稲田朋美の「自衛隊としてお願い」発言を違法行為だと断定しないマスコミ

c0315619_15325827.jpg稲田朋美が都議選の応援演説で、「自衛隊としても(自民党候補に投票を)お願いしたい」と発言した件、それを批判するマスコミの言論が生ぬるくて苛立ちを覚える。昨夜の報ステの後藤謙次も、NEWS23の星浩も、正面から真剣に批判する論調ではなかった。「単なる失言のレベルではない」と富川悠太は口にしたが、レベルがどう違うのか、今回の舌禍の意味がどれほど重いのか論点が十分に提示されることはなかった。報ステとNEWS23の番組スタッフは、①憲法15条の「全体の奉仕者」、②国家公務員法102条と自衛隊法61条の「政治的行為の制限」、③公職選挙法136条の「公務員の地位を利用した選挙運動の禁止」について箇条書きし、法律論の要点を簡単に整理していたが、二つの番組のキャスターとも、それを使って踏み込んだ本質論を展開することがなく、単なる閣僚の軽はずみな失態として流し、都議選への影響がどうのという政局小咄のルーティンで纏めていた。官邸が2年前の「蛮社の獄」の後に据えた御用キャスターの後藤謙次と星浩では、結局のところ軽薄で空疎な政界漫談にしかならず、問題の深刻さが視聴者に伝わらず、正しい政治認識が社会に提供されない。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-29 23:30 | Comments(0)

都民Fと自民が拮抗となった世論調査 - 都議選での自民惨敗は決定的

c0315619_16431957.jpgマスコミ各社から都議選の世論調査報道が出た。有権者に投票先の政党を尋ねた項目では、各社とも同じような結果が出ていて、都民Fと自民が拮抗している。数字を並べると、朝日が、都民25%:自民25%、毎日が、都民27%:自民26%、読売が、都民26%:自民23%、日経(共同)が、都民26%:自民25%。どれも同じだ。各社で傾向に差がないことから、投票一週間前の情勢として正確なものと考えられる。二党が接戦で競っている状況について、都民Fが意外に伸びてないとか、自民が逆風の中で健闘しているという見方がネットで出ている。だが、自民の今回の25%という数字は、4年前の前回、NHKの出口調査で確認された自民39%という数字の3分の2でしかない。2013年の都議選では、自民党は圧勝して59議席を獲得している。その比率で単純に計算すると、今回の予想議席は38議席に減ることになる。都民Fの数字は自民とほぼ同じだが、そこに公明票が加算され、7ある1人区の6を取ると想定されているので、44議席ほどが投票一週間前の見込みと踏んでいいだろう。一週間の間に情勢が変化し、常識的に補正をかければ、態度未決定の無党派票が都民Fの方に流れて上積みされる。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-27 23:30 | Comments(1)

暴行を受けた元秘書の証言 - 豊田真由子事務所での経験は収容所だった

c0315619_13374339.jpg週刊新潮(6月29日号)を買ってきて、豊田真由子の記事を読んだ。元秘書に対する暴行は、5月19日、20日、21日と3日間にわたって断続的に行われていて、20日に車内で行われた場面がICレコーダーに録音されている。被害者は5月23日に病院で診察を受け、診断書を発行してもらった。書面には「顔面打撲傷」「左背部打撲傷」「左上腕挫傷」と所見が記されており、本日(23日)のTBSのビビットで現物の映像が出ていた。昨日(22日)の同番組では、この問題でマスコミの窓口となって取材に対応し、事件収拾の責任者となっているところの地元事務所の「元事務局長」なる者が登場していたが、記者の質問に答えて、4日前の時点で被害者の顔にあざが残っている事実を認めていた。1か月前の傷害があざとして残っていることからも、後部座席からの豊田真由子の殴打が想像以上に激しく、重傷の被害だったことが窺える。元秘書は6月18日に事務所を辞め、すぐに告発の動きに出ていて、豊田真由子と「元事務局長」は、この一週間、新潮の記事掲載を阻止するため仲介と説得に奔走していた。今日のビビットの映像では、元秘書本人が声色を編集処理せずに取材に応じて証言していたが、冷静な態度と口調が印象的だった。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-23 23:30 | Comments(5)

「易姓革命」を待機する気配 - 保守論壇の地殻変動と霞ヶ関の抵抗

c0315619_15131246.jpg間もなく都議選の告示がある。23日に告示されると、7月2日の投開票まで9日間しかない。あっと言う間に結果が出る。事実上、選挙戦は終盤だ。投票から2週間を切った重要な時期に、内閣支持率の急落を告げる報道がマスコミ各社から一斉に出された。安倍晋三にとっては態勢を立て直す時間がない。支持率急落の情勢の余韻が続くまま、選挙期間の刻一刻が過ぎて投票日を迎える。今回の都議選は全国が注目する大型の選挙になっている。争点は豊洲市場の移転問題ではなく、自民党が勝つか都民Fが勝つかという問題で、安倍政権に対する賛否が問われ、小池新党への期待の程度が問われる選挙になっている。東京都の都政プロパーの問題ではなく、国政の関心で都民の一票が投じられ、その民意を全国の有権者が注視するという構図になった。最新の予想を見てみると、サンデー毎日(三浦博史)が、自民48、都民41、公明23、共産12、民進1という数字を出している。自民は現有から9議席減。現代ビジネス(鈴木眞志)の予測では、都民46、自民37、公明21、共産15、民進4で、自民は20議席減。もう一つ、夕刊フジ(鈴木哲夫)の予測だと、都民46、自民42、公明21、共産13、民進1で、自民は15議席減。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-21 23:30 | Comments(4)

