閣議決定の前々日の大きな出来事 - 集団的自衛権に抗議の焼身自殺

c0315619_15405522.jpg昨日(6/29)、集団的自衛権の行使容認に反対する男性が、新宿駅前の歩道橋上で抗議の焼身自殺を図る事件が起きた。幸い一命はとりとめたが、全身火傷で全治1-2か月の重症と報道されている。思い出すことが二つあり、一つは1970年11月に起きた三島由紀夫の割腹自殺事件であり、もう一つは2005年8月の郵政選挙の公示日の朝に起きた事件である。長野からワゴン車を運転してきた50歳の主婦が、官邸の北門から敷地内に突入しようとして、警備陣に阻まれ、停止させられた車内で刃物で身体を刺して自殺した。車の中に小泉政権の政治運営に抗議するビラが残されていたと伝えられたが、メッセージの中味は不明のまま、全くマスコミの続報で説明されることがなかった。それどころか、本人の人物像も、事件の動機や背景についても、新聞でも週刊誌でも何も紹介されなかった。頭のおかしな中年の女が人騒がせな妄動に及んだというような、問題を不当に矮小化した報道が当日のテレビで流され、翌日からは情報が途絶え、誰も触れることなくそのまま忘れ去られて行った。それから12日後に行われた選挙では、小泉劇場の旋風を起こした自民党が圧勝する。選挙への影響を恐れた小泉純一郎が、具体的にはヒムラーの飯島勲が、報道管制を敷いて取材を封殺したことは間違いない。事件が起きたのが官邸だったため、一切を隠蔽することが可能だった。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-30 23:30 | Comments(11)

集団的自衛権の政局 - 護憲派がやるべきこと、護憲の概念が消える前に

c0315619_16314170.jpg予想どおり、公明党が裏切り、集団的自衛権の行使容認が与党合意された。来週(7/1)、憲法解釈の変更が閣議決定される。実に呆気ない公明党の方針転換だった。5/20に山口那津男が報ステに出演したときの発言では、集団的自衛権の行使容認には慎重な姿勢で、政府が出してきている具体的事例については、集団的自衛権ではなく個別的自衛権で対応できるのだという、そういう認識を示す素振りだった。創価学会が5/17に異例の見解を出し、閣議決定による解釈改憲に反対の立場を明らかにしたこともあり、もう少し長く協議で粘るのではないかと予想していた。軽減税率とのバーターが決着する8月頃に豹変するのではないかというのが、私の以前からの観測だった。それが、あっと言う間に白々しく陥落した。この間、ずっと集団的自衛権の行使容認に反対し、解釈改憲の閣議決定を阻止すべく論陣を張ってきた朝日も、この公明党の俊足の裏切りには拍子抜けの気分だろう。5/20に第1回の与党協議が行われた時点では、公明党の方が議論をリードし、政府のゴリ押しを押し返す場面も見られたが、6月に入り、急に青菜に塩の体となり、マスコミから「方針転換」のリークが続き、6/26の山口那津男のNHK-NW9への生出演でそれが明言されることになった。わずか1か月。「抵抗勢力」として公明党を注目していた側がバカらしくなるほど、呆気ない幕切れで解釈改憲が本決まりとなってしまった。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-28 23:30 | Comments(13)

最後は金目だったザッケローニ - 本田圭佑が腐らせたサッカー日本代表

c0315619_15534252.jpgテレビでサッカー観戦することが、隠居後の丸山真男の愉しみの一つだった。1982年に出された『後衛の位置から』、そのあとがきに、本のタイトルの由来が次のように書かれている。「三、四の題名をひねり出し、その中から未来社が選んだのが『後衛の位置から』である。これでも著者の感じでは何か身構えが大仰すぎるが、その解釈は読者の想像に委ねる。先日テレビでサッカーの国際選手権大会を見ながらあらためて気付いたのは、最近の試合が、私が学生時代にホッケーをやっていた頃と比べて格段に機動性を増し、フルバックがフォワードに素早く入れ替わって攻撃をかけることさえも、珍プレイではなくなったようである」(P.190)。最後列のディフェンスが、最前線に駆け上がって攻撃参加し、敵のゴール前で得点に絡む。長友祐都の活躍ですっかり定着したこのサッカーの絵は、メキシコ五輪(1968年)の頃はまだポピュラーではなかった。本が出版されたとき、丸山真男のいたずら心の狙い的中と言うか、この「題名」への「読者の想像」はずいぶん市中で話題になった。また、この題名は、丸山真男の政治思想が奈辺にあり、市民にどういう政治主体の姿を期待し督励しているかを、一言で表現したシンボリックな比喩でもあるとも言える。その丸山真男が生きていたら、今回のブラジルW杯の日本代表の姿は、果たしてどのように映ったことだろう。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-26 23:30 | Comments(9)

小保方晴子と理研の共同の捏造隠蔽プロジェクト - 「再現実験」とは何か

c0315619_15485114.jpg昨日(6/23)、日経の2面に「幻のSTAP」と題した記事が掲載され、小保方晴子が5月末に理研CDBに姿を現し、「STAP細胞」の「検証実験」に参加したことが書かれていた。この情報については、6/11に毎日が暴露していたが、毎日に続いて日経が紙面記事にしたことで、事実としての信憑性が一段と高まったことになる。毎日の記事は、「理研関係者への取材で」判明したとあり、今月に入ってもずっとCDBに通い続け、「検証実験」に関わり続けている状況が窺える。三木秀夫の説明では、小保方晴子は心身の状態が不安定で、ずっと入院中ということだった。もし、この毎日と日経の記事が事実であり、本人が自分の足で歩いて自宅からCDBに通勤し、「検証実験」に立ち合って関係者に助言をしていたなら、三木秀夫の説明は真っ赤なウソであり、小保方晴子は国民を騙していることになる。この問題は重要で、真偽を糾すべき問題なのだが、マスコミは幾度も三木秀夫と接しながら追及しようとしない。三木秀夫が垂れることを黙ってそのまま拡散しているだけで、三木秀夫と小保方晴子の広報宣伝機関の役割を果たしているだけだ。ウソの垂れ流しに加担している。毎日も、日経も、6/12の自己点検委の会見の質疑で、竹市雅俊にこの件の真偽を確認することをしなかった。また、理研調査委の最終報告書では、小保方晴子から理研に対して医師の診断書も提出されてないと指摘されている。状況的には、この「入院」は明らかに仮病だ。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-24 23:30 | Comments(58)

