ブログ「世に倦む日日」の10周年 - プロス・アンド・コンズと黙示録的断想

c0315619_16395191.jpgブログが10周年を迎えた。2004年の9月1日から始めたから、今日で10年になる。無事これ名馬で、細々と続けている。活動を支えてくれた一人一人の皆さまに、あらためて感謝を申し上げたい。10年続いているブログは少ない。きっこのブログは2005年1月から始まっているが、最近はめっきり更新が少なくなり、どうやらTwitterの方に主力を移している。2005年がBlogが流行した年で、ちょうどTwitterにとっての2011年に相当するだろうか。東日本大震災を機に、そしてスマホ普及のハードの事情をベースにSNSが大盛況となったが、この1、2年ほどの様子を見ると、Twitterの勢いがやや頭打ちになった感が否めず、その傾向とパラレルに、再び媒体としてのBlogの効用が見直されつつある印象を受ける。TwitterとBlogと両方が併存する言論環境、メディア環境に着地してきた。新聞、テレビ、Blog(PC)、Twitter(スマホ)と、多重多層のハードとソフトに埋もれる密林型の情報生活を現代人は送っている。それは決して賢く使い分けているわけではなく、資本に押し流されているだけで、個々人のリテラシーやインテリジェンスの向上を意味するものではない。むしろ市民の知性とか判断力については、10年間で著しく低下したと私は確信するけれど、ともかく、あてどなく闇雲に、消費者は情報媒体の環境をあれもこれもと「リッチに」積み重ねている。そうした過剰なビルディング・ブロックの中で、Blogは活躍し貢献する隙間を与えられ、その片隅の一部として、私の活動も生きる余地を与えられている。

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# by yoniumuhibi | 2014-09-01 23:30 | Comments(16)

相澤慎一と理研の思惑 - 小保方晴子事件と「無責任の体系」の思考パターン

c0315619_16291815.jpg前回、小保方晴子事件について、そこに日本人特有の「無責任の体系」の思考パターンが検出されることを指摘した。昭和天皇の戦争責任と小保方晴子の捏造責任をアナロジーで考察する方法が、この事件の本質に迫る有効な社会科学的視座を提供するのではないか。その分析と試論に際して、前の記事で見落としていた重大な問題点があったので訂正と補足をしたい。前回、(1)昭和天皇の戦争責任と、(2)東電幹部の福島原発事故責任と、(3)小保方晴子の捏造責任の、三つを事例として並べ、日本人が大きな事件や惨禍に直面したとき、不思議なことに、最も責任の重い中心人物を最初に免責し、隔離して公衆から隠し、物語を作って善人に仕立て上げ、やがて神に祭り上げ、あろうことか賛美と崇拝の対象にする構図を指摘した。この倒錯と異常は、日本社会の生理現象であるようにすら思われる。上のアナロジーのうち、(1)と(3)については、その妥当性と有効性を肯首していただけるだろう。異論はあるまい。(2)の福島原発事故について、私は誤って勝俣恒久や武藤栄を例として掲げてしまったため、アナロジーの説得力を欠く提議となった。訂正したい。正しくは、福一所長の吉田昌郎だった。前にも書いたことがあるが、この事故の被害者による告訴が司法当局に受理され、捜査され立件され起訴されるときは、業務上過失致傷の主犯とされて最初に逮捕される(はずだった)容疑者は、福一所長の吉田昌郎である。

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# by yoniumuhibi | 2014-08-29 23:30 | Comments(16)

失望と呆然の丹羽仁史の中間報告 - 小保方晴子のためにリストラされる200人

c0315619_17453066.jpg昨日(8/27)、丹羽仁史による「STAP細胞」検証実験の中間報告があり、それに先だって、改革案である「行動計画」が会見で発表された。それによると、理研CDB(発生・再生科学総合研究センター)を大幅にリストラし、40ある研究室の半数を廃止または他の拠点に移管し、人員を半減させる。CDBの名称(看板)も変わり、400人のうち200人が削減の対象となる。毎日の記事では、「とんだとばっちりを受けた」と嘆く現場の声が紹介されている。この「改革案」は、例の岸輝雄の改革委による6月の提言、すなわちCDB解体の要求に対応したものだが、結果的に、小保方晴子の不正とは何の関係もない研究員たちが事件の責任をとらされ、尻拭いの始末を押しつけられる羽目になった。日経は、野依良治や川合眞紀がそのまま続投する点に不満の意を示し、「実効性のある改革が進むかは未知数だ」と書いている。CDBの組織半減のリストラの中味は、須田桃子の毎日がネットに上げてくれている「行動計画」の全文概要を見ることで分かる。CDBには5つのプログラムが事業体として動いているが、そのうち、(1)中核プログラム、(2)センター長戦略プログラム、(3)先端技術支援開発プログラムの3本が廃止になる。高橋政代が統轄する(4)再生医療開発推進プログラムは無傷で、若手研究者が多岐多彩にやっている(5)創造的研究推進プログラムも、廃止される他のプログラムから研究者を受け入れて生き残る。

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# by yoniumuhibi | 2014-08-28 23:30 | Comments(30)

「湯川機関」の謎 - マスコミはなぜ湯川遥菜と田母神俊雄の関係を隠すのか

c0315619_1554055.jpg湯川遥菜について、相変わらずマスコミ報道が全くない。広島の土砂災害があった影響もあるけれど、誰が考えても不思議なほど、この事件についての情報が少ない。特に、湯川遥菜と田母神俊雄の関係を指摘する報道が皆無で、これには本当に驚かされる。田母神俊雄とのツーショット写真がテレビで紹介されない。昨日(8/24)のTBSの番組で、この事件が取り上げられる場面があったが、居並ぶコメンテーターの中で、湯川遥菜と田母神俊雄の疑惑について論じた者は一人もいなかった。事件の背景を知る上で、現時点で最も重要な手がかりとなる大きな事実であり、ネットの中では、湯川遥菜と田母神俊雄とは切っても切れない関係として認識が定着している。黒幕ではないかと疑いの目が向けられている。誰もが追跡と続報を期待しているのに、マスコミがこの事実を隠して伏せたまま、ネットの外で関心が広がるのを止めている。まるで腫れ物にでも触るように、この問題を避けて蓋をしている。昨日の目加田説子のコメントには、何かそういった、言いたくても言えない微妙な葛藤の雰囲気が察せられた。放送前に岸井成格から出演者に訓告があり、田母神俊雄の件は禁句だと指示されていたのだろうか。パールのネックレスが似合う目加田説子は素直でかわいい。純粋な心が顔に出て、今のマスコミ世界では希有な人材だ。もし、岸井成格による事前の「禁止通達」の統制があったとして、それに対して目加田説子は抵抗を試みたのだろうかと内情を想像する。