内閣支持率下落と今後の政局の条件 - 都議選を反安倍モメンタムの渦にせよ

c0315619_14431829.jpg昨日(18日)、マスコミ各社から一斉に世論調査が発表され、内閣支持率の急落が次々と報告された。最初に共同が前回より10.5ポイント下がって44.9%と数字を上げ、次に毎日が10ポイント下落の36%と続き、さらに日経が7ポイント下落の49%と報道。夜になって朝日が6ポイント減の41%、読売が12ポイント減の49%と出揃った。これほどマスコミが期日を合わせて世論調査を並べるのは久しぶりだ。予め調整した上での一斉報道と思われる。そこに意味がある。とはいえ、各社が急落を報じた支持率は、折れ線グラフをたどれば昨年春の水準であり、例えば、読売が図表で示している推移を確認しても、安保法が強行採決された2年前の最低値までは下がっていない。集団的自衛権行使の閣議決定がされた3年前の水準と同じで、急落したカーブの程度も類似していることが分かる。あのとき、新宿駅南口で衝撃の焼身自殺未遂事件があり、世論は沸騰して支持率は急降下したが、喉元過ぎれば熱さ忘れる国民性の故か、すぐにリバウンドして元に戻っている。安保法のときも同様で、1年後の参院選で安倍晋三は圧勝して3分の2を固めた。したがって私は、金子勝のように「潮目が変わった」と無邪気に断定する楽観的気分にはなれない。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-19 23:30 | Comments(4)

保守派を取り込めなかった共謀罪反対運動 - 世論を攻略できぬまま敗北

c0315619_15024178.jpg共謀罪法案が、徹夜国会の末に今日(15日)の朝に成立した。昨夜(14日)、報ステに生出演した田原総一朗が共謀罪について持論を述べる場面があり、開口一番、これは岸信介が成立を目論見ながら断念に追い込まれた警職法であり、安倍晋三は岸信介の怨念を晴らすべく憲法改正の前に共謀罪(=警職法)を仕掛けてきたのだと謎解きをしてみせた。共謀罪を解読する政治思想史的な洞察として、なるほどと腑に落ちる。他のコメントは耄碌爺の与太話に終始したが、この指摘と認識は本質的で正鵠を射ていると思う。もっと早くこの視点がマスコミで論議されるべきだった。1958年10月、逆コースを突っ走る岸信介が、警察官の警告・制止・立入りの権限を強化し、令状なしの身体検査や保護を名目とする留置を可能とするところの警察官職務執行法改正案を突然国会に上程。これに護憲団体などが猛然と反発して警職法改悪反対の共闘会議を結成して対抗、それが巨大な国民運動に発展し、10月から11月にかけて5波にわたる統一行動が実施され、11月5日には400万人がスト・職場大会・街頭抗議行動に参加、遂に成立断念に追い込むという出来事があった。この反対運動の経験と成功が、2年後の60年安保闘争の爆発に繋がり、岸信介は退陣に追い込まれている。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-15 23:30 | Comments(0)

「絶対的権力は絶対的に腐敗する」 - 「一国の政治は国民を映し出す鏡」

c0315619_13470783.jpg2週間前の5月29日に、アクトン卿の「絶対的権力は絶対的に腐敗する」という言葉を思い出してツイッターに書き込んだ。例のレイプ事件の被害者が顔を出して告発に出たニュースを知り、会見の言葉と表情を見たとき、不意にこの言葉が頭に思い浮かんだ。事件を揉み消したのは、直接には当時警視庁刑事部長だった中村格であり、中村格に指示を出したのは内調トップの北村滋と官房長官の菅義偉である。今、どうしてこの言葉が咄嗟に思い浮かんだのか考えている。カメラの前に登場した被害者女性の渾身の勇気が、そして権力に対する不屈の意思が、何か閃光がひらめくような感覚で受け止められ、精神の純白さと力強さに圧倒された。そして、その対極にあるところの、加害者権力側の腐って汚臭を放つ真っ黒なものがコントラストとして意識され、思考と記憶の回路から何かがインスパイアされて、観想と表現がこの政治学の古典の言葉に行き着いた。真っ黒なものがどれほど底なしに真っ黒か、腐ったものがどれほど救いようもなく腐り果てているかは、その反対にある、純白で清冽なものを対置することによって初めて覚知することができる。ここまで絶対的に腐敗しているのだということを、あらためて痛感させられ、徹底的に確信させられ、アクトン卿の言葉が循環して神経が興奮する状態が続いた。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-13 23:30 | Comments(1)

山口敬之はレイプ常習犯だったのではないか - 週刊新潮の記事を読み直す

c0315619_11430555.jpg週刊新潮の5月18日号を入手して読んでみた。山口敬之のレイプ事件の記事が掲載されている。分量は4ページ。内容についてはすでにネットで十分に拡散されており、誰もが周知のところだが、この記事が事件を最初に告発した一次ソースであり、全文を掲載しているサイトが確認できなかったので現物を取り寄せて手元に置くことにした。発売から1か月経っているが、あらためて読んで価値があると感じる。事件当日の経過が整理され、警察に相談に行ってから不起訴になるまでの時系列が簡潔に描述されている。今のところ、この新潮の報道から深掘りして真相解明を試みたジャーナリズムは出ていない。被害者が会見で顔を出した後、ネットで散見したものの中では気づかず、新潮の記事で見つけた情報が一つあった。被害者女性がこう言っている。「ベッドの上に彼のノートパソコンが開かれたままだったのも覚えているし、直感的に撮られているんだと思ったのも事実です」(P.24)。これは、レイプ翌朝の午前5時、被害者の意識が戻ったときの状況の証言だ。どうやら、卑劣にもノートパソコンのカメラで犯行を撮影していたらしい。この事件では、犯人の常習性を推察できる材料が幾つかある。一つは「デートレイプドラッグ」を使用した疑惑だ。女性は二軒目の鮨屋のトイレで意識を失っている。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-12 23:30 | Comments(5)

