人手不足への対策案 - 200万人の引きこもりの再生とAIの活用を

c0315619_15251195.jpg移民政策に反対し、外国人労働者の拡大に反対する以上、人手不足を解決する対案を提出しないといけない。そのことを述べる前に、日本がなぜ外国人労働者にとって魅力的な労働市場でないのか、マスコミが触れてない要因を言う必要があるように思う。例えば、韓国と比べて、日本の労働市場がなぜ魅力の点で劣るのか、マスコミは韓国の雇用許可制の充実と優越を挙げ、行政が責任をもって外国人労働者に対応している点を指摘、日本の奴隷制同然の劣悪きわまる技能実習制度と比較する。その点はたしかにそのとおりだろう。だが、おそらく加えてもう一つ、経済的な理由があって、それは為替の問題ではないかと思われる。ウォンの対円為替レートは2012年から2018年の間に140%も騰がっていて、ウォンの通貨価値が相対的に高くなっている。2012年に1ドル80円だった円は、2015年には1ドル120円に落ちてしまった。ウォンはドルとリンクして推移している。一方、アベノミクスは徹底的な円安誘導政策だった。日本企業の好景気も、外国人観光客の爆発的増加も、円安によって媒介されている。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-15 23:30 | Comments(0)

入管法改正に反対する - 移民政策を美化・宣伝しすぎるマスコミ

c0315619_12515507.jpg昨日(12日)NHKが発表した世論調査では、外国人受け入れを拡大することについて、「賛成」が27%、「反対」が30%の結果となっていた。また、今の国会で法案を成立させるべきかの問いに対して、「成立させるべき」が9%、「成立を急ぐ必要はない」が62%となり、慎重意見が多くなっている。10月初旬に毎日新聞が行った同じ世論調査では、外国人受け入れを拡大する政府の方針に対して、「賛成」が47%で「反対」が32%という比率になっていた。また、一週間前の11月初旬に共同通信が行った世論調査でも、「賛成」が51.3%で「反対」が39.5%となっていて、賛成の声が上回っていた。読売など他の調査でも同様である。明らかに一週間前までは、国民の世論は移民法(=入管法改正)に賛成が多数で、反対論は少なかった。様子が変わったのは、8日(木)に野党が外国人技能実習生の合同ヒアリングを行い、その苛酷な労働実態を明らかにしてからで、生々しい人権侵害の諸事例が告発され、世間の注目を浴びて世論の流れが変わった。野党のファインプレーと言える。国民は悲惨な映像を見ることで、日本の外国人技能実習制度がどのような現実であるかを認識した。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-13 23:30 | Comments(2)

オカシオコルテスは希望だ - 台頭する米国社会主義のシンボル

c0315619_14155534.jpg米中間選挙は、投票率が過去50年で最高となる50%近くになると言われていて、有権者の関心の高さが際立った選挙だった。しかし、大統領選の60%に比べれば、それでも10%以上低い水準に止まっている。2年前の大統領選では4600万人が期日前投票を行ったが、今回は3500万人だった。これほど世界中が注目し、全米が昂奮して熱中した選挙なのに、有権者の2人に1人しか投票所に足を運んでおらず、半分が棄権してしまっている。トランプを信認するか否かを判断して意思を示す大事な政治機会であり、民主・共和両党が必死で票を掘り起こし、マスコミもネットも執拗に投票を呼びかけながら、半分の有権者は投票をボイコットした。この事実の意味を考えることも重要だろう。私はマイケル・ムーアの言葉をヒントに次のように考える。彼は映画の中でこう説いていた。リベラルの方が多数派なのだ。米国はリベラルの国なのだ。多くの数字を並べて例証しながら、保守の方が少数派で、絶対数としてはリベラルの方が圧倒していると強調していた。私の認識はマイケル・ムーアと同じで、問題は、今の二大政党制が多くの人々をカバーできない欠陥にあるのだと思っている。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-09 23:30 | Comments(0)

トランプの独裁権力強化となった中間選挙 - トランプ主義の米国

c0315619_12433137.jpg米中間選挙の結果について、ほとんどのマスコミが、下院で民主党が過半数を制したことを理由に、「トランプ政権に打撃」と報じている。私はこの見方に同意しない。逆だと思う。トランプと支持者は、今回の選挙戦とその結果に大いに満足しているはずだし、自らの政治力に自信と確信を深めたことだろう。終盤のトランプの巻き返しは凄まじかった。上院の議席に狙いを絞った戦略も効を奏した。実のところ、私は上院も民主党が過半数を奪うのではないかと予想していて、予想を外すとカッコ悪いので黙っていたけれど、投票率の高さは批判票として反映されると思っていた。その予想は見事に外れ、事前の世論調査どおりに収まった。民主党の大勝を想定した根拠は、町山智浩の説明と同じで、2年前に本選でサンダース票がトランプに流れたというような事態が今回は起きないからである。それと、さすがに2年もトランプ政治を見続ければ、米国民も正気を取り戻して冷静な判断を下すだろうという期待もあった。だから、選挙戦終盤のトランプの巻き返しは意外だったし、トランプ主義のムーブメントの恐るべき力を思い知った。まさにマイケル・ムーアが言うとおり、米国でファシズムが台頭している。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-08 23:30 | Comments(1)

