呆気なく通りすぎたTPPの強行採決 - 6年間に姿が消えた反対派陣営

c0315619_14175221.jpg昨日(11月4日)、TPPの承認案と関連法案が衆院特別委で強行採決されたが、特に大きな混乱はなかった。強行採決と言うには呆気ないほど軽く、白々とした風景だった。委員会室に詰めかけた野党議員の数が少なく、本気で採決を阻止しようという熱気と迫力が感じられない。委員長席をガードする与党議員の姿がなく、「強行採決の攻防」でイメージするところの激しい肉弾戦がなかった。野党の抵抗が驚くほど小さかったことに拍子抜けさせられる。通常、国会で大きな対決法案が強行採決となったときは、野党の党首は街頭に繰り出して演説をする。有楽町や新宿の駅前に立ち、「国民に直接訴える」絵を作り、それをテレビのニュースで流させる。昨日はその絵もなかった。各局のニュースでは、承認案に反対する論者のコメントの紹介もなかった。国会前や議員会館前では、多少の人数が夜まで反対集会をやっていたようだが、そこに野党の議員や幹部が顔を出して挨拶したという報を聞かない。何と言っても、強行採決はたまたま、山本有二の失言で発生した予定外の事故で、それがなければ合意の上で順当に採決されていたのだ。6年間にわたって論争され、国論を二分してきた重要政策の決着が、こんな軽い形で幕引きされるのかと思うと空しく、無念でならない。

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# by yoniumuhibi | 2016-11-05 23:30 | Comments(6)

自民党と民進党のTPP採決合意の政治 - 山口二郎の民進党弁護に呆れる

c0315619_15280470.jpg昨日(11月1日)の正午ごろ、民進党と自民党がTPP承認案の採決を11月4日で合意したというニュースが速報された。朝日の朝刊1面に、「TPP法案、4日衆院通過」と見出しがあり、いよいよ強行採決かと思っていた矢先、採決合意の報が伝えられて驚かされた。今国会はTPP国会と呼ばれていて、TPP批准が最大の争点であり、与野党が激しく衝突する構図になっていた。夜の報ステの映像を見ると、午前中の特別委で阿部知子が質疑に立ち、まだ審議は全体の10%もされておらず、採決などとんでもないと言って政府を批判している。特別委で民進党の議員が「採決反対、審議継続」を唱えているとき、民進党の山井和則と自民党と自民党の竹下亘が会談し、あっさりと11月4日採決で合意して発表した。おそらく、阿部知子たちは寝耳に水で、何も事前に知らされてなかっただろう。強行採決必至と見られていた対決議案のはずのTPPが、どうして一転して採決合意の顛末となったのか。その理由について、納得できる説明をしているマスコミ報道はない。後藤健次の話では、11月1日の採決を遅らせたことで、今国会会期中の自然成立を阻止したことに意義があり、参院での審議が名目だけのものでなくなったなどと、冗談みたいなことを真顔で言っていた。

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# by yoniumuhibi | 2016-11-02 23:30 | Comments(2)

フィリピンにおける左派政権の成立 - 脱米のドゥテルテを支持し期待する

c0315619_16270420.jpgドゥテルテの意味を考えながら、鶴見良行の『バナナと日本人』を読み返した。1982年に出されたこの岩波新書は黄版を代表する名著で、80年代の日本人の教養書として広く愛読された一冊である。大学を出て社会人になった私にとって、その東南アジア論はきわめて新鮮で、魅力的で、『マングローブの沼地で』『マラッカ物語』『ナマコの眼』等々の諸作品を次々と夢中になって貪り読んだ記憶がある。それらの書籍群は、蔵書の中のいわば一等地のところに鎮座していて、この先も地位に変更があるとは思えない。マルクスとウェーバーの方法では東南アジアの島嶼社会は切れないのだと鶴見良行は言っていた。近代主義の方法のこの地への適用では有効な社会科学の成果を得られないから、自分は違う方法を模索するのであり、小舟に揺られ、波間に漂い、海面の低い目線からマングローブの林に接近する視角で対象を考察するのだと言っていた。鶴見俊輔の従弟であり、ベ平連に参加して活動している。またPARCの設立メンバーであり、現在、反TPPで活躍中の内田聖子とPARCの活動の源流を若い人が知る上でも、この本は有意味な情報提供となるだろう。日本の社会科学の古典であり、若い学生には必読文献である。鶴見俊輔は長生きしたが、鶴見良行の方は残念ながら22年前に早死にした。

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# by yoniumuhibi | 2016-10-31 23:30 | Comments(3)

反ヘイト法成立から半年 - 不安な予感、高江をめぐる言論構図への当惑

c0315619_15453325.jpgいわゆる反ヘイト法の成立から5か月経った。法制定を推進した人々にとっては、この半年はそれなりに満足できる成果が上がり、この法が目的とし理想とする方向に日本社会が変わりつつある時間だったのかもしれない。そのことを示唆する事例は幾つもある。そうした現実に対して水を差すわけではないが、私の中には楽観的な気分とは逆の不安な予感の沈殿があり、それを正直に口に出してみようと思う。1994年の5月に北朝鮮の核開発疑惑の報道を契機として、登下校中の朝鮮学校女子生徒のチマチョゴリが切り裂かれるという事件が頻発したことがあった。同じ事件と被害は、1998年のテポドン1号発射や2002年の拉致被害者「8名死亡」報道の際にも発生している。最近は、北朝鮮が核実験をしてもミサイル発射をしても、この種の忌まわしい事件は起きないが、1994年に起きたときは衝撃だった。なぜ衝撃だったかというと、この1994年という時期は、日本と韓国・北朝鮮との関係が、最も前向きで、まさに未来志向的な空気に包まれていた順風満帆期だったからである。ソウル五輪が1988年、日韓W杯が2002年、河野談話が1993年、村山談話が1995年。坂本義和や下村満子が尽力したアジア女性基金の設立が1995年。そのさなかに、この恐ろしい事件が起きた。