やる気のない野党とマスコミ - 泡沫と消えた「会期延長」と「審議拒否」

c0315619_16021750.jpg先月の中頃、共謀罪法案をめぐって今国会の会期延長が取り沙汰されていた。この当時、自民党は衆院の通過日程を5月23日とし、24日を参院審議入りとして、これを過ぎた場合は会期内に成立させるのが難しくなると仄めかしていた。朝日の5月18日の記事にそう書いている。この政界観測が世間の共通認識となり、実際の参院審議入りが29日だったため、ツイッターの反安倍の世界では会期延長を既定路線のように言い、都議選と重なるから与党に不利な環境になるという楽観論で溢れていた。それを見ながら、私は、本当に会期延長があるのだろうかと懐疑的で、6月18日の会期末までに全てが仕上がって幕になるのではないかと悲観的な見方に傾いていた。その推測に特に明確な根拠はなかったのだが、大きな政治の流れとして、民進党が都議選を機に共産党と手を切る、あるいは民進党そのものが崩壊する図が見通されていて、その骨太の方向性を基軸にして予想を立てると、野田執行部が共謀罪を都議選と絡める地平に持ち込むとは思えず、共産党と組んで最後まで徹底抗戦する意思があるとも思えなかった。野田佳彦は「野党共闘」からの離陸を腹に溜めていて、小池新党で現出する新局面に活路を見出そうとしているに違いないと。

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# by yoniumuhibi | 2017-06-07 23:30 | Comments(5)

被害者女性の勇気ある告発と訴え - 左派マスコミとジェンダー文化人の沈黙

c0315619_15051959.jpg山口敬之に準強姦された女性が告発した会見、その勇気に感動させられた。29日夕方の会見から2日経ったが、ネットの中はこの問題一色となって騒然としている。ネットの中の関心だけからすれば、共謀罪の問題も、加計学園の問題も、すっかり脇役に追いやられて、この問題だけが熱を帯びて盛り上がっている。会見翌日の昨日(30日)からは、被害者に対する右翼の猛烈なバッシングが溢れ、数の上では同情や共感の声よりも多くなっている異常事態が出現している。本人が顔と名前を出して告発の席に出た姿にも衝撃を受けたが、右翼のバックラッシュの攻勢の凄まじさにも狼狽させられる。日本人の人格はここまで悪に染まって腐ったのかと驚嘆する。そして同時に、この事件の政治的意味の大きさを直観し確信する。安倍晋三を支持する岩盤右翼にとって、この事件こそが最も危機であり急所なのだ。そのことを、右翼による誹謗中傷と悪罵の洪水が教えている。私は、前川喜平の暴露を聞いても特に心を動かされることはなく、これが安倍政権の支持率を落とす爆弾になると思わず、関心を寄せて言論の輪に入るということがなかった。が、今回の件については、安倍晋三の支持率がどうとか関係なく、強く心を揺さぶられる。真相を糾明したいと思うし、微力ながら援助しなくてはという衝動にかられる。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-31 23:30 | Comments(14)

野間易通が再び敗訴、名誉毀損で賠償命令 - 判決のメッセージを読み解く

c0315619_14300568.jpg初夏の候、野間易通がしばき隊リンチ事件の被害者Mに訴えられた裁判の判決が出た。Mに対する名誉毀損の不法行為が認定され、損害賠償11万円の支払が命じられている。予想どおり、野間易通が敗訴の結果となった。一昨年11月に静岡地裁で出された凪論事件判決に続いて、野間易通は二度目の敗訴を喫したことになる。結果は誰もが予想したとおりで、意外でも何でもない。これで、3年間で二度、野間易通はツイッター上の名誉毀損で訴えられた裁判で不法行為認定された。判決の社会的意味は小さくないだろう。控訴しても結論が覆ることはない。3年間で二度も同じ不法行為を裁判所に認められて責任を問われたわけで、いわば、ツイッターでの名誉毀損の常習犯となったと言ってもよい。今後、野間易通に対するツイッター社の扱いが変わり、次にトラブルを起こした際の対応と裁定に影響が出るだろう。判決を受けて、しばき隊顧問弁護士の神原元が、「実質的には原告敗訴」だとか、「被告の圧勝」だとかの醜い悪あがきを連発する光景が出現した。しばき隊の内部が動揺しないよう、懸命に負け惜しみを喚いて言い繕っている図だが、敗訴は敗訴であり、賠償命令は賠償命令である。野間易通には、判決に従って原告に賠償金を払うか、判決を不服として控訴するか二つに一つの選択肢しかない。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-29 23:30 | Comments(0)