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# by yoniumuhibi | 2014-08-25 23:30 | Comments(6)

広島土砂災害の捜索活動の不可解 - 不明者数の面妖と安倍晋三の放恣

c0315619_14385760.jpg広島の人たちは、自分たちは毛利の子孫だという自己認識(identity)を持っている。毛利が押し込められた先の土地で雌伏し、やがてこの国に革命を起こした集団の末裔であるという自負を持っている。原爆の惨禍と樽募金の復興と、1975年の球団初優勝の歓喜と感涙と、そうした物語の中で生きていて、飲み出すとそういう話で盛り上がる。軍都広島。中国地方の中心都市だが、なぜか帝大は置かれず、その代わりなのかどうか、江田島に兵学校が置かれた。大企業は、広島市の中心地である紙屋町交差点の周辺、特にその南側の鯉城通り沿いに中国支社を構えている。そのオフィスに座る支社長は、中国5県に配置する支店のヒト・モノ・カネを差配する営業の幹部だ。最近は、国内事業の縮小とリストラブームが影響し、小さな四国がブロックとして維持し得なくなった事情もあり、中国・四国全域を統轄するヘッドクォーターが広島に置かれている場合も多い。広島は人口118万人の政令指定都市であり、中国地方の行政と経済の中心地だ。今回の被災地は、市の中心部から遠くない近郊の住宅地で、こうした場合、他と較べて、例えば離島である伊豆大島と較べて、当局からの救助なり救援なりの手が届きやすい場所だと考えられる。一昨日(8/20)から30時間以上、徹夜で900人が捜索活動に当たり、総勢2500人(消防400、自衛隊500、警察1600)の態勢で作業に注力しながら、1人の不明者も発見できなかったことは、やはり不思議なことだと思った。

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# by yoniumuhibi | 2014-08-22 23:30 | Comments(9)

湯川遥菜事件で箝口令を敷いている官邸とマスコミ報道のお粗末

c0315619_1610983.jpg湯川遥菜の事件について、マスコミ報道の情報が圧倒的に少ない。ほとんど何も報道していない。テレビと新聞だけを見ている人たちは、全く背景や動機を知らないままの状態に置かれていて、マスコミとネットの情報ギャップがこれほど甚だしく開いた例も最近はめずらしい。この事件に関しては、ネットを見ないと何も分からないというのが本当だ。湯川遥菜をめぐる真相については、本人がネットに残した情報で多くの事実を知ることができ、確かな証拠を掴むことができる。あらためて、公開されている文書資料を確認しよう。大きく三つある。(1)ピーエムシー株式会社の公式HP、(2)PMC Co.,LTD.のブログ、(3)HARUNAのブログ、である。この文書を全部読み込むと、事件に至る経緯が分かるし、湯川遥菜の人物像も了解できる。この三つの公開資料を整理し編集するだけで、フリーのライターは週刊誌に掲載する6ページ分の記事を2本書けるだろう。きわめてヘビーな真相情報が満載されていて、読み直すほどに新たな衝撃の事実を発掘できる。おそらく、菅義偉と安倍晋三は、このHPとBlogを強制閉鎖したくてたまらないだろう。閉鎖できないのは、パスワードを本人しか管理していないからであり、日本政府が湯川遥菜と未だコンタクトできていないからだ。この事件のマスコミ報道で気づかないといけない異様な点がある。それは菅義偉がカメラの前に出ないことであり、官房長官の定例会見でこの問題が取り上げられないことである。

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# by yoniumuhibi | 2014-08-20 23:30 | Comments(6)

湯川遥菜の正体は何者か - PMCに仕事と資金を与えた黒幕は誰なのか

c0315619_14255520.jpg今日(8/19)の朝日の社会面(39面)に、湯川遥菜についての情報が載っている。例の元茨城県議でPMC(株)顧問の木本信男が、7月に湯川遥菜と電話で話したとき、「いくつか仕事が入っている。ここが頑張りどころ」と語っていたと証言している。この事件の注目すべきポイントだろう。マスコミも、ネットも、湯川遥菜の今回の行動について、国際政治を知らない軽薄な右翼オタクが、ママゴト遊びの感覚のまま、戦地に軍事訓練ごっこに出かけたという構図で捉えている。昨夜(8/18)のテレビ報道に幾度も登場し、朝日の紙面記事でも証言を提供して、今回の問題の解説主担となっている後藤健二が、特にこの印象をマスコミで強調する役割を果たしていて、その言説が影響した結果、湯川遥菜のシリアでの不審な行動は、すっかりボランティアの性格を帯びたイメージに塗り固まっている。「民間軍事会社」を設立して経営を始めたので、事業の経験を積むために紛争地シリアに来たのだという、後藤健二が伝えるところの湯川遥菜の人物像と動機説明が一人歩きしている。朝日もまた、この認識を採用しているのか、見出しは「経験積むためシリアへ」だ。しかし、湯川遥菜は、明確に「仕事が入っている」と言っているのであって、この渡航が「ボランティア」や「勉強」のためではないことは明らかだ。湯川遥菜の今回の活動は、無償ではなく対価のあるビジネスであって、クライアントから委託業務を受注したものである。マスコミの印象操作に流されてはいけない。

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# by yoniumuhibi | 2014-08-19 23:30 | Comments(3)