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# by yoniumuhibi | 2016-10-29 23:30 | Comments(2)

補選の結果と「野党共闘」 - TPP国会で論戦せず欠席する共産党

c0315619_15420759.jpg10月23日に行われた二つの衆院補選で自民党系の候補が圧勝し、「野党共闘」の候補が惨敗した。その一週間前、新潟の知事選で野党候補が事前の予想を覆して勝利し、反安倍・左翼リベラルの陣営は大いに沸き立ったが、その昂奮はわずか一週間でかき消される政治の展開となった。政局の主導権は再び安倍晋三の手に握り直された感がある。新潟知事選の直後は、ネットの中は「野党と市民の共闘の勝利」のフレーズで溢れ、この勢いで衆院選も「野党共闘」が制するのだと咆哮するTwが充満していたが、今は連合叩きや野田佳彦叩きの憎悪のTwが散乱している。補選を落とした責任のなすりつけに議論が向かい、神津里季生が槍玉に上がっている。不思議なのは、新潟知事選に蓮舫が応援に行ったのも野田佳彦の指示だし、補選敗北後に会見に立って批判を受ける役割を演じているにも野田佳彦で、すべて野田佳彦が決めて党を動かしているにもかかわらず、それを知ってか知らずか、しばき隊を筆頭とする左翼が蓮舫を善玉にし、野田佳彦を悪玉にし、党執行部に善悪二つがあるように見なしていることだ。自分が悪役になることで蓮舫への風当たりを弱めている野田佳彦の世論対策だが、しばき隊は野田佳彦の芝居に乗って騒ぎ、蓮舫を左の救世主のように期待を寄せている。

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# by yoniumuhibi | 2016-10-26 23:30 | Comments(4)

山城博治の勾留決定と再逮捕 - パレスチナ化する沖縄、アラファトとヤシン

c0315619_14271467.jpg先週(10月20日)、山城博治が再逮捕された。容疑は防衛局職員への傷害と公務執行妨害、同時に大和市の牧師(吉田慈)も共犯で逮捕された。沖縄右翼が動画で予告したとおりの結果になった。8月25日にP1裏のテントで起きた事件に関わる容疑で、名簿書類が奪われたとして防衛局側が被害届を出していたものだ。私は、この件での逮捕はないだろうと楽観的な予測を立てていた。その理由は、右翼による動画予告(14日)があった3日後(17日)に、有刺鉄線切断の器物損壊で現行犯逮捕という展開になっていたからである。もし、右翼が予告で言っていたように8月25日の紛争の件で警察が逮捕状を取っていたのであれば、わざわざ別件で現行犯逮捕の手を回して身柄拘束する必要はない。逮捕状を請求して、それを裁判所に蹴られていたから、本人の自供を取るべく別件の逮捕と拘束に出たのだろうと思っていた。右翼の話はブラフでなければ勘違いだろうと甘い見通しを持っていた。だが、どうやらそうではなく、逮捕状も承認・発行されている。園良太のTwによれば、「関東の自宅で逮捕され沖縄に連行される人が出た、家宅捜索も」とある。吉田慈は大和市の自宅で逮捕され、家宅捜索までされている。令状なしにこんな捜査はできない。

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# by yoniumuhibi | 2016-10-24 23:30 | Comments(0)

山城博治逮捕の謀略と戦慄 - 右翼の予告動画から2日後の現行犯逮捕

c0315619_15065819.jpg一昨日(10月17日)の記事を上げた直後、山城博治逮捕の報道があった。急な展開であり、そしてまた、沖縄右翼の予告どおりに本人が逮捕されたことに驚かされた。沖縄右翼の手登根安則が山城博治の逮捕を予告したのが10月14日金曜であり、そこから3日後の、週が明けた10月17日月曜の午後に瞬殺で逮捕されてしまった。すべて計画的に動いている。ただ、逮捕の中身は沖縄右翼の手登根安則が動画で言った話とは違っていて、意表を衝いた現行犯逮捕であり、北部演習場内に張られていた有刺鉄線をペンチで切断したという器物損壊の容疑だった。一報を報じたのは産経で、夜に毎日と時事が続き、深夜には朝日が配信、琉球新報と沖縄タイムスも報道した。琉球新報の記事にはこう書いている。「沖縄県警名護署は17日、米軍北部訓練場(沖縄県東村・国頭村)内で沖縄防衛局がヘリパッド移設工事現場で使用していた有刺鉄線を切断したとして、沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)を器物損壊容疑で現行犯逮捕した。山城議長は取り調べに黙秘しているという。接見した金高望弁護士は逮捕手続きに疑義があると指摘し『必要性のない不当な逮捕だ』と話した」。

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# by yoniumuhibi | 2016-10-19 23:30 | Comments(0)

