人気ブログランキング | 話題のタグを見る

南京大虐殺の歴史認識を変えた日本共産党 – 右翼と同じ「幻」論の態度へ

南京大虐殺の歴史認識を変えた日本共産党 – 右翼と同じ「幻」論の態度へ_c0315619_15241466.png日本共産党が、南京大虐殺の日である12月13日に北京五輪ボイコット要求の声明を発表した件、ネット上ではほとんど議論がない。反応は右翼からの歓迎コメントばかりで、反対意見らしきものは希少だ。事件になっていない。事件になっていないけれど、私は重大事件の発生だと思うので、前稿に引き続いて批評を加えたい。今回の件は、単に、リベラルデモクラシーの価値観に旋回した日本の左翼政党による中国叩きというだけの意味に止まらず、もっと深く、歴史認識に触れる根本的な過誤と罪悪だと私は思う。リベラルデモクラシーの臨界を超えて、右翼の地平に到達する思想的変節であり、戦争に向かわせる確信犯的挑発だ。中国がいま一番やって欲しくないことを、中国で最も神聖な追悼の日を狙うようにして一撃した。安倍晋三の731機搭乗の見せびらかしに匹敵する、あるまじき窮極の嫌がらせ行為である。日本共産党と志位和夫が、12月13日が何の日であるか知らないはずがない。忘失だとか迂闊だとかは考えられない。そんな子供だましの言い訳は通用しない。ボイコット要求声明は他の日でもよかったのに、意図的に効果と影響を計算して13日を選んでいる。

More
# by yoniumuhibi | 2021-12-17 23:30 | Comments(0)

日本共産党の北京五輪ボイコット要求 – 南京大虐殺の日に衝撃の声明

日本共産党の北京五輪ボイコット要求 – 南京大虐殺の日に衝撃の声明_c0315619_15291394.png13日、日本共産党の志位和夫が、北京五輪の外交ボイコットを政府に要求する声明を発した。ネットでは右翼が歓迎の声を上げている。12月13日は日本軍による南京大虐殺が始まった日で、南京市で大きな追悼式典が開かれていた。このニュースが中国国内でどのように受け止められたか不明だが、市民の衝撃は大きかったことだろう。英国共産党は追悼のコメントを出していて、虐殺の過去を謝罪・反省しない日本の歴史修正主義を批判している。同じ日、都内では「南京大虐殺から84年 2021年東京証言集会」が開かれていて、100名近くが出席している。集会に参加した人の中には、日本共産党を支持して選挙で投票している者も多かったに違いない。志位和夫の声明をどう感じたことか。日本共産党が、13日が何の日だったか失念していたとは思えない。考えられないことだ。ということは、13日が何の日か知りながら、敢えてぶつけるように意図的にボイコット要求を発したことになる。信じられない出来事だが、なぜ日本共産党はこのような妄動に出ただろう。

More
# by yoniumuhibi | 2021-12-15 23:30 | Comments(5)

「中国の民主」の論理と文脈 - 罵倒と排斥の前に学問的な整理と理解を

「中国の民主」の論理と文脈 - 罵倒と排斥の前に学問的な整理と理解を_c0315619_14363060.png12日に放送されたサンデーモーニングで、中国政府が発表した『中国の民主』白書が取り上げられ、関口宏が口をきわめて罵倒する場面があった。白書の内容を簡単に要約してフリップに書き出し、「民主と専制とは矛盾しない。ごく少数のものを叩くのは大多数を守るためで専制の実行は民主を実現するため」と紹介、この主張に対して「よく言うよ」と呆れて一蹴、語気を荒げて毒づいていた。番組の直後にスポーツ紙がネット記事を上げて注目している。「中国の民主」論を槍玉に上げて袋叩きする報道は、10日のTBS報道1930でも行われていて、森本敏が念入りに罵詈雑言を浴びせて貶めていた。関口宏はそれを見て予習していたのだろう。中国の言い分は常識的には納得できない言説であり、明らかな論理矛盾を狷介に認めず、現在の抑圧体制を無理に正当化する強弁に見え、唯我独尊の開き直りに聞こえる。したがってマスコミの政治評論としては、これを否定する結論を与えるのは自然な態度だろう。だが、そこに一分の理も認めず、頭から全否定して一方的に排斥し侮辱してよいかと言うと、それは違う。