終戦の日のマスコミ報道 - 「靖国参拝せず」の小細工とNHK討論会の杜撰

c0315619_16214585.jpg昨日(8/15)、終戦の日の報道は朝から何か違和感を感じた。Yahooトップのトピのところに、どこの社の記事かは覚えてないが、「安倍首相、参拝せず」と見出しが出ていて、午前中のマスコミ報道はそればかりを話題にして撒き散らしていた。NHKの正午のニュースも、夜7時のニュースも、この「事実」をこの表現で大きく報じていた(現在は見出しはネットから消えている)。なぜ、このマスコミ報道を不審に感じたというと、まず、第一に、この国の首相が終戦の日に靖国参拝をしないことなど、当たり前のことであり、参拝をする方が異常だからだ。「参拝しない」ことがニュースになる方がおかしい。そして、第二に、安倍晋三がこの日に参拝しないことは、事前にマスコミも報じていて、誰も安倍晋三の靖国参拝を予想しておらず、したがって「参拝せず」の事実は意外でも何でもない、ニュースの価値のない出来事だった。何もわざわざ大きく報じる必要はなく、トップニュース扱いで騒ぐ問題ではないのだ。むしろ、2閣僚(午後の稲田朋美を合わせて3閣僚)が参拝を決行したことの方が問題で、そこに注目の焦点を合わせなくてはいけない。NHKの報道は、まるで、この日に首相が靖国参拝することが普通で、参拝しないことの方がサプライズだと言いたいかのごとき論調だった。民放もNHKに右倣えだった。つまり、ここには意図と作為があり、官邸が予めテレビ局の政治部に根回ししていて、この日のニュース制作を周到に準備していたことが窺われる。

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# by yoniumuhibi | 2014-08-16 23:30 | Comments(14)

笹井芳樹論への視角 - ウェーバー『中間考察』における「エロスによる救済」

c0315619_1752176.jpgウェーバーの『宗教社会学論集』の中の「中間考察」は、1990年代以降、いわゆる「ニーチェとウェーバー」の議論の盛況と並行して、特に注目を集めて読まれてきた論稿である。現在、まさに社会科学における必読文献であり、ウェーバー研究において欠くことのできない古典と言ってよい。「鉄の檻」の中に生きざるを得ない現代人が、魂の救済を求めてどこに脱出口を見出すか。「神なく預言者なき時代」にどこに生きる意味を見つけようともがくか。ウェーバーは、結論としては、ウェーバーらしく、そのどれもが擬似的救済にすぎず、真の救済にはならぬと冷徹に切り捨てつつ、そこに四つの救済追求の類型を整理して示す。(1)政治による救済、(2)美的救済、(3)エロスによる救済、(4)知的=哲学的救済、の四つである。最初に種明かしをしておくと、私がこのウェーバーの「中間考察」の議論、「擬似的救済」の四類型について学んだのは、雀部幸隆の『知と意味の位相 - ウェーバー思想世界への序論』(恒星社厚生閣 1993年)を読んだときであり、したがってその理解も、雀部幸隆の講論と説明に全面的に負っている。Blogの読者には聞き慣れない名前かもしれないが、雀部幸隆は、本当の意味で碩学と呼べる政治学者であり、まさに「日本のウェーバー」と呼ぶに相応しい、傑出した社会科学の巨人だった。丸山真男亡き後の日本の政治学の水準の高さは、まさに雀部幸隆の格調高い学問が証明し、維持していたとすら、私には率直に思われる。

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# by yoniumuhibi | 2014-08-13 23:30 | Comments(43)

笹井芳樹の「遺書」の真意 - 小保方晴子を永遠に口止めするメッセージ

c0315619_1538872.jpg笹井芳樹の自殺の件、週末のマスコミ報道を瞥見したところ、「遺書」リークの不自然さに注目が集まる図になっていた。4通あった「遺書」の中で、小保方晴子宛ての1通だけが県警によって摘まみ出され、誰の承諾も得ずに開封されてマスコミにリークされるということは、誰が考えても尋常でない出来事で、背景と深層を疑うのは当然のことだ。しかも、リークされて報道された「遺書」の内容が、小保方晴子にとって都合のいい断片の切り貼りだったことも、余計に不信感を募らせられる。また、小保方晴子や職場の人間に残した「遺書」はあったのに、家族への「遺書」がないということも、一般の常識ではおよそ理解しがたい。今回の自殺事件には、幾つもの異常が折り重なっていて、疑惑の目で見られざるを得ず、人の関心もそこに集中せざるを得ない。そのため、リークした側が意図したと思われる、小保方晴子への世間の同情を掻き立て、「再現実験」への支持を高めるという世論工作は、どうやら失敗に終わったと言わざるを得ない。リークした者の思惑とは裏腹に、逆効果の政治的顛末となった。一部の小保方擁護派は、この自殺の原因をNHKの番組の所為だと決めつけ、NHKを血祭りに上げる糾弾作戦に狂奔したが、「遺書」リークそのものの面妖と不審が際立ったため、この扇動は世間によく共感されず、浸透することなく、NHK攻撃のキャンペーンは効を奏していない。

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# by yoniumuhibi | 2014-08-11 23:30 | Comments(43)

笹井芳樹の「遺書」は誰がリークしたのか - 安倍晋三による指示と宣伝工作

c0315619_15132177.jpg笹井芳樹の遺書が勝手に開封され、マスコミにリークされた問題が波紋を広げている。それを開封してリークしたのは兵庫県警だ。笹井芳樹の自殺は、口封じのための暗殺の可能性も浮上してきた。突飛な見方には違いないが、単なる陰謀論として一笑に付せない状況になっている。8/5の経過を整理しよう。これまでの情報によれば、午前8時40分頃、CDB横にある先端医療センターの4階と5階の間で、笹井芳樹が首をつっている状態で発見された。隣接する神戸市立医療センターに搬送されたが、午前11時3分に死亡が確認されている。マスコミ各社の一報に混乱があり、死亡確認前に「死亡確認」と報じた社があったり、延命措置を施していると報じた社があった。朝日の午前11時18分の記事では「心肺停止」で、その後、正午過ぎには各社の報道が「死亡」で並んで確定した。そして、午後2時5分、神戸新聞が遺書に関する記事を発信、「『疲れた』小保方氏らに遺書、理研・笹井氏自殺」の見出しを上げる。内容は、「兵庫県警によると」「遺書は近くのかばんの中にあった。小保方氏に宛てた遺書には『あなたのせいではない』『STAP細胞を必ず再現してください』という趣旨のことも書かれていたという」。理研広報室長の午後の会見で、遺書は4通あることが表明されたが、宛名については「控えさせていただきたい」とし、遺書を公表するかは「ご遺族の意思を尊重する」と慎重に言っている。  

