『東京ブラックホール』と帰ってきたNHK - ダワーの方法視角と説得力

c0315619_15583569.jpg昨日(20日)の夜、NHKスペシャルで『戦後ゼロ年 東京ブラックホール』が放送された。最初、特に興味を持たずに見始めたが、ナレーションの声が伊東敏恵だったため、これは期待できるかなと思ったら、想像以上に中身の濃い歴史ドキュメンタリーが詰まっていて、見終えて充実感と満足感が残った。今、伊東敏恵はNHKの良心を代表するシンボルだ。古き良きNHKを思い起こさせる正統派で、国民のNHKへの信頼を繋ぎ止める役割の前面に立っている。伊東敏恵もきっとこの番組と仕事に納得し、成功に安堵していることだろう。見始めてすぐに感じたのは、これはジョン・ダワーの世界そのものじゃないかという驚きだった。番組の中でダワーが登場して解説を述べる一幕があり、その直観が間違いないことを確信させられ、昂奮を覚えた。安倍晋三が政権を握り、手下で右翼の籾井勝人がNHK会長となって統制支配が始まって以来、ダワーは排除されNHKの画面から消えていた。番組は、明らかに『敗北を抱きしめて』の方法視角で全体が構成されている。そして、2001年に出版された本にはない諸要素が新たに発掘され編集されている。例えば、2000年代後半に公開された戦後日本に関するCIA文書が示す真実がそうで、より説得力のある歴史番組に仕上がっていた。

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# by yoniumuhibi | 2017-08-21 23:30 | Comments(1)

共産党との共闘の撤回を明言した前原誠司 - 沈黙して追従する共産党

c0315619_15120862.jpg昨日(19日)、プライムニュースに生出演した前原誠司が、共産党との関係について「根本的な外交・安全保障、税の中心である消費税に関し、まったく意見の合わないところと選挙協力という話にはならない」と言い、「野党共闘」を見直す姿勢を明らかにした。また、16日のに配信されたネット記事でも、共産党との基本政策の違いを強調し、共産党との選挙協力は難しいと発言している。7日の代表選出馬会見でも、「政策理念が一致しない政党と協力すること、連立を組むことは野合でしかない」と述べ、民進党の現執行部が進める「野党共闘」に否定的な見解を述べていた。前原誠司が新代表になった場合は、共産党との共闘がリセットされるのは確実で、次の衆院選で小選挙区に統一候補を立てることはしないだろう。2年間続けてきた「野党共闘」路線はピリオドが打たれる。17日の時事が報じた代表選の情勢によると、議員票は前原誠司が大きくリードして6割を固め、衆参全議員166人の100人を取るかもしれないという党内の声が伝えられている。枝野幸男の方は、代表選のポイントの3分の2を占める党員・サポーター票が頼りだが、ここまでのマスコミ報道を見るかぎり、前原誠司が優勢に選挙戦を進めている印象は否めない。

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# by yoniumuhibi | 2017-08-19 23:30 | Comments(2)

丸山真男の「二十四年目に語る被曝体験」 - 記憶の封印と意識の遮蔽

c0315619_15414242.jpg丸山真男の『二十四年目に語る被曝体験』。所収されている『丸山真男話文集1』(みすず)に、次のようなインタビューの記録がある。中国新聞記者の林立雄が、「広島の意味をお聞かせください」と質問を向けたのに対して、丸山真男がこう答える。「いやいや、(笑)そううまく整理されていないですよ。つまり、戦争の惨禍の一ページではないということですよね。二十四年前の。単なる戦争の一ページだったら、今日に至っても新たに原爆症患者が、なお生まれつつあるということ(略)を、一体、どう説明するか。それは(略)いわば、毎日原爆が落ちているんじゃないか。だから、広島は毎日起こりつつある現実で、毎日々々新しくわれわれに問題を突きつけている、と。単なる体験なんかじゃないと思います。(略)僕だって分かんないですよね。(略)僕の肝臓だって分からないですよ。(略)結核になったときにも、よく知っている人は『原爆が関係あるんじゃないの』なんて言います。分からないですよね。白血球なんかは、今でも少ないです」(P.484-485)。やはり、病気は原爆の影響ではないか、広島で放射性物質を取り込んだ内部被曝が原因ではないかと、本人も疑っていたことが窺える。だが、因果関係を自ら医学的に追跡することも、医師の診断や知見を得ることも積極的にはやっていなかった。

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# by yoniumuhibi | 2017-08-17 23:30 | Comments(0)

丸山真男の「二十四年目に語る被爆体験」

c0315619_16212539.jpg8月7日の夜、NHK-BSで「原爆救護~被爆した兵士の歳月~」の番組の再放送を見る機会があった。広島に原爆が投下された直後、陸軍船舶司令部が統括する「暁部隊」に所属する少年特攻兵が駆り出され、市内爆心地に入って負傷者の救護や遺体処理の活動をする。16歳から17歳の少年だった彼らは、任務に当たった中で大量の放射性物質を吸い込んで被曝、急性放射性障害を起こし、復員して戻った後も後遺症による体調不良が続き、やがてがんを発症して苦しみ続けることになった。戦後、彼らは差別を受けることを恐れて口を閉ざし、また、負い目を感じて被害者たることを主張せず、多くが被爆者手帳を取得しないまま「隠れた被爆者」として人生を送っていた。番組は昨年7月放送され、ATP賞のグランプリを獲得している。初めて見た私は、すぐに丸山真男の被爆体験のことが頭に浮かんだ。丸山真男は自身の被爆体験について1969年に中国新聞のインタビューを受けて語り、8月5日と6日に紙面記事として掲載、その内容が1998年7月の「丸山眞男手帖」第6号に出た。死から2年後のことであり、私が「市民のための」HPを編集制作しているときである。生前に出版された丸山真男集全16巻には所収されておらず、現在は「話文集」の第1巻で読むことができる。

