「いじめ問題」に化けた小保方事件 - 西崎文子の愚論と山中伸弥の正論

c0315619_17215261.jpg小保方擁護論の怒濤の洪水に驚く。不正を不正として直視せず、不正の事実を認識せず、脱構築的なメンタリティーに流れて、軽率に擁護の論陣を張る者ばかりが群れ踊っている。これらの殆どは、小保方晴子の不正についての真相情報を自ら確認せず、改竄の中味に無知なまま、気分に任せて、主観的に擬似的な「弱者擁護」に与している連中だ。異常を嘆くしかない。マスコミ関係者は、科学の知識がなく、事件の概要を正確に説明できないため、感情論と興味本位の上滑りの進行に任せ、結局のところ、理研叩きの論調にシフトし、理研を叩くことで結果的に小保方晴子を庇護する報道になっている。「マスコミが小保方晴子をバッシングしている」などという主張は、根拠のないフィクションで、フレーズ化されたデマですらあり、実際は、マスコミは理研を叩いて小保方晴子の擁護に回っている。大衆の俗情心理に迎合している。こうして、そのマスコミの空気に乗せられて、小保方擁護派ばかりが無闇に増殖する状況になった。研究不正の問題はどこかへ消えてしまった。多数となりつつある擁護派にとっての「小保方問題」とは、すなわち、「小保方さんを理研とマスコミと世間がいじめる」問題となって、もはや構図が変質してしまっている。「研究不正」の問題ではなく、「弱い者いじめ」の問題にすり替わった。理性を欠く大衆がそこに意識を集中させ、口角泡を飛ばして議論に熱中している。今、叩かれる対象になっているのは、理研と小保方批判派だ。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-08 23:30 | Comments(19)

小保方晴子事件とソクラテス - ソフィストによる不正の相対化

c0315619_15494066.jpg小保方晴子の事件を追いながら、不意にソクラテスが思い浮かんだ。今、この問題はテレビのワイドショーで下品に弄くって遊ぶネタになり、タブロイド紙やスポーツ紙や週刊誌が大衆の興味を低劣に擽って売る醜聞になり、研究不正を糺して教訓を得る問題ではなくなっている。アカデミーのあり方を問う問題として議論されない。だが、本来はそうではなく、日本の教育の病状が問われ、科学とは何か、学術研究とは何か、研究者とは何か、それはどうあるべきかが省みられなくてはいけない重大問題なのだろう。今、与えられるべきは、文教科学の指導者の言葉なのだ。戦後の文部大臣、例えば天野貞祐などがいれば、何か言っただろうし、南原繁や矢内原忠雄がいれば、必ず何かを語ったに違いない。否、湯川秀樹や朝永振一郎が生きていれば、何も言わずに見過ごしているはずはないのだ。賢人の科学者は多くいて、指導的立場の権威や碩学も少なくないのに、ここで肝心な言葉が出て来ない。痴呆なテレビタレントと同列の俗流文化人たちが放つ、無意味な理研叩きと無責任な小保方擁護論でマスコミの論調が染まっている。アカデミーで生息する者たちの危機感の無さに呆れ、絶望させられる。科学者の理性が、世俗を説得し、倫理の大切さを覚醒させるという契機がない。小保方批判を通じて、社会と教育のあり方を問い、アカデミーに反省を促すという場面がない。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-07 23:30 | Comments(3)

文科省・理研の思惑と小保方晴子の戦略 - 「悪意」をめぐる闘争

c0315619_1437406.jpg前回の記事で、理研調査委の最終報告が、丹羽仁史について何の過失も不正への関与も認めず、責任を問うていない点に注目した。STAP細胞のプロジェクトにおいて、ラボの現場で最も小保方晴子に近く、一緒に実験をやった同僚であり、Nature論文の共著者の一人である。実験室で生データに接しているのは丹羽仁史だ。プロフィールとしては、胚性幹細胞(ES細胞)の研究を長く続けた優秀な専門家で、この分野の実験技能では国内で第一人者だと評価が高い。小保方晴子の不正が次々と発覚して世情を騒然とさせた3/12、「STAP細胞ができたという根幹は揺るがない」と理研を代表する形でマスコミに抗弁、佐々真一に、「そもそもこの人は調査される側ではないのか」と厳しく批判された経緯がある。事件を糾弾する2ch生物板では、早くから槍玉に上げられ、ES細胞を混入させたのは丹羽仁史ではないかという疑惑が向けられていた。4/1の会見での竹市雅俊の話では、それどころか、これから理研が1年かけて行う「STAP細胞の検証実験」の責任者として抜擢され、「実験成功」に向けて手腕が期待されるという顛末になっていた。今回の報告書で、笹井芳樹と若山照彦は、「データの正当性と正確性を確認しなかった」という「過失」を咎められ、「責任は重大である」と裁かれた。論文共著者でシニアの研究者という立場なら、丹羽仁史も全く同じだ。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-04 23:30 | Comments(4)

小保方晴子による反論の驚愕 - 不正への開き直りを支える二つの条件

c0315619_15542046.jpg昨日(4/1)は、午前も午後も、ずっと理研の会見の生中継を見ていた。注目の最終報告だったが、正直な感想は、徒労感だけが残ったというものである。前回、3/14の会見のときは、4時間の質疑応答に飽きなかったし、理研幹部の対応についても、それなりに頷ける部分があり、永田町や霞ヶ関の連中とは少し違うなと感じる要素があった。が、今回はそれは全くなく、時間とともに失望と疲労ばかりが重くなり、憂鬱な気分に沈み込んで行った。前回、僅かに見どころを感じたのは、調査委員長の石井俊輔とCDBセンター長の竹市雅俊だった。石井俊輔には技官のオペレーション・エクセレンスを感じて有能さを信用できたし、竹市雅俊には記者の質問に誠実に答えようとする気配が窺われ、責任ある科学者としての良識の片鱗が垣間見えた瞬間があって、今後の対応に期待を寄せる材料になっていた。今回は、竹市雅俊の態度が一変していた感が強い。前回のような、事件の責任を感じて反省している様子がまるでなく、組織防衛と自己保身に徹した醜い官僚の姿に化けていた。石井俊輔の説明も、不正疑惑に対処する論理的思考よりも政治の動機が先行していて、立場的無責任の言い訳ばかりが強調され、前回よりも格段に後退していた。中間報告から2週間、石井俊輔は何をしていたのだろう。不正行為を画像の捏造とスリカエの2点のみに限定し、文章の盗用(コピペ)を不正とせず、容認した点はとても納得できない。言語道断の手抜き審判だ。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-02 23:30 | Comments(11)