添田充啓の勾留延長 - 攻勢に出た沖縄右翼が流す山城博治逮捕の噂

c0315619_15271453.jpg昨日(10月16日)、琉球新報の社会面で添田充啓の勾留延長の決定が報じられた。14日に検察が再び勾留請求し、26日までの勾留を裁判所が認めている。結局、限度いっぱいの20日間の長期勾留となった。しばき隊の方は、添田充啓の件について誰も何も喋らなくなった。逮捕から2週間になるが、弁護士が誰も名乗りを上げず、担当弁護士が不明のままの異常な状態が続いている。現地で高江の抗議行動の救援をやっている小口幸人は、一度も添田充啓の件についてTwで話題にせず、名護署に接見に出向いた様子もない。東京から弁護士が入ったのは10月7日の一度だけで、きわめてエクスキューズ的でアリバイ的な動きに止まっていて、まともに被疑者を救出する意思がないことが歴然だ。見捨てている。男組のHPも更新がない。5日に「東京と沖縄の2箇所で対応チームを結成し、早期釈放を勝ち取るべく対応を行なっております」と声明を発表したが、実際には何もやっていなかった。添田充啓の勾留の法律論については、刑事司法の専門家である高島弁護士が短く解説している。それに対して、しばき隊側からは何も反論がない。弁護人のなり手がなく、国選弁護人がつく意外な展開になるのではないか。

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# by yoniumuhibi | 2016-10-17 23:30 | Comments(0)

沖縄の非暴力とは無縁な「超圧力」 - 足を引っ張ったしばき隊の暴力主義

c0315619_15591591.jpgしばき隊の添田充啓が逮捕された事件は、7月に高江のヘリパッド工事が強行された後、初めて逮捕状が交付され勾留請求が承認されたケースである。従来、揉み合いの中で公務執行妨害で現行犯逮捕された場合でも、すべて勾留請求が地裁によって却下され、連行された被疑者市民は無事釈放されていた。その意味で、高江の抗議行動全体においてきわめて重大な事態の発生と言える。この逮捕の後、政府側は強硬姿勢に転じ、高江の抗議行動に刑特法を適用して取り締まるぞという脅しに出ていた。その点に着目するなら、言わば転機となる口実と動因を政府側に与えた事件であったことは間違いない。また、もし、これが真に不当逮捕であり不当勾留であったなら、琉球新報と沖縄タイムスが見逃すことなく大きく取り上げ、国家権力による弾圧だと筆誅を加え、警察当局を糾弾する論陣を張って世論に訴えたことだろう。琉球新報と沖縄タイムスは、この国でジャーナリズムの精神と能力を持った最後の砦と言える新聞社であり、無条件で論説を信用できる希有な言論機関である。2紙の論説は、リベラルにとって時事を考える際の、言わば北極星のような基準的存在だ。その沖縄2紙が、添田充啓の逮捕を不当逮捕だと論うキャンペーンに出なかった。

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# by yoniumuhibi | 2016-10-13 23:30 | Comments(1)

逮捕された添田充啓 - 仲間が勾留されたのに沈黙して逃げ腰のしばき隊

c0315619_13161353.jpg先週(10月4日)、沖縄の米軍北部演習場でしばき隊の男が逮捕された。ヘリパッド工事に反対する抗議行動の最中に、防衛局職員を突き飛ばして転倒させ、頭部打撲など2週間のけがを負わせた傷害の容疑である。男の名前は添田充啓(高橋直輝)。しばき隊の戦闘部門である男組の組長を名乗っている。前科三犯。過去3年間、男組の活動中に3度逮捕され、いずれも暴行・脅迫で有罪になっていて、今回で4度目の逮捕となる。このうち、2013年11月に東京で起こして2度目の逮捕となった事件では、傷害罪で懲役10か月・執行猶予3年の判決を受け、現在は執行猶予中の身だった。今回の事件は9月24日に発生、被害届が27日に出され、一週間後の10月4日に逮捕されている。要注意なのは佐藤正久のTwで、事件翌日の25日にすぐに反応して怒りを表明、翌々日の26日には「警察と防衛省と対応協議」したことを報告、違法行為に対してはあらゆる法律を駆使して取り締まる旨を宣告している。このTwから3日後の29日、複数の政府関係者が高江の抗議行動に刑特法を適用すると示唆した事実が琉球新報の1面記事で報道、基地内への不法侵入(刑特法2条)で抗議者を容赦なく逮捕するという政府の強硬姿勢が伝えられた。

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# by yoniumuhibi | 2016-10-11 23:30 | Comments(2)

復権した「戦後民主主義」 - 護憲派を思考停止と侮辱した山口二郎

c0315619_18161436.jpg前回、55年体制の言説について検討を加え、私なりの認識と再評価を問題提起した。政治の一般論議において、現在はネガティブな表象である55年体制の語の歴史的な中身を捉え直し、むしろこれが戦後民主主義が体制化された姿であり、1945年から続いた8.15革命が一つの形になって結実したものという積極的な意味づけを試みた。60年安保という市民革命によって掴み取った政治体制だったから、この体制下での政治は民主主義がよく機能したのであり、日本国憲法で保障された権利が守られ、国会の議論も国民の方を向いていて、野党の牽制が利いて政府は暴走することなく、政策は国民の生活に即したものとなった。55年体制は、格差のない1億総中流の社会を実現した。その政治体制を破壊したのが「政治改革」であり、小選挙区制導入による「二大政党による政権交代システム」である。それを扇動したのは山口二郎で、岩波書店と朝日新聞だった。「政治改革」以降、政党と政府の政策はネオリベ基調にシフトし、1億総中流の社会が失われてミゼラブルな格差社会となる。投票率は下がり、マスコミが政治を操縦してポピュリズム漬け込み、民主主義の形骸化と劣化が歯止めなく進行している状況にある。

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# by yoniumuhibi | 2016-10-04 23:30 | Comments(2)

