今村復興相辞任の政治 - マスコミを動員しての一夜の火消しと情報工作

c0315619_18173099.jpg今村雅弘の大臣辞任の件。収拾の動きがやたら速く、マスコミ報道の流れが急だった点が奇怪な印象を残した。二階派のパーティが始まったのは午後5時頃だろうか。報道を見ると、懇親会の前に講演が二つ組まれ、そのうちの一つが今村雅弘の担当で、20分間、復興と防災の話をしている。もう一人が沖縄北方相の鶴保庸介で、おそらくこちらも20分間が割り当てられていたはずだ。領袖の二階俊博の挨拶もあっただろうから、懇親会に移ったのは午後6時すぎ。首相動静で安倍晋三の動きを追うと、午後6時31分に宴席に顔を出すべく官邸を出発、同37分にニューオータニ着、B1宴会場階の「鶴の間」ですぐに来賓挨拶し、同51分にホテルを出ている。喋った時間は5分足らずだろう。が、安倍晋三が金屏風の前に立った頃は、もうネット上には「再び失言」の一報が載って騒ぎになっていた。NHKの7時のニュースでは、午後6時すぎの撮影と思われるが、会場付近のトイレの場所で今村雅弘が記者に囲まれて陳謝する場面が流れた。今村雅弘の話を聞いた誰かが、安倍晋三に連絡を入れ、マスコミ各社の記者にも指示し、今村雅弘を囲ませたものと推察される。一報を聞いた安倍晋三が、すぐに二階俊博に電話で更迭を伝え、その足でパーティの壇上に臨んだのだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-26 23:30 | Comments(0)

うるま市長選の敗北とオール沖縄の危機 - しばき隊と一体化する琉球新報

c0315619_18133769.jpg23日にうるま市長選の投開票が行われ、自公推薦の現職候補が勝利した。選挙は自公の現職とオール沖縄が支援する新人との一騎打ちで、その結果が注目されていたが、6000票の差がついてオール沖縄の敗北となった。投票率は60.7%で4年前の前回を下回っている。1月の宮古、2月の浦添に続いて、オール沖縄はこれで3連敗となった。先々週(15日)、辺野古の沿岸部を埋め立てる護岸工事に着手する旨が政府から示され、その後、着工日が投票日を跨いだ今週に変わり、菅義偉が選挙情勢を睨んでいる様子が窺い知れた。投票の行方が分からない拮抗状態なら、勝敗関係なく17日の週に工事強行に突入する予定だったのだろうが、選挙が有利に運んでいることが確実になったため、選挙結果を辺野古についての民意として利用する政治条件を手に入れられる見通しが立ち、工事を24日の週に遅らせたのだろう。オール沖縄側が勝つと、工事強行には逆風の環境になる。朝日の記事によれば、「大量の石材などが海底に投じられ、原状回復は困難になる」とある。本土から辺野古を見ている者の目からは、今回の選挙結果はきわめて大きな意味と衝撃があると思われるが、沖縄の新聞やTWの反応は、それほど深刻な挫折や憔悴の感じがない。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-24 23:30 | Comments(0)

共謀罪と「お上を恐れぬ不届き」の刑罰論理 - 精神的自由の侵害

c0315619_15364929.jpg昨日(19日)から衆院法務委員会で共謀罪法案が実質審議入りとなり、夜のニュース番組で取り上げられた。NHKの7時のニュースでは、予備、未遂、既遂の語をパネルに並べて図示し、刑事法上の共謀罪を概念的に整理しようとする演出はあったが、原稿を読んでいるサブキャスターの高井正智が、その中身を本当に理解しているようには到底見えなかった。説明の時間が短く、言葉が少なく、中身に立ち入った解説をしておらず、視聴者も何のことだかよく分からなかったに違いない。安倍晋三の支配下にあり、政府広報の役割を果たすしかないNHKのニュースでは、あの程度がやっとなのだろう。今回、テレビ報道が共謀罪を取り扱う機会は決して少なくないが、共謀罪を正しく解説して視聴者に届けた例がない。例えば、桑子真帆や富川悠太は、「共謀罪の構成要件を改めて、テロ等準備罪を新設する法案が」、と毎晩のように放送の切り出しで言っているが、枕詞のように喋っている言葉の意味が本当に理解できているのだろうか。具体的に「構成要件」の語の意味を、桑子真帆や富川悠太は分かっているのだろうか。共謀罪について正しく知識を届けるためには、憲法や刑法の専門家が登場して一般向けの概説をする必要がある。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-20 23:30 | Comments(2)

王毅はDCに飛べ - 中国は9条的外交力で危機打開の主導権を握り直せ

c0315619_16300161.jpg16日のサンデーモーニングの「風をよむ」で、米朝危機の問題が特集された。このコーナーでは、銀座3丁目の松屋前歩道で「街の声」を拾って紹介する。画面に登場するのは、いつも同じような格好をした70代から80代の高齢者で、東京で年金暮らしする関口宏と同じ世代の者たちだ。番組を毎週見ている全国の視聴者のボリュームゾーンでもある。経済的にも、政治的にも、今の日本社会を支えている人たちと言っていい。自らも消費しつつ子や孫を金銭的に扶助する実力を持ち、政治に高い関心と知識を持って投票所にしっかり足を運んでいる人たち。実際に現場を歩くと分かるが、番組が特に意識して高齢者を選んでマイクを向けているのではなく、歩いている日本人の平均的サンプルがあの属性で、もっと若い年代の家族連れとか、4人以上のグループで歩いている場合は、ほとんどが海外からの観光客であり、さらにその8割が中国人である。15年ぶりに再来した米朝開戦危機について尋ねられ、彼らは「成り行きを見守るしかない」とあきらめ顔で答えていた。この映像の言葉は、関口宏の心境をそのまま代弁して表現したものだ。北朝鮮に対する諦念と断念。それが一般の国民の感想として流された。テレビの前の多くの視聴者も同感だったと思われる。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-17 23:30 | Comments(1)