『そろそろ左派は<経済>を語ろう』 - ブレイディみかこの序文

c0315619_14111063.jpg『そろそろ左派は<経済>を語ろう』の序文で、ブレイディみかこが次のように言っている。「政治制度としての民主主義がある程度確立されたとしても、経済的不平等が存在すれば、民主主義は不完全である。その経済的なデモクラシーの圧倒的な遅れこそが、トランプ現象やブレグジット、欧州での極右政党の台頭に繋がっているとすれば、いま左派の最優先課題が経済であることは明確である。これが欧州の左派の共通認識だ」(P.7-8)。この共通認識が日本の左派に欠落しているとブレイディみかこは批判するのだが、最初に割り込んで論評と解説を入れさせてもらうと、経済的不平等の存在が民主主義を不完全なものにするという認識は、まさしく大塚久雄の持論であって、講座派が強調していた社会科学の命題に他ならない。そして、この思想が高度成長の政策を進める上で基本にあったし、遡って、GHQの戦後改革(農地解放・財閥解体・労働三法)の断行において指針となっていたものである。民政局が推進した戦後改革の設計主任はE.H.ノーマンで、講座派系の知識人であること、あらためて言うまでもない。後にマッカーシズム禍に追い詰められ、1957年にカイロで自殺した。

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# by yoniumuhibi | 2018-11-02 23:30 | Comments(4)

マルクスと日本人 - 『きけ わだつみのこえ』と『君たちはどう生きるか』

c0315619_14051097.jpg日本で改造社版のマルクス・エンゲルス全集が出たのが1927年で、世界初であり、ドイツやソ連に先駆けてのことだった。マルクス・エンゲルス全集が最も多く販売され、多数の読者を持った国は日本で、ソ連よりも多くの部数が出ていた事実は確認しておく必要がある。私が育った町は人口1万人の片田舎で、商圏人口も3万人程度しかなく、本屋はたった一軒しかなかったが、店の奥の棚に堂々と大月のマルクス・エンゲルス全集が鎮座していた。現在の日本の風景として、どれほど小さな町の書店でも、店の奥に「人間革命」の全集が並んでいるのを見るが、それと似た市場の事情だったと考えればいい。文庫本も種類多く並んでいた。同じタイトルのマルクスの古典が2社、3社から翻訳されて、あんな小さな田舎町の本屋で売られていた。70年代前半、高度経済成長の恩恵が地方まで波及し、町で一軒の本屋が新築新装した頃の記憶だが、どんな辺境の山奥に住む者でも、文理問わずインテリを自認する者にマルクスの知識は必須で、各自が独自に、そして熱心にマルクスの理論研究をやっていた。大都会では次々と革新自治体が誕生していて、国立大学の中はマルクス研究者ばかりだった。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-29 23:30 | Comments(2)

マルクスと日本人 - 世界一の右翼大国、世界一のマルクス大国

c0315619_13124146.jpg前回の記事で、イプソスというマーケティング・リサーチの会社が行ったところの、社会主義の理念と価値に対する評価をグローバルに尋ねた意識調査を紹介した。世界28カ国を対象に調査した結果、社会主義を肯定すると答えた割合の平均は50%で、新興国が50%台前半、先進国が40%台後半という結果になっている。28カ国の中で極端に数字の低い国があり、21%という例外的な値を出した日本である。私は常々、日本は世界一の右翼大国であるというツイートを発して、その警告的表現を目にする者に覚醒を試みているが、その指摘が決して不当なものではなく、われわれ自身の客観的な真実であることが証明された統計データと言えよう。大規模市民デモで左派政権を樹立したお隣の韓国では、社会主義への肯定度は48%で、ほぼ平均並みの位置であり、日本はその半分以下しかない。資本主義の総本山の国である米国よりも低く、世界の中で突出した反共国家であると認めてよい。日本では社会主義の思想が異端化されている。公共空間の中で絶対悪の表象となっていて、デフォルトで排斥され、禁忌の扱いの存在になっている。だから、生活保護の水準を切り下げられても不満が出ない。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-25 23:30 | Comments(1)

マルクス生誕200年 - 世界での社会主義の意識調査結果と日本

c0315619_14015605.jpg今年はマルクス生誕200年の年で、一昨日(21日)は専修大学で「カール・マルクス、その現代的意義を問う」と題されたシンポジウムが催された。五つの分科会が企画され、各4時間の報告と討論が行われていて、それぞれ内容豊かな議論がされていたことが窺われる。12月には法政大学でも国際シンポジウムが開かれるらしい。欧州各国でも記念事業が行われ、出版物のラッシュが続いていると伝えられている。昨年、米国の意識調査に関する記事があり、米国の若者の4割が米国の経済システムを変えるべきだと考えていて、社会主義・共産主義を肯定的に受け止めている割合が半数近くに上っている事実に接して驚かされた。マルクスに対して32%が好意的だという数字が出ている。この調査はVCMHという機関によるものだ。それと重なるものとして、2016年にハーバード大学政治研究所が行った調査があり、18-29歳の若者3183人に質問して回答を得たところ、51%が「もう資本主義は支持しない」と答え、「資本主義を支持する」の42%を上回る結果が出たとある。社会主義を支持すると答えた者が33%もいたらしく、この数字にも驚かされる。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-23 23:30 | Comments(0)