小池百合子に共謀罪の賛否を明言させよ - 五輪主催知事の判断を問え

c0315619_15470497.jpg共謀罪について何か策はないかと考えて、亀石倫子にテレビに出まくってもらう手はどうだろうという提案を5月15日にTWで発した。すると、20日のTBS報道特集に本人が大きく登場し、翌21日のテレ朝サンステではスタジオに生出演して共謀罪を批判するという幕があった。無論、これは単なる偶然で、手柄を自慢するような話ではない。2週間ほど前、朝日の紙面が彼女から共謀罪反対のコメントを取って記事にしていた。それを確認して、そのうちテレ朝やTBSの報道番組が引っ張り出すだろうと期待していたところ、いつまで経ってもテレビの出番がないので、動きの遅さに苛立ちを感じて発言したまでのことである。共謀罪という問題は、法律論で説明を始めるとかなり難しくなるし、専門的な用語が並ぶことになる。本来、共謀罪はテレビで専門家が説明して国民に理解を促さなくてはいけない問題でありながら、テレビを安倍晋三に押さえられているため、例えば福島瑞穂や山下幸男が十分な時間を与えられてフリップで解説するという場面が作れない。嘗ては当然にあったそうした企画は、保守層や無関心層を含めた視聴者に共謀罪を公平中立に報道する試みとして、安倍晋三の支持率が50%を越える現在の環境では、テレビ局に二の足を踏ませるものだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-25 23:30 | Comments(1)

11年前に共謀罪の国会答弁に立ったのは「特高官僚」の大林宏だった

c0315619_16545392.jpg19日、共謀罪法案が衆院法務委員会で可決された。共謀罪はこれまで三度国会で廃案になっているという説明がされているが、厳密には、大きな政治戦になったのは2006年4月から6月にかけての通常国会のときで、民主党が奇策で出してきた対案を官邸と自民党の国対が丸呑みしようとしたところ、党内から俄に批判が起こり、ギリギリの段階で強行採決に踏み切れず頓挫、会期時間切れで流産に至ったという顛末だった。小泉政権の末期のことで、ポスト小泉の時期であり、自民党の中は今よりもずっと派閥重鎮の力が大きく、権力の分散と均衡が明らかで、官邸が党を無視して政策を専横できる環境になかった。このとき、共謀罪の成立に最も執着して強行突破を指揮していたのは官房長官だった安倍晋三で、すなわち今回の政治は安倍晋三にとって11年前の怨念のリベンジの意味がある。当時、ポスト小泉は、小泉純一郎の指名によって安倍晋三に事実上内定していたが、根回しなしの独断専行が目につく安倍晋三の強権手法に対して、党派閥の面々が快く思わず、「あの小僧が」と軽侮して影ながら抵抗していた様子が窺われる。当時は今のような「政高党低」の独裁体制ではなかった。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-22 23:30 | Comments(1)

「闘争」を嫌悪する思想性 - 言葉狩りして自ら武装解除する羊化左翼

c0315619_16023057.jpg新聞報道によると、自民党が「改憲推進本部」の体制を拡充し、幹事長の二階俊博も役員メンバーに加え、年内に原案を取り纏める方針を固めた。来年1月からの通常国会で改憲原案を提示し、憲法審査会にかけて発議に向けての合意をとる見通しとある。半年かけて学会婦人部を調略し、公明党を9条改正に転換させる。学会婦人部が応諾するには、たしかに半年の時間は必要だろう。都議選の後に民進党と小池新党をめぐる政変が起きる可能性が高く、その政変が憲法9条改正と絡めば、夏以降は今とは全く違った政治環境が出現することになる。私は、小池新党をテコにした野党再編が成った場合、安倍晋三は発議前に9条改正の是非を問う解散総選挙をやる思惑なのではないかと睨んでいる。現在の民進党の議員は「安倍政権の下での改憲には反対」と訴えて議席を得ている。この者たちが君子豹変して、選挙の洗礼もなしに憲法審査会で改憲発議に合意するのは有権者にとって公約違反であり、その発議は正統性に瑕疵を抱えることになる。また、安倍晋三からすれば、政界再編で民進党を潰し、新たな枠組み(自民・公明・維新・小池)での巨大安倍与党が選挙で圧勝すれば、国民投票でも圧倒的大差で勝てるという見込みが成り立つ。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-19 23:30 | Comments(4)

夏が来れば思い出す - 自然の循環の中に生きる日本人が原点と向き合う

c0315619_16562807.jpg憲法9条改正についてのNHKの世論調査が15日夜に出た。自衛隊を明記することに、「賛成」が32%、「反対」が20%。読売とほぼ同じ結果になっている。先週のマスコミ報道では、石破茂の反対論や船田元の消極論が大きく紹介され、また、安倍晋三の「読売新聞を読め」の傲慢な発言に対してマスコミが反発していたため、その余波で賛否が拮抗する図になるかと予想したが、残念ながらそうした数字にはならなかった。朝日の世論調査も16日の朝刊で発表され、「自衛隊の存在を憲法に明記する9条改正」について、「必要がある」が41%、「必要がない」が44%。こちらの方は予想どおりとなった。読売とは質問の設計を変えるだろうし、結果も異なって出るだろうと推測していたところ、そのとおりの結果となった。本来、NHKは読売と朝日の中間の世論を反映していいし、そういう通念(正常性バイアス)でNHKの世論調査の中立性や信頼性を期待するのだけれど、今回はそうした結果にはならなかった。それ以上に、今回の世論調査で失望させられたのは、NHKも、朝日も、内閣支持率が高いまま安定を維持した事実で、「読売新聞を読め」の暴言の影響は全くと言っていいほど表れなかった。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-17 23:30 | Comments(2)