独裁者たちが主役となる世界政治 - 金正恩の肥満カリスマと「成功法則」

c0315619_18174828.jpgトランプのシリア攻撃について、米国での反応が記事(9日)になっている。あのナンシー・ペロシが、「この攻撃はアサド政権の化学兵器使用に対する順当な対応だ」と評価、ヒラリー・クリントンも、「もっと早くこの種の軍事行動をとるべきだった」と表明、民主党議員が支持を表明している。シリアに対する国際法違反の侵略戦争を歓迎している。支持率下降で窮地にあったトランプ政権は、一転して今回のシリア空爆と対ロシア政策転換で息を吹き返した。その米国内の状況の好転を見て、調子に乗ってアフガンのイスラム国地下施設にMOABを投下した。36人が死亡している。民間人の被害はないと発表されているが、きのこ雲が上がった直下の地下アジトに戦闘員の家族はいなかったのだろうか。あるいは、想像力を戦場と兵営という実相に及ばせて、そこに、イスラム国に拉致・拘束されコンフォート・ウーマンにされていた人の命はなかったのだろうか。どこかの貧しい村から連れ去られ、誰からもその所在を気に止められないまま、野蛮な新型爆弾の生贄になった、不幸な無名の人の命はなかったのだろうか。それにしても、井上達夫ではないが、米国やEUの健忘症は何だろうか。イラク戦争時の「大量破壊兵器」がウソだったことについての、この10年間の反省や悔悟は何だったのだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-15 23:30 | Comments(3)

15年ぶりに到来した米朝戦争の危機 - 予想外の韓国市民社会の安閑

c0315619_16134835.jpg空母カールビンソンが西太平洋を北上し、朝鮮半島の近海に接近している。11日に政府関係者がマスコミに流した情報では、海自の艦艇がカールビンソンの空母機動部隊に合流し、日米で「共同訓練」を実施する予定だと言う。北朝鮮を牽制する狙いだと朝日の紙面記事(12日の1面)にある。普通なら、この軍事行動は「共同訓練」と言わず「合同演習」と言う。マスコミの使う言葉、政府が流す言葉には注意が必要だ。例えば、米韓合同軍事演習という言葉はあるが、「米韓共同訓練」という言葉は検索しても引っ掛からない。演習を訓練と呼んでいるのは、戦車を特車と呼んだ例と同じ姑息と欺瞞だろう。今回の行動は、2015年の新・日米防衛ガイドラインと安保法制(戦争法)の下での、新たな段階での Joint Exercises だから、欺瞞を排する意味で「合同演習」と呼ぶことにしよう。ついでながら、「空母打撃群」という新しい用語も、古い世代の者としてすぐには馴染めないので、感覚が慣れるまでは「空母機動部隊」と呼ばせていただく。「北朝鮮を牽制する狙い」というマスコミの表現も、政府の意向に従ったもので、「北朝鮮に軍事的圧力をかける狙い」というのが正しい。敵国の領土領海の間際に集結しての軍事演習だから、当然、すぐに戦争に移行する性格と含意を持った行動なのだ。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-13 23:30 | Comments(4)

米国によるシリア攻撃の動機と構図 - 化学兵器テロの真犯人は誰なのか

c0315619_14324302.jpg米国によるシリア攻撃について、必要十分なコメントは7日夜に報ステに生出演した井上達夫がすべて語った。簡潔で明快な正論の主張であり、付け加える論点は何もない。法的正当性の観点から鑑みて、これは明確な国際法違反の侵略戦争だ。国連安保理の決議もない。有志連合という形式さえも整えなかった。井上達夫が言ったとおり、4日に起きた化学兵器使用事件については、その犯人がアサド政権であるという確証はない。そして、今回の構図は、米国がイラク戦争を始めたときの「大量破壊兵器」の口実と全く同じではないか。あのとき、米英はサダム・フセインが「大量破壊兵器」を隠し持っていると言い張り、情報機関が捏造した「証拠」を国際社会に見せ、世界中のマスコミと人々を騙して虚構を信じこませた。井上達夫は、健忘症ではないかと言ったが、私も同感である。特に欧米のマスコミ報道を鵜呑みにして、アサド政権を犯人だと決めつけている日本の左翼(しばき隊)には猛省を促したい。イラク戦争によってどれだけの犠牲者が出たことか。サダム・フセインは冷酷で残忍な独裁者であり、恐怖政治で国内の人々を弾圧し殺害していたが、だからと言って、米国によるあの侵略戦争を正当化することは絶対にできない。フセインを打倒し排除できたからよかったという結論にはならない。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-10 23:30 | Comments(7)

