次官昇格という情報も)の崔善姫が同行していた。明らかに、米朝交渉がフォーカスされた緊急の中朝会談だと分かる。5月に入って以降、トランプの楽観的な予告口上とは裏腹に、米朝交渉の順調な進展を告げるリーク報道が消えて行き、交渉が胸突き八丁に来て難航していることが予想された。その深部の観測については、前回(7日)に分析記事を書いた。4月の平壌での交渉では、北朝鮮の側が一方的に譲歩し、米国の側が一方的に要求を押しまくり、その結果、リークされたような完全非核化(CVID)という成果に到達していたのだ。

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# by yoniumuhibi | 2018-05-09 23:30 | Comments(1)

体制保証と不可侵条約 - 文在寅と米保守派とのヘゲモニー争い

c0315619_12524036.jpgトランプが米朝会談について「日程と場所は決まった」と記者団に語ったのが5月4日で、それから3日経ったが、現時点で明らかになってない。「数日内に(場所と時間を)決めるだろう」と言ったのが1日で、すでに6日が経過した。交渉が胸突き八丁を迎えていて、日程の先延ばしもあるかもしれないと不安になる。まず、文在寅の訪米が22日になるとホワイトハウスが4日に発表した。当初、文在寅の訪米は5月中旬と報道されていて、中旬といえば10日から20日の間であり、通常は15日前後を指す。一週間ほど遅れる流れとなり、結果的に下旬にずれた。文在寅の訪米は米朝会談に向けての準備と調整のためのものだから、それが一週間延びるとなると、米朝会談もスライドして先に延びると考えるのが自然だ。6月8日と9日にはカナダのシャルルボワでG7サミットが開催される。その予定を考慮すると、G7の前に米朝会談を開催するのは窮屈な日程になる。この件を報じたブルームバーグは、5日の朝鮮日報の記事を紹介し、DCの外交関係者からの情報として、「米朝首脳会談は6月第3週にシンガポールで開催される可能性が最も高い」と報じた。

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# by yoniumuhibi | 2018-05-07 23:30 | Comments(2)

感動の板門店橋上の説得ドラマ - 信じることの大切さを教えた文在寅

c0315619_15181242.jpg正直、焦点になっている「北朝鮮の非核化」の分析など、もうどうでもいい気分になった。会談で決まった中身がどうとかは些細な問題であって、27日の板門店会談の意義として歴史に残るものではないからだ。86年のレイキャビク会談も、結果がどう発表されたかはよく憶えていない。憶えているのはあのときの感動で、それは思い出すたびに熱く甦ってくるし、報道で回顧されるときも二人の膝詰め交渉のドラマが語られる。ゴルバチョフの熱意と誠実さが語られる。レイキャビク会談も、そのときは、欧州中距離核の配備全廃を合意できず失敗に終わった会談だった。だが、映像を見た世界中の人々に感動を呼び起こし、必ず米ソが合意し、次の大きな平和の合意に至るだろうという将来を予感させた。ゴルバチョフはそれを実現する能力と資質を持った政治家だと確信した。昨日(27日)の板門店会談は、レイキャビク以来32年ぶりに出現した巨大な外交ドラマだった。まさに、平和の交渉の理念型を文在寅は世界の人々の前で証示し、伝説として残した。あの青い徒歩橋は観光名所になるだろう。

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# by yoniumuhibi | 2018-04-28 23:30 | Comments(7)

中国による北朝鮮への核の傘の提供 - 3年前の李敦球の提言と献策

c0315619_14534283.jpg浅井基文のHPのコラムの中に、「中国による北朝鮮への核の傘」について考える上で興味深い情報がある。3年前、2015年8月20日の記事に、中国青年報に掲載された李敦球の文章が紹介されていて、そのタイトルが「条件付で朝鮮に『核の傘』を提供する可能性如何」というものだ。李敦球は中国における朝鮮半島情勢の専門家で、浅井基文の評価によれば第一人者なのだそうだ。ここ数年、環球時報などに活発に論考を寄せている。現在の肩書きは、国務院発展研究センター世界発展研究所朝鮮半島研究センター主任で、プロフィールには、吉林省延辺大学朝鮮問題研究所で修士、浙江大学韓国研究所で博士の学位を取得とある。国務院とは中国政府のことで、発展研究センターは政府系シンクタンクであり、世界発展研究所は外交部が管轄する研究機関だろう。社会科学院とは別に、あるいはクロスオーバーして、こういう政策アカデミーが動いている。この記事は、当時の韓国議会の国防委員長が、DCで開かれた国際セミナーの場で、中国は北朝鮮に核の傘を提供したらどうかという問題提起を発した事件があり、それに対して李敦球が論評したものだ。3年前からこういう議論がされていた。引用しよう。