渡辺喜美と吉田嘉明の8億円事件 - 証拠暴露で違法性は決定的

c0315619_16441546.jpg前回の記事を上げた直後(3/28)、DHCの吉田嘉明が、渡辺喜美から「あと5億円ほど必要」と依頼を受けたメールが暴露された。数社のマスコミ記者がDHC本社に呼ばれて本人に取材し、携帯メールの画面を撮影、その日のうちにテレビのニュースの映像として流れた。渡辺喜美が、会見やテレビ番組への生出演で疑惑を否定した翌日のことであり、素早い動きに驚かされる。言わば、事件の共犯者が、容疑を否認する主犯に対して、核心を衝く物的証拠を突きつけた形で、これで渡辺喜美の容疑はほぼ確実になったと言えるだろう。3/27の郷原信郎の所論、すなわち渡辺喜美の違法性を問うのは困難とした主張は、その法律解釈の詭弁と牽強付会の問題以前に、現時点で全く無意味なものになった。動かぬ証拠が出たからである。同じ3/28には、都内の市民団体の代表が、渡辺喜美を公選法違反と規正法違反の容疑で地検に告発した。これも素早い動きだ。この「代表」の素性については本記事の後段で触れる。3/29には、三井環が夕刊フジの記事に登場し、「立件の可能性は十分ある。逮捕もあり得る」と指摘した。郷原信郎とは全く逆の見解だが、二人の意見の対立の間には、何と言ってもメールという物的証拠があり、ここに来て郷原信郎の勇み足は明白になったと言わざるを得ない。郷原信郎は「政治とカネ」の問題の専門家なのだが、この件では結論を急ぎすぎて失敗した。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-31 23:30 | Comments(0)

郷原信郎の詭弁 - 渡辺喜美の8億円をシロにする法律解釈の唖然

c0315619_13432548.jpg渡辺喜美の8億円の資金疑惑の問題について、郷原信郎がBlogに記事を上げている。その結論はこうだ。「報道されている事実関係を前提にすると、今回の吉田氏から渡辺代表に対する巨額の選挙資金提供の事実については、政治的、道義的責任は別として、違法行為・犯罪として立件するのは相当困難だろう」。法的に違法とすることは難しく、検察が動くことはないだろうと予想を立てている。この記事を読んだ者の多くが、落胆の気分にさせられたことだろう。現時点で、法曹家の中から、この郷原信郎の見解に反論を上げたり、異なる見方を示している例はない。しかし、誰の目から見ても、今回の渡辺喜美の事件は猪瀬直樹の問題と同じであり、猪瀬直樹が当局から捜査を受けて刑事責任を追及されているのに、渡辺喜美がそれを免れるという指摘は腑に落ちない。猪瀬直樹の5000万円が違法であるなら、渡辺喜美の8億円も違法だろう。問題の構図と性格は全く同じだ。以下、郷原信郎の論理の中味を見ながら、どのような解釈で渡辺喜美の8億円を無罪だとしているのか、それを整理し確認して、その問題点を検討してみたい。郷原信郎の論法は、この渡辺喜美の8億円の資金提供が、公職選挙法に違反するか、政治資金規正法に違反するか、という図式で組み立てられている。前者にも違反せず、後者にも抵触しなければ、この行為はシロになるという説明だ。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-28 23:30 | Comments(6)

オバマの「軍事力は行使しない」の意味 - ウクライナへのメッセージ

c0315619_17131953.jpgロシアによるクリミア編入に対して、オバマが、「軍事力は行使しない」と発言したのは3/19のことだ。これは、プーチンがクリミア編入の決断を演説した翌日の出来事で、それを聞いた世界中の誰もが意外に感じ、あまりに弱腰すぎるではないかと非難の声が上がった。BSフジの報道番組でも、反町理がオバマを批判し、プーチン演説の次の日に、このような(非力の内実を晒す)形で手の内を見せてしまうのは、ロシアに対抗する外交としてあまりに下手なやり方だと愚痴をこぼす場面があった。反ロ親米の一般的立場からすれば、この反町理のオバマ批判は正論に聞こえるだろう。右翼が多数を制しているネット掲示板でも、同じ論難が飛び交っていて、プーチンの強気に対して、軍事行動の封印を自ら先に宣言したオバマの消極姿勢に、懐疑と落胆の罵声を浴びせている。だが、私から言わせれば、これはオバマの発言の真意を理解していない者の浅薄な見方だ。認識が間違っている。このオバマの発言は、ロシアに向けて発したものではなく、世界の世論を意識したものでもなく、ウクライナの新政権への本音のメッセージなのだ。自制せよという意味である。これ以上、ロシアを刺激する過激な暴走をするなと制止し、もし、その結果としてウクライナ東部へのロシアの軍事侵攻を招いても、米国は軍事的手段を講じないと、そうヤツェニュクとトゥルチノフに警告、スヴォボダ(極右ネオナチ)を牽制したのである。 

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# by yoniumuhibi | 2014-03-26 23:30 | Comments(1)