共謀罪法案に反対する - 11年前との彼我、報道の軽さと国民の右傾化

c0315619_14334427.jpg共謀罪の政治戦が本格的に始まった。6日、共謀罪法案が衆院で審議入りし、今日(7日)の朝日は、2面、4面、12面(社説)、31面に関連記事を載せている。過去3回廃案になった共謀罪だが、最も激しい攻防が演じられたのは、11年前の2006年の4月から6月にかけてであり、やはり通常国会の後半戦の時期だった。ブログを始めて3年目の頃で、共謀罪の政治を追跡して4本ほど記事を上げている。それを読み直し、当時の経緯がどうだったかを思い返している。保阪展人も回顧を書いているが、明らかに世論は反対論が多かった。テレビで詳しく報道されるほどに反対世論が盛り上がり、その危険性が国民の間によく浸透し、国会で自民党が無理に押し通すことができない状況になって行った。あのときは、民主党が修正案を出し、与党からも修正の動きが出て、最後に民主党案を丸呑みするかという寸前で自民党と政府との足並みが乱れて流産の結果に終わった。保阪展人も書いているように、当時の与党は共謀罪法案に逡巡の気配があり、今のような強硬姿勢一点張りではなかった。2006年の通常国会は、小泉劇場で自民党が圧勝した1年後であり、数の上では自公は圧倒的だった。そして、このときに共謀罪を強引に押し通そうとしたのは、政権No.2で官房長官だった安倍晋三である。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-07 23:30 | Comments(1)

安倍晋三の支持層の岩盤 - リアルな現実の直視と真に有効な対抗策の発案を

c0315619_14431735.jpg4月2日のサンデーモーニングで、大宅映子が森友問題のコメントで次のように言っていた。「もう2か月になるのに、同じところをぐるぐる回ってばかりで、ちっとも核心に踏み込まない」。この意見に同感で、私の気分を代弁した言葉だと膝を打った。同じところをぐるぐる回ってばかりだ。時間だけが無駄に経っている。大宅映子の苛立ちはよく納得できる。普通なら、2か月も経てば、もう特捜部が動いて誰かが逮捕され、強制捜査のガサ入れの絵があっておかしくないのである。本丸である政治家に迫ることができなくても、人身御供の官僚は逮捕されて、検察が国民にエクスキューズの形を作る。憤慨する国民世論を宥めるべく、司法が形ばかりの「正義」の演出に動き、それなりに疑獄事件の始末をつけて幕引きしてきたものだ。ロッキード事件やリクルート事件や佐川急便事件を見てきたわれわれの感覚では、大宅映子と同じ不満と鬱屈となる。が、そうなるはずのものがならない。1年前に騒動した甘利明の収賄事件もそうだった。泰山鳴動してネズミ1匹もなし。司直は動かず、事件の解明はなく、容疑者は容疑者とならず、誰も何も責任をとらされないまま沙汰止みで終わった。今は昔と違うのである。安倍晋三の独裁政治の環境では、大宅映子の常識が寸毫も通用しない。

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# by yoniumuhibi | 2017-04-03 23:30 | Comments(3)

安倍晋三の支持率高止まりの理由 - 受け皿の欠如、いちだんの右傾化

c0315619_17052374.jpg森友学園の問題が、内閣支持率に影響を与えなかった。日経新聞と共同通信が26日に発表した世論調査の結果では、日経は前回より2ポイント上がった62%となり、共同は前回より3ポイント下がった52%だった。先々週末(3/18-19)、読売と日テレが行った世論調査では、内閣支持率が大幅に低下していたので、先週末(3/25-26)の世論調査でもさらに下落に拍車がかかるだろうと期待していたところ、全く逆の数字が出て落胆させられた。私を含めて、世論調査の強い風を待望していた反安倍の側の者たちは、意外な失速に大いに意気消沈したのではないか。先週(3/23)は籠池泰典の国会証人喚問があり、昭恵が100万円を渡した事実が生々しく証言され、週末にかけて昭恵を証人喚問せよという声が高まる状況になっていたため、その世論が反映して内閣支持率は下がるだろうと予想された。ところが、豈図らんや、内閣支持率の急降下はなく、安倍政権は依然として安泰の現状に落ち着いてしまい、正直、天を仰いで途方に暮れる気分にさせられる。この世論調査には不信と不満が残るけれど、結果は素直に受け入れざるを得ないだろう。残念な世論調査が出た後、安倍晋三と右翼は息を吹き返し、今週のネット空間では辻元清美が猛然と叩かれ、右翼が巻き返す展開となった。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-31 23:30 | Comments(3)

忖度の語の一人歩き - 事件を「官僚の忖度の物語」にする言説工作と陥穽

c0315619_16092453.jpg忖度という言葉が一人歩きして、森友学園の事件の認識を誤解に導いているように思えてならない。忖度という言葉の氾濫と馴れが、この事件の実像を歪め、われわれに真実ではない偽りの像を信じこませている。安倍晋三と親安倍のマスコミは、忖度という語を巧妙に操って問題を説明していて、そのことによって安倍晋三の関与や責任から世間の目を欺くことに成功している。忖度がキーワードになって事件の通念が形成されることで、疑獄の中心にいる安倍晋三の主体的契機が隠され、不正が曖昧にされ、何やら官僚たちが自然に動いて8億円の国有地値引きが実現したような構図にされている。この事件について忖度の言葉を使うのは危険だ。忖度の語の頻用と氾濫には注意を要する。まず、間違いのないように、忖度の語の定義を確認しよう。広辞苑には「他人の心中をおしはかること。推察」とある。果たして財務省の官僚は、安倍晋三の心中を推し量り、首相の安倍晋三が森友学園の開校を急いでいるに違いないから、その意に沿うよう行政を差配すべく、国有地の定期借地を認めたり、8億円の値引きによる売却を決定したのだろうか。この間の財務官僚の意思決定について、忖度による行為として理解するのが本当に正しいのだろうか。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-29 23:30 | Comments(4)