55年体制 - 60年安保の市民革命で定着させた戦後民主主義の政治体制

c0315619_16105792.jpg本屋の店頭を覗くと田中角栄の関連本が多く並んでいる。今年に入ってからずっと田中角栄ブームが続いていて、人々が田中角栄の人物と政治に郷愁を感じ、そのリーダー像に強く惹かれている空気がよく分かる。田中角栄に人気が集まっていることの意味を考えたいが、まず指摘したい点は、田中角栄を懐かしく思い、田中角栄の政治に焦がれる心理が、今の自民党の支持率を高くさせ、民進党など野党の支持率を低いところに置いているという事実だ。田中角栄という政治シンボルは、今の安倍晋三の政治やアベノミクスの政策とは原理的に対立して隔絶したものだが、しかしながら、それは過去の自民党政治の表象と繋がり、そのため、自民党は同じ自民党だから、「頼れるのは自民党」という結論に漂着するのである。田中角栄ブームという現象が否定しているものは、ネオリベの経済政策であることは間違いないけれど、それだけでなく同時に、90年代に出て来た民主党が否定されている。四半世紀やってきて何も成果を出さない、国民の暮らしに何も福利をもたらさない、民進党(民主党)が否定され、民進党を媒介したところの「二大政党による政権交代システム」という考え方が否定されている。

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# by yoniumuhibi | 2016-09-30 23:30 | Comments(2)

映画『君の名は。』の魅力 - 村上春樹を思わせる物語、今の若者の心を代弁

c0315619_16573532.jpg映画『君の名は。』を見てきた。きっかけは、9月20日の報ステの中で小川彩佳が絶賛するのに接したからで、これは見た方がいいかなと感じたからだった。通常、現在上映中の映画を、あれほどテレビの報道番組が激賞することはない。予期せぬ社会現象となり、若者の間で空前のブームが起きているため、報ステが特集して紹介したのに違いなかった。そこから4日後の9月23日、興行収入が封切4週目で100億円を突破したという快挙達成の報道があり、その夜、日テレのZEROでも特集が組まれ、映画に登場する各地がファンの間で「聖地」になっている状況が伝えられた。おそらく、NHKやTBSも続くことになるだろう。興行収入のグラフの伸びだけを見れば、勢いは『アナと雪の女王』を凌駕していて、驚異的な観客動員を短期で実現している。この映画のヒットが異色で画期的なのは、テレビなどマスコミでの宣伝をしておらず、上からのプロモーションがないのに若者の観客を爆発的な勢いで集めたことだ。若者層の共鳴はSNSで口コミで広がったと言われている。リピーターが多い。この事業の成功には脱帽させられる。作品が本物だからであり、若者の心をグリップしたということだ。

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# by yoniumuhibi | 2016-09-28 23:30 | Comments(1)

しばき隊リンチ事件を整理する - 李信恵謝罪文の再検証、謝罪文と被害者M

c0315619_15255606.jpg李信恵はなぜ不起訴処分になったのか。この問題は、しばき隊リンチ事件の最大の謎である。LK、李信恵、Bの3人は、2015年10月29日に同時に書類送検されている。前回の記事で確認したとおり、事件直後の2015年1月19日に加害者側弁護士から送達された示談文書では、責任の順序は、①LK、②李信恵、③Bの並びになっていて、この順番での責任の重さが当事者間で共通認識になっていたことが分かる。事件の捜査で取調べを受けた容疑者は3人で、一緒に送検されており、すなわち明らかに集団による暴行傷害事件である。示談も3人で申し入れた。示談文書によれば、李信恵は「暴力に至る契機となった罵倒や胸ぐらをつかむ等の暴行を行った」とあり、集団での暴行の端緒を開いた事実を加害者側が認め、それゆえ責任が二番目に重いという位置になっている。したがって、もしも司法機関の裁定で、この3人の中で1人だけ刑事責任を免除される者が出るとすれば、順序に従えばBが該当しなくてはならない。そういう論理的想定になる。だが大阪地検は、2016年3月1日の略式命令で、李信恵を不起訴処分にし、LKとBを有罪罰金刑とした。責任の順序が入れ替わっている。①LK、②B、③李信恵の順番に変わってしまった。どうしてこのような責任順位の変化が生じたのか。

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# by yoniumuhibi | 2016-09-26 23:30 | Comments(0)

しばき隊リンチ事件を整理する - 加害者側弁護士文書と責任の順序

c0315619_18524157.jpg事件は2014年12月17日の午前1時前に始まった。北新地のワインバーでしばき隊5人が飲食している席にMが電話で呼び出され、店内に入ると同時に李信恵に一撃を受けている。この場面については、ネットに30秒間の録音が上がっていて、Bらが李信恵と被害者との間に入って取りなしている緊迫した様子が分かる。Mは言葉を発しておらず、双方の間に会話は発生していない。その後、LKがMを店外に連れ出し、1時間にわたって60発の顔面殴打を続けるのだが、その残酷な状況については、高島弁護士がICレコーダーを書き起こして再現した。録音が40分を経過したときに、Mが店外から店内に連れ込まれ、そこで李信恵による「まぁ殺されるんやったら店の中入ったらいいんちゃう」の発言が出る。この経緯は、李信恵が謝罪文で書いている「事実」とは全く異なるものだ。その後、Mは再び店外に連れ出され、LKによる執拗な顔面殴打の後半戦が始まることになる。店外での暴行にはBも加わった。1時間60発の殴打は前半と後半に分かれており、インターバルの時間に店内で李信恵の言葉が発せられている。事件現場となった北新地のワインバーは、雑居ビルの1階にあり、通路を入った奥左に店舗がある。カウンターだけの狭い小さな店だ。午前2時、李信恵がワインの写真をTwに上げている。