小保方晴子事件に沈黙するマスコミ - 倫理不全に寛容な社会風土

c0315619_1282925.jpg不思議なことに、小保方晴子の事件についてのマスコミ報道がすっかり消えている。まさかとは思うが、安倍晋三がマスコミに手を回し、また、早稲田や理研に手を回して、口封じの戒厳令を敷いているのだろうか。小保方晴子とSTAP細胞の発見は、安倍晋三の進める「成長戦略」のプロモーション・シンボルだった。その中味は三つあって、第一に、再生医療への国家を挙げた重点投資が「成長戦略」の目玉になっていたことに関わっている。安倍晋三とマスコミが「成長戦略」を宣伝するときは、必ず再生医療が引き合いに出され、「成長戦略」を正当化し訴求する看板商品になっていた。第二に、「女性の活用」がある。1/20に産業競争力会議が出した「成長戦略進化のための今後の検討方針」では、その第一の課題項目が「女性の活躍推進」になっている。第三に、教育の分野での研究開発投資の戦略的重点化で、「特定国立研究開発法人」を設置して巨額の予算を投入し、年収1億円以上の研究者をゴロゴロ出すことが策定されていた。つまり、安倍晋三の「成長戦略」の柱であるところの、再生医療、女性、研究開発重点投資の三つのキーワードが結節したところに、「小保方晴子のSTAP細胞」の花火の打ち上げあったということになる。実際に、安倍晋三は1/11に理研を視察し、笹井芳樹から説明を受ける場面をマスコミに撮影させて宣伝報道させていた。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-25 23:30 | Comments(35)

新聞社の科学記者は小保方晴子と理研関係者に共同で取材せよ

c0315619_1435173.jpg文科省のサイトに「研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて」というページがある。その中に、「研究活動の不正行為に関する特別委員会報告書(要旨)」が載っていて、「不正行為に対する基本姿勢」の項目には、次のように明記されている。「不正行為は、科学そのものに対する背信行為であり、研究費の多寡や出所の如何を問わず絶対に許されない。これらのことを個々の研究者はもとより、研究者コミュニティや大学・研究機関、研究費の配分機関は理解して、不正行為に対して厳しい姿勢で臨まなければならない」。このガイドラインの報告書は、2006年2月に設置された「研究活動の不正行為に関する特別委員会」によって作成され、同年8月に提出されたものだ。委員会の名簿を見ると、12人のメンバーの中に理化学研究所の吉田稔の名前がある。笑えない皮肉。和光のラボの者だが、化学遺伝学の研究者らしい。この報告書での「基本姿勢」に照らして、小保方晴子の問題をどう考えるか、どう対処すべきか、コメントを聞きたいものだ。同じくメンバーの中には、早稲田理工学術院教授の松本和子の名前がある。無機化学の専門家で、これも皮肉な話だが、もっと皮肉なのは、この松本和子が、同じ2006年6月にJST(科学技術振興機構)の科学技術研究費を不正流用した問題が発覚し、大学から退職勧告付きの1年間停職処分を下されていたことだ。松本和子については、論文のデータの捏造疑惑も取り沙汰されている。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-21 23:30 | Comments(10)

戦争の可能性が高いウクライナ情勢 - 反ロ感情の基底にあるもの

c0315619_17274698.jpg昨夜(3/19)、報ステを見ていたら、冒頭にポーランドの外相が登場し、ウクライナ問題で次のように語る場面があった。EUは28か国の連合体であるため、米国のように一人の最高指導者が迅速に意思決定して対応を措置できないのが問題なのだと。トップニュースのウクライナ情勢の最初にこの映像が出て、古館伊知郎がこの発言をフォローする形で説明が流れ、構図を読み解くキーイシューとして強調される報道になっていた。実は、今回の記事では、この視点を主題にしようと着想していたため、シコルスキと報ステに先を越されて残念な気持ちでいる。まさに、シコルスキの指摘が核心を衝いていて、それは、EUの矛盾と限界の露呈でもある。ギリシャ危機のとき、EUの自己矛盾は経済の面で明らかになった。域内で財政破綻した国を誰が救うのか。財政は各国が自前で運営していて、財源は各々の国民の税金である。それでも何とか奉加帳方式を工夫し、ドイツが責任分担の前面に出て、また、米国(IMF)が日本から4.8兆円を強制拠出させ、どうにか危機を克服することができた。通貨ユーロの保全に成功した。しかし、今度は安全保障の問題であり、金融や財政のようなテクニカルな調整では済まない。ここで必要なのは、まさしくEUの軍事指導者なのだ。主権が28か国に分散し、各国のロシアとの関係が一様でないEUは、対ロシアの安全保障政策で一つの意思と戦略を持つことができない。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-20 23:30 | Comments(2)

横溢する小保方擁護論の諸相 - 無責任と脱倫理が栄えて沈む国

c0315619_160976.jpg小保方晴子の不正問題について、擁護論や同情論がマスコミとネットの方々で渦巻いて喧しい。その一つの意見は、もう十分叩かれたからいいじゃないかという憐憫論で、社会的制裁は受けたのだから見逃してやれ、事件の巨悪は別のところにあり、そっちに目を向けろという弁護である。もう一つの立場は、コピペ(剽窃・盗用)など重要な問題ではなく、大事なのはSTAP細胞の存否と可能性であり、そちらに関心を向けろという主張である。後者の方は、もしSTAP細胞が追試で正式に再現されれば、小保方晴子の業績は決定的なものとなり、コピペなど些末な問題として相対化されるのだという形の免責論になっている。後者の中には、武田邦彦のように、コピペなど何の問題もないと言い切り、小保方晴子の行為を全面的に肯定している者もいる。そして、その武田邦彦の暴論を支持している者が少なからずいる。武田邦彦の場合は、確信犯的な小保方正当化の極論の放言であり、科学研究倫理の意義そのものを否定しようとする野心と衝動すら窺われる。論外で無責任としか言いようがなく、論評する価値もない愚論だ。武田邦彦を雇っている中部大学にも「研究者の倫理について」定めた「行動規範」があり、こう書いている。「本学の研究者は、自らの研究を遂行するにあたって、データの捏造や盗用等の研究活動の不正行為、及び研究費の不適切な使用の問題が生じないように、法令や関係規則を遵守しつつ、適正な活動を行う」。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-18 23:30 | Comments(25)