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# by yoniumuhibi | 2017-08-14 23:30 | Comments(0)

内閣改造と蓮舫降ろしの政治 - 安倍退陣のロードマップはスローなテンポに

c0315619_16075050.jpg注目の内閣改造が3日に行われ、マスコミ各社からの世論調査が出揃った。先陣を切って4日に発表した毎日新聞では、前回より9ポイント上がって35%。同じく4日に出た共同通信の数字では、前回より8.6ポイント上がって44.4%。5日に出された読売新聞では6ポイント上がって42%、6日の朝日新聞では2ポイント上昇して33%の結果となった。NNNでは3.7ポイント上がって35.6%、JNNでは3.6ポイント下がって39.7%となっている。反転上昇と呼べるものもあれば、横這いと呼ぶのが適当なものもあり、各社の数字がまちまちで傾向を捉えにくいが、基本的に前回7月に底に落ちていた状況から回復し、支持率下落に歯止めをかけたと言えるだろう。安倍晋三の側から見れば、内閣改造は一定の成功を収めた。この図は、慣性の法則が支持率下落を継続させることを期待した私からすれば、残念で落胆させられる反動である。安倍退陣へのロードマップのドライブにブレーキがかかってしまった。8月中にマスコミ全社が20%台を打ち、9月に10%台に突入する破滅となり、総裁選前倒しの声が上がる政局に速やかに移行させたかった。橋下徹と小泉進次郎の入閣が阻止され、サプライズが封じられた改造で、9ポイントも支持率が回復するという変動は意外だ。

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# by yoniumuhibi | 2017-08-07 23:30 | Comments(3)

理念は広告代理店のコピーにあらず - 理念のない政党が受け皿になれるか

c0315619_15220737.jpg「共通の原理・政策をもち、一定の理念実現のために、政治権力への参与を目的に結ばれた団体」。政党の意味について、広辞苑ではこのように説明されている(第二版P.1228)。これが政党の本義である。これまで何度も執拗に言い続けてきたことだが、民進党(民主党)はこの定義を逸脱していて本来の政党とは呼べない。政党は、結成した出発点から共通の理念を持っていなくてはならず、理念を実現するために同志が結社したのが政党である。理念とは、「ある物事についての、こうあるべきだという根本の考え」であり、政党の理念とは、国家や社会がどうあるべきか、理想とする社会はどのような像かを言葉で表現したものだろう。通常、それは綱領の冒頭で示され、政党の基本政策や路線を規定するところとなる。あるべき社会がどういう姿かは、社会の成員によって考え方は様々であり、全員が同じ理想や思想信条で一致することはなく、したがって、政党は常に複数成立することになる。政党が英語でパーティと呼ばれるのは、部分の意思や利害を代表しているという意味に他ならない。部分であるが故に、当然ながら部分の中は一枚岩である。共産党や公明党はそうした政党の定義に現実の態様が合致していて、自民党も基本的にそうだが、そのため、わが党の理念は何ぞやを党内で熱く論議するということはない。自分探しはしない。

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# by yoniumuhibi | 2017-07-31 23:30 | Comments(5)

蓮舫降ろしとリセット主義の政党生理 - 代表選で分裂・解体する民進党

c0315619_17095715.jpg蓮舫が代表を電撃辞任した。わずか2日前、マスコミの前で続投を表明、衆院に鞍替えして東京の小選挙区から出馬すると意気込みを強調したばかりだった。折も折、稲田朋美がPKO日報問題で辞任を余儀なくされ、安倍政権が窮地に追い詰められ、これから国会で追撃に出ようという矢先に、国民の期待を腰砕けさせる残念な出来事が発生した。国民にとっては迷惑きわまりない民進党の失態だ。ちょうど1か月前、都議選投票日の3日前、私はこういうツイートを発した。「民進党は党内政局になるだろう。まず、野田佳彦が幹事長の私が責任とって辞めますと言う(代表はそのままでお願いと)。すると誰かが、幹事長が責任とって代表はそのままかよと文句を言い出す。すると誰かが、じゃあ代表選やろうよと言い出す。すると、みんなが賛成と言う」。結局、このとおりの展開になった。民進党(民主党)については、20年以上観察を続けているので、予測については若干の自信を持っている。必ずこうなる。普通であれば、蓮舫が辞意を漏らすことがないように、周囲が全力でカバーするものだし、党内の政敵や悪意あるマスコミからプロテクトするものだ。特に、今は安倍政権が瓦解間際で、民進党にとって千載一遇のチャンスのときなのだから尚更。

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# by yoniumuhibi | 2017-07-28 23:30 | Comments(1)