北朝鮮化する日本の科学世界 - 小保方晴子の理研復帰後の粛清と暗黒

c0315619_14143315.jpg北朝鮮がミサイル実験で打ち上げた「人工衛星」は、北朝鮮の発表では、地球を周回する軌道に順調に乗り、金正恩を讃える歌を宇宙から平壌市民に送り続けていることになっている。ネット情報で調べると、2012年12月に銀河3号で打ち上げた光明星3号2号機だけは、どうやら物体としては軌道投入に成功したらしいのだが、北朝鮮が発表しているところの「気象観測」や「資源探査」について、地上に電波情報を送信している形跡はなく、その人工衛星としての機能や成果は確認されていない。しかし、北朝鮮政府と北朝鮮科学院においては、この「人工衛星」打ち上げ成功は、誇るべき偉大な科学技術のアチーブメントなのであって、国民もその「事実」を信じているのだ。われわれは、その情景を見て笑っていたが、日本の科学もいよいよ北朝鮮と同じ滑稽な喜劇のフェーズに突入してしまった。ナチスと同じファシズムのカルト科学の暗黒に。ロシアがまだソ連だった頃、モスクワを旅したときに赤の広場のレーニン廟に入った経験がある。当時の触れ込みでは、レーニンの遺体は、ソ連邦科学アカデミーの最高の英知を結集した防腐処理を施した結果、死んだときのままの姿でガラスの棺の中で眠っていることになっていた。あの薄暗い廟の中、果たして、私の目に映ったものは、素人目にも一目瞭然の蝋人形だった。一緒に日本から行った者たちは、ホテルに帰った後、同じ感想を口にした。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-21 23:30 | Comments(66)

仮病を使う小保方晴子 - 「STAP細胞」と「STAP幹細胞」のトリック

c0315619_1634081.jpg前回の記事のコメント欄に、理研CDB内部の者を名乗る匿名の読者から投稿があり、今回の事件の隠蔽工作を主導しているとして、CDBセンター長の竹市雅俊に対して厳しい糾弾の声が上げられた。関連して、同じ者からかどうか、昨日(6/18)の朝、2ch生物板に内部告発を思わせる書き込みがあり、頻繁にコピペされて回し読みされ続けている。下品な文章なので引用に躊躇するが、こういう内容だ。「810 名無しゲノムのクローンさん 2014/06/18(水) 08:24:02.20 世に倦む日々の人、竹市のこと信用してたのね。御愁傷様。竹市は本件をここまで深刻にした張本人です。CDBの小保方擁護筆頭、未だに現実を受け入れられない。今日も相澤研までわざわざ小保方に会いにいっちゃったりもうホント馬鹿じゃないかと。で、細胞の調査をすることには絶対反対ね。認めてもしぶしぶ。CDBは5月末になってやっと細胞の調査を始めたけれど、若山にプライマーの配列聞いてたから、一瞬で元のESが同定(略)。もっと早くやってればCDBこんなことにならなくて済んだんだよ。(略)小保方が引っ越しのどさくさに若山の所から盗んだ細胞が箱ごと発見されたことも公表しろよ。丹羽のTSもたくさん出てきただろ。相澤も小保方さんを励ましてあげようなんて言ってるんじゃねーよ。お前、監視役として検証チームを組織したんじゃなかったのか?(以下略)

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# by yoniumuhibi | 2014-06-19 23:30 | Comments(41)

「STAP細胞」はES細胞だった - 理研・若山照彦・NHK三位一体の暴露と証明

c0315619_13242549.jpg昨日(6/16)は、NHKの7時のニュースに舌を巻いた。「STAP細胞」の捏造に関する衝撃のスクープの提供であると同時に、そのことを視聴者にきわめて分かりやすく、短時間のコンパクトな情報発信に纏めた報道だった。NHK(科学文化部)の取材力と編集力に脱帽させられる。科学ジャーナリズムとして満点の評価が与えられるべき内容で、放送を見ながら感動させられた。実は、昨日の午後2時からの若山照彦の記者会見を、ネット中継に張りついて注視していたのだけれど、どういう事実関係なのか、正直なところ概要を正しく把握することができなかったのだ。最も簡単に要約すれば、若山照彦が小保方晴子に手渡したマウスがすり替えられた疑惑について、第三者機関の遺伝子解析によって検証された事実を公表した会見であり、その結論だけは理解できた。しかし、若山照彦の説明は、遺伝子の解析結果の専門的な中味をそのまま羅列したもので、その意味を一般向けにやさしく解説したものではなく、また、論理的に整理された報告にもなっていなかった。非常に荒削りで、無愛想な報告だった。会場の記者たちも、ほとんどの者が、若山照彦の説明がチンプンカンプンか、生中継のカメラの前で分かったふりをしていた。本当に要点を押さえられていたなら、省略だらけの若山照彦の話が素人にも理解できるよう、質問で突っ込んで噛み砕き、輪郭を浮かび上がらせる議論ができたに違いない。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-17 23:30 | Comments(22)