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# by yoniumuhibi | 2018-04-25 23:30 | Comments(0)

小西洋之への威嚇事件 - マスコミと国会は自衛官の思想的背景の調査を

c0315619_15455340.jpg小西洋之が現職自衛官に「おまえは国民の敵だ」と罵倒された事件、3日ほど経ったが、未だに抗議デモについての情報を目にしない。福田淳一のセクハラ問題については、19日夜に財務省前で市民が集まっている。どちらが重要とか言うつもりはないが、関心の度に大きな差があることが気になる。マスコミも小西洋之の事件についてはほとんど報道しない。セクハラ事件の被害者である女性記者やその上司には名前がネット上に流れているが、小西洋之を脅した30代の統幕3左については名前が漏れていない。ツイッターの検索で事件のその後を追跡しようとすると、右翼による小西洋之への悪罵と自衛官を擁護する書き込みでTLが溢れ、神経衰弱になって読むのをやめてしまう。マスコミはこの統幕3左について調査報道するべきで、どのような人物なのか明らかにするべきだ。特に知りたい問題は、この男の思想的背景で、右翼団体との関係はあるか、右翼運動に参加した経験はあるか、右翼思想への感化や傾倒の事実はないか、正確なジャーナリズムが提供されることを期待したい。本当に恐ろしい事件が起きた。われわれもマスコミも、事件の意味の大きさと深刻さを考え、どう認識すべきか言葉を探すべきだ。

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# by yoniumuhibi | 2018-04-23 23:30 | Comments(2)

シリアの「化学兵器」とイラクの「大量破壊兵器」は同じだ - 四つの動機

c0315619_17523874.jpg東京新聞が、化学兵器はでっちあげだとするシリアの反体制派の主張を記事にしている。いわば内部告発だ。共同通信が匿名で取材した情報で、タイムスタンプは英米仏の軍事攻撃の直前の13日17時33分。非常に興味深い。テレビで何度も被害の映像が流されるところの、7日に東グータ地区で起きた化学兵器使用の疑惑について、シリア政府とロシアは事実無根だと全面否定している。日本のマスコミの論調は、一部を除いてアサド政権の仕業とする見方に傾いていて、しばき隊などもアサド政権の犯行だと頭から決めつけているが、それは公平な認識とは言えない。事件について、米国も英国もアサド政権が行ったと断定しながら、その証拠を未だ示していない。軍事攻撃に踏み切った確証を正しく説明していない。証拠を握っていると口で言いながら、それを明らかにしていない。われわれがまず想起しないといけないのは、15年前のイラク戦争の真実と教訓だろう。開戦の口実として喧伝された「大量破壊兵器」は、英国の情報機関によって捏造されたウソだった。真っ赤なウソを根拠に米軍はバグダッドを空爆し、多国籍軍がイラクに侵攻した。

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# by yoniumuhibi | 2018-04-16 23:30 | Comments(4)

無司法状態の日本 - 検察の超不作為、堀田力に騙されて頷く膳場貴子

c0315619_15561993.jpg3月26日(月)に天木直人氏と対談したとき、私は、「今週中に佐川逮捕と強制捜査と麻生辞任があるでしょう」と予想を述べた。もう2週間以上前のことになる。佐川宣寿の証人喚問の前日だった。結局、甘すぎた見通しは大外れとなり、政局予想を間違って面目丸潰れの格好になっている。今さら弁解を言うのは見苦しいが、佐川喚問の前の週(3/19-3/23)は大阪地検のリークがマスコミに溢れていて、喚問と同時に任意聴取に着手、さらに強制捜査の準備万端とどの新聞も書き、検察の捜査始動が予告されて国民の間で期待が高まっていた。当時を振り返ると、検察は明らかにしびれを切らしていて、延々と先延ばしにされた佐川喚問を我慢して待っている様子に見え、国会での「通過儀礼」が終わるのを待ち構えているように窺われた。ただ、一抹の不安もあり、27日が期末の4日前であるため、検察組織の事務的な都合上、期を跨いだ後に延期する可能性もあり、そうするとまた遅れるかなという懸念が頭に浮かんでいて、さては安倍晋三はそれを狙って喚問をここまで長引かせたかなとも想像していた。

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# by yoniumuhibi | 2018-04-11 23:30 | Comments(2)