7回も派手に加計孝太郎とゴルフ・飲食をした意味 - 首相動静の示威機能

c0315619_16540493.jpg7月24日と25日、加計問題をめぐって衆参の予算委で集中審議が行われた。そのニュースを見ながら、「安倍を監獄へ」と書いたプラカードを思い出した。なぜか写真が東洋経済の記事で使われているが、実際に見たのは、24日の昼、国会議員会館前の総がかりのデモに参加したときである。総がかりの集会は主催者発表400人の小さな規模で、衆院第二議員会館前の歩道で催され、自治労連とか全教とか医労連とかの幟がパラパラと立ち並んでいた。大事な決戦の日というのに、あまりの人数の集まりの悪さに意気消沈させられたが、その総がかりの集会の奥の参院議員会館前に、総がかりの10分の1ほどの小さな塊が細々と集会をやっていて、すなわち共産党よりさらに左に位置する某団体の抗議行動だった。彼らのプラカードに「安倍を監獄へ」と書いていた。考えてみれば、加計問題は大きな疑獄事件である。安倍晋三が総理の権限を使って行政を歪め、私的な関係にある事業者に特別な便宜を提供したものだ。国民負担となる公金の額は、176億円とも240億円とも見積もられている。安倍晋三が加計孝太郎に利益を供与したのは、ずっと世話になってきた恩恵への見返りもあるだろうが、今回の濡れ手に泡の今治獣医学部の件でも、相当のキックバックがあったであろうことは想像に難くない。

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# by yoniumuhibi | 2017-07-26 23:30 | Comments(4)

易姓革命のロードマップは快調に進捗 - 8月3日の内閣改造をほぼ無力化

c0315619_14155272.jpgThe Roadmap of Critical Revolution is successfully on going. 内閣支持率の下落は順調に続き、7月23日に報道された毎日の世論調査では、マスコミがこれまで発表した中で最低値の26%を記録した。時事が29.9%を出したのが7月14日、続いてANNが17日に29.2%を出し、毎日の数字が注目されたが、前回より10ポイント減の26%という刮目の数字が叩き出されてニュースになった。日経やFNNの調査でも、前回より10ポイント下落した結果となっていて、6月中旬から始まった安倍離れが7月もさらに続き、政権運営にとって危険水域に入った状況が確実となった。一瞥するかぎり、眼前の政治の進行は、安倍晋三の退陣というゴールに向かって一つ一つの関門をクリアし、クリティカル・パスを通過している運動のように見える。本日(25日)の朝日の紙面は、昨日の加計国会が総力特集された観があり、1面、2面、3面、4面、5面、14面(社説)、35面が関連記事で埋められている。前川喜平の暴露をスクープして官邸との政治闘争を始めて以来、朝日の加計問題解明の意気込みは他を凌駕しているが、何やら、ハンターが獲物を捉えたというロックオンの感覚が伝わってくる紙面構成だ。この感覚は、安倍晋三を倒そうとする誰もの心中で同じもので、あと一歩だ、もう少しだという感慨と昂奮の中にいる。

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# by yoniumuhibi | 2017-07-25 23:30 | Comments(0)

炎暑の中の内閣支持率30%割れ - RDD電話世論調査の心理と動態

c0315619_07592197.jpg先週末(7月14日)、時事通信の世論調査が出て、安倍晋三の支持率が29.9%になったことが報道された。マスコミの世論調査で30%を割るのは初めての出来事であり、3連休を前にしてネット界隈はこの快挙に騒然となった。面接方式で集計を出している時事で、前月から15.2ポイントも急落するのは衝撃であり、この極端な下落幅は予想外だった。さらに17日にはANNが世論調査を発表、時事をさらに下回る29.2%という最低値のレコードを更新、3連休を安倍晋三の支持率低下祭りにして締めた。ANNの世論調査は15日と16日に行った最新のもので、すなわち支持率下降のトレンドが慣性の法則のままに進行していることが分かる。今月まだ世論調査を発表してないのは毎日と日経の新聞2社で、6月の時点ですでに36%という最も低い値を出していた毎日は、時事に続いて30%の線を切る結果が予想される。世論調査報道が世論を作る。現在のわれわれの政治意識はマスコミの世論調査の発表と即自無媒介に結合していて、各社が出す数字を追いかけて感情を起伏させ、将来に見える主観的な希望の光を明るくしたり暗くしたりの生活を送っている。目標はとにかく早く安倍晋三を退陣させることで、そのゴールへ向けて猛暑日の中で日本の政治が続く。

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# by yoniumuhibi | 2017-07-18 23:30 | Comments(2)

8月7日発表の世論調査でV字回復の演出を狙う安倍晋三

c0315619_16042296.jpg10日にNHKの世論調査も出た。通常、NHKの世論調査は月の半ばに出るもので、今回も17日か18日に発表されると考えていたが、朝日や読売と同じタイミングでの報道となった。内閣支持率は35%。前回より13ポイント下落している。読売の数字とほとんど同じだ。NHKがどうして世論調査の発表を早めて10日にしたのか。それは、次回の発表を8月7日にするためだ。内閣改造が8月3日に行われる。安倍晋三が改造時期の前倒しを焦りながら、7月下旬にせず8月3日に決定したのは、8月7日にマスコミの世論調査を発表させるためであり、目論むところのV字回復を演出するためである。目玉の小泉進次郎などを入閣させて精一杯の人気取りをやり、支持率下落が底を打って40%に戻すV字回復を誇示するべく、その策謀に沿った日程を組んだのだ。安倍晋三の頭の中には、鈴木菜穗子がグラフを示しつつ、前回から大きくV字回復しましたと原稿を読み上げる絵が想定されているのだろう。だから、今回の下落幅は大きくていいのだ。1か月後のV字回復を派手に演出できる布石になるから、目一杯下げとけとNHKと読売に指示したのかもしれない。われわれからすれば、そうなったら終わりで、最悪の図である。

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# by yoniumuhibi | 2017-07-12 23:30 | Comments(4)

