4月に解散総選挙し、7月に再び衆参同日選を打って改憲を固める

c0315619_1744774.jpg解散総選挙の可能性が、些か現実味を帯びてきたように思われてきた。これまで私は、4月解散説にも衆参同日選にも否定的な見解で、その理由は、安倍晋三の立場に立って考えたとき、現在の衆院勢力(自民292:自公327)をリセットするような無謀な冒険には出ないだろうという判断からだった。現状、自公で3分の2の議席を持っている。この数が物理的にあるからこそ、安保法制も無理やり押し通すことができた。今年は、昨年見送った残業代ゼロ法案を成立させる予定が控えている。安倍晋三にとって衆院3分の2はエースのカードで、独裁権力の最終的根源であり、簡単にこれを手放す博打はできない。衆院選で3分の2を取るのは至難の業だ。そうした現実的な観点から、早期解散と同日選の見通しには首を傾げる見方だった。だが、ここへ来て、全く新しい政治情勢が出現して、安倍晋三にとって願ってもない順風の環境が訪れている。それは、民主党が民進党という奇怪な名前に変わったハプニングであり、民主党の関係者と支持者を落胆させる「敵失」が発生した事件だ。組織を結集させてきたシンボルが、突然、事故死のように失われる政変が起きた。党内では不満と困惑が渦巻いていて、不具合な党名変更をキャリーした執行部に異議と反発が燻っている。

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# by yoniumuhibi | 2016-03-17 23:30 | Comments(2)

野合が臭う「民進党」の名称 - 「立憲民主党」が世論調査で選ばれなかった理由

c0315619_14212173.jpg民主と維新が合流する新党の名前が、新しく民進党と決まった。「立憲民主党」と「民進党」の二つが候補として提案され、週末(3/12-13)に世論調査が行われた結果、「民進党」を選んだ票数が多く、この名称に決まったと説明されている。執行部や民主党内は、「立憲民主党」が選ばれるだろうと楽観していたため、この世論調査の結果に衝撃を受けているらしい。もともと、この二つの案に絞り込まれて決戦投票になる手前、先週行われた一次選考の党名公募では、1位が「民主党」、2位が「民主立憲党」、3位が「民新党」となっていて、まさか最終の世論調査で「民進党」が選ばれるとは予想してなかったのだ。われわれ一般の見方も同じだろう。私自身は、民主党側が最初から、すなわち昨年の合流協議の時点から、新しい党名は「立憲民主党」と内々に決めていて、その着地へ持ち込む演出を形式的にやっているように見えていた。朝日の記事では、「世論調査の結果からは、政権時代の負のイメージからの刷新を求める民意が浮かび上がる」と書いていて、国民や支持者が「民主党」という名前から離れたがっている意識の表れだと解釈している。昨夜(3/14)のNEWS23の岸井成格も同じコメントだった。私は、朝日の所論は粗雑で間違っていると考える。

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# by yoniumuhibi | 2016-03-15 23:30 | Comments(5)

Nスペ「原発メルトダウン 危機の88時間」 - TBSと同じ捏造の情報工作

c0315619_1852052.jpg昨夜(3/13)、NHKスペシャルで「原発メルトダウン 危機の88時間」と題した特集番組を放送していた。先週(3/10)のNEWS23の特集報道と酷似した内容だった。どうやら、マスコミと政府とは深部で繋がっていて、5年前の事故を一つの物語にして上書きしている。歴史を製作(捏造)している。あの事故はこういうことだったという「ドキュメンタリー」を、年に一度の3.11のテレビ報道で見せ、国民の認識として定着させている。事故後、三つの事故調(国会、政府、民間)が立ち上がって調査検証をしたが、報告では真実は何も解明されなかった。事実を知る原子力村の内部関係者が、少しずつ、隠していた真相の一端を新情報として小出しにして、何やらその報道にスクープ性を演出し、この種の(視聴率目当ての)番組のマンネリズムと退屈を薄める役割を果たしている。真実を隠し、失敗を美談にスリ替え、責任者を免責する物語を仕上げて国民を教育(洗脳)している。TBSやNHKが特集で見せた中身は、とても真実を追求したジャーナリズムとは言えない。原子力村と政府による福島原発事故の「正史」の刷り込みだ。本当なら、広瀬隆や田中三彦が表に出てきて、番組のウソを一つ一つ指弾し暴露する必要がある。そうでないと、原子力村の手による偽りの物語が「真実」に化けて固まってしまう。

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# by yoniumuhibi | 2016-03-14 23:30 | Comments(4)

NEWS23の福島原発事故特集 - 記憶風化装置としてのマスコミ報道

c0315619_18354522.jpg震災から5年。昨夜(3/10)、NEWS23で福島原発事故を振り返る特集があった。2008年の時点で、東電内部において、15.7メートルの津波が施設を襲った場合の試算がされていた事実が紹介されたが、他には特に目新しい報道はなかった。この2008年の東電の内部資料の発見を言うのであれば、併せて、2006年3月に共産党の吉井英勝が国会質問に立ち、大津波の直撃で非常用電源が破壊され、炉心の冷却機能が奪われ、水素爆発が起きる危険性を指摘した事実こそを再確認しないといけない。吉井英勝の国会質問は事故後に思い出されて注目を浴びたが、あらためて神業と呼ぶべきものであり、科学技術者としての吉井英勝の知性と慧眼に脱帽させられる。事故1年前に出された広瀬隆の「原子炉時限爆弾」の予言と並んで、高く評価され、この国の歴史に刻まれるべき科学者の快挙だろう。この当時、原発の事故想定などに関心を持つ者は少なく、そして共産党の国会での持ち時間は少なかった。本来なら、こうした地味な問題ではなく、時事問題での見せ場作りに活用される機会だ。それらの条件を重ね合わせて考えると、吉井英勝のこの質問がどれほど意義深いものかを思わされる。