NHK「マネー・ワールド」第3回 - ミャンマーの農村金融禍に絶句

c0315619_15124073.jpg14日に放送されたNHK「マネー・ワールド」第3回は、とても衝撃的な内容だった。今回の番組の事実上のプロデューサーは水野和夫で、世界のマネーの現実がどうなっているかを「借金」という切り口で見せ、いま世界中の国と企業と個人が膨大な借金を抱え、その借金が経済成長に有効に機能せず、限界に行き当たっている現状を説明していた。水野和夫はこの現実を持論である「資本主義の終焉」論に惹きつけて解説、借入金が成長を促して発展を遂げてきた資本主義のシステムの破綻だと結論を置いていた。特に注目させられたのは、個人の借金の部で描かれたタイとミャンマーの事例である。10年間で1.7倍の経済成長を遂げた新興国のタイに、世界中からマネーが流れ込み、個人相手の消費者金融が活況を呈している。金利は28%という暴利で、借りた者はすぐに返せなくなって多重債務者となり、現在、タイでは7人に1人が返済困難の状況に陥るという深刻な事態になっていた。そのタイの消費者金融市場の4割のシェアを日本のサラ金業者が占めていて、プロミスやアイフルやアコムやイオンなどが大活躍を演じている。


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# by yoniumuhibi | 2018-10-17 23:30 | Comments(6)

米国経済のディレンマ - 株暴落を導く高金利と中国制裁の二政策

c0315619_14094904.jpg昨日(11日)のNHKの7時のニュースは、米日の株安とバリ島ヌサドゥアのG20でのラガルドの会見映像を流し、米中貿易戦争を懸念するコメントを伝えていた。一昨日(10日)のブログ記事に書いた冒頭部の記述が、株価暴落という事件の発生を経て、そのままNHKのニュースになった感じがする。NHKの報道は、今回の株安について、①米国の長期金利の上昇と、②米中貿易摩擦の二つが原因だと端的に説明した。そのとおりだ。米国の株価高騰が一本調子で推移してきた背景も簡単に触れたが、できればもう少し具体的な数字を挙げ、トランプが大統領選に当選した2年前の11月時点のダウが1万8000ドルで、今月3日につけた最高値が2万6828ドルで、2年間で50%も騰がっている事実を指摘してもらいたかった。トランプバブルの現実である。米国の景気が好調で、失業率も48年ぶりの低い数字を記録し、実体経済が順風満帆であることは間違いない。だが、それでも2年間で株価が50%も騰がるのは異常で、実体経済を反映していないバブル現象であることは歴然だ。だからこそ、景気が過熱気味だとして、FRBは政策金利を引き上げ続けてきたのである。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-12 23:30 | Comments(0)

ペンス・ドクトリン - 同盟国日本への対中国経済制裁協調の押しつけ

c0315619_15074972.jpg昨日(9日)、IMFが世界経済見通しを発表し、米中貿易摩擦が与える影響について試算を出した報道があった。その予測では、インパクトは2020年に米国のGDPを1.0%押し下げる結果となり、経済制裁を各国に仕掛ける米国が最も大きな打撃を受けると警告している。中国は2019年に1.6%の悪影響が及ぶが、長期的には成長率を鈍化させる効果は薄いと結論した。この発表は、明らかに4日にペンスが演説した新冷戦宣告を意識したもので、ラガルドがそれに対して異論を発したものと意味を考えられる。報告はIMFがバリ島のヌサドゥア・リゾートで開催した年次総会で出されたものだが、それに先立つ4日、ラガルドは日経新聞のインタビューで、「貿易摩擦は機会の損失」だと言い、「影響は中国だけでなく、同じ供給網を築いている近隣国にも及ぶ」と指摘、「米国でも消費者を中心に悪影響が広がる」と述べた。G20全体の協調で従来どおり安定的に世界経済の成長を図ろうとするラガルドにとって、ペンスの新冷戦宣告演説は忌まわしい衝撃だっただろう。IMFが分析し推計しているのだから、予測の数字はひとまず信用してよいと思われる。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-10 23:30 | Comments(1)