改革委の提言について - 小保方晴子を実験参加させても検証はできない

c0315619_1554721.jpg昨日(6/12)、岸輝雄の理研改革委が提言書を発表、今日の朝日の1面と2面に大きく記事が載っている。記者会見を見ようと午前中からPCの前で待機していたが、中継が始まったのは夜の7時で、また、私はニコ動の会員登録もしていないため、全体を見ることができなかった。2ch生物版の流れを見ながら現場の様子を察するしかない中、改革委のメンバー、特に市川家国と塩見美喜子の発言は当を得たもので、小保方晴子と理研に対するわれわれの批判を代弁したものであったことが窺えた。遅い時間の会見であったため、編集作業が間に合わず、夜のテレビの放送に間に合わなかったのは残念だ。特に、この問題を正確に報道しているNHKの7時のニュースで詳しく紹介されなかった点は、残念と言う以上に政治の影を感じて不審に思う。岸輝雄が会見を遅らせたのは、テレビ報道から隠すためであり、下村博文の指示を受けての作為ではなかったのかと疑う。マスコミ報道は、改革委が理研CDBの解体を提言したことに注目し、そこにのみ焦点を当てたニュースにしている。だが、われわれが注目したのは、改革委が「STAP細胞」の実験と事件をどう認識し、小保方晴子や関係者の不正をどう判断したかという点に尽きる。なぜなら、懲戒委の決定が差し迫った日程だからだ。問題の責任が理研の組織のみに被せられ、小保方晴子の所業が免責される結論になることを最も恐れた。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-13 23:30 | Comments(30)

小保方擁護派の心理 - 無知と決めつけ、ゲームと博打、疑似科学とカルト

c0315619_16572958.jpg前回、「事件解決のカギは小保方晴子の自供のみ」と書いた。そう思う理由は、例の片山祐輔の事件の始終を見たことによる。滑稽であり、不気味な事件だった。否、事件はまだ終わっていない。佐藤博史は片山祐輔を更正させると言って弁護人を続けているが、私は佐藤博史が片山祐輔を改心に導けるとは到底思えない。片山祐輔は心から反省などしていないし、今の、表面上しおらしく見せている態度は、裁判官の心証をよくして量刑を軽くするための演技であり、周到な法廷戦術だろうと推察する。噂では刑期は7年。前回、9年前、ネットに複数の殺害予告を書き込んで逮捕起訴されたときは、懲役1年6ヶ月の実刑を受けて服役した。7年後に出所してPCとネットの環境に戻れば、再び警察とのゲームを始めるだろう。覚醒剤の常習犯のように。片山祐輔がリスペクトしているのは警察なのだ。簡単に騙されて手玉に取られた弁護士や江川紹子については、軽蔑と嫌悪しかないのである。片山祐輔の自己表出と自己実現は、ネット犯罪を通じた警察とのゲームの過程にあり、そこでの成功と勝利にある。成功とは、警察に誰かを誤認逮捕させることであり、勝利とは、真犯人メールをマスコミに送って警察を嘲笑うことだ。そして、負ければ刑務所暮らしに戻るのであり、それを繰り返すだけだ。そうしたゲームの人生としての自己の定義と達観を、片山祐輔が自ら覆すのは相当に難しいと思われる。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-10 23:30 | Comments(18)

事件解決のカギは小保方晴子の自供のみ - 反動側の逆襲が始まった

c0315619_1523338.jpg Blogのコメント欄には、小保方晴子が理研(神戸CDB)に出入りしているという情報が寄せられている。先週のマスコミ報道の中に、小保方晴子は、丹羽仁史ら「STAP細胞」の「検証実験」をしている者たちとの間で頻繁にメール交換をしていると伝えた記事もあった。理研の懲戒委の決定を目前にした先週後半、下村博文は、6/46/6の二度にわたって記者会見し、小保方晴子を「STAP細胞」の検証実験に参加させるよう要求、その意向をマスコミに書かせて念を押した。理研に圧力をかけた形だが、理研を所管する閣僚がここまで明確に言い切って、その人事が覆される図というのは通常考えにくく、すでにシナリオができていて、世間に予告して既成事実を固めた感が強い。すなわち、Nature論文撤回をもって情状酌量とし、懲戒解雇や諭旨免職は避けるという決定だ。下村博文は、処分と実験参加は別次元のものだなどと欺瞞を言っているが、解雇した者を組織が業務に参加させるなどということはあり得ない。解雇は絶縁である。「STAP細胞」の「検証実験」に参加させるということは、職員として身分を保障するという意味であり、理研として雇用契約を続けるということだ。小保方晴子の粘り勝ち、ゴネ得であり、捏造の不正もウヤムヤに始末される可能性が高くなった。もともと、この「決着」の形は、小保方晴子が弁護士を雇って理研に牙を剥く前は、野依良治が落としどころに描いていた図でもあった。 

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# by yoniumuhibi | 2014-06-09 23:30 | Comments(20)

崩壊が始まった「STAP細胞」の神話と幻想 - 岸輝雄と野依良治の権力闘争

c0315619_1612399.jpg小保方晴子をめぐる事件が急展開している。今日(6/4)の朝、PCを立ち上げたら、小保方晴子がNature誌に投稿した主要論文の撤回に同意したという一報があった。Nature誌に採択・掲載されたSTAP論文はArticleとLetterの2本あり、このうちLetter論文の方は、5/28にすでに取り下げに同意していた。このときの小保方晴子の言い分は、Letterの責任著者は自分ではなく若山照彦で、実験も全て若山照彦によるものであり、自分は責任著者ではないから撤回しても構わないのだという説明だった。三木秀夫を通じて、「もう1本の論文は撤回する意向はない」とあらためて述べ、「STAP細胞の存在を明らかにした主論文が大切で、(Letterは)発展型にすぎない」と言っている。今回、主要論文(Article)の撤回に同意して署名したことは、1週間前の発言を翻すものだ。ここで、4/9の小保方晴子の記者会見の場面を思い出さなくてはいけないが、論文を撤回する意思はないのかとの質問にこう答えている。「論文の撤回は、その結論が完全に間違いであったと著者が国際的に発表することになる。結論が正しい以上、撤回は正しい行為ではない」。こう強気で言い返して、頑固に撤回を拒んでいた。2ヶ月前のことだ。小保方晴子の言葉に即せば、、自らArticleを撤回したということは、「STAP細胞の存在を明らかにした」という結論が「完全に間違いであった」と「国際的に発表」したことに他ならない。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-04 23:30 | Comments(27)