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# by yoniumuhibi | 2016-09-21 23:30 | Comments(2)

しばき隊リンチ事件を整理する - 5月の経過を証拠資料と共に振り返る

c0315619_18001069.jpgしばき隊リンチ事件について整理を試みたい。大阪地裁で裁判が始まったが、疾風怒濤の日々だった5月から3か月も時間が経ったため、事件についての輪郭の把握がやや曖昧になっている。5月のネットでの喧騒のあと、7月に鹿砦社から一冊の本が出たが、残念ながら時系列的に事件を整理・要約した記事がなく、事件の概要を理解する上でいまひとつ不足感のある文献資料となっている。裁判の今後の進行をよく見守る見識的主体性を準備するためには、ここでもう一度、ネットに散在している事件の証拠資料を一つ一つ拾い上げ、吟味再読して頭に入れる必要があり、また、事件を時系列的にトレースして年表化する必要があると思われる。本来、その作業をして提示すべきだったのは原告側であり、裁判が始まる前に「決定版」となる資料の構成と提供を図るべきだった。誰もがそれを参照して、事件の概要を知る標準的なガイドブックとなる、決定版のドキュメントを作成するべきで、そのために必要な時間は十分にあったと思われるが、その取り組みがなかった。いつ誰が何をしてという5W1Hの経緯を連ねた簡潔な年表があり、事件に関係した人物相関図と個々のプロフィールがあり、その上で関係者から発信された証拠書類や音声テキストが参考添付されていれば、事件は分かりやすく一般に認識されるところとなっていただろう。

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# by yoniumuhibi | 2016-09-19 23:30 | Comments(2)

しばき隊優勢の意外な序幕となったリンチ事件裁判 - 裁判分離の策略と攻勢

c0315619_17385795.jpgしばき隊リンチ事件の裁判が大阪地裁で始まった。どんな裁判になるか注目していたが、被告側が用意周到に戦略を練って臨んでいて、冒頭の現時点では被告側が裁判の主導権を握った情勢にある。裁判の戦いの火蓋を切るに当たって、被告側は三つの戦略戦術を同時に打ってきた。第一は、9月8日付官報に公告された高島弁護士に対する新潟弁護士会による懲戒戒告処分の衝撃であり、第二は、9月10日に公表された辛淑玉のFBコメントであり、第三に、被告であるLKの所在不明に絡んだ裁判分離の仕掛けである。客観的に評価して、作戦として非常に綿密で大胆で秀逸だ。そして狡猾である。しばき隊らしいマヌーバー。しばき隊は裁判までの時間を無駄にせず、打てる手を考えて計略をめぐらし、八方策を尽くして必勝の態勢で裁判を迎えた。この戦略ミックスの投擲と被弾によってネットの界隈は動揺を起こし、被害者である原告側の勝利を確実視していた空気の雲行きが怪しくなっている。第一の懲戒戒告の件は、今のところ内容が掴めないので論じようがないが、処分と公告のタイミングを裁判直前に合わせてきたことは偶然とは考えにくく、神原元としばき隊を支援する司法関係者の法曹界での権力の大きさをまざまざと見せつけられた格好だ。示威としてこれ以上効果の大きな爆弾はない。

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# by yoniumuhibi | 2016-09-15 23:30 | Comments(0)

党派性に埋没した辛淑玉 - 総括と裁定のステートメントだった辛淑玉文書

c0315619_18435235.jpgしばき隊リンチ事件の第1回口頭弁論が大阪地裁で12日に行われ、その二日前の10日、裁判に合わせるように辛淑玉がFBで声明を発表した。その趣旨は、1年半前に自らが事件に関して書いた辛淑玉文書の所論の否定であり、辛淑玉文書を公開した私に対する非難であり、李信恵らリンチ事件加害者の擁護の強調となっている。2015年1月27日に発行した辛淑玉文書が7枚のページ数だったのに対して、今回は分量が少ない。何より中身がなく、李信恵の裁判を有利にしたいという戦術上の狙いだけが透けて見え、偏狭で内向きな党派性が丸出しになっている。前回の文書は誠実さが伝わって感動的だったが、今回のものはそれとはまさに対照的に落胆させられるもので、辛淑玉の言論人としての評価と信用を落とすものだ。残念である。最初に、私を念頭に置いて書かれたと見られる部分があり、それは悪意のある誹謗中傷なので、反論を加えておく必要があるだろう。こう書いている。「手紙がネットに流されました。それを有料のコラムで紹介した人もいると聞いて、私信をネットに流すだけでも非常識なのに、それで小銭を稼ぐという行為には耳を疑いました」。名前は上げてないが、これは私のことだ。名前を上げてないのは、その必要すらない無名の小物だからという認識と感情からだろう。つまり、侮蔑を示す意図からだ。


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# by yoniumuhibi | 2016-09-13 23:30 | Comments(2)