小保方晴子の不正事件が問うもの - 格差社会の分配と秩序と倫理

c0315619_15304155.jpg先週、小保方晴子の論文不正の問題ばかりを夢中になって追いかけていた。釘づけになってネットの中の情報を追いかけた。追悼と慰霊の週であったにもかかわらず、この問題に夢中になり、他のことには関心が向けられなくなっていた。何が問題なのか、どうしてこの事件がそれほど重要なのか、私なりの視角と論点を述べてみたい。最も関心があるのは、小保方晴子がどうしてこのような不正を行ったのか、その動機と心理の真相である。3/14の理研幹部の会見で、調査委員長の石井俊輔は、小保方晴子からのヒアリングの結果として、「画像の切り貼りは、やってはいけないことだという認識がなかった」と説明している。私は、早稲田(理工)の博士論文もコピペだらけだったことが明らかになった3/11に、本人はコピペ論文の不正について何とも思ってなかったのではないかとTWした。これは直観だったが、的中した感がある。小保方晴子が提出した博士論文は、人の想像を超える滅茶苦茶な代物で、単に序論をなすBackgroundの20ページを米国のサイトからコピペしていただけでなく、論文の中で最も重要な、実験結果を示す画像を、何と、コスモ・バイオ社の公開サイトからコピペしていた。さらに、博士論文の第3章の参考文献リストは、台湾の研究者が論文で発表したものがコピペされ、驚くことに、著者名でABC順に並ぶ文献リスト53件が、途中、Pのところで省略され、上から順番に38番目までがコピペされるという凄絶無比なコピペだった。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-17 23:30 | Comments(36)

震災から3年 - マスコミ報道から消えた被災地の首長たち

c0315619_16593977.jpgあれから3年の3.11。マスコミ報道を見ながら、これまでとは少し様子が違うなと奇妙に感じたことがある。それは、被災地の首長がテレビに登場しないことだ。南三陸町長の佐藤仁、気仙沼市長の菅原茂、陸前高田市長の戸羽太、それから、南相馬市長の桜井勝延、飯舘村長の菅野典雄。すっかり有名になったこれらの人々が、今年のメモリアル・ウィークにはなぜか顔を出さない。浪江町長の馬場有は、昨夜(3/11)のNHK7時のニュースに少しだけ出演したが、他の首長たちには出番がなかった。不自然に感じたのは私だけだろうか。いつものようにカメラの前に顔を出し、3年間を振り返って言葉を発し、責任者として市や町や村の近況と現状を説明し、そして、これまでの全国からの支援に感謝を述べ、今後の復興を暖かく見守って欲しいと言うものだと思っていた。彼らの報告を聞きたかった。震災以降、われわれはずっと彼らの言葉に耳を傾けてきた。関心を寄せ、応援をしながら発言を聞いてきた。そのうち、一人一人の個性に馴染み、今では自分の身内のように意識している。だから、3年目の節目の日に彼らの姿を見ないのは、とても物足りなく感じるし、何か異常な出来事だと思わざるを得ない。もっと言えば、そこに政治の影を感じる。政治の意図と背景があり、政権によるマスコミ報道の操作があり、あるべきものが排除されている作為が介在していることを疑う気分を否めない。 

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# by yoniumuhibi | 2014-03-12 23:30 | Comments(7)

ケネディのNHKインタビュー - 日本へのガバナンスを衰弱させる米国

c0315619_1601534.jpg先週(3/6)、米国大使のケネディがNHKのクローズアップ現代に出演し、国谷裕子によるインタビューが放送された。番組を見たが、非常にクリティカルなやりとりがされている印象を受けた。容易ならざるものを感じたというのが率直な感想である。ところが、不思議なことに、このインタビューについての報道が少ない。まず、当夜のNHK-NW9が話題として取り上げなかった。翌日(3/7)の朝日の紙面にも記事が出ていない。日本のマスコミの報道が少ないことに驚かされる。インタビューそのものも異様な雰囲気が漂っていたが、マスコミがそれを無視していることも面妖に感じる。この奇怪さは、まさに日米関係の現在の袋小路と前後不覚を象徴しているように思われる。言葉をあてがいようがない。最初に指摘しなくてはいけないのは、明らかに、この二人が番組で演じていたのは重い外交だということだ。複雑骨折して抜き差しならない状態の日米外交を、何とか取り繕い、関係修復させる責任的営みをやっているように見えた。そういう演出をする上で、年齢が近く、リベラルで、人格もすぐれた二人のお嬢様とお姫様は、きわめて効果的な政治の絵を作り出すかに見えた。だが、政治の意図とは裏腹に、二人がそういう人柄だからこそ、まさしくそこに「ぎくしゃくした日米関係」が投影されてしまっている。二人とも微妙な立場を背負っているのだが、とりわけ国谷裕子の方は、自己欺瞞を二重三重に重ねた身なのだ。 

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# by yoniumuhibi | 2014-03-10 23:30 | Comments(1)

反新自由主義か反戦平和か - 都知事選の政策プライオリティ問題

c0315619_17272686.jpg都知事選の政治の過程で持ち上がった一つの争点として、新自由主義への対抗か反戦平和かという問題がある。発端は、2/2の「脱原発都知事候補に統一を呼びかける会」の会見での鎌田慧の発言で、その中で、「先ほど、世代間の対立とか階級対立とか新自由主義とかいう質問がありましたが、それどころじゃないでしょう」というコメントを残したらしく、その言葉尻が捉えられ、宇都宮派(反一本化派)によって槍玉に上げられ、「鎌田慧は新自由主義者に転向した」だとか、「鎌田慧、恥を知れ」だとか、口汚い罵倒を浴びせられてネットで袋叩きにされる事件が起きた。政治として正視したとき、これは、反一本化派(宇都宮派)による言いがかりであり、ゴロツキ左翼による難癖で、選挙情勢を宇都宮健児の有利に運ぶべく、一本化論者の首魁とされた鎌田慧を貶めようとして、巧妙にプロパガンダ利用した揚げ足取りである。悪質で卑劣な政治宣伝工作だ。こうして、鎌田慧には選挙中から徹底的な誹謗中傷が加えられ、著作への焚書扇動にまで至る事態となったが、狂暴な民兵の攻撃は現在も続いている。政治の事件としては、単なる言いがかりと揚げ足取りのマヌーバーであり、注目に値しない些事に違いないが、そこには、何か無視できない思想的契機が含まれていて、考察する意味のある問題であることは間違いない。結論として、この鎌田慧の見解は私の現状認識や危機感と中味が一致するものだ。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-06 23:30 | Comments(11)