安倍晋三と外務官僚のアクロバティックス - 6月末に訪朝発表か

c0315619_16123093.jpg一部に、日朝の「拉致再調査」合意はやらせだったという発言が出ている。5/3のTBSの報道特集で、今回の合意内容がストックホルムでの交渉前に全て事前に決まっていたという説明がされ、それを聞いての反応だ。しかし、この外交を「やらせ」の言葉遣いで表現するのが適当かどうかは、首を捻らざるを得ない。基本的に、国と国との重要な外交交渉は、事前に事務方の協議で合意事項が詰められ、会談時は最後の(発表文の)調整がされるだけだ。特に首脳会談の場合は、会議は単に形式だけのイベント(マスコミ撮影会)にすぎない。例えば、韓国との従軍慰安婦問題の交渉も、現時点で事務レベルの「合意」の中味は固まっていて、後は安倍晋三が裁可するだけの段階になっている。今回、政府の発表やNHKの報道が、いかにも現地で中味を埋める作業をしたように言い、また、安倍晋三が重大な決断を下したように宣伝するものだから、その宣伝を真実だと素朴に信じ込んでいたのならば、TBSの報道を聞いて、「やらせだったのか」と驚き憤る感想も出るかもしれない。が、それはあまりに外交というものに無知な素人の反応というものだ。実際は、ストックホルムの実務者協議は、やらせでも何でもなく、厳しい交渉が行われていた。厳しい交渉とは、北朝鮮が要求する総連本部ビルの安堵について、どう決着させるかの鬩ぎ合いである。ストックホルムの3日間は、その問題に費やされたのだ。

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# by yoniumuhibi | 2014-06-02 23:30 | Comments(3)

北朝鮮「拉致再調査」の真相 - 人気取りと総連本部ビル安堵の取引外交

c0315619_15555619.jpg昨夜(8/29)の報ステは、冒頭から40分間、延々と北朝鮮の「拉致再調査」の報道が続き、スタジオに並んだ後藤健次と武貞秀士とキャスターの古館伊知郎の3人が、これでもかと安倍晋三への賛辞の洪水で溢れさせた。これほど徹底的で壮絶な安倍晋三礼賛のプロパガンダ・ショーは、最近ではめずらしい光景だ。今年に入って、集団的自衛権の政局の中で、古館伊知郎も安倍晋三に対して批判的な姿勢に傾いていたのが、ようやく本来の右翼の思想信条に戻る機会を得て、その本懐を爆発させた感がある。古舘伊知郎の顔に爽快感が漂っていた。この政治について第一に言わなくてはいけないことは、そしてマスコミが決して言わないことは、これが安倍晋三のいつもの下劣な人気取り策であり、特に、集団的自衛権の問題で支持率を落としつつある現状で、劣勢を挽回するべく放たれた一手であるという点だ。支持率対策である。5/26のテレ朝が、安倍晋三の支持率が前回比12ポイント下落した結果を報じていて、他局や他紙がこれに続く趨勢となっていた。5/15の集団的自衛権の会見が裏目に出た後、安倍晋三は焦っていて、この「拉致再調査」を大々的に打ち上げて宣伝する必要に迫られていたのだ。その証拠に、今回のストックホルムでの日朝政府間交渉は、一度は成果なしの肩すかしで終わっている。5/28の時点で、マスコミも「協議の継続で一致」とだけ報じていた。 

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# by yoniumuhibi | 2014-05-30 23:30 | Comments(4)

集団的自衛権の政局 - 窮余の策の解散総選挙と閣議決定の正統性

c0315619_15502215.jpg今週号の週刊ポストが、集団的自衛権の是非を問う解散総選挙の可能性について記事を書いている。マスコミでは、まだこの観測を大きく取り上げる報道はなく、その現実的可能性を考えている者は、この時点では少数にとどまるだろう。記憶では、安倍晋三が5/15に官邸会見で集団的自衛権の方針演説をやった直後、国内で最も極右のBSフジの番組に自民党の議員が出演し、解散を仄めかす場面があった。が、その後の報道では特に話題になる場面がなく、安倍晋三が飼育している番組キャスターや政治評論家の口から、解散の観測気球が上げられるという瞬間がない。後藤謙次や田崎史郎の出番となっていない。この2人や岸井成格がテレビで観測を口走り始めると、「永田町で解散風が吹き始めた」状況になる。今のところ、解散風は風速2メートル程度の「軽風」の段階にすぎず、この週刊ポストの記事やBSフジでの自民党議員の発言は、いわゆるブラフであり、安倍晋三が手を回した公明党への牽制の政治だ。現時点では、解散観測のジャブは、安倍晋三が公明党と自民党内への脅迫に使う「奥の手」のちらつかせである。だが、私自身は、解散は十分にあり得るのではないかと予想している。政局の動向を鑑み、安倍晋三の立場に立って考えたとき、この「伝家の宝刀」を抜く以外に、集団的自衛権の解釈改憲を実現する方策があるだろうか。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-28 23:30 | Comments(2)

PC遠隔操作事件の教訓 - 「直接的で決定的な物的証拠」の陥穽と逆説

c0315619_15401041.jpg片山祐輔の事件について、一部で、自分が冤罪に巻き込まれる可能性を考えろという意見が出回っている。自己正当化の言い訳に余念のない擁護派の主張は、弁護団や江川紹子は冤罪廃絶のために尽力したのであり、市民は彼らの貢献に感謝すべきで、批判する理由はないというものだ。私は、この詭弁の説教には肯首できない。普通に暮らしている市民は、言われるように警察の誤認逮捕で冤罪に巻き込まれる可能性もあるが、同時に、片山祐輔のような愉快犯によって標的にされ、ウィルスを仕込まれてPCを乗っ取られ、身に覚えのない「脅迫」や「殺害予告」の実行犯に仕立て上げられることもある。どちらも深刻なリスクだ。もし、この事件が今回のような方向に展開せず、江川紹子らの運動が実って無罪判決となり、検察が控訴断念に追い込まれ、片山祐輔が悠然と娑婆に出て活動する事態になっていれば、必ずこの男は次の犯行に出ただろうし、この種のプログラムの改作に精を出し、誰かを毒牙にかけ、新たな被害者を生んでいたことだろう。そのときは、最早、誰も真犯人が片山祐輔だとは疑わない。片山祐輔があのまま無罪放免になっていたら、一体どんな恐ろしいことになっていたことか。確かに冤罪は忌まわしい権力犯罪で、冤罪を防ぐ制度に日本の司法を変える必要がある。だが、市民の敵は冤罪だけではない。市民の利益の立場から比較衡量したときに、冤罪の恐怖だけが一方的に喧伝される議論は正しくない。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-26 23:30 | Comments(5)