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# by yoniumuhibi | 2014-08-07 23:30 | Comments(31)

笹井芳樹の自殺 - 責任をとり、責任から逃げ、他人の責任を被り、

c0315619_1426407.jpg笹井芳樹の自殺をどう意味づけるか。それは、事件の責任をとったということであり、また、事件の責任から逃げたということである。前者の意味から考えよう。この行為によって、笹井芳樹自身が、「STAP細胞」が存在しないことを世間に明確に宣告したと言える。それが捏造による不正であったことを、行動で示唆し、そして不始末の責任をとった。もし、「STAP細胞」に本人が自信を持っているのなら、自ら再現実験に乗り出して証明すればよかった。過去にも、研究不正で追い詰められて自殺したが幾つかある。報道では、笹井芳樹の体調悪化が書かれ、何やら精神的に重病で心神喪失であったような印象操作がされているが、最近のNHKの番組の中でも、取材班の質問へのメールの返事は非常にロジカルで、彼らしい華麗な詭弁で「TCR再構成」の疑義に反論していた。そこから判断して、自殺は決して突発的なものではなく、悩んだ末の決断の結果だと言える。笹井芳樹の身で考えれば、もし自殺しなければ、最終的には自分の口から捏造と不正を認める供述をせざるを得ず、それだけでなく、小保方晴子との関係の疑惑についても問い詰められ、耐えられない屈辱を味わう目になっていただろう。家族の前で生き恥をさらしたくなかったのだ。NHKは、二人のメールのやりとりだけでなく、出張の中味についても証拠を押さえている。理研が内部調査で得た証拠資料は、すべてNHKの手に渡っている。

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# by yoniumuhibi | 2014-08-06 23:30 | Comments(66)

ガザ虐殺に思うこと - イスラエルの戦争の方法、目的、意味

c0315619_17144468.jpg前回、2008年末から2009年正月にかけて起きたガザ虐殺は、12/27にイスラエル軍による攻撃が始まり、1/17まで20日間続いたものだった。1417人が殺され、そのうち313人が子どもだったと報告されている。今回は、7/8に空爆が始まり、期間としてはすでに前回を越えている。昨日(7/31)の時点で、ガザ地区の犠牲者数は1360人以上と報じられていて、おそらく前回を上回ることになるだろう。Blogの夏休みに入る前に、ガザの虐殺に関して思うところを何点か書いておきたい。まず第一点。日本のマスコミは、今回の問題を報道する際に、必ず6/30に起きたイスラエルの少年3名の殺害事件から話を始め、これが発端だと言って「暴力の応酬」の構図で説明する。毎回毎回、NHK(大越健一)は必ずそうだったが、テレ朝(古館伊知郎)もそうだった。繰り返し繰り返し、ハマスの側が先に原因を作り、そこから不幸な「暴力の連鎖」が拡大したのだと解説、ガザの住民が殺戮されるのは自業自得だという意味づけを暗黙のうちに誘導していた。しかし、この件についてハマスは犯行を否定していて、イスラエルは現在に至っても犯人を検挙していない。報道では、ハマスの犯行と断定したイスラエルは、600人以上を逮捕したが容疑者を特定できてないとある。これは何を意味するか。普通の政治的感覚で想像が及ぶのは、イスラエルが戦争の口実のために、ハマスの仕業と偽装してこの事件を仕組んだということだ。満州事変の柳条湖事件である。 

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# by yoniumuhibi | 2014-08-01 23:30 | Comments(14)

Nスペ『STAP細胞 不正の深層』 - 説得的だった笹井芳樹の解体と描写

c0315619_16555980.jpgNHKスペシャル「STAP細胞 不正の深層」は大きな反響を呼んでいる。NHKの毅然としたジャーナリズムが評価され、この事件の行方に気を揉んでいた国民に希望の光を取り戻させた。安倍晋三と下村博文の横槍で、小保方晴子の処分が延期されて「再現実験」の特赦となり、早稲田の博士号までヴィシンスキーによって安堵されるという悪夢の進行が続き、いよいよ日本の科学も北朝鮮と同じ暗黒に堕したかと、そう落胆して焦燥していたこの国の多くの人々にとって、この番組のチャレンジとエクセレンスは救いと励ましを与える光明となった。挫かれかけていた理性と良識と正義を信じる心を、再び立ち直らせる力を与えてくれたと、そう言うことができる。制作したNHKのスタッフに、あらためて拍手と声援を送りたい。逆に、不正の側は追い詰められた。放送が投げかけた告発と批判に対して、三木秀夫は何の有効な反論もできず、ヒステリックな感情論で反発しているだけだ。この半年間、ずっと同じだった。鉄面皮で開き直って虚勢を張り、感情論で空騒ぎし、詭弁が通じなくなると、権力(安倍晋三・下村博文)の内懐に逃げ込み、右翼カルト権力の介入と庇護で破滅を免れてきた。小保方晴子らが破局を逃れ、身を安泰にさせて時を稼いでいる醜悪な過程は、後に科学史に世界三大不正事件の一つとして刻まれる経緯説明の一行一行であり、日本の科学の信頼と実績が損壊して、尊いブランド・エクイティが泡と消えている一日一日である。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-30 23:30 | Comments(15)

Nスペ『STAP細胞 不正の深層』 - 小保方晴子は若山研からES細胞を盗んでいた

c0315619_16412443.jpg昨日(7/27)のNHKスペシャル「STAP細胞 不正の深層」は、よく出来た良質のドキュメンタリー番組だった。制作スタッフの鋭気と執念がよく伝わった。おそらく、安倍晋三や下村博文からのNHK上層部を通じた圧力は凄まじいものがあり、現場に脅しや妨害が入っていたに違いないが、そうした厳しい環境の中で、よくあれだけの作品に仕上げたものだと拍手を送りたい。番組にはNHKらしさがあり、NHKらしい特集報道のオペレーション・エクセレンスが感じられた。並々ならぬ意気込みは、山根基世がナレーションを担当したことからも察せられた。NHKが日曜夜9時放送のNスペに山根基世を起用するということは、その番組に格別の重みを置いたことを意味する。山根基世があの口調で語ると、視聴者の心に響く説得力がまるで違う。今後、官邸や自民党からNHKに不当な横槍が入るだろうが、NHKにはそれに屈せずに取材と報道を続けて欲しいと思うし、Nスペでのこの事件検証の続報を期待したい。本の出版もお願いしたい。私の想像だが、おそらく、藤原淳登ら取材陣は、6月末に理研から懲戒処分の決定が下され、事件が大きな山を越えると想定、その楽観的な見通しを前提に、夏休み向けの教育啓蒙番組としてこの特集を企画していたのだろう。状況が変わり、政権が全面的に小保方晴子を支援する姿勢に固まり、ネットとマスコミ他社が小保方擁護に旋回したため、このジャーナリズムはタフなチャレンジとなった。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-28 23:30 | Comments(23)