高畑勲が残した遺訓を考える - サンプルとしての富川悠太と雨宮処凜

c0315619_14112741.jpg4月5日に死去した高畑勲が、昨年、このようなことを言っている。「『火垂るの墓』のようなものが戦争を食い止めることはできないだろう。それは、ずっと思っています。戦争というのはどんな形で始まるのか。情に訴えて涙を流させれば、何かの役にたつか。感情というのはすぐに、あっという間に変わってしまう危険性のあるもの。心とか情というのは、人間にとってものすごく大事なものではあるけれども、しかし、平気で変わってしまう。何が支えてくれるかというと、やはり『理性』だと思うんです。戦争がどうやって起こっていくのかについて学ぶことが、結局、それを止めるための大きな力になる」。1年前にこの情報に接したときから、私はこの言葉に深く頷くところがあったが、そのことをあらためて確信させられたのは、高畑勲の死のニュースを報ステで伝えた富川悠太のコメントを聞いたときだった。富川悠太は、子どもの頃に『火垂るの墓』を見て戦争の恐ろしさを知ったと言っていた。この言葉はウソではなく正直な発言だろう。41歳の富川悠太が『火垂るの墓』を劇場で見たのは、30年前の1988年だから11歳のときということになる。

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# by yoniumuhibi | 2018-04-09 23:30 | Comments(4)

パキスタンの核と北朝鮮の核 - 北朝鮮非核化は後戻りできない動き

c0315619_15594346.jpg4月4日の報ステで、北朝鮮の非核化は本物かというミニ特集を放送していた。過去の非核化の3パターンを紹介し、①パキスタン型、②リビア型、③南アフリカ型を説明、その上で、韓国は北朝鮮を南アフリカ型へ持って行くつもりだという韓国政府関係者(匿名)の意向を報じていた。パキスタン型は先に支援を与える方式、リビア型は先に核放棄させる方式、南アフリカ型は支援と核放棄を同時に行う方式、という整理である。①のパキスタン型は失敗例で、結局、国際社会(米国)はパキスタンの核保有を黙認する結果となったので、②か③でなければならず、③が有効で現実的ではないかというのが番組の報道の趣旨だったと思う。パキスタンの場合、パキスタンの方から支援を求めて核放棄を交渉条件にしたわけではなく、逆に南アフリカの場合は、アパルトヘイト策への制裁で音を上げていた南アフリカが、どうしても制裁解除を必要としていたため核放棄を差し出したのだという解説が与えられ、今回の北朝鮮も自ら非核化を言い出した南アフリカ型と同じだから、巧く持って行けるだろうという韓国当局筋の見通しと自信が示されていた。

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# by yoniumuhibi | 2018-04-06 23:30 | Comments(1)

モゲリーニが北朝鮮非核化を後押し - 孤島状態の日本の報道と世論

c0315619_13105330.jpgマスコミやネットを見ていると、北朝鮮は絶対に非核化しないと言い張っている者が圧倒的に多い。マスコミの御用論者だけでなく、左翼までが北朝鮮は非核化しないと頑迷に信じこんでいる風景には驚かされる。植民地左翼脳と呼ぶべきか、米国と同じレンズとファインダーで北朝鮮や中国を観察し、その歪みと曇りに無自覚な日本の若い左翼が増えている。左翼が率先して北朝鮮への不信を煽り、ツイッターで「二分間憎悪」の勤行に精を出している。世界はどんどん変わっているというのに、日本の中にいる者だけが、米国中心の世界観に染まりきっていて、右も左も米国の神に帰依してしまっている。米国が価値の中心だと絶対視する拝米信仰から離れられない。彼らは、その固定観念のゆえに、今回の北朝鮮の非核化について正しい認識を持つことができないのだ。今週号の週刊朝日の新聞広告を見ていたら、「金正恩は核兵器を手放さない」という記事見出しが載っていた。マスコミの論調を代表するものだが、現在はこの種の偏見丸出しの俗論が横溢し氾濫していて、中朝首脳会談の意義を否定する意見ばかりで盛り上がっている。

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# by yoniumuhibi | 2018-04-04 23:30 | Comments(1)