フェイドアウトのディボース - 「駆けつけ警護」の修羅場を前の周到な破綻

c0315619_17542673.jpg「野党共闘」の破綻がどうやら現実のものになった。民進党の代表選に立候補した3人が口を揃えて共産党との連携について消極的な発言をしていて、そのことが繰り返しマスコミで大きく報道されている。「野党共闘」について3人の立場が共通しているのは、「理念や政策の一致が前提となる」という点であり、この意味を裏返せば、参院選と都知事選での共産党との選挙協力は理念・政策の一致を前提としていない野合だったという総括と反省になる。選挙が終われば、民進党がこうした主張を始めるのは自明の理だった。岡田克也が公約のとおりに改憲3分の2を阻止する結果を得ていれば、代表続投となっていただろうが、勝敗ラインを割って責任問題が浮上する以上、引責辞任せざるを得ず、そうなったときは「野党共闘」の継続が見直され、民進党のネイティブな政策路線への回帰が始まるのは当然の成り行きだった。客観的に見れば、この1年間の民進党(民主党)が本来の軌道から離れて左に寄っていたのであり、例外的な取り舵いっぱいの冒険的旋回をしていたと言える。左に寄って売り出した山尾志桜里が、ちゃっかり前原誠司の推薦人になって登壇した絵からも、そのことが確認できるだろう。

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# by yoniumuhibi | 2016-09-07 23:30 | Comments(1)

予定どおり右回帰となった民進党代表選 - 「野党共闘」から離れる国民世論

c0315619_16572935.jpg民進党の代表選挙が行われている。台風の災害の他に大きなニュースがないため、マスコミは毎日取り上げて報道しているが、特に盛り上がっているような様子がない。昨年の夏から長く続いた政治の季節が終わり、人は政治に倦み疲れているように見える。政治への関心から離れ、生活と政治との間の距離感を持とうとしているように見える。眼前で行われている民進党代表選の政策論議は、私が予想したとおりの展開となり、憲法改正と「野党共闘」の見直しが争点となった。立候補した3人は異口同音に憲法改正に前向きな姿勢を示し、衆院選での共産党との協力に消極的な立場を明言している。岡田克也がこの1年間言ってきたような、安倍政権の下での憲法改正に断固反対とか、自民党が憲法草案を撤回しないかぎり憲法審査会の審議には応じられないとか、そうした、護憲にウエイトを置いた左寄りの憲法論を言う候補者がいない。明らかに岡田克也のこれまでの路線から離れ、共産党との共闘から離れ、改憲に積極的な右向きの方向に変わっている。それは、民進党(民主党)という政党のネイティブな体質と軌道への回帰と言える。

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# by yoniumuhibi | 2016-09-05 23:30 | Comments(2)

謙虚さと誠実さのないSEALDs - 政治敗北の反省なく国民に説教

c0315619_17272234.jpg日経の最新の世論調査では、安倍内閣の支持率が62%に上昇している。2年ぶりに60%台を記録した。毎月の上下の変動はあるが、移動平均の直線にすると、昨年夏をボトムとして反転上昇し、その傾向が1年間持続したことが分かる。昨年7月末の日経の数字は38%だった。その1年間というのは、SEALDsが登場して野党連合の動きを進め、今年7月の参院選へと至った政治過程である。通常、日本の政治においては、若干の例外を除いて、政権は長期になればなるほど支持率を下落させてゆく。4年目の政権で60%の高さに戻すのは異例のことだ。今回の高い支持率は、リオ五輪閉会式で奇矯な演出をしてウケを取ったとか、そういう瞬間的な契機がもたらしたものではなく、まさしく去年夏からのリバウンドのエネルギーが作用している現象に他ならない。安保法をめぐる政治戦の国民的体験が、その後の政治の気分を逆流的に作っている。去年夏、日頃はあまり政治に関心を持たず、政治のニュースに首を突っ込むことをしない者が、身を乗り出して安保法の政治の渦中に入った。例えば、会社の同僚と昼飯を食ったり夜の居酒屋に行った席で、リスクを賭して、反安倍反安保の持論を切り出した者もいただろう。

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# by yoniumuhibi | 2016-08-31 23:30 | Comments(2)

サンデーモーニングのSEALDs讃歌 - 脱力させられる英雄伝説化

c0315619_16065273.jpg朝日の大型連載でマスコミによるSEALDs礼賛企画も終わりかなと思っていたら、今度はTBSのサンデーモーニングが派手な大型花火を打ち上げた。昨日、8月28日の「風をよむ」で、SEALDs美化のプロパガンダを大々的に放送し、SEALDsの「偉大さ」をこれでもかと讃えて意義を強調した。放送終了後にネットで反響を見ると、例によって番組を叩く右翼のツイートが山のように発せられ、少数の左翼が擁護を言ういつものTLの光景があり、どうにも気分が悪く、後味が悪い思いをさせられる。28日にサンデーモーニングがSEALDsの美化を刷り込むということは、ひょっとしたら計画的なものだったかもしれない。否、15日に解散するという日程自体が、28日の宣伝放送を予定として組み込んだ可能性もあると、そういう推測に導かれてしまう。8月21日はリオ五輪のため番組は最初から休みだった。8月30日は、例の国会前デモから1年の記念の日となる。左翼リベラルの側からのSEALDsの意義を顕彰する動きが予想され、28日のサンデーモーニングはその景気づけの助走路として仕込んだのかもしれない。1年前の運動を絶賛する言論を盛り上げ、安保法が成立した9月19日までそれを続け、同時並行で動いている民進党の代表選に影響を及ぼす思惑で。

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# by yoniumuhibi | 2016-08-29 23:30 | Comments(0)