内閣支持率がさらに暴落 - 保守マスコミは石破政権への交代を視野か

c0315619_14440771.jpg待望していた都議選後のマスコミ各社の世論調査が発表された。注目の内閣支持率は、NNN(日テレ)が前回比7.9ポイント減の31.9%、読売新聞が前回比13ポイント下落の36%、朝日新聞が前回比5ポイント下落の33%となっている。35%の線を切る数字を期待していたので、ほぼ期待どおりの結果が出揃ったと言える。安倍晋三の御用新聞の読売の下落幅がきわめて大きく、5年前の第2次安倍内閣発足以降の最低水準を記録した。読売が出した不支持率は52%で、これは朝日の47%よりも高い。安倍政権はあっと言う間に国民に不人気の政権となった。読売のデータに着目すると、今年2月に66%の支持率を達成していのが、5か月の間に30ポイント下落している。特に女性の「安倍離れ」が顕著で、5月には57%もあったのが、わずか2か月で28%にまで急落している。読売の世論調査にはこの国の保守層の政治意識があらわれる。どうして安倍晋三に50%越の高い支持率を4年以上も与えていたのか、私の主観に即せば不思議で仕方がないが、この風景に言葉をあてがうならば、易姓革命のハプンとしか言いようがない。ネットの中では、安倍晋三を支持する岩盤右翼たちが狼狽している。以前の左翼がそう呻いていたように、マスコミの調査は虚偽だと喚き始めた。

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# by yoniumuhibi | 2017-07-10 23:30 | Comments(2)

山口那津男の改憲制止論とそれを隠蔽するNHKのフェイクニュース

c0315619_17065259.jpg革命とは、単なる政治権力の移動にとどまらず、これまでの社会の常識や観念が根底から崩れて新しく置き換わるような、人々の世界観の変動を伴うものだと丸山真男が『現代政治の思想と行動』の中で論じていた。辞書をひもとくと、革命の語の意味について、(1)「天命が革(あらた)まること。前の王朝が覆って別の王朝がかわって統治者となること」という中国の易姓革命と、(2)「被支配階級が、支配階級を倒して政治権力を握り、国家や社会の組織を根本的に変えること」というマルクス的な説明の二つが整理されている。手元の1954年刊の平凡社の政治学事典を確認すると、後者の概念だけが詳しく記述されていた(P.156-159)。政治学における革命の語の言説と用例は、もっぱら後者の範疇で語られていて、中国の易姓革命の意味は排除されている。この点、Revolution を革命と翻訳して定着させた幕末・明治の知識人は、少なからず語感の適合性や安定性に不具合を覚えたことだろう。そしてまた、われわれの観念の中に、中国の易姓革命なんぞは学問的に意義の低いもので、これを真面目に政治学の理論の部材に使って現実政治を分析する道具にするなど問題外だという、アジア蔑視の価値観があることも間違いない。

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# by yoniumuhibi | 2017-07-07 23:30 | Comments(5)

民意が爆発した易姓革命の夜 - 「受け皿」があったからこそ自民党は惨敗

c0315619_15011466.jpg2日の都議選。都民の審判が下って自民党の歴史的惨敗となった。誰も事前に予想できなかった自民23議席という結果となった。ネットの一部に自民25議席という予想が出ていたが、誰も23議席などという極限値まで到達するとは思わず、民意の破壊力の凄まじさを痛感させられた瞬間となった。NHKの開票速報が始まったとき、自民党の獲得議席予測が13議席から39議席と表示され、思わず何かの間違いではないかと目を疑ったが、NHKの出口調査は正確だった。午後9時を過ぎても自民党の当選確実が1議席も出ず、9時半頃まで0議席の状態が続き、民意の激変が想像を超える大きさであったことが明確になった。自民党がこれほど大敗する選挙を見るのは初めてのことだ。2009年の政権交代があった衆院選でも、これほど極端で劇的な開票状況と投票結果ではなかった。結局、自民党は現有57を半減以下の23にまで地滑り的に減らした。中選挙区制の選挙でもここまで第一党が惨敗して没落する図があることを知らされ昂奮を覚える。易姓革命が起こり、それを都民が具体的な政治にして示したとしか言いようがない。多くの都民はこの結果に満足し、自らの政治的主体性に自信を持ったことだろう。一票で政治を変えた。

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# by yoniumuhibi | 2017-07-05 23:30 | Comments(5)

稲田朋美の「自衛隊としてお願い」発言を違法行為だと断定しないマスコミ

c0315619_15325827.jpg稲田朋美が都議選の応援演説で、「自衛隊としても(自民党候補に投票を)お願いしたい」と発言した件、それを批判するマスコミの言論が生ぬるくて苛立ちを覚える。昨夜の報ステの後藤謙次も、NEWS23の星浩も、正面から真剣に批判する論調ではなかった。「単なる失言のレベルではない」と富川悠太は口にしたが、レベルがどう違うのか、今回の舌禍の意味がどれほど重いのか論点が十分に提示されることはなかった。報ステとNEWS23の番組スタッフは、①憲法15条の「全体の奉仕者」、②国家公務員法102条と自衛隊法61条の「政治的行為の制限」、③公職選挙法136条の「公務員の地位を利用した選挙運動の禁止」について箇条書きし、法律論の要点を簡単に整理していたが、二つの番組のキャスターとも、それを使って踏み込んだ本質論を展開することがなく、単なる閣僚の軽はずみな失態として流し、都議選への影響がどうのという政局小咄のルーティンで纏めていた。官邸が2年前の「蛮社の獄」の後に据えた御用キャスターの後藤謙次と星浩では、結局のところ軽薄で空疎な政界漫談にしかならず、問題の深刻さが視聴者に伝わらず、正しい政治認識が社会に提供されない。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-29 23:30 | Comments(5)