ウクライナ情勢とデフォルトの視点 - ウクライナの国益とは何か

c0315619_16225770.jpgウクライナ問題について現時点で率直に所感を述べると、やはり、米国の実力と威光の衰えを強く印象づけられる。オバマはプーチンに対して警告は発したが、何の圧力もかけることができず、ロシア軍によるクリミア占領を阻止することができなかった。6年前のグルジア戦争(南オセチア紛争)を思い出すと、ブッシュ政権末期だったが、ロシア海軍がグルジアの港湾封鎖に出たのに対抗して、米国は人道支援の名目でイージス艦を派遣、黒海にNATO艦隊を引き入れ、ロシア艦隊と一触即発の睨み合いをするという場面があった。2008年8月の出来事だ。現実に交戦する事態には至らなかったが、軍事行動を講じてロシアに圧力をかけている。ロシアによる国際法違反の主権侵害という点では、南オセチアに侵攻した6年前よりも、今回の方がバイオレーションの度は露骨で甚だしいだろう。南オセチアのときは、実際にロシア寄りの現地住民がサーカシビリに迫害を受けていて、先に軍事挑発を仕掛けたのはグルジアの方だった。今回、戦闘と流血はないものの、ロシア軍によるウクライナ領への先制越境侵入は明白で、国際法上、ロシアの行動を正当化できる余地はない。しかし、ロシア軍による素早いクリミア全土占領を前に、米国(NATO)は何の軍事的措置にも出ることなく、最初から軍事のオプションは放棄した姿勢だった。地中海を守備する第六艦隊を動かさなかった。6年前との彼我のコントラストを強く思わざるを得ない。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-05 23:30 | Comments(1)

消えたリベラルの地平 - 都知事選で迷子になった小沢シンパ

c0315619_1662384.jpg最初に、都知事選の結果に関して少し疑問に感じている問題があり、そこから論を始めたい。宇都宮健児の得票数は98万票、細川護煕の得票数は96万票。この数字をどう見るかだが、基本的に、前者には共産と社民の支持者の票が流れ、後者には民主の支持者の票が流れたと、そう推測して理解することができるだろう。ただし、民主の固定票の中で、連合の票は細川護煕には入らず、逆に舛添要一に流れ込んでいる。今度の選挙は、事前に勝敗の行方が決まった戦いとなり、そのために投票率が低くなり、無党派層の票が動かず、いわゆる組織票もしくは固定票がそのまま各候補の得票値に反映される結果となった。昨年の参院選の東京選挙区の結果を見て、今回の都知事選の票とどう連関しているかを探ってみよう。細川護煕の96万票は、大河原雅子の24万票と丸子安子の7万票と鈴木寛の55万票を合計した86万票がベースになっていると考えられる。が、このうち鈴木寛の55万票は、おそらく半数近くが連合票で、この分は今回の都知事選で細川護煕には流れていない。仮に、この86万票のうち、連合票を除く60万票が細川護煕に流れたとして、残りの36万票はどこから来たかを考えると、言うまでもなく、山本太郎の67万票からということになるだろう。つまり、一つの推計として、細川護煕が得た96万票のうち、40%近い36万票は、山本太郎に投じた票から入っている。

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# by yoniumuhibi | 2014-03-04 23:30 | Comments(0)

米国の自意識の肥大と東アジア外交 - 朝日の冷泉彰彦の記事から

c0315619_17123763.jpg1週間前、朝日のオピニオン面(17面)に冷泉彰彦のインタビューが載っていた。1年前に主筆だった若宮啓文が退任した後、オピニオン面の内容がすっかり面白くなくなり、目を通すどころか、紙面を捲り進むことすらなくなっていたが、この記事には目が止まって活字を追いかけた。米国が現在の中国と日本をどのように考えているのか、それを知る一つの手がかりになると思えたからである。その内容を紹介する前に、私の問題意識や関心の所在を整理をしないといけない。まず、Blogでずっと論じてきたこととして、米国の東アジア政策には大きく二つの立場があり、二者間の複雑な対立と暗闘の中で日々の対日政策がオペレーションされているという認識がある。第一は、大国として影響力を増す中国とWinWinの協調関係を組み、G2体制で国際政治を運営して行こうとするリベラルな方向性であり、第二は、中国を倒すべき敵と見なし、日本の右翼化をドライブして中国に嗾けさせ、軍事的な緊張を煽って中国封じ込めの圧力を高め、共産体制の崩壊まで持って行こうとするネオコンの方向性である。前者のシンボルとしてバイデンの顔が浮かび、後者を代表としてジャパン・ハンドラーズがいる。そして、両者の緊張関係の中で、米国の国力低下の趨勢と、右翼日本の過激な暴走と、中韓および中台の接近の状況を踏まえつつ、米国は今年もう一度、中国とG2サミットを持つのではと予想していた。 

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# by yoniumuhibi | 2014-02-28 23:30 | Comments(6)

脱原発と新自由主義 - 米国型を拒絶し排除する左翼の脱原発運動

c0315619_154334.jpg一昨日(2/25)、新しいエネルギー基本計画の政府案が出され、マスコミで大きく報道された。原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、規制委の審査をパスした原発は「再稼働を進める」と明記している。さらに、「核燃料サイクルを推進する」と言い、高速増殖炉「もんじゅ」の維持まで入っている。新規増設の可能性も残した。3.11の事故から3年の日を前に、まさに原発の復活と推進の方針が堂々と宣言された恐ろしい内容だ。反動の極みである。もともと、この基本方針は1月に出される予定だったが、都知事選が入る日程となったため、脱原発が争点になりそうな状況となり、叩かれて不利な材料になるのを恐れた安倍晋三が、発表を選挙後に遅らせた事情があった。もし都知事選で一本化が成功し、細川護煕が勝利していたなら、政権はこのような基本方針を出すことはできず、発表も先送りになっていたに違いない。政治戦で敗北した結果だ。この基本方針は3月中に閣議決定される。先週、この基本方針の発表を前に、規制委が再稼働を認める原発について、審査に順位をつけて1-2か所を絞り込むという報道が出た。これは、経産相の茂木敏充が2/18に催促の圧力をかけて、規制委員長の田中俊一が2/19に従順に応じたものだ。報道では、2-3週間後に「1-2か所」が特定がされるとある。おそらく、伊方、玄海、川内あたりから選ばれるだろう。