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# by yoniumuhibi | 2016-03-11 23:30 | Comments(4)

どういう国を作るべきか - 法人税と所得税と消費税の社会主義的モデル

c0315619_16525661.jpgどういう国を作るべきか。そのことを考える上で、国の税収別推移のグラフはヒントを与えてくれる。ネットで見つけた資料は、2013年までの数字が載っていて、すなわち税率5%の時代までであり、消費税収は10兆円ほどだが、税率を8%に上げて3年目の2016年度予算では、消費税収は17兆円となっている。所得税収とほぼ同じ規模だ。グラフを見ると、所得税収はどんどん減っていて、25年前の1991年に26.7兆円だったのが、2010年代は半分の13兆円台に落ちている。アベノミクスの恩恵で企業はバブル期を超える空前の利益を出しているが、法人税減税のために2016年度予算では法人税収は12兆円で、バブル期1989年の19兆円の3分の2しかない。財務省の法人税率の推移のグラフを見ると、基本税率が43%から23%に下がっていて、半分になっている。税収の数字が半減する道理だ。この税収別推移のグラフ図を眺めていると、日本の社会経済の矛盾というものが一目で掴めるし、どうすればよいかの解答と展望も自ずと導かれるように思われる。社会主義の原理を政策と経営に導入し、法人税収を20兆円に戻し、所得税収を20兆円に戻すことだ。消費税率を5%に戻して消費税収を10兆円台に下げ、三つの税収計を50兆円にすることである。

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# by yoniumuhibi | 2016-03-09 23:30 | Comments(6)

内部留保を労働セクターに、配当金を政府セクターに、社会主義の導入へ

c0315619_1827323.jpg保育園の待機児童問題が関心と注目を集めている。今日(3/7)発表された毎日新聞の世論調査では、内閣支持率が前月から9ポイントも一気に下がり、特に女性の支持率下落が顕著な結果として表れていた。明らかに、国会で議論になった待機児童の問題が影響している。ひょっとしたら、参院選対策の補正予算の中に、待機児童解消のための保育所整備の交付金を増額する措置を打ち出して、選挙の目玉にしてくるかもしれない。補正予算の規模は5兆円と言われている。2015年度の保育対策の予算では、保育所等整備交付金は534億円だ。2015年度の本予算もほぼ同額だろうから、補正で500億円を追加すれば倍額となる。待機児童の問題が特に深刻化しているのは大都市の一部に限定されているので、予算を倍額にして世田谷や練馬などの自治体に配ることで若干の緩和にはなるだろう。保育園の問題を考えるとき、要件として考えなくてはいけない点が二つある。一つは、保育士の給料を上げないといけないことで、国の補助を増やすことで実現しなくてはいけないことである。そのためには財源が要る。もう一つは、少子高齢化の下では行政が保育所を増やしにくいことである。緊急対応は必要だが、将来的には設備過剰になって自治体の負担になる問題がある。

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# by yoniumuhibi | 2016-03-07 23:30 | Comments(4)

トランプ旋風と日米エスタブリッシュメント - 森本あんりの論説から

c0315619_17115065.jpg昨夜(3/2)の日本のテレビは、米国のスーパーチューズデーの結果を大きく報道し、大統領選を解説する内容で埋められていた。特にトランプ旋風についての論評が多く、いろいろな論者のコメントを聞くことができた。トランプ論というのは、今年の政治空間における主要なテーマとなるだろう。意見を聞きながら、その人の立場によってずいぶん見方が違うものだなと感じさせられた。BSフジに森本あんりが出演していて、トランプ現象に対して冷笑的な考察をしていたが、私の関心や興味とはずいぶん異なっている。私の場合は、トランプを強く支持している米国の中低所得層の内側を観察し、その動機に内在的に即して意味を読み解こうとするのだが、森本あんりの場合は、これら支持者たちは単にトランプのポピュリズムに踊らされ、フィーバーを楽しんでいる衆愚にすぎないと一蹴される。森本あんりは、トランプ現象を大阪の橋下徹のポピュリズムに重ね合わせて説明していた。この分析と指摘は分かりやすく正鵠を射ていると思うけれど、どこか腑に落ちない部分が残り、受け入れるのに抵抗がある。それは、やはり立場の違いなのだろう。印象として、森本あんりの視線はエスタブリッシュメントのものであり、米国の内側(マルクス的に言えば土台)の地殻変動への意識が弱い。

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# by yoniumuhibi | 2016-03-03 23:30 | Comments(10)

トランプ現象への視座 - 低所得層が40%になった米国のデスペレート

c0315619_17325350.jpg米国の大統領選のニュースがテレビでずっと話題になっている。最初は、そのこと自体に抵抗感があり、関心を向けることができなかったが、最近はそうでなく、むしろ気楽な感じでテレビの報道に付き合うようになった。抵抗感というのは、要するに、植民地的な感覚と空気に対する拒絶と嫌忌のことで、宗主国の選挙に夢中になって、あれこれ蘊蓄を垂れて自慢したり、面白可笑しく演出して商売しているマスコミやネットの者たちに不愉快を覚えるということである。例えば、NHKがそうだし、小西克哉がそうだ。米国様の中で起きていることなら、どんな事象や流行でもありがたがって注目し、その意義を過大に過剰に見い出し、すぐに日本でも真似をしなきゃとする風潮は、特にこの15年ほど、年を追う毎に甚だしくなっている。米国絶対視のイデオロギーの蔓延。その言論と報道の傾向は、パラレルに、中国で起きていることならどんなことでも邪悪視し、頭から不当視してかかる論調とセットになっている。私はその思想性になじめず、それを正常な「価値観」だと肯定できず、世間と同調することを拒み、無理やり首を曲げて横を向くように、マスコミが誇大宣伝する「米国の事情や動向」から目を背けてきた。植民地の人間として前向きに生きるのが苦痛なのだ。