玉城デニーはDCに飛べ、間髪を置かず自己決定外交に打って出よ

c0315619_14370624.jpg沖縄県知事選に当選した玉城デニーが、初登庁して就任会見する映像が昨夜(4日)のテレビのニュースで流れていた。本日(5日)の朝日3面にも記事が載っていて、「新基地建設阻止に全身全霊で取り組む」と決意を述べている。「国際社会にも訴え、共有できる価値観を広げていきたい」「対話の窓口を、米国と政府に求めていく」と言っている。天木氏との1日の対談でも強調したが、この行動はすぐにやってもらいたいし、時間を置いてはいけない。最初が肝心だ。すぐに、来週か再来週中にもDCに飛び、NYに飛ぶべきで、まずは米国メディア(NYT、ABC、CNN)のインタビューを受けるべきだ。国務省・国防総省とのアポイントを無理に調整する必要はない。DCでのスクラッチの外交を、そのままリアルに米国メディアにドキュメンタリー取材させればよく、密着させて撮影報道させればよいのである。国務省・国防総省が冷酷に門前払いすれば、その証拠の絵をそのまま収録させればよいのだ。天木氏も新知事に外交をせよと発破をかけていたが、私も全く同感で、それは即断即行しなくてはならず、NYTの社説の影響が生暖かいうちに、最も政治的効果がある時間内に果たさなくてはいけない。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-05 23:30 | Comments(1)

改憲シフトの党人事と安倍改憲の情勢 - 煽るマスコミ、醒める公明党

c0315619_13363234.jpg改造内閣と党人事の名簿が発表され、昨日(2日)のテレビのニュースのトップで報道された。憲法改正シフトが特徴だと各マスコミが報じている。総務会長に加藤勝信、憲法改正推進本部長に下村博文、選挙対策委員長に甘利明を据えた配置を見ると、この布陣でそのまま改憲に突っ込む意思が露骨に現れていることが窺える。組閣後の安倍晋三の記者会見でも、臨時国会で改正案の提出をめざすと言い、総裁選のときに語った改憲スケジュールを再び確認した。この秋に、安倍晋三が改憲の動きを再燃させてくることは確実で、具体的な条文改正案を固めて自民党内を纏め、公明党との調整を図って合意することを目標にしているのだろう。朝日の2面記事には、選対委員長を甘利明にしたのは、国民投票を仕切らせる思惑があるからだという観測がある。そう受け取ってよいだろう。各マスコミが報じているように、2013年の参院選で安倍晋三は大勝しすぎていて、このベースを来年参院選でも維持しないと3分の2は保全できない。そのため、衆参で3分の2を得ている今、一気に改憲に突入するべしと作戦を考えるのは自然で、そういう状況判断があることを安倍側近議員が朝日の政治記者に書かせている(2面)。

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# by yoniumuhibi | 2018-10-03 23:30 | Comments(1)

米中貿易戦争は米中経済戦争の緒戦 - 覇権国家交代への最後の試練

c0315619_16362176.jpgトランプが始めた米中貿易戦争について、私はずっと楽観的な見通しで報道を眺めていた。この政策の動機は、11月の中間選挙の情勢を有利にする一点にあり、2年前の大統領選挙時と同じように中国の不公正を訴えて派手な中国叩きを演じ、没落白人層の共感を掴んで集票することが目的だろうと踏んでいた。したがって、中間選挙が終われば収拾へと向かい、来年になれば米中首脳会談を経て元の関税率に戻るだろうと予想していた。だが、現在の状況を見ると、通商をめぐる米中関係の悪化が早期に収束する気配はなく、さらに対立が深刻にエスカレートしていて、とても年内に問題解決されるとは思えなくなった。トランプが中国からの輸入品の一部に高関税をかけ、今回のチキンレースを始めたとき、日米のマスコミはトランプに批判的な声を揃え、自分の足を拳銃で撃つ愚かな行為だと批判を並べていた。肯定的な見方は全くなく、米国の農業関係者や中国で事業している大企業や投資家や、物価が上昇して困る消費者から不満が上がり、すぐに政策を撤回するだろうと予測する報道が多かった。だが、半年経って様相はずいぶん違っている。チキンレースという言葉で問題が表象化されなくなった。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-27 23:30 | Comments(1)

四選・終身独裁に向かわざるを得ない理由 - 「ポスト安倍」不可能論

c0315619_13020375.jpg自民党総裁選で、石破茂が党員票(地方票)の45%を得た意味は小さくない。当初、安倍陣営はトリプルスコアで勝利すると豪語し、党員票でも70%を集める目算で動いていて、そのことを「情勢報道」としてマスコミの記者に書かせていた。終盤になって、党員票の55%が目標だと言い出して後藤謙次にテレビで撒かせたが、それは、実際に70%を取った場合に圧勝を演出するための作為的な布石であり、安倍陣営の工作の手口であって、彼らの票読みの反映ではない。結局、20日に蓋を開けたところ、安倍陣営の目論見が大きく外れる結果となり、「地方票の反乱」とマスコミに評される政治となった。選挙期間中、安倍晋三は討論と論戦を嫌って逃げ回り、災害を口実にして選挙戦を止め、対ロ外交を姑息に挿入してマスコミ報道の関心を散らし、ありとあらゆる汚い手を使って選挙を自分に有利に導いた。自民党の地方組織を締め上げ、地方議員や現職大臣を恫喝しただけでなく、石破茂が地方で党員集会を開けないように選挙妨害までやった。自分の勝利は確実なのに、大差圧勝の絵を作るため、自民党総裁選とは思えないような卑怯で強引な選挙手法に終始した。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-25 23:30 | Comments(1)