三宅弘の正論 - 野党は法律論で理論武装して佐川宣寿を論破せよ

c0315619_16015058.jpg25日に放送されたTBSの報道特集で、弁護士の三宅弘が登場して、森友問題についての財務省の国会答弁を批判していた。三宅弘は、政府の公文書管理委員会の委員長代理を努めている立場の人間である。それによると、国有地を8億円も値引きして売却したとなると、会計検査院の監査対象になるのは当然で、最低5年間は文書を保管しなくてはならず、もし交渉記録を故意に廃棄していたなら、刑法の公用文書等毀棄罪に該当し、故意でないとしても公文書管理法違反になると説明。公務員の過失として重大問題であり、国会での佐川宣寿の答弁を「役人の奢りと欺瞞だ」と厳しく批判した。テレビを見ながら、ようやく国民を代弁する正論が出たという感慨を抱いた。われわれが聞きたかった正論はこれだ。森友学園の問題が表面化して国会論戦になって以降、野党の追及を侫悪な詭弁と答弁拒否で退けてきたのが理財局長の佐川宣寿で、映像を見るたびに不快と憤懣を覚えさせられたが、佐川宣寿を論駁できる野党議員が出なかった。佐川宣寿が文書廃棄を正当化するところの、財務省の規定を根拠に1年未満の文書だから構わないとする論法に対して、誰も法律論で反駁を加える場面がなかった。野党だけでなくマスコミも同じで、佐川宣寿の強弁を素通りさせてしまっていた。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-27 23:30 | Comments(5)

安倍昭恵は100万円を渡している - 晋三の指示どおりに動いた9月5日

c0315619_14381574.jpg安倍昭恵が籠池泰典に100万円を手渡したことは間違いない。23日の証人喚問で枝野幸男が尋問を行ったとき、籠池泰典はこう言っている。「講演後、昭恵夫人が車で帰られた。私が見送りから戻って5-6分後、昭恵夫人から電話をいただいてそう言われた。内閣総理大臣の主人からとなると問題も多かろうと推察した」。重要な証言だが、この「そう言われた」というのは、枝野幸男の「昭恵夫人はその場で『黙ってて』と言ったのか」という質問に対しての回答である。つまり、見送りから5-6分後に昭恵からかかってきた電話は、口止めを念押しする趣旨だったということを示唆している。塚本幼稚園を出て車に乗った昭恵は、すぐに100万円を手渡した首尾を安倍晋三に報告したのであり、間違いなく人払いをした上で渡しましたと連絡したのだろう。そのとき、晋三が昭恵に、念のため籠池泰典に口止めの電話を入れとけと指示し、昭恵は言われたとおりにしたのだ。この日の昭恵は、安倍晋三に命じられたとおり行動している。現金授受の際に人払いするよう指図したのも晋三で、手渡す際に「安倍晋三からです」とだけ言うよう指令したのも晋三だ。昭恵は、現金について「寄付です」とも何とも付言してないのであり、100万円に名目は付けていない。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-25 23:30 | Comments(8)

しばき隊研究会とリベラル新党研究会 - 安倍晋三に負け続けた4年間

c0315619_14324960.jpgふと思ったことだが、辺見庸は、野間易通や菅野完や座間宮ガレイをどう思って見ているだろう。最近はあまり現実政治について発言をせず、たまにブログで書いても安倍政治や日米のファシズムについての批判と観想だけだが、政治の本質を洞察することでは誰よりも鋭い感性と眼力を持ったジャーナリストだから、左の方面の異様な鬼胎の動きにも興味を持って注視しているに違いない。左の世界が劣化し変質していること、奇怪で面妖なキャラクターが出現して跳梁していること、そのことの意味を辺見庸はどのような言葉で表現するだろうか。左で3人挙げたから、右でも3人挙げよう。橋下徹、桜井誠、栗秋琢磨。今、右の政治を動かしている怪物たちであり、今後さらに大きな権力と存在感を持つと思われる者たちだ。橋下徹と桜井誠が大阪府庁で喧嘩して罵倒を浴びせ合った事件は、NHKでも報道されたから、辺見庸は知っているに違いない。あの凶悪な絵が今の日本の政治の実像であり、言論空間であるネットでの日常がリアルの世界で形象化されたものだ。人格構造という点に着目して特徴を観察すれば、おそらくこの若い6人はよく類似していて共通項を持っている。暴力の化身。狂気の化身。奸智と詭弁と世才と毒性。そして、時代がそれを求めている。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-23 23:30 | Comments(2)

しばき隊研究会のお知らせと参加のお願い - 新しい「前衛党」の出現  

c0315619_17530134.jpg昨年末、「来年は二つのことに挑戦したい」と抱負を述べた。二つのこととは、しばき隊研究会とリベラル新党研究会を立ち上げることである。23日に新しい本の『しばき隊の真実』が刊行されるが、その原稿を書きながら、単独の作業では十分な考察と検討が加えられない限界を思い知った。しばき隊について本格的な研究をする仲間を集めたい。知見を仕入れる必要があり、しばき隊を分析する上で有効な視点を見つけるべく有識者と議論を重ねたい。問題意識の一端と言うと、しばき隊と在日というテーマがある。この問題は、在日と共産党という問題に繋がり、戦後の日本政治史の深層に関わる。この問題について、一つの仮説なり構図を描くことができるだろうか。六全協のとき、在日の多くは朝鮮総連に参加し、日本共産党からは離れる動きになり、70年代以降、個人崇拝(スターリン主義)や主体思想のカルト性をめぐって朝鮮労働党と日本共産党は鋭く反発し合う関係となった。ラングーン事件や大韓航空機爆破事件の後は絶交状態となり、88年に赤旗記者が初めて韓国を訪問、98年に金大中と不破哲三が握手という流れへと続く。2002年には北朝鮮拉致事件が表面化して問題となり、共産党は国会で北朝鮮制裁に賛成する立場になった。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-21 23:30 | Comments(1)