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# by yoniumuhibi | 2016-03-02 23:30 | Comments(2)

国民に期待されてない民主・維新の合流新党 - 政党の定義とは何か

c0315619_1633857.jpg民主と維新の合流について日経の世論調査が発表された。昨夜(2/28)出た記事によると、合流新党について「期待する」が25%、「期待しない」が64%になっている。参院選での投票先を尋ねた質問でも、民維新党は13%に止まり、自民党の33%とは大差が開く結果となった。先週、政治のニュースはずっとこの合流新党の動きが中心で、ブログで論評しなくてはと思いながら、マスコミの世論調査が出るまで見送ってきた。左翼リベラル系の反応が、合流に対して期待と礼賛一色だったので、反論が客観的に有効になるエビデンスを待っていたのである。マスコミに先行して、Yahoo意識調査では先週(2/24)から、民維新党を与党の対抗軸として期待するかどうか尋ねていて、現時点(2/29)で「期待しない」が75%、「期待する」が23%という回答になっている。Yahooの数字がほぼ正確な世論の反映だろうと思っていたので、日経の報道で裏付けを得たと納得を覚える。これが国民の感想だ。毎日と朝日がどのような世論調査を出すか興味深い。先週、テレ朝では古館伊知郎と立野純二が、TBSでは岸井成格が、民維合流を賛同するコメントを連発し、「自民党に対抗する選択肢」「野党の大同団結は当然」と宣伝しまくっていた。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-29 23:30 | Comments(1)

共産党のベタ降りの背景と民主党の安保対案の非立憲 - 政策不一致と野合

c0315619_15311572.jpg昨夜(2/22)のNHKのニュースでは、共産党が1人区の候補を撤回する方針を正式に決定したことが報道されていた。このベタ降りの「野党共闘」策について、岸井成格などは両手を挙げて賛美しているが、国民の多くは決して同じ評価ではないだろう。現在、共産党は猛烈な逆風に襲われている。そのことは、京都市長選の結果で明らかだ。3年間、順調に党勢を伸ばしてきた共産党に、突然、昨年秋から強い逆風が吹き始めた。民意を急に失い始め、大事な4市長選で連続して大敗を喫する結果となった。そんな中での1人区の候補取り下げは、党の戦略としてかなりの博打である。私の辛辣な見方を言えば、「国民連合政府」という杜撰な政治の博打に出て負けたため、その穴埋めに奔って、強引に「野党共闘」という次の博打を張っている姿に映る。その勝負がどうなるかは、前の記事で予想を書いた。すべては9月19日の「国民連合政府」が発端なのであり、その党利党略に失敗したため、負債がしわ寄せで溜まり、参院選1人区でベタ降りするか、独自候補で突っ張るか、不本意な二者択一に追い込まれた。「安保法廃止」の大義名分は体裁だけかろうじて保てたが、実質的な政策合意はできておらず、有権者に責任ある選挙の共通公約になっていない。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-23 23:30 | Comments(3)

共産党のベタ降り - 「駆けつけ警護」を容認した民主・維新の安保法対案

c0315619_1738451.jpg2/19に5野党が共同で安保法廃止法案を国会に提出し、党首会談を開いて参院選で協力する方針を確認した。この席で、志位和夫が「国民連合政府」構想を脇に置くことを正式に表明、棚上げ宣言を行い、1人区での候補者を取り下げる「思い切った対応」をコミットした。先週末、このニュースがネットとマスコミで議論になった。左翼リベラルの論調は、「ようやくここに到達した」「市民が野党共闘を訴え続けた結果だ」「市民の力でここまで来た」「これからがスタートだ」という祝賀ムード一色で、今回の「野党共闘」の意義を強調する勝利感で溢れている。だが、この政治は本当に「勝利」と呼べるものだろうか。私は今年に入ってから、共産党・市民連合の「野党共闘」の不調を論じ、左系マスコミが「熊本型」の順風を宣伝する中、共産党は1人区でベタ降りするか、突っ張って独自候補で戦うか、二者択一に追い込まれるだろうと辛口の予想を述べてきた。民主党との間で政策合意を成立させ、「熊本型」の候補擁立を全国展開するのは困難と言ってきた。予想的中で、ベタ降りの結果となった。熊本以外の1人区で共産党が応援することになる候補は、すべて民主党が擁立した公認候補か、民主と社民が推薦を決定した候補だ。市民連合は全く関与していない。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-22 23:30 | Comments(0)