片山祐輔による江川紹子への性的侮辱 - 信頼関係がなかった被告人と弁護団

c0315619_14525766.jpg片山祐輔が5/16に送ったメールの全文がネット上に公開されている。最初に落合洋司が公開して注目されたが、関係者に配慮した省略が多くあり、不完全なものだった。伏字のない完全版は、片山祐輔がメールを送った一人である矢野さとるによって詳細な解析情報とともに上げられた。メールの送付先は全部で25件。うち20件がテレビ局や新聞社など報道関係であり、1件は弁護士の落合洋司、残り4件が個人で、その中に矢野さとるが含まれている。メールのタイトルにこう書かれていた。「皇居にロケット砲を撃ち込んで明仁美智子を始末する 地下鉄霞が関駅でサリン散布する 大野勝則裁判官と唐沢貴洋弁護士と狩魔冥検事を上九一色村製AK47で射殺する 聖路加病院爆破するお茶の水小学校で小女子喰う悠仁を去勢して天皇制断絶 江川紹子の閉経マンkにVXガス注射してポアする ドコモショップ稚内店に牛五十頭突っ込ます」。メールの件名としては異常に長くて文字数も多いが、書かれている内容も悍ましく猟奇的だ。句読点もなく改行もなく接着された長い文字列は、分解すると7件の犯行予告が詰め込まれている。どの脅迫の片言も不気味で凶悪なものだが、誰もが特に注目するのは、6件目の「江川紹子の閉経マンkにVXガス注射してポアする」の衝撃の文言だろう。片山祐輔は、自身を無罪放免に導くべく尽力してくれていた恩人の江川紹子に、こんな驚愕のメールで脅迫していた。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-22 23:30 | Comments(15)

佐藤博史の蹉跌と江川紹子の敗北 - 片山祐輔を盲信した擁護派の失態

c0315619_1651827.jpg片山祐輔は、5/19に行方をくらませた後、都内の公園で自殺を図ったがベルトが切れて失敗したとか、死に場所を探して高尾山の山中を彷徨したとか言っている。その言葉を擁護派の面々はその言葉を鵜呑みにしている。だが、これは嘘だ。もし本当に片山祐輔がベルトを木にかけ、首つり自殺を試みる行動に出ていたなら、至近距離で監視している捜査官がただちに制止に飛び出したことだろう。もし、本当に公園を徘徊していたのなら、その様子を高精細ビデオカメラで撮影している。今回、警察は片山祐輔を一度も見失ったことはなく、常に四六時中監視下に置いていて、新聞報道にあるように、そこには膨大な人員が投入されている。すなわち、マスコミが「失踪」を報じた後も、ずっと尾行して行状を追跡していたのであり、本人に気づかれない位置と距離から始終を録画していたのだ。警察も、弁護士も、最も恐れていたのは本人の自殺である。弁護士は、5/19の夜9時半に本人から電話がかかってきたと言っているが、私の推測は、本人がまず母親に連絡し、母親が警察と弁護士に連絡し、本人の携帯の電源が入っている状態が確認されたのではないかということである。警察が、弁護士に、本人に電話して説得することを勧めたのだろう。本人の自殺を防ぎ逃亡を止めさせることが、5/19の警察と弁護士の共通の至上命題で、おそらく当夜、両者は連携して対応している。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-21 23:30 | Comments(13)

集団的自衛権の政局で野党がやるべきこと - 共・社・生は党首会談を

c0315619_1728148.jpg安倍晋三が集団的自衛権の行使容認の政府方針を会見で発表した2日後、5/17の朝日の1面に、創価学会が解釈改憲に反対する見解を示した記事が出た。今週から始まる自公協議に大きな影響を及ぼすだろうとある。週末のテレビ報道とネットの議論は、この話題で持ちきりとなった。これは朝日の取材に学会が文書で回答したもので、この後、学会は広報室コメントを発表、マスコミ各社が記事を上げた。創価学会がこのような国の重要な政策問題に意見を出し、賛否の立場を明らかにするのは異例のことだ。しかも、自公協議がまだ始まらない出発点の時期に、安倍晋三が集団的自衛権の解釈改憲の政局に打って出た直後に、出鼻を挫くように反論を上げ、公明党に釘を刺したことは、実に大きな政治的事件と言える。公明党の組織全体に衝撃が走り、連立離脱も一つの選択肢として考えざるを得なくなった。安倍晋三は、マスコミの飼育記者に解散風を吹かせ、公明党をブラフで脅す作戦に出ていたが、こうして学会が態度を明確にしたことで、俄に解散が現実味を帯びる政局の空気感となった。週末のテレビ討論では、石破茂は解散を臭わす発言を捲き、維新とみんなの2党は涎を垂らして連立組み替えにハアハアする様子を見せていた。いずれにせよ、半年後にはこの政局は決着している。解釈改憲が閣議決定されて安倍晋三が勝利するか、それとも先送りされるか、11月には結果は出ている。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-19 23:30 | Comments(3)

安倍晋三による集団的自衛権行使の政府方針発表 - 脱力と神経衰弱

c0315619_1725729.jpg昨日(5/15)、安倍晋三による集団的自衛権の行使容認の政府方針の発表会見があり、今日の朝日の紙面はその関連記事で埋め尽くされている。2面、3面、4面、7面、8面、9-11面に法制懇報告書の全文、16面の社説、38面、39面。記事の内容は、この解釈改憲の政府方針に反対する立場からのものだ。社説は正論で、安倍晋三の会見に対する反論として当を得たものだ。私の方は、今回も政局論の角度からこの問題を考えたい。この法制墾の報告書は昨年中に提出を予定していたものだ。それが今年4月に延期され、さらに5月に延ばされていた。その理由は、公明が合意に応じず、ずっと慎重論を崩さなかったからで、閣議決定の目処が立たなかったためである。今回、いわば見切り発車のような形で、集団的自衛権の行使を合憲化する政府方針の発表に出た。これは、安倍晋三にとっては少なからずリスクを伴う行動だ。客観的には狂暴なファシストの暴走だが、安倍晋三に即して言えば、リスクを取ってしてルビコンを渡った政治である。なぜなら、こうして大きく出た以上、必ず公明に態度を変えさせなくてはならず、秋までに閣議決定の果実を得なくてはいけない。もし、10月になっても公明が折れず、集団的自衛権の行使を前提にした関連の改正諸法案を国会に提出できず、年を越してしまうと、この政治戦の勝負は安倍晋三の負けであり、集団的自衛権行使は「死に体」の状態となる。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-16 23:30 | Comments(11)