籠池泰典の暴露と証人喚問の政治 - 菅野完に狡猾に利用される野党

c0315619_17095126.jpg昨日16日、国会議員団の現地調査に応じた籠池泰典が、安倍晋三から100万円の寄付金を受けたと爆弾発言をした。2015年9月に安倍昭恵が塚本幼稚園で講演した際、「主人からです」と言ってカネを渡したと証言。この証言を受けて、自民党は態度を急変させ、「首相に対する侮辱だ」(竹下亘)だと激高し、来週23日に国会で証人喚問の場を持つことで民進党と合意した。一昨日、菅野完がマスコミの前で仄めかした「現職閣僚がカネを渡した」という疑惑の人物は、安倍晋三本人だった。昨日はテレビもネットもこの問題で一色となり、今日17日のテレビも余韻が続いている。森友学園の問題が噴出した後、安倍晋三の初期の答弁で、自分も妻も寄付をしたことはないと言い切った場面があったに違いなく、であれば虚偽答弁になってしまう。これに対して、菅義偉は午後の会見で、安倍晋三が昭恵を通して寄付をした事実はないが、昭恵個人が寄付したかどうかは確認中だと発表した。歯切れの悪いコメントだ。もし、昭恵が100万円の寄付をした事実がなければ、即、そのような事実はないと否定しただろう。この反応を常識で解釈すれば、安倍昭恵が寄付をした事実はあり、それをどうやって揉み消すか画策中という意味になる。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-17 23:30 | Comments(4)

稲田朋美の進退問題となった森友学園事件 - 騒動が収束しない理由

c0315619_17164758.jpg今日(15日)の朝日と毎日の社説は、稲田朋美の虚偽答弁の問題を取り上げている。朝日は「こんな釈明は通らない」と見出しを打ち、不誠実で身勝手な弁解の態度を厳しく責めている。「記憶に基づいて答弁している」という釈明に対して、そんな言い訳は通らないと一蹴、「不明確な点があれば答弁を保留し、事実を確認したうえで答弁すべきだ」と正論を置いて反駁した。南スーダンのPKO派遣に関して、ジュバでの戦闘を「衝突」と言い換えて国会で強弁した件についてもあらためて指摘し、「現実をねじ曲げた答弁だ。本末転倒もはなはだしい」と批判している。「国防を預かる稲田氏の答弁の信頼性そのものが揺らぐ、深刻な事態である」と結論した。毎日の社説は、「虚偽答弁の責任は重い」の見出しで、「結果として答弁が虚偽であったことは間違いない。『虚偽ではなく記憶違いだった』という稲田氏の説明は著しく説得力を欠く」と指弾、「結局、ウソがばれたから認めたのではないかと見られても仕方がない。閣僚が国会答弁を軽んじるのは許されない」と断じ、稲田朋美をあくまで擁護する安倍晋三に対して、「この政権の対応も理解に苦しむ」と言っている。読売と日経は、社説に稲田朋美の問題を取り上げていない。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-15 23:30 | Comments(2)

「震災から6年」の与良正男の暴言 - 脱原発の気運はどこで挫けたのか

c0315619_16464598.jpg震災から6年の特集を放送した12日のサンデーモーニングで、与良正男が聞き捨てならないことを言っていた。原発事故の直後に政府と東電が情報隠しに奔走した映像が流れたが、与良正男が、何を思ったのか、次のように言い放ったのだ。「あのとき、メディアは情報隠しをしていると批判されたが、そうではない。分かっていて隠したわけではない。何が起きていたか僕も分からなかったし、専門家も、日本全体が分かっていなかった」と。この自己正当化の言い訳の言葉は、事故後も何度も聞いた覚えがあるし、与良正男もどこかで発言していたかもしれない。しかし、6年後の今も、こんな身勝手な愚痴を平気で言いのける与良正男の神経はどうなっているのだろうと唖然とする。この男は幼稚だ。安倍晋三と同じで、幼稚園児のような未熟な精神性のままで還暦に達している。与良正男が無知で、そのとき何も状況を理解できなかったことは事実だろうし、わざわざ言うまでもないことだ。だが、科学的な知見を持ち、事故の内実を的確に推測できていた専門家は少なからずいた。広瀬隆がそうだし、田中三彦がそうだし、小出裕章がそうだ。与良正男の言う、専門家も分かっていなかったという主張は真っ赤なウソだ。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-13 23:30 | Comments(3)

鴻池祥肇の暴露ハプニング - 籠池泰典を切り捨てて安倍晋三を守る一計

c0315619_14591364.jpg1日夜に鴻池祥肇の爆弾会見があり、今週後半はこの話題でマスコミとネットが騒然となっている。週末のテレビの報道番組でも、森友学園問題と鴻池祥肇の口利き事件 - 籠池泰典による贈賄申込み事件 - がトップに来るだろう。1日昼に共産党の小池晃が参院予算委で暴露した「籠池泰典による自民党議員への働きかけの面談報告書」は、鴻池祥肇事務所のものだった。鴻池祥肇が自ら共産党本部に証拠文書を持ち込んでいたのであり、小池晃の質疑とタイミングを合わせてNNN(日テレ)に同じ文書を渡し、午後7時からマスコミ各社を集めて会見を開いていた。爆弾会見が報道された直後は、鴻池祥肇の「こんにゃく投げ返し」のパフォーマンスに釣られ、「出入り禁止や」という口上に騙され、鴻池祥肇と森友学園は絶交になったかのように解釈する向きが多かったが、それは錯覚で、「こんにゃく投げ返し」の一件があった2014年4月以降も両者の関係は続き、陳情と対応は2016年3月まで長々と続いている。また、鴻池祥肇は口利きを行ってないなどという認識が一人歩きしているが、これも事実誤認で、鴻池祥肇は口利きを行っている。鴻池祥肇事務所と省庁との一連のやり取りこそが典型的な口利きだ。誤解してはいけない。