アベノミクスの出口戦略 - 円と日銀と公的年金を潰す金融TPPの末路

c0315619_19105253.jpgアベノミクスの金融緩和の出口戦略をどうするか。巨大に膨らんだマネタリーベースをどうやって圧縮し、円暴落のリスクを回避し、ハイパーインフレの危機を未然に防ぐか。一つの方策として、3年間の日銀の「異次元緩和」が辿った道を逆に戻る考え方がある。日銀当座預金に溜め込まれた200兆円超の市中の残高を、順次、国債に置き換えていくことである。国債を日銀から市中に流し、市中から日銀券を回収する。回収した日銀券を会計処理で償却する。こうすると、マネタリーベースはアベノミクス発動前の水準の150兆円に戻り、ハイパーインフレ発生の芽を原理的に摘み取ることができる。無論、このオペを可能かつ有効にするためには、マイナス金利を中止して元に戻し、国債を抱えていても市中の収益が上がる原状に復さないといけない。そうでないと市中は国債を買わない。要するに、3年前に戻すということであり、白川方明の時代の健全な日銀と日本の金融市場に戻すということだ。私はこの方向と選択がベストだと思うが、この政策を実行すると市場は確実に円高株安になる。1ドル80円をつけ、日経平均は8000円になるだろう。東証で株転がしをしているハゲタカとか、円高で収益に打撃を受ける大企業は、この政策には反対に違いない。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-19 23:30 | Comments(2)

じゃぶじゃぶ流す水道比喩概念図のウソ - アベノミクス量的緩和のトリック

c0315619_17323840.jpg昨夜(2/16)の報ステで、銀行間金利がゼロになり、短期金融市場で資金の貸し借りが止まり、取引量が激減した状況を報道していた。借りたい金融機関はあるが、貸したい金融機関がない。貸しても金利が付かないからだ。無担保コール翌日物と呼ばれる1日間の融資の金利、これがマイナスになると、貸す方が借りる方に手数料を払わなくてはいけないという歪な形になる。今日(2/17)の朝日の2面記事に、「短期市場での運用は減らさざるを得ない」という生保関係者の発言が出ていた。普通預金口座に入れておくのだと言う。マスコミ報道では、住宅ローンが借りやすくなると言ってマイナス金利の美点を強調する説明が多いが、金融市場と金融機関に混乱を生じさせ、経営圧迫のリスクを生じさせている面が過小評価されているように思われてならない。ポイントは、やはり日本国債が安定した資産ではなくなった点だろう。国債を保有して満期まで運用すると損が出る。そのため、リスクの高い株などに回さなくてはいけない。株式市場に資金を流し込んで株価をつり上げるのがアベノミクスの手法だが、金融機関の収益の安定性というものを根こそぎ破壊してしまった感がある。金融機関の公的性格とか公的信頼性の基盤が失われてしまった。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-17 23:30 | Comments(5)

デフレの市民権を復活させたNHK報道 - 政府のデフレ解禁のメッセージ

c0315619_1759655.jpg昨日(2/15)のNHKの7時のニュースを見ていると、10-12月のGDPがマイナスになったことがトップで伝えられていた。これまでのNHKの報道姿勢だと、株価が1000円以上値上がりして1万6000円台を回復したニュースに重点的に注目が当てられたものだ。株価下落の懸念を払拭する動きだとして、歓迎の口調で「朗報」を国民に知らしめ、アベノミクスの盤石ぶりを宣伝していた。ところが、今回はその種の大本営報道がなく、逆にGDP値における個人消費の落ち込みを強調し、日本経済の先行きの暗さを印象づけるニュースになっていた。夜7時のニュースでは、西友で販売する1着上下6000円の低価格スーツが紹介され、夜9時のNW9では、人気を集めている1皿200円の激安カレーをレポーターがワイドショー的に取材していた。驚かされたのは、その説明が積極的な意味づけだったことである。3年前にアベノミクスが始まって以来、広告塔の役目をずっと果たしてきたNHKは、とにかく市場マインドをインフレ方向に導引するべく、高いものが売れていると言い、消費が贅沢志向に変わったと言い、高いものを買えと視聴者に呼びかける報道に徹していた。安倍政権の経済政策に沿って、脱デフレにシフトした絵ばかり並べていた。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-16 23:30 | Comments(1)

日本市場にボラティリティが集中増大する理由 - アベノミクスの構造矛盾

c0315619_15372263.jpg前回、ボラティリティというキーワードを使って、日銀のマイナス金利が円高株安を媒介したメカニズムを説明した。ボラティリティとは、金融市場での不安定性・変動性、相場の値動きの大きさを意味する言葉で、5年くらい前からよく使われるようになった術語だ。もともとの英語の意味を調べると、(1)揮発性、(2)落ち着きのない(うわついた)性質,移り気とある。ここ数年、ボラティリティとか、ポジションとか、投機の世界の用語がそのまま金融経済の理論や報道の中に入ってきて、当たり前のように解説語として使われている。そのことに強い抵抗を感じ、自分から進んで使う気が起きなかったが、今回は逆に、マイナス金利の失敗を批判的に分析する上で有効な概念として援用することができた感がする。敵である新自由主義の言葉を、新自由主義を批判する武器に転轍する試みができた。金融市場の変動性というと、われわれはそれを自然現象として観念し、アダム・スミス的な「神の見えざる手」の調節運動として了解してしまうけれど、実際には、原義の二番目の意味が本質を示しているように、血走った目で息荒く儲かる金融商品を探し、短期で大きな利ざやを稼ぐべくマネー移動させる投機家の心理や行動のことだ。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-15 23:23 | Comments(3)

