鴻池祥肇の暴露ハプニング - 籠池泰典を切り捨てて安倍晋三を守る一計

c0315619_14591364.jpg1日夜に鴻池祥肇の爆弾会見があり、今週後半はこの話題でマスコミとネットが騒然となっている。週末のテレビの報道番組でも、森友学園問題と鴻池祥肇の口利き事件 - 籠池泰典による贈賄申込み事件 - がトップに来るだろう。1日昼に共産党の小池晃が参院予算委で暴露した「籠池泰典による自民党議員への働きかけの面談報告書」は、鴻池祥肇事務所のものだった。鴻池祥肇が自ら共産党本部に証拠文書を持ち込んでいたのであり、小池晃の質疑とタイミングを合わせてNNN(日テレ)に同じ文書を渡し、午後7時からマスコミ各社を集めて会見を開いていた。爆弾会見が報道された直後は、鴻池祥肇の「こんにゃく投げ返し」のパフォーマンスに釣られ、「出入り禁止や」という口上に騙され、鴻池祥肇と森友学園は絶交になったかのように解釈する向きが多かったが、それは錯覚で、「こんにゃく投げ返し」の一件があった2014年4月以降も両者の関係は続き、陳情と対応は2016年3月まで長々と続いている。また、鴻池祥肇は口利きを行ってないなどという認識が一人歩きしているが、これも事実誤認で、鴻池祥肇は口利きを行っている。鴻池祥肇事務所と省庁との一連のやり取りこそが典型的な口利きだ。誤解してはいけない。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-03 23:30 | Comments(8)

赤坂飯店のキャップ会合 - マスコミの直参工作員を集めた緊急対策会議

c0315619_16054059.jpg昨夜(2月27日)の首相動静で伝えられたところの、赤坂飯店での報道各社キャップとの会食は、森友学園事件の難局を切り抜けるために安倍晋三が緊急招集したものだ。一部に、安倍晋三がマスコミに圧力をかけるためとか、恫喝するためとか、馴れ合いとか、この会合の目的と性格について書いているツイートがいるが、それは見当外れのナイーブな発想と認識である。無知にもとづく誤解も甚だしい。集まった官邸キャップや与党キャップという者は、40代前半くらいの若い記者たちで、まさに安倍親衛隊と呼ぶに相応しい、安倍晋三の権力中枢を構成する側近の工作員たちに他ならない。安倍晋三とイデオロギーを同じくし、安倍晋三の権力維持のために奔走し、諜報活動と世論操作に暗躍して権力を実際に運営している連中だ。NW9に出て来るNHK官邸キャップの原聖樹とか、岩田明子を想起してもらいたい。安倍政権の権力機構の一部である。政権を支える側近要員という位置からすれば、萩生田光一や西村康稔や柴山昌彦とかと変わらない重要な身内の手駒だ。彼らは安倍政権のことなら何でも知っているし、秘密を共有しているし、所属する新聞社やテレビ局の上司幹部が知らない情報を知っている。特権エリートとしての権力者意識を持って動いている。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-28 23:30 | Comments(6)

共謀罪を阻止した10年前 - 世論の半数が「テロ等準備罪」容認に愕然

c0315619_16161018.jpg平成27年度予算案は、今日(27日)衆院を通過して参院に送られた。国会論戦の主舞台は参院予算委に移る。森友学園の問題は、毎日新しい情報が飛び出して疑惑が広がり続けている。この問題の特徴は、いわゆる法的責任が関心の焦点になっていないことで、国有地払い下げに伴う、政治家の介入による利益供与という明らかな疑獄事件であるにもかかわらず、贈収賄の容疑が当事者に浮上すると誰も想定しておらず、テレビ報道でも元特捜検事とかの法律専門家が登場して解説しない。その気配が寸毫もない。注目は、安倍晋三の支持率が落ちるかどうかという点にかかっていて、世論調査の数字に影響を与えるマスコミ報道がどれだけ熱心にこの問題を扱って批判を拡大するかというところにある。世間も、マスコミ関係者も、半信半疑というか及び腰なのは、昨年の甘利明の口利き収賄事件の顛末があり、稲田朋美や高市早苗らの白紙領収書の問題があったにもかかわらず、結局、何もお咎めなしで済まされ、捜査当局が動くでもなし、国会証人喚問があるでもなし、何もないままに政治が進行した現実があるからだ。甘利明の口利き疑惑はわずか1年前のことだが、遠い昔のことのように思われる。その後の参院選は安倍晋三が大勝した。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-27 23:30 | Comments(3)

「平等に貧しくなろう」の無策と退嬰 - なぜ介護ロボットを開発しないのか

c0315619_15353403.jpg上野千鶴子の「移民政策は無理」「平等に貧しくなろう」の発言について、前者には賛成だが、後者には反対だと私の立場を述べた。前の記事では、日本を移民社会に改造することを理想化し、米国型の多民族混合社会の夢へと狂奔するしばき隊と左翼を厳しく批判したが、今回は、後段の「平等に貧しくなろう」の問題について論じよう。上野千鶴子は中日新聞の談話でこう言っている。「大量の移民の受け入れなど不可能です。(略)移民は日本にとってツケが大き過ぎる。(略)だとしたら、日本は人口減少と衰退を引き受けるべきです。平和に衰退していく社会のモデルになればいい。一億人維持とか、国内総生産(GDP)六百兆円とかの妄想は捨てて、現実に向き合う」。日本を大量移民社会にするのは無理だから、人口減少と衰退を引き受けるべきだという結論と提言を置いている。この主張には私は全く同意できない。論理に飛躍がある。経済学の視点と思考がない。移民を受け入れて人口規模を維持しないと経済成長はできないという認識は、あまりに素人の発想にすぎ、社会を研究する学者として軽薄すぎる。反安倍の左翼側がこんな無策を言っているから、アベノミクスを唱える方に説得力が出て、国民の支持が安倍晋三に傾く方向に導いてしまうのだ。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-21 23:30 | Comments(4)