若山照彦への裏切りと科学研究への虐待 - 小保方晴子の異常心理

c0315619_12565889.jpg家の中を探したら、週刊文春の3/27号があった。3/14の理研の中間報告の後に出され、巷で大いに話題になった号で、小保方晴子の事件について大型の特集記事が掲載されている。メインの記事タイトルが「売らんかな」の動機が丸出しの下劣なもので、そのためジャーナリズムの所産として評価されてないし、どうしても軽侮の視線で見てしまうが、あらためて読み返すと、やはり一読の価値のある内容で、フットワークよく取材して書いている。この記事で上げられた一つ一つの指摘が、例えば、笹井芳樹の「ケビン・コスナー」と「僕のシンデレラ」云々の問題が、今でもしっかり人々の脳裏に残っていて、事件全体のイメージを形作る重要な契機になっている。無名のフリーの記者の仕事だろうが、体当たりで関係者を直撃して証言を取った職業人の根性は見上げたものだ。この問題が社会を揺るがす事件に発展して2か月経ったが、経緯の中で、今では貴重で重要な二次資料となり、この事件を考える上での古典史料とすらなっていることに気づく。この号、小保方晴子事件が最終的に解決するまで、ゴミ箱には捨てられない。記事の冒頭、理研で小保方晴子の元同僚だったという「A氏」が登場し、こう言っている。「いつか小保方さんは国民の前で真実を語らねばならない日が来るでしょう。そこで彼女は、間違いなく涙を流すはず。でも、私はその涙を信じません。彼女に騙されてはいけません」(P.22)。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-14 23:30 | Comments(47)

小保方擁護の朝日新聞の暴論記事 - テレビ屋が煽る「STAP細胞」幻想

c0315619_13161025.jpg「STAP細胞」の事件をめぐって、朝日と毎日が対照的な態度を示している。あまりに酷いと思われるのは、5/9の朝日(2面)の記事だ。前日に理研の会見があり、小保方晴子の不服申立を却下して「再調査せず」の結論を出した翌日の報道だが、鍛冶信太郎の署名で次のように書いている。「また、調査委は違う実験の画像を使ったことを捏造と判断したが、物的証拠を示せていない」。この一文の断定には呆れる。ネットの中の無知で無責任な匿名の小保方擁護派でも、これほど粗雑で的外れな暴論を吐いている例はない。この記者の頭の中はどうなっているのだろう。捏造の物的証拠は、まさにあの「テラトーマ画像」ではないか。あの3枚の画像が、博士論文で使われたものであり、今回の「実験」の成果を証明するものでなかったから捏造になるのである。それが捏造ではなく、単なる取り違えのミスだったというのが、小保方晴子側の釈明だが、その言い訳に合理性がないことは、理研の報告書の中で十全に論破されている。この朝日の記者は、理研の報告書を読んだ上で言っているのだろうか。「物的証拠」とはどういう意味なのか。この場合、捏造なのか、単純ミスなのか、それを最もよく証明する証拠資料は、生データが保管されているはずの小保方晴子のPCのハードディスクである。小保方晴子はPCを提出していない。なぜ提出しないのか。提出したら捏造が決定的にバレるからだ。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-12 23:30 | Comments(6)

6月に崩壊する「STAP細胞」共同幻想 - 小保方晴子と若山照彦の死闘

c0315619_15162034.jpg一昨日(5/8)、理研の会見があり、小保方晴子から出されていた不服申立が 却下された。この2日ほど、またマスコミとネットが小保方問題でざわめく様相になっている。まず最初に、理研の「再調査せず」の決定を歓迎したい。正直なところ、どうなるか不安視していた。弱気になって日和るのではないかと心配だった。あまり長引くので、弁護士側と裏取引しているのではないかという疑念も過ぎっていた。「再調査せず」の結論を出すことは、理研にとって少なからずリスクを伴う決断で、勇気を要する行動だったと言える。世論は小保方晴子支持が多数であり、ワイドショーは大衆の俗情に阿って理研叩きの姿勢に徹している。小保方晴子への同情論が横溢する状況だ。そうした逆風の中で小保方晴子に厳罰の処分を下せば、訴訟となったとき、理研側が必ず勝つという保証はない。負けた場合の痛手は大きく、内部で逡巡する声もあっただろう。現に、改革委の岸輝雄などは結論が早すぎると 批判している。裁判を怖がらず、世間の俗論に迎合せず、敢然と闘う方針を貫いた態度は評価してよいことだ。科学には科学の大義があり、科学者の規律と倫理がある。科学の世界のルールがある。それを理研が蔑ろにしなかったことに安堵した。三木秀夫の狙いは、理研に動揺と混乱を起こさせ、和解を申し出るよう仕向けることだった。ここで理研が屈すれば、科学の世界を支えるルールの柱が折られていた。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-10 23:30 | Comments(30)