不毛な朝日新聞のSEALDs特集 - SEALDsの毀誉褒貶の構造

c0315619_17113196.jpg朝日新聞のSEALDs特集を切り抜いて保存することにした。証拠として残しておくためである。石松恒、藤原慎一の署名のある朝日政治部によるSEALD運動の総括が、果たしてどこまで減価償却に耐えられ、時間的に価値を維持できるか確認するためである。私の予想では、かなり早い時期にこの特集記事は意味を失って腐ってしまう。スターリン著の『ソ連共産党(ボ)小史』のような、評価が転覆して読むに耐えられない、陳腐でうしろめたい代物になり、後から検証の槍玉にあげられて指弾を受ける不面目な政治テキストとなるだろう。朝日新聞だけではないが、左系メディアによる判で押したようなSEALDsの偶像化は、歴史の捏造であり真実を隠蔽する政治工作である。異常な美化と称賛の散りばめであり、正確な実像を客観的にジャーナリズムしたものではない。本来、SEALDsの成り立ちについては、2012年のTAZに触れないわけにはいかないはずで、Wikiにも情報が出ているのだが、朝日の特集ではきれいにオミットされている。しばき隊との関係性を跡づける事実がマスクされている。昨年、SEALDsの紹介本として7万部を売った河出書房新社の『高橋源一郎xSEALDs 民主主義ってなんだ』には、TAZの件が登場する。

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# by yoniumuhibi | 2016-08-25 23:30 | Comments(0)

SEALDsの偶像崇拝と左翼のカルト化 - しばき隊に叩かれた朝日新聞

c0315619_15263512.jpg朝日新聞によるSEALDsの神話化と偶像化が進む中、先週、興味深い事件が起きた。朝日新聞が企画して発信している「朝日新聞x18歳19歳」というツイッターで、SEALDs解散について一般の意見を募集し、DMで受け付けて公開に及んだところ、SEALDsに対して批判的な意見が多く、即座にしばき隊から猛烈なバッシングが入り、企画の中止に追い込まれたのだ。このアカウントは「18歳、19歳を中心とした若者の声を集め、みんなで一緒に考える『Voice1819』プロジェクト。朝日新聞の記者が新聞を飛び出し、慣れない中でサイトを運営しています」と説明書きがある。朝日新聞として、SEALDs解散の機会に、なるべく若い世代の声を集め、それを伝えようと試みたのだろう。企画を始めたすぐの時点では、SEALDsを評価する声が上がっている。が、すぐに批判的な声の方が多くなった。8月17日の投稿にこうある。「実際に現場に行って間近で活動を見たことがあるものです。若者の活動を謳っているのに高齢の方のほうがむしろ多く、やっていることも主義主張も安保闘争の焼き直しの感が否めなかったことが印象に残っています」。

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# by yoniumuhibi | 2016-08-23 23:30 | Comments(2)

朝日新聞によるSEALDsの神話作り - 敗北を勝利に置き換えるプロパガンダ

c0315619_16533925.jpg8月15日にSEALDsが解散し、それに合わせて朝日新聞がSEALDsを大きく紙面で取り上げている。昨日17日には社説が上がり、解散会見の記事が2面に出ていて、今日18日からは9日連続で4面で特集を組むとある。ずいぶん熱の入った派手な騒ぎ方だ。昨年夏の登場より、朝日は一貫してSEALDsを応援してきたから、ここで奮発して美化の花火を打ち上げるのは当然の成り行きかもしれない。朝日はSEALDs運動を仕掛け、そして担った主力の一員だった。去年までの論壇時評の主筆は高橋源一郎で、今年からは小熊英二が引き継いでいる。しばき隊とSEALDsにコミットして宣伝し続け、彼らの運動に一般大衆を吸引してきたメディアとして、朝日(新聞とテレビ)以上に力のあった機関は他にない。朝日新聞の存在がなければ、SEALDsは今のような地位や評価は得てないだろう。だが、そのことは逆に言えば、SEALDsへの朝日の評価は完全に身内へのお手盛りで、本質的に自画自賛であり、親が子を親バカで褒めているのと同類のものだと断言できる。朝日が自らがやってきたことの意義の強調であり、成果の称揚であり、自己正当化である。SEALDsを神話化し伝説化するプロパガンダに熱中している。

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# by yoniumuhibi | 2016-08-18 23:30 | Comments(5)

生前退位のウィニングストラテジー - 年内結論、来年法制化、再来年退位

c0315619_1515366.jpg天皇陛下の「お気持ち表明」のあと、マスコミ各社から世論調査の結果が発表されている。日経の数字では、生前退位を認めるべきが89%、認めるべきでないが4%となった。また、恒久的に生前退位を認めるべく制度化すべきだが76%、今の天皇に限って認めるべきだが18%とななっている。さらに、女性・女系天皇や女性宮家を検討すべきが58%、天皇の「お気持ち表明」について憲法上問題があるとは思わないが83%という結果が示されていて、質問の設計と回答とも、この問題についての日経のリベラル性が反映された報道内容となっている。一方、読売の世論調査を見てみると、93%が「お気持ち表明」を「良かった」と評価し、法制度の「改正を急ぐべきだ」が60%となっている。読売は日経と逆で、皇室典範の改正に反対な安倍政権の意向を滲ませた論調の記事になっているが、世論調査の回答が編集部の意向を裏切っていることがよく分かる。いずれにせよ、8日のビデオメッセージの後、国民世論は圧倒的に生前退位を支持する方向に出て、生前退位実現の制度改定は必至の情勢となった。予想どおりの反響と進行であり、天皇陛下の決断と挑戦は見事に成功した。

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# by yoniumuhibi | 2016-08-16 23:30 | Comments(2)