平壌南北首脳会談の不足感 - 金正恩は国連総会に出るべきだった

c0315619_14371114.jpg文在寅が平壌を訪問しての三度目の南北首脳会談、今日20日の朝日の社説はこう書いている。「平壌での共同宣言は、戦争の危険の除去と敵対関係の解消などをうたった。冷戦の残滓といわれた南北が対立の歴史を乗り越え、和解を深めることは歓迎すべきことだ。ただ、(略)非核化問題を棚上げしては真の改善は望めない。この前向きな機運をさらに広げ、国際社会が抱く懸念の解消に向けて努力を続ける必要がある」。この意見に私も同感だ。もう少し非核化について踏み込んだ内容が欲しかったし、期待を満足させる結果を出してもらいたかった。朝日の2面記事によれば、「文在寅韓国大統領はトランプ米大統領からの依頼を受け、米側の主張を受け入れるよう首脳会談で正恩氏を説得した」とある。非核化対象のリストと行程表の申告、それの検証という米国側の要求に妥協するよう金正恩を説得したが、金正恩は米国への不信感をぶちまけて応諾しなかったと書いている。2面記事はCIA工作員の疑いのある牧野博愛のもので、どこまで信用していいか眉唾だが、文在寅にはもう少し粘って説得し、具体的な進展を得たと認められる北朝鮮の譲歩を引き出して欲しかった。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-20 23:30 | Comments(0)

南シナ海での中国に対する「武力の威嚇」 - 反発も警戒もない世論

c0315619_14093625.jpg今日18日の朝日の1面トップには、「陸自、多国籍軍へ派遣検討」の見出しが打たれていて、シナイ半島で監視活動をする多国籍軍に陸自隊員を派遣するという記事が出ている。2015年に成立した安保法制の中の「国際連携平和安全活動」を適用するとある。国連PKOとは無関係な多国籍軍の活動に、この制度を適用して陸自を派遣するのは初めてのことで、要するに実績作りが目的らしい。昨日17日には、同じく朝日の1面トップに「海自潜水艦、南シナ海で訓練」の見出しが躍っていた。南沙諸島付近の海域で、海自の潜水艦と護衛艦が中国の潜水艦を敵として想定した軍事訓練を行い、中国を牽制したことを発表していた。二日連続で自衛隊の海外派遣が朝日の1面トップで報道されている。どちらも、決して朝日が政府に都合の悪い情報をスッパ抜いたということではなく、政府が自らマスコミに撒かせて国民に告知しているもので、いわゆる大本営発表の軍事宣伝である。朝日がそれに積極的に協力して紙面を作っていて、読者としてどうにも憂鬱な気分にさせられる。南シナ海の海自の訓練の件は、17日のNHK7時のニュース、NW9、報ステと、番組のトップで伝えられた。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-18 23:30 | Comments(1)

「電力不足」の虚偽と扇動 - なぜ太陽光・風力を系統接続しないのか

c0315619_13530934.jpg今週に入って、ずっと北海道の節電と計画停電の問題がマスコミで大きく取り上げられている。NHKの7時のニュースでは、9月9日から12日まで毎日トップで扱われ、朝日新聞の9月11日と12日の紙面も1面トップで報じている。11日の1面見出しは「北海道、節電長引く恐れ」であり、12日の1面見出しは「電力、全面復旧11月以降」だった。他の新聞の1面を確認すると、やはり朝日と同じ報道になっている。要するに、北海道で電力の需給が逼迫しているから2割節電に協力せよというメッセージであり、国策に従うようマスコミが説いて回っている。北海道以外の者には、こういう事態になるから電源の確保は大事なのだぞと教訓を垂れている。素朴に疑問を呈したいが、北海道電力と経産省が説明しているところの、現在確保した350万kWの供給量の積み上げの中には太陽光と風力は入っていない。北電のHPを確認すると、2017年度の再生エネの導入量として、風力38.7万kW、太陽光132.9万kWの実績が示されていて、5年前の1.7倍に増えたと自慢している。合計すると171万kW。これを単純に350万kWに足すと521万kWになり、すなわち2割の節電は不要になる。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-13 23:30 | Comments(2)

昭和天皇の戦争責任を追及すると右翼テロに襲われるのか

c0315619_14480514.jpg最新の天木直人氏との動画対談で、昭和天皇の戦争責任の問題を取り上げさせていただいた。その中で少し気になったことがある。それは、天木氏から再三、こういうことを言うと右翼に狙われるとか、襲撃される恐れがあって危険だという反応が返ってくることで、その右翼テロのリスクに対する認識というか感性が、私と天木氏の二人の間でかなり差があることに気づく。実際に、社会的に知名度と影響力があり、選挙に立候補して街頭演説で身を晒して9条護憲を訴えようとする天木氏と、無名で無責任でノーリスクの私とでは立場が違い、客観的な危険度の水準が違う。私の方が相対的に無警戒な「平和ボケ」の油断に傾いてしまい、いわば他人の迷惑も顧みず、無神経に歯に衣を着せぬ言論の冒険ができるということなのかもしれない。が、私はそれ以上に、二人の間の年齢差によるものが大きく、昭和天皇の戦争責任の問題をタブー視する意識の介在の程度が、二人の間で異なるのではないかという気がしてならない。つまり、もっと若い世代なら、もっと右寄りの者でも、昭和天皇の戦争責任についてはあっけらかんと認める態度に出るのではないか。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-11 23:30 | Comments(4)