丸山真男を守らなかった「丸山学派」 - 全共闘事件と「ある日の津田博士と私」

c0315619_18364555.jpg前回の記事で、7/19に放送されたNHKの丸山真男特集の番組に小さな誤りがあることを指摘した。誤謬というよりも、瑕疵といった方がいいかもしれないし、制作したスタッフは、それを重大な誤りだとは認識していないだろう。助手となった丸山真男が日本政治思想史の研究を始めたことが、本人の意志と選択によるものではなく、南原繁の指示と計画によるものだったこと、その点をNHKは省略して説明を飛ばしたのだが、NHKにすれば、90分しかない番組にその経緯と事情を詰め込んで説明を膨らませるのは、全体の構成の時間配分から考えて不具合で、面倒だから端折ってしまえという判断がはたらいたのに違いない。しかし、一般向けの丸山真男論の教科書を作るときに、この事実を概説内容から落とすことは、私には到底容認できないことだ。山口二郎が言っていたように、戦後は、まさしく丸山真男(たち)が作ったから始まったのだけれど、それは実は戦前から始まっていたのであり、あのファシズムの暗黒の時代空間の中に、それに抵抗するアンチテーゼが生命体として胚胎されていたのである。そのシンボリックな契機こそ、南原繁と丸山真男の出会いのドラマであり、特高体験を持った学生を庇護し、右翼の圧力に抗して新設の東洋政治思想史講座をリベラル・アカデミーに確立するべく立ち向かうという、知識人の意地と大胆不敵な挑戦に他ならない。われわれはその歴史に負っている。だから、この物語を割愛してはいけない。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-25 23:30 | Comments(5)

南原繁の勇気と挑戦 - ファシズムの中の「東洋政治思想史」講座

c0315619_17492916.jpg前回の記事で、7/19にNHKで放送された丸山真男特集について、「間違った説明は特になかった。基本的に正しい」と書いたが、一点、訂正が必要と思われる部分があり、気になったので触れておきたい。錚々たる面々が制作に関与していながら、これはどういうことかと首を傾げたが、番組では、丸山真男が卒業後に助手に進んだとき、自ら研究テーマを日本政治思想史に選んだという説明になっていた。自発的に、自らの問題関心で、過去(徳川期)の思想史の探求に踏み出したという整理が示された。番組の進行では、その前に例の一高時代の特高体験があり、それを契機に、本人が何らか日本の過去からの思想に問題意識を持ち、自ら積極的に研究を始めたのだと概説された。何も知らない者は、この「自然な流れ」に頷いてしまう。だが、これは全く事実と違う。そのことは、熱心な丸山真男の読者でなくても常識の範疇と言えるだろう。NHKの標準の教育番組なのだから、基本的な史実の紹介で誤りがあってはいけない。丸山真男が研究対象として日本の政治思想史を選ぶことになったのは、本人の希望や意志によるものではなく、師となった南原繁の勧告と指示であり、南原繁の計画と深慮によるものである。それはまさに、今日から振り返って、奇跡の英断の歴史だったと言えるのだけれど、そのときの学生の丸山真男にとっては、南原先生に困惑の課題を与えられて、渋々と取り組むことになった対象だった。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-23 23:30 | Comments(2)

NHKの丸山真男特集の作為 - 正統を簒奪し私物化する官僚アカデミー

c0315619_16321986.jpg7/19の夜、NHK-Eテレで90分の丸山真男の特集番組が放送された。『戦後史証言PROJECT 日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち』という長いタイトルのシリーズの、その第3回として制作されたものだ。先週(7/12)、第2回は鶴見俊輔の特集だった。EテレのETV特集は、2年前の2012年に『日本人は何を考えてきたのか』と題した全12回の大型シリーズを放送したが、今回はその続きとなる戦後編の企画で、おそらく同じスタッフが担当している。第4回は司馬遼太郎が予定され、半年後の来年1月に後半の第5回から第8回があることが案内されている。番組の内容は、丸山真男の紹介としてコンパクトに纏まった良質なものだった。丸山真男について何も知らない者が見て、有益で参考になる情報であり、百科事典的な「丸山真男」の知識を提供するものである。そう評価できる。NHKが丸山真男について番組を制作するのは、死の直後の1996年11月に放送した『丸山真男と戦後日本』以来二度目のことで、18年ぶりの取り組みである。18年の歳月が流れているから、番組スタッフは代替わりしているに違いないが、今回の制作メンバーは、どうやら前作の『丸山真男と戦後日本』をかなりよく見ていて、前作と同じ趣旨と基調の作品に仕上がっていた。前作がよく反映されている。映像の登場人物にも前回と同じ顔ぶれが並び、基本的に同じ言葉で丸山真男の思想を説明した。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-21 23:30 | Comments(3)