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# by yoniumuhibi | 2017-03-03 23:30 | Comments(8)

赤坂飯店のキャップ会合 - マスコミの直参工作員を集めた緊急対策会議

c0315619_16054059.jpg昨夜(2月27日)の首相動静で伝えられたところの、赤坂飯店での報道各社キャップとの会食は、森友学園事件の難局を切り抜けるために安倍晋三が緊急招集したものだ。一部に、安倍晋三がマスコミに圧力をかけるためとか、恫喝するためとか、馴れ合いとか、この会合の目的と性格について書いているツイートがいるが、それは見当外れのナイーブな発想と認識である。無知にもとづく誤解も甚だしい。集まった官邸キャップや与党キャップという者は、40代前半くらいの若い記者たちで、まさに安倍親衛隊と呼ぶに相応しい、安倍晋三の権力中枢を構成する側近の工作員たちに他ならない。安倍晋三とイデオロギーを同じくし、安倍晋三の権力維持のために奔走し、諜報活動と世論操作に暗躍して権力を実際に運営している連中だ。NW9に出て来るNHK官邸キャップの原聖樹とか、岩田明子を想起してもらいたい。安倍政権の権力機構の一部である。政権を支える側近要員という位置からすれば、萩生田光一や西村康稔や柴山昌彦とかと変わらない重要な身内の手駒だ。彼らは安倍政権のことなら何でも知っているし、秘密を共有しているし、所属する新聞社やテレビ局の上司幹部が知らない情報を知っている。特権エリートとしての権力者意識を持って動いている。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-28 23:30 | Comments(6)

共謀罪を阻止した10年前 - 世論の半数が「テロ等準備罪」容認に愕然

c0315619_16161018.jpg平成27年度予算案は、今日(27日)衆院を通過して参院に送られた。国会論戦の主舞台は参院予算委に移る。森友学園の問題は、毎日新しい情報が飛び出して疑惑が広がり続けている。この問題の特徴は、いわゆる法的責任が関心の焦点になっていないことで、国有地払い下げに伴う、政治家の介入による利益供与という明らかな疑獄事件であるにもかかわらず、贈収賄の容疑が当事者に浮上すると誰も想定しておらず、テレビ報道でも元特捜検事とかの法律専門家が登場して解説しない。その気配が寸毫もない。注目は、安倍晋三の支持率が落ちるかどうかという点にかかっていて、世論調査の数字に影響を与えるマスコミ報道がどれだけ熱心にこの問題を扱って批判を拡大するかというところにある。世間も、マスコミ関係者も、半信半疑というか及び腰なのは、昨年の甘利明の口利き収賄事件の顛末があり、稲田朋美や高市早苗らの白紙領収書の問題があったにもかかわらず、結局、何もお咎めなしで済まされ、捜査当局が動くでもなし、国会証人喚問があるでもなし、何もないままに政治が進行した現実があるからだ。甘利明の口利き疑惑はわずか1年前のことだが、遠い昔のことのように思われる。その後の参院選は安倍晋三が大勝した。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-27 23:30 | Comments(3)

「平等に貧しくなろう」の無策と退嬰 - なぜ介護ロボットを開発しないのか

c0315619_15353403.jpg上野千鶴子の「移民政策は無理」「平等に貧しくなろう」の発言について、前者には賛成だが、後者には反対だと私の立場を述べた。前の記事では、日本を移民社会に改造することを理想化し、米国型の多民族混合社会の夢へと狂奔するしばき隊と左翼を厳しく批判したが、今回は、後段の「平等に貧しくなろう」の問題について論じよう。上野千鶴子は中日新聞の談話でこう言っている。「大量の移民の受け入れなど不可能です。(略)移民は日本にとってツケが大き過ぎる。(略)だとしたら、日本は人口減少と衰退を引き受けるべきです。平和に衰退していく社会のモデルになればいい。一億人維持とか、国内総生産(GDP)六百兆円とかの妄想は捨てて、現実に向き合う」。日本を大量移民社会にするのは無理だから、人口減少と衰退を引き受けるべきだという結論と提言を置いている。この主張には私は全く同意できない。論理に飛躍がある。経済学の視点と思考がない。移民を受け入れて人口規模を維持しないと経済成長はできないという認識は、あまりに素人の発想にすぎ、社会を研究する学者として軽薄すぎる。反安倍の左翼側がこんな無策を言っているから、アベノミクスを唱える方に説得力が出て、国民の支持が安倍晋三に傾く方向に導いてしまうのだ。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-21 23:30 | Comments(4)