上野千鶴子の「移民政策は無理」論 - 不当な「排外主義」のレッテル貼り

c0315619_16484601.jpg先週、上野千鶴子が建国記念の日に中日新聞に寄せた談話をめぐって、ネットの中で大きな議論が巻き起こった。上野千鶴子の主張は、大きく整理すると、(1)移民政策は日本では不可能なのでやめた方がいい、(2)日本は衰退を受け入れるしかないから平等に貧しくなろう、の二つである。二つの主張について左翼から轟々たる非難が上がり、現在でもその余韻が残っている。中日新聞に載った上野千鶴子の議論は、アカデミーの大御所様の意見として、何やら杜撰で無責任な誹りを免れないものがあると私も思うが、政策論として見たとき、重要な問題提起を発していて、今後の日本の経済政策を考える上での思考材料を提供したことは間違いない。移民の大量受け入れに舵を切るべきかどうか、そろそろ政策判断を迫られているときだという点は私も同感だ。その意味では、世論を喚起する刺激的な一石をビッグネームが投じたと言えよう。残念なことに、ネットでは話題が集中して侃々諤々されながら、議論をフォローするマスコミ報道が一つもない。朝日新聞がこの問題を紙面に取り上げないのは顰蹙だろう。結論から言えば、私は、(1)については賛成であり、(2)については反対である。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-20 23:30 | Comments(6)

インドで考えたこと - デリーとニューデリー

c0315619_16142545.jpgインド観光中、アテンド担当のガイド氏からカーストについて説明はなかった。移動中の車窓から途切れることのない、半スラム街と路上の物売りの人々とカーストとの関係について質問して答えを聞きたかったが、それは憚られることだった。インド憲法ではカーストによる差別を禁止していて、表面上は差別のない国作りをめざしている。だが、現実にはカースト制度が生きていて、結婚や就職のときに問題となり、インドはその社会的慣習を廃止していない。ヒンズー教そのものがカーストを認めていて、ヒンズー教徒として生きることは、カースト制度を肯定し、カーストに属し、カースト社会の中に身を置いて人生を送ることを意味する。ヨガと瞑想という表象に注目すれば、積極的なライフスタイルに映り、他宗教に対して寛大で排他性や独善性がなく、自然で宗教本来の姿に見えるヒンズー教だが、それはカーストを固定・再生産する元凶の観念システムでもある。インド国内でカーストが禁忌であり、公論の対象として喋々されるべきものでないことは、3日間の旅行でそれとなく察せられた。堀田善衛はインドに3か月も滞在し、私と同じくカーストに強い関心を持っていたに違いないが、岩波新書(青)には観察と報告が記されていない。現地で得る情報がなく、迂闊な議論ができなかったからだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-17 23:30 | Comments(2)

インドで考えたこと - インドの宗教と自律と自癒の社会

c0315619_17220519.jpg堀田善衛は岩波新書(青)の中でこう書いている。「デリー近郊を歩いていると、いや、どこをでも、インドの友人のすすめるがままに見物に行くとするなら、一切は宗教である、ということになってしまう。(略)デリー近辺の広大無辺の半砂漠地帯には、その昔の帝王の実に巨大な墓や回教礼拝堂の廃墟がいくらでもあるが、それらはたとえ廃墟であっても、決して死んではいないという、生き生きとした印象を与える。(略)村の人たちは、観光用説明というのではなくて、それらの廃墟についていくらでも無限に、そして実に楽しげに、現在に生きている対象として話をすることができる」(P.67-68)。デリー市内には、宗教の寺院や施設がとても多かった。想像以上だった。宗教が人々の生活の中に入り込んでいて、人々が宗教とともに生きている。インドを治めているのはインド政府に違いないが、路上に群れて暮らしている夥しい数の末端の人々まで含めて、それを統治しているのは、宗教の自律と自癒の力(Macht)なのではないかと、そのように思われた。宗教の死生観などとは無縁に生きていて、信仰心などというものを軽侮する態度を持ちがちな日本人には、インドの人々と社会は分かりにくい。が、どうやら、インドの人々がシヴァ神やヴィシュヌ神を語ることは、われわれがトランプを語ることと同じくらい関心の高い、意味のある問題事項なのだ。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-15 23:30 | Comments(3)

インドで考えたこと - インドへ行くと人生観が変わる

c0315619_16320529.jpg午前3時に寝て、目が覚めたのが午前5時だった。飛行機の中で一睡もしておらず、疲れているはずなのに眠れない。時差が3時間半ある日本だと午前8時半だから、そのせいだっただろうか。窓の外は真っ白の濃霧で、30メートル先の視界がきかない。その日はデリー市内観光が予定され、狭いマイクロバスに押し込められて出発した。そこで見た風景は忘れられないものだ。インドに行くと人生観が変わると言われているが、まことに人生観を変えてしまうほどの衝撃的な風景があった。ネットを見ると、デリーの街について、「街中がゴミ捨て場のようでした」と日本人が書き込んでいる。観光に訪れた女性の感想だろう。これほど当を得た表現はない。一言で真実を言い表している。ゴミ捨て場の中に大きな街があり、家が並び、車が犇めき、無数の人が路上に蠢いていた。ゴミ捨て場とクラクションの嵐。それがデリーの街だ。沿道に商店が並んでいる。どれも間口が狭く奥行きがない小さな店舗で、建物も古く薄汚い。商店と車道の間に歩道のスペースがあり、そこに、自動車やオートバイや自転車が駐車され、さらに露天商の屋台の連なりがある。露天商という日本語では、表象としてきれいすぎて実態を表現しない、派遣村の炊き出しの絵を想起させるところの、もっと粗末な食べものの物売りの姿がある。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-13 23:30 | Comments(1)