More
# by yoniumuhibi | 2021-12-13 23:30 | Comments(2)

中国との戦争は「無謀な戦争」ではないのか - シミュレーションしているのか

中国との戦争は「無謀な戦争」ではないのか - シミュレーションしているのか_c0315619_16174685.png開戦80年のNHKの特集番組は予想していた以上に本数と分量が多かった。内容については、昭和天皇の関与と主導性を隠し、あくまで近衛文麿や東条英機や陸海軍に責任を押しつけている点が不満だったが、あの戦争を無謀な戦争だったと結論し、戦争突入の歴史を正しく批判していた点は評価できる。今回のNHKの番組制作の基調は、概ね正論文化人の井上寿一の視角と整理によるものと見受けられたけれど、現在の極右一色に染まったマスコミ空間から考えれば、まずまずの出来上がりだと容認できるだろう。開戦80年を迎えて戦争の歴史を振り返る時機は、台湾有事と対中戦争の危機が迫る情勢と重なった。安倍晋三が中国との開戦を宣言し、過激に扇動する時局と折り合わさるところとなった。少なくない国民が、今の状況と当時の進行をシンクロさせて考えたことだろう。今、まさに日本は大きな戦争の入り口に立っている。その点を考えると、1941年の歴史を検証して「無謀な戦争に突入した」と総括したことは意味があると思われる。開戦に突っ込んではいけなかった。

More
# by yoniumuhibi | 2021-12-10 23:30 | Comments(1)

実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言

実践される『戦争のつくりかた』 – 安倍晋三による台湾有事の対中開戦宣言_c0315619_13145802.png『戦争のつくりかた』という絵本があった。たしかサンデーモーニングでも紹介された記憶がある。2004年に出版され、大きな反響を呼び、2014年に新装版が出ていて、帯文をアーサー・ビナードが書いている。この本が話題になったのは第2次安倍政権の前半の頃で、特定秘密保護法の成立(13年)、集団的自衛権の解釈変更(14年)が強行され、それに対して反対の声が高まった時期のように記憶している。2013年にはアーサー・ビナードがサンデーモーニングに出演していて、誰よりも優れた正論のコメントを発していた。諸行無常。番組はすっかり変貌した。今では反中プロパガンダ機関の急先鋒で、週に一回、休日の国民に中国憎悪を刷り込んで教育している。戦争をつくっている。反戦平和の番組が戦争扇動の番組に変わった。本のアニメが制作されて7分間の動画でネットに上がっているのでご覧いただきたい。そして、絵本の紹介をテレビで見ていた頃のご自身と、現在のご自身とを比較されたい。変化はないだろうか。絵本の主張に今も全面的に賛同できる立場だろうか。

More
# by yoniumuhibi | 2021-12-08 23:30 | Comments(3)


メールと過去ログ

since 2004.9.1

ご意見・ご感想




Twitter

最新のコメント

今こそ「テニスコートの誓..
by 印藤和寛 at 09:18
総裁選で石破さんを倒すた..
by 人情味。 at 09:29
もし山上容疑者が安倍元首..
by 人情味。 at 21:23
杉田水脈なる人物は論評に..
by 住田 at 10:51
あれは15年程前..
by ムラッチー at 11:27
悪夢のような安倍政治から..
by 成田 at 13:03
ハーバード大学で比較宗教..
by まりも at 23:59
重ねて失礼いたします。 ..
by アン at 17:48
安倍晋三のいない世界は大..
by アン at 13:16
今まで、宗教2世の問題に..
by さかき at 10:31

以前の記事

2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月

記事ランキング