日米同盟と新型大国関係 - リプレイスされる東アジアの安全保障体制

c0315619_15551927.jpg昨夜(5/7)、白井聡がBSフジの番組に出演して、「永続敗戦論」の話をしていた。この議論そのものの検討は別の機会にするとして、その「永続敗戦」のレジームはそろそろ終焉に近づいていると私は感じている。政治の現実感覚として、米国従属体制からの解放という課題意識は、私の場合、以前の気分と比較してリアルで第一義的なものでなくなりつつある。それと入れ替わって大きな関心となって念頭にあるのは、中国との戦争というテーマである。米国従属体制の社会科学的考察とか、そこから脱出し自立する展望とか、そこに新自由主義の問題を入れて未来を考えるとか、そうした、言わば積極的な政策論の概念的思考へ、正直なところ、今は動機づけられることがない。エンカレッジされない。無遠慮に白井聡の「永続敗戦論」に対する不満を言えば、差し迫った日中戦争の危機がダイナミックに導出されていない点ということになるだろうか。別の言葉で反論を返せば、そのようにスタティックにモデルを析出した「永続敗戦」の体制と構造は、あと10年もせずに崩壊し消滅する運命になるだろうと、そういうシニカルな感想になる。無論、それは、日本人が対米自立の理想的な社会を実現するという意味ではない。破滅的な将来予想だ。今、目の前に白井聡がいて対論していると仮想して、語りかける感覚で、さしあたり、今回は日米同盟と新型大国関係について述べよう。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-08 23:30 | Comments(3)

集団的自衛権の政局 - 安倍晋三と石破茂の間で暗闘が始まっている

c0315619_1550645.jpg集団的自衛権の問題をめぐって、どうやら安倍晋三と石破茂の間で小さな権力闘争が起きている。明確な断言はできないが、微かな感触が新聞記事の行間から探られる。昨日(5/5)、朝日の3面に、集団的自衛権の行使容認を反映させた関連法の改正について、来春以降に先送りするという石破茂の見解を伝えた記事があった。石破茂がボストンで同行記者団に、「統一地方選で集団的自衛権が争点になるような政治日程にしてはいけない」と言い、関連法の先送りを報道させている。マスコミに書かせて既成事実にした。これに合わせる形で、安倍晋三がリスボンで、憲法解釈を変更する閣議決定の時期について、「与党で一致していくことが重要なので、場合によっては時間を要することもある」と語っている。つまり、公明に配慮して閣議決定の時期を遅らせる意向を示した。今国会会期中と執拗に言っていた閣議決定の日程が、安倍晋三の口から先送りが明言された。一見すると、二人の発言は平仄が合っていて、示し合わせて地球の裏側の別々の地から同じことを発信している。だが、ここで注視しなくてはいけないのは、5/2の朝日1面の記事だ。これは安倍晋三が書かせたもので、集団的自衛権の政局の主導権を握るための強硬論のぶち上げだった。5月中に「政府方針」をまとめて会見で発表する、6/22の会期末までに閣議決定する、という当初戦略の念押しのブラフである。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-06 23:30 | Comments(13)

解釈改憲をめぐる政治状況 - 岸井成格の旋回と辺見庸の左翼批判

c0315619_175671.jpg集団的自衛権の問題について、今回、私は専らそれを政局論として論じている。憲法論や政策論の視角から記事を書いていない。なぜなら、もうこれまで十分に論じてきたからであり、何か付け加える必要のある論点などないからだ。自民が、この解釈改憲の強行の正当化のために、砂川事件の最高裁判決を持ち出してきたことなど、全く噴飯で話にならない。真面目に反論する価値などない。かと言って、いわゆる護憲派の左翼陣営の一人になって正統の論を張ろうという気も起こらない。その理由はいろいろあるが、今年の憲法をめぐる議論の状況を見るかぎり、マスコミの世論調査も含めて、護憲派の方が優勢になっているからであり、天邪鬼が身上の私としては、多勢に与して声を張り上げるモチベーションが起きないことがある。今年は、NHKや日経の世論調査で護憲派が急速に拡大している。日経の世論調査では、調査を始めた2004年以降、初めての出来事として護憲と改憲が同率で並んだ。昨年はダブルスコアで改憲が多数で、改憲が過去最高の比率であったにもかかわらずである。世論が護憲の方向にシフトしていることは疑いない。その現状について、安倍晋三の解釈改憲の暴走に危機感を感じ始めたからとか、チェックを求めるバランス感覚の発動だとか、解説や分析はさまざまにできる。だが、私はそうした評論をする気になれない。この世論の変化と傾向を無邪気に歓迎する気にもなれない。 

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# by yoniumuhibi | 2014-05-05 23:30 | Comments(3)

憲法記念日に考える集団的自衛権の政局の行方 - 世論と公明

c0315619_16571161.jpg今年の憲法記念日は、集団的自衛権をめぐる改憲問題で論議が高まっている。昨日(5/2)の朝日の1面トップに、今月中旬に北岡伸一の安保法制懇が報告書を提出した後、安倍晋三が行使容認の「政府方針」を発表、今国会中に閣議決定を目指すという記事が出ていた。官邸リークを朝日が書いた記事で、読み方には注意と分析が必要となる。これは、集団的自衛権については妥協せず計画どおりに断行するという安倍晋三の執念を示したもので、特に公明と自民の慎重派にあらためて強い意思を伝えた念押しの政治だ。集団的自衛権については、4/2の夜、幹事長の石破茂が、公明との調整の難航を理由に閣議決定の先送りを安倍晋三に提案していた。また、4/22にアーミテージが石破茂と会談、「急ぐ必要はない」と言い、日米防衛ガイドライン再改訂も年末の納期に拘らなくていいというサジェスチョンを与えていた。こうした状況の中で、先送りの観測が広がり始めたため、官邸が新聞記者を使ってそれを打ち消す情報を流し、強気のスケジュールを示したのである。閣議決定の前に、これを「政府方針」の形にして、5月中に記者会見で発表する。公明との調整が完全につく前に、行使容認の「政府方針」をまとめ、テレビ会見で直接発表し、国民に支持を問うという進行が想定されている。公明が合意をする前に、フライングで既成事実を固めようという思惑だ。

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# by yoniumuhibi | 2014-05-03 23:30 | Comments(1)