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# by yoniumuhibi | 2014-02-27 23:30 | Comments(6)

左翼の政治暴力 - 内ゲバのときに平常者が凶悪な暴徒に変身する

c0315619_1341178.jpg今回の都知事選の政治には、さらに幾つかの見逃せない重要な問題がある。その一つは、宇都宮健児を支持して叫喚した左翼集団による恐ろしい政治暴力だ。一本化を訴える者たちに対するネットでの口汚い罵りと貶めと嘲り、さらに卑劣で狂暴な嫌がらせと誹謗中傷の行為は、投票日が近づくほどに激しくなり、集団的狂気となってエスカレートし、全く歯止めの利かない異常なヒステリー状態に極まっていた。鎌田慧に対しては、著書をゴミ箱に投げ棄てろという焚書運動が起こったが、選挙から2週間が過ぎた今でも、裏切り者の巨魁として糾弾の袋叩きが続いている。私も、無名ながら「一本化論者」の末席にいたらしく、そのため、「一本化」の粉砕と殲滅に燃えるゴロツキ左翼の標的となり、苛烈で執拗な嫌がらせを受ける羽目となった。「死ね」の脅迫を含め、怒濤のようなリンチ攻撃の集中砲火を浴びる日々が続いた。暴行に加わった面々は、匿名の者もいれば実名の者もいる。その手口は、ネット右翼のヘイトスピーチと全く同じであり、ネット右翼の野蛮と狂気の相似形が左翼に出現した感が強い。その一人一人を観察してみると、ネット右翼の特徴として指摘されているように、普段はおとなしい市民であり、正常な理性と良識の持ち主である。精神異常者でもなく、癇性で偏狭な性格の人間でもない。むしろ、左翼一般らしく、弱者の味方に立った正論の主張を唱えている。その者たちが、まるでオウム真理教のように過激な凶徒に化けて次々と襲ってきた。

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# by yoniumuhibi | 2014-02-25 23:30 | Comments(5)

集団的自衛権をめぐる政治情勢 - 澤地派と宇都宮派の路線対立

c0315619_175434.jpg集団的自衛権(解釈改憲)の議論が国会で佳境となっている。昨夜(2/20)も報ステのニュースで取り上げられ、岡田克也の質疑と安倍晋三の答弁の様子が紹介され、惠村順一郎が解釈改憲に断固反対のコメントを発していた。正論だ。公明の山口那津男は、2/18の記者会見で「今国会での結論は困難」と述べている。朝日の記事は、「安倍政権が目指す今国会中での行使容認に難色を示した」と書いていて、こうした報道を見ていると、どうやら集団的自衛権の解釈改憲は先送りになるのではないかという予断を持つ。安心した気分に流れる。しかし、新聞記事はよく読まないといけない。こうも書いている。「山口氏は『報告書が出れば、最終的に政府・与党でコンセンサス(合意)をつくる努力をする。ことは憲法レベルの問題。しっかり議論をしていきたい』と語った」。つまり、北岡伸一の報告書が出たら、そこから合意作りをすると言っている。同じ2/18の井上義久の発言でも、集団的自衛権の行使について、「真っ正面からこれを否定しているわけではない」と言っていて、マスコミは、公明の態度の軟化を報じていた。どういうことなのか。注目すべきは、「今国会」という言葉だろう。山口那津男の言う「今国会」とは、すなわち「通常国会」の意味で、6/22までの会期150日間の国会のことだ。4月に安保法制懇の報告書が出ても、すぐに閣議決定はさせないぞという意味である。

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# by yoniumuhibi | 2014-02-21 23:30 | Comments(20)

映画「小さいおうち」 - 日常の中で描かれる静かでリアルな戦争

c0315619_15452753.jpg山田洋次の映画『小さいおうち』を見てきた。ベルリン映画祭での黒木華の銀熊賞受賞のニュースがあり、それが動機づけとなって映画館に足を運んだ。山田洋次らしい佳作であり、戦争の描き方が素晴らしく、ぜひ見ていただきたいとお薦めする。要するに、言いたいのはそれだけだが、ネットの中に散らばっている幾つかの感想を読んでみたところ、どれも私が感じたものとは違うので、思いきって独自の解釈と解説を試みることにした。まず、大事な点は、この映画は原作とは違うということで、この点をはっきりさせる必要があるだろう。原作はあくまで映画の素材であり、物語そのものも原作の小説とは違う中味になっている。山田洋次が物語を作り変えている。だから、先に原作を読んで、原作のドラマが映画で再現されていると期待して見ると、きっと違和感を覚える結果になってしまうのだろう。原作を読んでない私が、このようなことを言う資格があるかどうか甚だ自信がないが、山田洋次が映画で見せている物語は、中島京子の小説とは別のものだ。大事なポイントから先に言うと - あくまでネットで知り得た情報だが - 原作では、あの日、タキ(黒木華)が時子(松たか子)の手紙を持って板倉(吉岡秀隆)の下宿に行った後、板倉は実際に時子の家(小さいおうち)を訪ねて来ている。時子と逢瀬している。この情報を知ったときは驚いたが、だとすると、映画と原作とは全く違う話になる。

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# by yoniumuhibi | 2014-02-19 23:30 | Comments(5)

左翼の壊死 - ミネルバの梟、大江健三郎と辺見庸、ノーサイド

c0315619_16121564.jpgミネルバの梟は夕暮れに飛び立つ。丸山真男は『日本の思想』の中でこう書いている。「一定の歴史的現実がほぼ残りなくみずからを展開し終わったときに哲学はこれを理性的に把握し、概念にまで高めるという(ヘーゲル主義の)立場を継承しながら、同時にこれを逆転させたところに(マルクス主義は)成立した。世界のトータルな自己認識の成立がまさにその世界の没落の証となるというところに、資本制生産の全行程を理論化しようとするマルクスのデモーニッシュなエネルギーの源泉があった」(P.39)。人間主体が概念の力業によって、その対象の構造と運動を正確に捕捉し終えたとき、その対象の没落と終焉が必然化され、弁証法的な止揚の運命を突きつけられる。戦後日本の左翼の壊死。昨年末からの宇都宮健児の選挙の諸過程は、それを概念化し理論化して提示する上で十分な素材を提供していると思われる。結論から言って、宇都宮健児の立候補と一本化拒否は、市民に対する裏切りであり、戦争へ突入しようとする安倍晋三の権力への左側からの幇助と加担の政治的行為だ。左翼は自らそれを選択し、正当化し、その政治を強行し、その錯誤を阻止すべく動いた市民や知識人を乱暴に排除し封殺した。卑劣な脅しをかけて屈服させようとした。<業界左翼>、<東京左翼>、<学閥左翼>の三範疇が広く人口に膾炙されるとき、「左翼の壊死」は確信となり通念となることだろう。