黒田東彦の誤断と失策が招いた円高と株安 - 裏目に出たマイナス金利

c0315619_1811033.jpg市場が怒濤の勢いで円高・株安の方向に流れている。東京の為替市場が休みだった昨日(2/11)、ロンドンでは一気に1ドル110円台まで進んだ。1/29に黒田東彦がマイナス金利導入を発表した直後、1/29から2/1には1ドル120円の線だったから、わずか10日の間に10円も円が急伸する異常事態となっている。これほど急激な円高の進行は久しぶりだ。円高に振れると、当然、東証の株価は下がる。マスコミの報道を聞いていると、世界経済のリスク要因が高まったため、安全資産である円に避難するマネーの流れが起き、そのために円高が起きていると抽象的な説明をしている。昨夜のNHKと報ステの報道では、イエレンが議会証言で何か言ったため、市場で円が買われたという歪曲した「解説」を加えていた。イエレンの映像を出し、円高をイエレンの所為だと決めつけている。イエレンは単に一般論を述べていただけだが、日本のマスコミ報道は言葉尻を捉えるような情報工作で、円高の原因について海外に濡れ衣を着せる報道を繰り返している。2/2からすぐに円高になり株価が下がったときも、その原因をドイツ銀行の信用不安に押しつけ、黒田東彦によるマイナス金利政策の失敗の結果だと言わなかった。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-12 23:30 | Comments(4)

京都市長選の衝撃の民意を分析する - 共産党はしばき隊と手を切れ

c0315619_17342264.jpg2/7に投開票された京都市長選の結果は衝撃的だった。事前の予想で現職の優勢が伝えられていたため、事実上の一騎打ちの相手である共産新人が勝つ可能性はないと思っていたが、蓋を開けてみれば、ダブルスコアで共産候補が敗れる結果が出た。歴史的惨敗。この大差は意外としか言いようがない。4年前の同じ選挙のとき、構図はやはり共産vs非共産の戦いで、3万2000票の僅差で共産候補が敗れている。投票率はほぼ同じ。8年前の同じ選挙では、やはり同じ対決の構図で、共産候補は非共産候補(自・公・民・社)を521票差まで追い詰めていた。京都は共産党の聖域で、伝統的な固い支持基盤を維持し、選挙では常に無類の強さを発揮してきた。3年前の2013年の参院選でも、定数2の京都選挙区で共産は民主を蹴落として議席を獲得している。京都市長選で共産候補がダブルスコアで敗北するなど、私の常識ではおよそ理解不能な出来事の発生だ。一体何が起きたのだろう。代々木の党本部では幹部が眉間に皺を寄せて緊急会議し、困惑と動揺の中で選挙分析に没頭しているに違いなく、共産党がどのような総括を出すか、その中身が注目される。左翼リベラル全体にとって、今回の選挙結果は深刻で重大だ。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-09 23:30 | Comments(5)

北朝鮮の「ミサイル発射」報道と政府反応の異常 - 開戦時の予行演習

c0315619_1854130.jpg昨日(2/7)、いつものようにサンデーモーニングを見ていたら、一週間の出来事の紹介が終わり、天気予報を伝える前にカメラが外に出て季節の生きものを紹介する時間に入った途端、急にニュース速報のテロップが入り、北朝鮮の「ミサイル」発射の報道に切り替わった。9時35分頃のことだ。別室の報道デスクが進行を仕切り、ソウルのTBS支局に画面が移り、韓国国防省からの第一報が伝えられ、すぐに官邸前からのレポートに変わり、安倍晋三が公邸から官邸に移動していることを伝えた。さらに、丹東のホテルの窓から、鴨緑江を挟んだ向こう側の北朝鮮領の上空に白い尾を引いて打ち上がる「ミサイル」を捉えた映像まで出た。エッ、こんなの撮ってたのと驚くのも束の間、何と、韓国の群山から黄海を背景にしたTBSの記者が現地レポートを始め、韓国海軍がここから海に落下した破片品を回収に出るのだと説明を始めた韓国の群山(クンサン)というのは全羅北道にある港湾都市で、ソウルから車で2時間半もかかる辺鄙な場所だ。こんなところにTBSの記者とカメラマンが待機していて、生中継のためにネクタイと背広姿でスタンバイしていた。前日から泊まり込んで、わずか1分間ほどの現地中継に備えていたのだ。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-08 23:30 | Comments(1)

資本主義と社会主義 - サンダース現象に狼狽する日本の言論空間

c0315619_1954541.jpg 社会主義者を自任するサンダースが支持を集め、今回の米大統領選で旋風を巻き起こしている現実について、それを捉える日本の報道やネットの言論には、どこか屈折感があり、腫れ物に触るような態度が感じられる。この現象をどう理解し、評価し、自らの立ち位置との距離感を測定し、言葉を与えればよいか、戸惑いと逡巡があるように見受けられる。2/3の夜に報ステでコメントした立野純二の議論などは、まさにその混乱が逸脱に至った典型で、サンダースの異端性を無理に強調しようとするあまり、サンダースの政策である国民皆保険や公立大学無償化について、それを極端で過激なものだと性格づけて斬り捨てるという無茶をやっていた。政治の解説としては支離滅裂で、真意を疑う面妖な言論だと言わざるを得ない。国民皆保険の選挙公約や政策要求が、どうして、よりによって朝日の記者によって「極端」だとレッテルが貼られ、不当視され、ネガティブな表象と範疇に処理されるのだろう。立野純二が、このような失言と責められても仕方のない偏見を犯したのは、サンダースという政治対象を理性的に認識できず、イデオロギー的なバイアスに牽引された動機のまま、サンダースを説明しようとしたからだろう。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-04 23:30 | Comments(9)