金正恩はトランプの前で非核化宣言する - 米国と北朝鮮の思惑と戦略

c0315619_16422904.jpg中朝会談の結果の意味づけについて、4月1日のサンデーモーニングで、遠藤誉が、中朝軍事同盟の確認と復活という本質をついたコメントを述べていた。日本のマスコミ報道では、米朝会談を前に中国の後ろ盾を得たとか、米朝会談が決裂しても大丈夫なように中国の保険を確保したとか、そういう抽象的な表現で纏めている論評が目につく。平井久志や平岩俊司がテレビでそうした解説を流している。この言い回しも間違いではないけれど、国際政治の分析としては曖昧で、この政治の実相について正確な認識を視聴者に供しているとは言えない。不足がある。新華社の報道が伝えた習近平の言葉、「我々は中朝の伝統的友誼を絶えず伝承していくべき」の「伝統的友誼」とは、中朝軍事同盟のことを指すと判断すべきで、北朝鮮の安全を保障する中国の集団的自衛権の存在と行使が暗示されていると考えるべきだろう。今回の中朝首脳会談の意義は非常に大きく、北朝鮮の戦略的立場からすれば、正月から始めた一連の平和攻勢プロジェクト(=非核化外交)を、半ば成功させたと言い切ってよいように思われる。

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# by yoniumuhibi | 2018-04-02 23:30 | Comments(1)

北朝鮮は中国の核の傘に入る - 金正恩の核放棄の意思決定は本物だ

c0315619_16115194.jpg北朝鮮は中国の核の傘に入る。この結論を最初に置くことは、今回の中朝首脳会談の分析と北朝鮮の動向予測にあたっての、いわばコロンブスの卵だろう。この視点と仮説で考えると、すべてが腑に落ちてよく理解できる。中国の核の傘の下に入れば、北朝鮮の安全は保障されるのであり、米国の軍事的脅威から自国を防衛することが可能で、自ら核を持つ必要はない。金正恩の意中はこの一点だと推察される。北朝鮮と中国の間には「中朝友好協力相互援助条約」と呼ばれる軍事同盟が結ばれていて、第2条には「いずれの一方の締約国に対するいかなる国の侵略をも防止する」という規定がある。この条項は2010年に解釈変更され、北朝鮮が韓国に先制攻撃を行って戦争になった場合には中国は北朝鮮を支援しないと、そう留保の通告が中国側からなされたが、現在でも条約は破棄されず維持されている。新華社の報道によると、今回の中朝首脳会談で習近平はこう語っている。「我々は中朝の伝統的友誼を絶えず伝承していくべきだと何度も表明している。これは中朝両国が歴史と現実に基づき、国際・地域構造と中朝関係大局を踏まえて行った戦略的選択であり、唯一の正しい選択である。一時的なことによって変えてはならず、変わることはない」。

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# by yoniumuhibi | 2018-03-30 23:30 | Comments(2)

佐川宣寿の証人喚問 - 安倍晋三を守るグロテスクで強情なイヌ官僚

c0315619_16343726.jpg佐川宣寿の証人喚問があった。テレビで生中継があり、NHKも民放も全局が放送していたが、不愉快で辟易とさせられる問答が続いていた。午前も、午後も、共産党議員が追及した数分間だけがまともな場面であり、そのときだけ国民を代弁した追及がなされ、残りは不満と苛立ちだけを感じさせられる時間が流れて終わった。共産党の質問時間はやけに短かった。午後の衆院の宮本岳志などは、これから追及の本番かと期待が高まったときに持ち時間の6分が終わり、拍子抜けさせられた。ふてぶてしく開き直る佐川宣寿が主役の、国民と国会をバカにした偽証と証言拒否のオンパレード。佐川劇場。自らの虚偽答弁を最後まで認めようとせず、昨年の国会で「確認した」と答弁したのは文書保存期間1年未満の細則のことだったと、宮本岳志に対して強情に言い張った絵には絶句させられた。こんな男のこんな立ち回りを許してはいけない。市民は佐川宣寿を議院証言法違反で告発すべきで、偽証罪で懲役刑に服せしめるべきだ。そうでなければ、国会証人喚問など何の意味もない制度になるし、国会の国政調査権は有名無実のものになってしまう。

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# by yoniumuhibi | 2018-03-28 23:30 | Comments(5)

忖度ではない、権力犯罪だ - 公文書管理法ではなく刑法の問題だ

c0315619_15384760.jpg森友問題をめぐるマスコミ報道の論調と態度で、気になる点が幾つかある。その一つは、この問題を官僚の忖度の物語に仕上げようとする言論が目立つことだ。やたらと忖度という言葉を使って問題を説明する者が多く、そういう場面に出くわすことが多い。19日のプライムニュースに出演した岩井奉信の発言が顕著だったし、参院予算委の集中審議で質問していた民進党の大野元裕もそうだ。野党が質疑で、官僚が忖度したのではないかとか、官僚の忖度を招いたのではないかという質問を発すると、安倍晋三は嬉々満面の得意顔になり、答弁でも「忖度」という言葉を連発して、そのようなことは分からないと言う。忖度とは「他人の気持を推し量ること」の意味だから、相手がこちらのことをどう推量しているか、どのように意思を汲み取っているかは、こちらは明確に分からないし、そういう二者の関係になる。二者の関係は物理的には切断されている。つまり、安倍晋三と官僚という関係の中で、官僚が何か忖度して行政の行為を起こしたとしても、それは官僚が勝手にやったことで安倍晋三には責任はないという構図になる。