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# by yoniumuhibi | 2014-02-18 23:30 | Comments(6)

左翼の壊死 - <業界左翼>、<東京左翼>、<学閥左翼>の諸範疇

c0315619_11192111.jpg左翼の壊死。この事実を納得的に了解するためには、いくつかの表象を要素として思考することが必要になる。それは、<業界左翼>と<東京左翼>と<学閥左翼>である。それぞれ、定義して説明することが容易ではない言葉だけれど、何を言わんとしているのか、どのような対象を指しているのか、これまでの経験や見聞の中で、それとなく察知され、見当をつけることができる者は少なくないだろう。<業界左翼>も、<東京左翼>も、<学閥左翼>も、どれも否定的なニュアンスの政治言語である。今回の、宇都宮健児の強引で不合理な出馬劇、それを後押しした左翼政党の倒錯と異常、そして一本化拒否のヒステリーと集団狂気について、何が起きたのか、どうして起きたのか、全体の意味を理解しようと試みるとき、<業界左翼>、<東京左翼>、<学閥左翼>の諸表象が役に立つと思われる。これらの表象は、さしあたっては手探りの感触でアプローチされるものだが、言語的に中味を埋め、広く人口に膾炙されるところにまで一般化し、政治学的に有効な範疇に仕上げることが求められている。<業界左翼>。この表象については、前回、関曠野の言説(窓社)を紹介した。したがって、この表象は、すでに一般的な認識を多くが共有している。左翼批判、あるいは左翼の自己批判の一般論として定着している。ただ、言わなくてはいけないのは、1992年の関曠野の時点よりも、その腐食と劣化と不全が極まっていることだ。  

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# by yoniumuhibi | 2014-02-17 23:30 | Comments(3)

左翼の壊死 - 戦争とファシズムの時代に突入した歴史的転換点

c0315619_17453924.jpg今回の一連の政治を見て、私は「左翼の壊死」という言葉を思いつき、あてがって使おうとしている。棘のあるドラスティックな言葉だが、意味のある表現を得た気分でいて、ここにもう少し言語的な中味をつけて、人の共感する、説得力のある概念に近づけられないかと思ったりする。さしあたり、それは嗅覚で感じ取った政治現象である。臭いの正体について確信はあるが、こんな臭いだと人に説明して理解を得るのは難しい。一連の政治とは、昨年末の澤藤統一郎の告発事件、宇都宮健児の出馬と社共の推薦、脱原発での一本化の拒否、左翼の怒濤のネガキャンと罵倒、そして惨敗となった選挙結果の全体を指す。これらの政治を演じている集団や組織に対して、私はこれまで、「左翼」という否定的な言葉はあまり使ってこなかった。したがって、「左翼の壊死」という着想と発語に及んだことは、直観的な発見であると同時に、過去からの経験を総括した一つの断念でもある。ここで思い出すのは、あるいは、その嗅覚に作用したかと思われるのは、1992年の関曠野の『左翼の滅び方について』(窓社)である。1991年にソ連邦崩壊があり、当時、論壇で「左翼の滅び方」論争らしきものが微かに流行した。特に人の記憶にとどまる印象は残していない。私自身は、この言葉遣いに積極的に馴染めず、議論に関心を持って接近することはなかった。同じ1992年、なだいなだが一冊の岩波新書を出している。

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# by yoniumuhibi | 2014-02-13 23:30 | Comments(15)

一本化派と反一本化派の死闘 - 誰が勝者で誰が敗者なのか

c0315619_18162576.jpg都知事選の開票結果が出た直後から、宇都宮健児の支持者たちによる「一本化は間違いだった」とする轟音が喧しい。彼らの言い分によれば、2位につけたのは宇都宮健児であり、それに及ばなかった細川護煕は元々「勝てる候補」ではなく、したがって、細川護煕を「勝てる候補」として担ぎ、宇都宮健児に降りろと迫った一本化論は誤りで、一本化論者の誤りが証明された結果なのだと言い上げる。2/9夜から2/10にかけて、宇都宮健児を支持した者たちのTWには、このように勝利の興奮と高揚に溢れたものが圧倒的に多く、落選して敗北した悔しさを滲ませるものは皆無に近かった。宇都宮健児の選挙は、徹頭徹尾、2位につけることを目標にした選挙で、敵は舛添要一ではなく細川護煕だった。自らの出馬の正当性と、一本化を拒否した政治的正当性を証明するための選挙だった。その総括を出し、自らの正当性を誇示するためには、細川護煕を上回る得票の結果を出さなくてはならない。その意味では、彼らは確かに勝利したと言えるのだろう。彼らの立場に内在すれば、達成感はよく頷ける。だが、少し冷静に考えれば、この結果が、決して宇都宮陣営の勝利ではないことに気づく。都民が知事にしたのは舛添要一である。自民が推薦して応援した候補だ。宇都宮陣営が、細川護煕を非難する際に有効な武器として使った戦略特区についても、舛添要一は当然ながら安倍晋三の意向どおり導入を進める。

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# by yoniumuhibi | 2014-02-12 23:30 | Comments(12)