インドで考えたこと - インディラ・ガンジー国際空港へANA便で

c0315619_18034322.jpg行き帰りの飛行機は全日空だった。格安ツアーながらANAを使うところはさすがに大手代理店であり、逆に言えば、その分、現地の下請け会社がコストのしわ寄せを受けている事情が察せられる。狭いエコノミー階級の座席だったが、ANAのデリー往復は快適だった。機長がいい。機長は正確に到着時間を守り、日本の航空会社のエクセレンスを証明、日本人乗客を誇らしい気分にさせてくれた。デリーからの復路、搭乗は時間どおりに進行したが、離陸直前にアクシデントが発生、チェックインした客の一人が荷物を預けたままキャンセルしてしまい、機内からそれを取り出す作業が入り、出発は2時間ほど遅れることになった。予定では、午前1時25分に出て12時45分に着く。時差が3時間半あり、フライト時間は7時間40分。このトラブルを、機長は航路の変更と加速の凄技で見事に凌ぎ、飛行中に2時間のディレイを取り戻して予定時刻どおりに成田に着陸した。到着時間に変更はないからご安心をと、二度ほど自らアナウンスして、そのとおりに約束を守った。復路は偏西風に助けられるという判断もあったのだろうが、このタイムマネジメントは完璧で、日本人らしい努力に感心させられる。つまり、お客には後の都合があるから迷惑はかけられないという配慮の意識だ。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-08 23:30 | Comments(3)

インドで考えたこと - 格安ツアーとインド経済

c0315619_17215577.jpgインドから帰国して数日が過ぎた。成田に到着した翌日から発熱が始まり、重い風邪の症状に苦しまされる日が続いたが、どうやら峠を超えたようで快方に向かっている。インドへの旅を思い立ったのは、大手の代理店が破格値の商品を売り出したのを新聞広告で見つけたからだった。5万円でタージマハール観光ができるのならこれを買わない手はない、ということで衝動買いで飛びついてしまった。もう一つの理由は、年齢からくる体力と健康の衰えで、例えば、もしも辺見庸と同じ身体の条件になってしまえば、そのときどれほど経済的余裕があってもインド往復はかなわない。実際のところ、今回の3泊5日のハードスケジュールを10年後の体で再びやれる自信はない。インドはハワイとは違う。ヨーロッパやアメリカとも条件が違う。インドの旅は体力を要するものだ。体力のあるうちに行っておかなきゃという人生の計算の感覚が、衝動買いを後押しする動機となった。インド旅行は心身ともに疲労困憊になるタフなものだったが、それではもう二度と彼の地へ行く気はないかというと、決してそうではなく、例えばベナレスとブッダガヤが4万円で売り出されたり、アジャンタとムンバイが4万円でセットになれば、年齢も体力も出費も忘れて目の色を変えて飛びつくことだろう。


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# by yoniumuhibi | 2017-02-07 23:30 | Comments(3)

NAFTAの破綻とメキシコの20年 - 合衆国と中南米の「文明の衝突」

c0315619_18291744.jpgペニャニエトが訪米中止を発表し、31日に予定されていた米墨首脳会談が取り止めになった。25日にトランプが「国境の壁」建設の大統領令に署名したことで、衝撃と緊張が走り、世界中が注目していたが、二人が顔を突き合わせて「カネを払え」「払わない」と喧嘩する修羅場は避けられることになった。メキシコでは、ペニャニエトの対米弱腰姿勢に対して国内で反発が高まり、支持率が12%にまで落ち込んでいる。メキシコでトランプとペニャニエトを批判している急先鋒は、民主革命党(PRD)のリーダーのオブラドールで、2018年の大統領選の有力候補の一人と言われている。過去に2006年と2012年の大統領選に出馬、2006年は僅差で破れた。PRDは左派政党で、日本共産党の党大会に代表を送っている。日本国内では、この問題についてメキシコ側から取材した報道があまりにも少なく、状況を客観的立体的に捉えることが難しい。昨年の米大統領選で予測を外し、DC・NYの目線だけで見て判断してはいけないなどと反省の弁を垂れながら、日本のマスコミは、「国境の壁」問題についてメキシコ側の論理や立場に目を向けない。内情を探ろうとせず、メキシコ国民の意見を拾わない。昔の日本はこんなことはなかった。すぐに黒沼ユリ子が出て来て、久米宏の番組で現地をレポートして説明をしていた。

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# by yoniumuhibi | 2017-01-27 23:30 | Comments(9)