衝撃と戦慄の早稲田調査委報告 - 安倍晋三の恣意と寵愛と横車

c0315619_17265336.jpg昨日(7/17)発表された、早稲田調査委による小保方晴子学位安堵の報は衝撃だった。不条理はガザだけではない。世界人権宣言とパレスチナのブラックジョークは、研究活動のガイドラインと小保方晴子との関係にも当て嵌まる。今回の調査結果は意外なものだった。理研の懲戒委が小保方晴子に処分を下すかどうかは、いわゆるトカゲの尻尾切りの問題があり、裁判を恐がって理研が慎重になる事態が想定されたが、早稲田の場合にはそうした事情が絡むことはなく、判断に支障が及ぶ条件は何もない。早稲田が小保方晴子の博士学位を取り消す決定を出しても、単に遅くなったことが問題であるだけで、世論から批判を浴びるということはない。あの博士論文に関しては、小保方晴子側にそれを正当化する余地は全くなく、不正が確認されて学位が剥奪されるのが当然だった。どうして、早稲田はこのような行動に出たのか。それはタイミングに関係がある。これは、7月末の丹羽仁史の中間報告に影響を与えるための政治だ。下村博文と安倍晋三の理研への一撃だ。7月末の理研の「検証実験」の中間報告は、一瞥したところ理研の態度はハーフハーフで、もう「STAP細胞はない」と正直に結論を出して、この問題から手を引きたいという気分も窺えるし、同時に、下村博文からさらに強烈に圧力がかかってきたら、「STAP現象がないとは断定できないので引き続き『実験』を続ける」と言って逃げる可能性も見えていた。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-18 23:30 | Comments(20)

「暴力の応酬」って言うな! - 世界人権宣言とガザの屠殺の不条理

c0315619_16313610.jpg世界人権宣言には次のように書かれている。「第3条、すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。第5条、何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない。第6条、すべて人は、いかなる場所においても、法の下において、人として認められる権利を有する。第7条、すべての人は、法の下において平等であり、また、いかなる差別もなしに法の平等な保護を受ける権利を有する」。いつも思うのは、どうして世界の中で、パレスチナに住む人々だけが、この高尚な宣言の例外に置かれているかということだ。1948年の第3回国連総会で採択され、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」として、いわば世界の憲法として尊重され遵守されているはずのこの人権宣言の適用と効力から、どうしてパレスチナだけが除外されるのかということだ。そしてまさに、この私の素朴な疑問への痛烈な回答と言うべきか、第2条にはこうも念入りに書いている。「(すべて人は)、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他の何らかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差別もしてはならない」。何という壮大なスケールのブラックジョークだろうか。安保理でガザ問題を討議するときは、これらの条文を太字でパネルにしたものを、あの丸テーブルの中央に置くべきだ。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-16 23:30 | Comments(6)

滋賀県知事選の政治 - 僥倖の朗報、福島への期待、再稼働の政局

c0315619_1512587.jpg滋賀県知事選で自公候補が敗北した。朝日と毎日と日経の編集部は、この結果に安堵していることだろう。この選挙結果ほど、「安堵」という言葉がぴったりくる政治はない。重苦しかった気分が少し軽くなり、絶望の中で微かに希望の光を見出す心理状態になった感がある。絶望と閉塞の状況は何も変わらないのだけれど、鬱病を発症するところまで追い込まれずに済んだというのが正直な感想だ。その意味で、このニュースを届けてくれた滋賀県民に感謝したい。微かな希望というのは、10月の福島県知事選のことである。あくまで希望的観測にすぎず、庶民目線の楽観論の吐露にすぎないが、今回の情勢の僥倖を受けて、小泉純一郎と細川護煕が福島県知事選に向け再起動を始め、それを脱原発を争点にした大型の政治戦に組み上げ、自公候補に勝利する図へと持ち込むことを希う。そういう期待と願望を持って、厳しい酷暑の日々を生活することができる。安倍晋三の主観では、今回の選挙に勝つ予定であり、確実に勝てると踏んでいたのだろう。だから、投票翌日の7/14から2日間、衆参予算委で集団的自衛権を集中審議する日程をセットしたのだ。その場で野党とマスコミのカメラに向かって、「滋賀県知事選の結果を見て下さいよ」「これが民意じゃあないですか」と啖呵を切るつもりだったのに違いない。選挙に敗北する想定はなく、裏目に出るリスクは計算になかった。暴君で倨傲な安倍晋三らしい。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-14 23:30 | Comments(7)

盧溝橋事件の歴史認識 - 「暴支膺懲」の論理と衝動、謀略前夜の今昔

c0315619_1721715.jpg侵略戦争だった日中戦争について、「軍部の暴走によるもの」として総括し、軍部だけに責任をかぶせる歴史認識があること、その観念が戦後に一般的に定着し、われわれもそうした教育を受けてきたこと、さらに、21世紀の現在でもその認識が歴史教科書の基調であることを、前回の記事で指摘した。最近、少し議論されていることとして、中国の側が、国交正常化と日中友好の際に、侵略戦争の責任について、やはり、「軍部と一部の軍国主義者によるもの」とした歴史認識の問題がある。この中国側が定義した侵略戦争の歴史認識を、われわれは中国側による独自のものと思い込んでいるけれど、今から考えれば、その由来は、先に日本側に原型があったのであり、日本で一般的に定着していた歴史認識をベースに中国側も共通認識として採用したものだということが分かる。まさに、コンパチブルな歴史認識だ。歴史認識をコンパチブルにさせないと国交正常化はできない。原因と責任を「軍部」と「一部の軍国主義者」に押し被せ、日本の政府と国民と昭和天皇を免責した歴史認識を、日中は双方で採用して「正史」に据え、国交正常化すなわち戦争の後始末をしたのである。それは、政治的で、妥協的で、仮構的で、タクティカルな歴史認識だったと言える。戦前日本の上から下までの毒々しい悪魔性に目を瞑った歴史認識だった。そのとき、戦後も連続して生きていた政府(官僚)と国民と天皇は、責任がロンダリングされてシロが確定した。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-12 23:30 | Comments(7)