ブラックアウトの謎 - 停電解消の遅れは原発復権のための作為か

c0315619_12553314.jpg胆振地方で発生した震度7の地震によって、北海道全域の295万戸が停電した。北電最大の火力発電所(165万kW)である苫東厚真発電所の発電機3基が故障して停止、電力の需給バランスが崩れ、他の火力発電所が自動的に停止するブラックアウト現象が起こったため、道内全域の停電に追い込まれた。北電とマスコミはそう説明している。停止した火力発電所を再起動させるためには外部電源が必要で、水力発電を動かし、順次稼働させ、さらに本州から融通を受ける60万kWを加えて、本日7日中に290万kWまで回復させると言う。これは、5日の最大需要量である380万kWの76%の供給量であり、苫東厚真発電所の修理復旧に一週間を要するため、北電は道民に節電を要請する発表をした。北電の記者会見が行われたのは、昨日6日の午後12時すぎと午後4時である。この北電の説明とそれを鵜呑みにしているマスコミの報道は、少し腑に落ちない。どこが疑問なのかというと、素朴に、なぜ停止した他の火力発電所の再起動に1日以上の時間を要するかという点である。北電のHPを確認すると、火力発電所の一覧が載っている。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-07 23:30 | Comments(5)

杉浦重剛の裕仁皇太子への倫理教育 - 三種の神器と教育勅語

c0315619_13143956.jpg昭和天皇の思想形成において、もう一人重要な人物がいる。東宮御学問所で倫理学を進講した国粋主義者の杉浦重剛だ。学習院初等科を出て、裕仁皇太子は高輪の東宮御学問所で13歳から20歳まで教育を受けるが、このとき倫理学の講師を担当したのが杉浦重剛である。奇妙な経歴の持ち主で、理化学を学ぶべく維新政府の留学生としてロンドンに派遣されながら、神経衰弱になって明治15年に帰国、以後は国粋主義者となって三宅雪嶺などと政治言論の活動をしている。前半は夏目漱石と似ているが、後半は雲泥の生涯だ。理系の秀才がなぜ国粋主義者に化けたのかは不明だが、おそらく漱石と同様に英語の能力で悩み、東洋人への偏見と差別に遭って鬱病を発症したのだろう。国粋主義の文系闘士に転じたのはそれが動機と思われる。杉浦重剛も、三宅雪嶺も、人物を紹介する欄には真っ先に国粋主義者の文字が踊っている。その杉浦重剛がどうして裕仁皇太子の倫理教育の係に選任されたのか、誰の人選によるのか、古川隆久の本にも説明がなく謎だ。明治天皇もしくは乃木希典の遺言だったのかもしれない。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-05 23:30 | Comments(1)

古川隆久『昭和天皇』の歴史修正 - 乃木希典の存在と影響を無視

c0315619_14434495.jpg古川隆久の中公新書『昭和天皇』は、特に青年期に至るまでの教育課程に注目し、どのような思想形成を行ったのか実証的に明らかにした研究書だとされている。本人も「はじめに」でその成果を自慢しており、世評的にもその功績でサントリー学芸賞を受賞したということになっている。だが、実際に中身を読み込むと、まさしくその昭和天皇の思想形成過程の記述にこそ、悪質でイデオロギー的な歴史修正が施されていて、史実をねじ曲げて昭和天皇を美化する構成になっていることに気づく。最も重要な問題から指摘していこう。まず何より、乃木希典の役割と位置づけの欠如である。古川隆久は意図的に乃木希典について触れておらず、その存在を過小評価して脇に追いやっている。この点は、昭和天皇と乃木希典の関係について常識を持つ一般人だけでなく、豊富な知識を持つ右翼が読んでも違和感を覚えるところだろう。周知のとおり、昭和天皇は、自身の人格形成に最も影響があった人物として乃木希典を挙げている。乃木希典は、裕仁親王が学習院初等科に入学するときに教育係として学習院院長に任命された。

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# by yoniumuhibi | 2018-09-03 23:30 | Comments(0)