TPPの破綻と消滅を祝福する - 中国がRCEPでルール作りの主役に

c0315619_17052692.jpg23日、大統領に就任したトランプがTPPから永久に離脱する大統領令に署名した。このことを率直に喜び言祝ぎたい。米国の市民も歓迎しているだろう。日本の農業を守るため、食の安全を守るため、国民皆保険を守るため、TPPは阻止しないといけなかった。一昨年に大筋合意が発表された「農産品重要五項目」のコメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖は、今後どうなるのだろう。現行の関税率が維持され、生産者は将来も安心して事業を続けることができるのだろうか。本来、こうしてTPP発効が不可能になったのであれば、マスコミは、真っ先にTPPに反対してきた農家やJAを取材して声を拾うべきだろう。萬歳章のコメントを聞きたい。だが、NHKは取材をせず、朝日にも全く載っていない。マスコミが報道するのは、TPP推進派の声ばかりであり、米国抜きでも枠組みを続けよとか、米国を説得せよなどと、麻生太郎とか日商とか経団連の幹部の声ばかりを取り上げている。日本が一生懸命に骨を折り、米国のために献身的に尽くしてきたTPPが、米国の気まぐれのために水の泡になり、何とも残念でならないという意味づけにしている。まるで、TPPは国民の総意であり悲願であったかのような構図化だ。マスコミにTPP反対の立場の者がいない。TPPが亡国の道であるという認識の者がいない。

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# by yoniumuhibi | 2017-01-25 23:30 | Comments(5)

トランプの戦争 - 三つの敵を軍事攻撃して「アメリカを再び偉大にする」

c0315619_17054433.jpg今日(1月24日)の朝日のオピニオン面(15面)に、「トランプ政権への期待」と題したオリバー・ストーンのインタビューが載っていて、その冒頭でこう言っている。「ヒラリー・クリントン氏が勝っていれば危険だったと感じていました。彼女は本来の意味でのリベラルではないのです。米国による新世界秩序を欲し、そのためには他国の体制を変えるのがよいと信じていると思います。ロシアを敵視し、非常に攻撃的。彼女が大統領になっていたら世界中で戦争や爆撃が増え、軍事費の浪費に陥っていたでしょう。第3次大戦の可能性さえあったと思います」。そして、トランプのアメリカ・ファーストの路線に期待を寄せ、米軍を海外から撤退させ、介入主義を弱め、自国のインフラ改善と経済再建を進めることをトランプに期待している。全体として、トランプの今後に期待を寄せ、政策が善い方向になるよう見守ろうとする姿勢であり、21日にDCの反トランプデモに参加したマイケル・ムーアやマドンナとは一線を画した立場を滲ませている。昨年、サンダースとクリントンが戦った予備選があり、その後にクリントンとトランプによる本選となる中、敵味方の関係が微妙に移動し、リベラルの議論と争点が複雑に屈折したことが影響しているのかもしれない。このオリバー・ストーンのスタンスは、私と少し近いようにも見える。

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# by yoniumuhibi | 2017-01-24 23:30 | Comments(1)

トランプの暗殺と軍産複合体のクーデターの予感 - 実験国家の黙示録

c0315619_15424189.jpg大統領就任式の翌日(1月21日)、首都ワシントンで50万人、全米で300万人規模となる反トランプの抗議デモが行われた。一方、就任式の参加者は20万人ほどで、デモの人数の半分以下で、しかも白人ばかりであり、就任演説のマイクに会場からの抗議の声が拾われるという異例の事態となった。日経新聞は19日の記事で就任式に90万人が集まるなどと書いている。NHKを筆頭に、トランプの大統領就任を祝賀報道しようとした日本のマスコミは、すっかり予測が外れて恥をかいた格好になっている。全米で300万人の動員を実現した反トランプの市民は、自信を深め、ニューヨークタイムズなどマスコミと連携してさらに気勢を上げ、政権に対して圧力の手を強めるに違いない。退陣へ追い込む「市民革命」めざして追撃することだろう。何もかも異例ずくめの米国大統領就任の進行。米国の政治がこのような目も当てられない惨状になるとは、いったい誰が想像したことだろう。これが現実。トランプ時代の始まりは米国政治の激動の始まりであり、一寸先は闇の熾烈な権力闘争が続く混乱の始まりである。昨年の選挙戦の状況がそのまま続き、米国政治は安定を見ることなく、国民はトランプ支持と不支持に分かれて争うことになる。

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# by yoniumuhibi | 2017-01-23 23:30 | Comments(3)

戦後日本の中間層システムを憎悪する小熊英二 - 朝日新聞の説教3連発

c0315619_16431355.jpg前年比で5分の1の動員規模となった「安倍政権NO」の渋谷デモ。そのデモ行進の映像に小熊英二が出ていた。偶然に撮られたというより、自分の姿を故意に見せていたという雰囲気で、隊列の先頭に近い位置で歩道寄りの左端を歩いていた。カメラを意識した視線だった。2012年の官邸前デモのときもそうで、わざと目立つように国会記者会館の前庭に入り込み、連れてきた子どもを抱き上げて遊ぶところを、窮屈な歩道で立ちんぼしているデモ参加者に見せつけていた。こちらに親密さを誇示するように、金平茂紀や長谷川幸洋と話し込んでいた絵を思い出す。狭い歩道上には広瀬隆も一人で立っていたけれど、なぜか小熊英二は、一般市民が立ち入りできない国会記者会館の敷地にいつもいた。朝日の論壇編集の地位を持っていたからだろうか。その朝日が、今回の「安倍政権NO」のデモを記事にしなかったことは、小さいながらも一つの事件であると思われる。しばき隊学者には分担があり、SEALDs事業部と「野党共闘」事業部は中野晃一の担当だが、反原連事業部はずっと小熊英二が面倒を見ている。野田佳彦との官邸内会談を周旋したのも小熊英二と菅直人のコンビで、反原連事業部(Redwolf)が事務局を仕切る「安倍政権NO」デモには、こうして二人は必ず顔を揃えるのである。

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# by yoniumuhibi | 2017-01-18 23:30 | Comments(4)