都民Fと自民が拮抗となった世論調査 - 都議選での自民惨敗は決定的

c0315619_16431957.jpgマスコミ各社から都議選の世論調査報道が出た。有権者に投票先の政党を尋ねた項目では、各社とも同じような結果が出ていて、都民Fと自民が拮抗している。数字を並べると、朝日が、都民25%:自民25%、毎日が、都民27%:自民26%、読売が、都民26%:自民23%、日経(共同)が、都民26%:自民25%。どれも同じだ。各社で傾向に差がないことから、投票一週間前の情勢として正確なものと考えられる。二党が接戦で競っている状況について、都民Fが意外に伸びてないとか、自民が逆風の中で健闘しているという見方がネットで出ている。だが、自民の今回の25%という数字は、4年前の前回、NHKの出口調査で確認された自民39%という数字の3分の2でしかない。2013年の都議選では、自民党は圧勝して59議席を獲得している。その比率で単純に計算すると、今回の予想議席は38議席に減ることになる。都民Fの数字は自民とほぼ同じだが、そこに公明票が加算され、7ある1人区の6を取ると想定されているので、44議席ほどが投票一週間前の見込みと踏んでいいだろう。一週間の間に情勢が変化し、常識的に補正をかければ、態度未決定の無党派票が都民Fの方に流れて上積みされる。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-27 23:30 | Comments(1)

暴行を受けた元秘書の証言 - 豊田真由子事務所での経験は収容所だった

c0315619_13374339.jpg週刊新潮(6月29日号)を買ってきて、豊田真由子の記事を読んだ。元秘書に対する暴行は、5月19日、20日、21日と3日間にわたって断続的に行われていて、20日に車内で行われた場面がICレコーダーに録音されている。被害者は5月23日に病院で診察を受け、診断書を発行してもらった。書面には「顔面打撲傷」「左背部打撲傷」「左上腕挫傷」と所見が記されており、本日(23日)のTBSのビビットで現物の映像が出ていた。昨日(22日)の同番組では、この問題でマスコミの窓口となって取材に対応し、事件収拾の責任者となっているところの地元事務所の「元事務局長」なる者が登場していたが、記者の質問に答えて、4日前の時点で被害者の顔にあざが残っている事実を認めていた。1か月前の傷害があざとして残っていることからも、後部座席からの豊田真由子の殴打が想像以上に激しく、重傷の被害だったことが窺える。元秘書は6月18日に事務所を辞め、すぐに告発の動きに出ていて、豊田真由子と「元事務局長」は、この一週間、新潮の記事掲載を阻止するため仲介と説得に奔走していた。今日のビビットの映像では、元秘書本人が声色を編集処理せずに取材に応じて証言していたが、冷静な態度と口調が印象的だった。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-23 23:30 | Comments(5)

「易姓革命」を待機する気配 - 保守論壇の地殻変動と霞ヶ関の抵抗

c0315619_15131246.jpg間もなく都議選の告示がある。23日に告示されると、7月2日の投開票まで9日間しかない。あっと言う間に結果が出る。事実上、選挙戦は終盤だ。投票から2週間を切った重要な時期に、内閣支持率の急落を告げる報道がマスコミ各社から一斉に出された。安倍晋三にとっては態勢を立て直す時間がない。支持率急落の情勢の余韻が続くまま、選挙期間の刻一刻が過ぎて投票日を迎える。今回の都議選は全国が注目する大型の選挙になっている。争点は豊洲市場の移転問題ではなく、自民党が勝つか都民Fが勝つかという問題で、安倍政権に対する賛否が問われ、小池新党への期待の程度が問われる選挙になっている。東京都の都政プロパーの問題ではなく、国政の関心で都民の一票が投じられ、その民意を全国の有権者が注視するという構図になった。最新の予想を見てみると、サンデー毎日(三浦博史)が、自民48、都民41、公明23、共産12、民進1という数字を出している。自民は現有から9議席減。現代ビジネス(鈴木眞志)の予測では、都民46、自民37、公明21、共産15、民進4で、自民は20議席減。もう一つ、夕刊フジ(鈴木哲夫)の予測だと、都民46、自民42、公明21、共産13、民進1で、自民は15議席減。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-21 23:30 | Comments(4)

内閣支持率下落と今後の政局の条件 - 都議選を反安倍モメンタムの渦にせよ

c0315619_14431829.jpg昨日(18日)、マスコミ各社から一斉に世論調査が発表され、内閣支持率の急落が次々と報告された。最初に共同が前回より10.5ポイント下がって44.9%と数字を上げ、次に毎日が10ポイント下落の36%と続き、さらに日経が7ポイント下落の49%と報道。夜になって朝日が6ポイント減の41%、読売が12ポイント減の49%と出揃った。これほどマスコミが期日を合わせて世論調査を並べるのは久しぶりだ。予め調整した上での一斉報道と思われる。そこに意味がある。とはいえ、各社が急落を報じた支持率は、折れ線グラフをたどれば昨年春の水準であり、例えば、読売が図表で示している推移を確認しても、安保法が強行採決された2年前の最低値までは下がっていない。集団的自衛権行使の閣議決定がされた3年前の水準と同じで、急落したカーブの程度も類似していることが分かる。あのとき、新宿駅南口で衝撃の焼身自殺未遂事件があり、世論は沸騰して支持率は急降下したが、喉元過ぎれば熱さ忘れる国民性の故か、すぐにリバウンドして元に戻っている。安保法のときも同様で、1年後の参院選で安倍晋三は圧勝して3分の2を固めた。したがって私は、金子勝のように「潮目が変わった」と無邪気に断定する楽観的気分にはなれない。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-19 23:30 | Comments(4)