盧溝橋事件の歴史認識 - 朝日の社説、辺見庸のBlog、高校教科書の記述

c0315619_15494628.jpg盧溝橋事件から77年の日の7/7、習近平が現地での記念式典に参加して演説、そのニュースが日本国内で大きく取り上げられた。国家の最高指導者がこの式典に出席するのは異例のことらしいが、日本のマスコミはこれを「日本批判」の動きとして否定的に報道、習近平と中国共産党が歴史問題で安倍政権に対して揺さぶりに出て、中国国内向けに「反日宣伝」の工作を強化したと意味づけた。7/9の朝日の社説はこう書いている。「『侵略の歴史を否定、歪曲、美化しようとする者を中国と各国の人民は決して認めない』と習主席は述べた。安倍政権への批判であることは明らかだ。(略)習政権の歴史問題をめぐ日本バッシングは際立っている。露骨な政治利用の姿勢には首をかしげざるを得ない」。産経ではなく朝日の社説がこう書いている。これは、菅義偉が不快感を示して反論したところの、「いたずらに歴史問題を国際問題化することは、地域の平和と協力のために何ら役に立つものではない」という主張と同一の立場の論調だ。右傾化した日本のマスコミの反中プロパガンダには、私自身も、もうすっかり漬け込まれて感覚が麻痺している一人だが、相対的にリベラル寄りと評される朝日が、このような悪辣な中国叩きを堂々と社説でやり、反中ナショナリズムの扇動をやっていることに、あらためて愕然とせざるを得ない。読売やNHKではなく、朝日新聞がこうなのだ。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-10 23:30 | Comments(3)

次の焦点は7月末の丹羽仁史の中間報告 - 予想される下村博文の介入

c0315619_14301341.jpg集団的自衛権の閣議決定があり、報道がその話題で埋まった先週、騒動に紛れるような形で小保方晴子事件に動きがあった。理研が小保方晴子への懲戒処分を棚上げし、「STAP細胞」の「再現実験」をさせることを決定、7/2に相澤慎一が会見で発表していた。同日、入院中で絶不調のはずの小保方晴子がタクシーで理研に出勤、報道陣に絵を撮らせるサービスを提供した。見た感じ、体調不良に苦しむ入院患者とは思えない。また、同日、Nature誌が「STAP細胞」関連の論文2本の取り下げを正式に発表している。小保方晴子の「再現実験」開始とNatureの論文リトラクトが同時だったことは、偶然ではなく示し合わせた動きだろう。姑息なことをやっている。遠藤高帆の告発があり、日経サイエンスの記事があり、最早、「STAP細胞」は存在せず、それは小保方晴子の捏造の所産であり、ES細胞にすり替えていたことが明白になっている。であるにもかかわらず、理研は捏造の事実を糾明するのではなく、捏造をした小保方晴子に「再現実験」をさせるという異常な行動に出た。本来、4/1の調査委の最終報告で論文不正が確定されていて、規程ではそのまま懲戒委で処分が下されることになっているにもかかわらず、自らルールを破り、超法規的措置で論文不正の調査結果を白紙化した。小保方晴子が11月に「STAP現象の発見に成功しました」と言ったら、論文不正の懲戒処分は一体どうなるのだ。 

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# by yoniumuhibi | 2014-07-07 23:30 | Comments(17)

焼身自殺抗議の政治的意味づけ - 代弁とカタルシス、暴政に釣り合う物語

c0315619_15361994.jpg集団的自衛権に抗議して新宿で焼身自殺を図った男性に対して、江川紹子が「支持も共感もできない」と言い、ネット右翼から喝采を浴びるという出来事が起きていた。私は江川紹子とは全く反対で、共感もできるし、支持もできる。むしろ、心の奥にある感想を掴み出して吐き出せば、他に何があるのかと叫びたい。この男性の場合、おそらく、政治的な示威が第一の目的ではない。もっと私的で複雑な事情があり、深くて重い絶望があったのだろう。年齢は60代だと推定されている。この人にも親がいたはずだ。健在かどうかは分からないが、彼を育てた母親がいたはずだ。そして、過去には家族がいて、子どももいたのかもしれない。もし子どもがいたとしたら、と思う。こうやって顔がアップで撮影され配信されているのだから、本人を知る者はすぐに誰だか分かる。この焼身自殺の行動は、無名の個人にとっては近親者に大きな迷惑をかけるリスクだ。リスクを覚悟の上で、命を投げ出して業火に身を包んだことを、私は粛然と受け止め、そして暗然として佇まざるを得ない。軽々に非難したり、まして罵倒したり侮辱したりすることはできない。江川紹子の批判は、あまりに軽はずみなものだ。想像力が無さすぎるし、他者への思いやりが欠けている。当の男性は、この国の政治の犠牲者なのだろうし、敢えて言えば、本当の意味でわれわれの代弁者なのだろう。この国の絶望、自分自身の中にある諦念、それを映し出した姿なのだと思う。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-04 23:30 | Comments(16)

集団的自衛権の解釈改憲の断行 - 憲法を作り守ってくれた人々に申し訳ない

c0315619_13335850.jpg集団的自衛権を行使容認する閣議決定が断行された。あっさりと立憲主義が粉砕され、改憲のクーデターが決行された。戦後、日本国民がずっと守ってきた平和憲法が、国民投票の手続きもなしに変えられてしまった。この悪逆な蛮行に及んだ者、それを積極的に手助けした者、そして、反対の素振りをしながら、党利党略でこれを阻止する政治を潰した者に対して、渾身の怒りと憤りを抑えることができない。2月の都知事選に薄氷で勝利していれば、集団的自衛権の政局は阻止することが可能だった。そこを起点に反安倍の気運を高め、マスコミに内閣支持率を下げさせ、与党内での公明党の立場を強め、自民党内に徐々に造反者を出し、そして、強行断念、先送りという流れを導くことができた。それだけが、独裁者の暴走を制止する唯一の政治の隘路だった。都知事選で一本化を妨害し、宇都宮健児祭りに狂い踊った者たちこそ、安倍晋三の共犯者であり、歴史の審判で断罪されるべき憲法破壊クーデターの幇助者である。2月の都知事選は、新自由主義の是非が争点ではなかった。都営住宅や子育て政策が争点でもなかった。脱原発も本当の争点ではなかった。真の争点は集団的自衛権であり、安倍晋三を弱体化させ、戦争を止めるかどうかだったのだ。宇都宮健児祭りに狂奔し、左翼の党利党略に陶酔した者たちは、自業自得を思い知るべきだ。護憲派が自ら憲法を壊した逆説の真実を悔悟するべきだ。

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# by yoniumuhibi | 2014-07-02 23:30 | Comments(17)