人数が昨年の5分の1に減った「安倍政権NO」デモ - その原因と真相を探る

c0315619_17594276.jpg3年ぶりの共産党大会が熱海で開かれ、初めて他野党の党首が招待されて挨拶を述べた。NHKの7時のニュースでも大きく取り上げられ、共産党を中心にした「野党共闘」が安倍政権に対抗する図が強調されていた。だが、共産党大会に出席したのは安住淳で、肝心の代表の蓮舫は北九州に姿があり、NHKのカメラの前で、共産党の「野党連立政権」に否定的なコメントを発していた。朝日の3面記事を見ると、蓮舫が入った福岡9区というのは共産党の比例現職(真島省三)が立つ重点区で、ここには同じく民進党の比例現職(緒方林太郎)が出馬を予定し、二党間で競合区だという説明がされている。蓮舫は、わざわざ共産党大会の初日を選んで福岡9区に入り、現地の会合に出席して選挙応援の檄を飛ばし、その行動をマスコミに書かせたのだ。意図的で姑息な計略であり、連合への配慮と言い訳であり、国民に向けてのメッセージの発信である。共産党と連合と、二つにバランスをとるという意思を明確に表明し、共産党と連立政権は組まないという態度を示している。福岡9区(若松・戸畑・八幡)に入らせたのは、野田佳彦の差配と演出だろう。こうして、共産党大会と「野党共闘」のニュースは、サプライズのアピールに冷水がかけられて相対化された。

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# by yoniumuhibi | 2017-01-16 23:30 | Comments(0)

トランプの会見 - 精神構造と行動様式が瓜二つなトランプと安倍晋三

c0315619_16502505.jpg日本時間の12日未明にトランプの大統領就任前会見が行われ、12日夜のテレビのニュースで大きく報じられていた。夜8時から放送のフジのプライムニュースでトランプのロシア疑惑が詳しく説明されていて、バズフィードとCNNが暴露した秘密文書の問題の概要を知ることができた。トランプが4年前のロシア滞在時にハニートラップに引っ掛かって弱みを握られているらしいことや、選挙スタッフがロシア側と何らか接触し、サイバー攻撃あるいは虚偽ニュースの世論工作の支援を受けていた疑惑が浮上していて、真偽は定かでないが、印象としてはかなり信憑性が高いように思われた。番組に出演したデーブ・スペクターの解説によると、ロシアはトランプの資産情報や税金逃れの実態も掴んでいて、それを脅しに使ってトランプを自在に操ることができるのだと言う。トランプは会見で疑惑に関する質問に答えようとせず、話をはぐらかして逃げていた。事実ならば驚愕の事態であり、外国から介入を招いた大統領選挙の正統性が根本から問われ、また、外国に弱みを握られた大統領が就任することになる。米国のマスコミは、この機にトランプへの反転攻勢を強め、選挙で屈辱を味わされたリベンジに出るものと予想される。

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# by yoniumuhibi | 2017-01-13 23:30 | Comments(3)

サンダースを捨象した長谷部恭男と杉田敦 - アカデミーの不毛な大衆蔑視

c0315619_16013757.jpgウェーバーが死んだのは56歳のときだった。社会科学の二大巨頭のもう一人のマルクスより8歳も若い年齢で世を去っている。マルクスは貧困と病苦の果てに苦しみ続けて64歳で逝ったが、ウェーバーは当時流行したスペイン風邪(インフルエンザ)にかかってあっと言う間に息を引き取った。ウェーバーは、まさか自分が56歳で死を迎える運命になるとは思わず、さぞかし無念だっただろう。結局、死の前年に講演した『職業としての政治』が遺作となり、その内容もまさに遺言のような響きを放っている。そのウェーバーに自分を重ねて何事かを想念するなどと、畏れ多いというよりも、あまりに不遜な自意識肥大のようで羞恥と恐懼を覚えるのだけれど、最近、1920年に死ぬ前年のウェーバーの心境が私にはよくわかるような気がする。1919年の『職業としての政治』のとき何を見ていたのか。ウェーバーが見ていた政治的現実と今の日本の政治が同じものに思われて仕方がない。ウェーバーが見ていたのはロシア革命であり、ボルシェヴィズムの暴力の嵐だった。俗にウェーバーは保守論者と言われ、『職業としての政治』の論調も、『プロ倫』と同じくペシミズムで覆われている。私の前にはしばき隊の暴力がある。

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# by yoniumuhibi | 2017-01-12 23:30 | Comments(1)

空回りして響くエスタブリッシュメントの一般論 - 脱構築主義の黄昏

c0315619_16092320.jpg昨年、E.トッドの著作の翻訳者として有名な掘茂樹氏のお話をうかがう機会があった。そのときに印象深く残った議論として、主権国家の再評価、国家への回帰という問題がある。トッドの所論がどのようなものか、ブログの読者はすでにご存じの方が多いと思われるのでここでは繰り返して説明しないが、今後の世界の動向を予測するとき、国家の復権と国家主義はキーのモメントだろうと思われる。国家への回帰とか、国家主義の再定置とかいうと、この国ではたちまち右翼反動のレッテルを貼られ、しばき隊と左翼から「ネトウヨ」認定され、袋叩きされるリスクを負う羽目になる。この国のアカデミーの標準理論と基本認識では、国家はデフォルトで悪の存在であり、国家や国民なるものは解体脱構築せねばならぬ負の遺産であり、多文化共生主義の真性敵であり、根絶されるべき前時代の悪性ウィルスの如き表象と価値づけになっていて、これを肯定的に捉えて言論する者は、即座に不穏な異端分子として糾弾駆除されてしまう。脱構築主義がアカデミーのヘゲモニーを握り、脱構築主義の研究者以外の生息を許さず、戦後社会科学(丸山真男・大塚久雄)の系譜を引く者を絶滅させてしまった現在、右翼と名指しされることを恐れずに、国家や国民の概念の積極的意義を敢言できる者は少ないだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-01-11 23:30 | Comments(5)