最悪の結果となった東京都知事選 - 細川陣営の敗因を総括する

c0315619_17592790.jpg2/9に投開票された都知事選は、マスコミが事前に情勢報道していたとおりの結果になった。細川護煕と宇都宮健児の票は、きれいに二つに割れ、両方を合算しても舛添要一に届かないという惨敗に終わっている。昨夜(2/8)のテレビでも今朝の新聞でも、脱原発が争点にならなかったことが大きく報じられ、都民が脱原発を争点として選ばなかったことが、細川・小泉の敗因に繋がったと総括している。この意味づけに対して有効な反論を返すことは難しい。脱原発は支持されなかった。昨夜の石原伸晃のコメント等を聞いても、政権側が、今回の民意と審判を根拠に、「脱原発は時間をかけて」、「安全と判断された原発は再稼働を進めて行く」、という方針と姿勢を強めるのは明らかだ。残念なことに、脱原発の候補を一本化した選挙に持ち込むことができず、脱原発は争点から外される構図となり、脱原発の意思が否定された選挙結果となった。民主主義は多数決が原理であるから、この有権者の多数意思を都民(国民)は尊重しなくてはならない。断腸の思いだ。また、一昨年末の衆院選、昨年夏の参院選、今回の都知事選と、三回続けて「脱原発」は争点となることなく、景気や雇用やといった通常の関心事項の脇に追いやられる結末となった。TWにも嘆きを書いたが、おそらく、今後、永久に「脱原発」の民意が証明される政治機会はなく、日本人は主体的に脱原発を決断することはないだろう。 

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# by yoniumuhibi | 2014-02-10 23:30 | Comments(18)

さらに疑惑が深まった落合恵子出馬打診問題 - 矛盾する両者の証言

c0315619_1432275.jpg2/3に行われた「脱原発都知事選候補に統一を呼びかける会」の席上、出席した落合恵子に出馬打診の件で記者から質問があり、本人がそれに回答する場面があった。落合恵子の証言の中には、実に衝撃的な内容が含まれていて、1/30の宇都宮健児による説明と全く食い違っていて驚かされた。まず、宇都宮健児がこの事情をどう語っているか、あらためて確認することにしよう。例の1/30の岩上安身との対談の中での証言である。辞退を迫る者が深夜に自宅を訪問した件を非難した直後、この問題に触れている。証拠となる動画(01:01:15)は、選挙期間中は公開されているが、選挙後は閉鎖される可能性が高い。以下、検証する。岩上:「ところが、この<世に倦む日日>、まだ続けてましてですね。今度は、宇都宮さんが出たのはフライングだったんだと、本当は落合恵子さんに話を持って行っていたのに、わざと先に飛び出したのだと何だのという話をしています。これは事実なんでしょうか」。宇都宮:「それはですね。一部の市民グループが、そういう話を落合さんとこに持って行ったというのは、私、知っているんですよ。ただ、落合さんが出る意思があったかどうかは分からないし、そのことによって私の意思が拘束されるような立場ではないと思うんですね」。岩上:「うん、そうですね」。宇都宮:「それで、もともと私たちの選対では、そのことは基本的には、あまり議論はしていないし」。 

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# by yoniumuhibi | 2014-02-09 23:30 | Comments(15)

むのたけじのアジテーション - 都知事選のハイライトをなす99歳の絶叫

c0315619_1685786.jpg投票を6日後に控えた2/3、都内で「脱原発都知事選候補に統一を呼びかける会」の記者会見が催された。佐高信、落合恵子、色川大吉、武者小路公秀、小山内美江子らが出席、学者や文化人など19名が名を連ね、細川陣営と宇都宮陣営に「統一」を呼びかけている。配信された映像がネット上に残っていて、各人の発言を確認することができる。「統一」という主張と要求は同じだが、参加した各人の立場は少しずつ微妙に違っている。この会見に先立って、佐高信が、細川護煕への支持を明らかにした情報がネットに上がった。1/30に、あるNPOのイベントで、「あの猪瀬に負けちゃったんだから、別の人をってのが普通なんだけれど。あの猪瀬に負けたからと宇都宮さん、成仏してないからまた出てきちゃった」と辛辣に言い、宇都宮健児の出馬を批判している。落合恵子の方は、この「統一」を求める会合に参加した以上、立場は佐高信と同じなのだろうが、宇都宮健児の出馬を批判する発言はなく、むしろ気を遣っている様子が看て取れる。週刊金曜日の編集委員が二つにぱっちりと分かれた。今後、週刊金曜日がこの都知事選をどう総括し、「一本化」の問題をどのように意味づけるか注目される。おそらく、選挙結果は舛添要一の勝利で終わるだろうが、「一本化」をめぐる論争は左派の内部で選挙後も続き、昨年12月に立ち戻って、経緯の検証や分析が行われるものと予想される。

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# by yoniumuhibi | 2014-02-05 23:30 | Comments(29)

宇都宮健児の自宅を訪れて辞退を迫ったのは澤地久枝だった

c0315619_19355351.jpg告示前、宇都宮健児の自宅を深夜に訪れ、立候補を降りるよう迫った人物がいて、それが澤地久枝であったことが明らかとなり、ネットの中が騒然となっている。前回の記事で紹介した、岩上安身が配信しているIWJの動画(0:57:00)の中で、宇都宮健児がこう言っている件がある。宇都宮:「告示前の1/22の夜中にですね、私の自宅まである方が訪ねて来て」、岩上:「ある方って文化人ですか」、宇都宮:「いや、まあ、それは言いませんけど、降りてくれということで、うちのカミさん、びっくりしましたよ」、岩上:「夜中の12時に、夜中の12時に自宅に」、宇都宮:「(その前の夜は)1時間ちょっとしか寝てないんですよ。(中略)それで、やっと夜中に帰って、さあ寝ようかなと思ったら、ピンポーンってきたわけですよね。夜中の12時頃ですよ。(中略)自宅なんてどうして知ったんだろうと思うような..あのぅ..人なんですね」、岩上:「なるほど」、宇都宮:「だから、私はちょっと..それはちょっと異常なんじゃないかなと思ってね。とにかく、告示直前ですよ」、岩上:「うん、うん」、宇都宮:「(中略)そういうことを言って、しかも、私は、一回前に会ったときに、そんなことは考えられないということは話しているはずなのにね」、岩上:「うん、うん」、宇都宮:「そこまで動かれるという人の真意がですね、ちょっと測りかねたですね」、岩上:「なるほど」、宇都宮:「ただ、私としては、本当..嫌がらせ以外の何でもないんですね」。

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# by yoniumuhibi | 2014-02-03 23:30 | Comments(15)


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