保守派を取り込めなかった共謀罪反対運動 - 世論を攻略できぬまま敗北

c0315619_15024178.jpg共謀罪法案が、徹夜国会の末に今日(15日)の朝に成立した。昨夜(14日)、報ステに生出演した田原総一朗が共謀罪について持論を述べる場面があり、開口一番、これは岸信介が成立を目論見ながら断念に追い込まれた警職法であり、安倍晋三は岸信介の怨念を晴らすべく憲法改正の前に共謀罪(=警職法)を仕掛けてきたのだと謎解きをしてみせた。共謀罪を解読する政治思想史的な洞察として、なるほどと腑に落ちる。他のコメントは耄碌爺の与太話に終始したが、この指摘と認識は本質的で正鵠を射ていると思う。もっと早くこの視点がマスコミで論議されるべきだった。1958年10月、逆コースを突っ走る岸信介が、警察官の警告・制止・立入りの権限を強化し、令状なしの身体検査や保護を名目とする留置を可能とするところの警察官職務執行法改正案を突然国会に上程。これに護憲団体などが猛然と反発して警職法改悪反対の共闘会議を結成して対抗、それが巨大な国民運動に発展し、10月から11月にかけて5波にわたる統一行動が実施され、11月5日には400万人がスト・職場大会・街頭抗議行動に参加、遂に成立断念に追い込むという出来事があった。この反対運動の経験と成功が、2年後の60年安保闘争の爆発に繋がり、岸信介は退陣に追い込まれている。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-15 23:30 | Comments(0)

「絶対的権力は絶対的に腐敗する」 - 「一国の政治は国民を映し出す鏡」

c0315619_13470783.jpg2週間前の5月29日に、アクトン卿の「絶対的権力は絶対的に腐敗する」という言葉を思い出してツイッターに書き込んだ。例のレイプ事件の被害者が顔を出して告発に出たニュースを知り、会見の言葉と表情を見たとき、不意にこの言葉が頭に思い浮かんだ。事件を揉み消したのは、直接には当時警視庁刑事部長だった中村格であり、中村格に指示を出したのは内調トップの北村滋と官房長官の菅義偉である。今、どうしてこの言葉が咄嗟に思い浮かんだのか考えている。カメラの前に登場した被害者女性の渾身の勇気が、そして権力に対する不屈の意思が、何か閃光がひらめくような感覚で受け止められ、精神の純白さと力強さに圧倒された。そして、その対極にあるところの、加害者権力側の腐って汚臭を放つ真っ黒なものがコントラストとして意識され、思考と記憶の回路から何かがインスパイアされて、観想と表現がこの政治学の古典の言葉に行き着いた。真っ黒なものがどれほど底なしに真っ黒か、腐ったものがどれほど救いようもなく腐り果てているかは、その反対にある、純白で清冽なものを対置することによって初めて覚知することができる。ここまで絶対的に腐敗しているのだということを、あらためて痛感させられ、徹底的に確信させられ、アクトン卿の言葉が循環して神経が興奮する状態が続いた。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-13 23:30 | Comments(1)

山口敬之はレイプ常習犯だったのではないか - 週刊新潮の記事を読み直す

c0315619_11430555.jpg週刊新潮の5月18日号を入手して読んでみた。山口敬之のレイプ事件の記事が掲載されている。分量は4ページ。内容についてはすでにネットで十分に拡散されており、誰もが周知のところだが、この記事が事件を最初に告発した一次ソースであり、全文を掲載しているサイトが確認できなかったので現物を取り寄せて手元に置くことにした。発売から1か月経っているが、あらためて読んで価値があると感じる。事件当日の経過が整理され、警察に相談に行ってから不起訴になるまでの時系列が簡潔に描述されている。今のところ、この新潮の報道から深掘りして真相解明を試みたジャーナリズムは出ていない。被害者が会見で顔を出した後、ネットで散見したものの中では気づかず、新潮の記事で見つけた情報が一つあった。被害者女性がこう言っている。「ベッドの上に彼のノートパソコンが開かれたままだったのも覚えているし、直感的に撮られているんだと思ったのも事実です」(P.24)。これは、レイプ翌朝の午前5時、被害者の意識が戻ったときの状況の証言だ。どうやら、卑劣にもノートパソコンのカメラで犯行を撮影していたらしい。この事件では、犯人の常習性を推察できる材料が幾つかある。一つは「デートレイプドラッグ」を使用した疑惑だ。女性は二軒目の鮨屋のトイレで意識を失っている。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-12 23:30 | Comments(5)