艱難甚だ恨む繁霜の鬢(杜甫)- 1年間のご愛読ありがとうございました

c0315619_17303826.jpg個人的な方面で、今年の最大の収穫は、健康診断でLDL(悪玉コレステロール)の値が下がったことだった。この5年ほど基準値を超えてC判定をもらっていて、医師から要注意の指導を受けていたが、今回、めでたく基準値の中に収まってA判定となった。毎日のランニングの効果が出て、血中脂質の濃度を下げる結果に繋がった。中性脂肪の値も下がった。血圧も下がった。2年前にランニングを始めた目的の一つは、運動不足を解消してLDL値を下げるところにあったから、大いに満足できる達成を得たと言える。親族に循環器系の急性疾患で倒れた者が何人かいて、その遺伝体質を私も持っているため、生活習慣病発症の原因となるそのリスクは放置できない問題だった。ランニングを始めた当初は、今よりも持久の負担が重かったが、そういうときに頭の中で念じていたのが、「心臓や脳で倒れて周囲に迷惑をかけませんように」とか「車椅子になりませんように」という言葉で、そうやって自らを励まして三日坊主にならないように努めた。脳をやられると半身不随になる。歩けなくなる。自分で身の回りのことができなくなる。それは、資産のない貧乏人には大変なことだ。60代でそうなったら絶望だし、70代でもやはり困る。

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# by yoniumuhibi | 2016-12-30 23:30 | Comments(6)

日米同盟真理教のカルト祭り - 亡国政治が人を憂鬱にして塞がせる年の瀬

c0315619_16510313.jpg辺見庸が、安倍晋三の真珠湾訪問と「和解」演説について感想を書いている。「焼き火箸…そうとしか形容しようがない。といったって、この比喩にもあきてきた。さりとて、焼き火箸を焼きごてにかえたら、ちがうのだ。どうしようか。激痛のなかでも、なごむことにはなごみ、はらだたしいことははらだたしい。あのおとこのことなんか口にすべきじゃない。ことばを舌にのせただけで、吐き気がしてくる。あのおとこと仲間たちなんぞこの世に存在しないものとして、ひとり激痛をいためばいいのだ」「このばあい、いわゆる『盗人たけだけしい』というのではない。あまりにも白々しいのだ。あくどいまでに、白々しい。(略)開戦の詔書をはっした戦争犯罪人をそもそも処罰していないではないか。『降り注ぐ陽の、やわらかな光に照らされた、青い静かな入り江』……そらぞらしいレトリック。ありがたがって全文を載せる新聞」。辺見庸は、安倍晋三の演説の全文に目を通している。さすがに文筆家だ。私は全文を読んでいない。NHKのニュースで、何度も映像が出て、画面の下にテロップが出て来るので、反射的に右手のリモコンを操作して、別のチャンネルに切り替え、30秒ほどしてからNHKに戻していた。

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# by yoniumuhibi | 2016-12-29 23:30 | Comments(3)

陳腐な「日米和解」プロパガンダ - ハルノートの歴史認識を隠すマスコミ

c0315619_14560360.jpg安倍晋三の真珠湾訪問とそれに関する一連のマスコミ報道には、強い違和感と脱力感を覚える。この噴飯で侫悪きわまる猿芝居に対して、何も反論や抵抗をせず黙って見ている左翼や右翼に対しても、言いようのない不信と軽蔑を感じる。真珠湾での安倍晋三のスピーチのキーワードは「和解」だった。朝日も、NHKも、この真珠湾の政治を宣伝しまくって、「和解、和解」と滑稽に騒ぎ続けている。いつから日米関係で和解がイシューになったのか。われわれは、米国との歴史認識で和解を求められる立場にいつから立ったのか。戦後の二国間関係で和解が問題になっているのは、中国であり、韓国である。米国との間で和解が政治案件に上った記憶はなく、何で今さらこんな的外れな言葉を拾い上げ、上から押しつけなくてはならないのか得心がいかない。日米戦争で和解の宿題が残っているとすれば、米国による広島・長崎への原爆投下であり、10万人が焼き殺された東京大空襲であり、1945年に行われた米国による非人道的な大量殺戮の戦争犯罪だろう。米国の公式謝罪が必要であり、日本はそれを求めなくてはならない。真珠湾攻撃の歴史から「和解」という問題が提示されるのは、意外で唐突であり、政府とマスコミがいくら強調しても素朴に腑に落ちない者は多いはずだ。

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# by yoniumuhibi | 2016-12-28 23:30 | Comments(1)

やまゆり園の大量虐殺と倫理 - 悪への怒りと拒絶が弱いのは何故なのか

c0315619_13375071.jpg2016年は大きな事件が多かったが、特に衝撃が大きかった事件として相模原障害者施設で起きた大量殺人がある。19人が死亡、26人が重軽傷を負った。戦後に起きた事件として最も犠牲者が多く、この事件について触れないわけにはいかない。最初に思うことは、被害の大きさや深刻さに対してマスコミの扱いが小さく、世間の関心がとても小さく、釣り合いがとれていないことだ。事件が起きたのは7月26日。リオ五輪が始まる10日前で、テレビ報道の関係者の関心はリオ五輪を盛り上げる演出ばかりだった。安室奈美恵の「君だっけのぉー、ためーのヒィロォー」のフレーズがNHKで繰り返し鳴り響き、威勢のいいリフレインによって気分はお祭りの方に持って行かれ、事件について丁寧な思考を向けることをしなかった。安倍晋三はカメラの前でコメントを発することをせず、現場となった障害者施設を訪問することなく、献花台の前で手を合わせることをしなかった。臨時国会が9月末に開会されたが、国会の委員会質疑でこの問題が取り上げられ、政府との間で論戦になったという報道を聞かない。「安倍総理は、やまゆり園に行って献花をするつもりはないのですか」と、素朴な疑問を発して答弁を聞き出してくれる議員は一人もいなかった。