上野千鶴子の「移民政策は無理」論 - 不当な「排外主義」のレッテル貼り

c0315619_16484601.jpg先週、上野千鶴子が建国記念の日に中日新聞に寄せた談話をめぐって、ネットの中で大きな議論が巻き起こった。上野千鶴子の主張は、大きく整理すると、(1)移民政策は日本では不可能なのでやめた方がいい、(2)日本は衰退を受け入れるしかないから平等に貧しくなろう、の二つである。二つの主張について左翼から轟々たる非難が上がり、現在でもその余韻が残っている。中日新聞に載った上野千鶴子の議論は、アカデミーの大御所様の意見として、何やら杜撰で無責任な誹りを免れないものがあると私も思うが、政策論として見たとき、重要な問題提起を発していて、今後の日本の経済政策を考える上での思考材料を提供したことは間違いない。移民の大量受け入れに舵を切るべきかどうか、そろそろ政策判断を迫られているときだという点は私も同感だ。その意味では、世論を喚起する刺激的な一石をビッグネームが投じたと言えよう。残念なことに、ネットでは話題が集中して侃々諤々されながら、議論をフォローするマスコミ報道が一つもない。朝日新聞がこの問題を紙面に取り上げないのは顰蹙だろう。結論から言えば、私は、(1)については賛成であり、(2)については反対である。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-20 23:30 | Comments(6)

インドで考えたこと - デリーとニューデリー

c0315619_16142545.jpgインド観光中、アテンド担当のガイド氏からカーストについて説明はなかった。移動中の車窓から途切れることのない、半スラム街と路上の物売りの人々とカーストとの関係について質問して答えを聞きたかったが、それは憚られることだった。インド憲法ではカーストによる差別を禁止していて、表面上は差別のない国作りをめざしている。だが、現実にはカースト制度が生きていて、結婚や就職のときに問題となり、インドはその社会的慣習を廃止していない。ヒンズー教そのものがカーストを認めていて、ヒンズー教徒として生きることは、カースト制度を肯定し、カーストに属し、カースト社会の中に身を置いて人生を送ることを意味する。ヨガと瞑想という表象に注目すれば、積極的なライフスタイルに映り、他宗教に対して寛大で排他性や独善性がなく、自然で宗教本来の姿に見えるヒンズー教だが、それはカーストを固定・再生産する元凶の観念システムでもある。インド国内でカーストが禁忌であり、公論の対象として喋々されるべきものでないことは、3日間の旅行でそれとなく察せられた。堀田善衛はインドに3か月も滞在し、私と同じくカーストに強い関心を持っていたに違いないが、岩波新書(青)には観察と報告が記されていない。現地で得る情報がなく、迂闊な議論ができなかったからだろう。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-17 23:30 | Comments(2)

インドで考えたこと - インドの宗教と自律と自癒の社会

c0315619_17220519.jpg堀田善衛は岩波新書(青)の中でこう書いている。「デリー近郊を歩いていると、いや、どこをでも、インドの友人のすすめるがままに見物に行くとするなら、一切は宗教である、ということになってしまう。(略)デリー近辺の広大無辺の半砂漠地帯には、その昔の帝王の実に巨大な墓や回教礼拝堂の廃墟がいくらでもあるが、それらはたとえ廃墟であっても、決して死んではいないという、生き生きとした印象を与える。(略)村の人たちは、観光用説明というのではなくて、それらの廃墟についていくらでも無限に、そして実に楽しげに、現在に生きている対象として話をすることができる」(P.67-68)。デリー市内には、宗教の寺院や施設がとても多かった。想像以上だった。宗教が人々の生活の中に入り込んでいて、人々が宗教とともに生きている。インドを治めているのはインド政府に違いないが、路上に群れて暮らしている夥しい数の末端の人々まで含めて、それを統治しているのは、宗教の自律と自癒の力(Macht)なのではないかと、そのように思われた。宗教の死生観などとは無縁に生きていて、信仰心などというものを軽侮する態度を持ちがちな日本人には、インドの人々と社会は分かりにくい。が、どうやら、インドの人々がシヴァ神やヴィシュヌ神を語ることは、われわれがトランプを語ることと同じくらい関心の高い、意味のある問題事項なのだ。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-15 23:30 | Comments(3)

インドで考えたこと - インドへ行くと人生観が変わる

c0315619_16320529.jpg午前3時に寝て、目が覚めたのが午前5時だった。飛行機の中で一睡もしておらず、疲れているはずなのに眠れない。時差が3時間半ある日本だと午前8時半だから、そのせいだっただろうか。窓の外は真っ白の濃霧で、30メートル先の視界がきかない。その日はデリー市内観光が予定され、狭いマイクロバスに押し込められて出発した。そこで見た風景は忘れられないものだ。インドに行くと人生観が変わると言われているが、まことに人生観を変えてしまうほどの衝撃的な風景があった。ネットを見ると、デリーの街について、「街中がゴミ捨て場のようでした」と日本人が書き込んでいる。観光に訪れた女性の感想だろう。これほど当を得た表現はない。一言で真実を言い表している。ゴミ捨て場の中に大きな街があり、家が並び、車が犇めき、無数の人が路上に蠢いていた。ゴミ捨て場とクラクションの嵐。それがデリーの街だ。沿道に商店が並んでいる。どれも間口が狭く奥行きがない小さな店舗で、建物も古く薄汚い。商店と車道の間に歩道のスペースがあり、そこに、自動車やオートバイや自転車が駐車され、さらに露天商の屋台の連なりがある。露天商という日本語では、表象としてきれいすぎて実態を表現しない、派遣村の炊き出しの絵を想起させるところの、もっと粗末な食べものの物売りの姿がある。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-13 23:30 | Comments(1)