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# by yoniumuhibi | 2018-03-22 23:30 | Comments(3)

「身分なき斡旋利得」の法理 - 安倍昭恵の犯罪についての試論

c0315619_15061444.jpg安倍昭恵の行為は法的にどのように意味づけできるのだろう。何らか罪に問える法律論を構成することはできるのだろうか。昨日(19日)の国会での共産党の質疑で見事に解説されていたように、森友学園の国有地取得にあたっては、要所要所で安倍昭恵が登場し、財務省側に積極的な働きかけを行っていて、最終的に国が大幅値引きを認めて売却するという結果に至った。特例措置と称して背任が行われている。辰巳孝太郎がパネルで簡潔に総括したとおり、森友学園側には資金がなく、近畿財務局側にとっては最初から話にならず、交渉は打ち切りという進行になっていた。そこに突然現れたのが安倍昭恵で、籠池夫妻とのスリーショットの写真が突きつけられ、近畿財務局が狼狽し、本省にお伺いを立てる政治案件となり、そして、地中ゴミを捏造する不正工作に国が加担し、異例の8億円値引きを許容・決済して売却契約するのである。首相夫人である安倍昭恵が影響力を行使することで、財務官僚たちは背任を行い、森友学園は不当に安く土地を手に入れることができた。安倍昭恵に注目したとき、事件の全体図は法律論としてどう描くことができるのだろうか。

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# by yoniumuhibi | 2018-03-20 23:30 | Comments(7)

検察が背任の証拠を毎日紙面でリーク報道 - 迫田英典ら3人も逮捕か

c0315619_17475072.jpg昨日(15日)、田中龍作が、財務省で2人目の死者が出ていると報じた。記事によると、その職員は理財局国有財産業務課の債権管理係長で、1月29日に死亡し、自殺として処理されたとある。安倍晋三や佐川宣寿の国会答弁の資料を作る仕事をしていたと田中龍作は書いている。本名はすでにネットに上がっていて、付随して、女性職員が自殺未遂したとか行方不明になっているなどという噂も検索で引っ掛かってくる。本省職員だからキャリアだろうし、係長だったらまだ30歳ほどの若さだ。15日の野党合同ヒアリングの場で議員に質問され、財務省幹部が即答で否定しなかった経緯もあり、この報道は半ば事実であると考えてよいだろう。衝撃の大きさに目眩を覚える。本当に松本清張の小説の世界になってきた。昨年、森友学園の工事で土を搬出する業者が不審な自殺を遂げた件を加えると、これで3人目の犠牲者となる。ひょっとしたら、他にもいるかもしれない。これから先、新しい死者が出るかもしれない。いったい何人が犠牲になれば事件が解決して終わるのだろう。

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# by yoniumuhibi | 2018-03-16 23:30 | Comments(2)

一粒の麦もし死なずば - 「粘土板管理」の風刺から知る普遍的真理

c0315619_14080266.jpg読売新聞が、昨日(13日)の夕刊1面で、自殺した近畿財務局職員がメモを残していて、本省の指示で文書の改竄を強いられた旨が書かれていたと報道した。NHKも7時のニュースで、本省理財局の職員が担当者に文書の改竄を指示するメールを出していたと報じた。NHKが言う「担当者」とは、自殺した職員のことだろう。このNHKのニュースは、検察からのリークを窺わせていて、今回の文書偽造事件の犯行の人間関係を示唆している。昨日13日の時点で、読売とNHKがここまで報道し、事件が犯罪であり、証拠が残っていて、捜査が進んでいるという事実が確定された。現時点で、照準は佐川宣寿に合わされていて、①証人喚問、②検察による聴取と逮捕、③麻生辞任へと続く今後の進行が見通されている。あらためて、職員の自殺は大きかった。その衝撃の大きさを痛感する。朝日の報道だけでは、事態がここまで進展することはなかった。私が天木氏と対談した8日の時点では、事態は膠着状態にあり、水面下で微妙な綱引きが続いていて、右翼がネットで朝日のデマだガセだと騒いでいる状況にあった。朝日は続報を出さず、「動かざること山の如し」で、「閑かなること林の如し」だった。

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# by yoniumuhibi | 2018-03-14 23:30 | Comments(2)


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