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# by yoniumuhibi | 2016-12-27 23:30 | Comments(2)

国連は中立だったのか、欧米はシリア内戦を止める意思があったのか

c0315619_17283627.jpgシリア政府軍が東アレッポをほぼ制圧したのは12日だったが、翌日の13日に虐殺事件が起き、政府軍と親アサド派民兵によって82人の民間人が殺害されたという報道が出た。犠牲者には女性11人と子供13人が含まれているとされ、国際社会から大きな怒りの声が起こり、世界各都市でロシアを糾弾するデモが行われた。この虐殺については、国連人権高等弁務官事務所が声明を発表しており、その信憑性を疑うということは普通の感覚ではできないものだろう。だが、19日付のロシア・インサイダーの記事は、虐殺の証拠が何も出てないではないかと反論を上げている。言われてみれば、目撃者が複数いて、数が具体的にカウントされているにもかかわらず、路上の遺体の写真とか、射殺の現場を遠方から撮影した動画とかを未だ見たことがない。目撃者の証言も私は目にしていない。国連人権高等弁務官事務所は、「信頼できる複数の目撃者が証言した」と言うのだが、果たしてどこまで正確な根拠を確認した上での断定なのだろう。5年間の内戦の間、あれほど頻繁にSNSを使った映像で政府軍の非を証明し、西側に告発してきた反政府軍側の「市民」が、この「虐殺」については1枚の写真も開示せず、被害者の特定もしないというのは奇妙なことだと思わざるを得ない。

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# by yoniumuhibi | 2016-12-22 23:30 | Comments(3)

ナイラ証言を想起させるアレッポのバナ・アベド - 戦争とプロパガンダ

c0315619_17114590.jpgアレッポの悲劇を伝える7歳の少女バナ・アベドが、マスコミやネットで頻繁に登場して話題になっている。昨夜(20日)のNHK-NW9でも映像が紹介されていた。一見して、自然に家族が撮ったという感じではなく、プロの人間が周到に演出し編集した作品のような印象を受けた。ネットで検索して調べると、やはりと言うべきか、少女の実像について疑念を抱かせる情報が出ている。アレッポから彼女を避難させようとしたシリア政府寄りの活動家が、本人に接触した経緯を示した上で、英国の情報機関と繋がったプロパガンダの道具だと確信したと、そう証言している。無論、この活動家は、政府側の人間であり、この記事もロシアの通信社であるスプートニク発のものだから、その点は注意して総合的な判断をしないといけないのだが、バナとTwでコンタクトしたとき、「母親」であるはずの返信者がアラビア語での交信を嫌がり、もっぱら英語でのやりとりを求めてきたことを明かしている。バナのTwも英語での発信で、だからこそ全世界から同情を集め得たのだが、アレッポで普通に暮らすシリア国民なら、日常使う言葉はアラビア語であるはずだ。テレビに登場する映像でのバナの表情を見るかぎり、カメラを向けているのが肉親(母親)とはとても思えず、プロパガンダの制作物の被写体(子役女優)になりきっている。

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# by yoniumuhibi | 2016-12-21 23:30 | Comments(2)

「共同経済活動」の欺瞞 - 真相を言わず安倍礼賛のみのマスコミ

c0315619_17533884.jpg長門で行われていた日ロ首脳会談は、北方領土での「共同経済活動」が焦点になっていた。この問題で日本政府は、「特別な制度下の共同経済活動」を合意目標にして、この線でのステートメント化を狙ったようだが、ロシア側が折れず、結局、「専門家レベルでの協議開始」という先送りの方向になったようだ。朝日の今日(16日)の1面記事には、「ロシアのウシャコフ大統領補佐官は(略)『活動はロシアの法律の下で行われる。もちろん島はロシアに属している』と語った」と書いていて、NHK国際部の報道でも、「ウシャコフ補佐官は『島々での共同経済活動はロシアの法律の下で行われることになる』と述べた」と書いていて、ロシア側は北方四島での主権について妥協していない。昨夜(15日)までのテレビ報道では、主権を曖昧にした法律適用で「共同経済活動」が可能になるような言い方をして、安倍晋三の側の楽観論をそのまま撒いていたが、これが一蹴された格好だ。簡単に言えば、今回は何も成果がなく、派手な演出が空振りに終わった失敗外交というに尽きる。四島での共同経済活動、すなわち、水産加工とか観光開発とかの日ロ合弁事業は、マスコミが言うように、ロシア側が日本に強く求めたものではなく、逆で、日本側に強い動機のあるものだった。


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# by yoniumuhibi | 2016-12-16 23:30 | Comments(1)