やる気のない野党とマスコミ - 泡沫と消えた「会期延長」と「審議拒否」

c0315619_16021750.jpg先月の中頃、共謀罪法案をめぐって今国会の会期延長が取り沙汰されていた。この当時、自民党は衆院の通過日程を5月23日とし、24日を参院審議入りとして、これを過ぎた場合は会期内に成立させるのが難しくなると仄めかしていた。朝日の5月18日の記事にそう書いている。この政界観測が世間の共通認識となり、実際の参院審議入りが29日だったため、ツイッターの反安倍の世界では会期延長を既定路線のように言い、都議選と重なるから与党に不利な環境になるという楽観論で溢れていた。それを見ながら、私は、本当に会期延長があるのだろうかと懐疑的で、6月18日の会期末までに全てが仕上がって幕になるのではないかと悲観的な見方に傾いていた。その推測に特に明確な根拠はなかったのだが、大きな政治の流れとして、民進党が都議選を機に共産党と手を切る、あるいは民進党そのものが崩壊する図が見通されていて、その骨太の方向性を基軸にして予想を立てると、野田執行部が共謀罪を都議選と絡める地平に持ち込むとは思えず、共産党と組んで最後まで徹底抗戦する意思があるとも思えなかった。野田佳彦は「野党共闘」からの離陸を腹に溜めていて、小池新党で現出する新局面に活路を見出そうとしているに違いないと。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-07 23:30 | Comments(5)

被害者女性の勇気ある告発と訴え - 左派マスコミとジェンダー文化人の沈黙

c0315619_15051959.jpg山口敬之に準強姦された女性が告発した会見、その勇気に感動させられた。29日夕方の会見から2日経ったが、ネットの中はこの問題一色となって騒然としている。ネットの中の関心だけからすれば、共謀罪の問題も、加計学園の問題も、すっかり脇役に追いやられて、この問題だけが熱を帯びて盛り上がっている。会見翌日の昨日(30日)からは、被害者に対する右翼の猛烈なバッシングが溢れ、数の上では同情や共感の声よりも多くなっている異常事態が出現している。本人が顔と名前を出して告発の席に出た姿にも衝撃を受けたが、右翼のバックラッシュの攻勢の凄まじさにも狼狽させられる。日本人の人格はここまで悪に染まって腐ったのかと驚嘆する。そして同時に、この事件の政治的意味の大きさを直観し確信する。安倍晋三を支持する岩盤右翼にとって、この事件こそが最も危機であり急所なのだ。そのことを、右翼による誹謗中傷と悪罵の洪水が教えている。私は、前川喜平の暴露を聞いても特に心を動かされることはなく、これが安倍政権の支持率を落とす爆弾になると思わず、関心を寄せて言論の輪に入るということがなかった。が、今回の件については、安倍晋三の支持率がどうとか関係なく、強く心を揺さぶられる。真相を糾明したいと思うし、微力ながら援助しなくてはという衝動にかられる。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-31 23:30 | Comments(14)

野間易通が再び敗訴、名誉毀損で賠償命令 - 判決のメッセージを読み解く

c0315619_14300568.jpg初夏の候、野間易通がしばき隊リンチ事件の被害者Mに訴えられた裁判の判決が出た。Mに対する名誉毀損の不法行為が認定され、損害賠償11万円の支払が命じられている。予想どおり、野間易通が敗訴の結果となった。一昨年11月に静岡地裁で出された凪論事件判決に続いて、野間易通は二度目の敗訴を喫したことになる。結果は誰もが予想したとおりで、意外でも何でもない。これで、3年間で二度、野間易通はツイッター上の名誉毀損で訴えられた裁判で不法行為認定された。判決の社会的意味は小さくないだろう。控訴しても結論が覆ることはない。3年間で二度も同じ不法行為を裁判所に認められて責任を問われたわけで、いわば、ツイッターでの名誉毀損の常習犯となったと言ってもよい。今後、野間易通に対するツイッター社の扱いが変わり、次にトラブルを起こした際の対応と裁定に影響が出るだろう。判決を受けて、しばき隊顧問弁護士の神原元が、「実質的には原告敗訴」だとか、「被告の圧勝」だとかの醜い悪あがきを連発する光景が出現した。しばき隊の内部が動揺しないよう、懸命に負け惜しみを喚いて言い繕っている図だが、敗訴は敗訴であり、賠償命令は賠償命令である。野間易通には、判決に従って原告に賠償金を払うか、判決を不服として控訴するか二つに一つの選択肢しかない。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-29 23:30 | Comments(0)

小池百合子に共謀罪の賛否を明言させよ - 五輪主催知事の判断を問え

c0315619_15470497.jpg共謀罪について何か策はないかと考えて、亀石倫子にテレビに出まくってもらう手はどうだろうという提案を5月15日にTWで発した。すると、20日のTBS報道特集に本人が大きく登場し、翌21日のテレ朝サンステではスタジオに生出演して共謀罪を批判するという幕があった。無論、これは単なる偶然で、手柄を自慢するような話ではない。2週間ほど前、朝日の紙面が彼女から共謀罪反対のコメントを取って記事にしていた。それを確認して、そのうちテレ朝やTBSの報道番組が引っ張り出すだろうと期待していたところ、いつまで経ってもテレビの出番がないので、動きの遅さに苛立ちを感じて発言したまでのことである。共謀罪という問題は、法律論で説明を始めるとかなり難しくなるし、専門的な用語が並ぶことになる。本来、共謀罪はテレビで専門家が説明して国民に理解を促さなくてはいけない問題でありながら、テレビを安倍晋三に押さえられているため、例えば福島瑞穂や山下幸男が十分な時間を与えられてフリップで解説するという場面が作れない。嘗ては当然にあったそうした企画は、保守層や無関心層を含めた視聴者に共謀罪を公平中立に報道する試みとして、安倍晋三の支持率が50%を越える現在の環境では、テレビ局に二の足を踏ませるものだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-25 23:30 | Comments(1)