セウォル号の事故によせて - 韓国の船長逃亡と日本のSPEEDI隠し

c0315619_1630187.jpgセウォル号の事故で、韓国の社会がひどく傷つき動揺している。その様子が、昨夜(4/30)のNHKのニュースで紹介されていた。韓国の人々はとてもプライドが高く、その分、失敗や失態のときに大きく傷つき、それを自虐的な表現や態度であらわす性向を持っている。「三流国家」という新聞の論調もそうだろう。韓国らしいなと思って見ながら、その韓国社会の傷つき方に、何か、一つの救いと言うか、社会全体の精神の純粋さのようなものを感じ、そこに考え入ってしまう。官僚主義でボロボロになった行政、無責任で何も有効な対処ができない救助当局、拝金主義の窮極と倫理の崩壊、格差社会の不条理。その犠牲になって海に沈んだ子どもたち。韓国の人々は、自分がどうすることもできなかった無力感に苛まれ、このような社会や国家に至ったことの絶望感に打ちひしがれている。丸山真男が「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」で残した言葉、「そうした心の傷つき自体が人間の尊厳の楯の反面をなしている」という「精神の弁証法」(岩波文庫P.321)の話を思い出す。「自分の弱さが過ちを犯させたことを正面から見つめ、その苦しさに耐える思いの中から、新たな自信を汲み出して行く生き方」(同 P.322)の意義を丸山真男は説いた。韓国の人々が、絶望の中から社会のあり方を根本的に反省し、人の生命と安全が最重視される社会へと改造することを期待したい。その「革命」に希望を見出したい。 

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# by yoniumuhibi | 2014-05-01 23:30 | Comments(5)

米国とフィリピンの新軍事協定 - 米軍の駐留経費を負担するのは誰か

c0315619_1423994.jpg朝日の昨日(4/29)の1面トップに、米国とフィリピンが新しい軍事協定に調印した記事が載っている。米国は、海洋進出する中国を牽制するべく、フィリピンに再駐留する決定をした。新協定の骨子を見ると、(1)比軍合意の下、米軍による比軍施設の利用が可能、(2)米軍滞在のための施設建設も比軍敷地内で可能、(3)米軍の派遣場所、規模、頻度は別途協議、などの項目が並んでいる。22年前の1992年にフィリピンから完全撤退した米軍が、再び戻って部隊を駐留させることになった。報道では、海軍のスービック基地と空軍のクラーク基地が拠点として重視されているとある。1986年の民主化革命の後、フィリピンは米軍の撤去一掃を実現し、憲法に外国軍駐留禁止の条項まで書き入れたのに、今回の新協定は何とも残念な事態だ。1995年、沖縄で米兵による少女暴行事件が起きたとき、20年前だが、当時のマスコミは今よりずっと健全で、久米宏のニュースステーションが撤退後の米軍基地跡地の再利用を特集報道していたことがあった。両基地ともにフィリピン政府によって経済特区に指定され、再開発事業が興され、海外からの企業進出を呼び込んで投資と雇用の拡大を実現してきた。沖縄もこうやって発展が可能なのだと、フィリピンを見倣うべきだと、当時のテレ朝やTBSの報道番組はフィリピンを取材してメッセージしていた。時間が経つと何もかも変わる。悪い方向に。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-30 23:30 | Comments(1)

尖閣有事の警戒を弛緩させるリベラル系の「安心理論」と米国依存症

c0315619_12451654.jpg日米首脳会談でオバマが尖閣への安保条約適用をコミットした問題について、いわゆるリベラル系はそれを過小評価する論を一斉に上げている。孫崎享や田岡俊治などがそうだ。このコミットがあったからと言って、尖閣での武力衝突の可能性が大きくなったわけではなく、また、米軍が中国軍と即戦闘を始めるということにはならないと言っている。寺島実郎などもこの意見だろう。これらの面々は、従来からずっとこの基調の主張を続けていて、米国は中国と親密で良好な関係を維持することを望んでいるのだから、尖閣などのために中国と戦争する気などさらさらないと言い続けている。かかるリベラル系の言説と論陣は、尖閣での国防の危機を唱えて対中国ナショナリズムを煽り、日米同盟強化と中国撃退を言い散らしている右翼のプロパガンダに対しては、一つの対抗言論となっていて、過熱する右翼系の中国打倒論に冷や水をかける一つの説得力となっている点は間違いない。また、この認識が、全く根拠のないものではなく、米国のリベラル系の意思や展望とも平仄の合ったもので、米国の中のリベラルが、右翼日本と心中して米国が中国との戦争に巻き込まれる事態を懸念していることも事実だろう。孫崎享や寺島実郎の日米関係論や米中関係論は、米国のリベラル派の思惑の代弁でもある。しかし、彼らの「慎重な見方」は、現実の認識において必ずしもリアルとは言えず、主観的願望を投影した「安心理論」になっている点も否めない。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-29 23:30 | Comments(8)

最悪の結果となったオバマ訪日 - 日中戦争突入へ後顧の憂いなし

c0315619_17592349.jpg昨夜(4/24)、日米首脳会談の結果を伝えて論評する内容が、NHKとテレ朝ではあまりに違っていて、そのことに驚かされた。NHKのニュースでは、オバマが尖閣に安保5条を適用することを明言した事実が大きく打ち出され、また、集団的自衛権の行使容認を歓迎したことも強調され、「満額回答」が宣伝される奉祝報道になっていた。例の岩田明子が登場して、中国を軍事的に牽制するメッセージを米国の大統領の発言として引き出すことに成功した安倍晋三の成果を、日本の成果として賛美する説明で終始していた。一方のテレ朝の方は、ワシントン支局長の新堀仁子が解説として出演、NHKとは逆に、オバマが安倍晋三に対して中国との間で緊張を高めないよう釘を刺した点に焦点が当てられた。NHKのニュースでは、この部分は省略されていて、報ステを見ながら、オバマの安倍晋三への警告がかなり厳しく率直な中味であったことを知らされた。朝日の2面にオバマの発言が書かれている。「対話や信頼醸成の取り組みがなく、事態の悪化を見続けることは大きな過ちだということも安倍首相に伝えた」。また、「私は安倍首相に、事態を平和的に解決し、挑発的行動を取ってはならないと強調した」という発言があったという記事もある。オバマの日中関係をめぐる発言は、明らかに二面性があったわけだが、どちらに光を当てて強調するかで報道は全く異なってくる。

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# by yoniumuhibi | 2014-04-25 23:30 | Comments(6)


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