甘利明の辞任と内閣支持率の関係の一考察 - ボディブローのように効く

c0315619_17403853.jpg安倍晋三の支持率が上がり、マスコミ各社の調査で50%を超える数字が出ていることについて、一部から、大きな衝撃を受けたというような感想が出ている。私の場合は、昨年から、年明けには50%を超えると予想を述べていたので、そのとおりに事態が進行しているだけで、何も驚くには当たらない。報ステの古館伊知郎、NEWS23の岸井成格、クロ現の国谷裕子の3人が降板させられるだろうという予想も、昨年9月には論じていた。そのとおりになった。的中した。支持率の問題については、共同のグラフ資料を見て欲しい。2013年1月から3年間の支持率の推移が出ているが、このように安倍内閣の支持率はずっと50%超の水準で続いていて、例外的に2015年の6月から9月までが低い谷間なのである。この事実は、毎日のグラフ図でも確認することができる。左翼リベラルは、昨年夏からの半年間の政治経験が強く脳裏に残っていて、その政治空間での言説と思考が固定観念化しているため、安倍内閣の支持率が50%を超える状況を異常だと意識してしまう。私の見方を言えば、この支持率は元に戻っただけなのだ。原状に復したということだ。つまり、逆に言えば、昨年6月から9月まで、反安倍の勢力がよく奮闘して安倍晋三を追い詰めていたということになる。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-02 23:30 | Comments(2)

甘利明を弁護するマスコミ - 「法的責任は問えない」とする者に反論する

c0315619_17294893.jpg今日(2/1)の朝日の社会面(31面)に、一色武に記者が取材した記事が載っていて、新しい暴露情報が出ている。取材は昨日(1/31)行われていて、2014年11月に平塚で秘書に現金100万円(50万円x2)を渡し、そのうち50万円が政治資金収支報告書に記載されてない事実や、2015年に現金15万円を53回渡したメモの所在が証言されている。これらは週刊文春の報道にはなかったもので、きわめて重大な新事実だ。私はてっきり週刊ポストか週刊現代がこの問題を追跡し、秘書を直撃して特集記事を売るものと予想していたが、意外にも週刊文春とは犬猿の仲の朝日新聞が動き、一色武とのコンタクトに成功して取材した。ただ、不思議なことに、記事は31面に地味に配置されていて、1面トップに持ってきておらず、1面の中に31面にナビゲートする小見出しすらない。普通に考えて、これは駅売りの目玉になるスクープ記事で、1面トップに大きく掲載するのが当然だ。姿を見せない一色武に接触できた新聞社は過去になく、朝日が初であり、1面に派手な大見出しを打てば、人目を引いて駅売りの部数を捌けただろう。一色武が週刊文春以外のマスコミに口を開いたというだけで、看過できない一つの事件である。営業的な観点からも、朝日のこの軽い扱いは不可解だ。

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# by yoniumuhibi | 2016-02-01 23:30 | Comments(1)

甘利明を東京地検に刑事告発を、野党は秘書の国会参考人招致を

c0315619_15403570.jpg甘利明の会見を聞いて、強い違和感を覚えさせられたのは、50万円の現金授受の場面をよく覚えていて、リアルに記者団の前で語ったことだった。例えば、「内ポケットにしまうはずがない。本当だとしたら政治家以前に人間としての品格を疑われる。そんなことはするはずがない」と断言している。それから、「紙袋を手渡されたと記憶している」と言い、「大きい袋で重かった」とも言っていて、中にのし袋が入っていることも確認した上で、「適正に処理しとけと指示した」と言っている。記憶がきわめて鮮明だ。1/21以降の記者会見や国会質疑では、現金授受を否定しないまま、「記憶を整理している」とか「記憶が曖昧」などと釈明していた。つまり、ウソをついていたということだ。この点、昨夜(1/28)のテレビ報道や今日(1/29)の新聞記事では言及がなく、その異同をポイントとして衝いてないので、要点として指摘しておきたい。本当は、昨日の会見の席で、その場で気づいた記者が機転をきかせて詰問すべきだった。甘利明はもう閣僚ではないので、予算委の審議の場で野党から追及を受ける機会がない。一週間、ずっとウソをついて国民を欺いていたことを、NHKの生中継で本人に質すことができない。急に記憶が鮮明になるのはおかしいじゃないかと、甘利明の面前で誰かが痛言するべきで、甘利明の弁解を取るべきだった。

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# by yoniumuhibi | 2016-01-29 23:30 | Comments(0)

八王子市長選の分析と解読 - 市民は五十嵐仁のメッセージに共感せず

c0315619_1963719.jpg八王子市長選の結果を分析することは、とても重要なことだと思う。その民意の中身を探って説得的な仮説を立てることは、政治学者がやらなくてはいけない課題だ。五十嵐仁がこの選挙にどう臨み、どういうメッセージを発していたかは、ネット上に多くの情報資料が残っていて分かりやすい。特に12/18の本人のブログ記事の記述は参考になる。「今回の市長選挙の第1の意義は、安倍首相の暴走にストップをかけることです。ここ八王子で『安倍政治を許さない』という烽火を上げ、首相官邸に向け、全国に先駆けて進軍を開始する決意です」「安倍政治の暴走にストップをかけ、戦争法廃止を掲げて発展してきた共同の枠組みを広げ、八王子の持つ潜在力と可能性を汲み尽くしたいと思います」と言っている。反安倍・反安保を訴え、その民意を市長選で示そうというのが五十嵐仁の意図であり、そして五十嵐仁を候補に担いだ市民団体のウィニング・ストラテジーだった。選挙が終わって惨敗の結果が出た今は、あまりに国政にフォーカスしすぎだったという批判が上がっていて、市民の関心は日常の暮らしなのだから、もっと地道な足下の市政の課題を訴えるべきだったという声が上がっている。だが、それは結果論というものだ。