北方領土の返還を阻む要因は日米同盟 - 真相を報じた朝日の記事

c0315619_16365777.jpg25年前の1991年1月、納沙布岬まで行ったことがある。JRの根室駅を降りてバスに乗り、平らな根室半島を45分ほど走ると終点に到着する。この年、ゴルバチョフの訪日が決まっていて、海部俊樹との首脳会談で領土返還の合意がなされるのではないかと期待が高まっていた。日本に島々が返ってくる前に、ソ連が占領支配している北方領土を一目見ておこう、北の国境の緊張した情景を目の当たりにしておきたいと、そう思ったのが足を運んだ理由だった。歯舞諸島の一つである水晶島が目の前に見える。テレビでよく見るところの、鳥が飛んでいるような、蛙が地面につぶれたような独特な形の小さな島だが、横から遠望すると、隆起がなく、海上に水平に島の地表が伸びている。一面が乾いた枯れ草の色で、根室半島沖に点在する島々はどれも同じであり、スコットランドを連想させる異郷の地形をしている。そこにソ連の国境警備隊の監視所があり、望遠鏡で覗き込むと、歩哨の一人が屋外で立ち小便をしているのが確認できた。納沙布岬から3.7キロ。想像以上に距離が近い。左側の視界には国後島が長々と入り込んで水平線を遮り、納沙布岬を押し包むように横たわっている。日本の領土の先にソ連の島があるというより、ソ連領内の懐深くに納沙布岬が突き出しているという印象だった。

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# by yoniumuhibi | 2016-12-14 23:30 | Comments(2)

2016年を振り返る - 天皇陛下の生前退位

c0315619_15453165.jpg今年の10大ニュースの私案を並べてみた。1.天皇陛下の生前退位 2.相模原障害者施設で19人の大量虐殺 3.大口病院で約50人の連続殺人 4.トランプ現象とサンダース旋風 5.カストロ逝去 6.山城博治の逮捕 7.参院選で安倍晋三圧勝 8.英国のEU離脱 9.熊本地震 10.『君の名は。』大ヒット。私の中では、やはり、天皇陛下の生前退位が最も大きな事件になる。この事件の衝撃は大きかった。その中身については、夏にブログに書いたとおりで、特に付記することはない。その後、政府の有識者会議の動きがあり、安倍晋三が懸命に抵抗の画策を行い、極右の論者を動員して天皇陛下に反撃する一幕があった。それについて、御厨貴やマスコミが何かくらだらないことを言い、安倍晋三に媚びへつらってこの問題の矮小化に努めていた。不愉快なので一つ一つを追いかけていないし、有識者会議は論評する価値のないものだと思われる。大日本帝国時代の皇室典範とそのイデオロギーを絶対視する極右が、今の天皇陛下の人格を貶め、天皇陛下を侮辱している。政府が憲法第1条をバイオレートし、日本国の国家の権威を傷つけている。安倍晋三と天皇陛下は国家観と天皇観が異なる。安倍晋三ら極右は、日本国憲法を認めず、大日本帝国の原状に国家を復そうとしていて、そこで天皇陛下と真っ向から対立している。

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# by yoniumuhibi | 2016-12-12 23:30 | Comments(5)

フィデル・カストロの死を悼む - 堀田善衛『キューバ紀行』の紹介

c0315619_14161280.jpgカストロの死を悼み、堀田善衛が書いた『キューバ紀行』を読んでいる。初版は1966年。64年に訪問したときの旅行記であり、時期的に考えて、政治宣伝の要素を割り引いて慎重に読まなくてはいけないかなと最初は警戒した。だが、読み進むほどにそうした意識は消え、どんどん中身に没入して行ってしまう。さすがに堀田善衛。この本は古典の価値がある。決して古くない。カストロとキューバ革命をどう評価すればいいか、肯定と否定の両面が交錯し、イデオロギーの座標軸で悩んでいる者は、一度、虚心坦懐に半世紀前の堀田善衛の文章に接してみるといいだろう。第1章にカストロが32歳のときの、1959年10月に行われた演説が抜粋されている。バチスタ政権を倒して10か月後のときだ。長くなるが、煩を厭わず引用しよう。「彼らはキューバの人々を脅し上げようと思っている。一方で、彼らは砂糖の輸入割当てを減らして、キューバの経済を締め上げるぞ、といって、キューバの人々を威かしている。他方で、彼らは新たなテロでキューバの人々をおびやかし、キューバ人に、生命を吹き込むような革命の過程と、わが国に正義を打ち立てようとする努力とを放棄させよう、と考えている(拍手)」(P.48)。

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# by yoniumuhibi | 2016-11-28 23:30 | Comments(3)

共和党と民主党の自由貿易の考え方の違い - TPPの復活はない

c0315619_16592370.jpg11月22日の朝日の2面に、ペルーとチリがRCEPに加入するという記事が出ている。この情報は、夜のテレビ報道では取り上げられた記憶がなく、新聞を購読する価値を再認識させられた。ペルーはAPEC首脳会議の議長国の立場だが、大統領のクチンスキーが注目の記者会見でその方針を明らかにし、会議閉幕の記念写真では前列中央で習近平と並んで撮影、ペルーの中国への接近を世界にアピールしている。さらに、ペルーに続いてチリがRCEP加入の意向を示していることを中国外務省が明らかにした。周知のとおり、RCEPは東アジア地域の包括的経済連携のことで、パートナーとなる諸国は日中韓3カ国とASEAN10カ国と豪州とNZとインドである。南米の国々は構想の中に含まれていない。だが、TPPが潰れたため、TPPに加盟していたペルーとチリが、TPP代替のプラットフォームとしてRCEP入りへと舵を切った。RCEPを推進する主軸は中国だから、RCEPに入ろうとする諸国は中国と接触して意向を伝えることになる。もし、ペルーとチリがRCEPに入れば、TPPはリバースをかけられた形でRCEPに切り替えられ、主役だった米国が外れて中国が主役になるという、恐ろしく劇的な物語が現実になることになる。

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# by yoniumuhibi | 2016-11-25 23:30 | Comments(3)


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