憲法9条の基礎づけ - 平和主義の誓約と立志に代わる国家の原点なし

c0315619_16090487.jpg安倍晋三の9条改憲案について、予想したとおり読売が世論調査を出してきた。案の定、賛成が反対を上回る数字になっている。読売がこの賛否の結果になるのは当然だろう。問題は、朝日と毎日、何よりNHKの世論調査がどうなるかである。安倍晋三が提起して10日間、政界やマスコミの反応は消極的な傾向が目立った。公明党が慎重論を言い、石破茂が党の草案の中身と違うと異議を唱え、岸田文雄も不同意の姿勢を示し、大勢としては今回の動きを唐突で拙速で時期尚早と見て同調をためらう空気が支配的になっていた。読売の世論調査は、そうした躓きと澱みに対して巻き返しを図るための官邸側の一撃だろう。現在のところ、改憲に反対する側の論点は、①総理と総裁の立場を使い分ける二枚舌ではないかとか、②自民党草案と違うものをいきなり憲法審査会で審議せよとはどういうことかとか、③その改正案は日本会議が練った工作ではないかとか、そういった、言わば搦め手からの批判が中心となっている。政局的な表面上の反論だ。9条をなぜ変えてはならないのか、3項を加えて自衛隊を明記してはいけないのか、正面からの護憲側の反論が提示されておらず、国民を説得する立論がされていない。平和憲法の基礎づけという骨太の議論を試みている者がいない。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-15 23:30 | Comments(1)

憲法9条を左から壊す裏切り者たち - 安倍晋三案と同じ中身の「新9条」

c0315619_17291339.jpg前回の記事で、野党各党の憲法9条の基本政策について整理を試みた。それを見ると、現在は「野党共闘」を組んで反安倍で連携している四野党、いわゆる「立憲野党」も、9条については立場が同じではなく、9条改正に反対しているのは共産党と社民党の二党だけという事実が了解される。有明の護憲集会で幹部が手を握り合う絵を演出した四野党は、9条改正に反対で一致結束しているわけではない。安倍晋三の今回の改憲戦略は、その齟齬と不一致を衝いて周到に打ち出してきたものである。そしてまた、民進党自由党の憲法についての基本路線に内在する形で、巧妙に方向性を合わせてきた機略でもあり、言わば「最大公約数」を狙った作戦である。最も合意を取りやすい改憲政策の選択手法だ。さらに、自衛隊を9条に明記する改憲案は、この半世紀間、この国の政治でずっと論議されてきた歴史的な争点と課題でもあり、その意味で、正面から保守政党の宿題を果たそうとする骨太の挑戦と言える。他の改憲内容ならば、例えば、高等教育の無償化などは、憲法条文に加えなくても法律で実現できるけれど、自衛権と自衛隊についてはそうはいかない。自衛隊と憲法9条(2項の武力放棄)の矛盾は、原理的で信条的な問題であり、折衷や妥協が簡単にできない問題だ。私は、改憲が具体提起されるときは、必ずこの問題が問われるだろうと確信してきた。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-10 23:30 | Comments(5)

安倍晋三の9条改正策と「改憲翼賛会」の悪夢 - 各野党の9条論

c0315619_16432018.jpg5月3日の憲法記念日に、安倍晋三が改憲派の集会にビデオメッセージを寄せ、憲法改正の具体案を提起、条項と日程をコミットした。9条に3項を加えて自衛隊を明記し、2020年に施行すると言う。安倍晋三が本格的に改憲の政治に出て来た。同日、読売は1面トップでこの内容を大々的に報道、安倍晋三は連休前の4月26日にインタビューを収録していて、計画的にこのニュースを読売に発信させていた。憲法改正をめぐる政治戦は新たな段階に入り、護憲派は正念場を迎えたと言っていい。改憲内容の絞り込みの中身は、私が予想していたとおりで、従来から警告してきたところの本丸攻略の戦法だ。2020年の施行というのも、安倍晋三の任期から計算すれば、そこから先の日程はなく、任期中に憲法改正を実現するのが本人の悲願であり、絶対的使命だから、このタイミングで勝負に出た点は唐突とは言えない。私はずっと、5月以降は改憲の政局となり、それが都議選での小池新党ブームと連動し、さらに改憲にフォーカスした政界再編に繋がると予測を述べてきた。共謀罪の政局と改憲の論議が重なり、既存政党(野党)が右翼的に再編される危機の状況になるだろうと言ってきた。安倍晋三の今回の改憲ローンチの勝算は、政界再編(=改憲翼賛会)をプログラムに織り込んでいる点を見抜く必要がある。

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# by yoniumuhibi | 2017-05-08 23:30 | Comments(1)

今村復興相辞任の政治 - マスコミを動員しての一夜の火消しと情報工作

c0315619_18173099.jpg今村雅弘の大臣辞任の件。収拾の動きがやたら速く、マスコミ報道の流れが急だった点が奇怪な印象を残した。二階派のパーティが始まったのは午後5時頃だろうか。報道を見ると、懇親会の前に講演が二つ組まれ、そのうちの一つが今村雅弘の担当で、20分間、復興と防災の話をしている。もう一人が沖縄北方相の鶴保庸介で、おそらくこちらも20分間が割り当てられていたはずだ。領袖の二階俊博の挨拶もあっただろうから、懇親会に移ったのは午後6時すぎ。首相動静で安倍晋三の動きを追うと、午後6時31分に宴席に顔を出すべく官邸を出発、同37分にニューオータニ着、B1宴会場階の「鶴の間」ですぐに来賓挨拶し、同51分にホテルを出ている。喋った時間は5分足らずだろう。が、安倍晋三が金屏風の前に立った頃は、もうネット上には「再び失言」の一報が載って騒ぎになっていた。NHKの7時のニュースでは、午後6時すぎの撮影と思われるが、会場付近のトイレの場所で今村雅弘が記者に囲まれて陳謝する場面が流れた。今村雅弘の話を聞いた誰かが、安倍晋三に連絡を入れ、マスコミ各社の記者にも指示し、今村雅弘を囲ませたものと推察される。一報を聞いた安倍晋三が、すぐに二階俊博に電話で更迭を伝え、その足でパーティの壇上に臨んだのだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-26 23:30 | Comments(0)