11年前に共謀罪の国会答弁に立ったのは「特高官僚」の大林宏だった

c0315619_16545392.jpg19日、共謀罪法案が衆院法務委員会で可決された。共謀罪はこれまで三度国会で廃案になっているという説明がされているが、厳密には、大きな政治戦になったのは2006年4月から6月にかけての通常国会のときで、民主党が奇策で出してきた対案を官邸と自民党の国対が丸呑みしようとしたところ、党内から俄に批判が起こり、ギリギリの段階で強行採決に踏み切れず頓挫、会期時間切れで流産に至ったという顛末だった。小泉政権の末期のことで、ポスト小泉の時期であり、自民党の中は今よりもずっと派閥重鎮の力が大きく、権力の分散と均衡が明らかで、官邸が党を無視して政策を専横できる環境になかった。このとき、共謀罪の成立に最も執着して強行突破を指揮していたのは官房長官だった安倍晋三で、すなわち今回の政治は安倍晋三にとって11年前の怨念のリベンジの意味がある。当時、ポスト小泉は、小泉純一郎の指名によって安倍晋三に事実上内定していたが、根回しなしの独断専行が目につく安倍晋三の強権手法に対して、党派閥の面々が快く思わず、「あの小僧が」と軽侮して影ながら抵抗していた様子が窺われる。当時は今のような「政高党低」の独裁体制ではなかった。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-22 23:30 | Comments(1)

「闘争」を嫌悪する思想性 - 言葉狩りして自ら武装解除する羊化左翼

c0315619_16023057.jpg新聞報道によると、自民党が「改憲推進本部」の体制を拡充し、幹事長の二階俊博も役員メンバーに加え、年内に原案を取り纏める方針を固めた。来年1月からの通常国会で改憲原案を提示し、憲法審査会にかけて発議に向けての合意をとる見通しとある。半年かけて学会婦人部を調略し、公明党を9条改正に転換させる。学会婦人部が応諾するには、たしかに半年の時間は必要だろう。都議選の後に民進党と小池新党をめぐる政変が起きる可能性が高く、その政変が憲法9条改正と絡めば、夏以降は今とは全く違った政治環境が出現することになる。私は、小池新党をテコにした野党再編が成った場合、安倍晋三は発議前に9条改正の是非を問う解散総選挙をやる思惑なのではないかと睨んでいる。現在の民進党の議員は「安倍政権の下での改憲には反対」と訴えて議席を得ている。この者たちが君子豹変して、選挙の洗礼もなしに憲法審査会で改憲発議に合意するのは有権者にとって公約違反であり、その発議は正統性に瑕疵を抱えることになる。また、安倍晋三からすれば、政界再編で民進党を潰し、新たな枠組み(自民・公明・維新・小池)での巨大安倍与党が選挙で圧勝すれば、国民投票でも圧倒的大差で勝てるという見込みが成り立つ。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-19 23:30 | Comments(4)

夏が来れば思い出す - 自然の循環の中に生きる日本人が原点と向き合う

c0315619_16562807.jpg憲法9条改正についてのNHKの世論調査が15日夜に出た。自衛隊を明記することに、「賛成」が32%、「反対」が20%。読売とほぼ同じ結果になっている。先週のマスコミ報道では、石破茂の反対論や船田元の消極論が大きく紹介され、また、安倍晋三の「読売新聞を読め」の傲慢な発言に対してマスコミが反発していたため、その余波で賛否が拮抗する図になるかと予想したが、残念ながらそうした数字にはならなかった。朝日の世論調査も16日の朝刊で発表され、「自衛隊の存在を憲法に明記する9条改正」について、「必要がある」が41%、「必要がない」が44%。こちらの方は予想どおりとなった。読売とは質問の設計を変えるだろうし、結果も異なって出るだろうと推測していたところ、そのとおりの結果となった。本来、NHKは読売と朝日の中間の世論を反映していいし、そういう通念(正常性バイアス)でNHKの世論調査の中立性や信頼性を期待するのだけれど、今回はそうした結果にはならなかった。それ以上に、今回の世論調査で失望させられたのは、NHKも、朝日も、内閣支持率が高いまま安定を維持した事実で、「読売新聞を読め」の暴言の影響は全くと言っていいほど表れなかった。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-17 23:30 | Comments(2)

憲法9条の基礎づけ - 平和主義の誓約と立志に代わる国家の原点なし

c0315619_16090487.jpg安倍晋三の9条改憲案について、予想したとおり読売が世論調査を出してきた。案の定、賛成が反対を上回る数字になっている。読売がこの賛否の結果になるのは当然だろう。問題は、朝日と毎日、何よりNHKの世論調査がどうなるかである。安倍晋三が提起して10日間、政界やマスコミの反応は消極的な傾向が目立った。公明党が慎重論を言い、石破茂が党の草案の中身と違うと異議を唱え、岸田文雄も不同意の姿勢を示し、大勢としては今回の動きを唐突で拙速で時期尚早と見て同調をためらう空気が支配的になっていた。読売の世論調査は、そうした躓きと澱みに対して巻き返しを図るための官邸側の一撃だろう。現在のところ、改憲に反対する側の論点は、①総理と総裁の立場を使い分ける二枚舌ではないかとか、②自民党草案と違うものをいきなり憲法審査会で審議せよとはどういうことかとか、③その改正案は日本会議が練った工作ではないかとか、そういった、言わば搦め手からの批判が中心となっている。政局的な表面上の反論だ。9条をなぜ変えてはならないのか、3項を加えて自衛隊を明記してはいけないのか、正面からの護憲側の反論が提示されておらず、国民を説得する立論がされていない。平和憲法の基礎づけという骨太の議論を試みている者がいない。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-15 23:30 | Comments(1)


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