古川隆久の『昭和天皇』 - 戦争責任を否定して擁護する悪質な右翼本

c0315619_14222153.jpg旧ソ連時代にモスクワを旅して、赤の広場にあるレーニン廟を観光したことがある。廟はあのとおり花崗岩で造られた小さな建物で、入口を入ると地下への階段があり、それを少し降りると遺体安置室まで通路が伸びている。観光客は列を作って順番に前へ歩いて行く。その狭くて暗い通路の脇に、青い軍服を着た衛兵が銃を持って静かに並んでいた。全員、二十代前半と思われる若くて背の高い美男子で、選りすぐりの精鋭を揃えているのが印象的だった。遺体はエンバーミング処理が施されたものだと現在では正しい説明がされている。当時はそのような知識や情報はなく、ソ連邦科学アカデミーが誇る「死体防腐処理」の正体は謎だった。遺体を目にしたとき、すぐに感じたのは、これは蝋人形じゃないかという疑いである。どう見ても蝋人形的で、表面がテカテカしていて、人の遺体の実物には見えなかったのだ。蝋人形だという噂は当時からあった。国家の中枢に置かれている、その国家を国家として成り立たせている神聖なものが、ニセモノのダミーで、ウソを世界中に言っている。そう感じた。この国は長くないなと思った。

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# by yoniumuhibi | 2018-08-31 23:30 | Comments(0)

昭和天皇の戦争責任 - 増田都子の『昭和天皇は戦争を選んだ!』

c0315619_15162640.jpg昭和天皇の戦争責任の問題について、本を読み探して勉強をしている。昨年、岩波書店から山田朗の『昭和天皇の戦争―「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと』が出版されていて、宮内庁の公式伝記である「実録」が、いかに公になっている不都合な事実を隠蔽し、昭和天皇を美化する目的で史実を歪曲したものであるかを明らかにしている。この作品が学界のブランドである岩波から出たことは事件だろう。山田朗といえば、昭和天皇の戦争指導の具体的事実を一つ一つ暴き、証拠を提示したことで有名な歴史学者で、その著作は主に新日本出版社から刊行されている。その山田朗が、おそらくは保阪正康や半藤一利や御厨貴も編集に関わったであろう正史の「実録」の虚偽を暴露する本を、権威の卸問屋たる岩波が世に出したということは、この国の歴史認識の問題において重要な出来事であろうと思われる。果敢な挑戦であり、歓迎すべき成果である。吉田裕の『昭和天皇の終戦史』、豊下楢彦の『安保条約の成立』に続く、山田朗の「昭和天皇の戦争責任」が岩波新書で登場する日も近いかもしれない。

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# by yoniumuhibi | 2018-08-29 23:30 | Comments(2)

昭和天皇の戦争責任 - 右翼の神話と化している責任不在論

c0315619_13381584.jpg昭和天皇の戦争責任の問題について、共同が元侍従日記のスクープを地方紙に配信し、その報道を受けて志位和夫が正論のツイートを発して5日が過ぎた。天木氏が言ったように、この志位発言をマスコミは黙殺する対応に出ていて、新聞もテレビも一社も取り上げようとしない。だけでなく、140字で簡潔に結論された志位発言に対して、自民党の大物とか保守論壇の著名文化人とかからの反論や批判もなく、誰もこの問題に触れようとしない。また、さらには、左派の政治家や著名人や学者からもコメントが皆無で、誰からもサポートやエンドースがない状態で放置されている。きわめて奇妙な光景だ。右から批判がないのは当然で、志位和夫の主張が正論であり、歴史研究の豊富な裏づけがあり、ひとたび難癖をつけて論争を始めれば、衆目の中であっさり論破されて恥をかき、不具合な事件として広まるリスクがあって、そんな面倒な手間と責任を負いたくないからだ。また、まともに論争を始めれば、次から次へと具体的な証拠を並べられ、侵略戦争を差配・指導した昭和天皇の実像が露わになるため、それを恐れて沈黙に徹しているのだろう。

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# by yoniumuhibi | 2018-08-27 23:30 | Comments(3)

志位和夫の勇気ある渾身のツイートに拍手 - 昭和天皇の戦争責任

c0315619_12120890.jpg昨日(23日)、昭和天皇が戦争責任について晩年に侍従に語った件が報道された。元侍従の小林忍が日記に書いていて、共同通信がそれを入手し公開したものだ。全体の文脈を読むと、85歳(死の1年半前)の昭和天皇が侍従に愚痴をこぼしていて、長生きしても楽しいことはない、近親者も不幸になるし、戦争責任のことを言われるしと嘆いている。朝日の記事を見ると、その昭和天皇の愚痴に対して、小林忍は「戦争責任はごく一部の者がいうだけで国民の大多数はそうではない。(略)お気になさることはない」と慰めている。おそらく、この小林忍の慰めが欲しくて、昭和天皇は愚痴をこぼしたのだろう。テレビのニュースでは、右翼の古川隆久が解説に登場し、「昭和天皇が戦争責任の問題を長年重く受け止め、高齢になるにつれその思いが強くなっていたことがうかがえる」と「分析」を垂れていた。昭和天皇が戦争責任を重く受け止めていたというフィクションを撒き、視聴者にフェイクを刷り込んでいる。驚いたことに、朝日の紙面(2面)にも古川隆久が出ていて、NHKと同じ「解説」を記事にしている。脱力させられた。

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# by yoniumuhibi | 2018-08-24 23:30 | Comments(4)