うるま市長選の敗北とオール沖縄の危機 - しばき隊と一体化する琉球新報

c0315619_18133769.jpg23日にうるま市長選の投開票が行われ、自公推薦の現職候補が勝利した。選挙は自公の現職とオール沖縄が支援する新人との一騎打ちで、その結果が注目されていたが、6000票の差がついてオール沖縄の敗北となった。投票率は60.7%で4年前の前回を下回っている。1月の宮古、2月の浦添に続いて、オール沖縄はこれで3連敗となった。先々週(15日)、辺野古の沿岸部を埋め立てる護岸工事に着手する旨が政府から示され、その後、着工日が投票日を跨いだ今週に変わり、菅義偉が選挙情勢を睨んでいる様子が窺い知れた。投票の行方が分からない拮抗状態なら、勝敗関係なく17日の週に工事強行に突入する予定だったのだろうが、選挙が有利に運んでいることが確実になったため、選挙結果を辺野古についての民意として利用する政治条件を手に入れられる見通しが立ち、工事を24日の週に遅らせたのだろう。オール沖縄側が勝つと、工事強行には逆風の環境になる。朝日の記事によれば、「大量の石材などが海底に投じられ、原状回復は困難になる」とある。本土から辺野古を見ている者の目からは、今回の選挙結果はきわめて大きな意味と衝撃があると思われるが、沖縄の新聞やTWの反応は、それほど深刻な挫折や憔悴の感じがない。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-24 23:30 | Comments(1)

共謀罪と「お上を恐れぬ不届き」の刑罰論理 - 精神的自由の侵害

c0315619_15364929.jpg昨日(19日)から衆院法務委員会で共謀罪法案が実質審議入りとなり、夜のニュース番組で取り上げられた。NHKの7時のニュースでは、予備、未遂、既遂の語をパネルに並べて図示し、刑事法上の共謀罪を概念的に整理しようとする演出はあったが、原稿を読んでいるサブキャスターの高井正智が、その中身を本当に理解しているようには到底見えなかった。説明の時間が短く、言葉が少なく、中身に立ち入った解説をしておらず、視聴者も何のことだかよく分からなかったに違いない。安倍晋三の支配下にあり、政府広報の役割を果たすしかないNHKのニュースでは、あの程度がやっとなのだろう。今回、テレビ報道が共謀罪を取り扱う機会は決して少なくないが、共謀罪を正しく解説して視聴者に届けた例がない。例えば、桑子真帆や富川悠太は、「共謀罪の構成要件を改めて、テロ等準備罪を新設する法案が」、と毎晩のように放送の切り出しで言っているが、枕詞のように喋っている言葉の意味が本当に理解できているのだろうか。具体的に「構成要件」の語の意味を、桑子真帆や富川悠太は分かっているのだろうか。共謀罪について正しく知識を届けるためには、憲法や刑法の専門家が登場して一般向けの概説をする必要がある。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-20 23:30 | Comments(2)

王毅はDCに飛べ - 中国は9条的外交力で危機打開の主導権を握り直せ

c0315619_16300161.jpg16日のサンデーモーニングの「風をよむ」で、米朝危機の問題が特集された。このコーナーでは、銀座3丁目の松屋前歩道で「街の声」を拾って紹介する。画面に登場するのは、いつも同じような格好をした70代から80代の高齢者で、東京で年金暮らしする関口宏と同じ世代の者たちだ。番組を毎週見ている全国の視聴者のボリュームゾーンでもある。経済的にも、政治的にも、今の日本社会を支えている人たちと言っていい。自らも消費しつつ子や孫を金銭的に扶助する実力を持ち、政治に高い関心と知識を持って投票所にしっかり足を運んでいる人たち。実際に現場を歩くと分かるが、番組が特に意識して高齢者を選んでマイクを向けているのではなく、歩いている日本人の平均的サンプルがあの属性で、もっと若い年代の家族連れとか、4人以上のグループで歩いている場合は、ほとんどが海外からの観光客であり、さらにその8割が中国人である。15年ぶりに再来した米朝開戦危機について尋ねられ、彼らは「成り行きを見守るしかない」とあきらめ顔で答えていた。この映像の言葉は、関口宏の心境をそのまま代弁して表現したものだ。北朝鮮に対する諦念と断念。それが一般の国民の感想として流された。テレビの前の多くの視聴者も同感だったと思われる。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-17 23:30 | Comments(1)

独裁者たちが主役となる世界政治 - 金正恩の肥満カリスマと「成功法則」

c0315619_18174828.jpgトランプのシリア攻撃について、米国での反応が記事(9日)になっている。あのナンシー・ペロシが、「この攻撃はアサド政権の化学兵器使用に対する順当な対応だ」と評価、ヒラリー・クリントンも、「もっと早くこの種の軍事行動をとるべきだった」と表明、民主党議員が支持を表明している。シリアに対する国際法違反の侵略戦争を歓迎している。支持率下降で窮地にあったトランプ政権は、一転して今回のシリア空爆と対ロシア政策転換で息を吹き返した。その米国内の状況の好転を見て、調子に乗ってアフガンのイスラム国地下施設にMOABを投下した。36人が死亡している。民間人の被害はないと発表されているが、きのこ雲が上がった直下の地下アジトに戦闘員の家族はいなかったのだろうか。あるいは、想像力を戦場と兵営という実相に及ばせて、そこに、イスラム国に拉致・拘束されコンフォート・ウーマンにされていた人の命はなかったのだろうか。どこかの貧しい村から連れ去られ、誰からもその所在を気に止められないまま、野蛮な新型爆弾の生贄になった、不幸な無名の人の命はなかったのだろうか。それにしても、井上達夫ではないが、米国やEUの健忘症は何だろうか。イラク戦争時の「大量破壊兵器」がウソだったことについての、この10年間の反省や悔悟は何だったのだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-15 23:30 | Comments(5)