インドで考えたこと - インディラ・ガンジー国際空港へANA便で

c0315619_18034322.jpg行き帰りの飛行機は全日空だった。格安ツアーながらANAを使うところはさすがに大手代理店であり、逆に言えば、その分、現地の下請け会社がコストのしわ寄せを受けている事情が察せられる。狭いエコノミー階級の座席だったが、ANAのデリー往復は快適だった。機長がいい。機長は正確に到着時間を守り、日本の航空会社のエクセレンスを証明、日本人乗客を誇らしい気分にさせてくれた。デリーからの復路、搭乗は時間どおりに進行したが、離陸直前にアクシデントが発生、チェックインした客の一人が荷物を預けたままキャンセルしてしまい、機内からそれを取り出す作業が入り、出発は2時間ほど遅れることになった。予定では、午前1時25分に出て12時45分に着く。時差が3時間半あり、フライト時間は7時間40分。このトラブルを、機長は航路の変更と加速の凄技で見事に凌ぎ、飛行中に2時間のディレイを取り戻して予定時刻どおりに成田に着陸した。到着時間に変更はないからご安心をと、二度ほど自らアナウンスして、そのとおりに約束を守った。復路は偏西風に助けられるという判断もあったのだろうが、このタイムマネジメントは完璧で、日本人らしい努力に感心させられる。つまり、お客には後の都合があるから迷惑はかけられないという配慮の意識だ。

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# by yoniumuhibi | 2017-02-08 23:30 | Comments(3)

インドで考えたこと - 格安ツアーとインド経済

c0315619_17215577.jpgインドから帰国して数日が過ぎた。成田に到着した翌日から発熱が始まり、重い風邪の症状に苦しまされる日が続いたが、どうやら峠を超えたようで快方に向かっている。インドへの旅を思い立ったのは、大手の代理店が破格値の商品を売り出したのを新聞広告で見つけたからだった。5万円でタージマハール観光ができるのならこれを買わない手はない、ということで衝動買いで飛びついてしまった。もう一つの理由は、年齢からくる体力と健康の衰えで、例えば、もしも辺見庸と同じ身体の条件になってしまえば、そのときどれほど経済的余裕があってもインド往復はかなわない。実際のところ、今回の3泊5日のハードスケジュールを10年後の体で再びやれる自信はない。インドはハワイとは違う。ヨーロッパやアメリカとも条件が違う。インドの旅は体力を要するものだ。体力のあるうちに行っておかなきゃという人生の計算の感覚が、衝動買いを後押しする動機となった。インド旅行は心身ともに疲労困憊になるタフなものだったが、それではもう二度と彼の地へ行く気はないかというと、決してそうではなく、例えばベナレスとブッダガヤが4万円で売り出されたり、アジャンタとムンバイが4万円でセットになれば、年齢も体力も出費も忘れて目の色を変えて飛びつくことだろう。


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# by yoniumuhibi | 2017-02-07 23:30 | Comments(3)

NAFTAの破綻とメキシコの20年 - 合衆国と中南米の「文明の衝突」

c0315619_18291744.jpgペニャニエトが訪米中止を発表し、31日に予定されていた米墨首脳会談が取り止めになった。25日にトランプが「国境の壁」建設の大統領令に署名したことで、衝撃と緊張が走り、世界中が注目していたが、二人が顔を突き合わせて「カネを払え」「払わない」と喧嘩する修羅場は避けられることになった。メキシコでは、ペニャニエトの対米弱腰姿勢に対して国内で反発が高まり、支持率が12%にまで落ち込んでいる。メキシコでトランプとペニャニエトを批判している急先鋒は、民主革命党(PRD)のリーダーのオブラドールで、2018年の大統領選の有力候補の一人と言われている。過去に2006年と2012年の大統領選に出馬、2006年は僅差で破れた。PRDは左派政党で、日本共産党の党大会に代表を送っている。日本国内では、この問題についてメキシコ側から取材した報道があまりにも少なく、状況を客観的立体的に捉えることが難しい。昨年の米大統領選で予測を外し、DC・NYの目線だけで見て判断してはいけないなどと反省の弁を垂れながら、日本のマスコミは、「国境の壁」問題についてメキシコ側の論理や立場に目を向けない。内情を探ろうとせず、メキシコ国民の意見を拾わない。昔の日本はこんなことはなかった。すぐに黒沼ユリ子が出て来て、久米宏の番組で現地をレポートして説明をしていた。

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# by yoniumuhibi | 2017-01-27 23:30 | Comments(9)

TPPの破綻と消滅を祝福する - 中国がRCEPでルール作りの主役に

c0315619_17052692.jpg23日、大統領に就任したトランプがTPPから永久に離脱する大統領令に署名した。このことを率直に喜び言祝ぎたい。米国の市民も歓迎しているだろう。日本の農業を守るため、食の安全を守るため、国民皆保険を守るため、TPPは阻止しないといけなかった。一昨年に大筋合意が発表された「農産品重要五項目」のコメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖は、今後どうなるのだろう。現行の関税率が維持され、生産者は将来も安心して事業を続けることができるのだろうか。本来、こうしてTPP発効が不可能になったのであれば、マスコミは、真っ先にTPPに反対してきた農家やJAを取材して声を拾うべきだろう。萬歳章のコメントを聞きたい。だが、NHKは取材をせず、朝日にも全く載っていない。マスコミが報道するのは、TPP推進派の声ばかりであり、米国抜きでも枠組みを続けよとか、米国を説得せよなどと、麻生太郎とか日商とか経団連の幹部の声ばかりを取り上げている。日本が一生懸命に骨を折り、米国のために献身的に尽くしてきたTPPが、米国の気まぐれのために水の泡になり、何とも残念でならないという意味づけにしている。まるで、TPPは国民の総意であり悲願であったかのような構図化だ。マスコミにTPP反対の立場の者がいない。TPPが亡国の道であるという認識の者がいない。

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# by yoniumuhibi | 2017-01-25 23:30 | Comments(5)


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