ノモンハン事件の歴史認識と三つの動機 - 辻政信化した現代日本人

c0315619_14590177.jpgノモンハン事件は、中国との戦争と米国との戦争の間に起きたソ連との戦争である。盧溝橋事件が37年7月、真珠湾攻撃が41年12月、ノモンハン事件は39年5月に起きている。それはまた、1931年の満州事変から始まる長い15年戦争のちょうど中間の時点に位置する戦争でもあった。ノモンハン事件はどのような戦争だったのか。どのような歴史認識として定着しているのか、それを確認しようとしたが、あまり明確なものがないような印象を受けた。手元にある山川出版社の高校日本史Bの教科書(1996年版)を見ても、本文中に記述がなく、独ソ不可侵条約の注記の扱いでページ下欄に触れられている程度で(P.327)、あまり重要な扱いがされておらず、十分な説明が加えられていない。一般には、NHKの特番や司馬遼太郎の言葉がノモンハン事件の表象になっていて、参謀辻政信の狂気の暴走と陸軍首脳部の病的な無責任という図式で歴史認識が総括された格好になっている。半藤一利がその語り部の代表だ。が、私にはどうもこの語り方が不十分であるように不満に感じられ、もっと立体的に概念的にこの歴史を捉える必要があると思われてならない。

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# by yoniumuhibi | 2018-08-22 23:30 | Comments(3)

半藤一利『ノモンハンの夏』の歴史認識の問題点 - 対ソ戦の国家意思

c0315619_14392383.jpg8月15日にNHKが「ノモンハン 責任なき戦い」を放送した。分かりやすい内容に仕上がっていて、ノモンハンの歴史的事実をよく概説し、日本の戦争の意味と教訓を浮き上がらせた番組だったと思う。学校の歴史教育の材料として十分な作品だ。おそらく、この番組の制作にあたっては半藤一利が何らか関わっているはずで、スタッフに助言と指導を与えたものと推測される。司馬遼太郎の言葉が引用され、それが全体の基調を成していたところからも、この番組の影のプロデューサーが半藤一利であると見当をつけて間違いはないだろう。と考えて、文春文庫で出ている半藤一利の『ノモンハンの夏』を読んでみた。ポピュラーな本で、1998年に山本七平賞を受賞している。ノモンハン事件についての現在の日本人の一般認識を示すものと言っていい。だが、読む前から予想していたことだったが、やはり不具合を覚える結果となった。違和感の正体と原因は何かというと、辻政信一人に問題を収斂させている筆致への抵抗である。辻政信の個性の偶発的な悪魔性と陸軍の集団の出鱈目さを強調して事件を総括している。その視角と方法に限界を感ぜざるを得ない。

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# by yoniumuhibi | 2018-08-20 23:30 | Comments(1)

平成最後の終戦の日 - 戦没者追悼式とNHKのノモンハン特集番組

c0315619_14013990.jpg平成最後となる終戦の日の全国戦没者追悼式、そこで天皇陛下がどういう言葉を残すか注目した。結局、「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ」という一節が加わっただけで、期待したほどの大きな加筆や提起はなく、従来とほぼ同じ内容のものが淡々と述べられて終わった。もっと何か言い残したいことがあったのではないか、国民に訴えたいものがあったのではと胸中を推し量るが、2年前の退位表明の革命行動以降、則を超えないよう自制と禁欲に努めているようであり、今回もそのように自重を心得たのだろうと想像する。今回、天皇陛下の表情は憮然としているように見えた。昨年、一昨年は、来し方を振り返り感慨に耽っている様子が看て取られたが、今回はずっと固い表情を崩さず、事務に徹しているという感じだった。天皇陛下が憮然としていたのは、おそらく、目の前にいるのが安倍晋三だったからだろう。またおまえか、まだおまえがやっているのか、大事な式典なのに、最後の最後までおまえなのかと、そう言いたげに見えた。そのことが残念でたまらないという心境が表情に表れていた。

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# by yoniumuhibi | 2018-08-16 23:30 | Comments(1)

政府の権力構造も変化している - 安倍権力の強度はシン・ゴジラ化

c0315619_13553158.jpg自民党の派閥は、すでに政策集団でもリーダー養成機関でもなく、独裁者に対して忠誠競争と忖度競争をして、ポスト配分の既得権を守る集団になり果てている。派閥は形だけしか存在せず、そこに会長はいても領袖はいない。安倍独裁に対して牽制的に機能する派閥のプルーラルな要素は、安倍三選、安倍四選の過程の中でさらに無化が進むだろう。今回、石破茂が立つことができたのは、6年前に出馬した実績があり、小ながら自分の派閥を作っていたからである。出馬表明も準備もせず、自ら派閥の形成に至っていない小泉進次郎が、果たして3年後に総裁選に出る条件を持っているかどうかは微妙だ。三選を果たせば、その後に参と衆の二つの国政選挙に勝てば、安倍晋三は必ず党則を変えて四選への進路を固めるだろう。いずれにせよ、安倍晋三の任期は2021年まで続くのであり、官僚たちも、マスコミの者も、経済界や学界の者も、そのスコープの下で出世と保身を考えないといけない。忠誠競争と忖度競争に励まないといけない。

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# by yoniumuhibi | 2018-08-13 23:30 | Comments(3)


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