15年ぶりに到来した米朝戦争の危機 - 予想外の韓国市民社会の安閑

c0315619_16134835.jpg空母カールビンソンが西太平洋を北上し、朝鮮半島の近海に接近している。11日に政府関係者がマスコミに流した情報では、海自の艦艇がカールビンソンの空母機動部隊に合流し、日米で「共同訓練」を実施する予定だと言う。北朝鮮を牽制する狙いだと朝日の紙面記事(12日の1面)にある。普通なら、この軍事行動は「共同訓練」と言わず「合同演習」と言う。マスコミの使う言葉、政府が流す言葉には注意が必要だ。例えば、米韓合同軍事演習という言葉はあるが、「米韓共同訓練」という言葉は検索しても引っ掛からない。演習を訓練と呼んでいるのは、戦車を特車と呼んだ例と同じ姑息と欺瞞だろう。今回の行動は、2015年の新・日米防衛ガイドラインと安保法制(戦争法)の下での、新たな段階での Joint Exercises だから、欺瞞を排する意味で「合同演習」と呼ぶことにしよう。ついでながら、「空母打撃群」という新しい用語も、古い世代の者としてすぐには馴染めないので、感覚が慣れるまでは「空母機動部隊」と呼ばせていただく。「北朝鮮を牽制する狙い」というマスコミの表現も、政府の意向に従ったもので、「北朝鮮に軍事的圧力をかける狙い」というのが正しい。敵国の領土領海の間際に集結しての軍事演習だから、当然、すぐに戦争に移行する性格と含意を持った行動なのだ。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-13 23:30 | Comments(4)

米国によるシリア攻撃の動機と構図 - 化学兵器テロの真犯人は誰なのか

c0315619_14324302.jpg米国によるシリア攻撃について、必要十分なコメントは7日夜に報ステに生出演した井上達夫がすべて語った。簡潔で明快な正論の主張であり、付け加える論点は何もない。法的正当性の観点から鑑みて、これは明確な国際法違反の侵略戦争だ。国連安保理の決議もない。有志連合という形式さえも整えなかった。井上達夫が言ったとおり、4日に起きた化学兵器使用事件については、その犯人がアサド政権であるという確証はない。そして、今回の構図は、米国がイラク戦争を始めたときの「大量破壊兵器」の口実と全く同じではないか。あのとき、米英はサダム・フセインが「大量破壊兵器」を隠し持っていると言い張り、情報機関が捏造した「証拠」を国際社会に見せ、世界中のマスコミと人々を騙して虚構を信じこませた。井上達夫は、健忘症ではないかと言ったが、私も同感である。特に欧米のマスコミ報道を鵜呑みにして、アサド政権を犯人だと決めつけている日本の左翼(しばき隊)には猛省を促したい。イラク戦争によってどれだけの犠牲者が出たことか。サダム・フセインは冷酷で残忍な独裁者であり、恐怖政治で国内の人々を弾圧し殺害していたが、だからと言って、米国によるあの侵略戦争を正当化することは絶対にできない。フセインを打倒し排除できたからよかったという結論にはならない。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-10 23:30 | Comments(7)

共謀罪法案に反対する - 11年前との彼我、報道の軽さと国民の右傾化

c0315619_14334427.jpg共謀罪の政治戦が本格的に始まった。6日、共謀罪法案が衆院で審議入りし、今日(7日)の朝日は、2面、4面、12面(社説)、31面に関連記事を載せている。過去3回廃案になった共謀罪だが、最も激しい攻防が演じられたのは、11年前の2006年の4月から6月にかけてであり、やはり通常国会の後半戦の時期だった。ブログを始めて3年目の頃で、共謀罪の政治を追跡して4本ほど記事を上げている。それを読み直し、当時の経緯がどうだったかを思い返している。保阪展人も回顧を書いているが、明らかに世論は反対論が多かった。テレビで詳しく報道されるほどに反対世論が盛り上がり、その危険性が国民の間によく浸透し、国会で自民党が無理に押し通すことができない状況になって行った。あのときは、民主党が修正案を出し、与党からも修正の動きが出て、最後に民主党案を丸呑みするかという寸前で自民党と政府との足並みが乱れて流産の結果に終わった。保阪展人も書いているように、当時の与党は共謀罪法案に逡巡の気配があり、今のような強硬姿勢一点張りではなかった。2006年の通常国会は、小泉劇場で自民党が圧勝した1年後であり、数の上では自公は圧倒的だった。そして、このときに共謀罪を強引に押し通そうとしたのは、政権No.2で官房長官だった安倍晋三である。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-07 23:30 | Comments(1)