閣議決定の前々日の大きな出来事 - 集団的自衛権に抗議の焼身自殺

c0315619_15405522.jpg昨日(6/29)、集団的自衛権の行使容認に反対する男性が、新宿駅前の歩道橋上で抗議の焼身自殺を図る事件が起きた。幸い一命はとりとめたが、全身火傷で全治1-2か月の重症と報道されている。思い出すことが二つあり、一つは1970年11月に起きた三島由紀夫の割腹自殺事件であり、もう一つは2005年8月の郵政選挙の公示日の朝に起きた事件である。長野からワゴン車を運転してきた50歳の主婦が、官邸の北門から敷地内に突入しようとして、警備陣に阻まれ、停止させられた車内で刃物で身体を刺して自殺した。車の中に小泉政権の政治運営に抗議するビラが残されていたと伝えられたが、メッセージの中味は不明のまま、全くマスコミの続報で説明されることがなかった。それどころか、本人の人物像も、事件の動機や背景についても、新聞でも週刊誌でも何も紹介されなかった。頭のおかしな中年の女が人騒がせな妄動に及んだというような、問題を不当に矮小化した報道が当日のテレビで流され、翌日からは情報が途絶え、誰も触れることなくそのまま忘れ去られて行った。それから12日後に行われた選挙では、小泉劇場の旋風を起こした自民党が圧勝する。選挙への影響を恐れた小泉純一郎が、具体的にはヒムラーの飯島勲が、報道管制を敷いて取材を封殺したことは間違いない。事件が起きたのが官邸だったため、一切を隠蔽することが可能だった。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-30 23:30 | Comments(11)

集団的自衛権の政局 - 護憲派がやるべきこと、護憲の概念が消える前に

c0315619_16314170.jpg予想どおり、公明党が裏切り、集団的自衛権の行使容認が与党合意された。来週(7/1)、憲法解釈の変更が閣議決定される。実に呆気ない公明党の方針転換だった。5/20に山口那津男が報ステに出演したときの発言では、集団的自衛権の行使容認には慎重な姿勢で、政府が出してきている具体的事例については、集団的自衛権ではなく個別的自衛権で対応できるのだという、そういう認識を示す素振りだった。創価学会が5/17に異例の見解を出し、閣議決定による解釈改憲に反対の立場を明らかにしたこともあり、もう少し長く協議で粘るのではないかと予想していた。軽減税率とのバーターが決着する8月頃に豹変するのではないかというのが、私の以前からの観測だった。それが、あっと言う間に白々しく陥落した。この間、ずっと集団的自衛権の行使容認に反対し、解釈改憲の閣議決定を阻止すべく論陣を張ってきた朝日も、この公明党の俊足の裏切りには拍子抜けの気分だろう。5/20に第1回の与党協議が行われた時点では、公明党の方が議論をリードし、政府のゴリ押しを押し返す場面も見られたが、6月に入り、急に青菜に塩の体となり、マスコミから「方針転換」のリークが続き、6/26の山口那津男のNHK-NW9への生出演でそれが明言されることになった。わずか1か月。「抵抗勢力」として公明党を注目していた側がバカらしくなるほど、呆気ない幕切れで解釈改憲が本決まりとなってしまった。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-28 23:30 | Comments(13)

最後は金目だったザッケローニ - 本田圭佑が腐らせたサッカー日本代表

c0315619_15534252.jpgテレビでサッカー観戦することが、隠居後の丸山真男の愉しみの一つだった。1982年に出された『後衛の位置から』、そのあとがきに、本のタイトルの由来が次のように書かれている。「三、四の題名をひねり出し、その中から未来社が選んだのが『後衛の位置から』である。これでも著者の感じでは何か身構えが大仰すぎるが、その解釈は読者の想像に委ねる。先日テレビでサッカーの国際選手権大会を見ながらあらためて気付いたのは、最近の試合が、私が学生時代にホッケーをやっていた頃と比べて格段に機動性を増し、フルバックがフォワードに素早く入れ替わって攻撃をかけることさえも、珍プレイではなくなったようである」(P.190)。最後列のディフェンスが、最前線に駆け上がって攻撃参加し、敵のゴール前で得点に絡む。長友祐都の活躍ですっかり定着したこのサッカーの絵は、メキシコ五輪(1968年)の頃はまだポピュラーではなかった。本が出版されたとき、丸山真男のいたずら心の狙い的中と言うか、この「題名」への「読者の想像」はずいぶん市中で話題になった。また、この題名は、丸山真男の政治思想が奈辺にあり、市民にどういう政治主体の姿を期待し督励しているかを、一言で表現したシンボリックな比喩でもあるとも言える。その丸山真男が生きていたら、今回のブラジルW杯の日本代表の姿は、果たしてどのように映ったことだろう。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-26 23:30 | Comments(9)

小保方晴子と理研の共同の捏造隠蔽プロジェクト - 「再現実験」とは何か

c0315619_15485114.jpg昨日(6/23)、日経の2面に「幻のSTAP」と題した記事が掲載され、小保方晴子が5月末に理研CDBに姿を現し、「STAP細胞」の「検証実験」に参加したことが書かれていた。この情報については、6/11に毎日が暴露していたが、毎日に続いて日経が紙面記事にしたことで、事実としての信憑性が一段と高まったことになる。毎日の記事は、「理研関係者への取材で」判明したとあり、今月に入ってもずっとCDBに通い続け、「検証実験」に関わり続けている状況が窺える。三木秀夫の説明では、小保方晴子は心身の状態が不安定で、ずっと入院中ということだった。もし、この毎日と日経の記事が事実であり、本人が自分の足で歩いて自宅からCDBに通勤し、「検証実験」に立ち合って関係者に助言をしていたなら、三木秀夫の説明は真っ赤なウソであり、小保方晴子は国民を騙していることになる。この問題は重要で、真偽を糾すべき問題なのだが、マスコミは幾度も三木秀夫と接しながら追及しようとしない。三木秀夫が垂れることを黙ってそのまま拡散しているだけで、三木秀夫と小保方晴子の広報宣伝機関の役割を果たしているだけだ。ウソの垂れ流しに加担している。毎日も、日経も、6/12の自己点検委の会見の質疑で、竹市雅俊にこの件の真偽を確認することをしなかった。また、理研調査委の最終報告書では、小保方晴子から理研に対して医師の診断書も提出されてないと指摘されている。状況的には、この「入院」は明らかに仮病だ。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-24 23:30 | Comments(58)


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