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# by yoniumuhibi | 2016-01-27 23:30 | Comments(3)

小林節は新党結成を決断せよ - 三つの市長選の結果が憲法学者に促すもの

c0315619_1817014.jpg記録的な寒波が西日本を襲った1/24(日)、宜野湾、八王子、岩国の3都市で注目の市長選があり、いずれも自公が推す現職が勝利を収めた。最も重要視された宜野湾市長選は、自公の現職が6000票の差をつけてオール沖縄の新人候補に勝っている。事前の予想では両者が拮抗しているという情報だったが、蓋を開けてみると意外な大差で驚かされた。前回、2012年に伊波洋一が敗れたときは、共産・社民・社大の推薦で、佐喜真淳は自民・公明の推薦だったが、票差はわずか900票である。今回、オール沖縄の体制を組みながら6000票も差をつけられたことは、革新陣営にとっては手痛い打撃であり、辺野古基地建設に反対する沖縄の人々にとっても厳しい事態と言えるだろう。どうしてこれほど差が開いたのか、敗因を分析しないといけないが、それを考える上で参考になるのは、八王子市長選の圧倒的大差の結果だと思われる。共産・社民などの支援を受けた五十嵐仁が、自公の現職にダブルスコアで大敗した。五十嵐仁の選挙は、小池晃や福島瑞穂や宇都宮健児が応援演説に入り、山本太郎や山口二郎が応援メッセージを出すという、まさに左翼リベラルが総力を挙げた鳴り物入りの選挙だった。32.6%の低投票率で、ダブルスコアの惨敗という結果は、誰も予想していなかった図ではないか。

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# by yoniumuhibi | 2016-01-25 23:30 | Comments(6)

辺見庸のインタビューのSEALDs批判とマルクスの『経済学・哲学草稿』

c0315619_17231799.jpg辺見庸のインタビューが、昨日(1/21)の朝日のオピニオン面(15面)に載っていた。SEALDs批判のくだりがあり、次のように言っている。「あれは『現象』だと思うけれど、ムーブメント(運動)とは考えてません。まだスローガンみたいな言葉しか言えてないじゃないですか。ぼくはそこに何も新しいものを感じない。もっと迂遠で深い思想というか、内面の深いところをえぐるような言葉が必要だと思います」。「例えば米国や欧州でのサミットに反対するデモは、資本主義のあり方そのものに反対している。(略)日本とは『怒りの強度』が全然違う。なぜ、国会前デモのあとに行儀良く道路の掃除なんかできるんでしょうかね」。「むしろ現状維持を願っているような感じがしますね」。「『怒りの芯』がない。それは言葉の芯とともにどこかに消失してしまったんでしょう」「この社会システムが必要なのは購買者・消費者としての人間であって、怒る人間とか変革する人間ではないということだと思うんです。『人間』を締め出していると言うんですかね。疎外ということです」。SEALDs運動の発する言葉には「怒りの芯」がないと言い、聞く者の内面に響く言葉がなく、体制に順応的だと言っている。これらの指摘は、私が昨年7月からずっと言ってきたことと同じで、共通の認識と主張である。

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# by yoniumuhibi | 2016-01-22 23:30 | Comments(6)

民主党の労組系比例候補を見る - なぜ連合は共産党を拒絶するのか

c0315619_1829278.jpg連合は大きな力を持っている。民主党の議員や地方組織が連合に頭が上がらないのは、選挙を連合に全面依存しているからで、連合の労組運動員の支援がなければ、ポスター貼り一つ自前でできず、掲示板が真っ白になってしまう。選挙集会での動員もできず、出陣式の演説会場は空っぽになる。政権を失い、政権交代の可能性がなくなったここ数年は特にそうで、労組から独立した党員やサポーター、ボランティアを候補者が自力で集めて選挙を運営することができない。現在の民主党と連合との関係は、敢えて喩えるなら公明党と創価学会のようなもので、まさに支持基盤そのものに他ならない。「共産党と手を組むな」という連合の指令に民主党が逆らえない理由は、そこから類推してシンプルに理解することができる。投票率が50%を切った国政選挙では、組織票が大きくものを言う。組織票を持たず、浮動票のみに依拠し、マスコミの風で議席を稼いでいる政党は、「第3極」のみんなの党のように、ブームが終われば藻屑のように消えざるを得ない。連合や創価学会は、力を持っているからこそ政治の表舞台には出ないのである。マスコミやネットで派手に存在感を示すことはせず、力を誇示したり、政策をくだくだしく自己主張したりはしない。彼らが力を示すのは選挙のときで、それ以外は裏に隠れて姿を現さない。連合は日本の政治を動かしている。

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# by yoniumuhibi | 2016-01-19 23:30 | Comments(1)