辺見庸の「お気持ち表明」批判 - 象徴と内在、国民統合と国民の総意

c0315619_16375235.jpg辺見庸が天皇陛下のお気持ち表明に対して反応し、辛辣な批判をブログで加えている。昨日(8/9)の記事でこう書いている。「ポイントは『日本の皇室が、いかに伝統を現代に生かし、いきいきとして社会に内在し、人々の期待に応えていくかを考えつつ、今日に至っています』にあるのである。朕らはもはや象徴ではなひのだ」。この一節を読んで、中学3年の公民で教師が憲法1条の象徴天皇制をどう説明したかを思い出した。たしか、象徴とはバッジのようなものです、皆さんの学生服の襟につけている徽章と同じです、それぞれの国にはバッジがあり、日本の国のバッジが天皇です、という説明だったような記憶がある。そして、その後、象徴は元首ではないという話が続き、日本国憲法で天皇が元首ではなく象徴とされた意義が強調されていた。今は学校教育でどう教えているか不明だが、この原点に立ち帰れば、辺見庸の問題提起は有意味なもので本質を射抜いていると言えなくもない。憲法1条の象徴の意味は、このようにきわめて無機質的なニュアンスで説明され、純機能的な看板のようなイメージで生徒に理解が導かれる概念だった。学校教育での象徴の意味がこうだったとすれば、辺見庸の批判のとおり、天皇陛下の「社会に内在」の論は則を超えた逸脱かもしれない。

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# by yoniumuhibi | 2016-08-10 23:30 | Comments(9)

生前退位のお気持ちの表明 - 象徴天皇制の理念の見事な説明と説得

c0315619_16483788.jpg予告されていた生前退位のお気持ち表明が、昨日(8/8)、つつがなく行われて安堵している。今日(8/9)の朝日新聞を読むと、文案作成の最初の段階では、より強い調子で退位の意向が盛り込まれていたとある。官邸との事前調整が図られた結果、抑制された表現になった。朝日の記者たちには宮内庁を通じて内々に知らされているのだろうが、オリジナルの原稿を読んでみたいものだ。控え目な表現になったとはいえ、言葉は正面から直接に国民にメッセージを発するものになっていて、論旨はわかりやすく、意味が曖昧にならないように工夫されていた。生前退位の希望を言い、その理由と必要を説き、そのためには皇室制度の改定が必要であることを伝え、国民に願いを叶えて欲しいと訴えていた。期待していたとおりの言葉であり、感動して聴き入った。テレビの前の人々は、私も含めて、あらためて一人一人が憲法に書かれた国民であることを再認識し、日本国の主権者であることを自覚したことだろう。天皇陛下にお願いをされる立場なのだ。地べたに這いつくばって生きている一人一人の衆生は、しかし、形式上は国家を舵取りする主体的人格である国民なのである。フィクションとしての国民主権。その社会科学的真実を、不思議な感覚とともに、昨日ほど強く思い知った体験はあるまい。

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# by yoniumuhibi | 2016-08-09 23:30 | Comments(5)

小池旋風と劇場型選挙の教訓 - 安倍政権打倒はリベラル新党しかない

c0315619_1538493.jpg小池百合子が圧勝した今回の都知事選、鳥越俊太郎が大敗したことだけに注目すると悲観的な感想や総括しか出て来ないが、見方を変えれば、そこに大きな可能性があることに気づく。正直なところ、都知事選の結果は私を楽観的な気分にさせた。そこに発見し、確信したのは、私が従来からしつこく訴えているところの「永田町の外からの新党で受け皿を作るしかない」という主張の正しさだ。小池百合子はなぜ圧勝したのか。自民・公明の支援を受けなかったからである。政党組織と対決する劇場型の構図に持ち込んだからだ。鳥越俊太郎はなぜ惨敗したのか、理由は幾つかあるが、既成政党の支援を受けた出馬と運動であり、無党派層の支持を集められなかった点が大きい。本来、知名度の高さで無党派の票を集めて勝つべき鳥越俊太郎が、無党派の票の取り込みに失敗した。選挙戦では、野党の幹部が常に選挙カーの上に立ち、政党系の団体や集団が街頭でもネットでも活発に動き、無色透明の無党派市民が運動に参加して後押しする度合いはきわめて小さかった。朝日の調査では、無党派層の51%が小池百合子に投票し、民進支持層の28%、共産支持層の19%が小池百合子に投票している。

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# by yoniumuhibi | 2016-08-03 23:30 | Comments(10)

都知事選での鳥越俊太郎の大敗 - 1年で終焉へと向かう「野党共闘」

c0315619_1784546.jpg都知事選の開票結果の集計を見ると、小池百合子が291万票、増田寛也が179万票、鳥越俊太郎が134万票となっている。保守分裂選挙でありながら、野党統一候補で反安倍の鳥越俊太郎は次点につけることもできず大差で敗れた。保守vs野党の票で見ると、470万票vs134万票というとんでもない差になっている。3週間前の参院選での東京選挙区の得票では、保守vs野党は287万票vs265万票のイーブンだった。組織票と呼ばれる民進や共産の固定票も切り崩され、無党派の票の過半数が小池百合子に持って行かれ、正視できないほどの惨敗となった。そして、ほぼ事前のマスコミの情勢調査どおりの結果となった。安倍晋三は笑いが止まらないだろう。この都知事選の意味を総括する上で重要なのは、鳥越俊太郎が出馬表明したときの訴えが民意で否定されたという現実だ。7月10日の参院選の結果に強い危機感を覚えたこと、憲法が変えられようとしていること、戦争が近づいていることに焦燥し、都知事選出馬を決断したことが12日の会見で語られ、テレビ報道で大きくクローズアップされた。その直後、公示日前後のある調査では、鳥越俊太郎は小池百合子を抜いてトップに躍り出ている。

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# by yoniumuhibi | 2016-08-01 23:30 | Comments(2)


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