安倍晋三の支持層の岩盤 - リアルな現実の直視と真に有効な対抗策の発案を

c0315619_14431735.jpg4月2日のサンデーモーニングで、大宅映子が森友問題のコメントで次のように言っていた。「もう2か月になるのに、同じところをぐるぐる回ってばかりで、ちっとも核心に踏み込まない」。この意見に同感で、私の気分を代弁した言葉だと膝を打った。同じところをぐるぐる回ってばかりだ。時間だけが無駄に経っている。大宅映子の苛立ちはよく納得できる。普通なら、2か月も経てば、もう特捜部が動いて誰かが逮捕され、強制捜査のガサ入れの絵があっておかしくないのである。本丸である政治家に迫ることができなくても、人身御供の官僚は逮捕されて、検察が国民にエクスキューズの形を作る。憤慨する国民世論を宥めるべく、司法が形ばかりの「正義」の演出に動き、それなりに疑獄事件の始末をつけて幕引きしてきたものだ。ロッキード事件やリクルート事件や佐川急便事件を見てきたわれわれの感覚では、大宅映子と同じ不満と鬱屈となる。が、そうなるはずのものがならない。1年前に騒動した甘利明の収賄事件もそうだった。泰山鳴動してネズミ1匹もなし。司直は動かず、事件の解明はなく、容疑者は容疑者とならず、誰も何も責任をとらされないまま沙汰止みで終わった。今は昔と違うのである。安倍晋三の独裁政治の環境では、大宅映子の常識が寸毫も通用しない。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-03 23:30 | Comments(3)

安倍晋三の支持率高止まりの理由 - 受け皿の欠如、いちだんの右傾化

c0315619_17052374.jpg森友学園の問題が、内閣支持率に影響を与えなかった。日経新聞と共同通信が26日に発表した世論調査の結果では、日経は前回より2ポイント上がった62%となり、共同は前回より3ポイント下がった52%だった。先々週末(3/18-19)、読売と日テレが行った世論調査では、内閣支持率が大幅に低下していたので、先週末(3/25-26)の世論調査でもさらに下落に拍車がかかるだろうと期待していたところ、全く逆の数字が出て落胆させられた。私を含めて、世論調査の強い風を待望していた反安倍の側の者たちは、意外な失速に大いに意気消沈したのではないか。先週(3/23)は籠池泰典の国会証人喚問があり、昭恵が100万円を渡した事実が生々しく証言され、週末にかけて昭恵を証人喚問せよという声が高まる状況になっていたため、その世論が反映して内閣支持率は下がるだろうと予想された。ところが、豈図らんや、内閣支持率の急降下はなく、安倍政権は依然として安泰の現状に落ち着いてしまい、正直、天を仰いで途方に暮れる気分にさせられる。この世論調査には不信と不満が残るけれど、結果は素直に受け入れざるを得ないだろう。残念な世論調査が出た後、安倍晋三と右翼は息を吹き返し、今週のネット空間では辻元清美が猛然と叩かれ、右翼が巻き返す展開となった。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-31 23:30 | Comments(3)

忖度の語の一人歩き - 事件を「官僚の忖度の物語」にする言説工作と陥穽

c0315619_16092453.jpg忖度という言葉が一人歩きして、森友学園の事件の認識を誤解に導いているように思えてならない。忖度という言葉の氾濫と馴れが、この事件の実像を歪め、われわれに真実ではない偽りの像を信じこませている。安倍晋三と親安倍のマスコミは、忖度という語を巧妙に操って問題を説明していて、そのことによって安倍晋三の関与や責任から世間の目を欺くことに成功している。忖度がキーワードになって事件の通念が形成されることで、疑獄の中心にいる安倍晋三の主体的契機が隠され、不正が曖昧にされ、何やら官僚たちが自然に動いて8億円の国有地値引きが実現したような構図にされている。この事件について忖度の言葉を使うのは危険だ。忖度の語の頻用と氾濫には注意を要する。まず、間違いのないように、忖度の語の定義を確認しよう。広辞苑には「他人の心中をおしはかること。推察」とある。果たして財務省の官僚は、安倍晋三の心中を推し量り、首相の安倍晋三が森友学園の開校を急いでいるに違いないから、その意に沿うよう行政を差配すべく、国有地の定期借地を認めたり、8億円の値引きによる売却を決定したのだろうか。この間の財務官僚の意思決定について、忖度による行為として理解するのが本当に正しいのだろうか。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-29 23:30 | Comments(4)

三宅弘の正論 - 野党は法律論で理論武装して佐川宣寿を論破せよ

c0315619_16015058.jpg25日に放送されたTBSの報道特集で、弁護士の三宅弘が登場して、森友問題についての財務省の国会答弁を批判していた。三宅弘は、政府の公文書管理委員会の委員長代理を努めている立場の人間である。それによると、国有地を8億円も値引きして売却したとなると、会計検査院の監査対象になるのは当然で、最低5年間は文書を保管しなくてはならず、もし交渉記録を故意に廃棄していたなら、刑法の公用文書等毀棄罪に該当し、故意でないとしても公文書管理法違反になると説明。公務員の過失として重大問題であり、国会での佐川宣寿の答弁を「役人の奢りと欺瞞だ」と厳しく批判した。テレビを見ながら、ようやく国民を代弁する正論が出たという感慨を抱いた。われわれが聞きたかった正論はこれだ。森友学園の問題が表面化して国会論戦になって以降、野党の追及を侫悪な詭弁と答弁拒否で退けてきたのが理財局長の佐川宣寿で、映像を見るたびに不快と憤懣を覚えさせられたが、佐川宣寿を論駁できる野党議員が出なかった。佐川宣寿が文書廃棄を正当化するところの、財務省の規定を根拠に1年未満の文書だから構わないとする論法に対して、誰も法律論で反駁を加える場面がなかった。野党だけでなくマスコミも同じで、佐川宣寿の強弁を素通りさせてしまっていた。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-27 23:30 | Comments(5)


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