民主党の1人区での候補擁立状況を見る - 包囲され孤立化する「熊本型」

c0315619_16365377.jpg全国で32選挙区ある1人区の現状はどうなっているのか。毎日新聞や東京新聞の報道では、各地で市民団体が政党を動かし、「野党共闘」の調整が順調に進み、10とか13の選挙区で間もなく「野党共闘候補」が発表されるという説明になっている。左系マスコミが市民連合の機関紙のような情報を流すため、われわれは、熊本に続く「野党共闘候補」が今にも続々と誕生しそうな気分にさせられる。が、一方で、熊本の候補が12/23に決まったあと、二番目がなかなか出て来ないため、一体どうなっているのだろうと首を傾げつつ固唾をのんで様子を見守っている。実際はどうなのだろうか。真相を知る重要な手がかりの一つが、民主党HPに掲載され告知されている参院選予定候補の一覧だ。これを見ると、候補者調整が各県でどうなっているか、中央での共産党・市民連合と民主党との間の駆け引きがどう進行しているか、水面下に隠れた複雑な事情がよく浮かび上がる。結論を先に言えば、市民団体の周旋の奏功で熊本モデルの「野党共闘候補」が次々出るという見通しは間違いだ。左系マスコミによる楽観的な情勢分析は、真実を無視したところの、世論誘導目的のプロパガンダである。単刀直入に言えば、熊本型の、市民連合がめざした「野党共闘」は完全にスタックした状態にある。

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# by yoniumuhibi | 2016-01-18 23:30 | Comments(0)

立憲党で40議席を取る - 憲法学者の新党で投票率を70%に上げて勝つ

c0315619_18442798.jpg1/13の東京新聞に、斉藤美奈子が「ハサミの値札」と題したコラムを上げ、新党待望論を述べて話題になっている。「ハサミに下がった値札の糸はそのハサミでは切れない。別のハサミが必要だ」「共産党が提案した『国民連合政府』の構想は暗礁に乗り上げつつある由。野党共闘に及び腰な民主党は、一方で、維新の党と統一会派を組むとか組まないとかいいだした。イライラしている有権者は多いと思うけど、永田町の値札の糸は永田町のハサミでは切れないのだ。こんがらがった糸を切るには新しいハサミが要る。切れ味のいい新党が発足したりはしないのだろうか」。斉藤美奈子は左翼リベラルに影響力のある論者だ。コラムを読んだ市民連合と共産党の関係者は、少なからずショックを受けたに違いない。この発言は、現在各県で進めている「野党共闘候補」の動きに少なからず水を差すもので、そこに否定的な意味の一石を投じ、波紋を広げるものだからだ。基本的に、この斉藤美奈子の認識と主張は当を得ていて、それは私が昨年6月からずっと主張してきた戦略提案と同じであり、また、昨年夏にサンデーモーニングで田中秀征が指摘した論点と同じである。既成政党では現状を打開できない。既存野党の合従策では安倍政権を倒せない。1992年の細川護煕の瞬発と跳躍のドラマのように、永田町の外からムーブメントを起こすしかない。

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# by yoniumuhibi | 2016-01-15 23:30 | Comments(12)

1人区での野党統一候補の擁立の遅れ - 熊本に続く共闘選挙区は出るのか

c0315619_180443.jpg昨日(1/12)、NHKの世論調査が発表された。この中で、参院選に向けての野党共闘について質問した項目があり、野党が候補者を一本化することについて賛否を尋ねている。回答は、「大いに期待する」が9%、「ある程度期待する」が24%、「あまり期待しない」が41%、「まったく期待しない」が20%。NHKの調査では多くの人々が野党共闘に否定的で、候補者一本化に期待していないという結果が出た。実は、1/11に発表された読売の調査でも同じ質問項目があり、選挙区で野党が候補者を統一することの是非を訊いている。結果は、「統一する方がよい」が49%で、「統一する必要はない」が33%。読売の世論調査ではNHKと逆の結果になっていて、有権者は候補者統一を求めている。興味深い情報だ。どちらが本当の民意なのだろう。朝日や毎日、日経や共同が同じ質問項目を設けて調査していれば、実際の傾向が明らかになる。普通に考えたとき、イデオロギー的なポジショニングとバランスの見当では、読売とNHKはほぼ共通した傾向が出そうだが、これほど極端に異なる結果が出ると、世論をどう判断していいか迷わざるを得ない。この世論調査の結果は、今後の政局に重大な影響をもたらす。読売の数字が真実であれば、市民連合・共産党の背中を後押しし、NHKの数字が正しい反映であれば、強い向かい風が吹く事態になる。

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# by yoniumuhibi | 2016-01-13 23:30 | Comments(3)

悪銭身につかず - 半年弱で破綻したパクリと誤算の「国民連合政府」

c0315619_185348.jpg3連休の間に政治が動いた。1/11の読売の報道で、志位和夫が「国民連合政府」は現時点で困難という見方を示し、Yahooトピに見出しが掲載され、情報が瞬く間に広がった。「民主党とはまだ一致が得られていない。難しい面もあるかもしれない」と率直に語っている。1/8夜に出演したBSフジの番組でも同様の発言の場面があり、民主党との政策協議が暗礁に乗り上げている事実を認めていた。志位和夫の正直な人柄が印象づけられた映像だった。記者団を前にしてのこの発言は、事実上、「国民連合政府」の合意を民主党に求めることを取り下げるというコミットであり、その一致点を選挙協力の前提とすることを断念するという方針転換の表明に他ならない。共産党による民主党へのメッセージの発信であり、野党共闘を組む上での一致政策のバーを下げるという妥協の意思表示だ。志位和夫はそれを明言はしていないが、当然、政界情報として聞く者はそういう受け止めになる。共産党や市民連合の支持者からは歓迎の声が上がっており、この妥協によって1人区での選挙協力が進むことを期待する意見が多い。ここまで共産党が譲歩したのだから、民主党は早く野党共闘に動けと催促している。かくして、共産党の「国民連合政府」の提唱と訴求は、参院選の争点から消え、参院選までの政局論議から姿を消すこととなった。

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# by yoniumuhibi | 2016-01-12 23:30 | Comments(3)


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